(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ページ捲りの指示を受信すると、前記配列の両端の一方のうちの表示装置に送信した画像のページに台数を加算したページの画像を当該表示装置に送信し、該加算したページの次ページの画像を隣接する表示装置に送信し、前記表示装置の台数分の画像を順に送信するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の複数表示装置の表示方法。
複数のページに分割可能なデータファイルを分割した各ページの画像を複数の表示装置の各画面に表示させる複数表示装置の表示方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記方法は、
左右に並べて配列された複数の表示装置の各表示装置から前記配列における当該表示装置の位置として、左端、右端または中間の位置にあることを、ネットワークを介して予め受信し、前記表示装置の台数および配列を記憶するステップと、
表示開始ページが指定されると、当該指定されたページの画像を前記配列の両端のうちの一方の表示装置に送信し、次ページの画像を隣接する表示装置に送信し、前記表示装置の台数分の画像を順に送信するステップと、
前記送信された画像を各表示装置で表示させるステップと
を備えることを特徴とするプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の電子楽譜は、2つの表示画面を有する見開き型の専用装置になっており、汎用のタブレット端末に比べるときわめて高価で、電子楽譜を利用するメリットを毀損している。
【0004】
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、1つの表示画面しか持たない通常の表示装置を複数並べて、書籍や楽譜を同時に複数ページ閲覧することができる複数表示装置の表示方法、システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【0005】
また、複数台の表示装置を並べて1つのデータファイルのページを連続して表示させるためには、どの表示装置をどこに配置するかという構成情報を予めサーバに直接設定しておく必要があり、配置を変えるたびに構成情報を変更しなければならないため、従来は柔軟な運用ができなかった。このため本発明では、柔軟な運用が可能になるように表示装置の構成を簡易にサーバに設定可能な複数表示装置の表示方法、システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、複数のページに分割可能なデータファイルを分割した各ページの画像を複数の表示装置に表示させる複数表示装置の表示方法であって、複数の表示装置の各表示装置を
左右に並べて配列させて複数のページの各画像を表示させる際に、予め表示装置の各々から配列における表示装置の位置
として、左端、右端または中間の位置にあることをサーバにネットワークを介して送信するステップと、表示開始ページが指定されると、指定されたページの画像を配列の両端のうちの一方の表示装置に送信し、次ページの画像を隣接する表示装置に送信し、表示装置の台数分の画像を順に送信するステップと、送信された画像を各表示装置で表示するステップとを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の複数表示装置の表示方法において、ページ捲りの指示を受信すると、配列の両端のうちの一方の表示装置に送信した画像のページに台数を加算したページの画像を当該装置に送信し、加算したページの次ページの画像を隣接する表示装置に送信し、前記表示装台数分の画像を順に送信するステップをさらに備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の複数表示装置の表示方法において、データファイルは楽譜に関連することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、複数のページに分割可能なデータファイルを分割した各ページの画像を複数の表示装置の各画面に表示させる複数表示装置の表示方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、方法は、
左右に並べて配列された複数の表示装置の各表示装置から配列における表示装置の位置
として、左端、右端または中間の位置にあることを、ネットワークを介して予め受信し、表示装置の台数および配列を記憶するステップと、表示開始ページが指定されると、指定されたページの画像を配列の両端のうちの一方の表示装置に送信し、次ページの画像を隣接する表示装置に送信し、表示装置の台数分の画像を順に送信するステップと、送信された画像を各表示装置で表示させるステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、複数のページに分割可能なデータファイルを分割した各ページの画像を複数の表示装置の各画面に表示させるサーバであって、
左右に並べて配列された複数の表示装置の各表示装置から配列における表示装置の位置
として、左端、右端または中間の位置にあることを、ネットワークを介して予め受信し、表示装置の台数および配列を記憶する記憶手段と、表示開始ページが指定されると、指定されたページの画像を配列の両端のうちの一方の表示装置に送信し、次ページの画像を隣接する表示装置に送信し、表示装置の台数分の画像を順に送信する送信手段と、送信された画像を各表示装置で表示させる指示手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、複数のページに分割可能なデータファイルを分割した各ページの画像を表示する表示システムであって、予め
左右に並べて配列された複数の表示装置であって、配列における各表示装置の位置
として、左端、右端または中間の位置にあることをサーバにネットワークを介して送信する位置送信手段と、送信された画像を表示する表示手段とを含む複数の表示装置と、複数の表示装置の配列における各表示装置の位置を、ネットワークを介して予め受信し、表示装置の台数および配列を記憶する記憶手段と、表示開始ページが指定されると、指定されたページの画像を配列の両端のうちの一方の表示装置に送信し、次ページの画像を隣接する表示装置に送信し、表示装置の台数分の画像を順に送信する送信手段とを含むサーバとを備え、複数の表示装置のいずれかにおいて表示開始ページが指定されると、サーバに表示開始ページを送信することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、複数のページに分割可能なデータファイルを分割した各ページの画像を表示する表示システムであって、予め
左右に並べて配列された複数の表示装置であって、配列における各表示装置の位置
として、左端、右端または中間の位置にあることをサーバにネットワークを介して送信する位置送信手段と、送信された画像を表示する表示手段とを含む複数の表示装置と、複数の表示装置の配列における各表示装置の位置を、ネットワークを介して予め受信し、表示装置の台数および配列を記憶する記憶手段と、表示開始ページが指定されると、指定されたページの画像を配列の両端のうちの一方の表示装置に送信し、次ページの画像を隣接する表示装置に送信し、表示装置の台数分の画像を順に送信する送信手段とを含むサーバと、表示開始ページが指定されると、サーバに該表示開始ページを送信する指示装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、表示装置を
左右に並べて配列させて複数のページの各画像を表示させる際に、予め複数の表示装置の各表示装置から配列における表示装置の位置
として、左端、右端または中間の位置にあることをサーバにネットワークを介して送信するステップと、表示開始ページが指定されると、指定されたページの画像を配列の両端のうちの一方の表示装置に送信し、次ページの画像を隣接する表示装置に送信し、表示装置の台数分の画像を順に送信するステップと、送信された画像を各表示装置で表示するステップとを備えているので、1つの表示画面しか持たない通常の表示装置を複数並べて、書籍や楽譜を同時に複数ページ閲覧することができる。また、表示装置の構成を簡易にサーバに設定して柔軟な運用が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の複数表示装置の表示方法、システムおよびプログラムについて図面を参照して実施形態を説明する。
【0026】
(第1実施形態)
本実施形態では、扱うデータとして楽譜データを用い、演奏の際などにサーバから各ページの画像を送信して表示装置に表示するような形態を想定するが、これに限られず本発明は、複数の表示装置を用いて各ページの画像を表示するシステムに適用することができる。従来のシステムは1台の表示装置に楽譜データを表示するが、本実施形態の楽譜データは、並べられた複数の表示装置に各ページの画像を表示させるようにする。例えば、本実施形態では
図10Aおよび
図10Bに示すように表示装置を左右横に並べて楽譜を表示する。
図10Aは、2台の表示装置を使用する場合、
図10Bは3台の表示装置を使用する場合の例を示すが、本実施形態のように楽譜データを表示させる場合は、2台の表示装置のときは、表示装置を横に並べ、楽譜を見開きで見る態様で左側に1ページ目の楽譜を表示し、右側に2ページ目を表示する。
【0027】
1回分ページ捲りされると左側に3ページ目、右側に4ページ目が表示され、以降2ページずつページ捲りされる。同様に、3台の表示装置を用いるときは、左端に1ページ目が表示され、中央に2ページ目が、右端の表示装置に3ページ目の楽譜が表示される。1回分ページ捲りされると、左端に4ページ目が表示され、中央に5ページ目が、右端に6ページ目の楽譜が表示され、以降3ページずつページ捲りされる。
【0028】
(本実施形態の構成)
本実施形態の表示方法の概要は以上であるが、具体的なシステムの動作及び処理を以下に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の全体のシステム構成図である。本システムでは、楽譜データを配信したり、システム全体を制御したりするためのサーバとして、楽譜配信サーバ101および通信サーバ102を備えており、ネットワーク103を介して接続されている。表示装置である端末111〜112は、基本的に無線でネットワーク103に接続されており、例えばタブレット端末とすることができ、本実施形態でネットワーク103との接続は、携帯電話の回線や、Wi−fi、BLUETOOTH(登録商標)等の無線ネットワークにより行う。ここで端末111、112はタブレット端末のほか、スマートフォン、あるいはモバイルパソコン等とすることができるが、基本的に楽譜データ等をサーバから受信して画像を表示、およびタッチパネル、マウスまたはキーボードで一定の入力操作をすることができれば、モバイルあるいはデスクトップのパソコン、専用端末などいずれの装置を用いることができる。
【0029】
スマートフォン113は、本実施形態では、ページの指定やページ捲りの指示など、端末111、112に楽譜などを表示する際の操作に用いるものであり、端末111、112と同様にネットワークを介してサーバと通信できるものであればスマートフォンに限られず、いずれかの端末装置を使用することができ、パソコン等の固定装置を使用することもできる。また、本実施形態のサーバとしては、楽譜配信サーバ101、通信サーバ102の2つのサーバを備え、スマートフォン113から楽譜等の画像の表示やページ送りなどの指示を通信サーバ102に送信すると、通信サーバ102は画像データのページおよび表示装置などを特定して楽譜配信サーバ101に指示し、楽譜配信サーバ101は指示された表示装置111または112に指示されたページの画像データを送信して表示させるが、これに限られず1つのサーバとして、指示の受信から画像データの送信までするようにすることもでき、あるいはさらに多くのサーバに機能分担させることもできる。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態のサーバの機能ブロック図である。楽譜配信サーバ101は、図示しないサーバ等から楽譜データを受信して記憶し、管理する楽譜データ受信、管理モジュール201、受信した楽譜データから各ページの画像データを生成する楽譜、画像変換モジュール202および生成された画像データを記憶、管理するとともに、通信サーバ102から指示を受信すると指定された端末に画像データを送信する画像データ管理、送信モジュール203を備える。また、通信サーバ102は、端末111、112から端末の配列中の位置情報を受信し、端末の配列を判定するとともに記憶し、管理する端末指定受信、配置管理モジュール204、スマートフォン113から指示を受信し、端末指定受信、配置管理モジュール204で管理される端末の位置情報に基づいて楽譜データの各ページの画像をどの表示装置に表示するかを管理する指示受信、端末管理モジュール205および受信した指示に基づいて判定された表示すべき画像データを表示すべき端末111または112に送信する画像送信指示モジュール206を備える。
【0031】
以下に、
図2〜
図7を参照して本実施形態の処理を説明する。本実施形態では、まず表示装置がどのような順番で並べられているかを、簡易な方法でサーバに通知し(表示装置の位置設定)、その後指示装置であるスマートフォンなどから表示に関する操作を行って、楽譜の各ページの画像の表示やページ捲り処理を行う。
【0032】
(表示装置の位置設定の処理)
図3は、本発明の一実施形態の表示装置の配置の設定を説明するための図であり、
図4Aおよび
図4Bは、本発明の一実施形態のサーバで管理される各表示装置の配置情報を示す図である。また、
図5は、本発明の一実施形態のサーバ、表示装置の各ページ画像の表示動作を説明するための図であり、
図6は、本発明の一実施形態のシステム全体の処理を示すフローチャートである。
【0033】
本実施形態では、
図3に示すように各端末において簡易な方法で位置を設定して、サーバに知らせることにより、サーバが端末の配列を判定し、その後どの端末にどのページの画像を送信するかを決定する。すなわち、各端末でタッチパネル等により操作を行って(指をスライドさせ)設定するが、右端の端末は端末の表示画面の中央から右端へ指をスライド、中央の端末は画面の左端から右端へ指をスライド、および右端の端末は画面の左端から中央へ指をスライドさせることにより各端末の位置を設定する。設定された情報(位置指定情報)は各端末からサーバに送ることにより、サーバでは各端末の位置を判定し、判定された配置は例えば
図4Aおよび
図4Bに示すように通信サーバ102内に記憶される。このように設定することにより、別途サーバに端末の位置を端末名などと関連させて設定しておかなくても、端末を並べた状態で、かつ各端末ごとに操作するだけで配置を登録できるので、余計な手間がかからず、また柔軟な運用が可能である。
【0034】
具体的に
図6のフローチャートを参照して説明すると、まずステップS601において、使用する端末の台数をいずれかの端末に入力して通信サーバ102に送信する。次に3台の端末を使用する場合を例に
図3を参照して説明すると、先ず1台目(左端)の端末の画面上で中心部から右にポインターを移動させる。すなわち、左端の端末の画面上の中央付近を指で押下すると、画面上にポインターが表示され(ステップS301)、指を右にスライドさせ(ステップS302)、このポインターの動作、すなわち端末の画面上で指を中央から右端にスライドさせたという情報(位置指定情報)を左端の端末は通信サーバ102に送信する。
【0035】
通信サーバ102の端末指定受信、配置管理モジュール204は、左端の端末の位置指定情報を受信すると、中央から右端への右スライドだから、書字方向が右であり、左端の端末であると判定し記憶する。具体的には、例えば
図4Aに示すように(この端末の端末名を端末3とすると)、配置情報401の項目405に左端と記録する(ステップS602)。
【0036】
次に、中央の端末の画面の左端を押下すると、画面上にポインターが表示され(ステップS303)、右端までスライドさせ(ステップS304)、このポインターの動作、すなわち端末の画面上で指を左端から右端にスライドさせたという情報(位置指定情報)を中央の端末は通信サーバ102に送信する。通信サーバ102の端末指定受信、配置管理モジュール204は、中央の端末の位置指定情報を受信すると、位置指定情報により、送信してきた端末は中央の端末と判定し記憶する。具体的には、例えば
図4Aに示すように(中央の端末の端末名を端末1とすると)、項目403に中央と記録する(ステップS602)。
【0037】
同様に、右端の端末の画面の左端を押下すると、画面上にポインターが表示され(ステップS305)、中央までスライドさせ(ステップS306)、このポインターの動作、すなわち端末の画面上で指を左端から中央にスライドさせたという情報(位置指定情報)を右端の端末は通信サーバ102に送信する。通信サーバ102の端末指定受信、配置管理モジュール204は、右端の端末から位置指定情報を受信すると、送信してきた端末は右端の端末と判定し記憶する。具体的には、例えば
図4Aに示すように(この端末の端末名を端末2とすると)、項目404に右端と記録する(ステップS602)。このような操作は、書字方向に合わせて端の端末から順に画面をなぞるようにスライドさせていく、つまり左端の画面中央から指で、連続する端末をなぞるように触れていくので、直観的でわかりやすい。
【0038】
以上の処理により、3台の端末の位置関係及び書字方向が判定され、これらの情報を用いて、楽譜等を3台の端末に表示させることができる。なお、本実施形態では設定の最初に使用する端末の台数をいずれかの端末で入力しサーバに送信したが、台数を入力しなくても上記の操作で3台分の位置登録が確認されれば、台数は自動的に3台と判定して使用することができる。この場合、例えば端末に図示しない位置設定開始等のボタンを表示しておき、これが押下されると設定が開始され、最後の入力から一定時間設定の通知をサーバが受けとらない場合設定が終了すると判断して、それまでに設定された端末の数を台数とすることができる。
【0039】
また、上記操作は、左端の端末から行ったが、上述のようにスライドさせる位置により端末の位置を判定しているので、必ずしもこれに限られず、中央の端末から操作開始してもよく、いずれの端末から、いずれの順番で操作を行うこともできる。この場合、4台以上の端末の位置設定をするときは、左右端を除く中央には2台以上の端末が配置されることになるので、例えば左の端末から順に位置設定操作をすることにより、サーバは中央の何番目の端末かを判定することができる。
【0040】
さらに、本実施形態では書字方向は右であるが、本発明は書字方向が左の場合にも適用可能であり、その場合端末の位置判定は上記と逆になる。すなわち、右端あるいは左端の端末の画面での設定時のスライドは、中央から左端あるいは右端から中央とすることにより上記同様に判定することができる。さらに、上下に端末を並べた場合も、本発明の原理を用いることにより、端末での設定、サーバでの判定が可能となる。また、本実施形態で操作はタブレットを想定しているため、ポインターの移動は指によるスワイプ操作としているが、画面上に表示したポインターをマウスなどで移動させることにより設定することもできる。
【0041】
次に、
図9を参照して表示装置が2台の場合の配列設定操作、配列判定方法について説明する。基本的には、上述の設定、判定方法と同様であり、2台使用の場合は3台使用の場合の中央の表示装置がないだけである。
【0042】
具体的に
図6のフローチャートを参照して説明すると、まずステップS601において、使用する端末の台数をいずれかの端末に入力して通信サーバ102に送信する。先ず1台目(左側)の端末の画面上で中心部から右にポインターを移動させる。すなわち、左側の端末の画面上の中央付近を指で押下すると、画面上にポインターが表示され(ステップS901)、指を右にスライドさせ(ステップS902)、このポインターの動作、すなわち端末の画面上で指を中央から右端にスライドさせたという情報(位置指定情報)を左側の端末は通信サーバ102に送信する。
【0043】
通信サーバ102の端末指定受信、配置管理モジュール204は、左側の端末の位置指定情報を受信すると、中央から右端への右スライドだから、書字方向が右であり、左側の端末であると判定し記憶する。具体的には、例えば
図4Bに示すように(この端末の端末名を端末4とすると)、配列情報406の項目407に左端と記録する(ステップS602)。
【0044】
次に、右側の端末の画面の左端を押下すると、画面上にポインターが表示され(ステップS903)、中央までスライドさせ(ステップS904)、このポインターの動作、すなわち端末の画面上で指を左端から中央にスライドさせたという情報(位置指定情報)を右側の端末は通信サーバ102に送信する。通信サーバ102の端末指定受信、配置管理モジュール204は、右側の端末から位置指定情報を受信すると、送信してきた端末は右側の端末と判定し記憶する。具体的には、例えば
図4Bに示すように(この端末の端末名を端末5とすると)、項目408に右端と記録する(ステップS602)。
【0045】
以上の処理により、2台の端末の位置関係及び書字方向が判定され、これらの情報を用いて、楽譜等を2台の端末に表示させることができる。
【0046】
(画像の表示処理)
次に、ステップS603で、スマートフォン113から楽譜の配信の指示が送信され、通信サーバ102の指示受信、端末管理モジュール205でこの指示を受信すると、指定されたページの画像を画像配信サーバ101に配信させるため、指定されたページの画像が表示されるべき端末を決定する。すなわち、例えば1台で画像を表示する端末521に表示する場合は、そのまま指定されたページの画像データを端末521に送信するよう指示すればいいが、2台または3台の構成の端末群の場合どの端末に何ページの画像データを送信させるか決定しなければならない。例えば、端末531、532のいずれかが指定されて、4ページ目の画像の表示が指示されれば、端末531に3ページ目の画像を、端末532には4ページ目の画像を送信するように、楽譜配信サーバ101に指示する(ステップS604)。指示受信、端末管理モジュール205は、このような指示をすると、現在どの端末に何ページの画像が表示されているかを記憶、管理する。
【0047】
なお、ここではスマートフォン113を用いて表示指示を行う例を説明したが、以降に説明するページ捲りやその他の操作も含め、
図8に示すように表示用の各端末521、531、532、541、542、543のいずれかを用いて行うこともできる。その場合スマートフォン113は不要となる。また、この場合、表示する端末を指定せずに表示を所望するページのみ送ることもでき、そのような指定は指示が送信された端末が指定されたと解釈して上述の処理を行うことができる。
【0048】
同様に、端末541、542、543のいずれかが指定されて、4ページ目の画像の表示が指示されれば、端末541に4ページ目の画像を、端末542には5ページ目の画像を、端末543には6ページ目の画像を送信するように、楽譜配信サーバ101に指示する(ステップS604)。ここで、本実施形態で、スマートフォン113からの指示は、楽譜の表示を所望するページと、並べた端末群の少なくとも1台の指定を含むが、これに限られず、端末群全部、すなわち全部の端末の情報などを含むこともできる。
【0049】
楽譜配信サーバ101は、予め楽譜データ受信、管理モジュール201が楽譜データベース501から楽譜データを受信して管理しており、この楽譜データを楽譜→画像変換モジュールがPDF形式の楽譜データから、ページごとの画像に分離しておき記憶、管理しておく。楽譜配信サーバ101に端末およびページを指定して画像データ送信の指示が通信サーバ102からなされると、画像データ管理、送信モジュール203が指示されたページの画像を読み込み、指示された端末に送信する。上述の指示の例でいえば、端末531に3ページ目の画像を、端末532には4ページ目の画像を送信し、端末541に4ページ目の画像を、端末542には5ページ目の画像を、端末543には6ページ目の画像を送信する。
【0050】
(ページ捲り処理)
図7は、本発明の一実施形態のサーバ、表示装置のページ捲りの動作を説明するための図である。上述のような方法で、すでに何ページ目かの画像が各端末に表示されている状態で、
図7に示すように端末702上でスワイプ操作をすると次のページの画像が表示される。本例では2台の端末を使用しているので、ページ捲りをすると2ページずつページが送られる。すなわち、1ページと2ページ目の画像が表示されている状態でページ捲り
(スワイプ等)がなされると、3ページと4ページ目の画像が表示され、さらにページ捲りすると5ページと6ページ目の画像が表示される。
【0051】
具体的な処理を説明すると、1ページと2ページ目の画像が表示されている状態で端末702の画面上を指でスワイプすると、ページ捲り(ページ送り)指示が通信サーバ102に送信される(ステップS606)。指示受信、端末管理モジュール205は、現在1ページと2ページ目の画像が表示されていることを認識しているので、ページ捲りの指示により3ページと4ページ目の画像を表示すると判定し、それぞれ表示すべき端末も決定して、楽譜配信サーバ101に送信指示を行う(ステップS604)。指示を受けた楽譜配信サーバ101は、指示されたページの画像データを指示された端末に送信し、各端末は受信した画像データを表示する。ここで、指示受信、端末管理モジュール205は、各端末に現在表示されている画像が何ページかを管理しているので、各端末はページ捲りの指示のみで適切なページの表示の指示を楽譜配信サーバ101に送信できるが、例えば各端末に表示しているページを各端末でも管理するようにして、ページ捲りの指示の際にページも送信して、指示受信、端末管理モジュール205において、端末の表示しているページ情報がない場合でも適切にページ捲り処理を行うこともできる。
【0052】
以上、2台の端末に表示する場合のページ捲りを説明したが、同様に本発明に従えば、任意の台数の表示でもページ捲り処理をすることができる。例えば、3台の表示装置を用いる場合、3台の端末のいずれかの画面上でスワイプ操作を行えば3ページずつページが送られるから、例えば1ページ、2ページ、3ページ目の画像が表示されている状態でページ捲り(スワイプ等)がなされると、4ページ、5ページ、6ページ目の画像が表示される。
【0053】
また、図示しないが、ページを戻す場合は例えば、5ページと6ページ目の画像が表示されている状態から、
図9の端末上で向って右にスワイプすると、3ページと4ページ目の画像が表示されるようになる。また、上記では端末702、すなわち右側の端末でページ捲りをするよう説明したが、これに限られず左側の端末でページ捲りの操作をすることもできる。
【0054】
本実施形態では、2台および3台の表示装置を用いた複数画像表示方法を説明したが、上記で説明した本実施形態の種々の方法を台数に合わせて変更して、任意の台数の表示装置を用いたシステムにも本発明を適用することができる。また、本実施形態では書字方向は右であるが、本発明は書字方向が左の場合にも適用可能であり、その場合端末に表示されるページは反対方向になるので、例えば
図5の表示例で説明すると、端末531、532のいずれかが指定されて、4ページ目の画像の表示が指示されれば、端末532に3ページ目の画像を、端末531には4ページ目の画像が表示される。同様に、端末541、542、543のいずれかが指定されて、4ページ目の画像の表示が指示されれば、端末543に4ページ目の画像を、端末542には5ページ目の画像を、端末541には6ページ目の画像が表示される。ページ捲りも方向は反対になり、
図7を参照すると、向って左にスワイプするとページ捲りされるが、書字方向が左の場合は逆に向かって右にスワイプすることによりページ捲り操作となる。さらに、上下に端末を並べた場合も、本発明の原理を用いることにより、端末に適切なページの画像を表示させることができる。
【0055】
(第2実施形態)
本実施形態は、基本的に上述の第1実施形態と同様の構成を有し、各端末の配置の設定は同様に行う。また、そのように設定された配列に基づいて複数台の端末に書字方向に連続するページの画像を表示させることも同様である。本実施形態と第1実施形態とのおもな差異は、表示開始時の指定方法およびページ捲りである。以下、この差異点を中心に本実施形態の説明を行うが、上述の通り基本的に差異点以外は第1実施形態の処理を用いることができる。
【0056】
上述の第1実施形態の画像の表示処理においては、スマートフォン113または各端末から楽譜の配信の指示が、指定されたページとともに送信されると、指定されたページの画像が表示されるべき端末が決定される。しかし、本実施形態では、そのような処理は行わず指定された端末に、指定されたページを送信し、その他の端末には指示された端末に合わせたページの画像が送信される。すなわち、例えば1台で画像を表示する端末521に表示する場合は、そのまま指定されたページの画像データを端末521に送信するよう指示すればいいが、2台または3台の構成の端末群の場合は指定された端末に指定されたページの画像データを送信し、その他の端末にはこれに合わせてどのページを表示させるか決定する。
【0057】
例えば、端末531が指定されて、4ページ目の画像の表示が指示されれば、端末531に4ページ目の画像を、端末532には5ページ目の画像を送信するように、楽譜配信サーバ101に指示する(ステップS604)。指示受信、端末管理モジュール205は、このような指示をすると、現在どの端末に何ページの画像が表示されているかを記憶、管理する。同様に、端末3台使用時に端末542が指定されて、4ページ目の画像の表示が指示されれば、端末541に3ページ目の画像を、端末542には4ページ目の画像を、端末543には5ページ目の画像を送信するように、楽譜配信サーバ101に指示する(ステップS604)。 以上により各端末に画像が表示された後、
図7に示すように上述の第1実施形態と同様画面上をスワイプすることによりページ捲りをすることができる。本実施形態では、上述の第1実施形態と同様、端末702、すなわち右側の端末の画面上でページ捲りをすると2ページずつページが送られる。しかし、端末701、すなわち左側の端末でページ捲りを行うと第1実施形態とは異なり、1ページずつページ送りをすることができる。
図7はこのような例を示しており、
図7に示すように端末702の画面をページ捲りのために左にスワイプすると2ページずつページ送りがされるが、端末701の画面をページ捲りのために左にスワイプすると1ページずつページ送りがされる。このようにページ捲りをする端末を変えることにより、1ページずつや、2ページずつページ捲りをするように捲るページ数を変更することができ、柔軟性のある運用を行うことができる。
【0058】
このようなページ捲りの変更は3台以上の端末にも適用でき、例えば3台の端末を使用する場合、左端の端末でページ捲りを行うと3ページずつページを送り、中央の端末でページ捲りをすると2ページ又は1ページずつページ送りを行い、右端の端末でページ捲りをすると1ページずつページ送りをするようにすることができる。
【0059】
また、第1実施形態のようにページを戻す操作もスワイプにより行えるが、この場合も操作する端末により戻されるページ数を変えることができる。