特許第6593219号(P6593219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593219
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】導電部材
(51)【国際特許分類】
   H01B 5/02 20060101AFI20191010BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20191010BHJP
   H01R 4/70 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   H01B5/02 Z
   H01M2/20 A
   H01R4/70 J
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-30290(P2016-30290)
(22)【出願日】2016年2月19日
(65)【公開番号】特開2017-147200(P2017-147200A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】平井 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】東小薗 誠
(72)【発明者】
【氏名】細江 晃久
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 義幸
(72)【発明者】
【氏名】竹山 知陽
(72)【発明者】
【氏名】小林 英一
【審査官】 土谷 慎吾
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−021546(JP,U)
【文献】 特開2004−132556(JP,A)
【文献】 特開昭61−147410(JP,A)
【文献】 実開昭60−123913(JP,U)
【文献】 実開昭51−052979(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 5/00−5/16
H01B 7/29−7/36
H01B 7/42
H01B 12/00−12/16
H01B 13/00
H01M 2/20−2/34
H01R 4/58−4/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート部材からなる液密な封入体と、
前記封入体内に封入された液冷媒と、
前記封入体内に配された被冷却部、及び前記シート部材と液密にシールされた状態で前記封入体の外部に導出された導出部を有する導体と、を備えた、導電部材。
【請求項2】
前記導体の前記導出部と、前記シート部材の内面との間にはシール部材が介在されており、
前記導出部と前記シール部材との間、及び前記シート部材の内面と前記シール部材との間は、液密にシールされている、請求項1に記載の導電部材。
【請求項3】
前記封入体内には、前記液冷媒を吸収する吸収シートが配されている請求項1または請求項2に記載の導電部材。
【請求項4】
前記吸収シートは、前記封入体の内部において前記導体の外周を包囲している請求項3に記載の導電部材。
【請求項5】
前記封入体は、一対の前記シート部材を重ねた状態で、一対の前記シート部材の重ねられた縁部同士が液密に接合されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導電部材。
【請求項6】
前記封入体には、1つの前記シート部材が折り曲げられた折り曲げ領域が、前記導体が延びる長手方向に沿って延びており、
前記封入体には、1つの前記シート部材のうち前記折り曲げ領域と反対側において重ねられた縁部同士が、液密に接合されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導電部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された技術は、導電部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気が通電される導電部材として、特開平8−83632号公報に記載のものが知られている。この文献には、バスバー、電線等の導電部材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−83632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近時、電気自動車や、ハイブリッド車のバッテリーに接続された導電部材に対して、比較的に大きな電流を流すことが求められている。すると、通電により発生する熱によって導電部材の温度が上昇する。その結果、導電部材に接続された他の部品のうち、比較的に熱に弱い部品が熱によって不具合を起こすことが懸念される。
【0005】
ジュールの法則によれば、t秒間の通電による発熱量Qは、導体の抵抗Rと、電流Iの二乗と、の積に比例する(Q=RIt)。このように発熱量は電流の二乗に対応して増大するので、比較的に大きな電流が流される場合には、特に問題となる。
【0006】
発熱量を減らすためには、導電部材の抵抗を減少させることが考えられる。導電部材の抵抗を減少させるためには、導電部材の断面積を大きくすることが考えられる。しかし、この手法によれば、導電部材が大型化するので現実的ではない。このため、通電時に導電部材を効率良く冷却することが望まれる。
【0007】
本明細書に記載された技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、導電部材の冷却効率を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に開示された技術は、導電部材であって、シート部材からなる液密な封入体と、前記封入体内に封入された液冷媒と、前記封入体内に配された被冷却部、及び前記シート部材と液密にシールされた状態で前記封入体の外部に導出された導出部を有する導体と、を備える。
【0009】
導体に通電されると、熱が発生する。この熱は、導体の周囲に配された吸収シートに吸収されている液冷媒に伝達される。これにより、導体が冷却される。この結果、導電部材の冷却効率を向上させることができる。
【0010】
続いて、導体からの熱によって液冷媒の温度が上昇し、液冷媒が蒸発する。すると、液冷媒の気化熱によってバスバー導体が更に冷却される。この結果、導電部材の冷却効率をより向上させることができる。
【0011】
本明細書に開示された技術の実施態様としては以下の態様が好ましい。
【0012】
前記導体の前記導出部と、前記シート部材の内面との間にはシール部材が介在されており、前記導出部と前記シール部材との間、及び前記シート部材の内面と前記シール部材との間は、液密にシールされている。
【0013】
上記の構成によれば、導体のうち、封入体から導出された導出部と、封入体を構成するシート部材との間を確実にシールすることができる。
【0014】
前記封入体内には、前記液冷媒を吸収する吸収シートが配されている。
【0015】
上記の構成によれば、液冷媒は、吸収シートに吸収された状態で、吸収シートが配された領域に広がって存在するようになっている。これにより、封入体の内部において、液冷媒が片寄ってしまうことを抑制することができる。この結果、封入体の内部における冷却効率を、均一化することができる。
【0016】
前記吸収シートは、前記封入体の内部において前記導体の外周を包囲している。
【0017】
上記の構成によれば、導体の冷却効率を、より均一化することができる。
【0018】
前記封入体は、一対の前記シート部材を重ねた状態で、一対の前記シート部材の重ねられた縁部同士が液密に接合されている。
【0019】
上記の構成によれば、一対にシート部材を重ねて、重ねられた縁部同士を接合するという簡易な手法により、封入体を形成することができる。
【0020】
前記封入体には、1つの前記シート部材が折り曲げられた折り曲げ領域が、前記導体が延びる長手方向に沿って延びており、前記封入体には、1つの前記シート部材のうち前記折り曲げ領域と反対側において重ねられた縁部同士が、液密に接合されている。
【0021】
上記の構成によれば、1つのシート部材によって封入体を形成することができるので、部品点数を削減することができる。
【発明の効果】
【0022】
本明細書に開示された技術によれば、導電部材の冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態1に係る導電部材を示す平面図
図2図1におけるII-II線断面図
図3図1におけるIII-III線断面図
図4】実施形態1の変形例に係る導電部材を示す断面図
図5】実施形態2に係る導電部材を示す平面図
図6図5におけるVI-VI線断面図
図7】実施形態2の変形例に係る導電部材を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施形態1>
本明細書に開示された技術の実施形態1を、図1から図3を参照しつつ説明する。本実施形態に係る導電部材10は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、バッテリー、インバータ、モータ等、比較的に大きな電流が流される機器に接続される。導電部材10は、バスバー11(導体の一例)と、バスバー11の外周を包囲するように配された封入体12と、を備える。
【0025】
(バスバー11)
バスバー11は金属板材を所定の形状に加工してなる。バスバー11を形成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。
【0026】
本実施形態に係るバスバー11は、断面形状が略長方形状をなした角棒状に形成されている。バスバー11の形状に制限はない。例えば、バスバー11は、平板状であってもよいし、また、バスバー11の断面形状としては、三角形状、五角形状等の多角形状でもよいし、円形状、楕円形状、長円形状であってもよく、必要に応じて任意の形状とすることができる。
【0027】
(封入体12)
封入体12は、一対のシート部材を、その厚み方向に重ね合わせて、重なり合う縁部を液密に接合してなる。封入体12の縁部は、液密に接合された接合部19とされる。
【0028】
封入体12を構成するシート部材13は、絶縁性の合成樹脂製であってもよい。また、金属製シートの一面を絶縁性の合成樹脂フィルムで被覆したものであってもよい。この場合には、一対のシート部材13は、合成樹脂フィルム同士が対向するようにして重ねられる。また、シート部材13は、金属製シートの両面を、合成樹脂製のフィルムで被覆したものであってもよい。
【0029】
合成樹脂フィルムを構成する合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド等、必要に応じて任意の合成樹脂を適宜に選択できる。
【0030】
金属製シートを構成する金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等、必要に応じて任意の金属を適宜に選択できる。シート部材13が金属製シートを含む場合には、金属製シートの熱伝導性が比較的に高いので、導電部材10の放熱効率を向上させることができる。
【0031】
一対のシート部材13は、重ねられた合成樹脂同士を熱融着することにより液密に接合してもよい。また、一対のシート部材13は、接着剤により形成された接着剤層によって、重ねられたシート部材13同士を液密に接合する構成としてもよい。
【0032】
(液冷媒14)
封入体12の内部には、絶縁性の液冷媒14が封入されている。上記したように、封入体12を構成する一対のシート部材13は液密に接合されているので、液冷媒14が封入体12から漏出することが抑制されるようになっている。なお、液冷媒14は、後述する吸収シート15に吸収された状態で封入体12の内部に存在する。このため、図中、液冷媒14に係る符号は、吸収シート15を指示するように記載した。
【0033】
液冷媒14は、例えば、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロケトン、フッ素不活性液体、シリコーンオイル、鉱物油等のオイル、炭化水素系冷媒からなる群から選ばれる1つ、又は複数を用いることができる。
【0034】
(吸収シート15)
封入体12の内部には、液冷媒14を吸収可能な材料により形成された吸収シート15が配されている。吸収シート15は、液冷媒14を吸収可能な材料を繊維状に加工したものを織物としたものであってもよく、また、不織布としたものであってもよい。不織布の形態としては、繊維シート、ウェブ(繊維だけで構成された薄い膜状のシート)、又はバット(毛布状の繊維)であってもよい。吸収シート15を構成する材料としては、天然繊維でもよく、また、合成樹脂からなる合成繊維であってもよく、また、天然繊維と合成繊維の双方を用いたものであってもよい。
【0035】
本実施形態においては、封入体12の内部において、バスバー11の外周を囲うようにして吸収シート15が配されている。詳細には、一対の吸収シート15が、その厚み方向に重ね合わされた状態で、重なり合った吸収シート15の縁部同士が、接合されている。吸収シート15の縁部同士が接合された部分は、吸収シート接合部20とされる。
【0036】
一対の吸収シート15同士は、吸収シート15を構成する合成樹脂を熱融着することにより接合してもよいし、また、接着剤層(図示せず)を介して吸収シート15同士を接着することにより接合してもよい。
【0037】
バスバー11と、吸収シート15とは、密着していてもよく、また、バスバー11と吸収シート15との間に隙間が存在していてもよい。
【0038】
吸収シート15には、上記した液冷媒14が吸収されている。封入体12の内部における液冷媒14の封入量としては、全ての液冷媒14が吸収シート15に吸収される程度の量でもよいし、また、吸収シート15に吸収しきれない液冷媒14が、封入体12の内部に存在する程度の量でもよく、必要に応じて適宜に調節することができる。
【0039】
(シール部材16)
バスバー11は、封入体12の内部に位置して、液冷媒14によって冷却される被冷却部17と、封入体12の外部に導出された導出部18と、を備える。
【0040】
上記したように、被冷却部17は、吸収シート15によって外周を囲まれている。これにより、被冷却部17の周囲には、吸収シート15に吸収された液冷媒14が存在するようになっている。この結果、被冷却部17は液冷媒14によって冷却されるようになっている。
【0041】
バスバー11の導出部18と、シート部材13の内面とは、液密にシールされている。詳細に説明すると、バスバー11には、バスバー11の導出部18と被冷却部17とに跨って、シール部材16が貼付されている。このシール部材16は、バスバー11に対して液密に接合されると共に、シート部材13の内面とも液密に接合されている。これにより、バスバー11と、シート部材13とは、シール部材16を介して液密に接合されている。
【0042】
シール部材16と、バスバー11及びシート部材13との接合形態としては、熱融着によってもよく、また、接着剤層(図示せず)を介して接着されていてもよく、必要に応じて任意の形態を適宜に選択することができる。
【0043】
(実施形態の作用、効果)
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。本実施形態に係る導電部材10は、シート部材13からなる液密な封入体12と、封入体12内に封入された液冷媒14と、封入体12内に配された被冷却部17、及びシート部材13と液密にシールされた状態で封入体12の外部に導出された導出部18を有するバスバー11と、を備える。
【0044】
バスバー11に通電されると、熱が発生する。この熱は、バスバー11の周囲に配された吸収シート15に吸収されている液冷媒14に伝達される。これにより、バスバー11が冷却される。この結果、導電部材10の冷却効率を向上させることができる。
【0045】
続いて、バスバー11からの熱によって液冷媒14の温度が上昇し、液冷媒14が蒸発する。すると、液冷媒14の気化熱によってバスバー11が更に冷却される。この、気化熱による冷却効果は、バスバー11が局所的に高温になった場合に特に有効である。なぜならば、バスバー11の温度が局所的に高くなった場合、液冷媒14の温度も局所的に高くなり、この局所的に高温になった領域において、液冷媒14の気化が促進されるからである。
【0046】
液冷媒14が気化すると、封入体12の内部の圧力が増大する。すると、シート部材13が変形することにより、封入体12の内容積が増大する。これにより、封入体12内の圧力が下がるようになっている。このように本実施形態によれば、封入体12がシート部材13を含むことにより、液冷媒14の蒸発に伴う内圧の上昇をシート部材13によって緩和することができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、バスバー11の導出部18と、シート部材13の内面との間にはシール部材16が介在されており、バスバー11の導出部18とシール部材16との間、及びシート部材13の内面とシール部材16との間は、液密にシールされている。
【0048】
上記の構成によれば、バスバー11のうち、封入体12から導出された導出部18と、封入体12を構成するシート部材13との間を確実にシールすることができる。
【0049】
また、封入体12内には、液冷媒14を吸収する吸収シート15が配されている。
【0050】
上記の構成によれば、液冷媒14は、吸収シート15に吸収された状態で、吸収シート15が配された領域に広がって存在するようになっている。これにより、封入体12の内部において、液冷媒14が片寄ってしまうことを抑制することができる。この結果、封入体12の内部における冷却効率を、均一化することができる。
【0051】
また、本実施形態においては、吸収シート15は、封入体12の内部においてバスバー11の外周を包囲している。
【0052】
上記の構成によれば、バスバー11の冷却効率を、より均一化することができる。
【0053】
また、封入体12は、一対のシート部材13を重ねた状態で、一対のシート部材13の縁部が液密に接合された接合部19を有する。
【0054】
上記の構成によれば、一対にシート部材13を重ねて、重ねられた縁部同士を接合するという簡易な手法により、封入体12を形成することができる。
【0055】
<実施形態1の変形例>
図4には、実施形態1の変形例に係る導電部材30を示す。本変形例においては、導体の一例として、電線31が用いられている。
【0056】
電線31は、断面形状が円形状をなしている。電線31は、複数の金属細線が撚り合わされてなる撚り線であってもよく、また、断面が円形状をなす金属棒からなる単芯線であってもよい。
【0057】
本実施形態に係る電線31は、絶縁性の合成樹脂からなる絶縁被覆を有しない、いわゆる裸電線である。なお、電線としては、絶縁被覆によって外周が包囲された、いわゆる被覆電線を用いてもよい。
【0058】
<実施形態2>
次に、本明細書に開示された技術の実施形態2を、図5から図6を参照しつつ説明する。
【0059】
本実施形態に係る導電部材40においては、封入体41は、1つのシート部材42を折り曲げて、重なり合った縁部同士を液密に封入してなる。
【0060】
本実施形態においては、バスバー11は、図5における左右方向に延びて形成されており、図5における左右方向が、バスバーの長手方向43となっている。1つのシート部材42のうち、折り曲げられた折り曲げ領域44は、バスバー11の長手方向に沿って延びている。折り曲げ領域44は、1つのシート部材42が内部に空間を有して緩やかに折り曲げられている。
【0061】
封入体41には、折り曲げられた状態の1つのシート部材42のうち、折り曲げ領域44と反対側において重ねられた縁部同士が、液密に接合されている。この、縁部同士が液密に接合された部分は接合部45とされる。
【0062】
また、本実施形態においては、1つの吸収シート46をバスバー11の周囲に巻き付けた状態で、重なり合った縁部同士を接合してなる。接合された部分は、吸収シート接合部47とされる。
【0063】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0064】
上記の構成によれば、1つのシート部材42によって封入体41を形成することができるので、部品点数を削減することができる。
【0065】
<実施形態2の変形例>
図7には、実施形態2の変形例に係る導電部材50を示す。本変形例においては、導体の一例として、電線31が用いられている。
【0066】
<他の実施形態>
本明細書に開示された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に開示された技術の技術的範囲に含まれる。
【0067】
(1)本実施形態における導体は、直線状に延びる形状をなしていたが、これに限られず、導体は、曲線状に曲がった形状としてもよい。
【0068】
(2)本実施形態においては、1つの導電部材に2つの導出部が設けられる構成としたが、これに限られず、1つの導電部材に、3つ以上の導出部が設けられる構成としてもよい。この場合、1つの封入体から、3つ以上の導出部が導出される構成とすることができる。
【0069】
(3)本実施形態においては、1つの封入体には、1つの導体が配される構成としたが、これに限られず、1つの封入体に、2つ以上の複数の導体が配される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10,30,40,50:導電部材
11:バスバー
12、41:封入体
13、42:シート部材
14:液冷媒
15、46:吸収シート
16:シール部材
17:被冷却部
18:導出部
19、45:接合部
31:電線
43:長手方向
44:折り曲げ領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7