(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記圧縮要件が、前記複数の端末向けデータそれぞれの送信先となった前記端末装置の数が予め設定された目標数を超えたという条件を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
前記圧縮要件が、前記複数の端末向けデータそれぞれの前記端末装置への送信頻度が予め設定された下限頻度を下回るという条件を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
前記データ削除部は、他装置に対し、前記削除許容データを前記他装置が備えるストレージに保存させた上で、前記削除許容データを前記内蔵ストレージから削除する、請求項7に記載の画像処理装置。
前記複数の端末向けデータが、前記端末装置にインストールされるドライバプログラム、前記端末装置にインストールされるユーティリティプログラムおよび当該画像処理装置の操作マニュアルのデータのうちの1つまたは複数を含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0015】
[画像処理装置10の構成]
実施形態に係る画像処理装置10は、端末装置8との間のデータ通信を伴う画像処理を実行する装置である。例えば、画像処理装置10は、プリンター、複写機、ファクシミリ装置または複合機などである。端末装置8は、パーソナルコンピューターまたは携帯型情報端末などの情報処理装置である。
【0016】
図1に示されるように、画像形成システムは、画像処理装置10と端末装置8とを含み、画像処理装置10および端末装置8は、ネットワーク80を通じて相互に通信可能である。ネットワーク80は、例えばローカルエリアネットワークである。
【0017】
画像処理装置10は、画像読取部1、画像形成部2,内蔵ストレージ3、操作表示部4、制御部5および通信部6などを備える。操作表示部4は、操作部および表示部を含むユーザーインターフェイスである。
【0018】
通信部6は、ネットワーク80を通じて端末装置8との間でデータの受け渡しを行う通信インターフェイスデバイスである。制御部5は、端末装置8との間のデータの送信および受信の全てを通信部6を通じて行う。
【0019】
画像読取部1は、原稿91の画像を読み取る装置である。画像読取部1は、光源1a、走査機構1bおよびイメージセンサー1cなどを備える。
【0020】
光源1aは、原稿91に対して光を出射する。走査機構1bは、光源1aの光を原稿91に対して走査させる。イメージセンサー1cは、原稿91からの反射光を受光して画像データを出力する。
【0021】
画像形成部2は、電子写真方式またはインクジェット方式などの予め定められた方式でシート92に画像を形成する装置である。
【0022】
例えば、画像形成部2が電子写真方式で前記印刷処理を実行する装置である場合、画像形成部2は、シート搬送機構2a、感光体2b、帯電装置2c、レーザースキャニングユニット2d、現像装置2e、転写装置2fおよび定着装置2gなどを備える。
【0023】
シート搬送機構2aは、予め定められた経路に沿ってシート92を搬送する。帯電装置2cは、感光体2bの表面を帯電させる。レーザースキャニングユニット2dは、帯電した感光体2bの表面に静電潜像を書き込む。
【0024】
現像装置2eは、感光体2b上の前記静電潜像をトナー像へ現像する。転写装置2fは、感光体2b上の前記トナー像をシート92に転写する。定着装置2gは、シート92上の前記トナー像を加熱することにより、前記トナー像をシート92に定着させる。
【0025】
内蔵ストレージ3は、コンピューター読み取り可能な不揮発性のデータ記憶装置である。内蔵ストレージ3は、プログラムおよび各種のデータを記憶可能である。例えば、ハードディスクドライブおよびSSD(Solid State Drive)の一方または両方の組合せが、内蔵ストレージ3として採用される。
【0026】
制御部5は、各種の演算、データ処理および画像処理装置10が備える各種の電子機器の制御を実行する。制御部5は、バスを通じて内蔵ストレージ3および通信部6との間でデータおよび制御信号の受け渡しが可能である。
【0027】
制御部5は、画像処理に関する各種のジョブを制御するジョブ制御部51と、内蔵ストレージ3に記憶されるデータを管理するデータ管理部52と、操作表示部4を制御するUI(User Interface)制御部53とを含む。
【0028】
例えば、制御部5は、予め内蔵ストレージ3などに記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサーによって実現される。
【0029】
ジョブ制御部51は、印刷制御部51a、スキャン制御部51bおよびFAX制御部51cなどを含む。
【0030】
印刷制御部51aは、端末装置8から通信部6を通じて印刷データを受信し、その印刷データに対応する画像をシート92に形成する処理を画像形成部2に実行させる印刷ジョブを実行する。
【0031】
スキャン制御部51bは、画像読取部1によって原稿91から読み取られた画像のデータであるスキャンデータを、通信部6を通じて端末装置8へ送信するプッシュ送信ジョブを実行する。前記スキャンデータの送信先は、予め操作表示部4に対する操作によって指定される。
【0032】
FAX制御部51cは、ネットワークFAXジョブを実行する。前記ネットワークFAXジョブは、送信元の端末装置8からFAXデータを受信し、そのFAXデータを内蔵ストレージ3に保存する処理を含む。さらに、前記ネットワークFAXジョブは、前記FAXデータに含まれる宛先情報が表す送信先の端末装置8にFAX受信通知を送信し、前記送信先の端末装置8からの要求に応じて、通信部6を通じて前記FAXデータを送信する処理を含む。
【0033】
なお、前記印刷ジョブ、前記プッシュ送信ジョブおよび前記ネットワークFAXジョブは、それぞれ端末装置8との間のデータ通信を伴う前記画像処理の一例である。
【0034】
画像処理装置10が各種のジョブを実行するためには、画像処理装置10の機種に対応するドライバプログラムが予め端末装置8のストレージである端末ストレージ8aにインストールされる。前記ドライバプログラムは、例えばプリンタドライバー、スキャナドライバーおよびFAXドライバーなどである。
【0035】
また、ユーティリティプログラムが予め端末ストレージ8aにインストールされる場合もある。前記ユーティリティプログラムは、例えば、画像処理装置10に登録されるユーザー情報、認証情報、FAX宛先情報および印刷フォームデータなどの登録情報を端末装置8の操作によって登録および編集する機能を端末装置8に付加する。
【0036】
また、前記ユーティリティプログラムが、画像処理装置10に記録される利用履歴情報を端末装置8で参照する機能を実現するプログラムを含む場合もある。また、画像処理装置10の機種に応じた操作マニュアルデータが、端末装置8で利用される場合もある。
【0037】
以下の説明において、画像処理装置10の機種に応じて用意され、端末装置8で利用されるプログラムおよびデータそれぞれのことを端末向けデータD0と称する(
図1参照)。
【0038】
また、制御部5のデータ管理部52は、バージョンアップ処理部52iを含む。バージョンアップ処理部52iは、新バージョンの端末向けデータD0である新バージョンデータを取得し、取得した前記新バージョンデータを内蔵ストレージ3に記憶させる。
【0039】
例えば、バージョンアップ処理部52iは、前記新バージョンデータに対応する端末向けデータD0の一部または全部である旧バージョンデータを、前記新バージョンデータに更新する。
【0040】
ところで、ユーザーが、複数の端末向けデータD0を記憶するCD−ROMなどの情報記憶媒体を管理することは手間である。また、画像処理装置10が導入されたときに、複数の端末向けデータD0を記憶するサーバーに対するアクセス環境が十分に整っていないことも考えられる。
【0041】
例えば、前記サーバーがネットワーク80内に存在しないことが考えられる。また、画像処理装置10が導入された地域によって、外部の前記サーバーにアクセスするためのインターネットの通信が不安定な場合も考えられる。
【0042】
一方、複数の端末向けデータD0が画像処理装置10の内蔵ストレージ3に記憶される場合、内蔵ストレージ3に蓄積される前記FAXデータなどの各種のデータが増えたときに、内蔵ストレージ3の空容量が不足する事態が生じるおそれがある。
【0043】
画像処理装置10は、予め内蔵ストレージ3に複数の端末向けデータD0を記憶しており、後述するダウンロード処理、データ圧縮制御およびデータ削除制御を実行する。これにより、画像処理装置10は、複数の端末向けデータD0を記憶する前記情報記憶媒体および前記サーバーが予め用意されなくても、内蔵ストレージ3の空容量が不足する事態を回避しながら、端末装置8に対して端末向けデータD0を供給することができる。
【0044】
なお、内蔵ストレージ3に記憶されている複数の端末向けデータD0は、端末装置8で利用されるプログラムおよびデータの一方または両方を含む。
【0045】
制御部5のデータ管理部52は、前記ダウンロード処理、前記データ圧縮制御および前記データ退避制御を実行するために、ダウンロード処理部52a、実績記録部52b、余裕不足判定部52c、データ特定部52d、データ削除部52e、データ指定要求部52f、データ圧縮部52gおよびデータ復元部52hなどを含む。
【0046】
[ダウンロード処理]
以下、
図2に示されるフローチャートを参照しつつ、ダウンロード処理部52aが実行する前記ダウンロード処理の手順の一例について説明する。
【0047】
前記ダウンロード処理は、端末装置8から複数の端末向けデータD0の一部または全部を要求するデータ要求コマンドを受信した場合に、要求されたデータを端末装置8へ送信する処理である。以下、端末装置8から要求された複数の端末向けデータD0の一部または全部のことを要求データと称する。
【0048】
以下の説明において、S101,S102,…は、前記ダウンロード処理において実行される工程の識別符号を表す。
図2に示される処理は、ダウンロード処理部52aが通信部6を通じて端末装置8から前記データ要求コマンドを受信したときに開始される。
【0049】
<工程S101>
前記ダウンロード処理において、ダウンロード処理部52aは、前記要求データが内蔵ストレージ3に存在する場合に処理を次の工程S102へ移行させ、そうでない場合に処理を工程S106へ移行させる。画像処理装置10の初期状態においては、当該画像処理装置10に関する全ての端末向けデータD0が内蔵ストレージ3に記憶されている。
【0050】
内蔵ストレージ3に記憶されている複数の端末向けデータD0は、端末装置8にインストールされる前記ドライバプログラム、端末装置8にインストールされる前記ユーティリティプログラムおよび画像処理装置10の前記操作マニュアルデータのうちの1つまたは複数を含む。
【0051】
しかしながら、前記データ退避制御において、複数の端末向けデータD0の一部または全部が、内蔵ストレージ3から削除される場合がある。そのため、前記要求データが内蔵ストレージ3に存在しないことがあり得る。
【0052】
但し、前記データ退避制御において、削除の対象となる端末向けデータD0は、内蔵ストレージ3から削除される前に、他装置のストレージに保存される。前記他装置は、通信部6を通じて通信可能な装置である。以下の説明において、削除の対象となる端末向けデータD0の保存先となる前記他装置のことを退避先装置と称する。前記データ退避制御については後述する。
【0053】
<工程S102>
工程S102において、ダウンロード処理部52aは、前記要求データが圧縮データである場合に処理を工程S103へ移行させ、そうでない場合に処理を工程S104へ移行させる。
【0054】
画像処理装置10の初期状態においては、当該画像処理装置10に関する全ての端末向けデータD0は、圧縮されていないデータとして、内蔵ストレージ3に記憶されている。
【0055】
しかしながら、前記データ退避制御において、複数の端末向けデータD0の一部または全部が、元のデータよりも小サイズのデータへ圧縮されている場合がある。以下の説明において、圧縮された端末向けデータD0のことを圧縮データと称する。前記圧縮データは、そのままでは端末装置8において利用できない。
【0056】
<工程S103>
工程S103において、データ復元部52hが、端末装置8から要求されたデータに相当する前記圧縮データを元のデータへ復元し、復元後のデータを内蔵ストレージ3に記憶させる。即ち、工程S103の処理は、端末装置8から前記圧縮データのダウンロード要求を受けた場合に実行される。データ復元部52hは、工程S103の処理の実行後、処理を次の工程S104へ移行させる。
【0057】
<工程S104>
工程S104において、ダウンロード処理部52aは、前記要求データを内蔵ストレージ3から読み出し、その要求データを要求元の端末装置8へ送信する。前記要求データが前記圧縮データであった場合、端末装置8へ送信されるデータは、工程S103において復元されたデータである。
【0058】
前記要求データを取得した端末装置8は、以下の処理を実行する。前記要求データが前記端末向けプログラムである場合、端末装置8は、画像処理装置10から受信した前記端末向けプログラムを端末ストレージ8aにインストールする処理を実行する。
【0059】
また、前記要求データが前記操作マニュアルデータである場合、端末装置8は、画像処理装置10から受信した前記操作マニュアルデータを端末ストレージ8aに保存する処理を実行する。
【0060】
<工程S105>
前記要求データが端末装置8に送信された場合、実績記録部52bが、実績記録処理を実行する。実績記録部52bは、工程S103の処理の後、前記ダウンロード処理を終了させる。
【0061】
前記実績記録処理は、複数の端末向けデータD0それぞれが端末装置8へ送信された実績を表すダウンロード実績情報D12を内蔵ストレージ3に記録する処理である。
【0062】
例えば、
図5に示されるように、ダウンロード実績情報D12は、データ管理情報D1の一部として内蔵ストレージ3に記録される。データ管理情報D1は、データ識別情報D10と、データ種類情報D11と、ダウンロード実績情報D12と、圧縮フラグD13と、退避先情報D14とを含む。
【0063】
データ識別情報D10は、複数の端末向けデータD0それぞれを識別する情報である。データ種類情報D11、ダウンロード実績情報D12、圧縮フラグD13および退避先情報D14は、データ識別情報D10に対応付けられている。従って、ダウンロード実績情報D12は、端末向けデータD0ごとに記録される。
【0064】
データ識別情報D10各々は、端末向けデータD0各々の種類を表す。例えば、データ識別情報D10各々は、端末向けデータD0が前記ドライバプログラム、前記ユーティリティプログラムおよび前記操作マニュアルデータのいずれであるかを識別する情報である。
【0065】
全ての端末向けデータD0に対応する複数のデータ識別情報D10およびそれらに対応する複数のデータ種類情報D11は、画像処理装置10の初期状態において予め内蔵ストレージ3に記憶されている。
【0066】
一方、ダウンロード実績情報D12は、前記データ圧縮制御および前記データ退避制御において内蔵ストレージに記録される。圧縮フラグD13は、前記データ圧縮制御において内蔵ストレージに記録される。退避先情報D14は、前記データ退避制御において内蔵ストレージに記録される。
【0067】
図5に示されるダウンロード実績情報D12は、ダウンロード先データD121およびダウンロード日データD122を含む。ダウンロード先データD121は、端末向けデータD0の送信先となった端末装置8、即ち、前記要求データの要求元である端末装置8を識別する端末識別情報D20のリストである。ダウンロード日データD122は、端末向けデータD0が端末装置8へダウンロードされた日付のリストである。
【0068】
ダウンロード先データD121に含まれる端末識別情報D20の数が、複数の端末向けデータD0それぞれの送信先となった端末装置8の数を表す。以下、ダウンロード先データD121が表す端末向けデータD0の送信先の数のことをダウンロード端末数と称する。
【0069】
また、ダウンロード日データD122は、複数の端末向けデータD0それぞれの端末装置8への送信頻度を示す。ダウンロード日データD122が、一定の期間内に属する前記日付をより多く含むほど、端末装置8への送信頻度が高い。
【0070】
工程S105において、実績記録部52bは、端末向けデータD0の送信先の端末装置8に対応する端末識別情報D20をダウンロード先データD121のリストに追加する。但し、実績記録部52bは、既に記録されている端末識別情報D20はダウンロード先データD121のリストに追加しない。
【0071】
工程S105において、実績記録部52bは、さらに端末向けデータD0の送信日をダウンロード日データD122のリストに追加する。但し、実績記録部52bは、既に記録されている日付はダウンロード日データD122のリストに追加しない。
【0072】
圧縮フラグD13は、対応する端末向けデータD0が圧縮されているか否かを表すフラグ情報である。即ち、前記圧縮データに対応する圧縮フラグD13は、予め定められたアクティブデータであり、前記圧縮データ以外の端末向けデータD0に対応する圧縮フラグD13は前記アクティブデータと異なるネガティブデータである。圧縮フラグD13を記録する処理については後述する。
【0073】
退避先情報D14は、前記退避先装置に対して通信部6を通じてアクセスするための宛先情報である。データ管理情報D1が退避先情報D14を含む場合、その退避先情報D14は、対応する端末向けデータD0が内蔵ストレージ3から既に削除されていることを示す。退避先情報D14を記録する処理については後述する。
【0074】
<工程S106>
工程S106において、ダウンロード処理部52aは、内蔵ストレージ3に存在しない前記要求データに対応する退避先情報D14を内蔵ストレージ3から取得する。
【0075】
<工程S107>
次に、ダウンロード処理部52aは、工程S106で得た退避先情報D14が表す前記退避先装置に対して前記要求データの送信を要求し、前記退避先装置から返信される前記要求データを取得する。この工程S107で得られるデータは、前記圧縮データである。
【0076】
ダウンロード処理部52aは、工程S107の処理の終了後、処理を工程S103へ移行させる。これにより、工程S103において、データ復元部52hが、前記退避先装置から取得された前記圧縮データを元のデータへ復元する。さらに、工程S104において、復元されたデータが、ダウンロード要求をした端末装置8へ送信される。
【0077】
以上に示されるように、ダウンロード処理部52aは、端末装置8から前記圧縮データのダウンロード要求を受けた場合に、データ復元部52hによって前記圧縮データから復元されたデータの一部または全部を端末装置8へ送信する(S106,S107,S103,S104)。
【0078】
[前記データ圧縮制御]
次に、
図3に示されるフローチャートを参照しつつ、前記データ圧縮制御の手順の一例について説明する。
【0079】
前記データ圧縮制御は、内蔵ストレージ3の空容量およびダウンロード実績情報D12が予め定められた条件を満たす場合に、内蔵ストレージ3に記憶されている複数の端末向けデータD0の一部または全部を、圧縮するとともに前記圧縮データに更新する処理である。
【0080】
以下の説明において、S201,S202,…は、前記データ圧縮制御においてデータ管理部52が実行する工程の識別符号を表す。
図3に示される処理は、例えばジョブ制御部51により実行される各種の前記ジョブが終了したときなどに実行される。また、前記データ圧縮制御の一部が、ジョブ制御部51が前記ジョブを実行している期間に実行されることも考えられる。
【0081】
<工程S201>
前記データ圧縮制御において、余裕不足判定部52cが、内蔵ストレージ3の空容量を検出する。例えば、余裕不足判定部52cは、前記データ圧縮制御を開始する時点における内蔵ストレージ3の空容量である第1空容量を検出する。以下の説明において、余裕不足判定部52cによる内蔵ストレージ3の空容量の検出結果のことを空容量検出値と称する。
【0082】
また、余裕不足判定部52cが、ジョブ制御部51が前記ジョブを実行している期間における内蔵ストレージ3の空容量の最小値である第2空容量を前記空容量検出値とすることも考えられる。この場合、ジョブ制御部51がワーク領域として利用する内蔵ストレージ3の容量を加味した前記空容量検出値が得られる。
【0083】
なお、1台の画像処理装置10に対してジョブを要求可能な端末装置8の数が多いほど、内蔵ストレージ3の容量の消費ペースが速くなる傾向があり、さらに、内蔵ストレージ3においてより大きなワーク領域が必要となる傾向がある。
【0084】
従って、余裕不足判定部52cが、ダウンロード実績情報D12に基づいて端末向けデータD0の送信先となった端末装置8の総数をカウントし、1台の端末装置8当たりの前記第1空容量または前記第2空容量を前記空容量検出値とすることも考えられる。これにより、前記空容量検出値に基づいて内蔵ストレージ3の余裕不足が生じているか否かを判定する処理(次の工程S202の処理)において、端末装置8の数が考慮された判定結果が得られる。
【0085】
<工程S202>
次に、余裕不足判定部52cは、前記空容量検出値が予め定められた第1余裕不足条件を満たすか否かを判定する。
【0086】
例えば、前記第1余裕不足条件が、最新の前記空容量検出値が予め定められた第1しきい値を下回っているという第1不足条件を含むことが考えられる。
【0087】
また、前記余裕不足条件が、直近の予め定められた検出回数分の前記空容量検出値が前記第1しきい値を下回っているという第2不足条件を含むことも考えられる。
【0088】
また、前記余裕不足条件が、直近の予め定められた検出回数分の前記空容量検出値によって予測される次回の内蔵ストレージ3の空容量の予測値が、前記第1しきい値を下回っているという第3不足条件を含むことも考えられる。
【0089】
また、前記余裕不足条件が、直近の予め定められた検出回数分の前記空容量検出値のうち前記第1しきい値を下回るものの個数が、予め定められた個数を上回っているという第4不足条件を含むことも考えられる。
【0090】
例えば、前記第1余裕不足条件が、前記第1不足条件から前記第4不足条件までの4つの条件のうちの一部のAND条件またはOR条件であることが考えられる。
【0091】
余裕不足判定部52cは、前記空容量検出値が前記第1余裕不足条件を満たさないと判定した場合、前記データ圧縮制御を終了させる。この場合、その時点で内蔵ストレージ3に存在する全ての端末向けデータD0が、そのまま圧縮されずに内蔵ストレージ3に残される。
【0092】
一方、余裕不足判定部52cは、前記空容量検出値が前記第1余裕不足条件を満たすと判定した場合、処理を次の工程S203へ移行させる。
【0093】
<工程S203>
工程S203において、データ特定部52dが、複数の端末向けデータD0の中から対応するダウンロード実績情報D12が予め定められた圧縮要件を満たす圧縮許容データを特定する。工程S203の処理を実行するデータ特定部52dは圧縮許容データ特定部の一例である。
【0094】
例えば、前記圧縮要件が、ダウンロード先データD121が表す前記ダウンロード端末数が予め設定された第1目標数を超えたという第1実績要件を含むことが考えられる。ここで、前記第1目標数が、前記ドライバプログラムおよび前記ユーティリティプログラム用と、前記操作マニュアルデータ用とに個別に設定されることが考えられる。
【0095】
また、前記圧縮要件が、ダウンロード日データD122が表す端末装置8への送信頻度が予め設定された第1下限頻度を下回るというという第2実績要件を含むことも考えられる。
【0096】
例えば、前記圧縮要件が、前記第1実績要件および前記第2実績要件のAND条件またはOR条件であることが考えられる。
【0097】
本実施形態において、データ管理部52は、端末識別情報記録部52jおよび目標数設定部52kを含む。
【0098】
端末識別情報記録部52jは、通信可能な端末装置8を識別する端末識別情報D20を端末管理情報D2として内蔵ストレージ3に記録する(
図6参照)。但し、端末識別情報記録部52jは、既に記録されている端末識別情報D20は端末管理情報D2に追加しない。
【0099】
目標数設定部52kは、内蔵ストレージ3に記録された端末管理情報D2に含まれる端末識別情報D20の数を前記第1目標数として設定する。これにより、画像処理装置10にアクセスする可能性のある端末装置8の数が、前記第1目標数として自動的に設定される。また、目標数設定部52kにより自動設定される前記第1目標数が、前記ドライバプログラムおよび前記ユーティリティプログラムに対応する前記圧縮要件に適用されることが考えられる。
【0100】
データ特定部52dは、1つ以上の前記圧縮許容データを特定できた場合、処理を工程S204へ移行させる。また、データ特定部52dは、前記圧縮許容データを1つも特定できなかった場合、処理を工程S206へ移行させる。
【0101】
<工程S204>
工程S204において、データ圧縮部52gが、前記圧縮許容データを圧縮するとともに前記圧縮データに更新する。これにより、複数の端末向けデータD0の一部または全部がよりデータサイズの小さな前記圧縮データへ変換される。
【0102】
データ圧縮部52gは、例えばLZ77アルゴリズムまたはLZSSアルゴリズムなどのように可逆式のデータ圧縮アルゴリズムによって前記圧縮許容データを圧縮する。なお、本実施形態において、工程S204の処理は、内蔵ストレージ3の空容量が前記第1余裕不足条件を満たすと判定された場合に実行される。
【0103】
<工程S205>
さらに、データ圧縮部52gは、前記圧縮データに対応する圧縮フラグD13を内蔵ストレージ3に記録する(
図4参照)。これにより、前記圧縮データに対応する圧縮フラグD13が前記アクティブデータに設定される。データ圧縮部52gは、工程S205の処理を実行後、前記データ圧縮制御を終了させる。
【0104】
<工程S206>
一方、工程S206において、データ指定要求部52fが、予め定められた管理者の端末装置8に対し、圧縮処理の対象とする端末向けデータD0を指定することを要求し、指定結果を端末装置8から取得する。以下、圧縮処理の対象として指定された端末向けデータD0のことを圧縮指定データと称する。
【0105】
工程S206において、例えば、データ指定要求部52fは、データ管理情報D1を含む選択画面データを前記管理者の端末装置8に送信する。前記選択画面データは、データ管理情報D1と、内蔵ストレージ3に残存する端末向けデータD0を選択候補とする選択メニューとを端末装置8の表示部に表示させる画面データである。
【0106】
前記管理者は、前記選択メニューを表示する端末装置8において、新たに画像処理装置10からダウンロードして利用する可能性が低い端末向けデータD0を前記圧縮指定データとして指定する操作を行う。なお、前記管理者の端末装置8の宛先が、予め画像処理装置10の内蔵ストレージ3などに登録されていることが考えられる。
【0107】
<工程S207>
さらに、データ削除部52eが、前記圧縮指定データを圧縮するとともに圧縮データに更新する。その後、データ削除部52eは、処理を工程S205へ移行させる。これにより、工程S205において、データ削除部52eは、前記圧縮指定データに対応する圧縮フラグD13を前記アクティブデータに設定し、内蔵ストレージ3に記録する。
【0108】
[データ退避制御]
次に、
図4に示されるフローチャートを参照しつつ、前記データ退避制御の手順の一例について説明する。
【0109】
前記データ退避制御は、内蔵ストレージ3の空容量およびダウンロード実績情報D12が予め定められた条件を満たす場合に、内蔵ストレージ3に記憶されている前記圧縮データの一部または全部を、前記退避先装置のストレージに保存した上で内蔵ストレージ3から削除する処理である。
【0110】
以下の説明において、S301,S302,…は、前記データ退避制御においてデータ管理部52が実行する工程の識別符号を表す。
図4に示される処理は、例えばジョブ制御部51により実行される各種の前記ジョブが終了したときなどに実行される。また、前記データ退避制御の一部が、ジョブ制御部51が前記ジョブを実行している期間に実行されることも考えられる。
【0111】
<工程S301>
前記データ退避制御において、余裕不足判定部52cが、内蔵ストレージ3の空容量を検出する。例えば、余裕不足判定部52cは、前記データ退避制御を開始する時点における内蔵ストレージ3の空容量である第3空容量を、前記空容量検出値として検出する。
【0112】
また、工程S301において、余裕不足判定部52cが、前記第2空容量を前記空容量検出値とすることも考えられる。
【0113】
また、
図3の工程S201と同様に、余裕不足判定部52cが、端末向けデータD0の送信先となった端末装置8の総数をカウントし、1台の端末装置8当たりの前記第1空容量または前記第2空容量を前記空容量検出値とすることも考えられる。
【0114】
<工程S302>
次に、余裕不足判定部52cは、前記空容量検出値が予め定められた第2余裕不足条件を満たすか否かを判定する。
【0115】
例えば、前記第2余裕不足条件が、最新の前記空容量検出値が予め定められた第2しきい値を下回っているという第5不足条件を含むことが考えられる。
【0116】
また、前記余裕不足条件が、直近の予め定められた検出回数分の前記空容量検出値が前記第2しきい値を下回っているという第6不足条件を含むことも考えられる。
【0117】
また、前記余裕不足条件が、直近の予め定められた検出回数分の前記空容量検出値によって予測される次回の内蔵ストレージ3の空容量の予測値が、前記第2しきい値を下回っているという第7不足条件を含むことも考えられる。
【0118】
また、前記余裕不足条件が、直近の予め定められた検出回数分の前記空容量検出値のうち前記第2しきい値を下回るものの個数が、予め定められた個数を上回っているという第8不足条件を含むことも考えられる。
【0119】
例えば、前記余裕不足条件が、前記第5不足条件から前記第8不足条件までの4つの条件のうちの一部のAND条件またはOR条件であることが考えられる。
【0120】
ここで、前記第2しきい値は、
図3の工程S202で用いられる前記第1〜第4不足条件における前記第1しきい値よりも小さい。従って、
図4の工程S303以降の処理は、
図3の工程S203以降の処理が実行される場合よりも、内蔵ストレージ3の空容量がより小さくなった場合に実行される。
【0121】
余裕不足判定部52cは、前記空容量検出値が前記余裕不足条件を満たさないと判定した場合、前記データ退避制御を終了させる。この場合、その時点で内蔵ストレージ3に存在する全ての前記圧縮データが、そのまま内蔵ストレージ3に残される。
【0122】
一方、余裕不足判定部52cは、前記空容量検出値が前記余裕不足条件を満たすと判定した場合、処理を次の工程S303へ移行させる。
【0123】
<工程S303>
工程S303において、データ特定部52dが、内蔵ストレージ3に存在する前記圧縮データの中から対応するダウンロード実績情報D12が予め定められた削除要件を満たす削除許容データを特定する。工程S303の処理を実行するデータ特定部52dは削除許容データ特定部の一例である。
【0124】
例えば、前記削除要件が、ダウンロード実績情報D12が表す前記ダウンロード端末数が予め定められた第2目標数を超えたという第3実績要件を含むことが考えられる。ここで、前記第2目標数が、前記ドライバプログラムおよび前記ユーティリティプログラム用と、前記操作マニュアルデータ用とに個別に設定されることが考えられる。
【0125】
なお、前記第2目標数は、
図3の工程S203で用いられる前記圧縮要件における前記第1目標数と同じ、または、前記第1目標数よりも多い。
【0126】
また、ダウンロード実績情報D12が、ダウンロード日データD122が表す端末装置8への送信頻度が予め設定された第2下限頻度を下回るというという第4実績要件を含むことも考えられる。前記第2下限頻度は、
図3の工程S203で用いられる前記圧縮要件における前記第1下限頻度よりも低い。
【0127】
例えば、前記削除要件が、前記第3実績要件および前記第4実績要件のAND条件またはOR条件であることが考えられる。
【0128】
データ特定部52dは、1つ以上の前記削除許容データを特定できた場合、処理を工程S304へ移行させる。また、データ特定部52dは、前記削除許容データを1つも特定できなかった場合、処理を工程S307へ移行させる。
【0129】
<工程S304>
工程S304において、データ削除部52eが、前記退避先装置に対し、工程S303で特定された前記削除許容データを前記退避先装置が備えるストレージに保存させる。前述したように、前記退避先装置は、通信部6を通じて通信可能な他装置である。
【0130】
例えば、前記退避先装置が、ローカルエリアネットワークを通じて画像処理装置10と通信可能な端末装置8であることが考えられる。一般に、端末装置8が備える端末ストレージ8aは、容量の余裕が大きなハードディスクなどである場合が多い。
【0131】
また、前記退避先装置が端末装置8であれば、内蔵ストレージ3から削除された端末向けデータD0を比較的速やかに取得することができる。さらに、インターネットなどの広域ネットワーク上のサーバーとの通信環境が整っていない場合でも、内蔵ストレージ3から削除された端末向けデータD0を取得することができる。
【0132】
従って、端末ストレージ8aは、複数の端末向けデータD0の一部の退避先として好適である。
【0133】
そして、データ削除部52eは、通信部6を通じて複数の端末装置8と通信可能である場合、2つ目以降の前記削除許容データを複数の端末装置8が備える端末ストレージ8aに分散して保存させる。
【0134】
即ち、データ削除部52eは、複数の端末装置8に対し、複数の前記削除許容データを複数の端末装置8が備える端末ストレージ8aに分散して保存させる(S304)。これにより、1台の端末装置8の端末ストレージ8aにおいて前記削除許容データのために使用される記憶容量を小さくすることができる。
【0135】
<工程S305>
さらに、データ削除部52eは、前記削除許容データを内蔵ストレージ3から削除する。即ち、データ削除部52eは、前記退避先装置に対し、前記削除許容データを前記退避先装置が備えるストレージに保存させた上で、前記削除許容データを内蔵ストレージ3から削除する(S304,S305)。
【0136】
<工程S306>
さらに、データ削除部52eは、前記退避先装置に対応する退避先情報D14を内蔵ストレージ3に記録する(
図5参照)。前述したように、退避先情報D14は、前記退避先装置のストレージにアクセスするための宛先情報である。工程S305に続く工程S306において、前記退避先装置は前記削除許容データの保存先である。
【0137】
また、後述する工程S309に続く工程S306において、前記退避先装置は後述する削除指定データの保存先である。データ削除部52eは、工程S306の後に、前記データ退避制御を終了させる。
【0138】
<工程S307>
一方、工程S307において、データ指定要求部52fが、前記管理者の端末装置8に対し、内蔵ストレージ3からの削除の対象とする端末向けデータD0を指定することを要求し、指定結果を端末装置8から取得する。以下、削除の対象として指定された端末向けデータD0が前記削除指定データである。
【0139】
工程S307において、例えば、データ指定要求部52fは、データ管理情報D1を含む選択画面データを端末装置8に送信する。前記選択画面データは、データ管理情報D1と、内蔵ストレージ3に残存する端末向けデータD0を選択候補とする選択メニューとを端末装置8の表示部に表示させる画面データである。
【0140】
ユーザーは、前記選択メニューを表示する端末装置8において、新たに画像処理装置10からダウンロードして利用する可能性が低い端末向けデータD0を前記削除指定データとして指定する操作を行う。
【0141】
<工程S308>
次に、データ削除部52eが、工程S304と同様に、前記退避先装置に対し、前記削除指定データを前記退避先装置が備えるストレージに保存させる。
【0142】
<工程S309>
さらに、データ削除部52eが、前記削除指定データを内蔵ストレージ3から削除する。その後、データ削除部52eは、処理を工程S306へ移行させる。工程S306において、データ削除部52eは、前記削除指定データの保存先である前記退避先装置に対応する退避先情報D14を内蔵ストレージ3に記録する。
【0143】
画像処理装置10が採用されれば、プリンタドライバーなどを含む複数の端末向けデータD0を記憶するCD−ROMなどの情報記憶媒体およびサーバーが予め用意されなくても、内蔵ストレージ3の空容量が不足する事態を回避しながら、端末装置8に対して端末向けデータD0を供給することができる。
【0144】
また、原則として、データ圧縮部52gは、ダウンロード実績情報D12が前記圧縮要件を満たす前記圧縮許容データを圧縮する(
図3の工程S204)。また、前記圧縮データが端末装置8から要求された場合、データ復元部52hが前記圧縮データを復元し、復元後のデータが端末装置8に送信される(
図2の工程S103,S104)。
【0145】
前記圧縮データが端末装置8から要求された場合、圧縮されていないデータが要求される場合よりも、前記圧縮データの復元に時間を要する。しかしながら、前記圧縮許容データは、新たに端末装置8から要求される可能性が低いデータであるため、前記圧縮許容データの圧縮による弊害は生じにくい。
【0146】
また、前記削除許容データ、即ち、前記削除要件を満たす前記圧縮データは、原則、内蔵ストレージ3から削除される(
図4の工程S305)。これにより、内蔵ストレージ3の空容量が不足する事態をより確実に回避することができる。
【0147】
また、前記削除許容データは、内蔵ストレージ3から削除される前に、画像処理装置10と通信可能な前記退避先装置が備えるストレージに保存される(
図4の工程S304)。
【0148】
そして、前記要求データが内蔵ストレージ3に存在しない場合に、ダウンロード処理部52aは、前記退避先装置から前記要求データを取得し(
図2のS106,S107)、取得した前記要求データを端末装置8へ送信する(S104)。
【0149】
従って、内蔵ストレージ3から削除された前記圧縮データが再び必要になった場合でも、それが前記退避先装置と通信可能な環境が整備された後であれば、画像処理装置10が端末装置8に前記要求データを供給することが可能である。
【0150】
また、前記圧縮許容データまたは前記削除許容データを特定することができなかった場合、データ指定要求部52fが、端末装置8に対し、圧縮または削除の対象とするデータを指定することを要求し、指定結果を取得する(S206,S307)。
【0151】
さらに、データ圧縮部52gが前記指定結果に対応する端末向けデータD0を圧縮する(S207)。また、データ削除部52eが、前記指定結果に対応する前記圧縮データを内蔵ストレージ3から削除する(S309)。これにより、内蔵ストレージ3の空容量が不足する事態をより確実に回避することができる。
【0152】
なお、複数の端末向けデータD0各々について圧縮の対象とする優先順位が予め設定されていることが考えられる。そして、
図3の工程S203において前記圧縮許容データを複数の端末向けデータD0の中から特定することができなかった場合に、データ圧縮部52gが、前記第1余裕不足条件が解消するまで、前記優先順位に従って1つずつ端末向けデータD0を圧縮することが考えられる。
【0153】
同様に、
図4の工程S303において前記圧縮許容データを特定することができなかった場合に、データ削除部52eが、前記第2裕不足条件が解消するまで、前記優先順位に従って1つずつ前記圧縮データの退避および削除を実行することが考えられる。
【0154】
[第1応用例]
画像処理装置10において、データ圧縮部52gが前記圧縮許容データを圧縮する前に、データ指定要求部52fが、前記管理者の端末装置8に対し、前記圧縮許容データの圧縮を許可するか否かを指示することを要求し、圧縮指示結果を取得することも考えられる。
【0155】
上記の場合、データ圧縮部52gは、前記圧縮許容データの圧縮を許可する旨の前記圧縮指示結果が得られた場合に、前記圧縮許容データを圧縮する。
【0156】
同様に、データ削除部52eが前記削除許容データを削除する前に、データ指定要求部52fが、前記管理者の端末装置8に対し、前記削除許容データの削除を許可するか否かを指示することを要求し、削除指示結果を取得することも考えられる。
【0157】
上記の場合、データ削除部52eは、前記削除許容データの削除を許可する旨の前記削除指示結果が得られた場合に、前記削除許容データの退避および削除を実行する。
【0158】
[第2応用例]
前述したように、バージョンアップ処理部52iは、端末向けデータD0の前記新バージョンデータを取得し、前記新バージョンデータを内蔵ストレージ3に記憶させる。その際、バージョンアップ処理部52iが、前記新バージョンデータに対応する前記旧バージョンデータを内蔵ストレージ3から削除しないことが考えられる。
【0159】
そして、データ圧縮部52gが、前記新バージョンデータに対応する前記旧バージョンデータを、圧縮するとともに圧縮後のデータに更新することが考えられる。前記旧バージョンデータの圧縮データは、前記データ退避制御における前記削除許容データの対象となり得る。
【0160】
本応用例において、前記旧バージョンデータが端末装置8から要求された場合に、データ復元部52hが、圧縮された前記旧バージョンデータを復元し、ダウンロード処理部52aは、復元された前記旧バージョンデータを端末装置8へ送信する。これにより、前記旧バージョンデータのダウンロードが可能になる。
【0161】
[第3応用例]
図3に示される前記データ圧縮制御において、前記第1余裕不足条件の判定に関する処理(S201,S202)が省略されることも考えられる。
【0162】
[第4応用例]
バージョンアップ処理部52iがインターネット上のサーバー装置等から最新バージョンの端末向けデータD0を取得可能な場合に、削除対象のデータを前記退避先装置のストレージに保存する処理(
図4のS304,S308)およびそれに関連する処理(
図4の工程S306等)が省略されることが考えられる。
【0163】
本応用例における
図2の工程S106,S107では、バージョンアップ処理部52iが、前記要求データを前記インターネット上の前記サーバー装置等から取得する。