特許第6593537号(P6593537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593537
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】分取液体クロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/80 20060101AFI20191010BHJP
   G01N 30/26 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   G01N30/80 F
   G01N30/80 E
   G01N30/26 M
   G01N30/26 N
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-525884(P2018-525884)
(86)(22)【出願日】2016年7月6日
(86)【国際出願番号】JP2016070034
(87)【国際公開番号】WO2018008114
(87)【国際公開日】20180111
【審査請求日】2018年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 智之
【審査官】 後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−185558(JP,A)
【文献】 特開平2−122260(JP,A)
【文献】 特開昭63−200059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00−30/96
B01D 15/00−15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)試料中の成分を分離する分離カラム及び該分離カラムからの溶出液中の成分を検出する検出器を含む液体クロマトグラフと、
b)前記溶出液中の目的成分を捕集するための複数のトラップカラムと、
c)前記検出器を通過した溶出液を前記複数のトラップカラムのいずれか一つに選択的に流すように流路の切り替えを行うカラム切替手段と、
d)前記検出器から前記カラム切替手段に至る流路に介挿され、前記溶出液を前記カラム切替手段に流す第1の状態と、前記溶出液を前記カラム切替手段に流すことなく排出する第2の状態とを切り替える流路切替手段と、
e)前記カラム切替手段の切り替えを行う際に、予め前記流路切替手段を前記第2の状態とした上で前記カラム切替手段の切り替えを行い、その後に前記流路切替手段を前記第1の状態とするよう前記流路切替手段及びカラム切替手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする分取液体クロマトグラフ。
【請求項2】
f)前記複数のトラップカラムと並列に設けられたドレイン流路
を更に備え、
前記カラム切替手段が、前記検出器を通過した溶出液を前記複数のトラップカラムのいずれか一つ又は前記ドレイン流路に選択的に流すように流路の切り替えを行うよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の分取液体クロマトグラフ。
【請求項3】
g)希釈液を供給する希釈液供給源と、
h)前記希釈液を前記複数のトラップカラムのいずれか一つに選択的に流すように流路の切り替えを行う希釈液用カラム切替手段と、
を更に備え、
前記流路切替手段が、前記検出器から前記カラム切替手段に至る流路と前記希釈液供給源から前記希釈液用カラム切替手段に至る流路の双方に介挿されており、前記第1の状態では前記検出器と前記カラム切替手段を接続すると共に、希釈液供給源と希釈液用カラム切替手段を接続し、前記第2の状態では前記検出器と第1の排液流路を接続すると共に、前記希釈液供給源と第2の排液流路を接続するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の分取液体クロマトグラフ。
【請求項4】
前記制御手段が、前記流路切替手段を前記第1の状態としたまま前記カラム切替手段の切り替えを行うよう前記流路切替手段及び前記カラム切替手段を制御する第1の動作モードと、予め前記流路切替手段を前記第2の状態とした上で前記カラム切替手段の切り替えを行い、その後に前記流路切替手段を前記第1の状態とするよう前記流路切替手段及び前記カラム切替手段を制御する第2の動作モードと、を実行し得るものであって、
i)前記試料中の目的成分の分取において、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードのいずれを適用するかを予めユーザに設定させる設定手段、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の分取液体クロマトグラフ。
【請求項5】
a)分離カラムで分離された目的成分をトラップカラムに捕集する分取液体クロマトグラフと、
b)目的成分が捕集されたトラップカラムの入口に溶出用溶媒を供給する溶出用溶媒供給手段と、
c)前記溶出用溶媒の供給により前記トラップカラムの出口から流出する目的成分を回収する回収手段と、
を備え、
前記分取液体クロマトグラフが請求項1に記載のものであることを特徴とする分取精製装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフのカラムで分離された複数の成分をそれぞれ異なるトラップカラムに捕集する分取液体クロマトグラフに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば製薬分野などにおいては、化学合成により得られた各種の化合物をライブラリとして保管したりあるいは詳細に分析したりするためのサンプルを収集するために、液体クロマトグラフを利用した分取液体クロマトグラフが使用されている。こうした分取液体クロマトグラフとして、従来、例えば特許文献1などに記載の装置が知られている。
【0003】
こうした従来の装置では、試料溶液中の目的成分(化合物)を液体クロマトグラフにより時間的に分離し、分離した各成分をそれぞれ別のトラップカラムに導入して一旦捕集する。
【0004】
従来の分取液体クロマトグラフの構成の一例を図9に示す。この分取液体クロマトグラフにおいて第1移動相容器211に貯留されている第1移動相(例えば水)と第2移動相容器212に貯留されている第2移動相(例えばアセトニトリル)は、第1移動相送液ポンプ213又は第2移動相送液ポンプ214によりそれぞれ所定の流量で送給され、混合器215にて混合された上で分離カラム217に流される。インジェクタ216において移動相中に試料が注入されると、試料は移動相に乗って分離カラム217に導入される。分離カラム217を通過する間に試料に含まれる各種成分が時間方向に分離されて溶出し、順次検出器218に導入される。検出器218は例えば紫外可視分光光度計などであり、分離カラム217からの溶出液中に含まれる成分に応じた検出信号を出力する。
【0005】
検出器218の後段にはカラム切替バルブ220が設けられている。このカラム切替バルブ220を切り替えることにより、該バルブ220のポートgに接続された供給流路229を、ポートa〜eに接続された複数のトラップカラム221〜225のいずれか又はポートfに接続されたドレイン流路226に選択的に接続することができる。
【0006】
また、各トラップカラム221〜225及びドレイン流路226の下流側には下流側切替バルブ227が設けられており、このバルブ227は前記カラム切替バルブ220と連動して切り替えられる。これにより、カラム切替バルブ220によって供給流路229に接続されたトラップカラム221〜225又はドレイン流路226の下流側が出口流路228に接続される。
【0007】
なお、トラップカラムに目的成分を確実に捕集するためには、目的成分をトラップカラムに導入する際の溶媒(つまり移動相)の溶出力を可能な限り小さくしておくことが望ましい。例えばトラップカラムが逆相モードである場合、トラップカラム内に充填された吸着剤は疎水性、移動相は親水性であり、一般的に移動相の親水性を高めるほど目的成分を吸着剤に強く保持させることができる。このため、分取液体クロマトグラフでは、分離カラムで分離した目的化合物を含む溶出液をトラップカラムに導入する際に、別の送液ポンプにより送給した水などの希釈液をトラップカラムの入口手前で移動相に混入することでその移動相を希釈し、移動相の溶出力を下げることが行われる。図9の例では、希釈液送液ポンプ232から延びる配管が希釈液用カラム切替バルブ233を介して各トラップカラム221〜225の直前又はドレイン流路226に接続されており、この希釈液用カラム切替バルブ233を切り替えることにより、希釈液容器231に貯留された希釈液をトラップカラム221〜225のいずれか又はドレイン流路226に選択的に流すことができる。なお、こうした希釈液の添加により、溶出液中の目的成分が高濃度であった場合に目的成分を希釈して、該目的成分の析出等による配管のつまりを防止できるという効果も得られる。
【0008】
上記のような分取液体クロマトグラフにおいて、検出器218による信号は制御/処理部241に入力される。そして、該信号に基づいて制御/処理部241にて保持時間を横軸、信号強度を縦軸としたクロマトグラムが生成される。このクロマトグラム上に目的成分のピークが出ていないときには、制御/処理部241は供給流路229と出口流路228の間にドレイン流路226が介挿されるようカラム切替バルブ220及び下流側切替バルブ227を切り替える。これにより、検出器218を通過した目的成分を含まない溶出液は、カラム切替バルブ220のポートg及びポートfを経てドレイン流路226を通過し、出口流路228から排出される。
【0009】
一方、制御/処理部241が前記クロマトグラム上に目的成分のピークが出現したことを検知すると、制御/処理部241は該ピークの開始点がカラム切替バルブ220に到達するタイミングでカラム切替バルブ220及び下流側切替バルブ227を切り替え、供給流路229と出口流路228の間に所定のトラップカラム、例えばトラップカラム223を介挿させる。これにより、検出器218を通過した目的成分を含む溶出液は、カラム切替バルブ220のポートg及びポートcを経てトラップカラム223を通過し、その際に溶出液中の目的成分がトラップカラム223内の吸着剤に捕集される。
【0010】
以上の動作を繰り返すことにより各トラップカラム221〜225にそれぞれ異なる目的成分を捕集した後は、各トラップカラム221〜225に溶出用溶媒(例えばジクロロメタン)を流して各トラップカラム内に捕集していた成分を短時間で溶出させることにより、目的成分を高い濃度で含有する溶液を容器に回収する。更に、こうして回収された各溶液について蒸発・乾固処理を行って溶媒を除去することにより目的成分を固形物として回収することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010-008047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような分取液体クロマトグラフを用いた分取精製においては、目的成分を高い純度で回収することが望ましく、特に、医薬品のサンプル収集の分野などにおいて分取精製の更なる高純度化が強く望まれている。しかし、従来の分取液体クロマトグラフでは、前記複数のトラップカラムの一部において、該トラップカラムから回収した目的成分の中に他のトラップカラムに捕集されるはずの目的成分が微量に混入している場合があった。
【0013】
本発明は上記の点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、所定のトラップカラムに捕集すべき目的成分が不所望のトラップカラムに混入することのない分取液体クロマトグラフを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は鋭意検討の結果、上記従来の分取液体クロマトグラフでは、カラム切替バルブを切り替える際に、分離カラムからの溶出液が意図しないトラップカラムに流入する場合があることを見出した。この点について、図9のように、供給流路229に対してドレイン流路226が接続された状態からトラップカラム223が接続された状態に切り替える場合を例に説明する。この切り替えの際には、カラム切替バルブ220のポートgの接続先をポートfからポートcに移行させる必要があり、このとき、バルブ内に設けられた流路(以下、「バルブ内流路」とよぶ)の一端がポートd、eと一瞬接触する。しかし、この時点では、既に、トラップカラム223に捕集すべき目的成分を含んだ溶出液が供給流路229を通って前記バルブ内流路に到達し始めているため、該バルブ内流路の一端がポートd、eと接触することにより該流路内に存在する前記目的成分が僅かにトラップカラム224、225に流入してしまう。
【0015】
そこで、本願発明者は、このような不所望のトラップカラムへの目的成分の流入を防ぐべく更に検討を重ね、本発明に至った。
【0016】
すなわち、上記課題を解決するために成された本発明に係る分取液体クロマトグラフは、
a)試料中の成分を分離する分離カラム及び該分離カラムからの溶出液中の成分を検出する検出器を含む液体クロマトグラフと、
b)前記溶出液中の目的成分を捕集するための複数のトラップカラムと、
c)前記検出器を通過した溶出液を前記複数のトラップカラムのいずれか一つに選択的に流すように流路の切り替えを行うカラム切替手段と、
d)前記検出器から前記カラム切替手段に至る流路に介挿され、前記溶出液を前記カラム切替手段に流す第1の状態と、前記溶出液を前記カラム切替手段に流すことなく排出する第2の状態とを切り替える流路切替手段と、
e)前記カラム切替手段の切り替えを行う際に、予め前記流路切替手段を前記第2の状態とした上で前記カラム切替手段の切り替えを行い、その後に前記流路切替手段を前記第1の状態とするよう前記流路切替手段及びカラム切替手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0017】
前記本発明に係る分取液体クロマトグラフは、カラム切替手段(上述のカラム切替バルブに相当)の前段に、流路切替手段を備えており、予め該流路切替手段により分離カラムからの溶出液がカラム切替手段に流入しないようにした状態でカラム切替手段の切り替えを行うものとなっている。これにより、これからトラップカラムに捕集させようとする目的成分がカラム内流路に存在していない状態で該カラム切替手段を切り替えることができるため、該切り替えの際に前記目的成分が不所望のトラップカラムに流入するのを防ぐことができる。
【0018】
また、上記課題を解決するために成された本発明に係る分取液体クロマトグラフは、
f)前記複数のトラップカラムと並列に設けられたドレイン流路
を更に備え、
前記カラム切替手段を、前記検出器を通過した溶出液を前記複数のトラップカラムのいずれか一つ又は前記ドレイン流路に選択的に流すように流路の切り替えを行うものとしてもよい。
【0019】
また、本発明に係る分取液体クロマトグラフは、更に、
g)希釈液を供給する希釈液供給源と、
h)前記希釈液を前記複数のトラップカラムのいずれか一つに選択的に流すように流路の切り替えを行う希釈液用カラム切替手段と、
を有し、
前記流路切替手段が、前記検出器から前記カラム切替手段に至る流路と前記希釈液供給源から前記希釈液用カラム切替手段に至る流路の双方に介挿されており、前記第1の状態では前記検出器と前記カラム切替手段を接続すると共に、希釈液供給源と希釈液用カラム切替手段を接続し、前記第2の状態では前記検出器と第1の排液流路を接続すると共に、前記希釈液供給源と第2の排液流路を接続するよう構成されているものとすることが望ましい。
【0020】
なお、本発明においてトラップカラムを切り替える際には、上記のように流路切替手段を一旦第2の状態に切り替えた上でカラム切替手段の切り替えを行い、その後、再び流路切替手段を第1の状態に切り替える必要があるため、トラップカラムの切り替えに従来よりも時間を要することとなる。そのため、複数の目的成分の保持時間が近接している場合には、先に溶出する目的成分をトラップカラムに分取してから次の目的成分を分取すべくトラップカラムの切り替えを行っている間に、該次の目的成分の一部を取り逃してしまう可能性がある。
【0021】
そこで、前記本発明に係る分取液体クロマトグラフは、
前記制御手段が、前記流路切替手段を前記第1の状態としたまま前記カラム切替手段の切り替えを行うよう前記流路切替手段及び前記カラム切替手段を制御する第1の動作モードと、予め前記流路切替手段を前記第2の状態とした上で前記カラム切替手段の切り替えを行い、その後に前記流路切替手段を前記第1の状態とするよう前記流路切替手段及び前記カラム切替手段を制御する第2の動作モードと、を実行し得るものであって、
i)前記試料中の目的成分の分取において、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードのいずれを適用するかを予めユーザに設定させる設定手段、
を更に有するものとしてもよい。
【0022】
このように、トラップカラムの切り替え時に第1の動作モードと第2の動作モードのいずれを適用するかをユーザが予め選択できる構成とすることにより、例えば、目的成分の捕集率を重視する場合には第1の動作モードを適用し、目的成分の純度を重視する場合には第2の動作モードを適用する、といった使い分けが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
以上の通り、本発明に係る分取液体クロマトグラフによれば、トラップカラムを切り替える際に、目的成分が不所望のトラップカラムに流入するのを防ぐことができ、目的成分を高い純度で分取することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施例に係る分取液体クロマトグラフの概略構成図であって、溶出液及び希釈液をドレイン流路に流している状態を示している。
図2図1の状態から、流路切替バルブを第2の状態に切り替えた状態を示す図。
図3図2の状態から、カラム切替バルブを切り替えてトラップカラムを選択した状態を示す図。
図4図3の状態から、流路切替バルブを第1の状態に切り替えた状態を示す図。
図5】同実施例に係る分取液体クロマトグラフにおける制御/処理部の動作を示すフローチャート。
図6】前記制御/処理部で生成されるクロマトグラムの一例を示す図。
図7】本発明に係る分取液体クロマトグラフの別の例を示す概略構成図。
図8】本発明に係る分取精製装置の一例を示す概略構成図。
図9】従来の分取液体クロマトグラフの概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について実施例を挙げて説明する。
【実施例】
【0026】
図1は本発明の一実施例に係る分取液体クロマトグラフの概略構成図である。この分取液体クロマトグラフは、それぞれ異なる移動相が収容された第1移動相容器111及び第2移動相容器112と、各移動相を輸送する第1移動相送液ポンプ113及び第2移動相送液ポンプ114と、前記ポンプ113、114により送給された移動相を混合するための混合器115と、混合された移動相中に試料を注入するインジェクタ116と、試料中の目的成分を分離する分離カラム117と、分離された目的成分を検出する検出器118と、流路切替バルブ119と、カラム切替バルブ120と、下流側切替バルブ127と、並列に設けられた複数のトラップカラム121〜125と、前記複数のトラップカラムと並列に設けられたドレイン流路126と、希釈液が収容された希釈液容器131と、該希釈液を送給する希釈液送液ポンプ132と、希釈液用カラム切替バルブ133と、制御/処理部141と、を備えている。なお、ここでは複数の移動相の組成比を変化させながら溶出を行うグラジエント方式の分取液体クロマトグラフを示したが、これに限らず移動相の組成を一定としたまま溶出を行うアイソクラティック溶出を行う構成としてもよい。
【0027】
分離カラム117は入口端がインジェクタ116、出口端が検出器118にそれぞれ接続される。検出器118としては、吸光度検出器、示差屈折率検出器等の液体クロマトグラフ用の各種検出器を使用することができる。
【0028】
流路切替バルブ119は、ポートh〜mを有しており、隣接するポート同士を図1の実線で示すように接続した状態(以下「第1の状態」とよぶ)と、同図の破線で示すように接続した状態(以下「第2の状態」とよぶ)を切り替えることにより、各ポートをその両隣にあるポートのいずれか一方に連通させることができる。流路切替バルブ119のポートjには検出器118の出口端が接続されており、ポートh及びポートiは、いずれも図示しない排液口に接続されている。
【0029】
カラム切替バルブ120は、ポートa〜gを有しており、ポートgをその他のポートa〜fのいずれかに選択的に接続することができる。該カラム切替バルブのポートgには流路切替バルブ119のポートkが接続されており、ポートa〜eにはそれぞれトラップカラム121〜125の入口端が接続され、ポートfにはドレイン流路126の入口端が接続されている。
【0030】
下流側切替バルブ127はトラップカラム121〜125の出口端又はドレイン流路126の出口端のいずれかを選択的に出口流路128に接続するものである。下流側切替バルブ127はカラム切替バルブ120と同期しており、カラム切替バルブ120が切り替わった場合には下流側切替バルブ127も同じトラップカラム121〜125又はドレイン流路126を選択するように切り替わる。
【0031】
また、流路切替バルブ119のポートmは希釈液送液ポンプ132に接続され、ポートlは希釈液用カラム切替バルブ133に接続されている。この希釈液用カラム切替バルブ133の切り替えにより、希釈液送液ポンプ132、流路切替バルブ119のポートm及びポートlを経て送給された希釈液を、トラップカラム121〜125の手前又はドレイン流路の中途において溶出液の流れに合流させることができる。なお、希釈液用カラム切替バルブ133もカラム切替バルブ120と同期しており、カラム切替バルブが切り替わると、希釈液用カラム切替バルブ133も同じトラップカラム121〜125又はドレイン流路126を選択するように切り替わる。
【0032】
CPUやメモリ等で構成される制御/処理部141は、予め設定されたプログラムに従って、本実施例に係る分取液体クロマトグラフの各部の動作を制御すると共に、検出器118で得られた検出信号の処理を行う。制御/処理部141にはユーザからの指示を入力するためのキーボードやマウス等のポインティングデバイスから成る入力部142が接続されている。
【0033】
以下、本実施例に係る分取クロマトグラフ装置の動作について図1図4、及び図5のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、図1図4では、液体が流通している流路を太線で示し、カラム切替バルブ120又は希釈液用カラム切替バルブ133によって選択されているものの、液体が流通していない流路を一点鎖線で示している。
【0034】
本実施例に係る分取クロマトグラフ装置において、ユーザが入力部142から制御/処理部141に試料の分離及び目的成分の捕集の開始を指示すると、制御/処理部141は、まず流路切替バルブ119を制御して第1の状態とし(ステップS11)、更にカラム切替バルブ120を制御してポートf(すなわちドレイン流路)が選択された状態とする(ステップS12)。なお、このときカラム切替バルブ120と連動して下流側切替バルブ127及び希釈液用カラム切替バルブ133もドレイン流路126を選択するように切り替えられる。次に、制御/処理部141は、第1移動相送液ポンプ113、第2移動相送液ポンプ114、及び希釈液送液ポンプ132を制御して移動相及び希釈液の送給を開始する(ステップS13)。これにより、図1に示すように、第1移動相送液ポンプ113及び第2移動相送液ポンプ114によって送給された移動相が、混合器115、インジェクタ116、分離カラム117、及び検出器118を通過し、更に、流路切替バルブ119のポートj、ポートk、カラム切替バルブ120のポートg、及びポートfを経てドレイン流路126に流入する。そして、ドレイン流路126を通過した移動相は、下流側切替バルブ127を経て出口流路128から排出される。また、このとき希釈液送液ポンプ132によって送給された希釈液は、流路切替バルブ119のポートm、ポートl、希釈液用カラム切替バルブ133を経てドレイン流路126中の移動相に合流する。
【0035】
次に、制御/処理部141はインジェクタ116を制御して移動相中に試料を注入させる(ステップS14)。これにより、該試料は移動相の流れに乗って分離カラム117に流入し、分離カラム117によって分離された試料中の各成分が順次検出器118で検出される。更に、制御/処理部141は、この検出器118から得られる検出信号に基づいて横軸を保持時間、縦軸を信号強度としたクロマトグラムの作成を開始し(ステップS15)、該クロマトグラムのカーブの傾きに基づいて目的成分のピーク開始点が出現したか否かを順次判定する(ステップS16)。なお、ピークの開始点か否かは、例えば、クロマトグラムのカーブの上向きの傾きが所定値を超えたか否かで判断することができる。また、該ピークが目的成分のピークであるか否かは、予めユーザにより設定されたおおよその保持時間に基づいて判断する。
【0036】
制御/処理部141は、クロマトグラム上に目的成分のピーク開始点が出現したと判断すると(すなわちS16でYesになると)、直ちに流路切替バルブ119を第2の状態に切り替える(ステップS17)。これにより、図2に示すように、検出器118を通過した溶出液が、流路切替バルブ119のポートj及びポートiを経て図示しない排液口から排出されるようになる。また、前記流路切替バルブ119の切り替えにより、希釈液送液ポンプ132によって送給される希釈液も流路切替バルブ119のポートm及びポートhを経て図示しない排液口から排出されるようになる。その結果、流路切替バルブ119のポートkからカラム切替バルブ120のバルブ内流路、ドレイン流路126、及び下流側切替バルブ127を経て出口流路128に至る流路中には分離カラム117からの溶出液も希釈液も通過しない状態となる(図2参照)。
【0037】
続いて制御/処理部141は、カラム切替バルブ120を切り替えて、所定のトラップカラム(ここではトラップカラム123)が選択された状態とする(ステップS18)。なお、このときカラム切替バルブ120に連動して、下流側切替バルブ127及び希釈液用カラム切替バルブ133も同一のカラム123を選択するよう切り替わる(図3参照)。
【0038】
トラップカラム123の選択が完了すると、制御/処理部141は、検出器118を通過した溶出液のうち、前記ピーク開始点に相当する部分が流路切替バルブ119に到達するタイミングで、流路切替バルブ119を第1の状態に切り替える(ステップS19)。これにより、前記ピーク開始点以降の溶出液が、図4に示すように流路切替バルブ119のポートj、ポートk、カラム切替バルブ120のポートg、及びポートcを経てトラップカラム123に流入するようになる。その結果、溶出液中の目的成分がトラップカラム123内の吸着剤に捕集され、目的成分が除去された溶液が下流側切替バルブ127を経て出口流路128から排出される。なお、このとき希釈液送液ポンプ132により送給された希釈液もトラップカラム123の手前で溶出液の流れに合流する。
【0039】
上記のようにトラップカラム123による目的成分の捕集を行っている間も、制御/処理部141は前記クロマトグラムの傾きを監視し、前記目的成分のピークの終了点が出現したか否かを一定の時間間隔で繰り返し判定する(ステップS20)。なお、ピークの終了点か否かは、例えばクロマトグラムのカーブの下向きの傾きが所定値を下回ったか否かで判断することができる。但し、ピーク開始点及び終了点の判定方法は、以上で記載したものに限られるものではなく、従来既知の種々の方法を採用することができる。
【0040】
制御/処理部141は、クロマトグラム上に目的成分のピーク終了点が出現したと判定すると(すなわちS20でYesになると)、検出器118を通過した溶出液のうち前記ピーク終了点に相当する部分がカラム切替バルブ120に到達するタイミングで、流路切替バルブ119を第2の状態に切り替える(ステップS21)。これにより、前記ピーク終了点以降の溶出液が、図3に示すように、トラップカラム123に流入しなくなり、代わりに流路切替バルブ119のポートj及びポートiを経て排出されるようになる。同様に、希釈液もトラップカラム123に流入しなくなり、代わりに流路切替バルブ119のポートm及びポートhを経て排出されるようになる。
【0041】
続いて制御/処理部141は、カラム切替バルブ120を切り替えて、ドレイン流路126が選択された状態とする(ステップS22)。なお、このときカラム切替バルブ120に連動して、下流側切替バルブ127及び希釈液用カラム切替バルブ133もドレイン流路を選択するよう切り替わる(図2参照)。
【0042】
その後、制御/処理部141は、流路切替バルブ119を第1の状態に切り替える(ステップS23)。その結果、図1に示すように、検出器118を通過した溶出液が、再び流路切替バルブ119及びカラム切替バルブ120を経てドレイン流路126を通過し、下流側切替バルブ127を経て出口流路128から排出されるようになる。これにより、目的成分を含まない溶出液をトラップカラム121〜125に流すことなく廃棄することができる。また、このとき、先程のトラップカラム123に捕集すべき目的成分が、流路切替バルブ119のポートkからカラム切替バルブ120のポートgの間の配管及びカラム切替バルブ120のバルブ内流路に残存していたとしても、前記目的成分を含まない溶出液の流れによって該目的成分を押し流してドレイン流路126を介して廃棄することができるため、該目的成分が別のトラップカラムに流入するのを防ぐことができる。なお、ステップS23で流路切替バルブ119を第1の状態とすることにより、希釈液送液ポンプ132によって送給される希釈液も、流路切替バルブ119及び希釈液用カラム切替バルブ133を経てドレイン流路126に流入し、溶出液と共に出口流路128から排出されるようになる。
【0043】
以上により、一つの目的成分の分取が完了すると、制御/処理部141は予め設定された全ての目的成分の捕集を完了したか否か判定する(ステップS24)。ここで、全目的成分の捕集を完了していない場合(すなわちステップS24でNoの場合)には、再びステップS16に戻り、次の目的ピークの開始点が出現するのを待ってステップS17〜S24を実行する。その後は、ステップS24でYesになるまでステップS16〜S24を繰り返し実行する。なお、上記の説明では目的成分の捕集にトラップカラム123を使用したが、次の目的成分を捕集する際には、それとは異なるトラップカラムを使用することは言うまでもない。
【0044】
以上の通り、本実施例に係る分取液体クロマトグラフでは、流路切替バルブ119の切り替えによって、カラム切替バルブ120に溶出液が流れないようにした上で、カラム切替バルブ120の切り替えを行う。そのため、カラム切替バルブ120を切り替える際に、不所望のトラップカラムに目的成分を含む溶出液が流入してしまうのを防ぐことができる。その結果、本実施例に係る分取液体クロマトグラフによれば、目的成分の分取を従来よりも高純度に行うことが可能となる。
【0045】
なお、上記の例では、カラム切替バルブ120の切り替えを行う際には、常に流路切替バルブ119を第2の状態とするものとなっている。しかし、この場合、従来に比べてトラップカラムの切り替えに時間を要するため、図6に示すように、捕集しようとする二つの目的成分A及び目的成分Bの保持時間が近接している場合には、後で溶出する方の成分(目的成分B)の分取開始が遅れて該成分の捕集率が低下するおそれがある。そこで、本発明に係る分取液体クロマトグラフは、更に、流路切替バルブ119を第1の状態としたままカラム切替バルブ120の切り替えを行うこともできるようにすることが望ましい。以下、流路切替バルブを第1の状態としたままでカラム切替バルブ120の切り替えを行うモードを第1の動作モードとよび、上記実施例のように流路切替バルブ119を第2の状態とした上でカラム切替バルブ120の切り替えを行い、その後に前記流路切替手段を前記第1の状態とするモードを第2の動作モードとよぶ。第1の動作モードによれば、第2の動作モードよりも素早くトラップカラムを切り替えることができるため、上記のように目的成分のピーク同士が近接している箇所がある場合に目的成分の捕集率の低下を防ぐことができる。但し、第1の動作モードでは、従来のように、カラム切替バルブ120のバルブ内流路に流入した目的成分が該バルブの切り替え時に不所望のトラップカラムに流入する可能性があるため、第2の動作モードに比べて捕集される目的成分の純度が低下するおそれがある。そこで、純度と捕集率のいずれを重視するかによってユーザが予めいずれかの動作モードを適用するか選択できるようにすることが望ましい。
【0046】
また、上記の例では、一つのトラップカラムでの捕集が完了した後は、必ず一旦ドレイン流路126に切り替えてから次のトラップカラムへの切り替えを行うものとなっている。しかし、この場合、上記のように複数の目的成分の保持時間が近接しているときには、後で溶出する方の成分の分取開始が遅れて該成分の捕集率が低下するおそれがある。そこで、本発明に係る分取液体クロマトグラフでは、このように目的成分同士の保持時間が近接している箇所については、先に溶出する目的成分Aの捕集が完了した後にドレイン流路126への切り替えを行わず、直ちに次のトラップカラムに切り替えて目的成分Bの捕集を行う(すなわち、図5のフローチャートにおいてステップS20でYesになったら直ちにステップS16に戻る)ものとすることが望ましい。そのためには、例えば、予めユーザが試料の予備分析等を行って各目的成分のおおよその保持時間を把握し、それに基づいてドレイン流路126への切り替えを省くか否かを目的成分毎に設定して制御/処理部141に記憶させておくことが考えられる。あるいは、クロマトグラムの解析結果に基づき制御/処理部141がリアルタイムでドレイン流路126への切り替えを省くか否かを判定する構成としてもよい。この場合、例えば該クロマトグラム上で前後して溶出する目的成分Aと目的成分Bが近接していると判定された場合に、目的成分Aの捕集と目的成分Bの捕集の間にドレイン流路126への切り替えを行わないよう、流路切替バルブ119及びカラム切替バルブ120を制御する。なお、この場合には、制御/処理部141で前記判定が行われてから前のピークの終了点が流路切替バルブ119に到達するまでの時間を十分に長く取ることができるよう、検出器118から流路切替バルブ119までの配管を比較的長くしておく必要がある。また、特に捕集効率を重視する場合には、上述した第1の動作モードを適用すると共に、更に、二つの目的成分の保持時間が近接している箇所において上記のようなドレイン流路への切り替えの省略を行うようにしてもよい。
【0047】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明を行ったが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容される。
【0048】
例えば、上記実施例では希釈液送液ポンプ132を流路切替バルブ119を介して希釈液用カラム切替バルブ133に接続する構成としたが、これに限らず、図7のように希釈液送液ポンプ132を希釈液用カラム切替バルブ133に直接接続した構成としてもよい。
【0049】
また、上記実施例では本発明を分離カラム117による目的成分の分離とトラップカラム121〜125による目的成分の捕集のみを行う分取クロマトグラフ装置としたが、本発明は、更にトラップカラムから目的成分を溶出させる機構と、溶出させた目的成分を回収する機構とを備えた分取精製装置として構成することもできる。この場合の構成例を図8に示す。図中において二点鎖線で囲んだ部分が分取クロマトグラフ装置に相当し、同図ではこれに溶出用溶媒/希釈液切替バルブ151と、回収/廃棄切替バルブ152と、廃棄流路153と、回収流路154と、目的成分回収部156と、を追加することにより分取精製装置を構成している。なお、図8において、図1で示したものと同一又は対応する構成要素については同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0050】
この分取精製装置において、トラップカラムに捕集された目的成分を回収する際の動作について説明する。なお、ここでは各トラップカラム121〜125への目的成分の捕集が完了し、第1移動相送液ポンプ113、第2移動相送液ポンプ114、及び希釈液送液ポンプ132は既に停止しているものとする。制御/処理部141は、流路切替バルブ119を第1の状態にすることで該バルブ119のポートmとポートlを連通させると共に所定のトラップカラム(例えばトラップカラム123)が選択されるように希釈液用カラム切替バルブ133と下流側切替バルブ127を切り替える。また、回収/廃棄切替バルブ152は、廃棄流路153側に切り替えておく。続いて、制御/処理部141は溶出用溶媒/希釈液切替バルブ151を溶出用溶媒側に切り替えた上で送液ポンプ132による送液を開始させ、溶媒容器150中の溶出用溶媒を吸引してトラップカラム123に導入する。
【0051】
トラップカラム123に溶出用溶媒が供給されると、トラップカラム123内の吸着剤に捕集されていた目的成分が該溶出用溶媒に溶け出していく。そこで制御/処理部141は、例えばトラップカラム123内の空隙容積(つまり溶出用溶媒を導入し始める直前にトラップカラム123内に溜まっている移動相の容量)と送液ポンプ132による溶出用溶媒の送液流量とから移動相が全て排出されるのに要する時間t1を計算し、溶出用溶媒の送液開始から前記の時間t1が経過した時点で、回収/廃棄切替バルブ152を回収流路154側に切り替えることにより、所定の回収容器161への目的成分の分取を開始する。これにより、目的成分を含む溶出液が回収流路154を経て目的成分回収部156の吐出ノズル157から滴下され、所定の回収容器161に回収される。
【0052】
溶出用溶媒がトラップカラム123に導入され始めてから或る程度の時間が経過すると、溶出液に含まれる目的成分の濃度が低下する。そこで、制御/処理部141は分取を開始してから所定時間が経過した時点、又は所定量の溶出用溶媒の送液を完了した時点で回収/廃棄切替バルブ152を再び廃棄流路153側に切り替えることで目的成分の回収を終了する。
【0053】
なお、引き続いて別のトラップカラムから目的成分を回収する場合には、制御/処理部141が、一旦流路切替バルブ119を第2の状態とすることにより、該バルブ119のポートmとポートhを連通させて、溶出用溶媒が排液口に排出されるようにする。そして、希釈液用カラム切替バルブ133及び下流側切替バルブ127によって別のトラップカラム(例えばトラップカラム122)を選択させると共に、目的成分回収部156に設けられた図示しない駆動機構によって吐出ノズル157を別の回収容器(例えば回収容器162)に挿入する。その後は、流路切替バルブ119を再び第1の状態とした上で上記と同様にして溶出用溶媒の送液や回収/廃棄切替バルブ152の切り替えを行うことにより、トラップカラム122から目的成分を溶出させて回収容器162に回収する。
【0054】
以上により各回収容器161〜163内にそれぞれ異なる目的成分を含む溶出液を回収した後は、その溶出液を加熱あるいは真空遠心分離することで固形状の目的成分を取り出すことができる。
【符号の説明】
【0055】
111、211…第1移動相容器
112、212…第2移動相容器
113、213…第1移動相送液ポンプ
114、214…第2移動相送液ポンプ
115、215…混合器
116、216…インジェクタ
117、217…分離カラム
118、218…検出器
119…流路切替バルブ
120、220…カラム切替バルブ
121〜125、221〜125…トラップカラム
126、226…ドレイン流路
127、227…下流側切替バルブ
128、228…出口流路
131、231…希釈液容器
132、232…希釈液送液ポンプ
133、233…希釈液用カラム切替バルブ
141、241…制御/処理部
150…溶媒容器
151…溶出用溶媒/希釈液切替バルブ
152…回収/廃棄切替バルブ
153…廃棄流路
154…回収流路
156…目的成分回収部
157…吐出ノズル
161〜163…回収容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9