特許第6593344号(P6593344)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593344
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】円筒形電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/26 20060101AFI20191010BHJP
【FI】
   H01M2/26 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-564668(P2016-564668)
(86)(22)【出願日】2015年11月27日
(86)【国際出願番号】JP2015005887
(87)【国際公開番号】WO2016098291
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年11月9日
(31)【優先権主張番号】特願2014-254578(P2014-254578)
(32)【優先日】2014年12月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104732
【弁理士】
【氏名又は名称】徳田 佳昭
(74)【代理人】
【識別番号】100116078
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 浩希
(72)【発明者】
【氏名】福岡 孝博
(72)【発明者】
【氏名】山下 修一
(72)【発明者】
【氏名】山口 勇馬
(72)【発明者】
【氏名】宮田 恭介
【審査官】 宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−149839(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/105362(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/038677(WO,A1)
【文献】 特開2012−023011(JP,A)
【文献】 特表2010−534916(JP,A)
【文献】 特開2008−181683(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/067931(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20− 2/34
H01M 2/14− 2/18
H01M 2/02− 2/08
H01M 10/04
H01M 10/05−10/0587
H01M 6/00− 6/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極板及び複数の正極リードが接続された正極板がセパレータを介して巻回された電極体と、前記電極体上に配置された上部絶縁板と、前記上部絶縁板上に配置された集電板と、封口体と、外装缶と、を備える円筒形電池であって、
前記上部絶縁板は少なくとも一つの貫通孔を有し、
前記複数の正極リードは、前記上部絶縁板の内周側に配置された少なくとも1つの第1正極リードと、前記上部絶縁板の外周側に配置された少なくとも1つの第2正極リードからなり、
前記第1正極リードは前記上部絶縁板の前記貫通孔を通り前記上部絶縁板と前記集電板の間を経由して前記集電板の外周部から前記集電板上に折り曲げられ、
前記第2正極リードは前記上部絶縁板の外周部の外側を通り前記集電板の外周部から前記集電板上に折り曲げられており、
前記第1正極リード及び前記第2正極リードが前記集電板に接続され、
前記集電板は前記封口体と電気的に接続されている円筒形電池。
【請求項2】
前記上部絶縁板の外周部に切り欠き部が設けられている請求項1記載の円筒形電池。
【請求項3】
前記集電板の下部に、縁部の少なくとも一部に凸部を有する絶縁部材が配置されている請求項1又は2に記載の円筒形電池。
【請求項4】
前記複数の正極リードは前記集電板の上面にレーザー溶接されている請求項1から3のいずれかに記載の円筒形電池。
【請求項5】
前記正極リードはアルミニウム又はアルミニウム合金からなる請求項1から4のいずれかに記載の円筒形電池。
【請求項6】
前記第1正極リード及び前記第2正極リードの数はそれぞれ1本である請求項1から5のいずれかに記載の円筒形電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の正極リードが接続された正極板を有する円筒形電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動工具、電動アシスト自転車やハイブリッド電気自動車といった高出力用途の駆動電源として高エネルギー密度を有する非水電解質二次電池が広く用いられている。非水電解質二次電池は、外形や外装体によって円筒形電池、角形電池及びパウチ型電池に大別される。円筒形電池は外部からの衝撃に強く、多数の電池を用いて組電池に加工することが容易であることから、上記の用途には好適である。
【0003】
円筒形電池は、セパレータを介して負極板と正極板が巻回された電極体を外装缶へ挿入し、その開口部を封口体で封止して作製される。一般的な円筒形電池では封口体が正極外部端子として機能するため、正極板と封口体を電気的に接続する必要がある。そのための手段として、非水電解質二次電池では正極板に接続されたリードを封口体に接続する方法が主に採用されている。
【0004】
ところが、上記の方法によれば正極板の集電部が正極リードの接続部に限定される。そのため、正極板を長尺化しても十分な出力特性が得られない場合がある。そこで、正極板に複数のリードを接続することにより非水電解質二次電池の集電構造の適正化が図られている。複数のリードが接続された正極板を有する電池に関する先行技術文献として特許文献1〜3が挙げられる。
【0005】
特許文献1は電極体から導出する複数のリードを1点で重ね合わせて、その重なり部を封口体に接続した二次電池を開示している。
【0006】
特許文献2は電極体から導出する複数のリードを、電極体上に配置された導電部材で集電した電極巻回型電池を開示している。導電部材はナットとフランジ部を有するボルトから構成されており、電極体から導出するリードをボルトのフランジ部上に折り曲げてリードをボルトとナットで挟持して固定している。
【0007】
特許文献3は渦巻状電極群から導出する複数の極板タブが集電板としての中継板に接続されたニッケルカドミウム電池を開示している。電極群と中継板の間には絶縁板が配置されており、中継板と絶縁板には極板タブを挿入するための多数の円弧状の開口が設けられている。円弧状の開口に挿入された極板タブは中継板上に折り曲げて接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−335232号公報
【特許文献2】特開平11−312509号公報
【特許文献3】実公昭57−1402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
1本のリードを封口体に接続する場合に比べて、特許文献1に記載されているように複数のリードを封口体に接続することは容易ではない。また、極板の厚みバラツキなどによって、電極体上のリードの位置にバラツキが発生した場合には、同一条件で複数のリードを封口体に接続する工程を継続して行うことが困難となり、生産性が低下するという課題が生じる。
【0010】
特許文献2においては複数のリードを挟持するボルトとナットを外部端子として用いているため、リードを封口体に接続する工程が省略される。しかし、特許文献2に記載された技術によれば、充放電に寄与しないボルトやナットが電池内部で多くのスペースを占めることになるため、電池容量が低下する。特に、小型の電池に特許文献2に記載された技術を適用する場合にそのような課題が顕著になる。
【0011】
特許文献3のように複数の極板タブを中継板上に接続し、中継板と封口体とをリードによって電気的に接続する構成であれば、封口体に複数のリードを接続する必要がない。しかしながら、中継板と絶縁板のそれぞれの開口に複数のリードを挿入する必要があるため生産性が低下する。また、集電板としての中継板に開口を設けると中継板の電気抵抗が増加してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明に係る円筒形電池は、負極板及び複数の正極リードが接続された正極板がセパレータを介して巻回された電極体と、電極体上に配置された上部絶縁板と、上部絶縁板上に配置された集電板と、封口体と、外装缶とを備える。上部絶縁板は少なくとも一つの貫通孔を有し、複数の正極リードは、上部絶縁板の内周側に配置された少なくとも1つの第1正極リードと、上部絶縁板の外周側に配置された少なくとも1つの第2正極リードからなる。第1正極リードは上部絶縁板の貫通孔を通り上部絶縁板と集電板の間を経由して集電板の外周部から集電板上に折り曲げられ、第2正極リードは上部絶縁板の外周部の外側を通り集電板の外周部から集電板上に折り曲げられている。第1正極リード及び第2正極リードは集電板に接続され、集電板は封口体と電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば複数の正極リードが接続された正極板を有しながらも生産性に優れた円筒形電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は実施形態に係る円筒形非水電解質二次電池の断面図である。
図2図2(a)は実施形態に係る負極板の平面図であり、図2(b)は実施形態に係る正極板の平面図である。
図3図3(a)〜図3(f)は実施形態に係る電極体から導出する正極リードの集電板への接続方法を工程順に示す斜視図である。
図4図4(a)は電極体上に配置された実施形態に係る上部絶縁板を示す平面図であり、図4(b)電極体上に配置された実施形態の変形例に係る上部絶縁板を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について図1に示す円筒形非水電解質二次電池10を用いて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を理解するために例示するものであって、本発明はこの実施形態に限定されない。
【0016】
本実施形態に係る円筒形非水電解質二次電池10は、図1に示すように有底円筒状の外装缶24と、外装缶24に挿入された電極体16と、外装缶24の開口部を封止する封口体23を有している。電池内部には、非水溶媒に電解質塩を溶解した非水電解質が含まれる。
【0017】
封口体23は外部端子キャップ23a、防爆弁23b及び端子板23dを含んでおり、外装缶24の開口部にガスケット22を介してかしめ固定されている。外部端子キャップ23aはフランジ部を有し、そのフランジ部が防爆弁23bに電気的に接続されている。防爆弁23bと端子板23dは環状の絶縁板23cを介して互いの中央部で接続されている。その接続部は電池内部の圧力が上昇して所定値に達すると破断して、電池内部の電流経路を遮断する。さらに電池内部の圧力が上昇すると、防爆弁23bが破断して電池内部のガスを放出する。
【0018】
電極体16は負極板11、正極板13及びセパレータ15から構成されており、負極板11と正極板13をセパレータ15を介して巻回して作製される。負極板11及び正極板13には、図2に示すようにそれぞれ2本の負極リード12及び2本の正極リード14が接続されている。電池内部では負極リード12は外装缶24の底面に平行になるように折り曲げられている。2本の負極リード12のうち、電極体16の外周側の負極リードは外装缶24の底部に接続され、その接続部上に電極体16の内周側の負極リードが接続されている。2本の正極リード14は集電板18に接続されており、集電板18は集電リード部18aを介して封口体23の端子板23dに電気的に接続されている。電極体16の上部及び下部にはそれぞれ上部絶縁板17及び下部絶縁板21が配置されている。集電板18上にはさらにリング状絶縁板20が配置されている。
【0019】
正極リード14と集電板18との接続方法について図3を参照しながら詳細に説明する。作製直後の電極体16から、第1正極リード14aと第2正極リード14bが導出している(図3(a))。まず、第1正極リード14aを貫通孔17aに挿入して、上部絶縁板17を電極体16上に配置する(図3(b))。次に、第1正極リード14a及び第2正極リード14bを電極体16の外側に折り曲げて(図3(c))、下部に絶縁部材19を設けた集電板18を上部絶縁板17上に配置する(図3(d))。第1正極リード14a及び第2正極リード14bを電極体16の外周側方向に折り曲げることによって、集電板18を配置するスペースを確保することができる。そして、第1正極リード14a及び第2正極リード14bを集電板18上に折り曲げて、集電板18に接続する(図3(e))。接続方法としては、レーザー溶接を用いることができる。最後に、電極体16を外装缶24へ挿入するために、集電板18の集電リード部18aを90°の角度で折り曲げる(図3(f))。
【0020】
上記の説明からわかるとおり本発明によれば、集電板に正極リードを挿入するための貫通孔を設ける必要がないため、集電板の電気抵抗の増加を防止することができる。また、正極リードが集電板の集電リード部と重ならない限り、正極リードを集電板に接続することができる。そのため、正極リードの集電体上の位置バラツキの許容範囲を拡大することができる。
【0021】
本実施形態において、図4(a)に示す平面形状を有する上部絶縁板17を用いたが、図4(b)に示すように外周部の少なくとも一部に第2正極リード14bを通すための切り欠き部27bを設けた上部絶縁板27を用いることもできる。この切り欠き部27bを上部絶縁板27の位置決めの基準とすれば、貫通孔27aを位置決めの基準とする必要が無くなるため、貫通孔27aの面積を大きくすることができる。これにより、とりうる上部絶縁板の平面形状の自由度が増すため、正極リードの本数を増やすことが容易になる。上部絶縁板の材料としてはポリエチレンなど電気絶縁性を有する材料であれば電池特性に影響を与えない限り制限なく用いることができる。
【0022】
本実施形態において、集電板18の下部に絶縁部材19が設けられている。この絶縁部材19の縁部には凸部が形成されており、絶縁部材19上での集電板18の位置ズレを防止することができる。さらに、凸部で囲まれる領域を集電板形状とあわせることで、集電板18と絶縁部材19を一体化した部材として構成することもできる。ここで絶縁部材19の縁部とは、絶縁部材19の外周側の縁部だけでなく絶縁部材19の開口の縁部も含まれる。凸部は絶縁部材19の縁部の全てに形成する必要はなく、絶縁部材19上で集電板18の移動を防止できる範囲で凸部が形成されていればよい。本発明において、絶縁部材は必須の部材ではないが、正極リードと集電部材との接続の際に発生するスパッタなどの電極体への影響をより効果的に防止することができるため、絶縁部材を用いることが好ましい。絶縁部材の材料にはポリエチレンなど電気絶縁性を有する材料であれば、電池特性に影響を与えない限り制限なく用いることができる。
【0023】
本実施形態においてはリング状絶縁板20が集電板18上に配置されている。本発明において、集電板上にリング状絶縁板を配置することは必ずしも必須ではないが、正極リードの外装缶との接触を防止することができるため、集電板上にリング状絶縁板を配置することが好ましい。リング状絶縁板の断面形状は、その外周側が電極体側へ突出するL字状とすることもできる。リング状絶縁板の平面形状の外周部及び内周部はいずれも円形、及び円に内接する多角形を使用することができるが、少なくとも外周部が円形であることが好ましい。
【0024】
本実施形態において集電板18は、集電板18の一部として一体成型された集電リード部18aを有している。本発明においては、金属板に別部品のリードを接続して集電板を作製することもできる。このような作製方法によれば、集電体の金属板部分の厚みを集電リード部の厚みよりも大きくできるなど、集電板の設計自由度を高めることができる。集電板の材料は正極リードと同じであることが好ましく、正極リード及び集電板の材料の例としてはアルミニウム及びアルミニウム合金が挙げられる。集電板の集電リード部と封口体との接続は、1本の正極リードが接続された正極板を有する従来の円筒形電池と同じ条件を用いることができる。そのため、本実施形態よれば複数の正極リードが接続された正極板を有しながらも生産性に優れた円筒形電池を提供することが可能である。
【0025】
次に、本実施形態に係る円筒形非水電解質二次電池10に用いることができる負極板11、正極板13、セパレータ15及び非水電解質の作製方法や構成材料について説明する。
【0026】
負極板11は負極集電体と、負極集電体の両面に形成された負極合剤層11aを有している。本実施形態において、負極板11の両端に設けられた負極集電体露出部11bのそれぞれに負極リード12が接続されているが、いずれか一方にのみ負極リード12を接続してもよい。負極集電体としては銅箔を用いることが好ましい。負極合剤層11aは負極活物質を含む負極合剤スラリーを負極集電体上に塗布、乾燥して形成することができる。負極合剤スラリーには負極活物質の他に結着剤や導電剤などを添加することができる。形成された負極合剤層11aをローラーで圧縮し、所定寸法に切断して負極板11が得られる。
【0027】
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵、放出することができる炭素材料や金属酸化物、リチウムと合金化することができる金属材料を用いることができる。炭素材料としては、天然黒鉛及び人造黒鉛などの黒鉛が例示される。金属酸化物及び金属材料としては、ケイ素及びスズ並びにこれらの酸化物が挙げられる。炭素材料、金属酸化物及び金属材料は単独で、又は2種以上を混合して用いることができ、黒鉛と酸化ケイ素を混合して用いることもできる。
【0028】
正極板13は正極集電体と、正極集電体の両面に形成された正極合剤層13aを有している。本実施形態において、正極板13に設けられた2つの正極集電体露出部13bのそれぞれに第1正極リード14a及び第2正極リード14bが接続されているが、正極リードの本数は本実施形態に限定されず、3本以上の正極リードを用いることもできる。本発明において3本以上の正極リードを用いる場合、上部絶縁板の内周側に配置される正極リードが第1正極リードに、上部絶縁板の外周側に配置される正極リードが第2正極リードに分類される。
【0029】
正極集電体としてはアルミニウム箔を用いることが好ましい。正極合剤層13aは正極活物質を含む正極合剤スラリーを正極集電体上に塗布、乾燥して形成することができる。正極合剤スラリーには正極活物質の他に結着剤や導電剤などを添加することができる。形成された正極合剤層13aをローラーで圧縮し、所定寸法に切断して正極板13が得られる。
【0030】
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵、放出することができるリチウム遷移金属複合酸化物を用いることができる。リチウム遷移金属複合酸化物としては、一般式LiMO(MはCo、Ni、及びMnの少なくとも1つ)、LiMn及びLiFePOが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。Al、Ti、Mg、及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1つをこれらに添加し、又はこれらの遷移金属元素と置換することができる。
【0031】
セパレータとしては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィンを主成分とする微多孔膜を用いることができる。微多孔膜は単層で、又は2層以上を積層して用いることができる。2層以上の積層セパレータにおいては、融点が低いポリエチレン(PE)を主成分とする層を中間層に、対酸化性に優れたポリプロピレン(PP)を表面層とすることが好ましい。さらに、セパレータには酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)及び酸化ケイ素(SiO)のような無機粒子を添加することができる。このような無機粒子はセパレータ中に担持させることができ、セパレータ表面に結着剤とともに塗布することもできる。
【0032】
非水電解質としては、溶媒としての非水溶媒中に電解質塩としてのリチウム塩を溶解させたものを用いることができる。また、非水溶媒に代えてゲル状のポリマーを用いた非水電解質を用いることもできる。
【0033】
非水溶媒としては、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状カルボン酸エステル及び鎖状カルボン酸エステルを用いることができ、これらは2種以上を混合して用いることが好ましい。環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)及びブチレンカーボネート(BC)が例示される。また、フルオロエチレンカーボネート(FEC)のように、水素の一部をフッ素で置換した環状炭酸エステルを用いることもできる。鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)及びメチルプロピルカーボネート(MPC)などが例示される。環状カルボン酸エステルとしてはγ−ブチロラクトン(γ−BL)及びγ−バレロラクトン(γ−VL)が例示され、鎖状カルボン酸エステルとしてはピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、メチルイソブチレート及びメチルプロピオネートが例示される。
【0034】
リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiAsF、LiClO、Li10Cl10及びLi12Cl12が例示される。これらの中でもLiPFが特に好ましく、非水電解質中の濃度は0.5〜2.0mol/Lであることが好ましい。LiPFにLiBFなど他のリチウム塩を混合することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、複数の正極リードが接続された正極板を有しながら、生産性に優れた円筒形電池を提供することができる。複数の正極リードが接続された正極板を有する円筒形電池は負荷特性などの電気化学特性に優れる。また、本発明によれば集電体に正極リードを挿入するための貫通孔を形成する必要がないため、電気抵抗が低い集電板を提供することができる。すなわち、本発明は電動工具、アシスト自転車及びハイブリッド電気自動車など高出力が求められる用途の駆動電源としての円筒形電池の生産性の向上に寄与することができるため、産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0036】
10 円筒形非水電解質二次電池
11 負極板
12 負極リード
13 正極板
14 正極リード
14a 第1正極リード
14b 第2正極リード
15 セパレータ
16 電極体
17 上部絶縁板
17a 貫通孔
18 集電板
19 絶縁部材
20 リング状絶縁板
21 下部絶縁板
22 ガスケット
23 封口体
24 外装缶
図1
図2
図3
図4