(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る車両用電池パックの周辺構造を有する車体の車室前部について以下に説明する。以下の説明においては、車両進行方向の右側を車両幅方向の右側と定義し、かつ車両進行方向の左側を車両幅方向の左側と定義する。また、各図においては、車両前方を矢印Fにより示す。
【0011】
[車体の車室前部の概略]
図1〜
図3に示すように、車体の車室前部1は、その車両幅方向の中央領域に位置するセンターコンソール2を有している。センターコンソール2の内部には、駆動用モータ(図示せず)等に電力を供給可能とするように構成された電池パック3が設置されている。なお、
図1及び
図2においては、センターコンソール2の内部に位置する電池パック3を破線により示す。
【0012】
図2及び
図3に示すように、センターコンソール2の内部には、エアバック(図示せず)を制御可能とするように構成されたエアバックコントローラ4がさらに設置されており、かかるエアバックコントローラ4が、電池パック3から排出される排気風の流れを変更可能とし、かつ電池パック3に対して車両前方に配置される流れ変更要素となっている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、流れ変更要素が、エアバックコントローラ以外の立体的な構成要素であってもよい。例えば、流れ変更要素が、後述するフロアトンネル部にて車両上方にするように形成された絞り部分とすることができる。流れ変更要素はまた、独立した立体構造体とすることもできる。流れ変更要素は、エアバックコントローラ以外のコントローラであって、車両、車載機器等の制御に用いられるコントローラとすることもできる。
【0013】
図1に示すように、車室前部1の車両前後方向の前端領域にはインストルメントパネル5が設けられている。インストルメントパネル5には、車室空間を冷暖房可能とするように構成される空調装置6(
図1にて破線により示す)が設置されている。
図3及び
図4に示すように、空調装置6からは1つの空調ダクト7が延びている。空調ダクト7には、空調装置6から送られる空調風が通過するようになっている。
【0014】
図1及び
図2に示すように、車体の車室前部1は、車室空間の底領域に位置するフロア8を有している。フロア8は、車室前部1の車両幅方向の中央領域にて車両上方に突出するように形成されるフロアトンネル部8aと、該フロアトンネル部8aに対してそれぞれ車両幅方向の左右両側に位置するフロア左側部8b及びフロア右側部8cとを有している。
【0015】
このフロアトンネル部8aはまた、車両上下方向に延びる細長形状に形成されている。フロア左側部8bは、フロアトンネル部8aの下端から車両幅方向の左側に延びており、かつフロア右側部8cは、フロアトンネル部8aの下端から車両幅方向の右側に延びている。特に図示はしないが、フロア左側部8bには運転席及び助手席の一方が設置可能であり、かつフロア右側部8cには運転席及び助手席の他方が設置可能である。この場合、センターコンソール2は運転席及び助手席間に位置することとなる。
【0016】
図1及び
図2に示すように、フロア右側部8c上には、電池パック3に空気を送ることができるように構成された送風機9が設置されている。さらに、フロア右側部8c上には、送風機9から電池パック3まで延びる送風ダクト10が配置されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、送風機及び送風ダクトの組み合わせが、フロア左側部に配置されるか、又はフロア左側部及びフロア右側部のそれぞれに配置されてもよい。
【0017】
図1及び
図2に示すように、フロア左側部8b及びフロア右側部8cの上には、それぞれ、電池パック3から排出される空気を通す排気通路として構成された左側排気ダクト11及び右側排気ダクト12が設けられている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、左側及び右側排気ダクトのいずれか一方のみが設けられていてもよい。左側及び右側排気ダクトの少なくとも一方が2つ以上設けられていてもよい。
【0018】
図4に示すように、フロア左側部8b及びフロア右側部8cに対して車両上方にはそれぞれ左側フロアカーペット13a及び右側フロアカーペット13bが配置されている。フロア左側部8b及び左側フロアカーペット13a間には左側床上隙間14aが形成され、フロア右側部8c及び右側フロアカーペット13b間には右側床上隙間14bが形成されている。特に、左側及び右側フロアカーペット13a,13bは、それぞれ、左側及び右側床上隙間14a,14bを形成した状態でフロア左側部8b及びフロア右側部8cを覆っていると好ましい。左側排気ダクト11は左側床上隙間14aに位置し、かつ送風機9と送風ダクト10と右側排気ダクト12とは右側床上隙間14bに位置することとなる。
【0019】
[センターコンソールの詳細]
センターコンソール2の詳細について説明する。
図1及び
図3に示すように、センターコンソール2はフロアトンネル部8a上に配置されている。センターコンソール2は、インストルメントパネル5から車両後方に延びるように形成されていると好ましく、特に、センターコンソール2の車両前後方向の前端部が、インストルメントパネル5の車両幅方向の中央部によって形成され、かつセンターコンソール2の前端部に対して車両後方に位置するセンターコンソール2の本体部が、フロアトンネル部8aの長手方向に沿って延びる略ボックス形状の部材によって形成されるとより好ましい。
【0020】
図1に示すように、センターコンソール2には、送風ダクト10を挿通可能とするように貫通する送風ダクト挿入孔2aが形成されている。送風ダクト挿入孔2aは、右側フロア部8c上に配置される送風ダクト10に対応してセンターコンソール2の車両幅方向の右側面に配置されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、送風ダクトが左側フロア部上に配置される場合には、送風ダクト挿入孔はセンターコンソールの車両幅方向の左側面に配置されるとよい。また、送風ダクトが左側フロア部及び右側フロア部のそれぞれの上に配置される場合には、送風ダクト挿入孔はセンターコンソールの左側面及び右側面のそれぞれに配置されるとよい。
【0021】
[電池パックの詳細]
電池パック3の詳細について説明する。
図1及び
図3に示すように、電池パック3は筐体15を有している。筐体15は、センターコンソール2の長手方向に沿って延びるように形成されると好ましい。
図3に示すように、筐体15の内部には3つの電池モジュール16が配置されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、筐体の内部には少なくとも1つの電池モジュールが配置されていればよく、特に、筐体の内部には複数の電池モジュールが配置されると好ましい。
【0022】
図3に示すように、筐体15には、この筐体15の外部の空気を筐体15の内部に送るように貫通する吸気口15aが形成されている。吸気口15aは、センターコンソール2の右側面に形成された送風ダクト挿入孔2aに対応して筐体15の車両幅方向の右側面に配置されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、送風ダクト挿入孔がセンターコンソールの左側面に配置される場合には、吸気口はこの送風ダクト挿入孔に対応して筐体の車両幅方向の左側面に配置されるとよい。また、送風ダクト挿入孔がセンターコンソールの左側面及び右側面のそれぞれに配置される場合には、吸気口はこれらの送風ダクト挿入孔に対応して筐体の左側面及び右側面のそれぞれに配置されてもよい。
【0023】
図3及び
図5に示すように、筐体15には、この筐体15の内部の空気を排気風として筐体15の外部に排出するように貫通する排気口15bが形成されている。排気口15bは筐体15の車両前後方向の前端部に配置されている。エアバックコントローラ4は、かかる排気口15bからの排気風の流れが車両幅方向左右に分かれるように、排気口15bに対して車両前方にて排気口15bに対向している。
【0024】
図5及び
図6を参照すると、排気口15bの車両上下方向の上端は、エアバックコントローラ4の車両上下方向の上端に対して車両下方に位置していると好ましい。排気口15bの車両幅方向の最大長さは、エアバックコントローラ4の車両幅方向の最大長さよりも小さくなっていると好ましい。特に、排気口15bの車両幅方向の両端は、エアバックコントローラ4の車両幅方向の両端に対してエアバックコントローラ4の車両幅方向の中央寄りに位置していると好ましい。
【0025】
図3に示すように、各電池モジュール16の内部には複数の電池セル16aが設けられている。3つの電池モジュール16のうち1つが筐体15の吸気口15aに対して車両前方に位置しており、その一方で、3つの電池モジュール16のうち別の2つが、筐体15の吸気口15aに対して車両後方に位置している。3つの電池モジュール16のうち別の2つは車両上下方向に重なっていると好ましい。
【0026】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、筐体の内部には複数の電池モジュールが配置される場合には、複数の電池モジュールのうち一部が筐体の吸気口に対して車両前方に位置し、かつ複数の電池モジュールのうち別の一部が筐体の吸気口に対して車両後方に位置していればよい。特に、複数の電池モジュールのうち一部が2つ以上の電池モジュールを含む場合、これらが車両上下方向に重なっていると好ましく、かつ複数の電池モジュールのうち別の一部が2つ以上の電池モジュールを含む場合もまた、これらが車両上下方向に重なっていると好ましい。
【0027】
さらに、
図3、
図5、及び
図6に示すように、電池パック3にはケーブル17が接続されている。各電池モジュール16の電力は、かかるケーブル17を介して駆動用モータ(図示せず)等に供給されるようになっている。駆動用モータが車両前部のエンジンルームに配置される場合には、ケーブル17は電池パック3から車両前方に向かって延びるとよい。
【0028】
この場合、
図5に示すように、ケーブル17は、車両前方にてフロアトンネル部8aにて車両上下方向に貫通するように形成されるケーブル通過孔18を経由して、フロア8に対して車両下方の空間を通過するとよい。ケーブル通過孔18は、エアバックコントローラ4に対して車両前方に位置すると好ましい。さらに、
図3及び
図5に示すように、ケーブル17は、エアバックコントローラ4及び筐体15の排気口15bに対して車両上方の空間を通過すると好ましい。
【0029】
[空調ダクトの詳細]
空調ダクト7の詳細について説明する。
図4に示すように、空調ダクト7は、空調風を送り出す2つの吹き出し口7a,7b、すなわち、左側吹き出し口7a及び右側吹き出し口7bを有している。左側及び右側吹き出し口7a,7bは、車両幅方向に互いに間隔を空けている。特に、エアバックコントローラ4が、左側及び右側吹き出し口7a,7b間に位置していると好ましい。各吹き出し口7a,7bは、筐体15の排気口15bからの排気風と各吹き出し口7a,7bからの空調風とを合流させるように、センターコンソール2の内部にてエアバックコントローラ4に対して車両上方に配置されている。
【0030】
空調ダクト7は、空調装置6から延びる1つの主流部7cと、該主流部7cから分かれてそれぞれ延びる2つの分流部7d,7e、すなわち、左側分流部7d及び右側分流部7eとをさらに有している。左側及び右側吹き出し口7a,7bは、それぞれ、左側及び右側分流部7d,7eの先端区域に配置されている。特に、各吹き出し口7a,7bの周縁部は、車両前方から車両後方に向かうに従って車両下方から車両上方に向かうように傾斜していると好ましい。また、ケーブル17が、このような左側及び右側分流部7d,7e間を通過すると好ましい。
【0031】
しかしながら、本発明はこれに限定されず、空調ダクトは次のように構成されていてもよい。空調装置から2つ以上の空調ダクトが延びていてもよい。1つの空調ダクトが1つ又は3つ以上の吹き出し口を有していてもよい。1つの空調ダクトが1つの吹き出し口を有する場合、分流部を設けずに1つの主流部の先端区域に吹き出し口が配置されるとよい。1つの空調ダクトが3つ以上の吹き出し口を有する場合、1つの空調ダクトが、3つ以上の吹き出し口にそれぞれ対応して3つ以上の分流部を有するとよい。
【0032】
[送風機及び送風ダクトの詳細]
送風機9及び送風ダクト10の詳細について説明する。特に図示はしないが、送風機9は送風ファンを有しており、送風機9は、かかる送風ファンによって空気を送ることができるようになっている。かかる送風機9及び該送風機9から延びる送風ダクト10は、運転席又は助手席に対して車両下方に配置されると好ましい。さらに、
図3に示すように、送風ダクト10は、その先端区域にて開口する送風口10aを有している。
【0033】
図1〜
図3に示すように、かかる送風ダクト10がセンターコンソール2の送風ダクト挿入孔2aに挿入され、かつ送風ダクト10の送風口10aが電池パック3の筐体15の吸気口15aに略一致した状態で、送風ダクト10の先端区域が電池パック3の筐体15に取り付けられている。そのため、送風ダクト10から送られた空気が、送風ダクト10を流れ、その後、送風ダクト10を流れた空気が、送風ダクト10の送風口10a及び筐体15の吸気口15aを通って筐体15の内部に送られることとなる。
【0034】
[左側及び右側排気ダクトの詳細]
左側及び右側排気ダクト11,12の詳細について説明する。
図4に示すように、左側及び右側排気ダクト11,12は、それぞれ、センターコンソール2の内部にて車両上方を向くように配置される左側及び右側流入口11a,12aを有している。左側及び右側流入口11a,12aは、左側及び右側排気ダクト11,12の長手方向の上流側端部に配置されている。
【0035】
図1及び
図4に示すように、左側及び右側排気ダクト11,12の上流側端部は、それぞれ、左側及び右側流入口11a,12aがエアバックコントローラ4に対して車両幅方向の左右両側に位置するようにセンターコンソール2の内部に挿入されている。言い換えれば、エアバックコントローラ4は、車両幅方向にて左側及び右側流入口11a,12a間に位置することとなる。
【0036】
さらに、左側及び右側流入口11a,12aは、それぞれ、空調ダクト7の左側及び右側吹き出し口7a,7bに実質的に対向している。すなわち、1つの流入口11a,12aが1つの吹き出し口7a,7bに実質的に対向している。しかしながら、本発明はこれに限定されず、排気ダクトは空調ダクトと併せて、1つの流入口が2つ以上の吹き出し口に実質的に対向するように構成することもでき、又は2つ以上の流入口が1つの吹き出し口に実質的に対向するように構成することもできる。
【0037】
図2に示すように、左側排気ダクト11は、その上流側端部とは反対側の下流側端部に配置される左側流出口11bを有している。さらに、左側排気ダクト11は、フロアトンネル部8aの車両幅方向の左側側面に沿って車両上方から車両下方に向かって延びる左側上流部11cと、フロア左側部8b上で車両前方から車両後方に向かって延びる左側下流部11dとを有している。左側流出口11bは、左側下流部11dの車両上下方向の後端区域に配置されている。特に図示はしないが、左側流出口11bは、運転席又は助手席に対して車両下方に配置されると好ましい。
【0038】
また、
図1及び
図2に示すように、右側排気ダクト12は、その上流側端部とは反対側の下流側端部に配置される左側流出口12bを有している。さらに、右側排気ダクト12は、フロアトンネル部8aの車両幅方向の右側側面に沿って車両上方から車両下方に向かって延びる右側上流部12cと、フロア右側部8c上で車両前方から車両後方に向かって延びる右側下流部12dとを有している。右側流出口12bは、右側下流部12dの車両上下方向の後端区域に配置されている。特に図示はしないが、右側流出口12bは、運転席又は助手席に対して車両下方に配置されると好ましい。右側流出口12bの車両前後方向の位置が、送風機9及び送風ダクト10の車両前後方向の位置と略一致していると好ましい。
【0039】
[空気の流れ]
本実施形態に係る電池パック3の周辺構造における空気の流れについて説明する。送風機9の送風ファン(図示せず)を回すことによって、空気が送風機9から送付ダクト10に送られる。送風ダクト10に送られた空気は、送風ダクト10の送風口10a及び電池パック3の筐体15の吸気口15aを通って筐体15の内部に送られる。このように筐体15の内部に送られた空気によって、筐体15の内部に配置された電池モジュール16の電池セル16aが冷却される。
【0040】
その後、筐体15の内部の空気は、筐体15の排気口15bを通って筐体15の外部に送られる。筐体15の外部に送られた空気である排気風は、車両後方から車両前方に向かって流れ、エアバックコントローラ4に当たる。エアバックコントローラ4に当たった排気風は車両幅方向左右に分かれる。車両幅方向の左側に分かれた排気風「以下、「左側排気風」という」は、エアバックコントローラ4に対して車両幅方向の左側にて車両後方から車両前方に向かって流れ、かつ車両幅方向の右側に分かれた排気風「以下、「右側排気風」という」は、エアバックコントローラ4に対して車両幅方向の右側にて車両後方から車両前方に向かって流れる。
【0041】
加えて、空調装置6の作動によって、空調風が空調装置6から空調ダクト7に送られ、かかる空調風が、空調ダクト7の主流部7cを通り、その後、左側及び右側分流部7d,7eに分かれて流れる。左側分流部7dに流れた空調風(以下、「左側空調風」という)は、左側吹き出し口7aから車両下方に向かって吹き出し、かつ右側分流部7eに流れた空調風(以下、「右側空調風」という)は、右側吹き出し口7bから車両下方に向かって吹き出す。
【0042】
さらに、左側空調風は左側排気風と合流し、合流した左側排気風及び左側口調風(以下、「左側合流風」という)は、左側排気ダクト11の左側流入口11aに流入する。左側流入口11aに流入した左側合流風は、左側排気ダクト11の左側上流部11c及び左側下流部11dを通って、その後、左側流出口11bから左側床上隙間14aに排出される。
【0043】
その一方で、右側空調風は右側排気風と合流し、合流した右側排気風及び右側口調風(以下、「右側合流風」という)は、右側排気ダクト12の右側流入口12aに流入する。右側流入口12aに流入した右側合流風は、右側排気ダクト12の右側上流部12c及び右側下流部12dを通って、その後、右側流出口12bから右側床上隙間14bに排出される。
【0044】
[作用及び効果]
以上、本実施形態に係る電池パック3の周辺構造によれば、電池パック3からの排気風が、流れ変更要素、特に、エアバックコントローラ4によって車両幅方向左右に分かれ、左右に分かれた左側及び右側排気風が、それぞれ、空調装置6からの左側及び右側空調風と合流するので、電池パック3からの排気風の温度を空調装置6からの空調風の温度に近付けた状態で、かかる排気風を分散させることができる。その結果、電池パック3からの排気風の熱に起因する車室内の温度変化を効率的に抑制することができる。
【0045】
本実施形態に係る電池パック3の周辺構造によれば、電池パック3からの左側排気風及び空調装置6からの左側空調風を含む左側合流風が、左側空調風の流れによって左側排気ダクト11の左側及び右側流入口11aに流れるように方向付けられて、左側流入口11aに流れた左側合流風が、左側排気ダクト11を通って、左側フロア部8bと左側フロアカーペット13aとの間の左側床上隙間14aに送られる。また、電池パック3からの右側排気風及び空調装置6からの右側空調風を含む右側合流風が、右側空調風の流れによって右側排気ダクト12の右側流入口12aに流れるように方向付けられて、右側流入口12aに流れた右側合流風が、右側排気ダクト12を通って、右側フロア部8cと右側フロアカーペット13bとの間の右側床上隙間14bに送られる。そのため、電池パック3からの排気風の温度を空調装置6からの空調風の温度に近付けた状態で、かかる排気風を左側及び右側床上隙間14a,14bに確実に送ることができる。その結果、電池パック3からの排気風の熱に起因する車室内の温度変化を効率的に抑制することができる。
【0046】
ここまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その技術的思想に基づいて変形及び変更可能である。