特許第6593377号(P6593377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593377
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】アンテナ基板、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20191010BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20191010BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20191010BHJP
   H01Q 7/00 20060101ALI20191010BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20191010BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   G06K7/10 156
   G03G21/18 178
   H04B5/02
   H01Q7/00
   H01Q1/24 C
   G03G21/16 176
   G06K7/10 232
   G06K7/10 176
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-69063(P2017-69063)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-169966(P2018-169966A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2018年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】白井 航
【審査官】 梅沢 俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−146968(JP,A)
【文献】 特開2004−206736(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0103055(US,A1)
【文献】 特開2012−147408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
G03G 21/16
G03G 21/18
H01Q 1/24
H01Q 7/00
H04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に実装され、電子タグとの間の近距離無線通信に用いられる通信信号を出力および入力する変復調回路と、
前記基板にプリントされ、前記通信信号を電波として送信および受信するプリントアンテナと、
前記基板に実装された第1スイッチ回路と、
前記基板に実装された第2スイッチ回路と、を備え、
前記プリントアンテナは、それぞれ前記基板にコイル状にプリントされた金属箔である複数の単位コイルを含み、
前記複数の単位コイルは、予め一端が接地された主単位コイルおよびその他の1つ以上の副単位コイルを含み、
前記第1スイッチ回路は、入力される第1制御信号に従って、前記複数の単位コイルのうちの少なくとも前記主単位コイルを含む一部または前記複数の単位コイルの全部を選択的に電気的に直列に接続する状態と電気的に遮断する状態とに選択的に切り替わり、
さらに前記第1スイッチ回路は、前記複数の単位コイルのうちの一部を電気的に直列に接続する場合に、前記複数の単位コイルのうちの電気的に直列に接続された一部と残りの一部とを電気的に遮断し、
前記第2スイッチ回路は、入力される第2制御信号に従って、入力される第2制御信号に従って、前記複数の単位コイルのいずれか1つの第1端を選択的に前記変復調回路に対して電気的に接続することにより、前記複数の単位コイルのうちの電気的に接続された一部または全部のうち、前記主単位コイルの接地された一端に対し反対側の端を前記変復調回路に対して電気的に接続し、
さらに前記第2スイッチ回路は、前記複数の単位コイルのうちの一部が電気的に直列に接続される場合に、前記複数の単位コイルのうちの電気的に直列に接続された一部を除く残りの一部を、前記変復調回路に対して電気的に遮断し、、アンテナ基板。
【請求項2】
前記複数の単位コイルは、コイル状の一連の線に沿って同心状に内側から外側へ並んで形成されている、請求項1に記載のアンテナ基板。
【請求項3】
前記基板が複数の層を含む積層基板であり、
前記複数の単位コイルは、それぞれ前記複数の層における相互に重なる領域に同心状に形成されている、請求項1に記載のアンテナ基板。
【請求項4】
前記変復調回路は、
それぞれ前記プリントアンテナと電気的に接続されたときに前記複数の単位コイルの一部または全部とともにRLC回路を成す複数のRC回路と、
入力される第4制御信号に従って、前記複数のRC回路のいずれか1つを選択的に前記複数の単位コイルの一部または全部に対して電気的に接続する第4スイッチ回路と、を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のアンテナ基板。
【請求項5】
前記基板に実装され、前記アンテナ基板の前記第1スイッチ回路および前記第2スイッチ回路に前記第1制御信号および前記第2制御信号を出力するプロセッサーをさらに備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載のアンテナ基板。
【請求項6】
前記プロセッサーは、それぞれ内容の異なる前記第1制御信号および前記第2制御信号の組み合わせである複数組の試行制御信号を順次出力し、さらに1組の前記試行制御信号を出力するごとに、前記変復調回路を通じて前記電子タグとの通信を試みる試行通信処理を実行可能であり、
さらに前記プロセッサーは、前記試行通信処理において前記電子タグと正常に通信できたときの前記試行制御信号を前記試行通信処理の終了後に継続して出力する、請求項に記載のアンテナ基板。
【請求項7】
現像剤を収容する補給ユニットを着脱可能なユニット装着部と、
前記ユニット装着部に対応して設けられた請求項1から請求項のいずれか1項に記載のアンテナ基板と、
前記アンテナ基板の前記第1スイッチ回路および前記第2スイッチ回路に前記第1制御信号および前記第2制御信号を出力し、さらに、前記ユニット装着部に装着された前記補給ユニットに取り付けられている電子タグから、前記アンテナ基板の前記プリントアンテナを通じた前記近距離無線通信によって情報を読み出すプロセッサーと、を備える画像形成装置。
【請求項8】
前記プロセッサーは、それぞれ内容の異なる前記第1制御信号および前記第2制御信号の組み合わせである複数組の試行制御信号を順次出力し、さらに1組の前記試行制御信号を出力するごとに、前記変復調回路を通じて前記電子タグとの通信を試みる試行通信処理を実行可能であり、
さらに前記プロセッサーは、前記試行通信処理において前記電子タグと正常に通信できたときの前記試行制御信号を、前記試行通信処理の終了後に出力する、請求項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、画像形成装置は、現像剤を収容する補給ユニットを着脱可能なユニット装着部を備える。さらに、前記画像形成装置が、前記アンテナを通じて電子タグと前記近距離無線通信を行うタグリーダーを備える場合がある。前記タグリーダーは、近距離無線通信用のアンテナを備える。
【0002】
一般に、前記アンテナは、基板にコイル状にプリントされた金属箔からなるコイルアンテナである。前記基板は、前記ユニット装着部に設けられる。一方、前記電子タグは、前記補給ユニットに取り付けられている。前記タグリーダーは、例えば前記現像剤の色および種類などに関する情報を前記電子タグから読み取る。
【0003】
また、前記アンテナと前記電子タグとの距離が小さい場合に、前記電子タグの共振周波数を低減させる補助アンテナが、前記補給ユニットに取り付けられることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−78965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記画像形成装置が設計および製造された後、各種の理由により、当初とは異なる仕様の前記電子タグが、前記補給ユニットに採用される場合がある。例えば、前記理由として、前記電子タグの仕様が変更されたこと、または、当初の前記電子タグの調達が困難になったことなどが考えられる。
【0006】
従来の装置において、前記タグリーダーが、新たな仕様の前記電子タグとの間で良好な通信を行えなくなる場合がある。この場合、前記タグリーダーの前記アンテナを、巻き数の異なる他のアンテナに交換することが必要になる。しかしながら、既に市場に出た装置の前記アンテナを交換することは困難である。
【0007】
本発明の目的は、現像剤を収容する補給ユニットに取り付けられる電子タグの仕様が変更された場合でも、アンテナを交換することなく、新仕様の前記電子タグとの間で良好な近距離無線通信を行うことが可能なアンテナ基板およびそれを備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係るアンテナ基板は、基板と、変復調回路と、プリントアンテナと、第1スイッチ回路と、第2スイッチ回路と、を含む。前記変復調回路は、前記基板に実装され、電子タグとの間の近距離無線通信に用いられる通信信号を出力および入力する。前記プリントアンテナは、前記基板にプリントされ、前記通信信号を電波として送信および受信する。前記プリントアンテナは、それぞれ前記基板にコイル状にプリントされた金属箔である複数の単位コイルを含む。前記第1スイッチ回路は、前記基板に実装されている。前記第1スイッチ回路は、入力される第1制御信号に従って、前記複数の単位コイルの一部または全部を選択的に電気的に直列に接続する状態と電気的に遮断する状態とに選択的に切り替わる。前記第2スイッチ回路は、前記基板に実装されている。前記第2スイッチ回路は、入力される第2制御信号に従って、前記複数の単位コイルのいずれか1つの第1端を選択的に前記変復調回路に対して電気的に接続する。
【0009】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、ユニット装着部と、前記アンテナ基板と、プロセッサーと、を備える。前記ユニット装着部は、現像剤を収容する補給ユニットを着脱可能な部分である。前記アンテナ基板は、前記ユニット装着部に対応して設けられている。前記プロセッサーは、前記アンテナ基板の前記第1スイッチ回路および前記第2スイッチ回路に前記第1制御信号および前記第2制御信号を出力する。さらに、前記プロセッサーは、前記ユニット装着部に装着された前記補給ユニットに取り付けられている電子タグから、前記アンテナ基板の前記プリントアンテナを通じた前記近距離無線通信によって情報を読み出す。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現像剤を収容する補給ユニットに取り付けられる電子タグの仕様が変更された場合でも、アンテナを交換することなく、新仕様の前記電子タグとの間で良好な近距離無線通信を行うことが可能なアンテナ基板およびそれを備える画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
図2図2は、補給ユニットに取り付けられた電子タグのブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る画像形成装置が備えるアンテナ基板におけるタグ通信回路およびマイクロプロセッサーの構成図である。
図4図4は、第2実施形態に係る画像形成装置が備えるアンテナ基板におけるタグ通信回路の構成図である。
図5図5は、第3実施形態に係る画像形成装置が備えるアンテナ基板におけるタグ通信回路の構成図である。
図6図6は、応用例に係る変復調回路の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る画像形成装置10は、シートに画像を形成する印刷処理を実行する装置である。前記シートは、紙または封筒などのシート状の画像形成媒体である。
【0014】
図1に示されるように、画像形成装置10は、本体1内にシート供給機構2、シート搬送機構3、画像形成部40および制御部8などを備える。さらに、操作表示部80が、本体1の外面に取り付けられている。
【0015】
画像形成部40は、電子写真方式の前記印刷処理を実行する装置である。この場合、画像形成部40は、作像部4、光走査部46、転写装置44および定着装置47を含む。作像部4は、感光体41、帯電装置42、現像装置43および感光体クリーニング装置45などを備える。
【0016】
図1に示される画像形成装置10は、タンデム式の画像形成部40を有するカラー画像形成装置である。そのため、画像形成部40は、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色に対応した4つの作像部4を備える。
【0017】
さらに、転写装置44が、中間転写ベルト44aと、4つの作像部4に対応する4つの一次転写装置44bと、二次転写装置44cと、ベルトクリーニング装置44dとを備える。
【0018】
シート供給機構2は、前記シートを搬送路30へ送り出す。シート搬送機構3は、前記シートを搬送路30に沿って搬送する。
【0019】
中間転写ベルト44aおよび作像部4各々におけるドラム状の感光体41が、不図示の駆動機構によって回転駆動される。帯電装置42は、感光体41の表面を一様に帯電させる。光走査部46は、感光体41の表面に静電潜像を書き込む。
【0020】
現像装置43は、感光体41の表面の前記静電潜像を現像剤9によって現像する。これにより、現像剤9の像が感光体41の表面に形成される。なお、本実施形態における現像剤9はトナーである。
【0021】
一次転写装置44bは、感光体41の表面の現像剤9の像を中間転写ベルト44aに転写する。これにより、4色の現像剤9の像がカラー画像として中間転写ベルト44aに形成される。感光体クリーニング装置45は、感光体41表面に残存する現像剤9を除去する。
【0022】
二次転写装置44cは、中間転写ベルト44a上の現像剤9の像を、搬送路30に沿って搬送されている前記シートに転写する。定着装置47は、前記シートに転写された現像剤9の像を加熱することにより、前記シートに現像剤9の像を定着させる。ベルトクリーニング装置44dは、中間転写ベルト44aに残存する現像剤9を除去する。
【0023】
さらに、画像形成装置10は、それぞれ異なる色の現像剤9を収容する4つの補給ユニット5を備える。4つの補給ユニット5は、本体1に設けられた4つのユニット装着部1aに対して着脱可能である。
【0024】
4つの補給ユニット5は、それぞれ4つの現像装置43へ現像剤9を補給する。補給ユニット5各々は、不図示の駆動機構によって回転駆動される補給スクリュー5xを備える。補給スクリュー5xが回転することにより、現像剤9が補給ユニット5から現像装置43へ供給される。
【0025】
操作表示部80は、操作部80aおよび表示部80bを含むユーザーインターフェイスデバイスである。操作部80aは、ユーザーの操作を受け付けるタッチパネルまたは操作ボタンなどを含む。また、表示部80bは、情報を表示可能な液晶表示パネルなどの表示パネルを含む。
【0026】
制御部8は、画像形成装置10における電気機器を制御する。例えば、制御部8が、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などの主記憶部、二次記憶部および通信インターフェイスなどを備える。
【0027】
前記CPUは、予め前記二次記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって各種のデータ処理および前記電気機器の制御を実行する。
【0028】
前記主記憶部は、前記CPUが実行するプログラムおよび前記CPUが処理するデータを一次記憶する。前記二次記憶部は、コンピューター読取可能な不揮発性の記憶装置である。例えば、前記二次記憶部がフラッシュメモリーなどであることが考えられる。
【0029】
前記通信インターフェイスは、情報処理装置などの外部機器との間でデータ通信を行う通信デバイスである。例えば、前記通信インターフェイスが、前記情報処理装置から印刷ジョブデータを受信することが考えられる。
【0030】
なお、制御部8が、DSP(Digital Signal Processor)などの他のプロセッサーまたはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの回路によって実現されることも考えられる。
【0031】
[電子タグ5a]
補給ユニット5各々には、電子タグ5aが取り付けられている。電子タグ5aは、パッシブ型の電子タグである。例えば、電子タグ5aが、パッシブ型のRF(Radio Frequency)タグであることが考えられる。
【0032】
図2に示されるように、電子タグ5aは、近距離無線通信用のアンテナ50、電源回路51、変復調回路52、マイクロプロセッサー53およびコンピューター読取可能な不揮発性のデータ記憶部54を含む。
【0033】
データ記憶部54は、例えばフラッシュメモリーなどである。電子タグ5aのデータ記憶部54には、補給ユニット5内の現像剤9の色および種類など、現像剤9に関する情報を含むタグデータDt1が予め記憶されている。さらに、タグデータDt1が、補給ユニット5ごとに固有のユニット識別データを含む場合もある。
【0034】
電源回路51は、アンテナ50によって受信された受信信号を整流し、マイクロプロセッサー53に直流電圧を印加する。変復調回路52は、アンテナ50によって受信された受信信号を復調し、復調後の受信データをマイクロプロセッサー53へ伝送する。さらに、変復調回路52は、マイクロプロセッサー53が出力する送信データを変調し、変調後の送信信号をアンテナ50へ伝送する。前記送信信号は、アンテナ50から送信電波として出力される。
【0035】
マイクロプロセッサー53は、アンテナ50および変復調回路62を通じて、後述するアンテナ基板6のタグ通信回路6yとの間でデータ通信を行う。
【0036】
具体的には、マイクロプロセッサー53は、タグ通信回路6yからリードコマンドを受信した場合に、データ記憶部54に記憶されているデータをタグ通信回路6yへ送信する。さらに、マイクロプロセッサー53は、タグ通信回路6yからライトコマンドおよびデータを受信した場合に、受信したデータをデータ記憶部54に記憶させる。
【0037】
[アンテナ基板6の概要]
画像形成装置10は、アンテナ基板6をさらに備える。アンテナ基板6は、電子タグ5aとの間で前記近距離無線通信によってデータの送受信を実行するいわゆるタグリーダー・ライターである。
【0038】
アンテナ基板6は、基板6xと、基板6xに設けられたタグ通信回路6yとを含む。後述するように、タグ通信回路6yは、基板6xにプリントされた金属箔である配線パターンと基板6xに実装された半導体素子とを含む。基板6xは、板状の絶縁体である。
【0039】
タグ通信回路6yは、ユニット装着部1aに対応して設けられている。従って、本実施形態におけるアンテナ基板6は、4つのタグ通信回路6yを含む。
【0040】
本実施形態において、アンテナ基板6は、基板6xに実装されたマイクロプロセッサー6zをさらに含む。マイクロプロセッサー6zは、4つのタグ通信回路6yと電気的に接続されている。
【0041】
マイクロプロセッサー6zは、電子タグ5aとの間でタグ通信回路6yを通じて前記近距離無線通信を行うことにより、電子タグ5aからのタグデータDt1の読み出しおよび電子タグ5aへのデータの書き込みを行う。マイクロプロセッサー6zは、制御部8からの通信指令に従って、電子タグ5aとの通信を実行する。
【0042】
補給ユニット5がユニット装着部1aに装着されている場合に、補給ユニット5に取り付けられた電子タグ5aが、タグ通信回路6yの前記近距離無線通信のエリア内に存在する。この状態において、マイクロプロセッサー6zは、電子タグ5aとの間でデータの送信および受信が可能である。
【0043】
ところで、画像形成装置10が設計および製造された後、各種の理由により、当初とは異なる仕様の電子タグ5aが、補給ユニット5に採用される場合がある。例えば、前記理由として、電子タグ5aの仕様が変更されたこと、または、当初の電子タグ5aの調達が困難になったことなどが考えられる。
【0044】
従来の装置において、タグリーダーが、新たな仕様の電子タグ5aとの間で良好な通信を行えなくなる場合がある。この場合、前記タグリーダーのアンテナを、巻き数の異なる他のアンテナに交換することが必要になる。しかしながら、既に市場に出た装置の前記アンテナを交換することは困難である。
【0045】
一方、画像形成装置10において、アンテナ基板6は、現像剤9を収容する補給ユニット5に取り付けられる電子タグ5aの仕様が変更された場合でも、アンテナを交換することなく、新仕様の電子タグ5aとの間で良好な前記近距離無線通信を行うことが可能である。
【0046】
[アンテナ基板6の詳細]
図3に示されるように、アンテナ基板6のタグ通信回路6yは、プリントアンテナ61と、変復調回路62と、第1スイッチ回路63と、第2スイッチ回路64とを含む。変復調回路62、第1スイッチ回路63および第2スイッチ回路64は、それぞれ基板6xに実装された複数の半導体素子を含む。
【0047】
変復調回路62は、電子タグ5aとの間の前記近距離無線通信に用いられる通信信号S1,S2を出力および入力する。なお、通信信号S1,S2は、送信信号S1および受信信号S2を含む。
【0048】
変復調回路62は、マイクロプロセッサー6zが出力する送信データD1を変調し、変調後の送信信号S1を、第2スイッチ回路64を通じてプリントアンテナ61へ伝送する。送信信号S1は、プリントアンテナ61から送信電波として出力される。
【0049】
さらに、変復調回路62は、プリントアンテナ61によって受信された受信信号S2を復調し、復調後の受信データD2をマイクロプロセッサー6zへ伝送する。変復調回路62は、第2スイッチ回路64を通じて受信信号S2を入力する。
【0050】
プリントアンテナ61は、基板6xにプリントされ、送信信号S1を電波として送信し、受信信号S2を電波として受信する。プリントアンテナ61は、それぞれ基板6xにコイル状にプリントされた金属箔である複数の単位コイル611,612,613を含む。例えば、単位コイル611,612,613が、基板6xにプリントされ銅箔であることが考えられる。
【0051】
図3に示されるプリントアンテナ61は、3つの単位コイル611,612,613を含む。なお、プリントアンテナ61に含まれる前記複数の単位コイルの数が2つ、または4つ以上であることも考えられる。
【0052】
本実施形態において、複数の単位コイル611,612,613は、コイル状の一連の線に沿って同心状に内側から外側へ並んで形成されている。
【0053】
本実施形態において、3つの単位コイル611,612,613のうち内側から1つ目、2つ目および3つ目のことを、それぞれ第1単位コイル611、第2単位コイル612および第3単位コイル613と称する。
【0054】
さらに、3つの単位コイル611,612,613における外側の一端のことを第1端611a,612a,613aと称し、3つの単位コイル611,612,613における内側の一端のことを第2端611b,612b,613bと称する。本実施形態において、第1単位コイル611の第2端611bは接地されている。
【0055】
第1スイッチ回路63は、入力される第1制御信号Sc1に従って、部分接続状態、全接続状態および遮断状態のいずれかに選択的に切り替わる。
【0056】
前記部分接続状態は、複数の単位コイル611,612,613の一部を電気的に直列に接続する状態である。本実施形態において、前記部分接続状態は、少なくとも第1単位コイル611および第2単位コイル612のみを電気的に直列に接続する状態を含む。
【0057】
図3に例示される第1スイッチ回路63の状態は、前記部分接続状態である。この場合、第1スイッチ回路63は、第1単位コイル611の第1端611aと第2単位コイル612の第2端612bとを電気的に接続し、第2単位コイル612の第1端612aと第3単位コイル613の第2端613bとを電気的に遮断する。
【0058】
なお、第1スイッチ回路63は、第2単位コイル612および第3単位コイル613のみを電気的に直列に接続することも可能である。
【0059】
前記全接続状態は、複数の単位コイル611,612,613の全部を電気的に直列に接続する状態である。前記全接続状態の第1スイッチ回路63は、第1単位コイル611の第1端611aと第2単位コイル612の第2端612bとを電気的に接続し、さらに、第2単位コイル612の第1端612aと第3単位コイル613の第2端613bとを電気的に接続する。
【0060】
前記遮断状態は、複数の単位コイル611,612,613の全部を電気的に遮断する状態である。前記遮断続状態の第1スイッチ回路63は、第1単位コイル611の第1端611aと第2単位コイル612の第2端612bとを電気的に遮断し、さらに、第2単位コイル612の第1端612aと第3単位コイル613の第2端613bとを電気的に遮断する。
【0061】
第2スイッチ回路64は、入力される第2制御信号に従って、複数の単位コイル611,612,613のいずれか1つの第1端611a、612aまたは613aを選択的に変復調回路62に対して電気的に接続する。
【0062】
図2に例示される第2スイッチ回路64の状態は、第2単位コイル612の第1端612aを変復調回路62に対して電気的に接続し、第1単位コイル611の第1端611aおよび第3単位コイル613の第1端613aと変復調回路62とを電気的に遮断する状態である。
【0063】
例えば、第1スイッチ回路63および第2スイッチ回路64が、複数のトランジスタの組み合わせによって実現されることが考えられる。
【0064】
本実施形態において、基板6xに実装されたマイクロプロセッサー6zが、I/Oポート60を通じて第1制御信号Sc1を第1スイッチ回路63へ出力する。同様に、マイクロプロセッサー6zが、I/Oポート60を通じて第2制御信号Sc2を第2スイッチ回路64へ出力する。I/Oポート60は、マイクロプロセッサー6zが備える信号入出力のインターフェイスである。
【0065】
マイクロプロセッサー6zは、第1スイッチ回路63を前記遮断状態にする第1制御信号Sc1を出力する場合、第2スイッチ回路64を以下に示される第1上位接続状態にする第2制御信号Sc2を出力する。前記第1上位接続状態は、第2端611bが接地された第1単位コイル611の第1端611aを変復調回路62に対して電気的に接続する状態である。
【0066】
一方、マイクロプロセッサー6zは、第1スイッチ回路63を前記部分接続状態または前記全接続状態にする第1制御信号Sc1を出力する場合、第2スイッチ回路64を以下に示される第2上位接続状態または第3上位接続状態にする第2制御信号Sc2を出力する。
【0067】
前記第2上位接続状態は、第2単位コイル612の第1端612aのみを変復調回路62に対して電気的に接続する状態である。前記第3上位接続状態は、第3単位コイル613の第1端613aのみを変復調回路62に対して電気的に接続する状態である。
【0068】
換言すれば、前記第2上位接続状態および前記第3上位接続状態は、複数の単位コイル611,612,613のうち直列接続された一部または全部における最も外側の単位コイル612または613の第1端612aまたは613aのみを変復調回路62に対して電気的に接続する状態である。
【0069】
以下の説明において、複数の単位コイル611,612,613のうち、変復調回路62と電気的に接続された一部または全部のことを採用アンテナと称する。
【0070】
前記採用アンテナは、複数の単位コイル611,612,613のうちの1つ、または、複数の単位コイル611,612,613のうち第1スイッチ回路63によって電気的に直列に接続された複数である。本実施形態において、前記採用アンテナは、第2端611bが接地された第1単位コイル611を常に含む。
【0071】
変復調回路62は、電子タグ5aとの間で前記採用アンテナを通じて前記近距離無線通信を行う。即ち、補給ユニット5がユニット装着部1aに装着された状態において、マイクロプロセッサー6zは、変復調回路62および前記採用アンテナを通じた前記近距離無線通信により、電子タグ5aからの報の読み出し、および、電子タグ5aへの情報の書き込みを行う。
【0072】
変復調回路62は、RC回路62aを含む。変復調回路62が第2スイッチ回路64によって前記採用アンテナと電気的に接続されたときに、RC回路62aは、前記採用アンテナと電気的に接続され、前記採用アンテナとともにRLC回路を成す。
【0073】
[手動設定処理]
マイクロプロセッサー6zが出力する第1制御信号Sc1および第2制御信号Sc2の組み合わせを設定するために、制御部8が、以下に示される手動設定処理を実行することが考えられる。
【0074】
前記手動設定処理において、制御部8の前記CPUは、表示部80bに予め定められた複数の設定候補の情報を表示させ、操作部80aに対する選択操作に従って、前記複数の設定候補の1つを選択する。
【0075】
前記複数の設定候補は、予め定められた第1制御信号Sc1および第2制御信号Sc2の複数の組み合わせに対応する情報である。制御部8の前記CPUは、選択した前記複数の設定候補の1つに対応する制御指定情報を不図示の前記二次記憶部に記録する。
【0076】
さらに、制御部8の前記CPUは、前記二次記憶部に記録された前記制御指定情報をアンテナ基板6のマイクロプロセッサー6zへ伝送する。マイクロプロセッサー6zは、前記制御指定情報が表す組み合わせの第1制御信号Sc1および第2制御信号Sc2を第1スイッチ回路63および第2スイッチ回路64へ出力する。
【0077】
例えば、前記複数の設定候補のいずれを選択すべきかを示す指定情報が、補給ユニット5の本体または補給ユニット5とともにユーザーに提供される説明書などに記録される。前記ユーザーは、前記指定情報に従って操作部80aに対する前記選択操作を行う。
【0078】
[自動設定処理]
マイクロプロセッサー6zが出力する第1制御信号Sc1および第2制御信号Sc2の組み合わせを設定するために、マイクロプロセッサー6zが、以下に示される自動設定処理を実行することも考えられる。
【0079】
前記自動設定処理において、マイクロプロセッサー6zは、それぞれ内容の異なる第1制御信号Sc1および第2制御信号Sc2の組み合わせである複数組の試行制御信号を第1スイッチ回路63および第2スイッチ回路64へ順次出力する。
【0080】
さらに、マイクロプロセッサー6zは、1組の前記試行制御信号を出力するごとに、変復調回路62を通じて電子タグ5aとの通信を試みる試行通信処理を実行する。マイクロプロセッサー6zは、前記試行通信処理において電子タグと正常に通信できたときの前記試行制御信号を表す制御成功情報を、不図示のデータ記憶装置に記録する。
【0081】
例えば、前記データ記憶装置が、制御部8の前記二次記憶部またはアンテナ基板6に実装されたフラッシュメモリーなどの記憶装置であることが考えられる。前記データ記憶装置は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。
【0082】
そして、マイクロプロセッサー6zは、前記試行通信処理の終了後に電子タグ5aとの通信を行う場合、前記データ記憶装置に記録された前記制御成功情報が表す組み合わせの第1制御信号Sc1および第2制御信号Sc2を第1スイッチ回路63および第2スイッチ回路64へ出力する。
【0083】
例えば、所定の検知センサーが補給ユニット5へのアクセスを検知した場合に、前記手動設定処理または前記自動設定処理が実行されることが考えられる。前記検知センサーが、ユニット装着部1aの入口のカバーが開いたことを検知するカバーセンサー、または、補給ユニット5がユニット装着部1aから取り外されたことを検知するユニットセンサーなどであることが考えられる。
【0084】
アンテナ基板6において、第1制御信号Sc1および第2制御信号Sc2の組み合わせを変更することにより、前記採用アンテナの巻き数を変更することができる。複数の単位コイル611,612,613それぞれの巻き数は、将来的に補給ユニット5に採用され得る電子タグ5aの仕様の変化を想定して決定される。
【0085】
従って、アンテナ基板6が採用されれば、補給ユニット5に取り付けられる電子タグ5aの仕様が変更された場合、第1制御信号Sc1および第2制御信号Sc2の組み合わせを変更することが可能である。これにより、マイクロプロセッサー6zは、新仕様の電子タグ5aとの間で良好な前記近距離無線通信を行うことが可能である。その際、アンテナ基板6などの部品を交換する必要はない。
【0086】
[第2実施形態]
次に、図4を参照しつつ、第2実施形態に係る画像形成装置10Aが備えるアンテナ基板6Aについて説明する。図4において、図1〜3に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、アンテナ基板6Aにおけるアンテナ基板6と異なる点について説明する。
【0087】
アンテナ基板6Aは、図3に示されるアンテナ基板6に第3スイッチ回路65が追加された構成を有している。複数のタグ通信回路6yそれぞれが第3スイッチ回路65を含む。例えば、第3スイッチ回路65が、複数のトランジスタの組み合わせによって実現されることが考えられる。
【0088】
また、アンテナ基板6Aのタグ通信回路6y各々において、第1単位コイル611の第2端611bは、予め接地されていない。
【0089】
第3スイッチ回路65は、基板6xに実装されている。第3スイッチ回路65は、入力される第3制御信号Sc3に従って、複数の単位コイル611,612,613のいずれか1つの第2端611b、612bまたは613bを選択的に接地する。
【0090】
本実施形態において、基板6xに実装されたマイクロプロセッサー6zが、I/Oポート60を通じて第3制御信号Sc3を第3スイッチ回路65へ出力する。
【0091】
本実施形態において、前記部分接続状態の1つは、第1単位コイル611および第2単位コイル612のみを電気的に直列に接続する第1部分接続状態である。この場合、マイクロプロセッサー6zは、第3スイッチ回路65を第1単位コイル611の第2端611bのみを接地する第1接地状態にさせる第3制御信号Sc3を出力する。
【0092】
さらに、第1スイッチ回路が前記第1部分接続状態である場合、マイクロプロセッサー6zは、第2スイッチ回路64を前記第2上位接続状態にさせる第2制御信号Sc2を出力する。前述したように、前記第2上位接続状態は、第2単位コイル612の第1端612aのみを変復調回路62に電気的に接続する状態である。
【0093】
本実施形態において、前記部分接続状態の他の1つは、第2単位コイル612および第3単位コイル613のみを電気的に直列に接続する第2部分接続状態である。この場合、マイクロプロセッサー6zは、第3スイッチ回路65を第2単位コイル612の第2端612bのみを接地する第2接地状態にさせる第3制御信号Sc3を出力する。
【0094】
さらに、第1スイッチ回路が前記第2部分接続状態である場合、マイクロプロセッサー6zは、第2スイッチ回路64を前記第3上位接続状態にさせる第2制御信号Sc2を出力する。前述したように、前記第3上位接続状態は、第3単位コイル613の第1端613aのみを変復調回路62に電気的に接続する状態である。
【0095】
本実施形態において、第1スイッチ回路63が前記遮断状態である場合、マイクロプロセッサー6zは、第3スイッチ回路65を前記第1接地状態、前記第2接地状態または第3接地状態のいずれかにさせる第3制御信号Sc3を出力する。前記第3接地状態は、第3単位コイル613の第2端613bのみを接地する状態である。
【0096】
また、第1スイッチ回路63が前記遮断状態であり、かつ、第3スイッチ回路65が前記第1接地状態である場合、マイクロプロセッサー6zは、第2スイッチ回路64を前記第1上位接続状態にさせる第2制御信号Sc2を出力する。
【0097】
また、第1スイッチ回路63が前記遮断状態であり、かつ、第3スイッチ回路65が前記第2接地状態である場合、マイクロプロセッサー6zは、第2スイッチ回路64を前記第2上位接続状態にさせる第2制御信号Sc2を出力する。
【0098】
また、第1スイッチ回路63が前記遮断状態であり、かつ、第3スイッチ回路65が前記第3接地状態である場合、マイクロプロセッサー6zは、第2スイッチ回路64を前記第3上位接続状態にさせる第2制御信号Sc2を出力する。
【0099】
また、第1スイッチ回路63が前記全接続状態である場合、マイクロプロセッサー6zは、第3スイッチ回路65を前記第1接地状態にさせる第3制御信号Sc3を出力する。この場合、マイクロプロセッサー6zは、第2スイッチ回路64を前記第3上位接続状態にさせる第2制御信号Sc2を出力する。
【0100】
本実施形態が採用されれば、複数の単位コイル611,612,613の組み合わせの候補数、即ち、前記採用アンテナの候補数がより多くなる。従って、電子タグ5aの仕様変更への対応性がより高まる。
【0101】
[第3実施形態]
次に、図5を参照しつつ、第3実施形態に係る画像形成装置10Bが備えるアンテナ基板6Bについて説明する。図5において、図1〜3に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、アンテナ基板6Bにおけるアンテナ基板6と異なる点について説明する。
【0102】
アンテナ基板6Bは、基板6xの代わりに、複数の層6p,6q,6rを含む積層基板6xaを備える。便宜上、図5において、複数の層6p,6q,6rが間隔を空けてそれぞれ斜視図として示されている。
【0103】
さらに、便宜上、図5において、本来は積層基板6xaに実装された変復調回路62、第1スイッチ回路63および第2スイッチ回路64が、積層基板6xaから離れた位置に示されている。
【0104】
本実施形態において、複数の単位コイル611,612,613は、それぞれ複数の層6p,6q,6rにおける相互に重なる領域に同心状に形成されている。
【0105】
本実施形態において、第1単位コイル611の第1端612aおよび第2端611bは、それぞれ第1単位コイル611の外側の端および内側の端である。また、第3単位コイル613の第1端613aおよび第2端613bは、それぞれ第3単位コイル613の外側の端および内側の端である。これらの点は、アンテナ基板6と同様である。
【0106】
一方、本実施形態において、第2単位コイル612の第1端612aおよび第2端612bは、それぞれ第2単位コイル612の内側の端および外側の端である。この点は、アンテナ基板6と異なる。
【0107】
アンテナ基板6Bが採用される場合も、アンテナ基板6が採用される場合と同様の効果が得られる。さらに、アンテナ基板6Bが採用される場合、プリントアンテナ61が占める面積を小さくすることができる。その結果、アンテナ基板6Bの面積を小さくすることができる。
【0108】
[第1応用例]
次に、図6を参照しつつ、第1応用例に係る変復調回路62Aについて説明する。変復調回路62Aは、アンテナ基板6,6A,6Bにおいて、変復調回路62の代わりに採用可能である。
【0109】
変復調回路62Aは、複数のRC回路62a,62b,62cと、第4スイッチ回路66とを含む。例えば、複数のRC回路62a,62b,62cの数が、第1制御信号Sc1および第2制御信号Sc2の組み合わせの数と同数であることが考えられる。
【0110】
複数のRC回路62a,62b,62cは、それぞれプリントアンテナ61の前記採用アンテナと電気的に接続されたときに、前記採用アンテナとともにRLC回路を成す。なお、前記採用アンテナは、複数の単位コイル611,612,613の一部または全部である。
【0111】
第4スイッチ回路66は、入力される第4制御信号Sc4に従って、複数のRC回路62a,62b,62cのいずれか1つを選択的に前記採用アンテナに対して電気的に接続する。
【0112】
例えば、第4スイッチ回路66が、複数のトランジスタの組み合わせによって実現されることが考えられる。
【0113】
本実施形態において、基板6xに実装されたマイクロプロセッサー6zが、I/Oポート60を通じて第4制御信号Sc4を第4スイッチ回路66へ出力する。
【0114】
第4制御信号Sc4の内容は、前記採用アンテナとして変復調回路62Aに接続される複数の単位コイル611,612,613の組み合わせごとに予め定められている。従って、マイクロプロセッサー6zは、第1スイッチ回路63および第2スイッチ回路64へ出力される第1制御信号Sc1および第2制御信号Sc2の組み合わせに対応した第4制御信号Sc4を出力する。
【0115】
変復調回路62Aが採用されれば、アンテナ基板6,6A,6Bにおいて、電子タグ5aの仕様に応じてより自由度の高い前記RLC回路を構成することができる。
【0116】
[第2応用例]
アンテナ基板6,6A,6Bのマイクロプロセッサー6zが省略されることも考えられる。この場合、アンテナ基板6,6A,6Bとは別に設けられた制御部8の前記CPUが、アンテナ基板6,6A,6Bのマイクロプロセッサー6zが行う処理を代わりに実行する。
【0117】
[第3応用例]
アンテナ基板6Bが、アンテナ基板6Aの第3スイッチ回路65を有することも考えられる。また、アンテナ基板6A,6Bにおいて、プリントアンテナ61に含まれる前記複数の単位コイルの数が2つ、または4つ以上であることも考えられる。
【符号の説明】
【0118】
1 :本体
1a :ユニット装着部
2 :シート供給機構
3 :シート搬送機構
4 :作像部
5 :補給ユニット
5a :電子タグ
5x :補給スクリュー
6,6A,6B:アンテナ基板(リーダー・ライター)
6p,6q,6r:積層基板の層
6x :基板
6xa :積層基板
6y :タグ通信回路
6z :マイクロプロセッサー
8 :制御部
9 :現像剤
10,10A,10B:画像形成装置
30 :搬送路
40 :画像形成部
41 :感光体
42 :帯電装置
43 :現像装置
44 :転写装置
44a :中間転写ベルト
44b :一次転写装置
44c :二次転写装置
44d :ベルトクリーニング装置
45 :感光体クリーニング装置
46 :光走査部
47 :定着装置
50 :アンテナ
51 :電源回路
52 :変復調回路
53 :マイクロプロセッサー
54 :データ記憶部
60 :I/Oポート
61 :プリントアンテナ
62,62A:変復調回路
62a,62b,62c:RC回路
63 :第1スイッチ回路
64 :第2スイッチ回路
65 :第3スイッチ回路
66 :第4スイッチ回路
80 :操作表示部
80a :操作部
80b :表示部
611 :第1単位コイル
611a :第1単位コイルの第1端
611b :第1単位コイルの第2端
612 :第2単位コイル
612a :第2単位コイルの第1端
612b :第2単位コイルの第2端
613 :第3単位コイル
613a :第3単位コイルの第1端
613b :第3単位コイルの第2端
D1 :送信データ
D2 :受信データ
Dt1 :タグデータ
S1 :送信信号(通信信号)
S2 :受信信号(通信信号)
Sc1 :第1制御信号
Sc2 :第2制御信号
Sc3 :第3制御信号
Sc4 :第4制御信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6