特許第6593197号(P6593197)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士電機機器制御株式会社の特許一覧

特許6593197接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法
<>
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000002
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000003
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000004
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000005
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000006
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000007
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000008
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000009
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000010
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000011
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000012
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000013
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000014
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000015
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000016
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000017
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000018
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000019
  • 特許6593197-接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593197
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/02 20060101AFI20191010BHJP
   H01H 50/04 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   H01H9/02 D
   H01H50/04 C
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-13588(P2016-13588)
(22)【出願日】2016年1月27日
(65)【公開番号】特開2017-134990(P2017-134990A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】椎木 翔太
(72)【発明者】
【氏名】大久保 幸治
(72)【発明者】
【氏名】堤 貴志
【審査官】 澤崎 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−220186(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0022264(US,A1)
【文献】 特開2009−123419(JP,A)
【文献】 実開昭52−140156(JP,U)
【文献】 特開2000−100297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/00 − 9/28
H01H 50/02 , 50/04
H01H 89/00 − 89/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面を有する第1電気機器及び第2電気機器を当該取付面同士が同一平面となるように電気的及び機械的に接続する接続モジュールであって、
前記第1電気機器が装着される第1側面に当該第1電気機器に接続される第1電気的接続部を突出形成し、前記第2電気機器が装着される前記第1側面と平行な第2側面に当該第2電気機器に接続される第2電気的接続部を突出形成した絶縁体と、
前記第1電気機器の前記取付面に接合される第1接合部及び前記第2電気機器の前記取付面に接合される第2接合部を有し、前記絶縁体の前記第1電気機器及び前記第2電気機器の取付面に連接する装着面に配置された剛性を有する補強用接合板と
を備えたことを特徴とする接続モジュール。
【請求項2】
前記補強用接合板は、前記絶縁体の装着面に装着された幅広基部を有し、該幅広基部の前記第1電気機器の取付面と対向する両側位置にそれぞれ第1位置決め部が形成され、前記幅広基部の前記第2電気機器の取付面と対向する両側位置に第2位置決め部がそれぞれ形成され、前記幅広基部の前記第1位置決め部間に前記第1接合部が突出形成され、前記幅広基部の前記第2位置決め部間に前記第2接合部が突出形成されていることを特徴とする請求項1に記載の接続モジュール。
【請求項3】
前記第1接合部は、前記第1電気機器の取付面に形成された取付金具挿入固定部に挿入される突出板部で構成され、該突出板部に前記取付金具挿入固定部に形成した係合部に係合する係合凸部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の接続モジュール。
【請求項4】
前記第2接合部は、前記第2電気機器の取付面に形成した一対のレール係合部間に係合する突出係合板部で構成され、該突出係合板部の先端にレール装着面側に折り曲げられた折り曲げ部が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の接続モジュール。
【請求項5】
前記折り曲げ部は、前記第2電気機器の脱着時に当該第2電気機器の回動支点となるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の接続モジュール。
【請求項6】
前記第2接合部は、前記突出係合板部の表面に補強用ビードが形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の接続モジュール。
【請求項7】
前記補強用接合板は、前記絶縁体の前記装着面に形成された接合板保持部に保持されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の接続モジュール。
【請求項8】
前記絶縁体は、前記第1電気的接続部を突出形成し、前記装着面を有する基部と、該基部の前記装着面とは反対側面の両側部から当該装着面から離れる方向に突出する第1脚部及び第2脚部とを備え、前記第1脚部及び前記第2脚部の先端に前記第2電気的接続部が突出形成されていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の接続モジュール。
【請求項9】
前記基部は、前記第1電気機器に形成されたレール装着部材を可動させる操作具を挿通する挿通部を有し、前記該1脚部及び前記第2脚部は、前記挿通部への前記操作具の挿通を許容する空間部を形成していることを特徴とする請求項8に記載の接続モジュール。
【請求項10】
マニュアルモータスタータと電磁接触器とを、請求項1から請求項9の何れか1つに記載された接続モジュールで連結して構成されることを特徴とするコンビネーションスタータ。
【請求項11】
前記接続モジュールは、第1接合部を前記マニュアルモータスタータの取付面側に形成された取付金具挿入固定部に挿入固定するとともに、第1電気的接続部を前記マニュアルモータスタータの主回路負荷側端子部にねじ止め固定し、第2接合部を前記電磁接触器の一対のレール係合部間に係合させるとともに、第2電気的接続部を前記電磁接触器の主回路電源側端子部にねじ止め固定されていることを特徴とする請求項10に記載のコンビネーションスタータ。
【請求項12】
請求項1から請求項9の何れか1つに記載された接続モジュールを使用してマニュアルモータスタータと電磁接触器とを連結してコンビネーションスタータを構成し、前記マニュアルモータスタータを壁面に固定した取付レールに装着した状態で、前記電磁接触器を交換する際に、前記第2電気的接続部の前記電磁接触器の主回路電源側端子部とのねじ止めを開放し、前記第2接合部を回動中心として前記電磁接触器を前記壁面側に回動させて当該電磁接触器を取り外し、新たな電磁接触器の下端を前記壁面側に近づけるように傾斜させた状態で、レール装着部を前記第2接合部に係合させてから当該第2接合部を回動中心として電磁接触器の下端が壁面から離れる方向に回動させて主回路電源側端子部に前記第2電気的接続部を接触させてねじ止めすることを特徴とするコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電磁接触器と、ブレーカ機能とサーマルリレー機能を有するモータスタータとを連結する接続モジュール、これを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このコンビネーションスタータとしては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。
このコンビネーションスタータは、電磁接触器とマニュアルモータスタータとを接続モジュールで電気的に接続した構成を有する。
この接続モジュールは、絶縁性を有する樹脂ケースを有し、樹脂ケースの一方の面には電磁接触器の主回路電源側端子部に接続するように高さが設定された3本の導体が平行に突出されている。また、樹脂ケースの他方の面にはマニュアルモータスタータの主回路負荷側端子部に接続されるように高さが設定された3本の導体が平行に突出されている。
【0003】
そして、電磁接触器及びマニュアルモータスタータ間に接続モジュールを介在させ、一方の導体を電磁接触器の主回路電源側端子部にねじ止めし、他方の導体をマニュアルモータスタータの主回路負荷側端子部にねじ止めすることにより、電磁接触器、マニュアルモータスタータ及び接続モジュールを一体化してコンビネーションスタータを構成することができる。
このようにして構成したコンビネーションスタータは、マニュアルモータスタータと電磁接触器とが接続モジュールの導体を介して接続されているだけで、機械的強度は必ずしも高いとは言えない。
【0004】
このため、一般には、コンビネーションスタータを構成するマニュアルモータスタータ、接続モジュール及び電磁接触器をベースプレートに装着してコンビネーションスタータの剛性を確保するようにしている。そして、ベースプレートを取付レールに装着して固定するようにしている。この場合、ベースプレートは、一本の取付レールに装着する場合と、平行に配置された2本の取付レールに装着する場合とがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−220186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、上記従来のコンビネーションスタータは、マニュアルモータスタータと電磁接触器とを接続する接続モジュールのみでは高い剛性を得ることができず、剛性を確保するには、ベースプレートを必要とするという課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の課題に着目してなされたものであり、剛性を確保しながらマニュアルモータスタータや電磁接触器等の2つの電機機器を接続することができる接続モジュール、この接続モジュールを使用したコンビネーションスタータ及びコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る接続モジュールの一態様は、取付面を有する第1電気機器及び第2電気機器を当該取付面同士が同一方向となるように電気的及び機械的に接続する接続モジュールであって、前記第1電気機器が装着される第1側面に当該第1電気機器に接続される第1電気的接続部を突出形成し、前記第2電気機器が装着される前記第1側面と平行な第2側面に当該第2電気機器に接続される第2電気的接続部を突出形成した絶縁体と、前記第1電気機器の前記取付面に接合される第1接合部及び前記第2電気機器の前記取付面に接合される第2接合部を有し、前記絶縁体の前記第1電気機器及び前記第2電気機器の取付面に連接する装着面に配置された剛性を有する補強用接合板とを備えている。
【0008】
また、本発明に係るコンビネーションスタータの一態様は、マニュアルモータスタータと電磁接触器とを、第1電気的接続部及び第1接合部と第2電気的接続部及び第2接合部とを有する接続モジュールで連結して構成されている。
さらに、本発明に係るコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法の一態様は、接続モジュールを使用してマニュアルモータスタータと電磁接触器とを連結してコンビネーションスタータを構成し、前記マニュアルモータスタータを壁面に固定した取付レールに装着した状態で、前記電磁接触器を交換する際に、前記第2電気的接続部の前記電磁接触器の主回路電源側端子部とのねじ止めを開放し、前記第2接合部を回動中心として前記電磁接触器を前記壁面側に回動させて当該電磁接触器を取り外し、新たな電磁接触器の下端を壁面側に近づけるように傾斜させた状態で、の前記レール係合部を前記第2接合部に係合させてから当該第2接合部を回動中心として電磁接触器の下端が壁面から離れる方向に回動させて主回路電源側端子部に前記第2電気的接続部を接触させてねじ止めするようにしている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る接続モジュールの一態様によれば、第1電気機器及び第2電気機器を、第1接合部及び第2接合部を形成した補強用接合板を有する接続モジュールで接続することにより、別途連結部材を用いることなく連結剛性を確保しながら一体化することができる。
本発明に係るコンビネーションスタータの一態様によれば、マニュアルモータスタータと電磁接触器とを、第1接合部及び第2接合部を形成した補強用接合板を有する接続モジュールで接続することにより、別途連結部材を用いることなく連結剛性を確保しながら一体化してコンビネーションスタータを構成することができる。
本発明に係るコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法によれば、マニュアルモータスタータを取付レールに装着した状態で、電磁接触器のみを容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るコンビネーションスタータを示す外観斜視図である。
図2図1の正面図である。
図3図1の背面図である。
図4図1の側面図である。
図5】マニュアルモータスタータの背面図である。
図6】電磁接触器の背面図である。
図7】接続モジュールの平面側から見た斜視図である。
図8】接続モジュールの底面側から見た斜視図である。
図9】接続モジュールの図であって、(a)は正面図、(b)背面図、(c)は側面図である。
図10】接続モジュールによる接続状態を示す拡大背面図である。
図11】コンビネーションスタータの接続方法を示す側面図である。
図12】コンビネーションスタータをベースプレートに装着した状態を示す斜視図である。
図13】コンビネーションスタータをベースプレートに装着した状態を示す側面図である。
図14】AC操作形の電磁接触器を適用した場合のコンビネーションスタータ示す側面図である。
図15図14の背面図である。
図16】スペーサを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は背面図である。
図17】電磁接触器を可逆接続した状態のコンビネーションスタータを示す正面図である。
図18】サイズの大きい電磁接触器を装着したコンビネーションスタータを示す正面図である。
図19図18の電磁接触器用の接続モジュールを示す図であって、(a)は平面側から見た斜視図、(b)は底面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
以下、本発明に係るコンビネーションスタータの実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本発明に係るコンビネーションスタータ1は、図1に示すように、第1電気機器としてのマニュアルモータスタータ10と第2電気機器としての電磁接触器20とが接続モジュール30で連結されて構成されている。
マニュアルモータスタータ10は、ブレーカ機能とサーマルリレー機能とを有し、欠相、短絡、過負荷から三相モータ回路を保護するように構成されている。このマニュアルモータスタータ10は、図1に示すように、正面側に、上端部側に配置された主回路電源側端子部11と、下端部側に配置された主回路負荷側端子部12と、中央部に配置された操作ハンドル13と定格電流可調整ダイヤル(図示せず)を覆う保護カバー14と、トリップ表示部15とが設けられている。
【0013】
ここで、主回路電源側端子部11及び主回路負荷側端子部12は、後述する電磁接触器20の主回路電源側端子部21a及び補助端子部21bの高さに比較して約半分程度の高さとなっている。
また、マニュアルモータスタータ10の背面側は、図5に示すように、上下方向の中央部にトップハット形レールに装着するレール装着部16が形成され、下端側に別部材の固定ねじ取付用金具17を挿通する保持する取付金具挿入固定部18が形成されている。
レール装着部16は、左右方向に貫通して延長するレール収容凹部16aを備えている。このレール収容凹部16aには、上壁部16bの左右両端側位置に底面との間にトップハット形レール60の上側縁が係合する係合凹部16cを形成する突出板部16dが形成されている。また、レール収容凹部16aには、下壁部16eから下端に延長して形成された案内溝16f内に摺動可能にスライダ16gが配置されている。
【0014】
スライダ16gは、案内溝16fと交差する方向に支持された線状ばね16hによって先端に形成された銜合部がレール収容凹部16a内に突出する方向に付勢されている。このスライダ16gには、下端側の正面から視認可能な位置にねじ回しなどの操作具を挿通する挿通孔16iが形成されている。
取付金具挿入固定部18は、下端部に形成された枠状部18aに形成された挿通孔18bと、この挿通孔18bの左右内壁に連接して上方に延長する案内突条18cと、この案内突条18cの上端側に連接する挿通孔18dとで構成されている。この取付金具挿入固定部18の挿通孔18b内に、図6で一点鎖線図示の固定ねじ取付用金具17を挿通して案内突条18cで案内して上部側の挿通孔18d内まで挿入し、固定ねじ取付用金具17に形成された係合突起17aを枠状部18aの内側面に係合させることにより、固定ねじ取付用金具17を固定保持することができる。
【0015】
電磁接触器20は、直流電流によって励磁されるコイルを有する電磁石装置が内蔵され、この電磁石装置の可動プランジャによって三相分の可動接触子が保持された接点支えを軸方向に駆動し、各可動接触子を三相分の固定接触子に対して接離可能とされている。この電磁接触器20には、正面の上端側に主回路電源側端子部21a及び補助端子部21bが配置され、下端側に主回路負荷側端子部22a及び補助端子部21cが配置され、さらに、主回路電源側端子部21aの後方側にコイル端子部23が配置されている。
この電磁接触器20の背面側には、図6に示すように、上下方向の中央部にトップハット形レールに装着するレール装着部24が形成されている。このレール装着部24は、左右方向に貫通して延長するレール収容凹部24aと、このレール収容凹部24aを形成する上壁部24bの左右両端側位置に形成されたトップハット形レールの上側縁を銜えるフック部24cと、レール収納凹部24aを形成する下壁部24dから下端に延長して形成された案内溝24e内に摺動可能に配置されたスライダ24fとを備えている。スライダ24fは、左右側面から突出された蛇行する弾性片24gによって先端側の銜合部がレール収容凹部24a内に突出する方向に付勢されている。
【0016】
この接続モジュール30は、図7図9に示すように、絶縁性を有する合成樹脂材で形成された絶縁体31と、この絶縁体31の背面側に装着された剛性を有する金属製の補強用接合板41とで構成されている。
絶縁体31は、基部33と、この基部33の前端における左右両端側から前方に延長する2本の第1脚部34及び第2脚部35とで構成されている。基部33は、方形の底板部33aと、この底板部33aの周縁部から上方に延長する枠状部33bとで構成されている。枠状部33bの左右方向の略中央部で後述するようにマニュアルモータスタータ10に装着した状態で、スライダ16gの挿通孔16iに対向する位置に前後方向に延長する操作具挿通部33cが形成されている。この操作具挿通部33cは、図7に示すように、一方の側壁33dは直線状に形成され、この側壁33dと対向する他方の側壁33eは、前端側で側壁33dとの間隔が広く設定され、後端側で側壁33dとの間隔が操作具をスライダ16gの挿通孔16iに案内できるように狭くなるように設定されている。
【0017】
そして、底板部33aには、上面側に、マニュアルモータスタータ10の主回路負荷側端子部12にねじ止めされる第1電気接続部としての3本の接続導体36a〜36cが左右方向に所定間隔を保ち且つ枠状部33bの上端より上方に突出するように配置されている。
第1脚部34は、図8に示すように、底板部33aの下面側から前方に直線状に延長する直線部34aと、この直線部34aの先端側で左右方向の中央部側に延長する延長部34bとを有する。直線部34aの先端及び延長部34bの先端の下面側に下方に突出延長する第2電気的接続部としての2本の接続導体37a及び37bが突出形成されている。
【0018】
第2脚部35は、底板部33aの下面側から前方に直線状に延長する直線部35aと、この直線部35aの先端から延長部34b側に湾曲して延長する湾曲部35bとから構成されている。湾曲部35bの先端の下面側に下方に突出延長する第2電気的接続部としての1本の接続導体37cが突出形成されている。
そして、接続導体36a〜36cがそれぞれ接続導体37a〜37cに個別に第1脚部34及び第2脚部35内に埋設された電気配線(図示せず)によって電気的に接続されている。
【0019】
補強用接合板41は、図8及び図9(b)に示すように、略方形状の左右方向に延長する幅広基部42と、この幅広基部42の上端から上方に突出する第1接合部43と、幅広基部42の下端から下方に延長する第2接合部44とを備えている。この補強用接合板41は、プレス加工によって幅広基部42、第1接合部43及び第2接合部44が一体成形されている。
また、幅広基部42の上端側における左右端部側にそれぞれ第1位置決め部45が突出形成されている。また、幅広基部42の下端側における左右端部側に第2位置決め部46がそれぞれ突出形成されている。幅広基部42の中央位置に下端を除く3方をコ字状に打ち抜いて後方に折り曲げられた弾性係合片47が形成されている。
【0020】
第1接合部43は、幅広基部42の上端から幅広基部42と同一面内で上方に一体に延長している。この第1接合部43は、マニュアルモータスタータ10の取付金具挿入固定部18に挿通するに適した前述した固定ねじ取付用金具17の挿通部と同様の板状に形成されている。第1接合部43の背面側には、図10に示すように、第1接合部43を取付金具挿入固定部18に挿入して、第1位置決め部45の位置決め片45a及び45bがマニュアルモータスタータ10の枠状部18aの下面に接触した状態で、枠状部18aの上面側に係合する係合突起43aが形成されている。
【0021】
第2接合部44は、電磁接触器20の背面側の上端面及びレール収容凹部24aの上壁部24bとの間に嵌合する嵌合凹部44aを備えている。この嵌合凹部44aは、幅広基部42の下端側の中央部から後方に折り曲げられた第1折り曲げ部44bと、この第1折り曲げ部44bの上端から下方に折り曲げ幅広基部42と平行に延長する凸状板部44cと、この凸状板部44cの先端から前方に折り曲げられた幅狭の第2折り曲げ部44dと、この第2折り曲げ部44dの先端から下方に折り曲げられた第2折り曲げ部44dより幅広で底面が幅広基部42の底面と同一平面となる第3折り曲げ部44eと、この第3折り曲げ部44eの上端左右両端部から後方に上面が第2折り曲げ部44dの上面と同一平面に折り曲げられた第4折り曲げ部44fとから構成されている。このように第3折り曲げ部44eの第4折り曲げ部44fを形成して側面から見てL字状に形成することにより、第3折り曲げ部44eの剛性を高めるようにしている。
【0022】
ここで、図9(c)に示す第1折り曲げ部44bと第2折り曲げ部44d及び第4折り曲げ部44fとの間の距離L1が図6に示す電磁接触器20の背面の上端面からレール収容凹部24aの上壁部24bまでの距離L2と等しく設定されている。また、凸状板部44cの背面側には補強用ビード48が上下方向に延長して形成されている。
そして、補強用接合板41が、絶縁体31の背面側の装着面に形成された接合板保持部49に、第1接合部43を上方に突出させ且つ第2接合部44を下面に突出させて固定されている。この補強用接合板41の接合板保持部49への固定は、接合板保持部49の左右内壁にそれぞれ形成された係合片49a及び49bの上方側に第2位置決め部46の先端側を対向させた状態とする。この状態で、補強用接合板41を係合片49a及び49bとの上面と接合板保持部49の底面との間を通って下方に弾性係合片47を後方に撓ませながら摺動させる。そして、補強用接合板41の第2位置決め部46と第2接合部44との間に形成された係合凹部50a及び50b間に接合板保持部49に形成された係合突起51a及び51が係合する状態となると、図9(b)に示すように、弾性係合片47の先端が接合板保持部49の底面に形成された嵌合穴52に係合して補強用接合板41の上方への抜け出しが阻止される。
【0023】
そして、マニュアルモータスタータ10及び電磁接触器20を接続モジュール30によって一体化してコンビネーションスタータ1が構成されている。
このコンビネーションスタータ1を組み立てるには、例えば、マニュアルモータスタータ10に接続モジュール30を接続し、次いで接続モジュール30に電磁接触器20を接続する。
マニュアルモータスタータ10と接続モジュール30との接続は、図11に示すように、マニュアルモータスタータ10の背面側の取付面と接続モジュール30の背面側の取付面とを同一面内に配置し、マニュアルモータスタータ10の下面と接続モジュール30の上面とを対向させる。
【0024】
これにより、マニュアルモータスタータ10の主回路負荷側端子部12と接続モジュール30の接続導体36a〜36cとが対向する。これと同時に、マニュアルモータスタータ10の取付金具挿入固定部18の挿通孔18bと接続モジュール30における補強用接合板41の第1接合部43とが対向する。この状態で、接続モジュール30をマニュアルモータスタータ10側に移動させることにより、接続導体36a〜36cが主回路負荷側端子部12に挿通される。これと同時に、補強用接合板41の第1接合部43の先端を挿通孔18bに挿通し、案内突条18c間を通って上方側の挿通孔18dに挿通する。そして、補強用接合板41の第1位置決め部45が図10に示すように、マニュアルモータスタータ10の枠状部18aの下端面に当接する状態となると、第1接合部43の背面に形成された係合突起43aが枠状部18aの上面側に係合し、マニュアルモータスタータ10からの補強用接合板41の下方への抜け出しが阻止される。
【0025】
この状態では、図1に示すように、マニュアルモータスタータ10の下面と接続モジュール30の上面とが接触し、接続モジュール30の接続導体36a〜36cがマニュアルモータスタータ10の主回路負荷側端子部12に挿通されている。このため、主回路負荷側端子部12の締付ねじを締付けることにより、接続導体36a〜36cが主回路負荷側端子部12に固定される。
したがって、マニュアルモータスタータ10と接続モジュール30とが補強用接合板41の第1接合部43と接続導体36a〜36cとの前後方向の2個所で接続されることになる。しかも、補強用接合板41の第1接合部43は、マニュアルモータスタータ10の背面側に形成された2つの挿通孔18b及び18dと案内突条18cとに接触している。さらに第1接合部43の背面に形成された係合突起43aが枠状部18aの内側に係合している。このため、マニュアルモータスタータ10と接続モジュール30とを前後左右方向にずらす外力やマニュアルモータスタータ10と接続モジュール30とを折り曲げる方向の外力やマニュアルモータスタータ10と接続モジュール30とを引き離す外力が作用しても、これら外力に対して十分に抗する剛性を確保することができる。
【0026】
このとき、マニュアルモータスタータ10をトップハット形レールに装着していないので、図2に示すように、正面側から接続モジュール30に形成された操作具挿通部33cを通じてマニュアルモータスタータ10のスライダ16gの挿通孔16iを視認することはできない。しかしながら、マニュアルモータスタータ10を、図4及び図11に示すように、トップハット形レール60に装着したときに、スライダ16gがトップハット形レール60の下側縁に係合して下方に移動することにより、挿通孔16iが操作具挿通部33cを通じて視認できる状態となる。このため、マニュアルモータスタータ10をトップハット形レール60に装着した状態から取り外す場合に、操作具挿通部33cを通じて操作具を挿入することにより、操作具の先端をスライダ16gの挿通孔16iに挿通させることが可能となる。したがって、操作具によってスライダ16gを下方に移動させてマニュアルモータスタータ10をトップハット形レール60から取り外すことができる。
【0027】
次いで、接続モジュール30に電磁接触器20を接続する。この接続は、電磁接触器20の下端側を上端側に対して後方に傾斜させた状態で、背面におけるレール収容凹部24aの左右のフック部間の上壁部24bを、接続モジュール30の第2接合部44の嵌合凹部44aを形成する第3折り曲げ部44eと第2折り曲げ部44d及び第4折り曲げ部44gとの角部に引っ掛ける。この状態で、第3折り曲げ部44eと第2折り曲げ部44d及び第4折り曲げ部44gの角部を回動中心として電磁接触器20の下端側を前方に回動させる。これによって、嵌合凹部44a内に電磁接触器20の背面側の上端部が嵌合するとともに、接続モジュール30の接続導体37a〜37cが電磁接触器20の主回路電源側端子部21aに挿通され、さらに電磁接触器20の上端面が接続モジュール30のか端面に接触する。
【0028】
この状態で、主回路電源側端子部21aの止めねじを締付けることにより、接続導体37a〜37cが主回路電源側端子部21aに固定される。このとき、電磁接触器20の背面側の上端面が接続モジュール30の第2接合部44の嵌合凹部44aに嵌合している。このため、接続モジュール30と電磁接触器20との間に前後左右方向にずらす外力や接続モジュール30と電磁接触器20とを折り曲げる外力や接続モジュール30と電磁接触器20とを引き離す外力が作用しても、これら外力に対して十分に抗する剛性を確保することができる。
【0029】
このようにして構成されたコンビネーションスタータ1は、マニュアルモータスタータ10及び電磁接触器20を接続モジュール30で接続しただけで、各種外力に抗する十分な剛性を有する。
このため、コンビネーションスタータ1を、図4に示すように、垂直な壁面に水平方向に固定したトップハット形レール60に直接装着することができる。すなわち、先ず、コンビネーションスタータ1の電磁接触器20側を壁面から離れる方向に傾斜させた状態で、トップハット形レール60の上端側フランジ部60aの上側縁にマニュアルモータスタータ10のレール装着部16の係合凹部16cを引っ掛ける。
【0030】
この状態で係合凹部16cを支点として電磁接触器20を壁面と平行となるように回動させることにより、トップハット形レール60の下端側フランジ部60bの下側縁にスライダ16gの先端が接触する。このため、スライダ16gが線状ばね16hに抗して下方に摺動される。その後、スライダ16gの先端の係合凹部にトップハット形レール60の下端側フランジ部60bが対向すると、スライダ16gが線状ばね16hの弾性力によって上方に移動して、係合凹部が下端側フランジ部60bに係合する。これによって、コンビネーションスタータ1のトップハット形レール60への装着が完了する。
【0031】
このコンビネーションスタータ1をトップハット形レール60へ装着する際に、マニュアルモータスタータ10ではなく電磁接触器20をトップハット形レール60へ装着しようとした場合には、電磁接触器20のトップハット形レール60への装着が不能とされている。
すなわち、電磁接触器20のレール装着部24の一対のフック部24c間に接続モジュール30の補強用接合板の第2折り曲げ部44d及び第4折り曲げ部44fと第3折り曲げ部44eとが接触している。このため、電磁接触器20の一対のフック部24cをトップハット形レール60の上端側フランジ部60aの上側縁に引っ掛けることができないとともに、レール収容凹部24aの下壁面がトップハット形レール60の下端側フランジ部60bに当接してレール収容凹部24aのトップハット形レール60への収納ができない状態となる。
【0032】
このように、コンビネーションスタータ1を壁面にトップハット形レール60を介して装着する際に、マニュアルモータスタータ10を装着する1本のトップハット形レール60を壁面に装着するだけで、十分な強度を持ってコンビネーションスタータ1を固定することができる。したがって、従来例のようにベースプレートを介してコンビネーションスタータ1を装着する必要がないので、コンビネーションスタータ1の装着高さを低くすることができ、薄形化を図って省スペース化を図ることができるとともに部品点数をベースプレート分減少させることができる。
【0033】
また、コンビネーションスタータ1を構成した状態で、接続モジュール30の空間部を通じて電磁接触器のコイル端子が正面に臨まされているので、このコイル端子へ直接コイル配線の接続ができる。したがって、コンビネーションスタータ1をねじ締め工数が接続モジュール30の接続導体36a〜36c及び37a〜37cを固定する6工数にコイル配線の接続の2工数を加えた8工数で済み取付工数を少なくすることができる。また、コイル端子の下側に記載されたコイル定格も正面から目視可能であり、別途コイル定格を記述する必要がない。
【0034】
ちなみに、従来例の接続モジュールを使用する場合には、電磁接触器のコイル端子が接続モジュールと重なることにより、接続モジュールにコイル端子に接続する接続導体と、コイル配線を接続するコイル端子を設ける必要があり、ねじ締め工数が接続モジュールのコイル端子へのコイル配線の接続分である2工数が増加して計10工数となる。また、コイル端子の下側に記載されたコイル定格を正面から目視することができないので、接続モジュールに定格記入シールを貼着する必要があり、この分の工数も増加する。
一方、接続モジュール30としては、第1接合部43及び第2接合部44を有する補強用接合板41を設けるだけで、マニュアルモータスタータ10及び電磁接触器20とが高剛性を持って接続することができる。また、接続モジュール30は、絶縁体31が基部33と第1脚部34及び第2脚部35とで構成されており、第1脚部34及び第2脚部35で電磁接触器20のコイル端子部23を避けるように延長されているので、コイル端子部23を正面に臨ませることができ、コイル端子部23へのコイル配線の接続を直接行うことができる。
【0035】
また、補強用接合板41が絶縁体31とは別体で構成されているので、剛性の高い金属製とすることが可能となり、剛性の高い補強用接合板41とすることができる。しかも、補強用接合板41は、係合凹部50a,50bを係合突起51a,51bに係合させた状態で弾性係合片47を絶縁体31の係合穴に係合させるだけで、絶縁体31に容易に装着することができる。
また、補強用接合板41に形成された第1接合部43はマニュアルモータスタータ10の固定ねじ取付用金具17を挿通する取付金具挿入固定部18に挿入されるので、既存のマニュアルモータスタータ10に設計変更することなく接合することができる。この第1接合部43の両脇にはそれぞれ第1位置決め部45が配置され、これら第1位置決め部45がマニュアルモータスタータ10の下面に当接した状態で、第1接合部43に形成した係合突起43aがマニュアルモータスタータ10の枠状部18aの上面側に係合するので、マニュアルモータスタータ10と接続モジュール30との接合を曲げ剛性や剪断剛性を高めて強固に行うことができる。
【0036】
同様に、補強用接合板41に形成された第2接合部44は、電磁接触器20の背面側の上端部と係合する嵌合凹部44aが形成されているので、既存の電磁接触器20に設計変更することなく接合することができる。そして、電磁接触器20の背面側の上端部が嵌合凹部44aに嵌合した状態で、第2位置決め部46が電磁接触器20の上端面に当接するので、接続モジュール30と電磁接触器20との接合を曲げ剛性や剪断剛性を高めて強固に行うことができる。
そして、コンビネーションスタータ1をトップハット形レール60から取り外す場合には、接続モジュール30の操作具挿通部33cを通じてネジ回し等の操作工具を挿入して、その先端をスライダ16gの挿通孔16iに挿通し、操作具挿通部33cの前方端上部を支点として操作工具を回動させることにより、スライダ16gを線状ばね16hに抗して下方に摺動させる。これにより、スライダ16gの先端とトップハット形レール60の下端側フランジ部60bとの係合状態が離脱される。この状態で、コンビネーションスタータ1の電磁接触器20側を壁面から離す方向に回動させてから上方に移動させ、トップハット形レール60の上端側フランジ部60aと係合凹部16cとの係合を離脱させてコンビネーションスタータ1をトップハット形レール60から容易に取り外すことができる。
【0037】
次に、コンビネーションスタータ1がトップハット形レール60にマニュアルモータスタータ10を固定した壁面への装着状態で、電磁接触器20の故障や耐用年数の経過等によって電磁接触器20のみを交換するコンビネーションスタータの電磁接触器交換方法について説明する。
マニュアルモータスタータ10をトップハット形レール60に取り付けた状態で、先ず、電磁接触器20の主回路電源側端子部21aの各固定ねじを緩めて、接続モジュール30の接続導体37a〜37cを離脱可能とするとともに、コイル端子部23の固定ねじを緩めてコイル配線を引き外す。
【0038】
この状態で、電磁接触器20の下端が壁面に接触する方向に補強用接合板41の第2折り曲げ部44d及び第4折り曲げ部44fと第3折り曲げ部44eとの角部を回動中心として回動させる。これにより、主回路電源側端子部21aから接続導体37a〜37cが引き抜かれる。そして、電磁接触器20の背面側のレール収容凹部24aの上壁部を補強用接合板41の第2折り曲げ部44d及び第4折り曲げ部44fと第3折り曲げ部44eとの角部から外すことにより、電磁接触器20を接続モジュール30から簡単な操作で容易に取り外すことができる。
【0039】
この状態で、新たな電磁接触器20を、レール収容凹部24aの左右のフック部24c間の上壁部24bと底面とを補強用接合板41の第3折り曲げ部44eに接触させ、背面下端部を壁面に接触させた傾斜状態とする。この状態で、第3折り曲げ部44eとの接触部を回動中心として、電磁接触器20の下端部を壁面から離す方向に回動させる。
これにより、電磁接触器20の背面におけるフック部24c間の中央部が補強用結合接合板37a〜37cが電磁接触器20の主回路電源側端子部21aに挿入される。
そして、電磁接触器20の上面が接続モジュール30の下面に接触する状態で、主回路電源側端子部21aの固定ねじを締付けることにより、電磁接触器20を接続モジュール30に電気的に且つ機械的に接続することができる。この状態で、コイル端子部23にコイル配線を接続し、固定ねじを締付けることにより、コイル配線を固定することができる。
【0040】
このように、コンビネーションスタータ1の電磁接触器20を交換する場合に、コンビネーションスタータ1全体をトップハット形レール60から取り外すことなく、電磁接触器20のみを簡単な操作で容易に交換することができる。
また、コンビネーションスタータ1を直接壁面に固定する場合には、図5で一点鎖線図示のように、マニュアルモータスタータ10の上面に形成されている取付金具挿入固定部18に固定ねじ取付用金具17を挿通して固定する。そして、固定ねじ取付用金具17に固定ねじを挿通して壁面に固定するとともに、電磁接触器20の下面側の対角位置に形成された一対の取付孔25に固定ねじを挿通して壁面に固定する。
【0041】
なお、上記実施形態においては、1本のトップハット形レール60にコンビネーションスタータ1を固定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、平行に固定された2本のトップハット形レール60にコンビネーションスタータ1を固定する場合には、図13に示すように、コンビネーションスタータ1のマニュアルモータスタータ10をトップハット形レール60に装着する場合と同様にベースプレート70に固定するとともに、電磁接触器20の背面側の対角位置に形成された取付孔25に固定ねじを挿通してベースプレート70に螺合させる。そして、図13に示すように、コンビネーションスタータ1を固定したベースプレート70を2本のトップハット形レール60A及び60Bに装着することにより、コンビネーションスタータ1を安定した状態で強固に壁面に配置することができる。
また、上記実施形態では、電磁接触器20として直流操作形の電磁接触器を適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、交流操作形の電磁接触器を適用することができる。
【0042】
この場合には、交流操作形の電磁接触器80は、図14に示すように、主回路電源側端子部81a及び主回路負荷側端子部82aの高さ位置が直流操作形の電磁接触器に対して低い位置となっている。このため、主回路電源側端子部81aの高さ位置を接続モジュール30の接続導体37a〜37cの高さ位置と合わせるために電磁接触器80の背面側にスペーサ83を装着する。このスペーサ83の裏面には直流操作形の電磁接触器20と同様の接続モジュール30の第2接合部44の嵌合凹部44aに嵌合する嵌合部83aが形成されている。
そして、交流操作形の電磁接触器80の背面側にスペーサ83を装着し、このスペーサ83を、前述した直流操作形の電磁接触器20の下面上部を接続モジュール30の第2接合部44の嵌合凹部44aに嵌合させる場合と同様の操作で接続モジュール30の第2接合部44に嵌合させる。これと同時に、接続モジュール30の接続導体37a〜37cを電磁接触器80の主回路電源側端子部81aに挿通して固定ねじを締めつけることにより、交流操作形の電磁接触器80と接続モジュール30とを接続することができる。
【0043】
また、図17に示すように、コンビネーションスタータ1の電磁接触器20の右側に並列に電磁接触器90を配置して誘導電動機の正逆運転制御を行う可逆型電磁接触器を構成することもできる。この場合、接続モジュール30の接続導体37a〜37cが第1脚部34及び第2脚部35の先端に形成されており、これら第1脚部34の先端左側部に空間部A1、第1脚部34及び第2脚部35の先端部間に空間部A2、第2脚部35の先端右側部に空間部A3が形成され、第1脚部34の延長部34bの上部に空間部A4が形成され、第2脚部35の先端部の上部に空間部A5が形成されている。さらに、第1脚部34及び第2脚部35間に空間部A2に続く広い空間部A6が形成されている。
【0044】
そして、電磁接触器20の接続導体37aが接続されている主回路電源側端子T11と電磁接触器90の主回路電源側端子T21とが可逆接続配線L11で接続されている。また、電磁接触器20の接続導体37bが接続されている主回路電源側端子T12と電磁接触器90の主回路電源側端子T22とが可逆接続配線L12で接続されている。さらに、電磁接触器20の接続導体37cが接続されている主回路電源側端子T13と電磁接触器90の主回路電源側端子T23とが可逆接続配線L13で接続されている。また、電磁接触器20の補助端子部21bの補助端子Ts1が電磁接触器90の補助電源端子部93の補助端子Ts2に補助接続配線L14で接続されている。
【0045】
ここで、可逆接続配線L11は、電磁接触器20の主回路電源側端子T11から空間部A1を通り、第1脚部34の上部、空間部A6の上部、第2脚部35の上部空間部A5を通って電磁接触器90の主回路電源側端子T21に接続されている。可逆接続配線L12は、電磁接触器20の主回路電源側端子T12から空間部A2通り、第2脚部35の上部空間部A5を通って電磁接触器90の主回路電源側端子T22に接続されている。可逆接続配線L13は、電磁接触器20の主回路電源側端子T13から空間部A3を通り、第2脚部35の上部空間部A5を通って電磁接触器90の主回路電源側端子T23に接続されている。補助接続配線L14は、補助端子Ts1から空間部A3を通って電磁接触器90の可逆接続配線L11の下側を通り、可逆接続配線L12の下側を通って電磁接触器90の補助端子Ts2に接続されている。
このように、接続モジュール30を設けても、電磁接触器20と電磁接触器90との間の可逆接続配線L11〜L13及び補助接続配線L14を接続することが可能となる。さらに、これら可逆接続配線L11〜L13及び補助接続配線L14を接続しても、図17に示すように、正面側から空間部A4及び空間部A5を通じてコイル端子部23を目視することができ、コイル端子部23へのコイル配線の着脱を行うことができる。
【0046】
また、図18に示すように、電磁接触器20のサイズより一回り大きいサイズの電磁接触器100を適用する場合には、主回路電源側端子部101の主回路電源側端子T31〜T33の間隔が広くなることにより、これに応じた接続モジュール110を適用する。
この接続モジュール110は、図19(a)及び(b)に示すように、第1脚部34の延長部34bに代えて、分岐部34cが形成され、この分岐部34cの先端下面に接続導体37bが突出形成されている。ここで、接続導体37a及び37b間の間隔と接続導体37b及び37c間の間隔とが等しく設定されている。
【0047】
この接続モジュール110を使用することにより、接続モジュール110の接続導体37a、37b及び37cが電磁接触器100の主回路電源側端子T31、T32及びT33のそれぞれ左側に接続されている。
なお、接続モジュールの接続導体37a及び37b間の間隔と接続導体37b及び37cb間の間隔は、電磁接触器20及び100の主回路電源側端子T11〜T13及びT31〜T33に接続可能な間隔であれば任意に設定することができる。
また、複数のコンビネーションスタータ1を並列に配置するか又はコンビネーションスタータ1と単独のマニュアルモータスタータ10とを並列に配置し、各マニュアルモータスタータ10の主回路電源側端子部11にブスバーで並列に接続することもできる。
【符号の説明】
【0048】
1…コンビネーションスタータ、10…マニュアルモータスタータ、11…主回路電源側端子部、12…主回路負荷側端子部、13…操作ハンドル、14…保護カバー、15…トリップ表示部、16…レール装着部、17…固定ねじ取付用金具、18…取付金具挿入固定部、18a…枠状部、18b…挿通孔、18c…案内突条、18d…挿通孔、20…電磁接触器、21a…主回路電源側端子部、21b…補助端子部、22a…主回路負荷側端子部、22b…補助端子部、23…コイル端子部、24…レール装着部、30…接続モジュール、31…絶縁体、33…基部、33c…操作具挿通部、34…第1脚部、34a…直線部、34b…延長部、35…第2脚部、35a…直線部、35b…湾曲部、41…補強用接合板、42…幅広基部、43…第1接合部、43a…係合突起、44…第2接合部、44a…嵌合凹部、45…第1位置決め部、46…第2位置決め部、47…弾性係合片、48…補強用ビード、49…接合板保持部、60…トップハット形レール、70…ベースプレート、80…電磁接触器(交流操作形)、81a…主回路電源側端子部、82a…主回路負荷側端子部、83…スペーサ、90…電磁接触器、100…電磁接触器、110…接続モジュール、L11〜L13…可逆接続配線、L14…補助接続配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19