(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無端ベルトを、前記複数の像担持体の全てに接するカラー画像転写形状と前記複数の像担持体のうちブラックトナー像を担持する1つのみに接するモノクロ画像転写形状とに変形させるベルト変形機構をさらに備え、
前記一対のベルト支持ローラーの一方は、前記無端ベルトの形状の変化に応じて変位可能に支持された可変位ローラーであり、
前記ベルトクリーニング装置の前記清掃ローラーは、前記無端ベルトにおける前記可変位ローラーによって支持された部分に接触する、請求項4に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0017】
[第1実施形態:画像形成装置10の構成]
まず、
図1を参照しつつ、第1実施形態に係るベルトクリーニング装置47を含む画像形成装置10の構成について説明する。
【0018】
画像形成装置10は、電子写真方式でシートにトナーの画像を形成する装置である。前記シートは、用紙または封筒などのシート状の画像形成媒体である。
【0019】
画像形成装置10は、本体部1内にシート供給部2、シート搬送部3および画像形成部4などを備える。画像形成部4は、前記シートにトナー像を形成する画像形成処理を実行する。
【0020】
画像形成装置10は、タンデム式画像形成装置であり、カラープリンターである。そのため、画像形成部4は、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックのトナーに対応した4つの作像部4y,4c,4m,4kと、中間転写ベルト46と、ベルトクリーニング装置47と、シート転写装置48とを含む。
【0021】
さらに、画像形成部4は、光走査ユニット40、シート転写装置48および定着装置49などを含む。
【0022】
作像部4y,4c,4m,4k各々は、ドラム状の感光体41、帯電装置42、現像装置43、ベルト転写装置44およびドラムクリーニング装置45などを備える。4つの感光体41は、それぞれ色の異なる前記トナー像を外周面に担持して回転する。なお、感光体41は像担持体の一例である。
【0023】
シート供給部2は、前記シートをシート搬送路30へ送り出し、シート搬送部3は、前記シートをシート搬送路30に沿って搬送する。
【0024】
作像部4y,4c,4m,4k各々において、ドラム状の感光体41が回転し、帯電装置42が感光体41の表面を帯電させる。さらに、光走査ユニット40が、レーザー光の走査によって感光体41の表面に静電潜像を書き込む。
【0025】
また、現像装置43が、感光体41に前記トナーを供給することにより、前記静電潜像を前記トナー像として現像する。そして、ベルト転写装置44が、感光体41表面の前記トナー像を中間転写ベルト46に転写する。これにより、重畳された複数の色の前記トナー像であるカラートナー像が、中間転写ベルト46の表面に形成される。
【0026】
中間転写ベルト46は、4つの感光体41から前記トナー像が転写される無端ベルト、即ち、環状のベルトである。例えば、中間転写ベルト46が、ポリイミド、ポリビニリデンフルオライドまたはポリカーボネートなどを主成分とする合成樹脂製の部材であることが考えられる。
【0027】
中間転写ベルト46は、一対のベルト支持ローラー461,462に架け渡された状態で、一対のベルト支持ローラー461,462の一方から受ける回転力によって回転する。さらに、一対のテンションローラー463a,463bが、中間転写ベルト46における一対のベルト支持ローラー461,462に近い部分を内側から支える。これにより、一対のテンションローラー463a,463bは、中間転写ベルト46に張力を加えている。
【0028】
中間転写ベルト46は、4つの感光体41から転写された前記トナー像を前記シートと接する転写位置まで担持する。前記転写位置は、中間転写ベルト46におけるシート転写装置48に対向する部分の位置である。
【0029】
一対のベルト支持ローラー461,462は、前記転写位置と前記転写位置から離れた位置とに配置されている。以下の説明において、一対のベルト支持ローラー461,462のうち、前記転写位置に存在する一方を第1支持ローラー461と称し、他方を第2支持ローラー462と称する。
【0030】
また、一対のテンションローラー463a,463bのうち、第1支持ローラー461に近い一方を第1テンションローラー463aと称し、第2支持ローラー462に近い他方を第2テンションローラー463bと称する。
【0031】
また、中間転写ベルト46の内側面に接するベルト補助ローラー465が、ブラックトナーの作像部4kとその他の3色のトナーの作像部4y、4c、4mとの間に配置されている。ブラックトナーの作像部4kは、4つの作像部4y、4c、4m、4kの中でベルトクリーニング装置47から最も遠い位置に配置されている。
【0032】
第1支持ローラー461は、不図示のモーターから受ける駆動力によって回転し、中間転写ベルト46を回転させる。第2支持ローラー462は従動回転する。即ち、一対のベルト支持ローラー461,462は、中間転写ベルト46を支持して回転させる。
【0033】
ドラムクリーニング装置45は、前記トナー像が中間転写ベルト46に転写された後の感光体41表面に残存する前記トナーを感光体41から除去する。
【0034】
シート転写装置48は、中間転写ベルト46が担持する前記トナー画像を前記シートに転写する。定着装置49は、前記シートに転写された前記トナー像を加熱することにより、前記トナー像を前記シートに定着させる。
【0035】
ベルトクリーニング装置47は、前記トナー像が前記シートに転写された後の中間転写ベルト46に残存する廃トナーを除去する。ベルトクリーニング装置47は、中間転写ベルト46における第2支持ローラー462によって支持された部分から前記廃トナーを除去する。
【0036】
中間転写ベルト46、一対のベルト支持ローラー461,462、一対のテンションローラー463a,463b、ベルト補助ローラー465および4つのベルト転写装置44は、中間転写ユニット460としてユニット化されている。
【0037】
また、中間転写ユニット460は、中間転写ベルト46を変形させるベルト変形機構464をさらに備える。ベルト変形機構464は、中間転写ベルト46を、4つの感光体41の全てに接するカラー画像転写形状と、4つの感光体41のうちブラックトナー像を担持する1つのみに接するモノクロ画像転写形状とに変形させる。
【0038】
図1は、前記カラー画像転写形状の中間転写ベルト46を示し、
図2は前記モノクロ画像転写形状の中間転写ベルト46を示す。
【0039】
本実施形態において、ベルト変形機構464は、可動フレーム464aと、フレーム変位機構464bとを含む。可動フレーム464aは、イエロー、シアンおよびマゼンタのトナー像を中間転写ベルト46に転写する3つのベルト転写装置44と、第2テンションローラー463bとを一体に支持する部材である。
【0040】
可動フレーム464aは、イエロー、シアンおよびマゼンタのトナー像を担持する3つの感光体41に対して接近および離隔可能に支持されている。
【0041】
フレーム変位機構464bは、可動フレーム464aを基準位置と退避位置との間で変位させる機構である。
図1は、前記基準位置に存在する可動フレーム464aを示し、
図2は、前記退避位置に存在する可動フレーム464aを示す。
【0042】
図1に示されるように、フレーム変位機構464bが可動フレーム464aを前記基準位置に保持することにより、中間転写ベルト46が前記カラー画像転写形状に保持される。
図2に示されるように、フレーム変位機構464bが可動フレーム464aを前記退避位置に保持することにより、中間転写ベルト46が前記モノクロ画像転写形状に保持される。
【0043】
なお、ベルト変形機構464が動作しても、中間転写ベルト46における、ベルト補助ローラー465から第1支持ローラー461に亘る部分の形状は変化しない。換言すれば、ベルト変形機構464は、ベルト補助ローラー465から第1支持ローラー461に亘る部分を変形させない。
【0044】
さらに、
図3に示されるように、中間転写ユニット460は、第2支持ローラー462の回転軸462aを支持するスライド支持部50と、第2支持ローラー462の回転軸462aに弾性力を加える第1バネ51とを備える。
【0045】
スライド支持部50は、回転軸462aをベルトクリーニング装置47に対して接近および離隔する方向へ変位可能に支持する。第1バネ51は、回転軸462aに対してベルトクリーニング装置47に向かう方向の弾性力を加える。
【0046】
第2支持ローラー462は、スライド支持部50および第1バネ51により、中間転写ベルト46の形状の変化に応じて変位可能に支持されている。なお、第2支持ローラー462は、中間転写ベルト46の形状の変化に応じて変位可能に支持された可変位ローラーの一例である。
【0047】
中間転写ベルト46が前記モノクロ画像転写形状である場合、中間転写ベルト46が前記カラー画像転写形状である場合に比べ、ベルト変形機構464は、スライド支持部50により近い経路に沿って中間転写ベルト46を保持する。
【0048】
従って、中間転写ベルト46が前記カラー画像転写形状から前記モノクロ画像転写形状へ変化すると、第2支持ローラー462の回転軸462aが、第1支持ローラー461から遠ざかる方向へ、即ち、ベルトクリーニング装置47に近づく方向へ変位する。
図4は、ベルトクリーニング装置47に近づいた第2支持ローラー462を示す。
【0049】
一方、中間転写ベルト46が前記モノクロ画像転写形状から前記カラー画像転写形状へ変化すると、第2支持ローラー462の回転軸462aが、第1支持ローラー461へ近づく方向へ、即ち、ベルトクリーニング装置47から遠ざかる方向へ変位する。
図3は、ベルトクリーニング装置47から遠ざかった第2支持ローラー462を示す。なお、
図3において、中間転写ベルト46が前記カラー画像転写形状であるときの第2支持ローラー462が仮想線(二点鎖線)で示されている。
【0050】
[ベルトクリーニング装置47の概要構造]
図3,4に示されるように、ベルトクリーニング装置47は、清掃ローラー61と、回収ローラー62と、ブレード63と、搬送スクリュー64と、ハウジング60とを備える。ハウジング60は、清掃ローラー61、回収ローラー62、ブレード63および搬送スクリュー64を内包する中空の部材である。
【0051】
ハウジング60には、清掃ローラー61における中間転写ベルト46と接触する部分を開放する開口60aが形成されている。
【0052】
清掃ローラー61は、第1回転軸61aを有し、回転する中間転写ベルト46に接触して回転する。これにより、清掃ローラー61は、中間転写ベルト46から前記廃トナーを回収する。
【0053】
本実施形態において、清掃ローラー61は、第1回転軸61aと、第1回転軸61aから起立した複数の起毛61bとを有するブラシローラーである。清掃ローラー61は、中間転写ベルト46の回転方向と同じ方向へ回転する。清掃ローラー61は、中間転写ベルト46における第2支持ローラー462によって支持された部分に接触する。
【0054】
回収ローラー62は、第1回転軸61aに平行な第2回転軸62aを有する。回収ローラー62は、清掃ローラー61に接触して回転し、清掃ローラー61から前記廃トナーを回収する。回収ローラー62は、清掃ローラー61の回転方向と逆の方向へ回転する。
【0055】
以下の説明において、前記トナーの本来の帯電極性のことを正規帯電極性と称する。また、前記正規帯電極性に対して反対の極性のことを逆帯電極性と称する。例えば、前記正規帯電極性がプラスであり、前記逆帯電極性がマイナスであることが考えられる。
【0056】
本実施形態において、第1バイアス印加回路4602によって前記正規帯電極性のバイアスが印加された帯電ブラシ4601が、中間転写ベルト46上の前記廃トナーを前記正規帯電極性に帯電させる。
【0057】
帯電ブラシ4601および第1バイアス印加回路4602は、中間転写ユニット460に設けられている。なお、第2支持ローラー462は接地されている。
【0058】
一方、回収ローラー62は、第2バイアス印加部601によって前記逆帯電極性のバイアスが印加されている。これにより、清掃ローラー61も、第2バイアス印加部601から回収ローラー62を介して前記逆帯電極性のバイアスが印加される。
【0059】
但し、第2バイアス印加部601に直接接続された回収ローラー62は、清掃ローラー61よりも高レベルの前記逆帯電極性のバイアスが印加されている。
【0060】
従って、清掃ローラー61は、中間転写ベルト46が担持する前記廃トナーを電気的に吸着することにより、中間転写ベルト46から前記廃トナーを回収する。さらに、回収ローラー62は、清掃ローラー61が回収した前記廃トナーを電気的に吸着することにより、清掃ローラー61から前記廃トナーを回収する。
【0061】
ブレード63は、先端部が回収ローラー62の外周面に接する状態で、ハウジング60の内面に固定されている。ブレード63は、回収ローラー62から前記廃トナーを擦り取る。ブレード63の先端部は、回収ローラー62の外周面に対し、第2回転軸62aに沿う方向の全範囲に亘って接している。
【0062】
ハウジング60は、第2支持ローラー462に対向する位置に固定されている。例えば、ハウジング60は、本体部1のフレームなどに固定されている。ハウジング60は、第2回転軸62aを回転可能に支持する不図示の軸受部を有する。
【0063】
搬送スクリュー64は、回転することにより、ブレード63によって回収ローラー62から擦り取られた前記廃トナーを搬送する。搬送スクリュー64は、前記廃トナーをハウジング60に形成された不図示のトナー排出口まで前記廃トナーを搬送する。
【0064】
前記トナー排出口は、不図示の廃トナーボックス内に連通している。搬送スクリュー64は、ハウジング60内の前記廃トナーを前記トナー排出口から排出させる。これにより、前記廃トナーは、前記廃トナーボックス内に貯留される。
【0065】
なお、モーターおよびギアを含む不図示の駆動機構が、第1回転軸61a、第2回転軸62aおよび搬送スクリュー64を回転させる。
【0066】
さらに、ベルトクリーニング装置47は、ハウジング60内から前記廃トナーが漏れ出ることを防ぐシート状のシール部材67を備える。シール部材67は、可撓性シート材である。シール部材67は、例えばポリエチレンテレフタレートを主成分とする合成樹脂製のフィルムなどである。本実施形態におけるシール部材67の詳細については後述する。
【0067】
なお、従来装置において、シール部材67が、ハウジング60における開口60aの縁部に取り付けられる場合がある。この場合のシール部材67は、中間転写ベルト46に接し、ハウジング60と中間転写ベルト46との隙間を塞ぐ。
【0068】
ところで、本実施形態において、ベルトクリーニング装置47の清掃ローラー61は、中間転写ベルト46における第2支持ローラー462によって支持された部分に接触する。前述したように、第2支持ローラー462は、中間転写ベルト46の形状の変化に応じて変位する。
【0069】
仮に、前記従来装置のように、シール部材67が、ハウジング60における開口60aの縁部に取り付けられた場合、シール部材67は、第2支持ローラー462の変位に追随してハウジング60と中間転写ベルト46との隙間を塞ぐ状態を維持できない。
【0070】
一方、ハウジング60を第2支持ローラー462の変位に連動させる機構が採用されれば、第2支持ローラー462が変位しても、シール部材67は、ハウジング60と中間転写ベルト46との隙間を塞ぐことができる。しかしながら、そのような大がかりな機構を採用することは避けたい。
【0071】
ベルトクリーニング装置47は、比較的簡易な機構により、ハウジング60内に回収された前記廃トナーがハウジング60内から漏れ出ることを防ぐ構造を有している。以下、その構造について説明する。
【0072】
[ベルトクリーニング装置47の詳細構造]
ベルトクリーニング装置47は、回動部材65と第2バネ52とをさらに備える。回動部材65は、清掃ローラー61および回収ローラー62とともにハウジング60に内包されている。なお、
図4において、第1バネ51および第2バネ52の図示は省略されている。
【0073】
回動部材65は、第2回転軸62aによって回動可能に支持されるとともに第1回転軸61aを回転可能に支持する部材である。回動部材65は、第1回転軸61aと第2回転軸62aとの間隔を一定に維持する。
【0074】
図3,5に示されるように、回動部材65は、一対の軸間隔維持部65aと、一対の軸間隔維持部65aを繋ぐ連結部65dとを有する。連結部65dは、第1回転軸61aに平行に延びて形成されている。
【0075】
一対の軸間隔維持部65aは、第1回転軸61aおよび第2回転軸62aにおける両端寄りの2箇所に位置する。一対の軸間隔維持部65aは、被支持部65bおよび軸受部65cを有する。
【0076】
被支持部65bは、第2回転軸62aによって回転可能に支持される部分である。本実施形態において、被支持部65bは、第2回転軸62aの端部が挿入される孔が形成された部分である。
【0077】
軸受部65cは、第1回転軸61aを回転可能に支持する部分である。本実施形態において、軸受部65cは、第1回転軸61aの端部が挿入される孔が形成された部分である。一対の軸間隔維持部65aは、第1回転軸61aと第2回転軸62aとの間隔を一定に維持する。
【0078】
清掃ローラー61は、一対の軸間隔維持部65aによって支持されることにより、第2回転軸62aを中心に回動可能である。
【0079】
図3において、第2バネ52が仮想線で示されている。なお、
図4において、第1バネ51および第2バネ52の図示が省略されている。
【0080】
第2バネ52は、清掃ローラー61の第1回転軸61aに弾性力を加えることにより、清掃ローラー61を中間転写ベルト46に接触する位置に保持する。第2バネ52は、清掃ローラー61に弾性力を加える弾性部材の一例である。
【0081】
図6に示されるように、第1回転軸61aの両端寄りの2箇所には、一対の第1スペーサー61cが取り付けられている。同様に、第2支持ローラー462の回転軸462aの両端寄りの2箇所には、一対の第2スペーサ462bが取り付けられている。
【0082】
中間転写ベルト46が前記カラー画像転写形状と前記モノクロ画像転写形状との間で変形した場合、回動部材65は、第2支持ローラー462の回転軸462aの変位に応じて回動する。
【0083】
第2バネ52は、第1回転軸61aに弾性力を加えることにより、一対の第1スペーサー61cを一対の第2スペーサ462bに接する状態に保持する。即ち、第2バネ52の力により、第1回転軸61aは、第2支持ローラー462の回転軸462aの変位に連動して変位する。
【0084】
従って、第1回転軸61aと第2支持ローラー462の回転軸462aとの間隔が一定に維持される。そのため、第2支持ローラー462が変位しても、清掃ローラー61が、第2バネ52の弾性力により、中間転写ベルト46に接触する位置に保持される。
【0085】
ハウジング60は、第1空間60bと、第2空間60cとを内部に有する。第1空間60bは、清掃ローラー61、回収ローラー62および回動部材65を内包する空間である。第2空間60cは、ブレード63によって回収ローラー62から擦り取られた前記廃トナーを収容する空間である。搬送スクリュー64は、第2空間60cに配置されている。
【0086】
シール部材67の中間部分は、回動部材65の連結部65dに固定された固定部67aである。例えば、固定部67aは、接着剤などによって連結部65dに固定されている。
【0087】
シール部材67における固定部67aから第1の縁部に亘る部分は、第1シール部67bを成し、シール部材67における固定部67aから第2の縁部に亘る部分は、第2シール部67cを成している。前記第2の縁部は、シール部材67における前記第1の縁部に対し反対側の縁部である。固定部67aは、第1シール部67bの一部であるとともに、第2シール部67cの一部でもある。なお、
図5は、シール部材67が取り付けられた回動部材65を示している。
【0088】
第1シール部67bは、連結部65dに固定された固定部67aから回収ローラー62へ向かって張り出したシート状に形成されている。第1シール部67bは、回収ローラー62の外周面に対し、第2回転軸62aに沿う方向の全範囲に亘って接している。
【0089】
第2シール部67cは、連結部65dに固定された固定部67aからハウジング60の内底面60dへ向かって張り出したシート状に形成されている。第2シール部67cは、内底面60dに対し、第1回転軸61aに沿う方向の全範囲に亘って接している。
【0090】
第2シール部67cは、回動部材65の回動に応じて弾性変形する。これにより、中間転写ベルト46が前記カラー画像転写形状と前記モノクロ画像転写形状との間で変形し、回動部材65が回動した場合でも、第2シール部67cがハウジング60の内底面60dに接する状態が維持される。
図3において、中間転写ベルト46が前記カラー画像転写形状であるときの回動部材65が仮想線で示されている。
【0091】
ブレード63、第1シール部67bおよび第2シール部67cは、ハウジング60内における第1空間60bと第2空間60cとの間を仕切る。これにより、ブレード63によって回収ローラー62から擦り取られた前記廃トナーが、ハウジング60内から漏れ出ることが防がれる。
【0092】
また、中間転写ベルト46は、動作中に僅かに振動し、第2支持ローラー462と連動する清掃ローラー61および回動部材65も振動する。従って、回動部材65に取り付けられたシール部材67も振動する。これにより、シール部材67に紙粉などの粉体が固着することを防ぐことができる。
【0093】
また、ベルトクリーニング装置47は、ハウジング60全体を変位させるような大がかりな機構を採用することなく、比較的簡易な機構により実現可能である。
【0094】
また、一部が前記回動部材に固定された1枚のシール部材67が、第1シール部67bおよび第2シール部67cを有する。そのため、部品点数が増加することもない。
【0095】
[第2実施形態]
次に、
図7を参照しつつ、第2実施形態に係るベルトクリーニング装置47xについて説明する。
図7において、
図3,4に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。
【0096】
以下、ベルトクリーニング装置47xにおけるベルトクリーニング装置47と異なる点について説明する。なお、
図7において、第1バネ51および第2バネ52の図示は省略されている。
【0097】
ベルトクリーニング装置47xは、ベルトクリーニング装置47におけるシール部材67が、固定部67aを含む第1シール部67bと、第2シール部68とに置き換えられた構成を有している。第1シール部67bおよび第2シール部68は、それぞれ個別の可撓性シート材である。
【0098】
第2シール部68の一部は、ハウジング60の内底面60dに固定された固定部68aである。第2シール部68の他の一部は、固定部68aから回動部材65の連結部65dに向かって張り出して形成されており、回動部材65の連結部65dに接している。
【0099】
第2シール部68は、回動部材65の連結部65dに対し、第1回転軸61aに沿う方向の全範囲に亘って接している。第2シール部68は、回動部材65の回動に応じて弾性変形する。
図7において、中間転写ベルト46が前記モノクロ画像転写形状であるときの回動部材65および第2シール部68が仮想線で示されている。
【0100】
ブレード63、第1シール部67bおよび第2シール部68は、ハウジング60内における第1空間60bと第2空間60cとの間を仕切る。
【0101】
ベルトクリーニング装置47xが採用される場合も、ベルトクリーニング装置47が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0102】
[応用例]
ベルトクリーニング装置47xにおいて、第2シール部68が、回動部材65の連結部65dとハウジング60の内底面60dとの隙間を埋める発泡部材であることも考えられる。この場合、前記発泡部材の上面が連結部65dに接する状態で、前記発泡部材の下面がハウジング60の内底面60dに固定されることが考えられる。それとは逆に、前記発泡部材の下面が内底面60dに接する状態で、前記発泡部材の上面が連結部65dに固定されることも考えられる。