特許第6593299号(P6593299)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593299
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/013 20060101AFI20191010BHJP
   F28D 1/047 20060101ALI20191010BHJP
   F25B 39/00 20060101ALI20191010BHJP
   F24F 1/18 20110101ALI20191010BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20191010BHJP
   B23K 101/14 20060101ALN20191010BHJP
   B23K 103/10 20060101ALN20191010BHJP
【FI】
   F28F9/013 B
   F28D1/047 B
   F28F9/013 J
   F25B39/00 C
   F24F1/18
   B23K1/00 330K
   B23K101:14
   B23K103:10
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-204916(P2016-204916)
(22)【出願日】2016年10月19日
(65)【公開番号】特開2018-66504(P2018-66504A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2017年10月4日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中野 寛之
(72)【発明者】
【氏名】笹井 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】久保 博治
【審査官】 久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−156278(JP,U)
【文献】 特開2004−108741(JP,A)
【文献】 特開2012−154603(JP,A)
【文献】 実開昭63−104892(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0238262(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/013
B23K 1/00
F24F 1/18
F25B 39/00
F28D 1/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に沿って並んでいる複数の伝熱管(31〜34)と、
前記伝熱管と接触している伝熱フィン(35)と、
前記複数の伝熱管の少なくとも一部かつ複数の前記伝熱管の端部が接続される出入り口管(36b)と、
第1伝熱管通過部(151)を有する管板(137b)と、
を備え、
前記管板は、前記伝熱管が延びている方向において、前記端部と前記伝熱フィンとの間に配置され、
前記第1伝熱管通過部は、前記出入り口管に接続される複数の前記伝熱管の少なくとも一部であって隣り合っている複数の前記伝熱管が、前記管板と接触することなく通過する1つの開口または切り欠きである、
熱交換器(30)。
【請求項2】
前記管板は、第2伝熱管通過部(152)をさらに有し、
前記第2伝熱管通過部は、前記出入り口管に接続される前記伝熱管を除く前記伝熱管が、前記管板と接触しながら通過する開口または切り欠きである、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記管板は、前記第2伝熱管通過部を通過する前記伝熱管と、ロウ付けによって接合されている、
請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記管板は、前記第1伝熱管通過部を通過する前記伝熱管と、ロウ付けによって接合されていない、
請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝熱管の内部を流れる冷媒と、伝熱フィンを通過する気体との間の熱交換を行う熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍装置の一種である空気調和装置の室外機として、特許文献1(特開2010−107103号公報)に開示されるようなマイクロチャネル熱交換器を備える室外機が用いられている。この室外機は、主として、ケーシングと、仕切板と、マイクロチャネル熱交換器と、ファンと、圧縮機と、電装品箱とを備える。仕切板は、ケーシング内部の空間を熱交換室と機械室とに仕切る。熱交換室には、マイクロチャネル熱交換器およびファンが配置されている。機械室には、圧縮機および電装品箱が配置されている。電装品箱は、ファンおよび圧縮機を制御する回路基板等が収容されるケースである。マイクロチャネル熱交換器は、圧縮機によって圧縮された冷媒と、ファンによって供給された空気との間の熱交換を行う。
【0003】
従来、マイクロチャネル熱交換器は、主として、多穴管と、ヘッダと、伝熱フィンとから構成される。多穴管は、冷媒が通過する複数の貫通孔が並んで形成されている扁平管である。ヘッダは、複数の多穴管の端部が接続される管である。ヘッダは、多穴管の貫通孔に流入する冷媒、または、多穴管の貫通孔から流出した冷媒が流れる管である。伝熱フィンは、多穴管の表面に取り付けられている。
【0004】
マイクロチャネル熱交換器は、多穴管と伝熱フィンとが交互に積層された熱交換器であり、多穴管内を流れる冷媒と、伝熱フィンを通過する空気との間の熱交換を行う。マイクロチャネル熱交換器の両端部は、一対の管板によって支持されている。一対の管板は、室外機のケーシングに固定され、積層されている伝熱フィンの両端に接している。多穴管は、管板を貫通し、ロウ付け等によって管板に接合されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このようなマイクロチャネル熱交換器では、多穴管の貫通孔に流入する前の冷媒が内部を流れるヘッダは、冷媒配管を介して圧縮機に接続されている。そのため、稼動中の圧縮機の振動は、冷媒配管およびヘッダを介して、ヘッダに接続されている多穴管に伝達される。多穴管はロウ付け等によって管板に接合されている。そのため、多穴管に伝達された振動により、多穴管と管板との接合部に応力が集中するおそれがある。多穴管と管板との接合部に応力が集中すると、多穴管に亀裂が生じて多穴管が破損するおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、外部から伝達された振動に起因する破損を抑制することができる熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1観点に係る熱交換器は、複数の伝熱管と、伝熱フィンと、出入り口管と、管板とを備える。複数の伝熱管は、所定の方向に沿って並んでいる。伝熱フィンは、伝熱管と接触している。出入り口管は、所定の方向に沿って並んでいる複数の伝熱管の少なくとも一部かつ複数の伝熱管の端部が接続される。管板は、第1伝熱管通過部を有する。管板は、伝熱管が延びている方向において、伝熱管の端部と伝熱フィンとの間に配置される。第1伝熱管通過部は、出入り口管に接続される複数の伝熱管の少なくとも一部であって隣り合っている複数の伝熱管が、管板と接触することなく通過する1つの開口または切り欠きである。
【0008】
第1観点に係る熱交換器では、複数の伝熱管の少なくとも一部の端部は、出入り口管に接続されている。出入り口管は、冷媒配管を介して、圧縮機等の外部の部材に連結されている。そのため、外部の部材の振動は、冷媒配管を介して出入り口管に伝達される。出入り口管の振動は、さらに、出入り口管に接続されている伝熱管に伝達される。しかし、出入り口管に接続されている伝熱管は、管板と接触していないので、出入り口管に接続されている伝熱管の振動は、管板には伝達されない。そのため、出入り口管に接続されている伝熱管が管板に接合されている場合における、伝熱管と管板との接合部に応力が集中することが回避される。これにより、伝熱管に亀裂が生じて伝熱管が破損することが防止される。従って、第1観点に係る熱交換器は、外部から伝達された振動に起因する破損を抑制することができる。
【0009】
本発明の第2観点に係る熱交換器は、第1観点に係る熱交換器であって、管板は、第2伝熱管通過部をさらに有する。第2伝熱管通過部は、出入り口管に接続される伝熱管を除く伝熱管が、管板と接触しながら通過する開口または切り欠きである。
【0010】
第2観点に係る熱交換器では、出入り口管に接続されている伝熱管を除く伝熱管は、管板と接触している。そのため、ケーシング等に管板を固定することで、伝熱管を備える熱交換器を固定することができる。従って、第2観点に係る熱交換器は、管板によって固定することができる。
【0011】
本発明の第3観点に係る熱交換器は、第2観点に係る熱交換器であって、管板は、第2伝熱管通過部を通過する伝熱管と、ロウ付けによって接合されている。
【0012】
第3観点に係る熱交換器では、出入り口管に接続されている伝熱管を除く伝熱管は、管板とロウ付け接合されている。従って、第3観点に係る熱交換器は、管板によって固定することができる。
【0013】
本発明の第4観点に係る熱交換器は、第1観点から第3観点のいずれか1つに係る熱交換器であって、管板は、第1伝熱管通過部を通過する伝熱管と、ロウ付けによって接合されていない。
【0014】
第4観点に係る熱交換器では、出入り口管に接続されている伝熱管は、管板とロウ付け接合されていない。従って、第4観点に係る熱交換器は、外部から伝達された振動に起因する破損を抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る熱交換器は、外部から伝達された振動に起因する破損を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態の熱交換器30を備える室外ユニット100の内部構造を示す斜視図である。
図2】熱交換器30の概略図である。
図3図2の伝熱管31〜34のみを示した図である。
図4】コルゲートフィンである伝熱フィン35の外観図である。
図5図2の左側から右側に向かって視た左側管板37aを示す図である。
図6図5の矢印VIの方向から視た左側管板37aを示す図である。
図7図2の左側から右側に向かって視た右側管板37bを示す図である。
図8図7の矢印VIIIの方向から視た右側管板37bを示す図である。
図9図7に、第1伝熱管通過部51および第2伝熱管通過部52を通過する伝熱管31〜34の断面形状を追加した図である。
図10図2に示される右側管板37bの一部の斜視図である。
図11】変形例Aに係る、図7と同様の方向から視た右側管板137bを示す図である。
図12図11に、第1伝熱管通過部151および第2伝熱管通過部152を通過する伝熱管31〜34の断面形状を追加した図である。
図13】熱交換器30の右側端部に取り付けられた右側管板137bの一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る熱交換器、および、それを備える冷凍装置の室外ユニットについて、図面を参照しながら説明する。本実施形態の熱交換器は、空気調和装置等の冷凍装置の室外ユニットが備えるマイクロチャネル熱交換器である。
【0018】
(1)室外ユニットの構成
図1は、本実施形態の熱交換器30を備える室外ユニット100の内部構造を示す斜視図である。室外ユニット100は、冷媒回路を循環する冷媒を用いる冷凍サイクルを備える空気調和装置の構成要素である。室外ユニット100は、外部配管101,102を介して、室内ユニット(図示せず)に接続されている。以下の説明において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」および「右」からなる6つの方向を、図1に示されるように定義する。図1において、鉛直方向は、上下方向である。
【0019】
室外ユニット100は、主として、略直方体形状のケーシング10と、圧縮機20と、熱交換器30と、ファン40とを備える。室外ユニット100は、これらの他にも、様々な機器、弁および冷媒管等を備える。
【0020】
(1−1)ケーシング
ケーシング10は、主として、底板11と、天板12と、前板13と、側板14と、仕切板15とを有している。図1において、天板12、前板13および側板14は、二点鎖線で示されている。
【0021】
底板11は、ケーシング10の下側の面を構成する略長方形の板状部材である。底板11の周縁部は、上向きに折り曲げられている。底板11の外周部には、複数の固定脚11aが取り付けられている。固定脚11aは、ケーシング10の前側から後側に向かって延びている。固定脚11aは、室外ユニット100を設置面に固定するための部材である。
【0022】
天板12は、ケーシング10の上側の面を構成する略長方形の板状部材である。天板12は、底板11と対向する部材である。
【0023】
前板13は、主として、ケーシング10の前側の面、および、ケーシング10の右側の面の前側部分を構成する板状部材である。前板13の下部は、ネジ等によって底板11に固定されている。前板13には、吹出口13aが形成されている。吹出口13aは、ケーシング10の外部から内部に取り込まれた室外空気を、ケーシング10の外部に吹き出すための開口である。図1において、ケーシング10を通過する空気の流れは、矢印A〜Cで示されている。
【0024】
側板14は、主として、ケーシング10の右側の面の後側部分、および、後側の面の右側部分を構成する板状部材である。側板14の下部は、ネジ等によって底板11に固定されている。
【0025】
仕切板15は、底板11に固定される板状部材である。仕切板15は、鉛直方向に延びている。仕切板15の下部は、ネジ等によって底板11に固定されている。仕切板15は、ケーシング10の内部空間を、熱交換室10aおよび機械室10bの2つの空間に区画する。熱交換室10aは、ケーシング10の内部空間の左側の空間である。機械室10bは、ケーシング10の内部空間の右側の空間である。熱交換室10aは、底板11と、天板12と、前板13と、仕切板15とによって囲まれた空間である。機械室10bは、底板11と、天板12と、前板13と、側板14と、仕切板15とによって囲まれた空間である。熱交換室10aには、主として、熱交換器30およびファン40が配置されている。機械室10bには、主として、圧縮機20が配置されている。
【0026】
(1−2)圧縮機
圧縮機20は、冷凍サイクルにおいて低圧の冷媒を高圧の冷媒に圧縮する。圧縮機20は、略円筒形状の密閉型圧縮機である。圧縮機20は、室外ユニット100を鉛直方向に沿って視た場合に、機械室10bの中央部に配置されている。
【0027】
(1−3)熱交換器
熱交換器30は、冷凍サイクルを循環する冷媒と、室外空気との熱交換を行う。熱交換器30は、空気調和装置の冷房運転時には冷媒の放熱器として機能し、空気調和装置の暖房運転時には冷媒の吸熱器として機能する。熱交換器30は、複数の伝熱管31〜34と複数の伝熱フィン35とから構成されるフィンチューブ型熱交換器である。熱交換器30は、鉛直方向に沿って視た場合に、略L字形状を有している。熱交換器30は、ケーシング10の左側および後側に沿うように、熱交換室10aに配置されている。熱交換器30は、ファン40の左側および後側を囲むように配置されている。
【0028】
(1−4)ファン
ファン40は、ケーシング10の左側および後側に形成された吸入口(図示せず)を通じて熱交換室10aに室外空気を取り込み、熱交換器30を通過させた後に、吹出口13aから吹き出す。ファン40は、例えば、プロペラファンである。ファン40は、熱交換室10aに配置されている。図1において矢印A〜Cで示されている、ケーシング10を通過する空気の流れにおいて、ファン40は、熱交換器30の下流側に配置されている。
【0029】
(2)熱交換器の詳細な構成
図2は、熱交換器30の概略図である。図2は、図1に示されるように略L字形状に曲げられる前の平板状の熱交換器30を表している。図2では、「上」、「下」、「左」および「右」の4つの方向が、それぞれ矢印で示されている。図2において、鉛直方向は、上下方向である。図2の上側は、図1の上側に相当する。図2の下側は、図1の下側に相当する。図2において、熱交換器30の左右方向の両端部は、図1に示される室外ユニット100を鉛直方向に沿って視た場合における熱交換器30の長手方向の両端部に相当する。具体的には、図2に示される熱交換器30の左側の端部は、図1に示される熱交換器30の前側の端部に相当し、図2に示される熱交換器30の右側の端部は、図1に示される熱交換器30の後側の端部に相当する。
【0030】
熱交換器30は、主として、4本の伝熱管31〜34と、複数の伝熱フィン35と、2本の出入り口管36a,36bと、2枚の管板37a,37bとを備える。以下、必要に応じて、伝熱管31〜34を、それぞれ、第1伝熱管31、第2伝熱管32、第3伝熱管33および第4伝熱管34と呼び、出入り口管36a,36bを、それぞれ、第1出入り口管36aおよび第2出入り口管36bと呼び、管板37a,37bを、それぞれ、左側管板37aおよび右側管板37bと呼ぶ。
【0031】
(2−1)伝熱管
伝熱管31〜34は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の扁平多穴管である。扁平多穴管とは、複数の貫通孔が所定の方向に並んで形成されている扁平な管である。扁平多穴管の貫通孔は、扁平多穴管の長手方向に沿って貫通する孔である。扁平多穴管は、押し出し成形等により製造される。伝熱管31〜34の貫通孔は、熱交換器30で熱交換される冷媒が通過する孔である。
【0032】
伝熱管31〜34は、それぞれ、鉛直方向に沿って蛇行している扁平多穴管である。伝熱管31〜34は、互いに異なる形状を有している。図3は、図2の伝熱管31〜34のみを示した図である。図3では、「上」、「下」、「左」および「右」の4つの方向が、それぞれ矢印で示されている。図3の上側は、図2の上側に相当する。図3の下側は、図2の下側に相当する。図3の左側は、図2の左側に相当する。図3の右側は、図2の右側に相当する。
【0033】
図3に示されるように、第1伝熱管31は、水平部31aと、第1折り返し部31bと、第2折り返し部31cとから構成される。水平部31a、第1折り返し部31bおよび第2折り返し部31cは、第1伝熱管31の長手方向における、第1伝熱管31の一部分である。図3において、第1伝熱管31は、6つの水平部31aと、3つの第1折り返し部31bと、2つの第2折り返し部31cとから構成される。第1折り返し部31bおよび第2折り返し部31cは、2つの水平部31aの間の部分である。第1伝熱管31の両端部は、共に、水平部31aである。第1伝熱管31の両端部にある2つの水平部31aは、1つの第1折り返し部31bに接続されている。第1伝熱管31の両端部にある水平部31aを除く4つの水平部31aは、1つの第1折り返し部31bおよび1つの第2折り返し部31cに接続されている。
【0034】
水平部31aは、鉛直方向に垂直な方向である水平方向に沿って延びている部分である。水平部31aは、その長手方向および鉛直方向に直交する方向に沿って複数の貫通孔が形成されている部分である。以下、水平部31aにおいて複数の貫通孔が並んでいる方向を幅方向と呼ぶ。図3において、幅方向は、上下方向および左右方向に直交する方向である。第1伝熱管31の6つの水平部31aは、鉛直方向に沿って所定の間隔を空けて配置されている。水平部31aは、図1に示される熱交換器30を鉛直方向に沿って視た場合に略L字形状を有する部分である。
【0035】
第1折り返し部31bは、第1伝熱管31が折り返されている部分である。第1折り返し部31bの両側の2つの水平部31aは、互いに平行である。第2折り返し部31cは、第1伝熱管31が折り返されている部分である。第2折り返し部31cの両側の2つの水平部31aは、互いに平行である。第2折り返し部31cでは、第1折り返し部31bとは反対側に折り返されている。そのため、第1伝熱管31は、第1折り返し部31bおよび第2折り返し部31cで折り返されながら蛇行している。第2伝熱管32、第3伝熱管33および第4伝熱管34は、図3に示されるように、第1伝熱管31と同様に折り返されながら蛇行している。
【0036】
第2伝熱管32は、6つの水平部32aと、3つの第1折り返し部32bと、2つの第2折り返し部32cとを有している。第1折り返し部32bおよび第2折り返し部32cでは、第2伝熱管32が折り返されている。第2折り返し部32cでは、第1折り返し部32bとは反対側に折り返されている。
【0037】
第3伝熱管33は、6つの水平部33aと、3つの第1折り返し部33bと、2つの第2折り返し部33cとを有している。第1折り返し部33bおよび第2折り返し部33cでは、第3伝熱管33が折り返されている。第2折り返し部33cでは、第1折り返し部33bとは反対側に折り返されている。
【0038】
第4伝熱管34は、6つの水平部34aと、3つの第1折り返し部34bと、2つの第2折り返し部34cとを有している。第1折り返し部34bおよび第2折り返し部34cでは、第4伝熱管34が折り返されている。第2折り返し部34cでは、第1折り返し部34bとは反対側に折り返されている。
【0039】
図3に示されるように、伝熱管31〜34は、それぞれ互いに接触しないように配置されている。伝熱管31〜34の水平部31a〜34aは、鉛直方向に沿って等間隔に配置されている。
【0040】
(2−2)伝熱フィン
伝熱フィン35は、伝熱管31〜34の水平部31a〜34aの表面に接触するように配置されている。具体的には、伝熱フィン35は、水平部31a〜34aの上側および下側の少なくとも一方の表面に接触している。伝熱フィン35は、鉛直方向に隣り合う2つの水平部31a〜34aの間に配置されている。
【0041】
図2において、最も上側に位置する水平部31aの上方には、上側枠板38aが配置されている。上側枠板38aは、水平部31aと平行に配置される細長い板である。最も上側に位置する水平部31aと、上側枠板38aとの間には、伝熱フィン35が配置されている。同様に、最も下側に位置する水平部31aの下方には、下側枠板38bが配置されている。下側枠板38bは、水平部31aと平行に配置される細長い板である。最も下側に位置する水平部31aと、下側枠板38bとの間には、伝熱フィン35が配置されている。
【0042】
伝熱フィン35は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製のコルゲートフィンである。図4は、コルゲートフィンである伝熱フィン35の外観図である。図4では、第1伝熱管31の水平部31aと第2伝熱管32の水平部32aとの間に位置している伝熱フィン35、および、第2伝熱管32の水平部32aと第3伝熱管33の水平部33aとの間に位置している伝熱フィン35が示されている。図4には、伝熱管31〜33の水平部31a〜33aの断面が示され、水平部31a〜33aに形成されている貫通孔39が示されている。貫通孔39は、水平部31a〜33aの幅方向に沿って並んでいる。
【0043】
伝熱フィン35は、水平部31a〜34aの長手方向に沿って板状素材が波状に折り曲げられることによって形成されている。伝熱フィン35の幅方向の寸法は、少なくとも、水平部31a〜34aの幅方向の寸法より長い。
【0044】
伝熱フィン35は、伝熱管31〜34の水平部31a〜34a内部の貫通孔39を流れる冷媒と熱交換される室外空気を導くための部材である。伝熱フィン35を通過する室外空気は、水平部31a〜34aの幅方向に沿って流れる。
【0045】
(2−3)出入り口管
出入り口管36a,36bは、図2に示されるように、伝熱管31〜34の両端部に取り付けられている。出入り口管36a,36bは、鉛直方向に沿って配置されている管である。第1出入り口管36aは、伝熱管31〜34の上側の端部に取り付けられている。第2出入り口管36bは、伝熱管31〜34の下側の端部に取り付けられている。出入り口管36a,36bの内部空間は、伝熱管31〜34の貫通孔39と連通している。第1出入り口管36aは、第1冷媒配管50aに接続されている。第2出入り口管36bは、第2冷媒配管50bに接続されている。第1冷媒配管50aおよび第2冷媒配管50bは、熱交換器30等に接続される、冷媒回路の配管である。
【0046】
第1冷媒配管50aを流れている、熱交換器30において熱交換される前の冷媒は、第1出入り口管36aに供給され、伝熱管31〜34のそれぞれの貫通孔39に流入する。伝熱管31〜34の貫通孔39を流れる冷媒は、伝熱フィン35を通過する室外空気と熱交換される。熱交換された冷媒は、伝熱管31〜34のそれぞれの貫通孔39から、第2出入り口管36bに供給され、第2冷媒配管50bに流入する。なお、冷媒の流れる方向は、上記と反対方向であってもよい。具体的には、第2冷媒配管50bを流れている、熱交換器30において熱交換される前の冷媒が、第2出入り口管36bに供給され、伝熱管31〜34のそれぞれの貫通孔39で熱交換された後に、第1出入り口管36aに供給され、第1冷媒配管50aに流入してもよい。
【0047】
(2−4)管板
管板37a,37bは、伝熱フィン35を支持するための部材である。図2に示されるように、管板37a,37bは、伝熱フィン35の長手方向の両端部と接触するように配置されている。
【0048】
管板37a,37bは、鉛直方向に延びている細長い板である。管板37a,37bは、伝熱管31〜34が通過する開口または切り欠きを有している。管板37a,37bは、伝熱管31〜34とロウ付け接合されている。管板37a,37bは、ネジ留め等によって、室外ユニット100のケーシング10および仕切板15に固定されている。
【0049】
左側管板37aは、図2に示される熱交換器30の左側端部に取り付けられている。右側管板37bは、図2に示される熱交換器30の右側端部に取り付けられている。上側枠板38aは、ロウ付け接合等によって、左側管板37aの上端部および右側管板37bの上端部に固定されている。下側枠板38bは、溶接等によって、左側管板37aの下端部および右側管板37bの下端部に固定されている。
【0050】
伝熱管31〜34の両端部は、右側管板37bの開口または切り欠きを通過している。伝熱管31〜34が延びている方向において、右側管板37bは、伝熱フィン35と出入り口管36a,36bとの間に位置している。
【0051】
次に、左側管板37aおよび右側管板37bについて、それぞれ説明する。
【0052】
(2−4−1)左側管板
図5は、図2の左側から右側に向かって視た左側管板37aを示す図である。図6は、図5の矢印VIの方向から視た左側管板37aを示す図である。図6は、鉛直方向に沿って視た左側管板37aを示す図に相当する。
【0053】
左側管板37aは、主として、左側接合面41aと、左側切り欠き部44aとを有する。図6に示されるように、左側管板37aは、1箇所の左側折り曲げ部45aにおいて直角に折り曲げられており、鉛直方向に沿って視た場合にL字形状を有している。左側接合面41aは、左側管板37aの内側の主表面である。左側接合面41aは、左側第1接合面41a1と、左側第2接合面41a2とから構成される。左側折り曲げ部45aは、左側第1接合面41a1と左側第2接合面41a2とを区画する。
【0054】
図5に示されるように、左側第1接合面41a1は、複数の左側切り欠き部44aを有している。左側切り欠き部44aの数は、伝熱管31〜34の水平部31a〜34aの数と同じである。左側切り欠き部44aは、熱交換器30の製造時において、水平部31a〜34aが幅方向に挿入される部分である。左側切り欠き部44aに挿入された伝熱管31〜34は、左側管板37aにロウ付け接合されている。
【0055】
(2−4−2)右側管板
図7は、図2の左側から右側に向かって視た右側管板37bを示す図である。図8は、図7の矢印VIIIの方向から視た右側管板37bを示す図である。図8は、鉛直方向に沿って視た右側管板37bを示す図に相当する。
【0056】
右側管板37bは、主として、右側接合面41bと、第1伝熱管通過部51と、第2伝熱管通過部52とを有する。図8に示されるように、右側管板37bは、2箇所の右側折り曲げ部45bにおいて直角に折り曲げられており、鉛直方向に沿って視た場合にU字形状を有している。右側接合面41bは、右側管板37bの内側の主表面である。右側接合面41bは、右側第1接合面41b1と、右側第2接合面41b2とから構成される。図8に示されるように、右側第1接合面41b1は、2つの右側第2接合面41b2の間に挟まれている。右側折り曲げ部45bは、右側第1接合面41b1と右側第2接合面41b2とを区画する。
【0057】
図7に示されるように、右側第1接合面41b1は、第1伝熱管通過部51と、第2伝熱管通過部52とを有している。第1伝熱管通過部51は、伝熱管31〜34のいずれか1本の端部が通過する開口部である。第2伝熱管通過部52は、4本の伝熱管31〜34の第2折り返し部31c〜34cが通過する開口部である。第1伝熱管通過部51の数は、4本の伝熱管31〜34の両端部の数と同じ8である。第2伝熱管通過部52の数は、各伝熱管31〜34の第2折り返し部31c〜34cの数である2である。
【0058】
図9は、図7に、第1伝熱管通過部51および第2伝熱管通過部52を通過する伝熱管31〜34の断面形状を追加した図である。図9では、第1伝熱管通過部51および第2伝熱管通過部52を通過する伝熱管31〜34の断面が、ハッチングされた領域として示されている。図10は、図2に示される右側管板37bの一部の斜視図である。図10では、分かりやすくするために、伝熱フィン35が省略されている。
【0059】
伝熱管31〜34の両端部の水平部31a〜34aは、第1伝熱管通過部51を通過する。第1伝熱管通過部51を通過する伝熱管31〜34は、右側管板37bと接触しない。そのため、第1伝熱管通過部51の位置および断面積は、伝熱管31〜34が右側管板37bと接触しないように設定されている。図9に示されるように、第1伝熱管通過部51の開口面積は、伝熱管31〜34の断面積より大きい。
【0060】
伝熱管31〜34の両端部の水平部31a〜34aを除く水平部31a〜34aは、第2伝熱管通過部52を通過する。すなわち、伝熱管31〜34の第2折り返し部31c〜34cに接続される水平部31a〜34aは、第2伝熱管通過部52を通過する。第2伝熱管通過部52を通過する伝熱管31〜34は、右側管板37bと接触する。そのため、第2伝熱管通過部52の位置および断面積は、伝熱管31〜34が右側管板37bと接触するように設定されている。具体的には、第2伝熱管通過部52は、伝熱管34の第2折り返し部34cが通過できる断面積を有している。なぜなら、図3に示されるように、伝熱管34の第2折り返し部34cは、4つの第2折り返し部31c〜34cの中で、鉛直方向の寸法が最大であるからである。第2伝熱管通過部52において、伝熱管31〜34は、右側管板37bにロウ付け接合されている。
【0061】
(3)熱交換器の製造方法
最初に、図3に示されるように互いに接触しないように配置された伝熱管31〜34と、伝熱フィン35とが組み合わされる。具体的には、図4に示されるように、伝熱管31〜34の水平部31a〜34aの間に、伝熱フィン35が挿入される。
【0062】
次に、伝熱管31〜34に、出入り口管36a,36bおよび管板37a,37bが取り付けられる。具体的には、伝熱管31〜34の左右方向の両端部に管板37a,37bが取り付けられる。このとき、上側枠板38aおよび下側枠板38bも、管板37a,37bに取り付けられる。その後に、伝熱管31〜34の両端部に出入り口管36a,36bが取り付けられる。出入り口管36a,36bは、伝熱管31〜34の端部が嵌め込まれる開口を有している。これにより、伝熱管31〜34と、伝熱フィン35と、出入り口管36a,36bと、管板37a,37bとが組み合わせられた熱交換器30の仮組立体が作られる。
【0063】
次に、熱交換器30の仮組立体がロウ付け炉に投入されて、伝熱フィン35、出入り口管36a,36bおよび管板37a,37bが、それぞれ、熱交換器30の本体に相当する伝熱管31〜34にロウ付け接合される。ロウ付け接合では、接合箇所の周辺に予め配置されたアルミロウ材が用いられる。炉中ロウ付けでは、アルミロウ材が溶けて、伝熱管31〜34と伝熱フィン35との間、伝熱管31〜34と出入り口管36a,36bとの間、および、伝熱管31〜34と管板37a,37bとの間がロウ付け接合される。炉中ロウ付けにおいて、炉内の温度は、例えば、約610℃に保持されるように制御される。
【0064】
次に、ロウ付け接合された熱交換器30の仮組体が、略L字形状に曲げられる。これにより、図2に示されるような平板状の熱交換器30から、図1に示されるような略L字形状の熱交換器30が形成される。
【0065】
(4)特徴
本実施形態の熱交換器30は、扁平多穴管である伝熱管31〜34の貫通孔39を流れる冷媒と、伝熱フィン35を通過する室外空気との間の熱交換を行うマイクロチャネル熱交換器である。図2に示されるように、熱交換器30の左右方向の両端部は、一対の管板37a,37bによって支持されている。
【0066】
熱交換器30では、伝熱管31〜34の端部は、出入り口管36a,36bに接続されている。第1出入り口管36aおよび第2出入り口管36bは、それぞれ、第1冷媒配管50aおよび第2冷媒配管50bを介して、圧縮機20等の外部の部材に連結されている。ここで、第1出入り口管36aは、第1冷媒配管50aを介して、圧縮機20に連結されているとする。この場合、運転中の圧縮機20の振動は、第1冷媒配管50aを介して、第1出入り口管36aに伝達される。第1出入り口管36aの振動は、さらに、第1出入り口管36aに接続されている伝熱管31〜34の端部に伝達される。しかし、第1出入り口管36aに接続されている伝熱管31〜34の端部は、図9に示されるように、右側管板37bと接触していない。なぜなら、右側管板37bの第1伝熱管通過部51を通過する伝熱管31〜34は、右側管板37bと接触していないからである。また、右側管板37bの第1伝熱管通過部51を通過する伝熱管31〜34は、ロウ付け等によって右側管板37bと接続されていない。そのため、第1出入り口管36aに接続されている伝熱管31〜34の振動は、右側管板37bには伝達されない。これにより、伝熱管31〜34の振動が右側管板37bに伝達される場合における、伝熱管31〜34と右側管板37bとのロウ付け接合部に応力が集中することが回避される。ロウ付け接合部に応力が集中すると、伝熱管31〜34に亀裂が生じて伝熱管31〜34が破損するおそれがある。すなわち、熱交換器30では、第1出入り口管36aに接続されている伝熱管31〜34の端部が右側管板37bと接触していないことによって、伝熱管31〜34の破損が抑制される。従って、熱交換器30は、外部から伝達された振動に起因する破損を抑制することができる。
【0067】
また、熱交換器30では、第1出入り口管36aに接続されている伝熱管31〜34の端部を除いて、伝熱管31〜34は、右側管板37bと接触している。具体的には、第2折り返し部31c〜34cの近傍において、伝熱管31〜34は、右側管板37bと接触しながら、右側管板37bの第2伝熱管通過部52を通過している。また、伝熱管31〜34は、第2伝熱管通過部52において、右側管板37bとロウ付け接合されている。右側管板37bは、左側管板37aと同様に、ネジ留め等によって、室外ユニット100のケーシング10および仕切板15に固定されている。そのため、右側管板37bは、熱交換器30の伝熱管31〜34を固定するための部材である。従って、熱交換器30は、右側管板37bによって伝熱管31〜34をケーシング10および仕切板15に固定することができる。
【0068】
(5)変形例
本発明の具体的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。次に、本発明の実施形態の適用可能な変形例について説明する。
【0069】
(5−1)変形例A
実施形態の熱交換器30では、右側管板37bは、第1伝熱管通過部51を有している。第1伝熱管通過部51は、伝熱管31〜34のいずれか1本の端部が通過する開口部である。しかし、第1伝熱管通過部51は、複数の伝熱管31〜34の端部が通過する開口部であってもよい。例えば、第1伝熱管通過部51は、4本の伝熱管31〜34の端部が通過する開口部であってもよい。
【0070】
本変形例の右側管板137bについて説明する。右側管板137bは、実施形態の右側管板37bと同様に、図2に示される熱交換器30の右側端部に取り付けられる。
【0071】
右側管板137bは、主として、右側接合面141bと、第1伝熱管通過部151と、第2伝熱管通過部152とを有する。図11は、図7と同様の方向から視た右側管板137bを示す図である。図12は、図11に、第1伝熱管通過部151および第2伝熱管通過部152を通過する伝熱管31〜34の断面形状を追加した図である。図12では、第1伝熱管通過部151および第2伝熱管通過部152を通過する伝熱管31〜34の断面が、ハッチングされた領域として示されている。図13は、熱交換器30の右側端部に取り付けられた右側管板137bの一部の斜視図である。図13では、分かりやすくするために、伝熱フィン35が省略されている。
【0072】
右側管板137bは、実施形態の右側管板37bと同様に、鉛直方向に沿って視た場合にU字形状を有している。右側接合面141bは、右側管板137bの内側の主表面である。右側接合面141bは、右側第1接合面141b1と、右側第2接合面141b2とから構成される。右側第1接合面141b1は、2つの右側第2接合面141b2の間に挟まれている。右側管板137bの第2伝熱管通過部152は、実施形態の右側管板37bの第2伝熱管通過部52と同じである。
【0073】
図12に示されるように、右側管板137bの第1伝熱管通過部151は、4本の伝熱管31〜34の端部がまとめて通過する開口部である。そのため、第1伝熱管通過部151の数は、2個である。第1伝熱管通過部151において、伝熱管31〜34は、右側管板137bと接触していない。これにより、伝熱管31〜34の振動は、右側管板137bに伝達されないので、伝熱管31〜34の破損が抑制される。
【0074】
(5−2)変形例B
実施形態の熱交換器30では、右側管板37bは、第1伝熱管通過部51を有している。第1伝熱管通過部51は、伝熱管31〜34のいずれか1本の端部が通過する開口部である。しかし、第1伝熱管通過部51は、伝熱管31〜34の端部が通過する切り欠き部であってもよい。
【0075】
また、実施形態の熱交換器30では、右側管板37bは、第2伝熱管通過部52を有している。第2伝熱管通過部52は、伝熱管31〜34の第2折り返し部31c〜34cが通過する開口部である。しかし、第2伝熱管通過部52は、伝熱管31〜34の端部が通過する切り欠き部であってもよい。
【0076】
(5−3)変形例C
実施形態の熱交換器30では、右側管板37bは、第2伝熱管通過部52を有している。第2伝熱管通過部52において、伝熱管31〜34は、右側管板37bと接触している状態で右側管板37bにロウ付け接合されている。しかし、第2伝熱管通過部52において、伝熱管31〜34は、右側管板37bと接触していなくても、ロウ材を介して、右側管板37bに接続されていればよい。また、第2伝熱管通過部52において、伝熱管31〜34は、熱交換器30の外部の部材を介して、右側管板37bに接続されていてもよい。
【0077】
(5−4)変形例D
実施形態の熱交換器30は、空気調和装置の室外ユニット100の構成要素である室外熱交換器として用いられる。しかし、熱交換器30は、空気調和装置の室内ユニットの構成要素である室内熱交換器、および、他の冷凍装置に用いられる熱交換器として用いられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明に係る熱交換器は、外部から伝達された振動に起因する破損を抑制することができる。
【符号の説明】
【0079】
30 熱交換器
31〜34 伝熱管
35 伝熱フィン
36b 第2出入り口管(出入り口管)
37b 右側管板(管板)
51 第1伝熱管通過部
52 第2伝熱管通過部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2010−107103号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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