(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記基板の表面のうち、前記第1の発光素子の発光箇所、前記第2の発光素子の発光箇所、及び前記受光素子の受光箇所のいずれもが配置されていない領域を覆い、前記第1の波長の光及び前記第2の波長の光を遮蔽する遮蔽膜を有し、
前記遮蔽膜の平面形状は、前記仮想直線に関して線対称である請求項1または2に記載の光電センサモジュール。
前記受光素子は、複数の前記受光箇所を含み、複数の前記受光箇所の位置は、前記仮想直線に関して線対称である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光電センサモジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に開示された反射型オキシメータにおいては、第1発光素子及び第2発光素子を複数個準備し、円周に沿って配置しなければならない。このため、実装される発光素子のコスト低減を図ることが困難である。
【0007】
第1発光素子、第2発光素子、及び受光素子を同一の基板に実装する構造の採用が可能である。第1発光素子及び第2発光素子が円周に沿って並んでいるため、円形の基板を用いることが好ましい。多面取り用基板から円形の複数の基板を切り出すと、使用されない領域が発生してしまう。このため、基板の利用効率が低下し、基板コストが増大してしまう。
【0008】
本発明の目的は、多面取り基板の利用効率を高め、かつコスト低減を図ることが可能な光電センサモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点による光電センサモジュールは、
直線状の縁を有する基板と、
前記基板に実装された第1の波長の光を放射する第1の発光素子と、
前記基板に実装され、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を放射する第2の発光素子と、
前記第1の発光素子及び前記第2の発光素子から放射され、対象物で反射された光を受光する受光素子と
を有し、
前記基板の表面に定義される仮想直線に関して、前記第1の発光素子の発光箇所と前記第2の発光素子の発光箇所とが線対称の関係にあり、前記受光素子の受光箇所が線対称であり、前記基板の平面形状が線対称であ
り、
さらに、前記基板に実装された一対の接触対称性検知素子を有し、
一対の前記接触対称性検知素子が配置された位置は、前記仮想直線に関して線対称の関係を有し、前記接触対称性検知素子から前記仮想直線までの距離が、前記第1の発光素子の発光箇所から前記仮想直線までの距離より長く、
前記基板の、前記第1の発光素子、前記第2の発光素子、及び前記受光素子が実装された面を前記対象物に接触させた状態で、前記接触対称性検知素子の各々は、前記対象物に対する前記接触対称性検知素子の装着状態を検知する検知系の一部を構成する。
【0010】
基板を、二次元平面に隈なく配置することが可能な平面形状にすることが可能である。このため、多面取り基板の利用効率を高めることができる。さらに、第1の発光素子及び第2の発光素子を円周に沿って並べる必要がないため、光電センサモジュールの部品コストや製造コストの低減を図ることができる。仮想直線に関する対称性により、第1の発光素子から放射された光による迷光の影響と、第2の発光素子から放射された光による迷光の影響を均等化することができる。これにより、酸素飽和度の算出精度を高めることができる。
接触対称性検知素子を用いて、対象物に対する光電センサモジュールの装着状態の均一性を検知することができる。
【0011】
本発明の第2の観点による光センサモジュールは
、
直線状の縁を有する基板と、
前記基板に実装された第1の波長の光を放射する第1の発光素子と、
前記基板に実装され、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を放射する第2の発光素子と、
前記第1の発光素子及び前記第2の発光素子から放射され、対象物で反射された光を受光する受光素子と
を有し、
前記基板の表面に定義される仮想直線に関して、前記第1の発光素子の発光箇所と前記第2の発光素子の発光箇所とが線対称の関係にあり、前記受光素子の受光箇所が線対称であり、前記基板の平面形状が線対称であり、
さらに、前記基板が実装されたマザーボードを有し、
前記第1の発光素子及び前記第2の発光素子の各々は、複数の前記発光箇所を含み、
前記第1の発光素子の少なくとも1つの前記発光箇所、及び前記第2の発光素子の少なくとも1つの前記発光箇所は、前記マザーボードに実装されている。
【0012】
基板の大きさに制約されることなく、第1の発光素子と第2の発光素子との間隔を広くすることができる。言い換えると、第1の発光素子と第2の発光素子との間隔を広げても、小さな基板を使用することができる。このため、部品コストの低減を図ることができる。
【0013】
本発明の第3の観点による光電センサモジュールは、第1または第2の観点による光電センサモジュールの構成に加えて、
前記基板の表面のうち、前記第1の発光素子の発光箇所、前記第2の発光素子の発光箇所、及び前記受光素子の受光箇所のいずれもが配置されていない領域を覆い、前記第1の波長の光及び前記第2の波長の光を遮蔽する遮蔽膜を有し、
前記遮蔽膜の平面形状は、前記仮想直線に関して線対称である。
【0014】
遮蔽膜を線対称の平面形状にすることにより、第1の発光素子から放射された光による迷光の影響と、第2の発光素子から放射された光による迷光の影響を、より均等化することができる。
【0015】
本発明の第4の観点による光電センサモジュールは、第
1の観点による光電センサモジュールの構成に加えて、
前記受光素子で受光された光の強度に対応する検出信号が入力される演算処理部を有し、
一対の前記接触対称性検知素子は、同一波長の光を放射し、
前記演算処理部は、
一方の前記接触対称性検知素子から放射され、前記対象物で反射して前記受光素子に入射した光の強度と、他方の前記接触対称性検知素子から放射され、前記対象物で反射して前記受光素子に入射した光の強度とを比較し、比較結果を出力する。
【0016】
受光素子に入射した光の強度を比較することにより、対象物に対する光電センサモジュールの装着状態の均一性を判定することができる。
【0017】
本発明の第5の観点による光電センサモジュールは、第1乃至3の観点による光電センサモジュールの構成に加えて、
前記受光素子が、複数の前記受光箇所を含み、複数の前記受光箇所の位置は、前記仮想直線に関して線対称である。
【0018】
複数の受光箇所で受光された光の強度を、それぞれA/D変換して信号処理することができる。1つの強い光の強度をA/D変換する場合に比べて、広いダイナミックレンジを確保することができる。
【0019】
本発明の第6の観点による光電センサモジュールは、第5の観点による光電センサモジュールの構成に加えて、
前記仮想直線上に配置された第3の発光素子と、
前記受光素子の複数の前記受光箇所で受光された光の強度に対応する検出信号が入力される演算処理部を有し、
前記演算処理部は、
前記第3の発光素子から放射された光のうち、前記対象物で反射されて一方の前記受光箇所で受光された光の強度と、他方の前記受光箇所で受光された光の強度とを比較し、比較結果を出力する。
【0020】
一方の受光箇所で受光された光の強度と、他方の受光箇所で受光された光の強度とを比較することにより、対象物に対する光電センサモジュールの装着状態の均一性を判定することができる。
【0021】
本発明の第7の観点による光電センサモジュールは、第6の観点による光電センサモジュールの構成に加えて、
前記第3の発光素子が、前記第1の波長及び前記第2の波長のいずれよりも短い波長の光を放射する。
【0022】
第1の波長及び第2の波長のいずれよりも短い波長の光の検出信号の直流成分は、第1の波長及び第2の波長の光の検出信号に比べて、直流成分が低くなる傾向を示す。このため、検出信号の脈動から、脈拍数を取得し易くなる。
【0023】
本発明の第8の観点による光電センサモジュールは、第1乃至第7の観点による光電センサモジュールの構成に加えて、
前記第1の発光素子及び前記第2の発光素子の各々が、前記発光箇所を有するチップと、前記チップを収容するパッケージとを含み、
前記第1の発光素子の前記パッケージと、前記第2の発光素子の前記パッケージとは、前記仮想直線に関して線対称になるように配置されている。
【0024】
パッケージを含めて線対称の関係が満たされているため、第1の発光素子から放射された光による迷光の影響と、第2の発光素子から放射された光による迷光の影響を、より均等化することができる。
【発明の効果】
【0027】
基板を、二次元平面に隈なく配置することが可能な平面形状にすることが可能である。このため、多面取り基板の利用効率を高めることができる。さらに、第1の発光素子及び第2の発光素子を円周に沿って並べる必要がないため、光電センサモジュールの部品コストや製造コストの低減を図ることができる。仮想直線に関する対称性により、第1の発光素子から放射された光による迷光の影響と、第2の発光素子から放射された光による迷光の影響を均等化することができる。これにより、酸素飽和度の算出精度を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に、実施例1による光電センサモジュールのブロック図を示す。第1の発光素子11、第2の発光素子12、及び受光素子13が、対象物90に対向して配置される。第1の発光素子11及び第2の発光素子12は、それぞれ相互に異なる第1の波長及び第2の波長の光を放射する。一例として、第1の発光素子11は、赤色光、例えば700nm帯の光を放射し、第2の発光素子12は、赤外光、例えば900nm帯の光を放射する。第1の発光素子11及び第2の発光素子12には、発光ダイオード(LED)を用いることができる。対象物90は、例えば指先、耳朶等の生体である。
【0030】
第1の発光素子11及び第2の発光素子12に、それぞれ第1の駆動回路21及び第2の駆動回路22から駆動電流が供給される。第1の発光素子11及び第2の発光素子12は、一定の周波数fで交互にパルス的に発光するように制御される。周波数fは、脈拍に比べて十分高い値、例えば脈拍の10倍以上である。
【0031】
第1の発光素子11及び第2の発光素子12から放射されて、対象物90の内部で反射した反射光が、受光素子13に入射する。受光素子13は、入射した光の強度を電気信号に変換する。受光素子13には、フォトダイオード、フォトトランジスタ等を用いることができる。
【0032】
受光素子13から出力された電気信号が増幅器14に入力される。増幅器14は、電気信号を増幅し、検出信号S0、S1、S2を時系列で出力する。検出信号S0は、第1の発光素子11及び第2の発光素子12のいずれも発光していない期間に検出された光の強度を表す。検出信号S1は、第1の発光素子11が発光している期間に検出された光の強度を表す。検出信号S2は、第2の発光素子12が発光している期間に検出された光の強度を表す。
【0033】
増幅器14は、前段増幅器15、カップリングコンデンサ16、及び後段増幅器17を含む。前段増幅器15の出力が、カップリングコンデンサ16を介して後段増幅器17に入力される。カップリングコンデンサ16は、周波数fの信号を通過させる高域通過フィルタとして機能する。
【0034】
検出信号S0、S1、S2がA/D変換器18によりデジタル信号に変換される。演算処理部19が、A/D変換された検出信号S0、S1、S2に対して演算処理を行なう。演算結果が、出力端子23を通して、外部処理回路80に出力される。さらに、演算処理部19は、第1の駆動回路21及び第2の駆動回路22を制御する。外部処理回路80は、画像表示装置等を含む。
【0035】
図2に、受光素子13で受光される光の強度の時間変化の一例を示す。
図2に示したグラフは、第1の発光素子11から連続して光が放射されていると仮定した場合の例を示している。受光素子13による検出信号S1は、外来光による直流成分S0d、迷光による直流成分、血液以外の組織からの反射による成分、静脈血層からの反射による成分、及び動脈血層からの反射による成分を含む。迷光による直流成分は、光電センサモジュールの基板やハウジングでの散乱に起因する。動脈血層からの反射による成分の光強度は、脈拍に応じて脈動する。
【0036】
検出信号S1の直流成分をS1dnと表記する。直流成分S1dnから外来光による直流成分S0dを減算した直流成分をS1dと表記する。検出信号S1から直流成分S1dnを減算した交流成分をS1aと表記する。交流成分S1aの振幅をΔS1aと表記する。実際の測定時には、検出信号S1は、
図2に示した波形を周波数fでサンプリングした値で構成される。
【0037】
第2の発光素子12から連続して光が放射されていると仮定した場合にも、
図2に類似する波形の検出信号S2が得られる。
【0038】
図3Aから
図3Cまでの図面を参照しながら、実施例1による光電センサモジュールの構造について説明する。
図3Aに、実施例1による光電センサモジュールの平面図を示す。
図3B及び
図3Cに、それぞれ
図3Aの一点鎖線3B−3B、及び一点鎖線3C−3Cにおける断面図を示す。
【0039】
円形ではない基板30に、第1の発光素子11、第2の発光素子12、受光素子13、及び電子回路部品20が実装されている。基板30には、例えば樹脂製のプリント基板を用いることができる。基板30は直線状の縁を有する。例えば、基板30の平面形状は正方形である。電子回路部品20によって、
図1に示した増幅器14、A/D変換器18、演算処理部19、第1の駆動回路21、及び第2の駆動回路22が構成される。
【0040】
第1の発光素子11及び第2の発光素子12には、例えば、表面実装用の発光ダイオードチップ(LEDチップ)を用いることができる。受光素子13には、例えば表面実装用のフォトダイオードチップ(PDチップ)を用いることができる。
【0041】
基板30の平面形状は、基板30の表面に定義された仮想直線35に関して線対称である。例えば、基板30の平面形状が正方形であり、仮想直線35は、この正方形の1つの対角線に相当する。第1の発光素子11の発光箇所と、第2の発光素子12の発光箇所とは、仮想直線35に関して線対称の関係にある。ここで、発光箇所の外形まで含めて、2つの発光箇所が線対称であることまでは要求されず、2つの発光箇所の中心点が、仮想直線35に関して線対称の位置関係を有する構成であれば、「線対称の関係」にあるといえる。なお、後述するように、発光箇所の外形まで含めて、2つの発光箇所が、仮想直線35に関して線対称となる構成としてもよい。
【0042】
受光素子13の受光箇所も、仮想直線35に関して線対称である。受光箇所が1箇所の場合には、この受光箇所は、仮想直線35上に位置することになる。ここでは、受光箇所の外形まで含めて、受光箇所が線対称であることまでは要求されず、受光箇所の中心点が仮想直線上に位置する構成であれば、「線対称」であるといえる。なお、後述するように、受光箇所の外形が仮想直線35に関して線対称である構成としてもよい。
【0043】
基板30の実装面のうち、第1の発光素子11の発光箇所、第2の発光素子12の発光箇所、及び受光素子13の受光箇所が配置されていない領域が、樹脂製の遮蔽膜31で覆われている。
図3Aでは、遮蔽膜31が配置されている領域をドットパターンで表している。電子回路部品20は、遮蔽膜31によって埋め込まれる。遮蔽膜31は、第1の発光素子11から放射される第1の波長の光、及び第2の発光素子12から放射される第2の波長の光を遮蔽する。遮蔽膜31には、例えば、光の遮蔽効果を高めるために、黒色の樹脂が用いられる。遮蔽膜31の平面形状は、仮想直線35に関して線対称である。
【0044】
図4に、演算処理部19(
図1)が実行する信号処理のフローチャートを示す。ステップ101において、第1の発光素子11が発光しているときの検出信号S1(
図2)を時間平均することにより、検出信号S1の直流成分S1dn(
図2)を算出する。同様に、第2の発光素子12が発光しているときの検出信号S2を時間平均することにより、検出信号S2の直流成分S2dnを算出する。
【0045】
ステップ102において、非発光時の検出信号S0を時間平均することにより、外来光による直流成分S0d(
図2)を算出する。
【0046】
ステップ103において、直流成分S1dnから外来光による直流成分S0dを減算することにより、検出信号S1の直流成分S1d(
図2)を算出する。同様に、検出信号S2の直流成分S2dを算出する。
【0047】
ステップ104において、検出信号S1から直流成分S1dnを減算することにより、検出信号S1の交流成分S1a(
図2)を算出する。同様に、検出信号S2の交流成分S2aを算出する。
【0048】
ステップ105において、検出信号S1の交流成分S1aの振幅ΔS1a(
図2)を、直流成分S1dで正規化することにより、第1の発光素子11が発光しているときの正規化信号S10を算出する。具体的には、正規化信号S10は、ΔS1aをS1dで除することにより算出される。同様に、第2の発光素子12が発光しているときの正規化信号S20を算出する。
【0049】
ステップ106において、正規化信号S10を正規化信号S20で除することにより吸光度比R12を算出する。ステップ107において、吸光度比R12を、出力端子23を介して外部処理回路80(
図1)に出力する。外部処理回路80は、例えば吸光度比R12から、血液中の酸素飽和度を求めることができる。酸素飽和度の算出値が表示装置に表示される。
【0050】
[実施例1の効果1]
次に、実施例1の構成を採用することの優れた効果について説明する。実施例1では、円形ではなく、正方形の基板30(
図3A)が用いられる。このため、多面取り用の基板から、光電センサモジュールの基板30を無駄なく切り出すことができる。なお、基板30として、二次元平面に隈なく配置することができ、かつ線対称の外形(平面形状)を有する基板を用いてもよい。例えば、正方形以外に、長方形または菱形の基板を用いることも可能である。
【0051】
[実施例1の効果2]
実施例1では、第1の波長の光を放射する第1の発光素子11、及び第2の波長の光を放射する第2の発光素子12が1個ずつ配置される。このため、第1の波長の光を放射する複数の発光素子、及び第2の波長の光を放射する複数の
発光素子を配置する構成に比べて、コスト低減を図ることが可能になる。
【0052】
[実施例1の効果3]
実施例1では、受光素子13から第1の発光素子11までの距離と、第2の発光素子12までの距離とが等しい。さらに、第1の発光素子11から受光素子13に至るまでの第1の波長の光に対する基板30及び遮蔽膜31の影響と、第2の発光素子12から受光素子13に至るまでの第2の波長の光に対する基板30及び遮蔽膜31の影響とが等価である。このため、基板30や遮蔽膜31からの散乱や反射に起因する迷光の影響が、第1の波長と第2の波長とでほぼ均等になる。すなわち、
図2に示した迷光による直流成分が、第1の波長と第2の波長とでほぼ等しくなる。その結果、酸素飽和度の算出精度を高めることができる。
【0053】
第1の波長の光の迷光による直流成分と、第2の波長の光の迷光による直流成分との差を、より小さくするために、第1の発光素子11の発光箇所と、第2の発光素子12の発光箇所とを、その外形まで含めて、仮想直線35に関して線対称とすることが好ましい。
【0054】
[実施例2]
次に、
図5を参照して実施例2による光電センサモジュールについて説明する。以下、
図1から
図4までの図面に示した実施例1との相違点について説明し、共通の構成については説明を省略する。
【0055】
図5は、実施例2による光電センサモジュールの平面図を示す。実施例1では、第1の波長の光を放射する第1の発光素子11が、1つの発光箇所を含み、第2の波長の光を放射する第2の発光素子12も、1つの発光箇所を含む構成とされていた。実施例2では、第1の発光素子11が、複数の発光箇所11A、11B、11Cを含み、第2の発光素子12も、複数の発光箇所12A、12B、12Cを含む。複数の発光箇所は、それぞれLEDチップで構成される。
【0056】
実施例2においても、第1の発光素子11の複数の発光箇所と、第2の発光素子12の複数の発光箇所とは、仮想直線35に関して線対称の関係を有する。例えば、仮想直線35に関して、発光箇所11Aと発光箇所12Aとが線対称の位置に実装されており、発光箇所11Bと発光箇所12Bとが線対称の位置に実装されており、発光箇所11Cと発光箇所12Cとが線対称の位置に実装されている。
【0057】
仮想直線35を境界として、基板30の実装面が第1の領域33と第2の領域34とに区分される。
図5では、発光箇所11A、11C、及び12Bが第1の領域33に配置され、他の発光箇所11B、12A、及び12Cが第2の領域34に配置されている例が示されている。相互に対称の位置に配置される発光箇所11Aと12Aとのどちらを第1の領域33に配置するかは任意である。例えば、第1の発光素子11のすべての発光箇所11A、11B、11Cを第1の領域33に配置し、第2の発光素子12のすべての発光箇所12A、12B、12Cを第2の領域34に配置してもよい。
【0058】
さらに、実施例2においては、一対の接触対称性検知素子41が、基板30に実装されている。一対の接触対称性検知素子41が配置された位置は、仮想直線35に関して線対称の関係を有する。接触対称性検知素子41から仮想直線35までの距離は、第1の発光素子11から仮想直線35までの最大距離よりも長い。基板30の実装面を対象物90(
図1)に対向させて、光電センサモジュールを対象物90に接触させた状態で、接触対称性検知素子41は、対象物90への光電センサモジュールの装着状態を検知する検知系の一部を構成する。例えば、一対の接触対称性検知素子41の各々は、同一波長の光を放射する発光素子を含む。
【0059】
遮蔽膜31は、基板30の実装面のうち、第1の発光素子11の複数の発光箇所11A、11B、11C、第2の発光素子12の複数の発光箇所12A、12B、12C、受光素子13の受光箇所、及び一対の接触対称性検知素子41が配置された領域以外の領域を覆う。遮蔽膜31の平面形状は、実施例1の場合と同様に、仮想直線35に関して線対称である。
【0060】
次に、実施例2による光電センサモジュールの構成を採用することの優れた効果について説明する。
【0061】
[実施例2の効果1]
実施例2では、第1の発光素子11の複数の発光箇所11A、11B、11Cから任意の1箇所を選択して、選択された発光箇所からのみ発光させることができる。第2の発光素子12の複数の発光箇所12A、12B、12Cからは、第1の発光素子11の選択された発光箇所と線対称の関係にある1つの発光箇所から発光させればよい。実施例2では、酸素飽和度を測定するために発光させる一対の発光箇所として、複数通りの組み合わせが可能である。
【0062】
図2に示した検出光の直流成分S1dnが、A/D変換器18(
図1)のダイナミックレンジを超えた場合には、酸素飽和度の測定を行うことができない。実施例2においては、線対称の関係にある一対の発光箇所から発光させたときに、直流成分S1dnまたはS2dnがA/D変換器18のダイナミックレンジを超えても、他の一対の発光箇所から発光させれば、直流成分S1dn及びS2dnがA/D変換器18のダイナミックレンジに収まる場合がある。このため、測定不能な事象の発生頻度を少なくすることができる。
【0063】
[実施例2の効果2]
さらに、第1の発光素子11の複数の発光箇所11A、11B、11Cのうち2個以上の発光箇所から同時に発光させてもよい。この場合には、第2の発光素子12の発光箇所12A、12B、12Cからも、対応する2個以上の発光箇所から同時に発光させる。第1の発光素子11の複数の発光箇所から同時に発光させると、受光素子13で検出される光の強度は、生体内のより広い領域の情報が平均化されたものになる。これにより、対象物90内の血管位置の不均一さ等に起因する検出結果のばらつきを低減することができる。
【0064】
実施例2では、第1の発光素子11が複数の発光箇所11A、11B、11Cを含み、第2の発光素子12も複数の発光箇所12A、12B、12Cを含むが、これらを、受光箇所を中心とした円周に沿って配置する必要はない。このため、受光箇所を中心とした円周に沿って複数の発光箇所を配置する構成と比べて、光電センサモジュールの小型化を図ることが可能である。
【0065】
[実施例2の効果3]
対象物90(
図1)に対する光電センサモジュールの装着状態が、仮想直線35の両側で不均一(非平衡)であると、第1の発光素子11から放射された光の迷光による影響と、第2の発光素子12から放射された光の迷光による影響とに、ばらつきが生ずることが懸念される。実施例2による光電センサモジュールの構成を採用することにより、このばらつきを軽減することができる。以下、このばらつきを軽減する方法について説明する。
【0066】
第1の発光素子11の複数の発光箇所11A、11B、11Cの中から、仮想直線35から最も遠いものを選択する。第2の発光素子12の複数の発光箇所12A、12B、12Cの中から、対応する発光箇所を選択する。
図5に示した例では、第1の発光素子11の発光箇所11C、及び第2の発光素子12の発光箇所12Cが選択される。
【0067】
演算処理部19が、発光箇所11C及び12Cを発光させて、直流成分S1dnと直流成分S2dnとを比較する。両者の差が通常の許容上限値を超えている場合には、装着状態が不均一であると考えられる。演算処理部19は、直流成分S1dnと直流成分S2dnとの差が許容上限値を超えているか否かを判定する。この判定結果が出力端子23から出力される。
【0068】
直流成分S1dnと直流成分S2dnとの差が許容上限値を超えている場合、光電センサモジュールの取扱者は、直流成分S1dnと直流成分S2dnとの差が許容上限値を超えないように、生体に対する光電センサモジュールの装着状態を調整する。この調整により、迷光の影響による測定結果のばらつきを低減することができる。
【0069】
仮想直線35から最も遠い発光箇所11C、12Cを発光させることにより、仮想直線35の両側の装着状態の不均一性が、検出信号に反映され易くなる。この検出信号を利用して光電センサモジュールの装着状態を調整するため、装着状態の均一性を確保し易くなる。
【0070】
[実施例2の効果4]
実施例2においては、接触対称性検知素子41(
図5)を用いて、対象物90に対する光電センサモジュールの装着状態の均一性を高めるとともに、測定箇所の最適化を図ることが可能である。以下、装着状態の均一性の向上、及び測定箇所の最適化を図る方法について説明する。
【0071】
演算処理部19は、一対の接触対称性検知素子41を、時間差をおいて発光させる。一方の接触対称性検知素子41が発光しているときに、受光素子13で検出された検出信号に基づいて、直流成分を算出する。他方の接触対称性検知素子41が発光しているときに、受光素子13で検出された検出信号に基づいても、直流成分を算出する。2つの直流成分の算出値を比較し、比較結果を出力端子23から出力する。
【0072】
2つの直流成分の検出値が等しいということは、仮想直線35の両側で、対象物90に対する光電センサモジュールの装着状態が均一であり、かつ対象物90内の血管の分布も均一であることを示唆する。光電センサモジュールの取扱者は、2つの直流成分のレベルが等しくなるように、光電センサモジュールの装着状態の調整、及び接触部位の移動を行う。これにより、第1の発光素子11から放射された光を受光する条件と、第2の発光素子12から放射された光を受光する条件とを、ほぼ等価に保つことができる。
【0073】
一対の接触対称性検知素子41は、第1の発光素子11及び第2の発光素子12に比べて、仮想直線35から遠い位置に配置されている。このため、接触対称性検知素子41を発光させた時の検出信号に、仮想直線35の両側の不均一性が反映され易い。接触対称性検知素子41を使用することにより、仮想直線35の両側の測定環境の均一性を確保し易くなる。
【0074】
[実施例3]
次に、
図6A、
図6B、及び
図7を参照して、実施例3による光電センサモジュールについて説明する。以下、実施例1との相違点について説明し、共通の構成については説明を省略する。
【0075】
実施例1では、第1の発光素子11及び第2の発光素子12として、LEDチップが用いられ、受光素子13として、PDチップが用いられていた。実施例3では、第1の発光素子11及び第2の発光素子12として、パッケージLEDが用いられ、受光素子13として、パッケージPDが用いられる。
【0076】
図6Aに、実施例3による光電センサモジュールの平面図を示す。
図6Bに、
図6Aの一点鎖線6B−6Bにおける断面図を示す。第1の発光素子11として、パッケージLED11Xが用いられている。パッケージLED11Xは、発光箇所11Aを有するLEDチップと、それを収容するパッケージとを含む。同様に、第2の発光素子12にも、パッケージLED12Xが用いられている。パッケージLED12Xは、発光箇所12Aを有するLEDチップと、それを収容するパッケージとを含む。
【0077】
実施例3においても、実施例1と同様に、第1の発光素子11の発光箇所11Aと、第2の発光素子12の発光箇所12Aとが、仮想直線35に関して線対称の関係を有する。パッケージLED11Xのパッケージと、パッケージLED12Xのパッケージとは、必ずしも仮想直線35に関して線対称である必要はない。
【0078】
受光素子13が、複数のパッケージPD、例えば第1のパッケージPD131及び第2のパッケージPD132を含む。第1のパッケージPD131は、受光箇所131Aを有するPDチップと、それを収容するパッケージとを含む。同様に、第2のパッケージPD132は、受光箇所132Aを有するPDチップと、それを収容するパッケージとを含む。
【0079】
受光箇所131Aと受光箇所132Aとは、仮想直線35に関して線対称の関係を有する。受光箇所131Aの中心点と、受光箇所132Aの中心点とが、仮想直線35に関して線対称の位置関係を有する構成としてもよいし、受光箇所
131A及び132Aの外形を含めて、両者が線対称の関係を有する構成としてもよい。第1のパッケージPD131のパッケージと第2のパッケージPD132のパッケージとは、必ずしも線対称の関係を有しなくてもよい。
【0080】
実施例3においても、実施例2と同様に、一対の接触対称性検知素子41が基板30に実装されている。実施例2では、接触対称性検知素子41として、発光素子が用いられていたが、実施例3では、温度センサまたは感圧センサが用いられる。
【0081】
図7に、実施例3による光電センサモジュールのブロック図を示す。以下、
図1に示した実施例1による光電センサモジュールのブロック図との相違点について説明し、共通の構成については説明を省略する。
【0082】
第1のパッケージPD131及び第2のパッケージPD132に対して、それぞれ第1の増幅器141及び第2の増幅器142が準備されている。第1の増幅器141、第2の増幅器142、及び一対の接触対称性検知素子41の出力信号が、マルチプレクサ25に入力される。マルチプレクサ25は、入力される複数の信号から1つの信号を選択し、選択された信号をA/D変換器18に入力する。なお、第1の増幅器141及び第2の増幅器142の出力信号用のA/D変換器18とは別に、一対の接触対称性検知素子41の出力信号用の他のA/D変換器を準備してもよい。
【0083】
次に、実施例3による光電センサモジュールの構成を採用することの優れた効果について説明する。
【0084】
[実施例3の効果1]
実施例3においても、実施例1と同様に、遮蔽膜31(
図6A)の平面形状は仮想直線35に関して線対称である。さらに、実施例3では、受光素子13の一方の受光箇所131Aと他方の受光箇所132Aとが、仮想直線35に関して線対称の関係を有する。従って、第1の発光素子11から受光素子13に至るまでの第1の波長の光に対する基板30及び遮蔽膜31の影響と、第2の発光素子12から受光素子13に至るまでの第2の波長の光に対する基板30及び遮蔽膜31の影響とが等価である。これにより、基板30や遮蔽膜31からの散乱や反射に起因する迷光の影響が、第1の波長と第2の波長とでほぼ均等になる。その結果、実施例1の場合と同様に、酸素飽和度の算出精度を高めることができる。
【0085】
[実施例3の効果2]
第1のパッケージPD131の検出信号と、第2のパッケージPD132の検出信号とが、マルチプレクサ25を介して別々にA/D変換器18に入力され、別々にA/D変換される。このため、第1のパッケージPD131と、第2のパッケージPD132との各々に対して、実施例1の受光素子13の検出信号と同等のダイナミックレンジを確保することができる。別々にA/D変換された2つのデジタル信号を足し合わせることにより、受光素子13で受光された光の強度を表す検出信号S1及びS2(
図2)が得られる。その結果、実質的に、検出信号S1及びS2のダイナミックレンジが拡大する。
【0086】
[実施例3の効果3]
第1のパッケージPD131の検出信号と、第2のパッケージPD132の検出信号とを比較することにより、仮想直線35を中心とした装着状態の均一性(平衡度)に関する情報を得ることができる。
【0087】
[実施例3の効果4]
一対の接触対称性検知素子41として温度センサを用いた場合、光電センサモジュールを生体の胸等に装着して、酸素飽和度の測定と同時に、体温を測定することができる。また、仮想直線35の両側において装着状態が不均一である場合、一方の接触対称性検知素子41で測定される温度と、他方の接触対称性検知素子41で測定される温度との差が大きくなる。従って、一対の接触対称性検知素子41で検出された温度を比較することによって、仮想直線35の両側の装着状態の平衡度を判定することができる。
【0088】
例えば、演算処理部19が、温度の比較結果に基づいて、装着状態の平衡度の良否を判定し、判定結果を出力端子23から外部処理回路80に出力する。外部処理回路80は、判定結果を表示装置に表示する。光電センサモジュールの取扱者は、この表示内容を読み取ることにより、装着状態を最適化することができる。
【0089】
一対の接触対称性検知素子41として感圧センサを用いた場合、圧力の検出値を比較することによって、仮想直線35の両側における装着状態の平衡度を判定することができる。
【0090】
[実施例4]
次に、
図8A及び
図8Bを参照して、実施例4による光電センサモジュールについて説明する。以下、
図6A〜
図7に示した実施例3との相違点について説明し、共通の構成については説明を省略する。
【0091】
図8Aに、実施例4による光電センサモジュールの平面図を示す。
図8Bに、
図8Aの一点鎖線8B−8Bにおける断面図を示す。実施例3では、線対称の基準となる仮想直線35(
図6A)が、基板30の1つの対角線に一致していた。実施例4では、線対称の基準となる仮想直線35が、基板30の相互に対向する一対の縁の中点同士を結ぶ。基板30として、長方形の基板を用いることも可能である。
【0092】
仮想直線35と重なる位置に、第3の発光素子50が実装されている。第3の発光素子50は、発光箇所50Aを有するLEDチップと、それを収容するパッケージとを含む。第3の発光素子50は、発光箇所50Aから、第1の波長及び第2の波長のいずれよりも短い第3の波長の光を放射する。例えば、第3の発光素子50は、緑色の光を放射する。
【0093】
実施例3では、
図6Aに示したように、第1の発光素子11の発光箇所11Aと、第2の発光素子12の発光箇所12Aとが仮想直線35に関して線対称の関係を有していたが、第1の発光素子11のパッケージと、第2の発光素子12のパッケージとは、線対称の関係を有していなかった。同様に、第1のパッケージPD131の受光箇所131Aと、第2のパッケージPD132の受光箇所132Aとは、仮想直線35に関して線対称の関係を有していたが、第1のパッケージPD131のパッケージと、第2のパッケージPD132のパッケージとは、線対称の関係を有していなかった。
【0094】
これに対し、実施例4では、第1の発光素子11のパッケージと、第2の発光素子12のパッケージとが、仮想直線35に関して線対称の関係を有している。さらに、第1のパッケージPD131のパッケージと、第2のパッケージPD132のパッケージとが、線対称の関係を有している。
【0095】
次に、実施例4による光電センサモジュールの構成を採用することの優れた効果について説明する。
【0096】
[実施例4の効果1]
実施例4では、パッケージを含めて、第1の発光素子11と第2の発光素子12との対称性が満たされている。さらに、パッケージを含めて、第1のパッケージPD131と第2のパッケージPD132との対称性が満たされている。このため、実施例3に比べて、第1の発光素子11から放射された第1の波長の光と、第2の発光素子12から放射された第2の波長の光との、伝搬経路の環境の均等性を、より高めることができる。これにより、酸素飽和度の測定結果の精度をより高めることができる。
【0097】
[実施例4の効果2]
第3の発光素子50から放射された光を、第1のパッケージPD131及び第2のパッケージPD132で受光し、受光された光の強度を比較することにより、光電センサモジュールの装着状態の平衡度を判定することができる。
【0098】
[実施例4の効果3]
生体に向けて放射する光として、赤色より短波長の光、例えば緑色の光を用いると、
図2に示した交流成分S1aの振幅ΔS1aに対する直流成分S1dnの比が小さくなる。このため、検出信号の脈動から、脈拍数を取得し易くなる。
【0099】
[実施例5]
次に、
図9A及び
図9Bを参照して、実施例5による光電センサモジュールについて説明する。以下、
図8A〜
図8Bに示した実施例4との相違点について説明し、共通の構成については説明を省略する。
【0100】
図9Aに、実施例5による光電センサモジュールの平面図を示す。
図9Bに、
図9Aの一点鎖線9B−9Bにおける断面図を示す。基板30がマザーボード60に実装されている。実施例4では、第1の発光素子11、第2の発光素子12、第3の発光素子50、第1のパッケージPD131、及び第2のパッケージPD132がすべて基板30に実装されていた。実施例5においては、第1の発光素子11が複数のパッケージLEDを含み、一部のパッケージLEDは、基板30ではなくマザーボード60に直接実装されている。同様に、第2の発光素子12も複数のパッケージLEDを含み、一部のパッケージLEDは、マザーボード60に直接実装されている。
【0101】
図9Aに示した例では、第1の発光素子11の発光箇所11Aを有するパッケージLEDが基板30に実装されており、発光箇所11Bを有するパッケージLEDがマザーボード60に実装されている。第2の発光素子12の発光箇所12Aを有するパッケージLEDが基板30に実装されており、発光箇所12Bを有するパッケージLEDがマザーボード60に実装されている。第1の発光素子11の発光箇所11A、11Bと、第2の発光素子12の発光箇所12A、12Bとは、仮想直線35に関して線対称の関係を有する。第1の発光素子11のパッケージ、及び第2の発光素子12のパッケージも、仮想直線35に関して線対称の関係を有する。
【0102】
第1のパッケージPD131及び第2のパッケージPD132は、
図8に示した実施例4と同様に、基板30に実装されている。第3の発光素子50は、実施例4の構成とは異なり、マザーボード60に実装されている。第3の発光素子50は、仮想直線35上に位置する。すなわち、第3の発光素子50は、仮想直線35に関して線対称である。
【0103】
[実施例5の効果]
実施例5においても、実施例4と同様の効果が得られる。さらに、実施例5では、基板30の大きさに制約されることなく、第1の発光素子11の発光箇所11Bと、第2の発光素子12の発光箇所12Bとの間隔を広くすることができる。言い換えると、発光箇所の間隔を広げるために、基板30として大きな基板を用いる必要がない。このため、光電センサモジュールのコスト削減を図ることができる。
【0104】
上述の各実施例は例示であり、異なる実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。複数の実施例の同様の構成による同様の作用効果については実施例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。