特許第6593288号(P6593288)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイフクの特許一覧

<>
  • 特許6593288-物品搬送装置 図000002
  • 特許6593288-物品搬送装置 図000003
  • 特許6593288-物品搬送装置 図000004
  • 特許6593288-物品搬送装置 図000005
  • 特許6593288-物品搬送装置 図000006
  • 特許6593288-物品搬送装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593288
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20191010BHJP
   B66B 17/16 20060101ALI20191010BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   B65G1/04 561
   B66B17/16 A
   H01L21/68 T
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-177159(P2016-177159)
(22)【出願日】2016年9月9日
(65)【公開番号】特開2018-39664(P2018-39664A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2018年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 秀郎
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−163205(JP,A)
【文献】 特開2009−137675(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2016−0015493(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 − 1/20
B66B 17/16
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に並設された複数の収納部に物品を移載する移載部と、前記移載部を支持すると共に上下方向に移動する昇降体と、前記昇降体を上下方向に案内する案内レールと、を備えている物品搬送装置であって、
上下方向に見て、前記案内レールと前記移載部とが並ぶ方向を主方向、前記主方向に対して直交する方向を副方向とすると共に、前記主方向における前記案内レールに対して前記移載部が存在する方向を第1主方向、前記第1主方向の反対方向を第2主方向、前記副方向の一方向を第1副方向、前記副方向の他方向を第2副方向として、
前記移載部は、第1移載装置と、前記第1移載装置より上方に位置する第2移載装置とを有し、
前記第1移載装置及び前記第2移載装置の夫々は、物品を支持する支持体と、前記支持体を前記昇降体から突出させた突出位置と前記突出位置より昇降体側に引退させた引退位置とに水平方向に移動させる第1駆動部と、前記第1駆動部による前記支持体が移動する方向を上下方向に沿う軸心周りに変更する第2駆動部と、を備え、
前記昇降体は、前記案内レールにより上下方向に案内される被案内部を備えた本体部と、前記第1移載装置を支持する第1支持部と、前記第1支持部より上方に位置して前記第2移載装置を支持する第2支持部と、を備え、
前記被案内部は、第1被案内体群と、当該第1被案内体群より上方に設置された第2被案内体群と、を備え、
前記第1被案内体群と前記第2被案内体群との夫々は、前記案内レールにおける前記第1主方向を向く面である第1面に接触する第1被案内体と、前記案内レールにおける前記第2主方向を向く面である第2面に接触する第2被案内体と、前記案内レールにおける前記第1副方向を向く面である第3面に接触する第3被案内体と、前記案内レールにおける前記第2副方向を向く面である第4面に接触する第4被案内体と、前記第3被案内体に対して前記主方向に異なる位置に配置されて前記第3面に接触する第5被案内体と、前記第4被案内体に対して前記主方向に異なる位置に配置されて前記第4面に接触する第6被案内体と、を備えている物品搬送装置。
【請求項2】
前記支持体は、物品の底面を下方から支持し、
前記第1被案内体群は、前記第1支持部の前記支持体に物品を支持した場合において前記第1支持部に支持された物品の上端より下方に配置され、
前記第2被案内体群は、前記第2支持部の下端より上方に配置されている請求項1記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記第1被案内体群における前記第1被案内体及び前記第2被案内体は、当該第1被案内体群における前記第3被案内体、前記第4被案内体、前記第5被案内体及び前記第6被案内体より下方に位置し、
前記第2被案内体群における前記第1被案内体及び前記第2被案内体は、当該第2被案内体群における前記第3被案内体、前記第4被案内体、前記第5被案内体及び前記第6被案内体より上方に位置している請求項1又は2記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記案内レールは、上下方向及び前記副方向に沿う姿勢の主壁部として第1主壁部と第2主壁部とを備えると共に、上下方向及び前記主方向に沿う姿勢の副壁部として第1副壁部と第2副壁部とを備え、
前記第1副壁部は、前記第3面を備え、
前記第2副壁部は、前記第1副壁部に対して前記第1副方向に離間する位置で且つ前記第1副壁部に対して前記副方向に見て重なる位置に配置されて前記第4面を備え、
前記第1主壁部は、前記第1副壁部から前記第1副方向に突出するように形成されて前記第1面、前記第2面及び前記第3面を備え、
前記第2主壁部は、前記第1主壁部に対して前記第1副方向に離間する位置で且つ前記第1主壁部に対して前記副方向に見て重なる位置に配置されると共に、前記第2副壁部から前記第2副方向に突出するように形成されて前記第1面、前記第2面及び前記第4面を備え、
前記第1被案内体群及び前記第2被案内体群の夫々は、前記第1主壁部の前記第1面に接触する前記第1被案内体と、前記第2主壁部の前記第1面に接触する前記第1被案内体と、前記第1主壁部の前記第2面に接触する前記第2被案内体と、前記第2主壁部の前記第2面に接触する前記第2被案内体と、前記第1主壁部の前記第3面に接触する前記第3被案内体と、前記第1副壁部の前記第3面に接触する前記第5被案内体と、前記第2主壁部の前記第4面に接触する前記第4被案内体と、前記第2副壁部の前記第4面に接触する前記第6被案内体と、を備えている請求項1から3の何れか一項に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
前記第3被案内体と前記第4被案内体とは、前記第3被案内体と前記第3面との間及び前記第4被案内体と前記第4面との間のうちの少なくとも一方に隙間が形成される間隔で設置され、
前記第5被案内体と前記第6被案内体とは、前記第5被案内体と前記第3面との間及び前記第6被案内体と前記第4面との間のうちの少なくとも一方に隙間が形成される間隔で設置されている請求項1から4の何れか一項に記載の物品搬送装置。
【請求項6】
前記第1被案内体及び前記第2被案内体の夫々は、前記副方向に沿う軸心周りに回転自在なローラにて構成され、
前記第3被案内体、前記第4被案内体、前記第5被案内体及び前記第6被案内体の夫々は、前記主方向に沿う軸心周りに回転自在なローラにて構成されている請求項1から5の何れか一項に記載の物品搬送装置。
【請求項7】
前記第3被案内体、前記第4被案内体、前記第5被案内体及び前記第6被案内体の夫々は、前記第1被案内体及び前記第2被案内体の夫々に比べて、ローラ表面が硬い材質で構成されている請求項6に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下方向に並設された複数の収納部に物品を移載する移載部と、前記移載部を支持すると共に上下方向に移動する昇降体と、前記昇降体を上下方向に案内する案内レールと、を備えている物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品搬送装置の一例が、特開2009−137675号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1の物品搬送装置では、昇降体に、第1被案内体群と第1被案内体群より上方に設置された第2被案内体群とを備えている。そして、移載部に、物品を支持する支持体と、支持体を出退させる第1駆動部と、第1駆動部よる支持体の出退方向を上下方向に沿う軸心周りに変更する第2駆動部と、を備えている。第1被案内体群と第2被案内体群との夫々に、第1主方向を向く面である第1面に当接する第1被案内体(案内ローラ53)と、第2主方向を向く面である第2面に接触する第2被案内体(案内ローラ53)と、を備えている。このように昇降体に被案内体を備えることで、昇降体が上下方向に移動する場合や移載部により物品を移載する場合に、昇降体が案内レールに対して主方向にズレることや昇降体が主方向に傾くことが規制されている。また、このような物品搬送装置では、昇降体が案内レールに対して副方向にズレることや昇降体が副方向に傾くことを規制するために、第1被案内体群と第2被案内体群との夫々に、第1副方向を向く面である第3面に当接する第3被案内体と、第2副方向を向く面である第4面に接触する第4被案内体と、を備えている。
尚、上下方向に見て、案内レール(ガイドレール39)と移載部とが並ぶ方向を主方向とし、主方向に対して直交する方向を副方向としている。また、主方向における案内レールに対して移載装置が存在する方向を第1主方向、第1主方向の反対方向を第2主方向としている。また、副方向の一方向を第1副方向、副方向の他方向を第2副方向としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−137675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した物品搬送装置では、第2駆動部の作用により支持体が出退する方向が変更されるため、支持体が、主方向に対して傾いた方向に突出する場合がある。このような場合では、昇降体の荷重が第1被案内体群や第2被案内体群に対して捩じれる方向に働くが、このような昇降体の荷重を第1被案内体群及び第2被案内体群により適切に受け止める必要がある。
【0005】
そこで、昇降体の捩じれる方向の荷重を第1被案内体群及び第2被案内体群により適切に受け止め易い物品搬送装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る物品搬送装置の特徴構成は、上下方向に並設された複数の収納部に物品を移載する移載部と、前記移載部を支持すると共に上下方向に移動する昇降体と、前記昇降体を上下方向に案内する案内レールと、を備えている物品搬送装置において、
上下方向に見て、前記案内レールと前記移載部とが並ぶ方向を主方向、前記主方向に対して直交する方向を副方向とすると共に、前記主方向における前記案内レールに対して前記移載部が存在する方向を第1主方向、前記第1主方向の反対方向を第2主方向、前記副方向の一方向を第1副方向、前記副方向の他方向を第2副方向として、前記移載部は、第1移載装置と、前記第1移載装置より上方に位置する第2移載装置とを有し、前記第1移載装置及び前記第2移載装置の夫々は、物品を支持する支持体と、前記支持体を前記昇降体から突出させた突出位置と前記突出位置より昇降体側に引退させた引退位置とに水平方向に移動させる第1駆動部と、前記第1駆動部による前記支持体が移動する方向を上下方向に沿う軸心周りに変更する第2駆動部と、を備え、前記昇降体は、前記案内レールにより上下方向に案内される被案内部を備えた本体部と、前記第1移載装置を支持する第1支持部と、前記第1支持部より上方に位置して前記第2移載装置を支持する第2支持部と、を備え、前記被案内部は、第1被案内体群と、当該第1被案内体群より上方に設置された第2被案内体群と、を備え、前記第1被案内体群と前記第2被案内体群との夫々は、前記案内レールにおける前記第1主方向を向く面である第1面に接触する第1被案内体と、前記案内レールにおける前記第2主方向を向く面である第2面に接触する第2被案内体と、前記案内レールにおける前記第1副方向を向く面である第3面に接触する第3被案内体と、前記案内レールにおける前記第2副方向を向く面である第4面に接触する第4被案内体と、前記第3被案内体に対して前記主方向に異なる位置に配置されて前記第3面に接触する第5被案内体と、前記第4被案内体に対して前記主方向に異なる位置に配置されて前記第4面に接触する第6被案内体と、を備えている点にある。
【0007】
この特徴構成によれば、第1被案内体群の第1被案内体や第2被案内体群の第1被案内体が、案内レールの第1面に第1主方向から接触する。また、第1被案内体群の第2被案内体や第2被案内体群の第2被案内体が、案内レールの第2面に第2主方向から接触する。このように、第1被案内体及び第2被案内体が案内レールに接触することで、昇降体が上下方向に移動する場合や移載部により物品を移載する場合に、昇降体が案内レールに対して主方向にズレることや昇降体が主方向に傾くことを規制できる。
また、第1被案内体群の第3被案内体及び第5被案内体や第2被案内体群の第3被案内体及び第5被案内体が、案内レールの第3面に第1副方向から接触する。また、第1被案内体群の第4被案内体及び第6被案内体や第2被案内体群の第4被案内体及び第6被案内体が、案内レールの第4面に第2副方向から接触する。このように第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体が案内レールに接触することで、昇降体が上下方向に移動する場合や移載部により物品を移載する場合に、昇降体が案内レールに対して副方向にズレることや昇降体が副方向に傾くことを規制できる。
【0008】
そして、第1被案内体群及び第2被案内体群には、第3面に接触する被案内体として、第3被案内体に加えて第5被案内体が備えられており、この第5被案内体は、第3被案内体に対して主方向に異なる位置に配置されている。また、第1被案内体群及び第2被案内体群には、第4面に接触する被案内体として、第4被案内体に加えて第6被案内体が備えられており、この第6被案内体は、第4被案内体に対して主方向に異なる位置に配置されている。このように第1被案内体群及び第2被案内体群に、第3被案内体及び第4被案内体に加えて第5被案内体及び第6被案内体を備えることで、第1被案内体群や第2被案内体群を第3面や第4面に対して主方向に広い間隔で接触させることができるため、昇降体の捩じれる方向の荷重を第1被案内体群及び第2被案内体群により適切に受け止め易くなる。
【0009】
ここで、前記支持体は、物品の底面を下方から支持し、前記第1被案内体群は、前記第1支持部の前記支持体に物品を支持した場合において前記第1支持部に支持された物品の上端より下方に配置され、前記第2被案内体群は、前記第2支持部の下端より上方に配置されていると好適である。
【0010】
この構成によれば、第1被案内体群に備えられている被案内体の全てが第1支持部に支持された物品の上端より下方に位置する。また、第2被案内体群に備えられている被案内体の全てが第2支持部の下端より上方に位置する。このように第1被案内体群及び第2被案内体群を配置することで、第1被案内体群と第2被案内体群との上下方向の離間距離を大きくすることができる。そのため、昇降体が案内レールに対して傾くことを第1被案内体群及び第2被案内体群により適切に規制し易くなる。
【0011】
また、前記第1被案内体群における前記第1被案内体及び前記第2被案内体は、当該第1被案内体群における前記第3被案内体、前記第4被案内体、前記第5被案内体及び前記第6被案内体より下方に位置し、前記第2被案内体群における前記第1被案内体及び前記第2被案内体は、当該第2被案内体群における前記第3被案内体、前記第4被案内体、前記第5被案内体及び前記第6被案内体より上方に位置していると好適である。
【0012】
この構成によれば、第1被案内体群における主方向規制用の被案内体(第1被案内体及び第2被案内体)と、第2被案内体群における主方向規制用の被案内体(第1被案内体及び第2被案内体)と、の上下方向の離間距離は、第1被案内体群における副方向規制用の被案内体(第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体)と、第2被案内体群における副方向規制用の被案内体(第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体)と、の離間距離より長い。つまり、案内レールに対して昇降体が第1主方向に存在しているため、第1被案内体群及び第2被案内体群には、昇降体の上部が昇降体の下部に対して第1主方向に相対的に移動するように昇降体が第1主方向に傾こうとする荷重が常に作用している。しかし、第1被案内体群における主方向規制用の被案内体と第2被案内体群における主方向規制用の被案内体との上下方向の離間距離が比較的長いため、これら第1被案内体群及び第2被案内体群により、昇降体が案内レールに対して第1主方向に傾くことを適切に規制し易くなる。
【0013】
また、前記案内レールは、上下方向及び前記副方向に沿う姿勢の主壁部として第1主壁部と第2主壁部とを備えると共に、上下方向及び前記主方向に沿う姿勢の副壁部として第1副壁部と第2副壁部とを備え、前記第1副壁部は、前記第3面を備え、前記第2副壁部は、前記第1副壁部に対して前記第1副方向に離間する位置で且つ前記第1副壁部に対して前記副方向に見て重なる位置に配置されて前記第4面を備え、前記第1主壁部は、前記第1副壁部から前記第1副方向に突出するように形成されて前記第1面、前記第2面及び前記第3面を備え、前記第2主壁部は、前記第1主壁部に対して前記第1副方向に離間する位置で且つ前記第1主壁部に対して前記副方向に見て重なる位置に配置されると共に、前記第2副壁部から前記第2副方向に突出するように形成されて前記第1面、前記第2面及び前記第4面を備え、前記第1被案内体群及び前記第2被案内体群の夫々は、前記第1主壁部の前記第1面に接触する前記第1被案内体と、前記第2主壁部の前記第1面に接触する前記第1被案内体と、前記第1主壁部の前記第2面に接触する前記第2被案内体と、前記第2主壁部の前記第2面に接触する前記第2被案内体と、前記第1主壁部の前記第3面に接触する前記第3被案内体と、前記第1副壁部の前記第3面に接触する前記第5被案内体と、前記第2主壁部の前記第4面に接触する前記第4被案内体と、前記第2副壁部の前記第4面に接触する前記第6被案内体と、を備えていると好適である。
【0014】
この構成によれば、第1主壁部における第1面に接触する第1被案内体と、第2主壁部における第1面に接触する第1被案内体とは、互いに主方向に異なる位置に配置されている。また、第1主壁部における第2面に接触する第2被案内体と、第2主壁部における第2面に接触する第2被案内体とは、互いに主方向に異なる位置に配置されている。第1被案内体群及び第2被案内体群に、一対の第1被案内体と一対の第2被案内体とを配置することで、第1被案内体群及び第2被案内体群の夫々に備えられている第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体との協働により、昇降体が副方向に傾くことや昇降体が上下方向に沿う軸心周りに回転することを適切に規制し易い。
また、第5被案内体は、第1副壁部の第3面に第1副方向から接触し、第6被案内体を第2副壁部の第4面に第2副方向から接触するように、第5被案内体及び第6被案内体を配置することで、これら第5被案内体及び第6被案内体を、副方向において第1副壁部と第2副壁部との間に配置できる。そのため、第1被案内体群や第2被案内体群を副方向にコンパクトに構成できる。
【0015】
また、前記第3被案内体と前記第4被案内体とは、前記第3被案内体と前記第3面との間及び前記第4被案内体と前記第4面との間のうちの少なくとも一方に隙間が形成される間隔で設置され、前記第5被案内体と前記第6被案内体とは、前記第5被案内体と前記第3面との間及び前記第6被案内体と前記第4面との間のうちの少なくとも一方に隙間が形成される間隔で設置されていると好適である。
【0016】
この構成によれば、昇降体が上下方向に移動するときに、第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体のうちの全て又は一部が案内レールに積極的に接触することなく、昇降体を上下方向に移動させることができる。そのため、抵抗が少ない状態で昇降体を上下方向に移動させることができる。また、案内レールを複数の部材を組み合わせて構成した場合において、組付け誤差により第3面と第4面との副方向の間隔が上下方向で一定とならず上下方向のある高さで多少狭くなっていたとしても、当該誤差を被案内体と案内レールの面との間に形成されている隙間により第3面と第4面との副方向の間隔の不均一を吸収できるため、昇降体を抵抗が少ない状態で上下方向に移動させることができる。
【0017】
また、前記第1被案内体及び前記第2被案内体の夫々は、前記副方向に沿う軸心周りに回転自在なローラにて構成され、前記第3被案内体、前記第4被案内体、前記第5被案内体及び前記第6被案内体の夫々は、前記主方向に沿う軸心周りに回転自在なローラにて構成されていると好適である。
【0018】
この構成によれば、案内レールに接触する被案内体を回転自在なローラにて構成することで、昇降体が案内レールにて上下方向に円滑に案内され易くなる。
【0019】
また、前記第3被案内体、前記第4被案内体、前記第5被案内体及び前記第6被案内体の夫々は、前記第1被案内体及び前記第2被案内体の夫々に比べて、ローラ表面が硬い材質で構成されていると好適である。
【0020】
この構成によれば、第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体の夫々は、ローラ表面が比較的硬い材質で構成されている。そのため、第2駆動部の作用による支持体が出退する方向の変更により、昇降体の重心が副方向に移動した場合に、その比較的硬い材質で構成されている第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体のうちの一部が案内レールに接触するが、これら被案内体が比較的硬い材質で構成されているので、昇降体が副方向に傾くことや昇降体が上下方向に沿う軸心周りに回転することを適切に規制し易い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】物品搬送設備の斜視図
図2】物品搬送装置と2台の入出搬送装置とを示す平面図
図3】物品搬送装置と1台の入出搬送装置とを示す平面図
図4】物品搬送装置の平面図
図5】物品搬送装置の側面図
図6】物品搬送装置の一部と案内マストとを示す横断平面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品搬送設備には、複数階(本実施形態では3階構成であり、上側の階から順に上階U、中階M、下階Dと称する)の間で物品としての容器1を搬送する物品搬送装置2(図2参照)と、天井近くを走行して容器1を搬送する天井搬送車3と、床面上を走行して容器1を搬送する床面搬送車7と、固定状態に設置されて容器1を搬送する入出搬送装置4と、が設けられている。尚、半導体基板を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)を容器1(物品)としている。
【0023】
物品搬送装置2は、筒体5の内側に上階Uから下階Dに亘って配設されている。図1に示すように、天井搬送車3及び床面搬送車7は、筒体5の外側に配設されている。図2及び図3に示すように、入出搬送装置4は、筒体5の内側から外側に亘って配設されており、筒体5の外側に位置する外部箇所8と筒体5の内側に位置する内部箇所9との間で容器1を搬送する。図2図4に示すように、筒体5の内部には、容器1を収納する収納部6が複数備えられている。収納部6は、上下方向Z及び物品搬送装置2を中心とした周方向Rに並設されている。
【0024】
物品搬送設備では、天井搬送車3や床面搬送車7や作業者により入出搬送装置4の外部箇所8に容器1が載せられると、当該容器1は、入出搬送装置4にて外部箇所8から内部箇所9に搬送された後、物品搬送装置2にて内部箇所9から収納部6に搬送されて、容器1が収納部6に収納される。
また、収納部6に収納されている容器1は、物品搬送装置2により収納部6から入出搬送装置4の内部箇所9に搬送された後、入出搬送装置4にて内部箇所9から外部箇所8に載置搬送される。外部箇所8の容器1は、天井搬送車3、床面搬送車7又は作業者にて外部箇所8から降ろされる。
尚、物品搬送装置2が、物品を収納部6に搬送する搬送装置に相当する。また、物品搬送装置2により、内部箇所9から別の内部箇所9に容器1を搬送する場合や、収納部6から別の収納部6に容器1を搬送する場合もある。
【0025】
〔物品搬送装置〕
次に、物品搬送装置について説明するが、以下、上下方向Zに見て、案内レール13と移載部11とが並ぶ方向を主方向Xと称すると共に、主方向Xにおける案内レール13に対して移載部11が存在する方向を第1主方向X1と称し、第1主方向X1の反対方向を第2主方向X2と称して説明する。また、上下方向Zに見て、主方向Xに対して直交する方向を副方向Yと称し、副方向Yの一方向を第1副方向Y1と称し、副方向Yの他方向を第2副方向Y2と称して説明する。
【0026】
図2図4に示すように、物品搬送装置2は、収納部6に容器1を移載する移載部11と、移載部11を支持すると共に上下方向Zに移動する昇降体12と、昇降体12を上下方向Zに案内する案内レール13と、を備えている。昇降体12は、上下方向Zに沿って配設された給電線46から非接触で駆動用電力を受電する受電部29が備えている。
【0027】
また、図5及び図6に示すように、物品搬送装置2は、バランスウェイト31と第1ベルト32と第2ベルト33と備えている。第1ベルト32は、一端部に昇降体12が連結され且つ他端部にバランスウェイト31が連結されており、中間部が昇降体12の昇降経路の上方に設けられた上側回転体(図示せず)に巻き掛けられている。第2ベルト33は、一端部に昇降体12が連結され且つ他端部にバランスウェイト31が連結されており、中間部が昇降体12の昇降経路の下方に設けられた下側回転体(図示せず)に巻き掛けられている。
【0028】
図6に示すように、案内レール13は、仕切り部35と第1副壁部36と第2副壁部37と第3副壁部38と第4副壁部39とを備えている。仕切り部35は、上下方向Z及び副方向Yに沿う姿勢で案内レール13に備えられており、案内レール13における主方向Xの中央部に位置している。第1副壁部36は、仕切り部35における第2副方向Y2の端部から第1主方向X1に突出している。第2副壁部37は、仕切り部35における第1副方向Y1の端部から第1主方向X1に突出している。第3副壁部38は、仕切り部35における第2副方向Y2の端部から第2主方向X2に突出している。第4副壁部39は、仕切り部35における第1副方向Y1の端部から第2主方向X2に突出している。第1副壁部36、第2副壁部37、第3副壁部38及び第4副壁部39の夫々は、上下方向Z及び主方向Xに沿う姿勢で案内レール13に備えられている。
【0029】
そして、第2副壁部37は、第1副壁部36に対して第1副方向Y1に離間する位置で且つ第1副壁部36に対して副方向Yに見て重なる位置に配置されている。第4副壁部39は、第3副壁部38に対して第1副方向Y1に離間する位置で且つ第3副壁部38に対して副方向Yに見て重なる位置に配置されている。第3副壁部38は、第1副壁部36に対して主方向Xに見て重なる位置に配置されている。第4副壁部39は、第2副壁部37に対して主方向Xに見て重なる位置に配置されている。
【0030】
また、案内レール13は、第1主壁部40と第2主壁部41とを備えている。第1主壁部40は、第1副壁部36の第1主方向X1の端部から第1副方向Y1に突出している。第2主壁部41は、第2副壁部37の第1主方向X1の端部から第2副方向Y2に突出している。第2主壁部41は、第1主壁部40に対して第1副方向Y1に離間する位置で且つ第1主壁部40に対して副方向Yに見て重なる位置に配置されている。
【0031】
第1副壁部36と第3副壁部38と第1主壁部40とは、アルミの押し出し成型により一体形成されている。また、第2副壁部37と第4副壁部39と第2主壁部41とは、アルミの押し出し成型により一体形成されている。尚、仕切り部35も、アルミの押し出し成型に形成されている。このように、案内レール13における第1面F1を形成する部分と第2面F2を形成する部分とは同じ部材により形成されている。そして、案内レール13における第3面F3を形成する部分と第4面F4を形成する部分とは別の部材により形成されている。
【0032】
案内レール13は、仕切り部35、第1副壁部36、第2副壁部37、第3副壁部38、第4副壁部39等を備えて、横断面の形状がH字状に形成されている。
そして、案内レール13は、昇降体用溝43とウェイト用溝44とを備えている。昇降体用溝43とウェイト用溝44との夫々は、上下方向Zに沿って形成されている。説明を加えると、昇降体用溝43は、仕切り部35と第1副壁部36と第2副壁部37と第1主壁部40と第2主壁部41とで形成されている。ウェイト用溝44は、仕切り部35と第3副壁部38と第4副壁部39とで形成されている。案内レール13に、第1主壁部40及び第2主壁部41を備えることで、昇降体用溝43が入口部よりも奥部が幅広となる形状に形成されている。
【0033】
上述の如く、案内レール13は、上下方向Z及び副方向Yに沿う姿勢の主壁部として、第1主壁部40と第2主壁部41とを備えている。また、案内レール13は、上下方向Z及び主方向Xに沿う姿勢の副壁部として、第1副壁部36と第2副壁部37と第3副壁部38と第4副壁部39とを備えている。
【0034】
案内レール13は、第1面F1、第2面F2、第3面F3及び第4面F4を備えている。第1面F1は、第1主方向X1を向く面であり、第1主壁部40における第1主方向X1を向く面や、第2主壁部41における第1主方向X1を向く面である。第2面F2は、第2主方向X2を向く面であり、第1主壁部40における第2主方向X2を向く面や、第2主壁部41における第2主方向X2を向く面である。第3面F3は、第1副方向Y1を向く面であり、第1主壁部40における第1副方向Y1を向く面や、第1副壁部36における第1副方向Y1を向く面である。第4面F4は、第2副方向Y2を向く面であり、第2主壁部41における第2副方向Y2を向く面や、第2副壁部37における第2副方向Y2を向く面である。
【0035】
このように、第1副壁部36は、第3面F3を備えている。第2副壁部37は、第4面F4を備えている。第1主壁部40は、第1面F1と第2面F2と第3面F3とを備えている。第2主壁部41は、第1面F1と第2面F2と第4面F4とを備えている。尚、第1副壁部36、第2副壁部37、第1主壁部40及び第2主壁部41において、案内レール13の内方(昇降体用溝43が存在する方向)を向く面を内面、案内レール13の外方(昇降体用溝43が存在する方向とは反対の方向)を向く面を外面とした場合、第1面F1は外面となり、その他の第2面F2、第3面F3、第4面F4は内面となる。そして、後述する第1ローラR1から第8ローラR8のうち、第1ローラR1と第7ローラR7とを除くローラは、昇降体用溝43内に配置されている。
【0036】
図5に示すように、移載部11は、第1移載装置15と、第1移載装置15より上方に位置する第2移載装置16と、を有している。昇降体12は、案内レール13により上下方向Zに案内される被案内部17を備えた本体部18と、第1移載装置15を支持する第1支持部19と、第1支持部19より上方に位置して第2移載装置16を支持する第2支持部20と、を備えている。本体部18は、上下方向Zに沿って延びる長尺状に形成されている。本体部18の下端部に、第1支持部19が連結されており、本体部18の上下方向Zの中間部に、第2支持部20が連結されている。また、図6に示すように、本体部18は、第1主壁部40と第2主壁部41との間を主方向Xに貫通する状態で設けられている。
【0037】
第1移載装置15及び第2移載装置16の夫々は、容器1を支持する支持体22と、駆動部としての第1駆動部23と、旋回部としての第2駆動部24と、を備えている。支持体22は、板状に形成されており、容器1の底面を下方から支持するように構成されている。
【0038】
第1駆動部23は、先端部に支持体22が連結され且つ基端部に旋回台25が連結されたリンク機構26と、リンク機構26を水平方向に伸縮させる出退用モータ27と、を備えている。第1駆動部23は、出退用モータ27にてリンク機構26を伸縮させることで、支持体22を昇降体12に対して水平方向に移動させて、支持体22を昇降体12から突出させた突出位置と突出位置より昇降体12側に引退させた引退位置とに移動させる。
【0039】
第2駆動部24は、上下方向Zに沿う軸心周りに旋回自在な旋回台25と、旋回台25を軸心周りに旋回させる旋回用モータ28と、を備えている。第2駆動部24は、旋回用モータ28にて旋回台25を旋回させることで、旋回台25及びこれに支持されているリンク機構26及び支持体22が一体的に上下方向Zに沿う軸心周りに回転させて、第1駆動部23による支持体22が移動する方向を上下方向Zに沿う軸心周りに変更する。
【0040】
被案内部17は、第1被案内体群51と、当該第1被案内体群51より上方に設置された第2被案内体群52と、を備えている。第1被案内体群51と第2被案内体群52との夫々は、第1面F1に接触する第1ローラR1及び第7ローラR7と、第2面F2に接触する第2ローラR2及び第8ローラR8と、第3面F3に接触する第3ローラR3及び第5ローラR5と、第4面F4に接触する第4ローラR4及び第6ローラR6と、を備えている。
【0041】
第1ローラR1、第2ローラR2、第7ローラR7及び第8ローラR8の夫々は、副方向Yに沿う軸心周りに回転自在なローラにて構成されている。第3ローラR3、第4ローラR4、第5ローラR5及び第6ローラR6の夫々は、主方向Xに沿う軸心周りに回転自在なローラにて構成されている。そして、主方向Xに沿う軸心周りに回転自在なローラ(第3ローラR3、第4ローラR4、第5ローラR5及び第6ローラR6)は、副方向Yに沿う軸心周りに回転自在なローラ(第1ローラR1、第2ローラR2、第7ローラR7及び第8ローラR8)に比べて、ローラ表面が硬い材質で構成されている。ちなみに、第3ローラR3と第4ローラR4と第5ローラR5と第6ローラR6とは、ローラ表面が同じ硬さの材質で構成されており、同じローラが用いられている。第1ローラR1と第2ローラR2と第7ローラR7と第8ローラR8とは、ローラ表面が同じ硬さの材質で構成されており、同じローラが用いられている。
【0042】
第1ローラR1は、第1主壁部40の第1面F1に接触する第1被案内体に相当する。第7ローラR7は、第2主壁部41の第1面F1に接触する第1被案内体に相当する。第2ローラR2は、第1主壁部40の第2面F2に接触する第2被案内体に相当する。第8ローラR8は、第2主壁部41の第2面F2に相当する第2被案内体に相当する。
第3ローラR3は、第1主壁部40の第3面F3に接触する第3被案内体に相当する。第4ローラR4は、第2主壁部41の第4面F4に接触する第4被案内体に相当する。第5ローラR5は、第1副壁部36の第3面F3に接触する第5被案内体に相当する。第6ローラR6は、第2副壁部37の第4面F4に接触する第6被案内体に相当する。
【0043】
このように、第1被案内体群51及び第2被案内体群52の夫々は、第1主壁部40の第1面F1に接触する第1ローラR1と、第2主壁部41の第1面F1に接触する第7ローラR7と、第1主壁部40の第2面F2に接触する第2ローラR2と、第2主壁部41の第2面F2に接触する第8ローラR8と、を備えている。ちなみに、第1被案内体群51及び第2被案内体群52の夫々は、第1ローラR1と第2ローラR2と第7ローラR7と第8ローラR8との夫々を、2輪ずつ備えている。
【0044】
第7ローラR7は、第1ローラR1に対して副方向Yに異なる位置に配置されており、当該第7ローラR7は、第1ローラR1に対して第1副方向Y1に配置されている。これら第1ローラR1と第7ローラR7とは、副方向Yに見て重なるように、上下方向Z及び主方向Xには同じ位置に配置されている。
第8ローラR8は、第2ローラR2に対して副方向Yに異なる位置に配置されており、当該第8ローラR8は、第2ローラR2に対して第1副方向Y1に配置されている。これら第2ローラR2と第8ローラR8とは、副方向Yに見て重なるように、上下方向Z及び主方向Xには同じ位置に配置されている。
【0045】
また、第1被案内体群51及び第2被案内体群52の夫々は、第1主壁部40の第3面F3に接触する第3ローラR3と、第2主壁部41の第4面F4に接触する第4ローラR4と、第1副壁部36の第3面F3に接触する第5ローラR5と、第2副壁部37の第4面F4に接触する第6ローラR6と、を備えている。ちなみに、第1被案内体群51及び第2被案内体群52の夫々は、第3ローラR3と第4ローラR4と第5ローラR5と第6ローラR6との夫々を、1輪ずつ備えている。
【0046】
第4ローラR4は、第3ローラR3に対して副方向Yに異なる位置に配置されており、当該第4ローラR4は、第3ローラR3に対して第1副方向Y1に配置されている。これら第3ローラR3と第4ローラR4とは、副方向Yに見て重なるように、上下方向Z及び主方向Xには同じ位置に配置されている。
第6ローラR6は、第5ローラR5に対して副方向Yに異なる位置に配置されており、当該第6ローラR6は、第5ローラR5に対して第1副方向Y1に配置されている。これら第5ローラR5と第6ローラR6とは、副方向Yに見て重なるように、上下方向Z及び主方向Xには同じ位置に配置されている。
【0047】
第1被案内体群51は、第1支持部19の支持体22に容器1を支持した場合において当該第1支持部19に支持された容器1の上端より下方に配置されている。そして、第1被案内体群51における副方向Yに沿う軸心周りに回転自在なローラ(第1ローラR1、第2ローラR2、第7ローラR7及び第8ローラR8)は、主方向Xに沿う軸心周りに回転自在なローラ(第3ローラR3、第4ローラR4、第5ローラR5及び第6ローラR6)より下方に位置している。
また、第2被案内体群52は、第2支持部20の下端より上方に配置されている。そして、第2被案内体群52における副方向Yに沿う軸心周りに回転自在なローラ(第1ローラR1、第2ローラR2、第7ローラR7及び第8ローラR8)は、主方向Xに沿う軸心周りに回転自在なローラ(第3ローラR3、第4ローラR4、第5ローラR5及び第6ローラR6)より上方に位置している。
【0048】
案内レール13における第1面F1を形成する部分と第2面F2を形成する部分とは同じ部材により形成されており、第1面F1と第2面F2との相対的な位置関係に誤差は生じ難い。そのため、第1ローラR1と第2ローラR2とは、第1ローラR1と第1面F1との間や第2ローラR2と第2面F2との間に隙間が生じない間隔で設置されている。また、第7ローラR7と第8ローラR8とは、第7ローラR7と第1面F1との間や第8ローラR8と第2面F2との間に隙間が生じない間隔で設置されている。
【0049】
これに対して、案内レール13における第3面F3を形成する部分と第4面F4を形成する部分とは別の部材により形成されており、組付け誤差等により第3面F3と第4面F4との相対的な位置関係に誤差が生じ易い。そのため、第3ローラR3と第4ローラR4とは、第3ローラR3と第3面F3との間及び第4ローラR4と第4面F4との間のうちの少なくとも一方に隙間L(本実施形態では、第3ローラR3と第3面F3との間及び第4ローラR4と第4面F4との双方に0.5mmの隙間)が形成される間隔で設置されている。また、第7ローラR7と第8ローラR8とは、第7ローラR7と第1面F1との間及び第8ローラR8と第8面F8との間のうちの少なくとも一方に隙間L(本実施形態では、第7ローラR7と第1面F1との間及び第8ローラR8と第8面F8との双方に0.5mmの隙間)が形成される間隔で設置されている。尚、隙間Lは、案内レール13が設計通り組み付けられている場合の間隔である。
【0050】
このように、第1被案内体群51及び第2被案内体群52に、第3面F3に接触するローラとして、第3ローラR3に加えて第5ローラR5を備えており、この第5ローラR5は、第3ローラR3に対して主方向Xに異なる位置に配置している。また、第1被案内体群51及び第2被案内体群52に、第4面F4に接触するローラとして、第4ローラR4に加えて第6ローラR6を備えており、この第6ローラR6は、第4ローラR4に対して主方向Xに異なる位置に配置している。このように第1被案内体群51及び第2被案内体群52に、第3ローラR3及び第4ローラR4に加えて第5ローラR5及び第6ローラR6を備えることで、第1被案内体群51や第2被案内体群52を第3面F3や第4面F4に対して主方向Xに広い間隔で接触するため、昇降体12の捩じれを第1被案内体群51及び第2被案内体群52により適切に規制し易い。
【0051】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第1被支持体群を、第1支持部の支持体に支持された物品の上端より下方に配置され、第2被支持体群を、第2支持部の下端より上方に配置したが、第1被支持体群を第1被支持部の支持体における上面より下方に配置する、又は、第2被支持体群を、第2支持部の支持体に支持された物品の上端より上方に配置する等、第1被支持体群及び第2被支持体群の配置は適宜変更してもよい。
【0052】
(2)上記実施形態では、第1被支持体群における第1被案内体及び第2被案内体を、第1被案内体群における第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体より下方に配置したが、第1被支持体群における第1被案内体及び第2被案内体を、第1被案内体群における第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体より上方に配置してもよい。
また、上記実施形態では、第2被支持体群における第1被案内体及び第2被案内体を、第2被案内体群における第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体より上方に配置したが、第2被支持体群における第1被案内体及び第2被案内体を、第2被案内体群における第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体より下方に配置してもよい。
【0053】
(3)上記実施形態では、副方向に沿う軸心周りに回転自在なローラ(第1ローラ、第2ローラ、第7ローラ及び第8ローラ)と、主方向に沿う軸心周りに回転自在なローラ(第3ローラ、第4ローラ、第5ローラ及び第6ローラ)とで、異なるローラを用いたが、副方向に沿う軸心周りに回転自在なローラと、主方向に沿う軸心周りに回転自在なローラとで、同じローラを用いてもよい。
【0054】
(4)上記実施形態では、第3ローラと第4ローラとを、第3ローラと第3面との間及び第4ローラと第4面との間のうちの少なくとも一方に隙間が形成される間隔で設置し、第7ローラと第8ローラとを、第7ローラと第1面との間及び第8ローラと第8面との間のうちの少なくとも一方に隙間が形成される間隔で設置した。しかし、第3ローラと第4ローラとの組、及び、第7ローラと第8ローラとの組のうち、一方の組又は双方の組を、第3面との間及び第4面との間の双方において隙間が生じない間隔で設置してもよい。
【0055】
(5)上記実施形態では、第1被案内体及び第2被案内体を、副方向Yに沿う軸心周りに回転自在なローラにて構成し、第3被案内体、第4被案内体、第5被案内体及び第6被案内体を、主方向に沿う軸心周りに回転自在なローラにて構成したが、これら第1から第6被案内体の構成は、案内レールに対して上下方向に摺動自在に案内レールに接触する摺動体にて構成する等、被案内体の構成は適宜変更してもよい。
【0056】
(6)上記実施形態では、一対の副壁部の間に位置するように配置したが、外側に位置するように配置してもよい。尚、案内レールを、横断面形状がH字状に構成したが、案内レールを、横断面形状が矩形状に構成する等、第1面から第4面を備えた形状であれば、案内レールの横断面形状は適宜変更してもよい。
【0057】
(7)上記実施形態では、物品搬送装置を3階層に亘って設置したが、物品搬送装置を2階層又は4階層以上の複数階層に亘って設置してもよく、また、物品搬送装置を1階層に設置してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 容器(物品)
2 物品搬送装置
6 収納部
11 移載部
12 昇降体
13 案内レール
15 第1移載装置
16 第2移載装置
18 本体部
19 第1支持部
20 第2支持部
22 支持体
23 第1駆動部(駆動部)
24 第2駆動部(旋回部)
51 第1被案内体群
52 第2被案内体群
F1 第1面
F2 第2面
F3 第3面
F4 第4面
R1 第1ローラ(第1被案内体)
R2 第2ローラ(第2被案内体)
R3 第3ローラ(第3被案内体)
R4 第4ローラ(第4被案内体)
R5 第5ローラ(第5被案内体)
R6 第6ローラ(第6被案内体)
R7 第7ローラ(第1被案内体)
R8 第8ローラ(第2被案内体)
X 主方向
X1 第1主方向
X2 第2主方向
Y 副方向
Y1 第1副方向
Y2 第2副方向
Z 上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6