【文献】
M.F. Lin, et al., J Chromatography B, 2005, 816, pp167-174
【文献】
T.Burnouf, et al., J Biochem Biophys Methods, 2001, 49, pp575-586
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の特徴と長所をより深く理解できるように、添付の図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。以下の実施例は、本発明に係る方法を例示したに過ぎず、本発明の構成がこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0016】
以下の実施例で使われる試薬及び装置は、特に説明がない限り、全て通常の市販のものである。
【0017】
実施例1:OsrHSA抽出液の調製
本出願人による中国特許出願200510019084.4号に記載の方法を参照してOsrHSAを含むトランスジェニック水稲を作製し、並びに、本出願人による中国特許出願201010606635.8号に記載の方法を参照して水稲の子実からOsrHSAを抽出し、清澄なOsrHSA抽出液を得た。
【0018】
実施例2:陽イオン交換クロマトグラフィーによる一次精製の条件選定
本出願人による中国特許出願201010606635.8号に記載の方法を参考して行った。組み分けとして、テスト組と対照組に分けた。
【0019】
1.Capto−MMC陽イオン交換クロマトグラフィーによる一次精製、及びアルコール添加によるエンドトキシンの除去処理
以下、Capto−MMC陽イオン交換クロマトグラフィーを利用して一次精製を行い、並びに、テスト組のバッファーにエタノールを添加してOsrHSA抽出液におけるエンドトキシンを取り除いた。対照組(M1)は、エタノールを添加せずに処理を施した。
【0020】
テスト組1(M2):平衡化液とサンプルに10%のエタノールを加え、具体的な処理条件は、次のとおりである。
【0021】
カラム充填:Capto−MMC担体約30mLをXK16/400mmクロマトカラムに充填し、0.5N NaOHで30分間洗い流して発熱因子を死滅させた。
【0022】
平衡化:平衡化バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10%(v/v)無水エタノール、酢酸でpH4.5に調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを平衡化し、pHを4.5に安定させた。
【0023】
サンプル注入:OsrHSAを含み且つ清澄な抽出液サンプルに10%(v/v)無水エタノールと11g/L NaClを加え、NaOHでpH4.5に調整した後、600cm/hの流速でカラムに注入し、サンプルの導電率が20〜21mS/cm、pHが4.5であった。
【0024】
再平衡化:サンプルを注入した後、平衡化バッファー(無水酢酸ナトリウム2 g/L、NaCl 15g/L、10%(v/v)無水エタノール、酢酸でpH4.5に調整し、注射用水で調製したもの)100mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを再び平衡化させた。
【0025】
洗浄:洗浄バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 58.5g/L、酢酸でpH4.8に調整し、注射用水で調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hで不純物を洗い流した。
【0026】
溶出:溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム2.67g/L、リン酸水素二ナトリウム2.82g/L、NaCl 23.4g/L、pH6.3〜6.4、注射用水で調製したもの)を用いて標的ピークを溶離させ、OsrHSA含有画分を得た。
【0027】
テスト組2(M3):平衡化液とサンプルに10%のエタノールを加え、洗浄液に20%のエタノールを加え、具体的な処理条件は、次のとおりである。
【0028】
カラム充填:Capto−MMC担体約30mLをXK16/400mmクロマトカラムに(カラム高さが21cm)充填し、0.5N NaOHで30分間洗い流して発熱因子を死滅させた。
【0029】
平衡化:平衡化バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10%(v/v)無水エタノール、酢酸でpH4.5に調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを平衡化し、pHを4.5に安定させた。
【0030】
サンプル注入:OsrHSAを含み且つ清澄な抽出液サンプルに10%(v/v)無水エタノールと11g/L NaClを加え、NaOHでpH4.5に調整した後、600cm/hの流速でカラムに注入し、サンプルの導電率が20〜21mS/cm、pHが4.5であった。
【0031】
再平衡化:サンプルを注入した後、平衡化バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10%(v/v)無水エタノール、酢酸でpH4.5に調整し、注射用水で調製したもの)100mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを再び平衡化させた。
【0032】
洗浄:洗浄バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 120g/L、20%(v/v)無水エタノール、酢酸でpH4.8に調整し、注射用水で調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hで不純物を洗い流した。
【0033】
溶出:溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム2.67g/L、リン酸水素二ナトリウム2.82g/L、NaCl 23.4g/L、pH6.3〜6.4、注射用水で調製したもの)を用いて標的ピークを溶離させ、OsrHSA含有画分を得た。
【0034】
結果:純度及び負荷量の測定結果を
図1に示す。対照組と2つのテスト組が、純度において明らかな差がなく、洗浄液にアルコールを添加して洗浄することで17〜26KDの不純物バンドの除去に有利であることが確認できた。また、アルコール添加して洗浄する場合、Capto−MMCの負荷量に影響がなく、3組試験のFT結果から負荷量が全て30mL抽出液/mL担体を超えることが確認できた。
【0035】
エンドトキシン除去効果:表1(Capto−MMCのアルコール添加洗浄によるエンドトキシン除去効果の比較)に示されるように、Capto−MMCのアルコール添加洗浄クロマトグラフィーが、エンドトキシン除去に対して良好な効果を示し、対照試験に比べ、平衡化液と抽出液サンプルに10%(v/v)エタノールを加え、洗浄液に20%のエタノールを加えてCapto−MMCクロマトグラフィーを行う場合、エンドトキシン除去効果が最もよく、対照試験の約3.6倍に達することが確認できた。
【0037】
2.Capto−MMCのアルコール添加洗浄によるエンドトキシン除去処理の条件最適化
(2.1)抽出液サンプルにアルコール添加とアルコール無添加の場合の、エンドトキシン除去効果の比較
具体的な処理条件は、以下のとおりである。
【0038】
対照組(M1):平衡化液とサンプルに10%のエタノールを加え、洗浄液に20%のエタノールを加え、具体的な処理条件は、次のとおりである。
【0039】
カラム充填:Capto−MMC担体約29mLをBioRad15/400mmクロマトカラムに充填し、0.5N NaOHで30分間洗い流して発熱因子を死滅させた。
【0040】
平衡化:平衡化バッファーI(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10%(v/v)無水エタノール、酢酸でpH4.5に調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを平衡化し、pHを4.5に安定させた。
【0041】
サンプル注入:OsrHSAを含み且つ清澄な抽出液サンプルに10%(v/v)無水エタノールと11g/L NaClを加え、NaOHでpH4.5に調整した後、600cm/hの流速でカラムに注入した。サンプル注入量が870mLであり、サンプルの導電率が20〜21mS/cm、pHが4.5、サンプルのエンドトキシン量が1000〜2000EU/mLであった。
【0042】
再平衡化:サンプルを注入した後、平衡化バッファーII(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10%(v/v)無水エタノール、酢酸でpH4.5に調整し、注射用水で調製したもの)100mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを再び平衡化させた。
【0043】
洗浄:洗浄バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、20%(v/v)無水エタノール、NaClで導電率を83mS/cmに調整し、酢酸でpH4.8に調整し、注射用水で調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hで不純物を洗い流した。
【0044】
溶出:溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム2.67g/L、リン酸水素二ナトリウム2.82g/L、NaCl 23.4g/L、pH6.3〜6.4、注射用水で調製したもの)を用いて標的ピークを溶離させ、OsrHSA含有画分を得た。
【0045】
テスト組(M2):サンプルと平衡化液Iにエタノールを添加せず、サンプルを注入した後、10%のエタノールを含む平衡化液II 150mL(約5CVに相当する)で平衡化し、洗浄時に20%のエタノールを加えた以外、他の条件はM1と同様である。
【0046】
結果は表2(Capto−MMCのサンプルと平衡化液にエタノール添加とエタノール無添加の場合の、エンドトキシン除去効果の比較)に示され、2組の平行試験において総EUの低下倍率がほぼ一致し、サンプルと平衡化液Iにアルコール添加とアルコール無添加の場合、エンドトキシン除去効果への影響がさほど顕著ではないことが確認できた。両者の回収液のタンパク質濃度と体積がさほど変わりなく、且つエンドトキシン量も同様であることから、サンプルと平衡化液Iにエタノールを添加しなくても同様のエンドトキシン除去効果が得られることが更に実証された。
【0048】
(2.2)洗浄液の異なるアルコール添加量によるエンドトキシン除去効果の比較
対照組1(M1):
カラム充填:Capto−MMC担体約29mLをBioRadl5/400mmクロマトカラムに充填し、0.5N NaOHで30分間洗い流して発熱因子を死滅させた。
【0049】
平衡化:平衡化バッファーI(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、酢酸でpH4.5に調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを平衡化し、pHを4.5に安定させた。
【0050】
サンプル注入:OsrHSAを含み且つ清澄な抽出液サンプルに11g/L NaClを加え、NaOHでpH4.5に調整した後、600cm/hの流速でカラムに注入した。サンプル注入量が650mLであり、サンプルの導電率が20〜21mS/cm、pHが4.5、サンプルのエンドトキシン量が1000〜2000EU/mLであった。
【0051】
再平衡化:サンプルを注入した後、平衡化バッファーII(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10%(v/v)無水エタノール、酢酸でpH4.5に調整し、注射用水で調製したもの)150mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを再び平衡化させた。
【0052】
洗浄:洗浄バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、20%(v/v)無水エタノール、NaClで導電率を83mS/cmに調整し、酢酸でpH4.8に調整し、注射用水で調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hで不純物を洗い流した。
【0053】
溶出:溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム2.67g/L、リン酸水素二ナトリウム2.82g/L、NaCl 23.4g/L、pH6.3〜6.4、注射用水で調製したもの)を用いて標的ピークを溶離させ、OsrHSA含有画分を得た。
【0054】
テスト組1(M2):洗浄液に15%(v/v)無水エタノールを添加した以外、他の条件はM1と同様である。
【0055】
テスト組2(M3):洗浄液に10%(v/v)無水エタノールを添加した以外、他の条件はM1と同様である。
【0056】
結果は、表3(Capto−MMCの洗浄液にエタノール添加量が異なる場合のエンドトキシン除去効果の比較)に示される通りである。
【0058】
表3の分析から、M3組においてエンドトキシンの総EUが38倍低下し、M1(対照組)に比べて顕著な差異があると確認できる。また、M2組において15%のエタノールを加えた場合、52倍低下し、回収液のエンドトキシン量がM1と同様であり、M1(対照組)に比較して顕著な差異がなく、MMC洗浄液のエタノール濃度を15%程度に下げてもエンドトキシンの除去効果に明らかな影響がないのが確認できた。
【0059】
(2.3)洗浄液にイソプロパノール添加して洗浄することによるエンドトキシンの除去効果
対照組(CK):
カラム充填:Capto−MMC担体約29mLをBioRad15/400mmクロマトカラムに充填し、0.5N NaOHで30分間洗い流して発熱因子を死滅させた。
【0060】
平衡化:平衡化バッファーI(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、酢酸でpH4.5に調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを平衡化し、pHを4.5に安定させた。
【0061】
サンプル注入:600cm/hの流速でサンプルを注入し、サンプル注入量が900mLであり、サンプルの導電率が5〜8mS/cm、pHが4.5、サンプルのエンドトキシン量が1000〜2000EU/mLであった。
【0062】
再平衡化:サンプルを注入した後、平衡化バッファーII(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10%(v/v)エタノール、酢酸でpH4.6〜4.7に調整し、注射用水で調製したもの)150mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを再び平衡化させた。
【0063】
洗浄:洗浄バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaClで導電率を82〜89mS/cmに調整し、15%(v/v)エタノール、酢酸でpH4.7〜4.9に調整し、注射用水で調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hで不純物を洗い流した。
【0064】
溶出:溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム2.67g/L、リン酸水素二ナトリウム2.82g/L、NaCl 23.4g/L、pH6.3〜6.4、注射用水で調製したもの)を用いて標的ピークを溶離させ、OsrHSA含有画分を得た。
【0065】
テスト組1(Ml):
カラム充填:Capto−MMC担体約29mLをBioRad15/400mmクロマトカラムに充填し、0.5N NaOHで30分間洗い流して発熱因子を死滅させた。
【0066】
平衡化:平衡化バッファーI(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、酢酸でpH4.5に調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを平衡化し、pHを4.5に安定させた。
【0067】
サンプル注入:600cm/hの流速でサンプルを注入し、サンプル注入量が900mLであり、サンプルの導電率が5〜8mS/cm、pHが4.5、サンプルのエンドトキシン量が1000−2000EU/mLであった。
【0068】
再平衡化:サンプルを注入した後、平衡化バッファーII(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、4〜6%(v/v)イソプロパノール、酢酸でpH4.6〜4.7に調整し、注射用水で調製したもの)150mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを再び平衡化させた。
【0069】
洗浄:洗浄バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、10〜11%(v/v)イソプロパノール、NaClで導電率を82〜89mS/cmに調整し、酢酸でpH4.7〜4.9に調整し、注射用水で調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hで不純物を洗い流した。
【0070】
溶出:溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム2.67g/L、リン酸水素二ナトリウム2.82g/L、NaCl 23.4g/L、pH6.3〜6.4、注射用水で調製したもの)を用いて標的ピークを溶離させ、OsrHSA含有画分を得た。
【0071】
テスト組2(M2):平衡化バッファーIIの4〜6%(v/v)イソプロパノールを10〜11%(v/v)イソプロパノールに変え、洗浄液の10〜11%(v/v)イソプロパノールを15〜16%(v/v)イソプロパノールに変え、且つ導電率を75〜76mS/cmに下げた以外、他の条件はM1組と同様である。
【0072】
結果は、表4(Capto−MMCのイソプロパノール添加洗浄によるエンドトキシン除去効果の比較)に示される通りである。
【0074】
表4の分析から、対照組においてエンドトキシンの総EUが52倍低下したのに対し、M1組及びM2組においてそれぞれ450倍及び710倍低下し、エンドトキシン除去効果がエタノールを添加して洗浄する場合に比べて顕著に高まることが確認できた。また、M2組においてイソプロパノール含有量を15%(v/v)に増加した場合、エンドトキシンが710倍低下し、M1と同等のエンドトキシン除去効果を示したことから、平衡化液のイソプロパノール添加量を4〜11%(v/v)にすることのできることが実証され、また、洗浄液のイソプロパノール添加量が10〜16%(v/v)の範囲、導電率が75〜89mS/cmの範囲においてエンドトキシンの除去効果がさほど変わらないことが確認できた。
【0075】
3.陽イオンクロマトグラフィー担体の選定、及びアルコール添加洗浄によるエンドトキシンの除去効果
(3.1)Bestarose Diamond MMCによる陽イオン交換クロマトグラフィー、及びアルコール添加洗浄によるエンドトキシンの除去処理
具体的な処理条件は、次のとおりである。
【0076】
カラム充填:Bestarose Diamond MMC担体約33mLをBioRad15/400mmクロマトカラムに充填し、0.5N NaOHで30分間洗い流して発熱因子を死滅させた。
【0077】
平衡化:平衡化バッファーI(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、酢酸でpH4.5に調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを平衡化し、pHを4.5に安定させた。
【0078】
サンプル注入:OsrHSAを含み且つ清澄な抽出液サンプルに11g/L NaClを加え、NaOHでpH4.5に調整した後、600cm/hの流速でカラムに注入した。サンプル注入量が600mLであり、サンプルの導電率が20〜21mS/cm、pHが4.5、サンプルのエンドトキシン量が1500〜2000EU/mLであった。
【0079】
再平衡化:サンプルを注入した後、平衡化バッファーII(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10%(v/v)無水エタノール、酢酸でpH4.5に調整し、注射用水で調製したもの)150mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを再び平衡化させた。
【0080】
洗浄:洗浄バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、15%(v/v)無水エタノール、NaClで導電率を83mS/cmに調整し、酢酸でpH4.8に調整し、注射用水で調製したもの)200mLを用いて流速300cm/hで不純物を洗い流した。
【0081】
溶出:溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム2.67g/L、リン酸水素二ナトリウム2.82g/L、NaCl 23.4g/L、pH6.3〜6.4、注射用水で調製したもの)を用いて標的ピークを溶離させ、OsrHSA含有画分を得た。
【0082】
図2に示される結果から、純度においてBestarose Diamond MMCとCapto−MMCとの間に明らかな差がなく、Bestarose Diamond MMCをOsrHSAの一次精製に利用可能であることが確認できた。
【0083】
エンドトキシン除去効果:Bestarose Diamond MMCを使用し、アルコールを添加してクロマトグラフィーを行うことにより抽出液サンプルについて一次精製を施すと、エンドトキシンの総EUが62倍低下し、Capto−MMCと同様のエンドトキシン除去効果があることが確認できた。
【0084】
(3.2)UNO Sphere Sによる陽イオン交換クロマトグラフィー、及びアルコール添加によるエンドトキシンの除去効果
対照組(CK):本発明者による中国特許出願201010606635.8号に記載の方法を参照し、サンプル注入量が400mLであった。
【0085】
テスト組(UE)について、具体的な処理条件は、次のとおりである。
カラム充填:UNO Sphere S担体約18mLをBioRad15/200mmクロマトカラムに充填し、0.5N NaOHで30分間洗い流して発熱因子を死滅させた。
【0086】
平衡化:平衡化バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、10%(v/v)無水エタノール、酢酸でpH4.5に調整し、注射用水で調製したもの)100mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを平衡化し、pHを4.5に安定させた。
【0087】
サンプル注入:OsrHSAを含み且つ清澄な抽出液サンプルに10%(v/v)無水エタノールを加え、醋酸でpH4.5に調整した後、300cm/hの流速でカラムに注入した。サンプル注入量が400mLであり、サンプルのエンドトキシン量が800〜1000EU/mLである。
【0088】
再平衡化:サンプルを注入した後、平衡化バッファー60mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを平衡化させた。
【0089】
溶出:溶出バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 14.6g/L、醋酸でpH5.5に調整し、注射用水で調製したもの)を用いて標的ピークを溶離させ、OsrHSA含有画分を得た。
【0090】
図3に示される結果から、純度においてUNO Sphere sの対照組とアルコール添加組との間に明らかな差がなく、すなわち、UNO Sphere sのアルコール添加のクロマトグラフィーを一次精製に使用可能であることが実証された。
【0091】
エンドトキシン除去効果:UNO Sphere sを使用し、アルコールを添加してクロマトグラフィーを行うことにより抽出液サンプルについて一次精製を施すと、エンドトキシンの総EUの低下状況が対照組に比べてさほど変わりなく、アルコールを添加して洗浄したとしてもUNO Sphere Sのエンドトキシン除去効果を更に高めることができないのが確認でき、UNO Sphere S担体自体の基質構成に起因するものと考えられる。一方、Capto−MMCとBestarose Diamond MMCは、何れも複合性のマルチリガンド結合担体であるため、弱い陽イオン交換と疏水性を兼ね備えることがその分離特性に寄与したと考えられる。
【0092】
実施例3:陰イオン交換クロマトグラフィーによる中間精製の条件選定
1.OsrHSA通過条件(すなわち、導電率40mS/cm、pH7.0の条件において、OsrHSA画分が担体に吸着せずにそのまま通過し、不純物が担体に吸着することにより単離、精製を行うこと)において、Capto−AdhereとBestarose Diamond MMAを利用する陰イオン交換クロマトグラフィー
カラム高さが20.5cmのXK16x400mmクロマトカラムを使用し、Capto−Adhere担体約40mLを充填した。平衡化バッファー(25mM PB、NaCl 23.4g/L、pH7.0)約8CVを用いて平衡化し、UV、pH及びcondがベースラインに達するようにした。Capto−MMC又はBestarose Diamond MMCの溶出液サンプルをpH7.0に調整し、300cm/hの流速で288mL注入した。通過紫外線の吸収値が>20mAUに達してから回収を開始し、OsrHSAを含む標的画分を得た。負荷量を測定するため、20mLごとにサンプルを一回取り、通過部分の純度が顕著に変化しない総注入量を記録し、300cm/hの流速における、Capto−Adhere担体1mLあたりの実際負荷量を算出した。
【0093】
Bestarose Diamond MMA担体を使用してOsrHSA通過条件において行うクロマトグラフィーの条件は、Capto−Adhereと同じく、平行試験を行ってその精製効果と負荷量を比較した。
【0094】
OsrHSA通過条件において2種類の陰イオン担体で中間精製を行った後、HPLC純度が98%以上に達し、
図4に示されるように、2種類の担体が純度において顕著な差がないのが確認できた。
【0095】
2.OsrHSA結合条件においてCapto−Adhereを利用する陰イオン交換クロマトグラフィー
結合条件として、先ず、標的タンパク質を担体に結合させ、一部の不純物を通過させた後、特定の塩及びpHで標的タンパク質を溶離することにより、標的産物を単離、精製して回収した。このような条件としては、例えば、導電率20mS/cm、pH7.0〜7.5において標的画分を陰イオン担体に吸着させ、その後、導電率40mS/cm、pH7.0〜7.2の条件において標的画分を溶離し、不純物を取り除いて標的産物を回収した。
【0096】
Capto−Adhere担体約22mLをBioRad15/200mmクロマトカラムに充填し、平衡化バッファー(リン酸二水素ナトリウム1.0g/L、リン酸水素二ナトリウム5.0g/L、NaCl 5.0g/L、pH7.5〜7.6)220mLを用いて流速300cm/hでカラムを平衡化し、pHを7.5〜7.6に安定させた。そして、Capto−MMC又はBestarose Diamond MMCの溶出液サンプルを水で希釈して導電率を19〜21mS/cmにし、NaOHでpH7.0に調整した後、流速300cm/hで150mL注入した。平衡化バッファー約100mを用いて再び平衡化した後、溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム1.5g/L、リン酸水素二ナトリウム5.0g/L、NaCl 23.4g/L、pH7.1〜7.2)を用いて流速300cm/hでカラムを洗い流し、溶出ピークを回収してOsrHSA含有画分を得た。回収液のエンドトキシン量が100〜200EU/mLであった。
【0097】
Bestarose Diamond MMA担体を使用し、OsrHSA結合条件において行うクロマトグラフィーの条件は、Capto−Adhereの場合と同じく、平行試験を行ってその精製効果と負荷量を比較した。
【0098】
OsrHSA結合条件において、Capto−Adhere及びBestaroseDiamond MMAの2種類の担体を用いて中間精製を行った後、純度が何れも99.9%以上(ELISA検出結果)に達することが確認でき、Bestarose Diamond MMAとCapto−Adhereが同様の精製効果を示すことが実証された。電気泳動の写真を、
図5に示す。
【0099】
3.Capto−AdhereとBestarose Diamond MMAによる陰イオン交換クロマトグラフィーの条件選定
Capto−AdhereとBestaroseDiamondMMAの2種類の担体をパラレールに比較することにより、同様の条件において、Capto−MMC又はBestarose Diamond MMCの溶出液サンプルに対する2種類の担体の中間精製効果及び負荷量がほぼ一致することが確認でき、2種類の陰イオン交換クロマトグラフィー担体が何れもOsrHSAの中間精製に適用可能であることが実証された。
【0100】
2種類の担体のOsrHSA通過条件における負荷量が、結合条件の場合に比べて高くなり、前者の負荷量が約25mgサンプル/mL担体であり、後者の負荷量が約20mgサンプル/mL担体であった。しかし、OsrHSA結合条件における精製効果が、通過条件における精製効果を超え、前者の純度が99.9%以上に達することに対し、後者は98%〜99%に止まった。
【0101】
OsrHSA通過条件において、殆どのエンドトキシンがOsrHSAと共にそのまま通過し、担体のエンドトキシン除去効果があまりよくないが、OsrHSA結合条件において、サンプルのエンドトキシンに対する2種類の担体の除去効果が通過条件の場合を超えた。結合条件において、一部の遊離型エンドトキシンがサンプル注入時にそのまま通過し、一部のエンドトキシンが担体に緊密に吸着したため、選択的にOsrHSAを溶離させることができ、良好なエンドトキシン除去効果を得た。
【0102】
各要素を全面的に考慮すると、2種類の陰イオン交換担体Capto−AdhereとBestarose Diamond MMAのクロマトグラフィー条件として、OsrHSA結合条件が最適であった。
【0103】
実施例4:疎水性クロマトグラフィーによる最終精製の条件選定
1.Phenyl Sepharose HPによる疎水性クロマトグラフィー
本出願人による中国特許出願201010606635.8号に記載の方法を参照し、Phenyl sepharose HP担体約28mLをXK16/200mmクロマトカラムに充填した後、平衡化バッファー(無水酢酸ナトリウム2.32g/L、リン酸二水素ナトリウム2.81g/L、カプリル酸ナトリウム2g/L、硫酸アンモニウム66g/L、pH6.5)150mLを用いて流速100cm/hでクロマトカラムを平衡化した。Capto−Adhere又はBestarose Diamond MMAで精製したOsrHSAを含む溶出画分100mLに、硫酸アンモニウムを加えて導電率を75mS/cmに調整した後、プリル酸ナトリウム0.15gを加え、塩酸でpH6.5に調整して100cm/hの流速でカラムに注入した。通過画分を集めてOsrHSA含有画分を回収し、並びに処理段階ごとにサンプルを取って負荷量を測定し、中間精製後のサンプルに対する担体1mL当たりの実際負荷量を算出した。電気泳動の写真を、
図6に示す。
【0104】
2.Phenyl Bestarose HPによる疎水性クロマトグラフィー
Phenyl Bestarose HP担体約24mLをXK16/200mmクロマトカラムに充填し、本実施例の上記1で説明したクロマトグラフ法を参照して平行試験を行った。電気泳動の写真を、
図6及び
図7に示す。
【0105】
結果と分析:
Capto−Adhere又はBestarose Diamond MMAによる中間精製のサンプルを、Phenyl Sepharose HP又はPhenyl Bestarose HP疎水性クロマトグラフィーにかけた場合、純度が何れも99.9999%(ELISA検出)に達し、水稲の子実由来のタンパク質不純物が全く検出されなかった。2種類の疏水性担体は、純度においてさほど変わりなく、2種類の疎水性クロマトグラフィー担体で精製したOsrHSA含有画分のエンドトキシン量も共に0.06EU/mg未満であった。これらの結果から、OsrHSAの最終精製にPhenyl Sepharose HP又はPhenyl Bestarose HP疎水性クロマトグラフィー担体を用いることができ、精製とエンドトキシン除去効果も良好であることが確認できた。
【0106】
実施例5:組換えヒト血清アルブミンの単離と精製
陽イオン交換による一次精製:Capto−MMC担体約400mLをXK50/400mmクロマトカラムに充填し、0.5N NaOHで30分間洗い流して発熱因子を死滅させた後、平衡化バッファーI(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 11g/L、酢酸でpH4.5に調製したもの)2Lを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを平衡化し、pHを5.0に安定させた。サンプル注入量が10Lであり、サンプルの導電率が20.3mS/cm、pH4.8であった。サンプルを注入した後、平衡化バッファーII(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10〜11%(v/v)無水エタノール、酢酸でpH4.8に調整し、注射用水で調製したもの)2Lを用いて流速300cm/hで再びクロマトカラムを平衡化し、洗浄バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、16%(v/v)無水エタノール、NaClで導電率を83.5mS/cmに調整し、酢酸でpH5.0に調整し、注射用水で調製したもの)3000mLを用いて流速300cm/hで不純物を洗い流した。溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム2.67g/L、リン酸水素二ナトリウム2.82g/L、NaCl 23.4g/L、pH6.3〜6.4、注射用水で調製したもの)を用いて標的ピークを溶離させ、OsrHSA含有画分を得た。電気泳動の写真を、
図8のAに示す。
【0107】
陰イオン・疎水性複合担体の交換クロマトグラフィーによる中間精製:Capto−Adhere担体約68mLをXK26/200mmクロマトカラムに充填し、平衡化バッファー(リン酸二水素ナトリウム1.0g/L、リン酸水素二ナトリウム5.0g/L、NaCl 5.0g/L、pH7.5〜7.6)600mLを用いて流速300cm/hでカラムを平行化し、pHを7.5〜7.6に安定させた後、流速300cm/hでサンプル500mLを注入した。平衡化バッファー約200mLを用いて再びカラムを平衡化し、溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム1.5g/L、リン酸水素二ナトリウム5.0g/L、NaCl 23.4g/L、pH7.1〜7.2)を用いて流速300cm/hでカラムを洗い流し、溶出ピークを回収してOsrHSA含有画分を得た。回収液のエンドトキシン量が100〜200EU/mLであった。電気泳動の写真を、
図8のBに示す。
【0108】
疏水性クロマトグラフィーによる最終精製:Phenyl sepharose HP担体約15mLをXK16/200mmクロマトカラムに充填し、平衡化バッファー(無水酢酸ナトリウム2.32g/L、リン酸二水素ナトリウム2.81g/L、カプリル酸ナトリウム2g/L、硫酸アンモニウム66g/L、pH6.5)100mLを用いて流速100cm/hでクロマトカラムを平衡化させた。Capto−Adhereで精製したOsrHSAを含む溶出画分100mLに、硫酸アンモニウムを加えて導電率を75mS/cmに調整した後、カプリル酸ナトリウム0.15gを加え、塩酸でpH6.5に調整して100cm/hの流速でカラムに注入した。通過画分を回収してOsrHSA含有画分を得、そのエンドトキシン量が0.08EU/mg未満であり、純度が99.9999%を超えた。電気泳動の写真を、
図8のCに示す。
【0109】
実施例6:組換えヒト血清アルブミンの単離と精製
Capto−MMC担体約400mLをXK50/400mmクロマトカラムに充填し、0.5N NaOHで30分間洗い流して発熱因子を死滅させた後、平衡化バッファーI(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 11g/L、酢酸でpH4.5に調製したもの)2000mLを用いて流速300cm/hでクロマトカラムを平衡化し、pHを4.5に安定させた。サンプル注入量が10000mLであり、サンプルの導電率が5.5〜8.0mS/cm、pHが4.5であった。サンプルを注入した後、平衡化バッファーII(無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10〜11%(v/v)イソプロパノール、酢酸でpH4.5に調整し、注射用水で調製したもの)2000mLを用いて流速300cm/hで再びクロマトカラムを平衡化し、洗浄バッファー(無水酢酸ナトリウム2g/L、15〜16%(v/v)イソプロパノール、NaClで導電率を82〜89mS/cmに調整し、酢酸でpH4.8〜4.9に調整し、注射用水で調製したもの)3000mLを用いて流速300cm/hで不純物を洗い流した。溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム2.67g/L、リン酸水素二ナトリウム2.82g/L、NaCl 23.4g/L、pH6.3〜6.4、注射用水で調製したもの)を用いて標的ピークを溶離させ、OsrHSA含有画分を得た。電気泳動の写真を、
図9(A)に示す。
【0110】
陰イオン・疎水性複合担体の交換クロマトグラフィーによる中間精製:Capto−Adhere担体約68mLをXK26/200mmクロマトカラムに充填し、平衡化バッファー(リン酸二水素ナトリウム1.0g/L、リン酸水素二ナトリウム5.0g/L、NaC1 5.0g/L、pH7.5〜7.6)600mLを用いて流速300cm/hでカラムを平衡化し、pHを7.5〜7.6に安定させた後、流速300cm/hでサンプル500mLを注入した。平衡化バッファー約200mLを用いて再びカラムを平衡化し、溶出バッファー(リン酸二水素ナトリウム1.5g/L、リン酸水素二ナトリウム5.0g/L、NaCl 23.4g/L、pH7.1〜7.2)を用いて流速300cm/hでカラムを洗い流し、溶出ピークを回収してOsrHSA含有画分を得た。回収液のエンドトキシン量が100〜200EU/mLであった。電気泳動の写真を、
図9のBに示す。
【0111】
疏水性クロマトグラフィーによる最終精製:Phenyl sepharose HP担体約15mLをXK16/200mmクロマトカラムに充填し、平衡化バッファー(無水酢酸ナトリウム2.32g/L、リン酸二水素ナトリウム2.81g/L、カプリル酸ナトリウム2g/L、硫酸アンモニウム66g/L、pH6.5)100mLを用いて流速100cm/hでクロマトカラムを平衡化させた。Capto−Adhereで精製したOsrHSAを含む溶出画分100mLに硫酸アンモニウムを加えて導電率を75mS/cmに調整し、カプリル酸ナトリウム0.15gを加え、塩酸でpH6.5に調整した後、100cm/hの流速でカラムに注入した。通過画分を回収してOsrHSA含有画分を得、そのエンドトキシンが0.08EU/mg未満であり、純度が99.9999%を超えた。電気泳動の写真を、
図9のCに示す。
本明細書に記載の発明は、以下の項目に記載の形態によっても実施され得る。
[項目1]
高純度の組換えヒト血清アルブミンを単離、精製するクロマトグラフ法であって、順に、
1)組換えヒト血清アルブミンの粗抽出物を陽イオン交換クロマトグラフィーにかけ、バッファーにアルコールを加えることでエンドトキシンを取り除き、一次産物Iを取得し、
上記バッファーは、洗浄バッファー、平衡化バッファーI、及び平衡化バッファーIIを含み、そのうち、洗浄バッファーが体積比で10〜20%のアルコールを含み、平衡化バッファーIが体積比で0〜10%のアルコールを含み、平衡化バッファーIIが体積比で5〜15%のアルコールを含み、
上記陽イオン交換クロマトグラフィーの陽イオン・疎水性複合担体が、Capto−MMC又はBestarose Diamond MMCであり、
2)一次産物Iを陰イオン交換クロマトグラフィーにかけ、中間産物IIを取得し、
上記陰イオン交換クロマトグラフィーの陰イオン・疎水性複合担体が、Capto−Adhere又はBestarose Diamond MMAであり、
3)中間産物IIを疎水性クロマトグラフィーにかけ、高純度の組換えヒト血清アルブミン標的産物を取得し、
上記疎水性クロマトグラフィーの担体が、Phenyl Sepharose HP、Phenyl Sepharose FF、Phenyl Bestarose HP又はPhenyl Bestarose FFである
ステップを含み、得られた組換えヒト血清アルブミンのHPLC純度が少なくとも99.9%である、クロマトグラフ法。
[項目2]
上記アルコールは、エタノール及びイソプロパノールから選ばれる、項目1に記載のクロマトグラフ法。
[項目3]
上記洗浄バッファーは15%の無水エタノールを含み、上記平衡化バッファーIIは10%の無水エタノールを含んでなる、項目1または2に記載のクロマトグラフ法。
[項目4]
上記洗浄バッファーは、無水酢酸ナトリウム2g/L、15%の無水エタノールを含み、NaClで導電率を83mS/cmに調整し、酢酸でpHをpH4.6〜5.0に調整してなる、項目1から3のいずれか一項に記載のクロマトグラフ法。
[項目5]
上記平衡化バッファーIは、無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/Lを含み、酢酸でpH4.2〜4.8に調整してなる、項目1から4のいずれか一項に記載のクロマトグラフ法。
[項目6]
上記平衡化バッファーIIは、無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10%の無水エタノールを含み、酢酸でpH4.2〜4.8に調整してなる、項目1から5のいずれか一項に記載のクロマトグラフ法。
[項目7]
上記バッファーは、洗浄バッファー、平衡化バッファーI及び平衡化バッファーIIを含み、そのうち、洗浄バッファーが体積比で10〜16%のイソプロパノールを含み、平衡化バッファーIIが体積比で4〜11%のイソプロパノールを含んでなる、項目1から6のいずれか一項に記載のクロマトグラフ法。
[項目8]
上記洗浄バッファーが15〜16%のイソプロパノールを含み、上記平衡化バッファーIIが10〜11%のイソプロパノールを含んでなる、項目7に記載のクロマトグラフ法。
[項目9]
上記洗浄バッファーは、無水酢酸ナトリウム2g/L、15〜16%のイソプロパノールを含み、NaClで導電率を82〜89mS/cmに調整し、酢酸でpHをpH4.8〜4.9に調整してなる、項目7に記載のクロマトグラフ法。
[項目10]
上記平衡化バッファーIは、無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 11g/Lを含み、酢酸でpH4.5に調整してなる、項目7に記載のクロマトグラフ法。
[項目11]
上記平衡化バッファーIIは、無水酢酸ナトリウム2g/L、NaCl 15g/L、10〜11%のイソプロパノールを含み、酢酸でpH4.5に調整してなる、項目7に記載のクロマトグラフ法。