(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1基板の一方面側に画素電極が設けられた一方側基板と、前記一方側基板に対向する第2基板の前記一方側基板側の面に共通電位が印加される共通電極が設けられた他方側基板と、前記一方側基板と前記他方側基板との間に設けられた電気光学層と、を有し、
前記一方側基板は、
前記第1基板と前記画素電極との間に設けられた半導体層、前記半導体層に対して前記画素電極側に設けられたゲート電極、前記画素電極と前記半導体層との間に設けられ、前記半導体層のソース領域に電気的に接続されたソース電極、および前記画素電極と前記半導体層との間に設けられ、前記半導体層のドレイン領域に電気的に接続されたドレイン電極を備えた画素トランジスターと、
第1方向に延在し、前記ゲート電極に電気的に接続する第1走査線と、
前記半導体層と前記画素電極との間で前記第1方向に対して交差する第2方向に延在し、前記ソース電極に電気的に接続するデータ線と、
前記ゲート電極を前記画素電極側から覆う第1層間絶縁膜と、
前記第1層間絶縁膜の前記画素電極側の面で前記ゲート電極に平面視で重なるように延在し、前記共通電位が印加される第1容量線と、
前記第1容量線を前記画素電極側から覆い、前記第1容量線と平面視で重なる第1凹部が形成された第2層間絶縁膜と、
前記第1凹部の底部から前記第2層間絶縁膜の前記画素電極側の面まで設けられ、前記第1凹部の底部で前記第1容量線に電気的に接続された第1容量電極と、
前記第1容量電極に前記画素電極側から重なり、前記ドレイン電極および前記画素電極に電気的に接続された第2容量電極と、
前記第1容量電極と前記第2容量電極との間に設けられ、前記第1容量電極および前記第2容量電極と第1保持容量を構成する第1誘電体層と、
を有し、
前記ソース電極および前記ドレイン電極は、前記第1層間絶縁膜の前記画素電極側の面に前記第1容量線と同一の導電層によって構成されていることを特徴とする電気光学装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載の保持容量を特許文献1に記載の電気光学装置に適用すれば、高い保持容量を得ることができるが、その場合、ゲート電極と画素電極との間に位置する層間絶縁膜(第2層間絶縁膜)においてゲート電極と平面視で重なる領域に保持容量を構成するための凹部が形成される。ここで、層間絶縁膜に凹部を形成するには、層間絶縁膜を厚くする必要があるため、その分、ゲート電極と、ドレイン電位が印加される電極との間に介在する層間絶縁膜(第1層間絶縁膜)については、膜厚を薄くする必要がある。それ故、走査信号が供給されるゲート電極と、ドレイン電位が印加される下部電極との間で電気的なカップリングが発生しやすくなり、かかるカップリングは、画素トランジスターを誤動作させるおそれがあるため、好ましくない。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ゲート電極と平面視で重なる領域に凹部を利用した保持容量を形成した場合でも、ゲートとドレインとの電気的なカップリングの発生を抑制することができる電気光学装置、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の電気光学装置の一態様は、第1基板の一方面側に画素電極が設けられた一方側基板と、前記一方側基板に対向する第2基板の前記一方側基板側の面に共通電位が印加される共通電極が設けられた他方側基板と、前記一方側基板と前記他方側基板との間に設けられた電気光学層と、を有し、前記一方側基板は、前記第1基板と前記画素電極との間に設けられた半導体層、前記半導体層に対して前記画素電極側に設けられたゲート電極、前記画素電極と前記半導体層との間に設けられ、前記半導体層のソース領域に電気的に接続されたソース電極、および前記画素電極と前記半導体層との間に設けられ、前記半導体層のドレイン領域に電気的に接続されたドレイン電極を備えた画素トランジスターと、前記第1方向に延在し、前記ゲート電極に電気的に接続する第1走査線と、前記半導体層と前記画素電極との間で前記第1方向に対して交差する第2方向に延在し、前記ソース電極に電気的に接続するデータ線と、前記ゲート電極を前記画素電極側から覆う第1層間絶縁膜と、前記第1層間絶縁膜の前記画素電極側の面で前記ゲート電極に平面視で重なるように延在し、前記共通電位が印加される第1容量線と、前記第1容量線を前記画素電極側から覆い、前記第1容量線と平面視で重なる第1凹部が形成された第2層間絶縁膜と、前記第1凹部の底部から前記第2層間絶縁膜の前記画素電極側の面まで設けられ、前記第1凹部の底部で前記第1容量線に電気的に接続された第1容量電極と、前記第1容量電極に前記画素電極側から重なり、前記ドレイン電極および前記画素電極に電気的に接続された第2容量電極と、前記第1容量電極と前記第2容量電極との間に設けられ、前記第1容量電極および前記第2容量電極と第1保持容量を構成する第1誘電体層と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明において、第1保持容量は、第2層間絶縁膜に形成された第1凹部の底部や内壁等で重なる第1容量電極、第1誘電体層、および第2容量電極によって構成されているため、占有する平面積が狭い場合でも、大きな静電容量を有している。かかる構成の場合、第2層間絶縁膜については、厚くする必要があるため、第1層間絶縁膜については、膜厚を薄くする必要があるが、第1層間絶縁膜の画素電極側の面に形成されているのは、第1容量線であり、ドレイン電位が印加される第2容量電極とゲート電極との間は、第1容量線によってシールドされている。従って、ゲートとドレインとの電気的なカップリングの発生を抑制することができる。
【0008】
本発明において、前記ソース電極および前記ドレイン電極は、前記第1層間絶縁膜の前記画素電極側の面に前記第1容量線と同一の導電層によって構成されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、同一の導電層によって、ソース電極、ドレイン電極、および第1容量線を同一の工程で形成することができる。
【0009】
本発明において、前記一方側基板は、前記第2容量電極と前記画素電極との間で延在し、前記共通電位が印加される第2容量線と、前記第2容量線を前記画素電極側から覆い、前記第2容量線と平面視で重なる第2凹部が形成された第3層間絶縁膜と、前記第2凹部の底部から前記第3層間絶縁膜の前記画素電極側の面まで設けられ、前記第2凹部の底部で前記第2容量線に電気的に接続された第3容量電極と、前記第2容量電極に前記画素電極側から重なり、前記ドレイン電極および前記画素電極に電気的に接続された第4容量電極と、前記第3容量電極と前記第4容量電極との間に設けられ、前記第3容量電極および前記第4容量電極と第2保持容量を構成する第2誘電体層と、を有する態様を採用することができる。かかる態様によれば、一方側基板には、第3層間絶縁膜に形成された第2凹部の底部や内壁等で重なる第3容量電極、第2誘電体層、および第4容量電極によって第2保持容量が形成されており、第2保持容量は、占有する平面積が狭い場合でも、大きな静電容量を有している。従って、本発明を適用した電気光学装置は、並列に電気的に接続された第1保持容量と第2保持容量とを有するため、保持容量の静電容量が大きい。それ故、品位の高い画像を表示することができる。
【0010】
本発明において、前記第2容量線は、前記データ線と重なるように前記第2方向に延在している態様を採用することができる。かかる態様によれば、第2容量線を、データ線とともに、画素電極側からの半導体層に対する遮光に利用することができる。
【0011】
本発明において、前記第2層間絶縁膜の前記画素電極側の面が平面になっている態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1容量電極、第1誘電体層、および第2容量電極を適正に形成することができるとともに、第2容量線、第3容量電極、第2誘電体層、および第4容量電極を適正に形成することができる。
【0012】
本発明において、前記第1走査線は、前記半導体層と前記第1層間絶縁膜との間で前記第1方向に延在しており、前記第1容量線は、前記第1走査線に平面視で重なるように前記第1方向に延在している態様を採用することができる。本発明によれば、第1走査線と、ドレイン電位が印加された電極との間の電気的なカップリングの発生を抑制することができるので、第1容量線を、第1走査線とともに、画素電極側からの半導体層に対する遮光に利用することができる。
【0013】
本発明において、前記一方側基板は、前記第1基板と前記半導体層との間で前記第1走査線と重なるように前記第1方向に延在する第2走査線と、前記半導体層と前記第2走査線との間に設けられた第4層間絶縁膜と、を有し、前記第1走査線は、前記第4層間絶縁膜を貫通する第1コンタクトホールを介して前記第2走査線と電気的に接続されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1走査線および第2走査線によって冗長配線を構成することができるとともに、第2走査線を第1基板側からの半導体層に対する遮光に利用することができる。
【0014】
本発明において、前記第1層間絶縁膜は、前記半導体層と前記第1容量線との間に設けられた第5層間絶縁膜と、前記第5層間絶縁膜と前記第1容量線との間に設けられた第6層間絶縁膜と、を備え、前記ゲート電極は、前記第1層間絶縁膜のうち、前記第5層間絶縁膜と前記半導体層との間に設けられ、前記第1走査線は、前記第1層間絶縁膜のうち、前記第5層間絶縁膜と前記第6層間絶縁膜との間に設けられ、前記第5層間絶縁膜には、前記第1走査線と前記ゲート電極とを電気的に接続する第2コンタクトホールが形成されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、ゲート電極の形状等にかかわらず、第1走査線の形状等を信号の伝達や遮光に適正した構成とすることができる。
【0015】
本発明に係る電気光学装置は、各種電子機器に用いられる。本発明では、電子機器のうち、投射型表示装置に電気光学装置を用いる場合、投射型表示装置には、電気光学装置に供給される光を出射する光源部と、電気光学装置によって変調された光を投射する投射光学系と、が設けられる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明において、一方側基板に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは基板が位置する側とは反対側(他方側基板が位置する側)を意味し、下層側とは基板が位置する側を意味する。
【0018】
(電気光学装置の構成)
図1は、本発明を適用した電気光学装置100の平面図である。
図2は、
図1に示す電気光学装置100の断面図である。
図1および
図2に示すように、電気光学装置100では、一方側基板10と他方側基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、一方側基板10と他方側基板20とが対向している。シール材107は他方側基板20の外縁に沿うように枠状に設けられており、一方側基板10と他方側基板20との間でシール材107によって囲まれた領域に液晶層等の電気光学層80が配置されている。従って、電気光学装置100は液晶装置として構成されている。シール材107は、光硬化性を備えた接着剤、あるいは光硬化性および熱硬化性を備えた接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。一方側基板10および他方側基板20はいずれも四角形であり、電気光学装置100の略中央には、表示領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、シール材107の内周縁と表示領域10aの外周縁との間には、矩形枠状の周辺領域10bが設けられている。
【0019】
一方側基板10は、基板本体として、石英基板やガラス基板等の透光性の第1基板19を有している。第1基板19の他方側基板20側の一方面19s側において、表示領域10aの外側には、一方側基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成され、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、一方側基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
【0020】
第1基板19の一方面19sにおいて、表示領域10aには、ITO(Indium Tin Oxide)膜等からなる透光性の複数の画素電極9a、および複数の画素電極9aの各々に電気的に接続する画素トランジスター(
図2には図示せず)がマトリクス状に形成されている。画素電極9aに対して他方側基板20側には第1配向膜18が形成されており、画素電極9aは、第1配向膜18によって覆われている。
【0021】
他方側基板20は、基板本体として、石英基板やガラス基板等の透光性の第2基板29を有している。第2基板29において一方側基板10と対向する一方面29s側には、ITO膜等からなる透光性の共通電極21が形成されており、共通電極21に対して一方側基板10側には第2配向膜28が形成されている。共通電極21は、第2基板29の略全面に形成されており、第2配向膜28によって覆われている。第2基板29の一方面29s側には、共通電極21に対して一方側基板10とは反対側に、樹脂、金属または金属化合物からなる遮光性の遮光層27が形成され、遮光層27と共通電極21との間に透光性の保護層26が形成されている。遮光層27は、例えば、表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁状の見切り27aとして形成されている。遮光層27は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた領域と平面視で重なる領域に遮光層27b(ブラックマトリクス)としても形成されている。一方側基板10の周辺領域10bのうち、見切り27aと平面視で重なるダミー画素領域10cには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。
【0022】
第1配向膜18および第2配向膜28は、SiO
x(x<2)、SiO
2、TiO
2、MgO、Al
2O
3等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜(垂直配向膜)であり、電気光学層80に用いた負の誘電率異方性を備えた液晶分子を傾斜配向させている。このため、液晶分子は、一方側基板10および他方側基板20に対して所定の角度を成している。このようにして、電気光学装置100は、VA(Vertical Alignment)モードの液晶装置として構成されている。
【0023】
一方側基板10には、シール材107より外側において他方側基板20の角部分と重なる領域に、一方側基板10と他方側基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通用電極109が形成されている。基板間導通用電極109には、導電粒子を含んだ基板間導通材109aが配置されており、他方側基板20の共通電極21は、基板間導通材109aおよび基板間導通用電極109を介して、一方側基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、一方側基板10の側から共通電位が印加されている。
【0024】
本形態の電気光学装置100において、画素電極9aおよび共通電極21がITO膜(透光性導電膜)により形成されており、電気光学装置100は、透過型液晶装置として構成されている。かかる電気光学装置100では、一方側基板10および他方側基板20のうち、一方側の基板から電気光学層80に入射した光が他方側の基板を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。本形態では、矢印Lで示すように、他方側基板20から入射した光が一方側基板10を透過して出射される間に電気光学層80によって画素毎に変調され、画像を表示する。
【0025】
(電気光学装置100の電気的構成)
図3は、
図1に示す電気光学装置100の電気的構成を示すブロック図である。
図3において、電気光学装置100は、VAモードの液晶パネル100pを備えており、液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された表示領域10aを備えている。液晶パネル100pにおいて、
図1および
図2等を参照して説明した一方側基板10では、表示領域10aの内側には、第1方向Xに延在する複数の走査線3aと、第2方向Yに延在する複数のデータ線6aとが形成されており、複数の走査線3aと複数のデータ線6aとの各交差に対応して複数の画素100aが構成されている。複数の走査線3aは、走査線駆動回路104に電気的に接続され、複数のデータ線6aは、データ線駆動回路101に接続されている。また、複数本のデータ線6aには、第2方向Yにおいてデータ線駆動回路101とは反対側で検査回路105が電気的に接続している。
【0026】
複数の画素100aの各々には、電界効果型トランジスター等からなる画素トランジスター30、および画素トランジスター30に電気的に接続された画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。データ線6aには画像信号が供給され、走査線3aには走査信号が供給される。本形態では、走査線駆動回路104は、表示領域10aに対してX方向の一方側X1および他方側X2に走査線駆動回路104s、104tとして構成されており、X方向の一方側X1の走査線駆動回路104sは、奇数番目の走査線3aを駆動し、X方向の他方側X2の走査線駆動回路104tは、偶数番目の走査線3aを駆動する。
【0027】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、
図1および
図2を参照して説明した第2基板29の共通電極21と電気光学層80を介して対向し、液晶容量50aを構成している。各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に保持容量55が付加されている。本実施形態では、保持容量55を構成するために、第1基板19には、複数の画素100aに跨って延在する容量線5bが形成されており、容量線5bには共通電位が供給されている。
【0028】
図3では、1本の容量線5bが第1方向Xに延在するように示されているが、本形態において、容量線5bは、以下に説明するように、第1方向Xに延在する第1容量線51aと、第2方向Yに延在する第2容量線52aとによって構成されている。また、
図3では、1つの保持容量55が示されているが、本形態において、保持容量55は、以下に説明するように、第1容量線51aとの間に形成された第1保持容量551と、第2容量線52aとの間に形成された第2保持容量552とによって構成されている。
【0029】
(画素の具体的構成)
図4は、
図1に示す電気光学装置100において隣り合う複数の画素の平面図である。
図5は、
図1に示す電気光学装置100のF−F′断面図であり、データ線6aに沿って切断したときの断面図である。
図6は、
図1に示す電気光学装置100のG−G′断面図であり、走査線3aに沿って切断したときの断面図である。なお、
図6では、画素電極9aに対するコンタクトホール17dを通る位置で切断した様子を示してある。なお、
図4および後述する
図7〜
図13では、各層を以下の線で表してある。また、
図4および
図7〜
図13では、互いの端部が平面視で重なり合う層については、層の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。
第2走査線33a=太い破線
半導体層1a=細くて短い点線
第1走査線32a=太さが中位の実線
ゲート電極31a=太い実線
第1容量線51a、ソース電極51s、ドレイン電極51d=太い一点鎖線
第1容量電極41a=細い実線
第2容量電極43a=細い二点鎖線
データ線6a、中継電極6b=細い一点鎖線
第2容量線52a=細くて長い破線
第3容量電極71a=中位の太さの実線
第4容量電極73a=太い二点鎖線
画素電極9a=太くて短い点線
コンタクトホール=実線
【0030】
図4に示すように、一方側基板10において他方側基板20と対向する面には、複数の画素の各々に画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域に沿ってデータ線6aおよび走査線3a(第1
走査線32aおよび第2
走査線33a)が形成されている。走査線3aは、画素間領域において第1方向Xに延在し、データ線6aは、画素間領域において第2方向Yに延在している。データ線6aと走査線3aとの交差に対応して画素トランジスター30が形成されている。また、第1容量線51aは、走査線3aに平面視で重なるように第1方向Xに延在し、第2容量線52aは、データ線6aに平面視で重なるように第2方向Yに延在している。ここで、走査線3a、データ線6a、第1容量線51a、および第2容量線52aは、遮光性を有している。従って、走査線3a、データ線6a、第1容量線51a、および第2容量線52aが形成された領域は、光が通過しない遮光領域108aであり、遮光領域108aで囲まれた領域は、光が透過する開口領域108b(透光領域)である。
【0031】
図5および
図6に示すように、一方側基板10において、第1基板19の一方面19s側には、第2走査線33a、半導体層1a、ゲート絶縁層2、ゲート電極31a、第1走査線32a、第1容量線51a、第1容量電極41a、第1誘電体層42a、第2容量電極43a、データ線6a、第2容量線52a、第3容量電極71a、第2誘電体層72a、第4容量電極73a、および画素電極9aが順に積層されている。画素トランジスター30は、第1基板19と画素電極9aとの間に設けられた半導体層1aと、半導体層1aに対して画素電極9a側に設けられたゲート電極31aと、画素電極9aと半導体層1aとの間に設けられたソース電極51sと、画素電極9aと半導体層1aとの間に設けられたドレイン電極51dとを有している。
【0032】
第2走査線33aと半導体層1aとの間には層間絶縁膜11が形成され、ゲート電極31aと第1容量線51aとの間には層間絶縁膜12が形成され、第1容量線51aと第1容量電極41aとの間には層間絶縁膜13が形成されている。第2容量電極43aとデータ線6aとの間には層間絶縁膜14が形成され、データ線6aと第2容量線52aとの間には層間絶縁膜15が形成されている。第2容量線52aと第3容量電極71aとの間には層間絶縁膜16が形成され、第4容量電極73aと画素電極9aとの間には層間絶縁膜17が形成されている。層間絶縁膜11〜17はいずれも、シリコン酸化膜等からなる透光性の絶縁膜である。本形態において、層間絶縁膜12は、層間絶縁膜121、122の積層膜からなる。層間絶縁膜13は、層間絶縁膜131、132、133の積層膜からなる。層間絶縁膜131の画素電極9a側の面は、CMP処理等の平坦化処理が行われており、平面になっている。従って、層間絶縁膜13
3の画素電極9a側の面、および層間絶縁膜132の画素電極9a側の面(層間絶縁膜13の画素電極9a側の面)は平面になっている。
【0033】
層間絶縁膜14は、層間絶縁膜141、142の積層膜からなる。層間絶縁膜15は、層間絶縁膜151、152の積層膜からなる。層間絶縁膜151の画素電極9a側の面は、CMP処理等の平坦化処理が行われており、平面になっている。従って、層間絶縁膜152の画素電極9a側の面(層間絶縁膜
15の画素電極9a側の面)は平面になっている。また、層間絶縁膜11、17の画素電極9a側の面は、CMP処理等の平坦化処理が行われており、平面になっている。
【0034】
ここで、本発明における「第1層間絶縁膜」、「第2層間絶縁膜」、「第3層間絶縁膜」、「第4層間絶縁膜」、「第5層間絶縁膜」、および「第6層間絶縁膜」は、上記の層間絶縁膜11〜17と以下の対応関係を有している。
第1層間絶縁膜=層間絶縁膜12
第2層間絶縁膜=層間絶縁膜13
第3層間絶縁膜=層間絶縁膜16
第4層間絶縁膜=層間絶縁膜11
第5層間絶縁膜=層間絶縁膜121
第6層間絶縁膜=層間絶縁膜122
【0035】
(各層の詳細説明)
図5および
図6を参照するとともに、以下の
図7〜
図13を適宜、参照して、一方側基板10の詳細構成を説明する。
図7は、
図5および
図6に示す走査線3a、半導体層1a、およびゲート電極31a等の平面図である。
図8は、
図5および
図6に示す第1容量線51a、ソース電極51sおよびドレイン電極51d等の平面図である。
図9は、
図5および
図6に示す第1容量電極41aおよび第2容量電極43a等の平面図である。
図10は、
図5および
図6に示すデータ線6aおよび中継電極6b等の平面図である。
図11は、
図5および
図6に示す第2容量線52a、第3容量電極71aおよび第4容量電極73a等の平面図である。
図12は、
図5および
図6に示す画素電極9a等の平面図である。
図13は、
図5および
図6に示す第2走査線33a等の平面図である。なお、
図7〜
図12には、それらの図に示す電極等の電気的な接続に関連するコンタクトホールを示すとともに、基準となる位置を示すために半導体層1aを示してある。
【0036】
まず、
図5、
図6および
図7に示すように、一方側基板10において、第1基板19と半導体層1aとの間には、第1方向Xに延在する遮光性の第2走査線33aが形成されており、半導体層1aと第2走査線33aとの間には、層間絶縁膜11(第4層間絶縁膜)が形成されている。第2走査線33aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、第2走査線33aは、タングステンシリサイド(WSi)、タングステン、窒化チタン等の遮光膜からなる。第2走査線33aは、第1方向Xに延在する本線部分330aと、本線部分330aからデータ線6aに沿って第2方向Yの両側に突出する突出部331a、332aとを有している。
【0037】
層間絶縁膜11の画素電極9a側の面には、画素トランジスター30の半導体層1aが形成されており、半導体層1aは、画素電極9a側からゲート絶縁層2で覆われている。半導体層1aは、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)等によって構成されており、データ線6aの延在方向に長辺方向を向けている。ゲート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁層と、減圧CVD法等により形成されたシリコン酸化膜からなる第2ゲート絶縁層との2層構造からなる。
【0038】
ゲート絶縁層2の画素電極9a側の面には遮光性のゲート電極31aが形成されており、第1走査線32aは、半導体層1aと層間絶縁膜12との間で第1方向Xに延在し、ゲート電極31aに電気的に接続されている。第1走査線32aは遮光層からなる。本形態において、第1走査線32aは、第1方向Xに延在する本線部分320aと、本線部分320aからデータ線6aに沿って第2方向Yの両側に突出する突出部321a、322aとを有している。
【0039】
ゲート電極31aは、半導体層1aの長さ方向の中央部分に重なっている。半導体層1aは、ゲート電極31aに対してゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1iを備え、チャネル領域1iの両側にソース領域1bおよびドレイン領域1cを備えている。画素トランジスター30は、LDD構造を有している。従って、ソース領域1bおよびドレイン領域1cは各々、チャネル領域1iの両側に低濃度領域1d、1eを備え、低濃度領域に対してチャネル領域1iとは反対側で隣接する領域に高濃度領域1f、1gを備えている。ゲート電極31aおよび第1走査線32aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ゲート電極31aおよび第1走査線32aは、例えば、Ti(チタン)層/TiN(窒化チタン)層/Al(アルミニウム)層/TiN(窒化チタン)層の多層構造や、TiN層/Al層/TiN層の多層構造からなる。
【0040】
本形態において、ゲート電極31aは、層間絶縁膜12(第1層間絶縁膜)のうち、下層側の層間絶縁膜121(第5層間絶縁膜)と半導体層1aとの間に設けられ、第1走査線32aは、層間絶縁膜12(第1層間絶縁膜)のうち、層間絶縁膜121(第5層間絶縁膜)と層間絶縁膜122(第6層間絶縁膜)との間に形成されている。
【0041】
層間絶縁膜121および層間絶縁膜11には、層間絶縁膜121および層間絶縁膜11を貫通して第1走査線32aと第2走査線33aとを電気的に接続するコンタクトホール12a(第1コンタクトホール)が形成されている。また、層間絶縁膜121には、層間絶縁膜121を貫通して第1走査線32aとゲート電極31aとを電気的に接続するコンタクトホール12b(第2コンタクトホール)が形成されている。本形態において、コンタクトホール12aとコンタクトホール12bとは平面視で繋がって一体のコンタクトホール12cを構成している。
【0042】
図5、
図6および
図8に示すように、層間絶縁膜
12の画素電極9a側の面には、ゲート電極31aに平面視で重なる遮光性の第1容量線51aが形成されており、第1容量線51aには共通電位が印加されている。第1容量線51aは、第1方向Xに延在して、第1走査線32aと平面視で重なっている。また、層間絶縁膜
12の画素電極9a側の面には、第1容量線51aに対して第2方向Yで離間する位置にソース電極51sおよびドレイン電極51dが形成されており、ソース電極51sおよびドレイン電極51dは、第1容量線51aと同一の導電層によって構成されている。ここで、ソース電極51sおよびドレイン電極51dは各々、層間絶縁膜12を貫通するコンタクトホール12s、12dを介してソース領域1bおよびドレイン領域1cに電気的に接続している。第1容量線51a、ソース電極51sおよびドレイン電極51dは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、第1容量線51a、ソース電極51sおよびドレイン電極51dは、例えば、Ti(チタン)層/TiN(窒化チタン)層/Al(アルミニウム)層/TiN(窒化チタン)層の多層構造や、TiN層/Al層/TiN層の多層構造からなる。
【0043】
図5、
図6および
図9に示すように、層間絶縁膜13には、第1容量線51aと平面視で重なる第1凹部44aが形成されている。また、第1凹部44aと重なる領域には、第1凹部44aの底部から層間絶縁膜13の画素電極9a側の面まで延在する遮光性の第1容量電極41aと、第1容量電極41aに画素電極9a側から重なる遮光性の第2容量電極43aとが形成されている。ここで、第2容量電極43aは、ドレイン電極51dおよび画素電極9aに電気的に接続されている。第1容量電極41a、および第2容量電極43aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、第1容量電極41a、および第2容量電極43aは、TiN(窒化チタン)層等からなる。
【0044】
第1容量電極41aは、第1凹部44aの底部で第1容量線51aに電気的に接続されている。より具体的には、第1凹部44aの底部には、層間絶縁膜13を貫通するコンタクトホール13aが形成されており、第1容量電極41aは、コンタクトホール13aを介して第1容量線51aに電気的に接続されている。ここで、第1容量電極41aと第2容量電極43aとの間には第1誘電体層42aが形成されており、第1容量電極41a、第1誘電体層42a、および第2容量電極43aによって、保持容量55の第1保持容量551が構成されている。第1誘電体層42aとしては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。
【0045】
層間絶縁膜13の画素電極9a側の面において、第1容量電極41aに対して第2方向Yで離間する位置には、ソース電極51sに平面視で重なる中継電極41sが形成されている。中継電極41sは、第1容量電極41aと同一の導電層によって構成されている。中継電極41sは、層間絶縁膜13を貫通するコンタクトホール13sを介してソース電極51sに電気的に接続している。第2容量電極43aは、層間絶縁膜13を貫通するコンタクトホール13dを介してドレイン電極51dに電気的に接続している。
【0046】
図5、
図6および
図10に示すように、層間絶縁膜14の画素電極9a側の面には、遮光性のデータ線6aが第2方向Yに延在するように形成されており、データ線6aは、層間絶縁膜14を貫通するコンタクトホール14sを介して中継電極41sに電気的に接続している。従って、データ線6aは、中継電極41s、およびソース電極51sを介してソース領域1bに電気的に接続されている。データ線6aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、データ線6aは、例えば、Ti(チタン)層/TiN(窒化チタン)層/Al(アルミニウム)層/TiN(窒化チタン)層の多層構造や、TiN層/Al層/TiN層の多層構造からなる。
【0047】
また、データ線6aに対して第1方向Xの他方側X2で離間する位置には、第2容量電極43aに平面視で重なる中継電極6bが形成されている。中継電極6bは、層間絶縁膜14を貫通するコンタクトホール14dを介して第2容量電極43aに電気的に接続している。中継電極6bは、データ線6aと同一の導電層によって構成されている。
【0048】
図5、
図6および
図11に示すように、層間絶縁膜15の画素電極9a側の面には、データ線6aに平面視で重なるように第2方向Yに延在する遮光性の第2容量線52aが形成されている。第2容量線52aには共通電位が印加されている。また、層間絶縁膜16には、第2容量線52aと平面視で重なる貫通穴からなる第2凹部74aが形成されている。また、第2凹部74aと重なる領域には、第2凹部74aの底部から層間絶縁膜16の画素電極9a側の面まで延在する遮光性の第3容量電極71aと、第3容量電極71aに画素電極9a側から重なる遮光性の第4容量電極73aとが形成されている。第2容量線52aは、データ線6aに沿って第2方向Yに向けて延在する本体部分520aと、本体部分520aから第1方向Xの一方側X1および他方側X2に突出した突出部521a、522aとを有している。第3容量電極71aおよび第4容量電極73aは各々、データ線6aに沿って第2方向Yの一方側Y1に向けて延在する本体部分71
0a、73
0aと、本体部分710a、730aから第1方向Xの一方側X1および他方側X2に突出した突出部711a、712a、731a、732aとを有している。第2凹部74aは、第2方向Yの一方側Y1に向けて延在している。
【0049】
第4容量電極73aは、ドレイン電極51dおよび画素電極9aに電気的に接続されている。より具体的には、第4容量電極73aは、層間絶縁膜15、16を貫通するコンタクトホール16dを介して中継電極6bに電気的に接続されている。第2容量線52aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、第2容量線52a、ソース電極51sおよびドレイン電極51dは、例えば、Ti(チタン)層/TiN(窒化チタン)層/Al(アルミニウム)層/TiN(窒化チタン)層の多層構造や、TiN層/Al層/TiN層の多層構造からなる。
【0050】
本形態において、層間絶縁膜14は、コンタクトホール16dと平面視で重なる領域に画素電極9aの側に突出した凸部143が形成されている。従って、層間絶縁膜16のコンタクトホール16dが形成されている部分の膜厚が周辺より薄い。従って、コンタクトホール16dのアスペクト比を低減できるので、第4容量電極73aを中継電極6bに適正に電気的に接続することができる。かかる態様は、例えば、層間絶縁膜15を形成した後、コンタクトホール16dが形成されている部分以外の層間絶縁膜15をエッチング等により薄くすることによって実現することができる。
【0051】
第3容量電極71aは、第2凹部74aの底部で第2容量線52aに電気的に接続されている。ここで、第3容量電極71aと第4容量電極73aとの間には第2誘電体層72aが形成されており、第3容量電極71a、第2誘電体層72a、および第4容量電極73aによって、保持容量55の第2保持容量552が構成されている。第2誘電体層72aとしては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。第3容量電極71aおよび第4容量電極73aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、第3容量電極71aおよび第4容量電極73aは、TiN(窒化チタン)層等からなる。
【0052】
図5、
図6および
図12に示すように、層間絶縁膜17の第1基板19とは反対側の面には画素電極9aが形成されている。画素電極9aは、層間絶縁膜17を貫通するコンタクトホール17dを介して第4容量電極73aに電気的に接続されている。従って、画素電極9aは、第4容量電極73a、中継電極6b、第2容量電極43a、およびドレイン電極51dを介してドレイン領域1cに電気的に接続されている。
【0053】
図5、
図6および
図13に示すように、第2走査線33aと第1基板19との間には、半導体層1aと平面視で重なる遮光層33eが形成されている。本形態において、遮光層33eは、遮光層33eと平面視で重なる領域において、半導体層1aと平面視で重なるように第2方向Yに延在している。それ故、半導体層1aに対する第2走査線33aの遮光性が高い。
【0054】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の電気光学装置100において、第1保持容量551は、層間絶縁膜13(第2層間絶縁膜)に形成された第1凹部44aの底部や内壁等で重なる第1容量電極41a、第1誘電体層42a、および第2容量電極43aによって構成されているため、占有する平面積が狭い場合でも、大きな静電容量を有している。かかる構成の場合、層間絶縁膜13(第2層間絶縁膜)については、第1凹部44aの内壁を第1保持容量551の形成に利用するため、ある程度、厚くする必要がある。このため、層間絶縁膜12(第1層間絶縁膜)については、膜厚を薄くする必要があるが、層間絶縁膜12の画素電極9a側の面に形成されているのは、第1容量線51aであり、ドレイン電位が印加される第2容量電極43aとゲート電極31aとの間、およびドレイン電位が印加される第2容量電極43aと第1走査線32aとの間は、第1容量線51aによってシールドされている。従って、ゲートとドレインとの電気的なカップリングの発生を抑制することができる。
【0055】
また、ソース電極51sおよびドレイン電極51dは、第1容量線51aと同一の導電層によって構成されているため、ソース電極51s、ドレイン電極51d、および第1容量線51aを同一の工程で形成することができる。
【0056】
また、一方側基板10では、層間絶縁膜16(第3層間絶縁膜)に形成された第2凹部74aの底部や内壁等で重なる第3容量電極71a、第2誘電体層72a、および第4容量電極73aによって第2保持容量552が形成されており、第2保持容量552は、占有する平面積が狭い場合でも、大きな静電容量を有している。従って、保持容量55は、並列に電気的に接続された第1保持容量551と第2保持容量552とを有するため、静電容量が大きい。従って、本形態によれば、品位の高い画像を表示することができる。
【0057】
第1容量線51aは、第1走査線32aと重なるように第1方向Xに延在し、第2容量線52aは、データ線6aと重なるように第2方向Yに延在している。従って、第1容量線51aおよび第2容量線52aを、第1走査線32aおよびデータ線6aとともに、画素電極9a側からの半導体層1aに対する遮光に利用することができる。それ故、画素トランジスター30が光電流に起因する誤動作を発生させることを抑制することができる。
【0058】
また、層間絶縁膜13(第2層間絶縁膜)の画素電極9a側の面が平面になっているため、第1容量電極41a、第1誘電体層42a、および第2容量電極43aを適正に形成することができるとともに、第2容量線52a、第3容量電極71a、第2誘電体層72a、および第4容量電極73aを適正に形成することができる。
【0059】
また、一方側基板10は、第1基板19と半導体層1aとの間で第1走査線32aと重なるように第1方向Xに延在する第2走査線33aを有しており、第1走査線32aは、第2走査線33aと電気的に接続されている。従って、第1走査線32aおよび第2走査線33aによって冗長配線を構成することができるとともに、第2走査線33aを第1基板19側からの半導体層1aに対する遮光に利用することができる。それ故、画素トランジスター30が光電流に起因する誤動作を発生させることを抑制することができる。
【0060】
また、一方側基板10において、ゲート電極は、層間絶縁膜1
2のうち、層間絶縁膜121(第5層間絶縁膜)と半導体層1aとの間に設けられ、第1走査線32aは、層間絶縁膜1
2のうち、層間絶縁膜121(第5層間絶縁膜)と層間絶縁膜122(第6層間絶縁膜)との間に設けられている。従って、ゲート電極31aの形状等にかかわらず、第1走査線32aの形状等を信号の伝達や遮光に適正した構成とすることができる。
【0061】
[他の実施形態]
上記実施形態では、第1走査線32aと第2走査線33aとが冗長配線を構成していたが、第1走査線32aおよび第2走査線33aの一方のみが形成されている場合に本発明を適用してもよい。また、第1走査線32aとゲート電極31aとが別の層に形成されていたが、ゲート電極31aが第1走査線32aの一部からなる場合に本発明を適用してもよい。上記実施形態では、第1保持容量551および第2保持容量552が形成されていたが、第1保持容量551のみが形成されている場合に本発明を適用してもよい。上記実施形態では、他方側基板20側から光源光が入射する場合を例示したが、一方側基板10側から光源光が入射する場合に本発明を適用してもよい。
【0062】
[電子機器への搭載例]
上述した実施形態に係る電気光学装置100を用いた電子機器について説明する。
図14は、本発明を適用した電気光学装置100を用いた投射型表示装置(電子機器)の概略構成図である。図
14に示す投射型表示装置2100は、電気光学装置100を用いた電子機器の一例である。投射型表示装置2100において、電気光学装置100がライトバルブとして用いられ、装置を大きくすることなく高精細で明るい表示が可能である。この図に示されるように、投射型表示装置2100の内部には、ハロゲンランプ等の白色光源を有するランプユニット2102(光源部)が設けられている。ランプユニット2102から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロイックミラー2108によってR(赤)色、G(緑)色、B(青)色の3原色に分離される。分離された投射光は、各原色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれ、変調される。なお、B色の光は、他のR色やG色と比較すると光路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123および出射レンズ2124を有するリレーレンズ系2121を介して導かれる。
【0063】
ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、ダイクロイックプリズム2112において、R色およびB色の光は90度に反射し、G色の光は透過する。したがって、各原色の画像が合成された後、スクリーン2120には、投射レンズ群2114(投射光学系)によってカラー画像が投射される。
【0064】
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0065】
(他の電子機器)
本発明を適用した電気光学装置100を備えた電子機器は、上記実施形態の投射型表示装置2100に限定されない。例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ等の電子機器に用いてもよい。