(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態としての噴流はんだ槽及び噴流はんだ付け装置の実施の形態について説明する。なお、以下で上流側とは、各図中の白抜き矢印で示す基板の搬送方向に対して、基板を噴流はんだ付け装置に搬入する側を表し、下流側とは、基板を噴流はんだ付け装置から搬出する側を表す。また、溶融はんだは、下方から上方に向けて噴流されるものとする。なお、本例においては、フラクサ、プリヒータ部、噴流はんだ槽、冷却機からなるはんだ付け処理装置に係る実施の形態を用いて説明するが、本例に限定されないことはいうまでもない。基板の搬送は、所定の角度、例えば5度程度の傾斜する仰角をもって行われる場合を例示する。
【0025】
[噴流はんだ付け装置1の全体構成例]
図1に示す噴流はんだ付け装置1は、例えば、電子部品を載置した基板5を、溶融したはんだを噴流させてはんだ付け処理する装置であって、本体部10と、基板5を図中の白抜き矢印方向に搬送する搬送レール13とを備える。本体部10は、筐体であり、その側方に基板5を搬入する搬入口11と、基板5を搬出する搬出口12とを有する。搬入口11側が、上述したように上流側となる。
【0026】
本体部10はその内部に、基板5にフラックスを塗布するフラクサ15と、フラックスを塗布された基板5を予備加熱するプリヒータ部16と、溶融したはんだを噴流して基板5に接触させる噴流はんだ槽20と、はんだ付けされた基板5を冷却する冷却機17とを、搬送レール13に沿って上流側からこの順で備える。搬送レール13は、基板5を搬出口12から排出すると、噴流はんだ付け装置1によるはんだ付け処理が完了となる。更に、噴流はんだ付け装置1は、各部の動作を制御する
図2に示す制御部70を備える。
【0027】
フラクサ15は、搬送された基板5にフラックスを塗布する。フラックスには溶剤と活性剤等が使用される。フラクサ15は、複数の塗布装置を設けてもよい。その場合、はんだの種類や基板5の品種、フラックスの種類によって使い分けることができる。
【0028】
プリヒータ部16は、基板5を加熱することで、基板5を均一に所定の温度まで上昇させる。このように基板5を加熱すると、基板5の所定の箇所にはんだが付着されやすくなる。プリヒータ部16は、例えば、ハロゲンヒータが用いられる。ハロゲンヒータは、基板5を設定した温度まで急速に加熱させることができる。また。ヒータによって加熱された気体(熱風)をファンによって基板5に吹き付けて、基板5を加熱することや遠赤外線パネルヒータなどを用いることもできる。
【0029】
噴流はんだ槽20は、図示しないポンプによって図示しないダクトを介して圧送された溶融はんだSを基板5に噴流させ、基板5の所定の箇所にはんだを形成する。噴流はんだ槽20は、図示しないヒータで250℃程度の温度に溶融はんだを加熱する。噴流はんだ槽20の構成については、後で詳述する。
【0030】
冷却機17は、図示しない冷却ファンを有し、噴流はんだ槽20ではんだ付け処理された基板5を冷却する。なお、本例では冷却ファンはONやOFFだけの制御であるが、冷却時間は製品に合わせて、作業者が任意に設定してもよい。また、基板5が所定の温度となるまで冷却するようにチラー等の手段を用いて温度管理するようにしてもよい。この場合でも、冷却温度を作業者が任意に設定できる。
【0031】
図2に示すように、制御部70は、搬送レール13、フラクサ15、プリヒータ部16、噴流はんだ槽20、冷却機17、操作部71及びメモリ部72と接続する。操作部71は、液晶表示パネルやテンキー等が使用される。作業者が操作部71を操作することで、制御部70は、搬送レール13の搬送速度や基板5を搬送するタイミング、フラクサ15が有するフラックスの温度、フラックスの塗布量、プリヒータ部16の温度、噴流はんだ槽20の溶融はんだSの温度や、噴流量、噴流速度、冷却機17が有する図示しない冷却ファンのONやOFF、等を制御する。メモリ部72は、操作部71で入力された情報や、制御部70の指示、噴流はんだ付け装置1の稼働時間等を記憶する。
【0032】
以下、各実施の形態における噴流はんだ槽について説明する。それぞれの噴流はんだ槽は、上述した噴流はんだ付け装置1に備えることができる。
【0033】
[第1の実施の形態の噴流はんだ槽20Aの構成例]
なお、本例においては、後述する橋架部材は、二次噴流ノズル(第2の噴流ノズル)の上流端であって上方端近傍から一次噴流ノズル(第1の噴流ノズル)の下流端であって上方端近傍に向けて延在して設けられるとともに、前記二次噴流ノズルの下流端であって上方端近傍と前記一次噴流ノズルの上流端であって上方端との距離より短い長さである場合について説明する。
【0034】
図3に示すように、噴流はんだ槽20Aは、噴流はんだ槽20の一例であり、溶融はんだSを収容する筐体のはんだ槽本体21を備え、はんだ槽本体21の上方に設けられた第1の噴流ノズルとしての一次噴流ノズル30と、一次噴流ノズル30の下流側に配置される第2の噴流ノズルとしての二次噴流ノズル40とをはんだ槽本体21の内部に備える。はんだ槽本体21は、図示しないヒータで加熱してはんだを溶融させた溶融はんだSを、所定の深さにわたり収容する。一次噴流ノズル30の下部には、図示しないダクトを介して図示しない第1のポンプ(噴流ポンプともいう)が設置され、二次噴流ノズル40の下部には、図示しないダクトを介して図示しない第2のポンプ(噴流ポンプともいう)が設置される。
【0035】
一次噴流ノズル30は、上下が開口したノズル本体部30Aを備え、ノズル本体部30Aの上方端の開口である噴流口31から溶融はんだSを噴流する。一次噴流ノズル30は、噴流口31から溶融はんだSを噴流するためのはんだ流形成板32を備える。噴流口31は、溶融はんだSの液面から上方に突出している。はんだ流形成板32は、噴流口31と略同形状の平板で、複数の噴流孔32bが設けられており、この噴流孔32bから勢い良く且つ所望の高さに安定して溶融はんだSを噴流する。噴流口31には側板33A、33Bが設けられ、側板33A、33Bは、噴流口31よりも上方に突出するため、噴流口31から噴流した溶融はんだSは、基板5の搬送方向に対して直交する向きに流れ落ちない。
【0036】
本例の噴流孔32bは、円筒状ではんだ流形成板32から上方に突出しているが、突出することなく、平板に孔が穿孔されていてもよいし、円筒状に限らず他の従来用いられている形状であってもよい。ノズル本体部30Aは、その内部に、底面が矩形状の空洞部34を有する。
【0037】
二次噴流ノズル40は、上下が開口したノズル本体部40Aを備え、ノズル本体部40Aの上方端の開口である噴流口41から溶融はんだSを噴流する。噴流口41は、溶融はんだSの液面から上方に突出している。一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル40の間には、橋架部材50の一例として橋架部材50Aが設けられる。ノズル本体部40Aの下流端40cの上方端40dには、溶融はんだ流を成形して噴流幅を変更する下流形成部(リアフォーマ)46が設けられる。ノズル本体部40Aは、底面が矩形状の空洞部44を有する。
【0038】
噴流口41は、溶融はんだSの液面から上方に突出している。
図4(A)、
図4(B)に示すように、噴流口41には側板42A、42Bが設けられ、側板42A、42Bは、噴流口41よりも上方に突出するため、噴流口41から噴流した溶融はんだSは、基板5の搬送方向に対して直交する向きに流れ落ちない。
【0039】
橋架部材50Aは、二次噴流ノズル40の上流端40aの上方端40bに接合されていて、一次噴流ノズル30の下流端30aの上方端30bに向けて延在する。橋架部材50Aの上面で溶融はんだSの流れを誘導する誘導部51は、搬送レール13に対して平行に延在し、一次噴流ノズル30の下流端30aの上方端30bに向けて延在する。誘導部51の上流端51aと一次噴流ノズル30の上方端30bとの間には隙間53が開いている。
【0040】
誘導部51の基板5の搬送方向に対して直交する幅d1は、噴流口41の基板5の搬送方向に対して直交する幅d2と同じ長さである。誘導部51は、基板5の搬送方向に対して直行する両端近傍に、基板5の搬送方向に沿う誘導部51の全長にわたってサイドガイド52を有する。サイドガイド52は、上方に折曲し、誘導部51上を移動する溶融はんだSが、基板5の搬送方向に対して直交する向きに流れ落ちないように規制して、誘導部51の溶融はんだSの流れの表面を平滑にする。
【0041】
この誘導部51のサイドガイド52に連接して二次噴流ノズル40の側板42A、42Bが設けられているので、誘導部51のサイドガイド52及び二次噴流ノズル40の側板42A、42Bによって、溶融はんだSが、基板5の搬送方向に対して直交する向きに流れ落ちないように規制されている。
【0042】
隙間53は、一次噴流ノズル30の近傍に、基板5の搬送方向に対して直行する向きに沿う孔を形成している。一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル40から噴流する溶融はんだSが互いに干渉しないように、且つ、一次噴流ノズル30から噴流して基板5に付着した溶融はんだSが冷えて固まらないようにするため、隙間53の上流端から下流端までの長さは、例えば5mm以上7mm以下であることが好ましい。そのため、誘導部51を誘導される溶融はんだSの流れ方向に対する誘導部51の長さd3は、一次噴流ノズル30の下流端30aの上方端30bと二次噴流ノズル40の上流端40aの上方端40bの距離d4よりも5mm以上7mm以下短いことが好ましい。
【0043】
下流形成部46は、噴流口41から噴流して下流側に流れる溶融はんだSを形成するL字型の下流形成板46aと、下流形成板46aをノズル本体部40Aに対して回転させるための軸46bと、下流形成板46aに挿通されるボルト46cと、ボルト46cに螺号するナット46dと、ボルト46cが螺合される固定軸46eと、下流形成板46aの下流端に取り付けられるはんだ流変更板46fとを備える。
【0044】
下流形成板46aは、溶融はんだSの流れを基板5の搬送方向に沿って誘導する誘導部46a1と、誘導部46a1の下流端から直交して折曲する取り付け部46a2とを有する。誘導部46a1には、上下に貫通する孔46gが設けられ、孔46gにボルト46cの軸が入る。ナット46dは、ボルト46cの頭部とで孔46gを挟む位置に設けられる。孔46gの大きさは、ボルト46cの軸幅よりは大きくナット46dよりは小さく設定されるため、孔46g内でボルト46cが移動できるが、ボルト46cが孔46gから外れることはない。取り付け部46a2は、溶融はんだSの液面側に向かって延びていて、図示しないが、はんだ流変更板46fに取り付けられるボルトが螺合するネジ孔を有する。
【0045】
軸46bは、誘導部46a1の上流端に設けられていて、基板5の搬送方向に対して直交して延在する。軸46bは、ノズル本体部40Aの下流端40cの上方端40dに回転可能に取り付けられる。ボルト46cの軸は、ナット46dよりも下方に延びていて、更に下方の固定軸46eを貫通している。固定軸46eは、ボルト46cの軸方向に対して直交して延在し、基板5の搬送方向に直交して延在する。固定軸46eの両端は、側板42A、42Bに設けられた孔から突出して、側板42A、42Bに対して回転可能に固定される。
【0046】
はんだ流変更板46fには、上下に長い長孔46f1が設けられる。はんだ流変更板46fは、長孔46f1と下流形成板46aに設けられたネジ孔とを介して、はんだ流変更板46fが取り付け部46a2にボルト46hで止められる。そのため、長孔46f1に対するボルト46hの取り付ける高さを変更することにより、はんだ流変更板46fの下流形成板46aの取り付け部46a2に対する高さを上下に変更できる。
【0047】
[噴流はんだ付け装置1、噴流はんだ槽20Aの動作例]
次に、動作例について説明する。作業者が図示しない操作部71によって各種設定を行って、制御部70によって各部が動作していることを前提とする。
【0048】
図1に示すように、作業者が基板5を搬送レール13上に載せると、搬送レール13が図中の白抜き矢印の方向に基板5を搬送し、基板5が、搬入口11から本体部10内に搬入される。基板5がフラクサ15上に到達すると、フラクサ15が、基板5の所定の箇所にフラックスを塗布する。
【0049】
搬送レール13は、フラクサ15でフラックスが塗布された基板5をプリヒータ部16に搬送する。プリヒータ部16は、基板5を所定の温度まで加熱する。
【0050】
搬送レール13は、プリヒータ部16で所定の温度まで加熱された基板5を噴流はんだ槽20Aに搬送する。噴流はんだ槽20Aが、基板5の所定の箇所にはんだ付けを行う。図示しない噴流ポンプが駆動して、溶融はんだSが一次噴流ノズル30や二次噴流ノズル40から噴流する。
【0051】
一次噴流ノズル30に接続された図示しない第1の噴流ポンプの駆動により、
図3の黒矢印に示すように、溶融はんだSは、図示しないダクトを介して空洞部34内に入り、ノズル本体部30A内を上昇すると、噴流口31に設けられるはんだ流形成板32の噴流孔32bから噴流する。噴流口31から噴流した溶融はんだSは、搬送レール13によって搬送される基板5に接触して付着する。一次噴流ノズル30から噴流した溶融はんだSは、荒れた波であり、基板5のスルーホールや電子部品の隅部のように、はんだの侵入しにくい箇所まで侵入する。噴流口31から噴流し、基板5に付着しなかった溶融はんだSは、ノズル本体部30Aの上流側や隙間53から流れ落ちて、はんだ槽本体21に溜められた溶融はんだSの液面に戻る。
【0052】
二次噴流ノズル40に接続された図示しない第2の噴流ポンプが駆動すると、溶融はんだSは、図示しないダクトを介して空洞部44内に入り、二次噴流ノズル40内を上昇すると、噴流口41から噴流する。噴流口41から噴流した溶融はんだSは、搬送レール13によって搬送される基板5と接触して付着し、はんだ付けされる。一次噴流ノズル30によってはんだ付けされた基板5にはんだ付け不良が発生した場合、二次噴流ノズル40からの穏やかな溶融はんだSの流れが、そのはんだ付け不良を修正する。噴流口41から噴流した溶融はんだSのうち、噴流口41の上流側に流れた溶融はんだSは、誘導部51上を基板5の搬送方向に対して平行に一次噴流ノズル30側に流れ、隙間53から流れ落ちて、はんだ槽本体21に溜められた溶融はんだSの液面に戻る。誘導部51Bを搬送レール13と平行に設けたとともに、誘導部51上には溶融はんだSの流れに逆らうものがないため、誘導部51上を流れる溶融はんだSは、基板5の搬送方向に沿う平坦な波を形成できる。よって、誘導部51上を通る基板5に対して、基板5の温度低下を抑制できるので、一次噴流ノズル30によって付着した溶融はんだSが冷えて固化することが無いため、続く二次噴流ノズル40によって均一なはんだ付けを行うことができる。
【0053】
噴流口41から噴流して基板5に付着しなかった溶融はんだSのうち、噴流口41の下流側に流れた溶融はんだSは、下流形成板46a上を通り、はんだ流変更板46fの下流側から流れ落ちて、はんだ槽本体21に溜められた溶融はんだSの液面に戻る。
【0054】
図1に示すように、搬送レール13は、はんだ付けされた基板5を冷却機17に搬送する。冷却機17の図示しない冷却ファンが、はんだ付け処理された基板5を所定の時間冷却する。基板5が冷却された後、搬送レール13は、基板5を搬出口12から排出すると、噴流はんだ付け装置1によるはんだ付け処理が完了となる。
【0055】
ここで、下流形成部46の動作について説明する。
図5(A)は、下流形成板46aの誘導部46a1の上面を噴流口41と平行にし、はんだ流変更板46fを取り付け部46a2に対して最も低く取り付けるように、長孔46f1の最も上方にボルト46hを止めた状態を示す。この状態において、噴流口41から上方の搬送レール13に向けて噴流して下流側に流れた溶融はんだSは、誘導部46a1上を誘導されて、ボルト46cの上方でやや上方に押し上げられ、はんだ流変更板46fの下流端から落ちる。
【0056】
この状態から、作業者がボルト46cの頭部を固定軸46eに近づくように回転させると、ボルト46cの頭部に誘導部46a1が押され、下流形成板46aとはんだ流変更板46fが一体となって軸46bを支点に回転する。すると、
図5(B)に示すように、はんだ流変更板46fの下方端がノズル本体部40Aの下流端40cに近づいて、下流形成部46が搬送レール13から遠ざかる方向に回転する。
図5(A)の状態から
図5(B)の状態に下流形成部46を回転させるのに限られず、図示しないが、ボルト46cの頭部を固定軸46eから離れる方向に回転させることで、下流形成部46を搬送レール13に近づける方向に回転させてもよい。
【0057】
また、
図5(A)に示した状態から、ボルト46hを長孔46f1の最も下方に止めかえると、
図5(C)に示すように、はんだ流変更板46fを取り付ける高さが取り付け部46a2に対して最も高くなる。この状態において、噴流口41から上方に噴流し、誘導部46a1上を誘導された溶融はんだSは、ボルト46cの上方でやや上方に押し上げられた後、はんだ流変更板46fの上方で再度上昇する。もちろん、
図5(B)に示したように下流形成板46aを回転させた状態から、取り付け部46a2に対してはんだ流変更板46fを取り付ける高さを変更しても良い。
【0058】
このように、下流形成部46は、ノズル本体部40Aに対して回転できる上に、下流形成板46aに対してはんだ流変更板46fの高さを変えることができるため、下流形成板46aとはんだ流変更板46f上を通る溶融はんだSの、形と高さを変えることができる。そのため、二次噴流ノズル40は、基板のサイズや基板に搭載される電子部品に応じて基板5に対して噴流する溶融はんだSとの接触量と接触時間を変更することができる。
【0059】
本実施の形態において、橋架部材50Aが一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル40の間に設けられることにより、噴流口41から噴流して二次噴流ノズル40の上流側に流れる溶融はんだSは、一次噴流ノズル30に向かって基板5の搬送方向に沿って誘導されて、一次噴流ノズル30から噴流して一次噴流ノズル30の下流側に流れた溶融はんだSと隙間53の上方でぶつかる。そのため、一次噴流ノズル30から噴流した溶融はんだSが基板5に付着した後、橋架部材50Aの上方を搬送される基板5にも、溶融はんだSが接触する。これにより、一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル40を接近させたり一体化させたりせずとも、一次噴流ノズル30から噴流して基板5に付着した溶融はんだSが二次噴流ノズル40からの溶融はんだSに接触する前に冷えて固まったり、はんだの酸化物が溶融はんだの波にのって上昇したりしないようにすることができる。そのため、橋架部材50Aにより、
図14(A)に示すように、基板5に付着した溶融はんだSは、スルーホールH内の下方から上方に十分に行き渡った状態で固まるので、良好なはんだ付けをすることができる。よって、一次噴流ノズル30から噴流する溶融はんだSと二次噴流ノズル40から噴流する溶融はんだSそれぞれの作用を維持しつつ、良好なはんだ付けをすることができる。
【0060】
[第2の実施の形態の噴流はんだ槽20Bの構成例]
続いて、各図を参照し、橋架部材は、二次噴流ノズル(第2の噴流ノズル)の上流端であって上方端近傍から一次噴流ノズル(第1の噴流ノズル)の下流端であって上方端近傍に向けて延在して設けられるとともに、前記二次噴流ノズルの上流端であって上方端近傍と前記一次噴流ノズルの下流端であって上方端との距離以上の長さである場合、及び、橋架部材が高さ方向に変更可能な場合の第2の実施の形態の噴流はんだ槽20Bについて説明する。噴流はんだ槽20Bは、噴流はんだ付け装置1に備えられる噴流はんだ槽20の一例であり、
図6に示すように、橋架部材50Aの変形例の橋架部材50Bを備える点で第1の実施の形態の噴流はんだ槽20Aとは異なっている。噴流はんだ槽20Bでは、第1の実施の形態の噴流はんだ槽20Aと同じ部材には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0061】
噴流はんだ槽20Bは、溶融はんだSを収容するはんだ槽本体21を備え、はんだ槽本体21の上方に設けられた一次噴流ノズル30と、一次噴流ノズル30の下流側に配置される第2の噴流ノズルとしての二次噴流ノズル60とをはんだ槽本体21の内部に備える。一次噴流ノズル30の下部には、図示しないダクトを介して図示しない第1のポンプが設置され、二次噴流ノズル60の下部には、図示しないダクトを介して図示しない第2のポンプが設置される。
【0062】
一次噴流ノズル30は、上下が開口したノズル本体部30Aと、噴流口31から溶融はんだSを噴流するために複数の噴流孔32bが設けられているはんだ流形成板32を備える。ノズル本体部30Aは、その内部に、底面が矩形状の空洞部34を有する。
【0063】
二次噴流ノズル60は、上下が開口したノズル本体部60Aを備え、ノズル本体部60Aの上方端の開口である噴流口61から溶融はんだSを噴流する。一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル60の間には、橋架部材50の一例として橋架部材50Bが設けられる。ノズル本体部60Aの下流端60cの上方端60dには、溶融はんだ流を成形して噴流幅を変更する下流形成部66が設けられる。ノズル本体部60Aは、底面が矩形状の空洞部64を有する。
【0064】
噴流口61は、溶融はんだSの液面から上方に突出している。
図7(A)、
図7(B)に示すように、噴流口61には側板62A、62Bが設けられ、側板62A、62Bは、噴流口61よりも上方に突出するため、噴流口61から噴流した溶融はんだSは、基板5の搬送方向に対して直交する向きに流れ落ちない。
【0065】
橋架部材50Bは、ノズル本体部60Aの上流端60aの上方端60b近傍に設けられ、一次噴流ノズル30の下流端30aの上方端30bに向けて延在する。橋架部材50Bは、噴流口61から噴流した溶融はんだSの流れを橋架部材50Bの上面で誘導する誘導部51Bと、誘導部51Bの基板5の搬送方向に対して直行する両端近傍に設けられるサイドガイド52Bと、誘導部51Bの上流端近傍に設けられる孔であるスリット53Bと、誘導部51Bの下流側で折曲し、ノズル本体部60Aに対して取り付けられる取り付け部54Bを有する。
【0066】
誘導部51Bは、二次噴流ノズル60の上流端60aの上方端60b近傍に設けられ、一次噴流ノズル30の下流端30aに向けて延在する。誘導部51Bは、二次噴流ノズル60の上流端60aの上方端60bを起点として搬送レール13に平行に傾斜して延在する傾斜部51eと、傾斜部51eの上流端から噴流口31に対して平行に折曲する折曲部51fとを有する。誘導部51を誘導される溶融はんだSの流れ方向に対する誘導部51Bの長さは、一次噴流ノズル30の下流端30aの上方端30bと二次噴流ノズル60の上流端60aの上方端60bの距離よりも長く設定される。誘導部51Bの基板5の搬送方向に対して直交する幅d5は、噴流口61の基板5の搬送方向に対して直交する幅d6と同じ長さである。折曲部51fの上流端51gは、ノズル本体部30Aの下流端30a側の壁の上に載置されて図示しないネジでとめられる。折曲部51fには、スリット53Bが基板5の搬送方向に直交する向きに沿って長い孔となるように設けられている。スリット53Bは、一次噴流ノズル30の下流端30aより下流側に設けられる。
【0067】
サイドガイド52Bは、上方に折曲し、基板5の搬送方向に沿う誘導部51Bの全長にわたって設けられる。サイドガイド52Bは、誘導部51B上を移動する溶融はんだSが、基板5の搬送方向に対して直交する向きに流れ落ちないように規制して、誘導部51の溶融はんだSの流れの表面を平滑にする。この誘導部51のサイドガイド52Bに連接して二次噴流ノズル60の側板62A、62Bが設けられているので、誘導部51のサイドガイド52B及び二次噴流ノズル60の側板62A、62Bによって、溶融はんだSが、基板5の搬送方向に対して直交する向きに流れ落ちないように規制されている。
【0068】
一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル60から噴流する溶融はんだSが互いに干渉しないように、且つ、一次噴流ノズル30から噴流して基板5に付着した溶融はんだSが冷えて固まらないようにするため、スリット53Bの上流側から下流側までの長さは、例えば5mm以上7mm以下であることが好ましい。スリット53Bは、基板5の搬送方向に直交する向きの全長にわたって設けられるが、全長にわたって設けられることに限られない上に、当該向きに複数に分断されていてもよい。
【0069】
取り付け部54Bには、上下に長い長孔54B1が設けられる。取り付け部54Bは、長孔54B1とノズル本体部60Aの上流端60aの上方に設けられたネジ孔とを介して、二次噴流ノズル60の上流端60aのノズル本体部60A内にボルト55Bで止められる。長孔54B1に対するボルト55Bの取り付ける高さを変更することにより、二次噴流ノズル60に対して橋架部材50Bの取り付けられる高さを上下に変更できる。
【0070】
下流形成部66は、噴流口61から噴流して下流側に流れる溶融はんだSを形成する下流形成板66aと、下流形成板66aをノズル本体部60Aに対して回転させるための軸66bと、下流形成板66aの下流端に取り付けられるはんだ流変更板66cと、はんだ流変更板66cに対して下流形成板66aを挟む位置に設けられる支持板66dと、はんだ流変更板66c、下流形成板66a、支持板66dをこの順で止めるネジ66eと、支持板66dから突出する突出部66fと、突出部66fに開けられたネジ孔に挿通されるボルト66gと、ノズル本体部60Aの下流端60cから突出してボルト66gの軸先を支持する支持板66hとを備える。
【0071】
下流形成板66aは、溶融はんだSの流れを基板5の搬送方向に沿って下流側に誘導する誘導部66a1と、誘導部66a1の下流端である折曲部66a3から上方に向かって折曲する誘導部66a2と、誘導部66a2の下流端で下方に折曲する取付部66a4を有する。誘導部66a1は、軸66bから下方側に向かって延在するため、溶融はんだSの流れを下方に誘導し、誘導部66a2は、上方側に溶融はんだSの流れを誘導する。
【0072】
軸66bは、誘導部66a1の上流端に設けられていて、基板5の搬送方向に対して直交して延在する。軸66bは、ノズル本体部60Aの下流端60cの上方端60dに回転可能に取り付けられる。
【0073】
はんだ流変更板66cには、上下に長い長孔66c1が設けられる。はんだ流変更板66cは、長孔66c1と、取付部66a4に設けられたネジ孔と、支持板66dに設けられたネジ孔とを介して、はんだ流変更板66cが下流形成板66aにネジ66eで止められる。そのため、長孔66c1に対するネジ66eの止める高さを変更することにより、はんだ流変更板66cの下流形成板66aの取付部66a4に対する高さを上下に変更できる。
【0074】
支持板66dは、ネジ66eが螺合するネジ孔を有する取付部66d1と、取付部66d1から折曲する支持部66d2とを有する。支持部66d2から直交して、突出部66fがノズル本体部60Aに対して反対方向に向けて突出する。突出部66fには、支持部66d2から突出する方向に直交して貫通するネジ孔66f1が設けられる。
【0075】
ボルト66gの軸は、下方に延びて、ネジ孔66f1に螺合する。ボルト66gの軸先は、支持板66hに接しており、ボルト66gをボルト66gの頭部が突出部66fに近づく方向又は遠ざかる方向に回転させると、ボルト66gの支持板66hに対する高さは変わらないので、軸66bを支点として、下流形成板66a、はんだ流変更板66c、支持板66d、突出部66fが一体となって回転する。
【0076】
[噴流はんだ槽20Bの動作例]
次に、動作例について説明する。作業者が図示しない操作部71によって各種設定を行って、制御部70によって各部が動作していることを前提とする。噴流はんだ付け装置1全体の動作については、第1の実施の形態において説明したので、省略する。
【0077】
一次噴流ノズル30に接続された図示しない第1の噴流ポンプの駆動により、
図6の黒矢印に示すように、溶融はんだSは、図示しないダクトを介して空洞部34内に入り、ノズル本体部30A内を上昇すると、噴流口31に設けられるはんだ流形成板32の噴流孔32bから噴流する。噴流口31から噴流した溶融はんだSは、搬送レール13によって搬送される基板5に接触して付着し、基板5に溶融はんだSが付着する。噴流口31から噴流し、基板5に付着しなかった溶融はんだSは、ノズル本体部30Aの上流側やスリット53Bから流れ落ちて、はんだ槽本体21に溜められた溶融はんだSの液面に戻る。
【0078】
二次噴流ノズル60に接続された図示しない第2の噴流ポンプが駆動すると、溶融はんだSは、図示しないダクトを介して空洞部64内に入り、二次噴流ノズル60内を上昇すると、噴流口61から噴流する。噴流口61から噴流した溶融はんだSは、搬送レール13によって搬送される基板5と接触して付着し、はんだ付けされる。一次噴流ノズル30によってはんだ付けされた基板5にはんだ付け不良が発生した場合、二次噴流ノズル60からの穏やかな溶融はんだSの流れが、そのはんだ付け不良を修正する。噴流口61から噴流した溶融はんだSのうち、噴流口61の上流側に流れた溶融はんだSは、誘導部51B上を基板5の搬送方向に対して平行に一次噴流ノズル30側に流れ、スリット53Bから流れ落ちて、はんだ槽本体21に溜められた溶融はんだSの液面に戻る。誘導部51Bを搬送レール13と平行に設けたとともに、誘導部51B上には溶融はんだSの流れに逆らうものがないため、誘導部51B上を流れる溶融はんだSは、基板5の搬送方向に沿う平坦な波を形成できる。よって、誘導部51B上を通る基板5に対して、基板5の温度低下を抑制できるので、一次噴流ノズル30によって付着した溶融はんだSが冷えて固化することが無いため、続く二次噴流ノズル60によって均一なはんだ付けを行うことができる。
【0079】
基板5に付着しなかった溶融はんだSのうち、噴流口61の下流側に流れた溶融はんだSは、下流形成部66上を通り、はんだ流変更板66cの下流側から流れ落ちて、はんだ槽本体21に溜められた溶融はんだSの液面に戻る。
【0080】
[橋架部材50Bの動作例]
続いて、橋架部材50Bの動作について説明すると、
図8(A)は、ノズル本体部60Aに対して橋架部材50Bを取り付ける高さが最も低くなるように、長孔54B1の最も上方にボルト55Bを止めた状態を示す。
【0081】
図8(A)に示した状態から、一次噴流ノズル30の下流端30a側の壁上に誘導部51Bを止めていた図示しないネジを外し、ボルト55Bを長孔54B1の下方に止めかえると、
図8(B)に示すように、ノズル本体部60Aに対して橋架部材50Bを取り付ける高さが高くなる。このとき、誘導部51Bの上流端51gは、一次噴流ノズル30の上方端30bよりも上方に離れる。ノズル本体部60Aに対して橋架部材50Bを取り付ける高さを高くすると、噴流口61から噴流して誘導部51Bを流れる溶融はんだSの高さが
図8(A)のときと比べて高くなる。このように、ノズル本体部60Aに対して橋架部材50Bの取り付ける高さを変更することで、溶融はんだSの噴流高さを変更することができる。
【0082】
図8(B)に示した状態から、
図8(C)に示すように、ノズル本体部60Aの上流側の内壁と取り付け部54Bとの間に、板部材56を挟んでもよい。板部材56を挟むことにより、噴流口61が狭くなるため、ポンプの駆動力を変更することなく、溶融はんだSの噴流する勢いを強くすることができる。更に、板部材56を挟むことにより、橋架部材50Bが下流側に移動するため、溶融はんだSの形状を変更することができる。
【0083】
本実施の形態では、橋架部材50Bが一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル60の間に設けられることにより、噴流口61から噴流して二次噴流ノズル60の上流側に流れる溶融はんだSは、一次噴流ノズル30に向かって基板5の搬送方向に沿って誘導され、スリット53Bの上方で一次噴流ノズル30から噴流して一次噴流ノズル30の下流側に流れた溶融はんだSとぶつかる。そのため、一次噴流ノズル30から噴流した溶融はんだSが基板5に付着した後、橋架部材50Bの上方を搬送される基板5にも、溶融はんだSが接触する。これにより、一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル60を接近させたり一体化させたりせずとも、一次噴流ノズル30から噴流して基板5に付着した溶融はんだSが二次噴流ノズル60からの溶融はんだSに接触する前に冷えて固まったり、はんだの酸化物が溶融はんだの波にのって上昇したりしないようにすることができる。そのため、橋架部材50Bにより、
図14(A)に示すように、基板5に付着した溶融はんだSは、スルーホールH内の下方から上方に十分に行き渡った状態で固まるので、良好なはんだ付けをすることができる。よって、一次噴流ノズル30から噴流する溶融はんだSと二次噴流ノズル60から噴流する溶融はんだSそれぞれの作用を維持しつつ、良好なはんだ付けをすることができる。
【0084】
図8(A)〜
図8(C)に示したように、橋架部材50Bは、二次噴流ノズル60に対して取り付ける高さと取り付ける位置を変更することができるため、誘導部51B上を誘導される溶融はんだSの高さを変えることができる。そのため、一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル60の設置条件や噴流条件等の諸条件に対応することが可能となる。
【0085】
また、橋架部材50Bは、従来の二次噴流ノズルのノズル本体部の上流側の壁にネジ孔を開けることで、従来の二次噴流ノズルに対しても容易に取り付け、取り外すことができる。
【0086】
[下流形成部66の動作例]
ここで、下流形成部66の動作について説明する。
図9(A)は、はんだ流変更板66cを下流形成板66aに対して最も低く取り付けるように、長孔66c1の最も上方にネジ66eを止めた状態を示す。この状態において、噴流口61から上方の搬送レール13に向けて噴流して下流側に流れた溶融はんだSは、誘導部66a1、66a2上を誘導されて、はんだ流変更板66cの上方でやや上方に押し上げられ、はんだ流変更板66cの下流端から落ちる。
【0087】
この状態から、ネジ66eを長孔66c1の最も下方に止めかえると、
図9(B)に示すように、はんだ流変更板66cを取り付ける高さが下流形成板66aに対して最も高くなる。この状態において、噴流口61から上方に噴流し、誘導部66a1、66a2上を誘導された溶融はんだSは、はんだ流変更板66cの上方で
図9(A)に示した状態よりも上方に押し上げられた後、はんだ流変更板66cの下流端から落ちる。
【0088】
また、
図9(A)に示した状態から、作業者がボルト66gの頭部を突出部66fから離れるように回転させると、ボルト66gの軸に対して突出部66fが下方に移動するように、下流形成板66a、支持板66d、はんだ流変更板66c、突出部66fが一体となって軸66bを支点に回転する。すると、
図9(C)に示すように、支持板66dの下方端がノズル本体部60Aの下流端60cに近づいて、下流形成部66が搬送レール13から遠ざかる方向に回転する。
図9(A)の状態から
図9(C)の状態に下流形成部66を回転させるのに限られず、図示しないが、ボルト66gの頭部を突出部66fから離れる方向に回転させることで、下流形成部66を搬送レール13に近づける方向に回転させてもよい。もちろん、下流形成部66を回転させた状態から、下流形成板66aに対してはんだ流変更板66cを取り付ける高さを変更しても良い。
【0089】
このように、下流形成部66は、ノズル本体部60Aに対して回転できる上に、下流形成板66aに対してはんだ流変更板66cの高さを変えることができるため、下流形成板66aとはんだ流変更板66c上を通る溶融はんだSの、形と高さを変えることができる。そのため、二次噴流ノズル60は、基板のサイズや基板に搭載される電子部品に応じて基板5に対して噴流する溶融はんだSとの接触量と接触時間を変更することができる。
【0090】
本実施の形態において下流形成板66aを折曲する構成としたが、これに限られない。折曲部66a3を設けたことにより、噴流口61から噴流した溶融はんだSは、誘導部66a1から折曲部66a3に向けて流れ、折曲部66a3で溜まった後に誘導部66a2に流れる。そのため、平板状の下流形成板よりも溶融はんだSが下流側に誘導されやすい上に、折曲部66a3で溶融はんだSが溜められることにより、下流形成板上において基板5が溶融はんだSから離れる点、いわゆるピールバック・ポイントの調整を容易にすることができる。
【0091】
[第3の実施の形態の噴流はんだ槽20Cの構成例]
続いて、各図を参照し、上記第2の実施の形態に対して、更に橋架部材が回転可能に配される、第3の実施の形態の噴流はんだ槽20Cについて説明する。噴流はんだ槽20Cは、噴流はんだ付け装置1に備えられる噴流はんだ槽20の一例であり、
図10に示すように、橋架部材50A、50Bの変形例の橋架部材50Cを備える。噴流はんだ槽20Cでは、第1、2の実施の形態の噴流はんだ槽20A、20Bと同じ部材には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0092】
噴流はんだ槽20Cは、溶融はんだSを収容するはんだ槽本体21を備え、はんだ槽本体21の上方に設けられた一次噴流ノズル30と、一次噴流ノズル30の下流側に配置される第2の噴流ノズルとしての二次噴流ノズル80とをはんだ槽本体21の内部に備える。一次噴流ノズル30の下部には、図示しないダクトを介して図示しない第1のポンプ(噴流ポンプともいう)が設置され、二次噴流ノズル80の下部には、図示しないダクトを介して図示しない第2のポンプ(噴流ポンプともいう)が設置される。
【0093】
一次噴流ノズル30は、上下が開口したノズル本体部30Aと、噴流口31から溶融はんだSを噴流するために複数の噴流孔32bが設けられているはんだ流形成板32を備える。ノズル本体部30Aは、その内部に、底面が矩形状の空洞部34を有する。
【0094】
二次噴流ノズル80は、上下が開口したノズル本体部80Aを備え、ノズル本体部80Aの上方端の開口である噴流口81から溶融はんだSを噴流する。噴流口81は、溶融はんだSの液面から上方に突出している。一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル80の間には、橋架部材50の一例として橋架部材50Cが設けられる。ノズル本体部80Aの下流端80cの上方端80dには、溶融はんだ流を成形して噴流幅を変更する下流形成部86が設けられる。ノズル本体部80Aは、底面が矩形状の空洞部84を有する。
【0095】
噴流口81は、溶融はんだSの液面から上方に突出している。
図11(A)、
図11(B)に示すように、噴流口81には、側板82A、82Bが設けられる。側板82A、82Bは、上流側の上方に、上下に長い長孔82cを互いに対向する位置に有する。側板82A、82Bは、噴流口81よりも上方に突出するため、噴流口81から噴流した溶融はんだSは、基板5の搬送方向に対して直交する向きに流れ落ちない。
【0096】
橋架部材50Cは、噴流口81から噴流した溶融はんだSの流れを橋架部材50Cの上面で誘導する誘導部51Cと、誘導部51Cの基板5の搬送方向に対して直行する両端近傍に設けられるサイドガイド52Cと、誘導部51Cの上流端近傍に設けられる凹部53Cと、誘導部51Cの下流側に設けられて、ノズル本体部80Aに対して橋架部材50Cを回転させる回転部54Cと有する。
【0097】
誘導部51Cは、二次噴流ノズル80の上流端80aの上方端80b近傍に設けられ、一次噴流ノズル30の下流端30aの上方端30bに向けて延在する。誘導部51Cを誘導される溶融はんだSの流れ方向に対する誘導部51Cの長さは、一次噴流ノズル30の下流端30aの上方端30bと二次噴流ノズル80の上流端80aの上方端80bの距離よりも長く設定される。誘導部51Cの基板5の搬送方向に対して直交する幅d7は、噴流口81の基板5の搬送方向に対して直交する幅d8と同じ長さである。誘導部51Cは、二次噴流ノズル80の上流端80aの上方端80bの上方を起点として搬送レール13に平行に傾斜して延在する傾斜部51mと、傾斜部51mの上流端から噴流口31に対して平行に折曲する折曲部51nとを有する。折曲部51nの上流端51iには、爪部55Cが設けられる。爪部55Cは、折曲部51nの他の部分よりも厚みが薄くなっていて、爪部55Cが、一次噴流ノズル30の下流端30a側の壁の上に載置され、図示しないネジで一次噴流ノズル30上にとめられる。折曲部51nには、爪部55Cが一次噴流ノズル30上に載置された場合に、基板5の搬送方向に直交する方向に沿う長い孔となるように凹部53Cが設けられている。
【0098】
サイドガイド52Cは、上方に折曲し、基板5の搬送方向に沿う誘導部51Cの全長にわたって設けられる。サイドガイド52Cは、誘導部51C上を移動する溶融はんだSが、基板5の搬送方向に対して直交する向きに流れ落ちないように規制して、誘導部51Cの溶融はんだSの流れの表面を平滑にする。
【0099】
この誘導部51Cのサイドガイド52Cに連接して二次噴流ノズル80の側板82A、82Bが設けられているので、誘導部51Cのサイドガイド52C及び二次噴流ノズル80の側板82A、82Bによって、溶融はんだSが、基板5の搬送方向に対して直交する向きに流れ落ちないように規制されている。
【0100】
一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル80から噴流する溶融はんだSが互いに干渉しないように、且つ、一次噴流ノズル30から噴流して基板5に付着した溶融はんだSが冷えて固まらないようにするため、爪部55Cが一次噴流ノズル30上にネジ止めされているときに凹部53Cが形成する孔の上流側から下流側までの長さd9は、例えば5mm以上7mm以下であることが好ましい。凹部53Cは、誘導部51C上を流れてきた溶融はんだSを落とす孔を形成する。本例では凹部53Cは、基板5の搬送方向に直交する向きに2箇所設けられているが、凹部53Cは2箇所に限られない。
【0101】
回転部54Cは、誘導部51Cの下流端51jから折曲する上流形成部54aと、上流形成部54aを誘導部51Cと一体にノズル本体部80Aに対して回転させるための軸54bと、軸54bから上流形成部54aに対して直交して延在してノズル本体部80Aに対して取り付けられる取り付け部54cと、取り付け部54cにネジ止めされて軸にネジ孔54dを有するボルト54eと、ネジ孔54dに螺合するボルト54fとを備える。
【0102】
上流形成部54aは、噴流口81から噴流して上流側に流れる溶融はんだSを形成し、誘導部51Cに誘導する。上流形成部54aは、ノズル本体部80Aの上流端80aの上方に設けられ、軸54bを支点として回転できるように、上方端80bからやや上方に離れている。
【0103】
軸54bは、基板5の搬送方向に対して直交するように延在し、ノズル本体部80Aの上流端80aの上方に設けられる。軸54bの両端は、側板82A、82Bに設けられた長孔82cに挿通され、軸54bは、側板82A、82Bに対して回転及び上下移動可能となっている。
【0104】
取り付け部54cには、上下に長い長孔54c1が設けられる。回転部54Cは、長孔54c1とノズル本体部80Aの上流端80a側の壁に設けられたネジ孔とを介して、取り付け部54cが二次噴流ノズル80にボルト54eで止められる。そのため、長孔54c1に対するボルト54eの取り付ける高さを変更することにより、取り付け部54cの二次噴流ノズル80に対して取り付けられる高さを上下に変更できる。
【0105】
ボルト54fは、誘導部51Cに頭部が埋め込まれており、誘導部51C上を流れる溶融はんだSの流れを妨げない。
【0106】
図10、11(A)に示すように、下流形成部86は、第2の実施の形態で説明した下流形成部66から、はんだ流変更板66cを省略したものであり、下流形成部86は、噴流口81から噴流して下流側に流れる溶融はんだSを形成する下流形成板66aと、下流形成板66aをノズル本体部60Aに対して回転させるための軸66bと、下流形成板66aに対してノズル本体部80A側に設けられる支持板66dと、下流形成板66aと支持板66dを止めるネジ66eと、支持板66dから突出する突出部66fと、突出部66fに開けられたネジ孔に挿通されるボルト66gと、ノズル本体部80Aの下流端80cから突出してボルト66gの軸先を支持する支持板66hとを備える。
【0107】
下流形成板66aは、溶融はんだSの流れを基板5の搬送方向に沿って下流側に誘導する誘導部66a1と、誘導部66a1の下流端である折曲部66a3から上方に向かって折曲する誘導部66a2と、誘導部66a2の下流端で下方に折曲する取付部66a4を有する。軸66bは、ノズル本体部80Aの下流端80cの上方端80dに回転可能に取り付けられる。
【0108】
ボルト66gの軸先は、支持板66hに接しており、ボルト66gをボルト66gの頭部が突出部66fに近づく方向又は遠ざかる方向に回転させると、ボルト66gの支持板66hに対する高さは変わらないので、軸66bを支点として、下流形成板66a、支持板66d、突出部66fが一体となって回転する。
【0109】
[噴流はんだ槽20Cの動作例]
次に、動作例について説明する。作業者が図示しない操作部71によって各種設定を行って、制御部70によって各部が動作していることを前提とする。噴流はんだ付け装置1全体の動作については、第1の実施の形態において説明したので、省略する。
【0110】
一次噴流ノズル30に接続された噴流ポンプの駆動により、
図10の黒矢印に示すように、溶融はんだSは、空洞部34内に入り、ノズル本体部30A内を上昇すると、噴流口31に設けられるはんだ流形成板32の噴流孔32bから噴流する。噴流口31から噴流した溶融はんだSは、搬送レール13によって搬送される基板5に接触して付着し、基板5がはんだ付けされる。噴流口31から噴流し、基板5に付着しなかった溶融はんだSは、ノズル本体部30Aの上流側や凹部53Cの形成する孔から流れ落ちて、はんだ槽本体21に溜められた溶融はんだSの液面に戻る。
【0111】
二次噴流ノズル80に接続された図示しない噴流ポンプが駆動すると、溶融はんだSは、図示しないダクトを介して空洞部84内に入り、二次噴流ノズル80内を上昇すると、噴流口81から噴流する。噴流口81から噴流した溶融はんだSは、搬送レール13によって搬送される基板5と接触して付着し、はんだ付けされる。一次噴流ノズル30によってはんだ付けされた基板5にはんだ付け不良が発生した場合、二次噴流ノズル80からの穏やかな溶融はんだSの流れが、そのはんだ付け不良を修正する。噴流口81から噴流した溶融はんだSのうち、噴流口81の上流側に流れた溶融はんだSは、上流形成部54aから誘導部51C上に誘導され、誘導部51C上を基板5の搬送方向に対して平行に一次噴流ノズル30側に流れた後、凹部53Cの形成する孔から流れ落ちて、はんだ槽本体21に溜められた溶融はんだSの液面に戻る。上流形成部54a上と誘導部51C上には、溶融はんだSの流れに逆らうものがないため、誘導部51C上を流れる溶融はんだSは、基板5の搬送方向に沿う平坦な波を形成できる。更に、誘導部51Cを搬送レール13と平行に設けたことにより、誘導部51C上を通る基板5に対して、基板5の温度低下を抑制できるので、一次噴流ノズル30によって付着した溶融はんだSが冷えて固化することが無いため、続く二次噴流ノズル80によって均一なはんだ付けを行うことができる。
【0112】
基板5に付着しなかった溶融はんだSのうち、噴流口81の下流側に流れた溶融はんだSは、下流形成部86上を通り、その下流側から流れ落ちて、はんだ槽本体21に溜められた溶融はんだSの液面に戻る。下流形成部86の回転動作については、下流形成部66で説明したため、省略する。下流形成部86は、ノズル本体部80Aに対して回転できるため、下流形成板66aとはんだ流変更板66c上を通る溶融はんだSの、形と高さを変えることができる。そのため、二次噴流ノズル80は、基板のサイズや基板に搭載される電子部品に応じて基板5に対して噴流する溶融はんだSとの接触量と接触時間を変更することができる。
【0113】
[橋架部材50Cの動作例]
続いて、橋架部材50Cの動作について説明する。
図12(A)は、ノズル本体部80Aに対して橋架部材50Cの取り付ける高さが最も低くなるように、長孔54c1の最も上方にボルト5eを止めた状態を示す。この状態において、搬送レール13と誘導部51Cは平行に位置している。
【0114】
図12(A)に示した状態から、爪部55Cに止められていた図示しないネジを外し、ボルト54fのネジ孔54dに対する螺合の位置を変えて、ボルト54eを長孔54c1の下方に止めかえると、
図12(B)に示すように、ノズル本体部80Aに対して橋架部材50Cを取り付ける高さが高くなる。このように、橋架部材50Cの取り付ける高さを高くすることで、溶融はんだSの噴流高さを高くすることができる。図示しないが、反対に、ノズル本体部80Aに対して橋架部材50Cの取り付ける高さを低くすれば、溶融はんだSの噴流高さを低くすることができる。
【0115】
図12(A)に示した状態から、
図13(A)に示すように、爪部55Cに止められていた図示しないネジを外し、ボルト54eを緩めて、ノズル本体部80Aの上流側の内壁と取り付け部54cとの間に緩衝材56Cを挟むと、噴流口81が狭くなるため、ポンプの駆動力を変更することなく、溶融はんだSの噴流する勢いを強くすることができる。更に、緩衝材56Cを挟むことにより、橋架部材50Cが下流側に移動して凹部53Cが形成する孔の大きさが大きくなるため、基板5の搬送方向に沿った溶融はんだSの形状を変更することができる。緩衝材56Cの厚みは、爪部55Cの上流端51iから下流端までの長さと同じ程度又はそれよりも薄いことが好ましく、緩衝材56Cをノズル本体部80Aと取り付け部54cとの間で挟んだときに、爪部55Cの上流端51iが一次噴流ノズル30の下流端30aの上方端30bに接する又は、爪部55Cの上流端51iが上方端30bに載置されることが好ましい。
【0116】
図13(A)示した状態から、
図13(B)に示すように、ボルト54fをボルト54eに近づける方向に回転させると、軸54bを支点として、爪部55Cが搬送レール13に対して離れる下方に回転する。図示しないが、反対に、ボルト54fをボルト54eから離れる方向に回転させると、軸54bを支点として、爪部55Cが搬送レール13に対して近づく上方に回転する。
【0117】
このように、橋架部材50Cは、二次噴流ノズル80に対して取り付ける高さ、取り付ける位置、取り付ける角度を変更することができる。そのため、橋架部材50C上を通る溶融はんだSの、高さと形を変えることができる。そのため、二次噴流ノズル80は、噴流口81から基板5に対して噴流する溶融はんだSとの接触量と接触時間を変更することができる。また、本実施の形態では橋架部材50Cと下流形成部66設けたことで、噴流口81に対する上流側と下流側の両方で、流れる溶融はんだSの高さを変えることができる。そのため、一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル80の設置条件や噴流条件等の諸条件に対応することが可能となる。
【0118】
本実施の形態では、橋架部材50Cが一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル80の間に設けられることにより、噴流口81から噴流して二次噴流ノズル80の上流側に流れる溶融はんだSは、一次噴流ノズル30に向かって上流形成部54aと誘導部51C上を誘導され、凹部53Cの上方で一次噴流ノズル30から噴流して一次噴流ノズル30の下流側に流れた溶融はんだSとぶつかる。そのため、一次噴流ノズル30から噴流した溶融はんだSが基板5に付着した後、橋架部材50Cの上方を搬送される基板5にも、溶融はんだSが接触する。これにより、一次噴流ノズル30と二次噴流ノズル80を接近させたり一体化させたりせずとも、一次噴流ノズル30から噴流して基板5に付着した溶融はんだSが二次噴流ノズル80からの溶融はんだSに接触する前に冷えて固まったり、はんだの酸化物が溶融はんだの波にのって上昇しないようにすることができる。そのため、橋架部材50Cにより、
図14(A)に示すように、基板5に付着した溶融はんだSは、スルーホールH内の下方から上方に十分に行き渡った状態で固まるので、良好なはんだ付けをすることができる。よって、一次噴流ノズル30から噴流する溶融はんだSと二次噴流ノズル80から噴流する溶融はんだSそれぞれの作用を維持しつつ、良好なはんだ付けをすることができる。
【0119】
橋架部材50Cは、従来の二次噴流ノズルのノズル本体部の上流側の壁にネジ孔を開けることで、従来の二次噴流ノズルに対しても容易に取り付け、取り外すことができる。
【0120】
上述した各実施の形態において、隙間53、スリット53B又は凹部53Cを設けたことにより、それぞれの二次噴流ノズルから噴流して誘導部51、51B、51Cを流れてきた溶融はんだSと一次噴流ノズル30から噴流した溶融はんだSとがぶつかっても、隙間53、スリット53B又は凹部53Cから落ちる。そのため、互いの噴流ノズルから噴流する溶融はんだSどうしがぶつかった影響が基板5に及ぶことがない。また、基板5の上方にまで溶融はんだSが上昇する、オーバーフローを抑制することができる。
【0121】
上述した実施の形態において、各誘導部にはサイドガイドを設け、サイドガイドが、基板5の搬送方向に沿う誘導部の全長にわたって設けられるものとしたが、これに限られない。誘導部の上流端近傍のサイドガイドを切り欠き、切り欠いた部分から溶融はんだSをはんだ槽本体21に収容される溶融はんだSの液面に向けて落とすようにしてもよい。サイドガイドに隙間53、スリット53B又は凹部53Cと同様の役目を果たすような切り欠きを設けた場合、隙間53、スリット53B又は凹部53Cを必ずしも設けなくてもよい。
【0122】
また、橋架部材は、二次噴流ノズル(第2の噴流ノズル)の上流端であって上方端近傍から、一次噴流ノズル(第1の噴流ノズル)の下流端であって上方端近傍に向けて延在して設けた場合について説明したが、これに限定されることなく、橋架部材は、二次噴流ノズルから噴流して二次噴流ノズルの上流側に流れる溶融はんだを一次噴流ノズルに対する下流方向に誘導するとともに、一次噴流ノズルから噴流した溶融はんだと干渉し合わないように、噴流はんだ槽側に溶融はんだを戻すための隙間、スリット、凹部等を一次噴流ノズルの下流端であって上方端に有する構成であれば良い。
【0123】
更に、橋架部材は、一次噴流ノズル(第1の噴流ノズル)の下流端であって上方端近傍から、二次噴流ノズル(第2の噴流ノズル)の上流端であって上方端近傍に向けて延在して設けるとともに、高さ変更可能、回転可能なように構成しても良い。この場合、橋架部材は、一次噴流ノズルから噴流して一次噴流ノズルの下流側に流れる溶融はんだを二次噴流ノズル側に誘導する構成であれば良い。またこの場合、橋架部材には、一次噴流ノズルの下流端であって上方端近傍に上記したスリット53B又は凹部53Cを設ければ良いし、また、隙間53、スリット53B又は凹部53Cと同様の役目を果たすような切り欠きをサイドガイドに設けた場合、隙間53、スリット53B又は凹部53Cを必ずしも設けなくてもよい。
【0124】
上述した実施の形態において、各二次噴流ノズルに下流形成部46、下流形成部66又は下流形成部86を設けたが、下流形成部46、66、86の構成は上述した例に限られない。下流形成部46、66、86は、省略してもよいし、二次噴流ノズルの下流端の上方端に、橋架部材50Aのように接合されていてもよいし、橋架部材50Bと構成を同じくして上下移動できるように取り付けられていてもよいし、橋架部材50Cと構成を同じくして回転及び移動できるように取り付けられていてもよい。
【0125】
上述した実施の形態において、基板5には、スルーホールHが設けられているものとし、本発明は、スルーホールH内に溶融はんだSを十分に濡れ上がらせることができるものとしたが、これに限られない。スルーホールHが設けられていない基板に対しても、良好なはんだ付けを行うことができる。