特許第6593796号(P6593796)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593796
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/03 20080401AFI20191010BHJP
   F16F 9/12 20060101ALI20191010BHJP
   F16F 9/53 20060101ALI20191010BHJP
   G05G 1/10 20060101ALN20191010BHJP
【FI】
   G05G5/03 Z
   F16F9/12
   F16F9/53
   !G05G1/10 B
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-63610(P2016-63610)
(22)【出願日】2016年3月28日
(65)【公開番号】特開2017-182147(P2017-182147A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一成
(72)【発明者】
【氏名】後藤 厚志
【審査官】 木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−108470(JP,A)
【文献】 特開2013−242013(JP,A)
【文献】 特開2014−181778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 5/03
F16F 9/12
F16F 9/53
G05G 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者の操作により操作方向に動作する操作体を有した操作部材と、
該操作体の動作を自在に支持する支持体と、
前記操作者の前記操作方向に対して負荷を付与する可動負荷付与機構と、を備える操作装置であって、
前記操作体には、前記操作体の前記動作を可能にする可動軸を有し、
前記可動負荷付与機構は、該可動軸と係合して前記動作をする可動部材と、該可動部材と第1隙間を有して対向する装着部と、該第1隙間に充填され磁界の強さに応じて粘性が変化する磁気粘性流体と、該磁気粘性流体に磁界を作用させる磁気発生機構と、を有し、
該磁気発生機構は、通電により磁界を発生させるコイルと、
該コイルを囲むように設けられた第1ヨークと、を有し、
前記操作部材と前記支持体と前記可動部材と前記装着部と前記磁気粘性流体とを有する操作ユニットと、
前記コイルと前記第1ヨークとを有し前記操作ユニットとは分離した磁気発生ユニットと、からなり、
前記磁気発生ユニットが被装着体に配設されるとともに、前記操作ユニットが前記被装着体を挟んで前記磁気発生ユニットと重なるように前記装着部で脱着可能に前記被装着体に装着されることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記磁気発生ユニットが前記被装着体に対し前記操作ユニットが装着される側とは反対側に複数備えられていることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記可動部材が軟磁性体からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記磁気発生機構は、前記操作ユニット側において、前記可動部材の他方側に前記可動部材と対向して配設された第2ヨークを有し、
前記可動部材と前記第2ヨークとの第2隙間に前記磁気粘性流体が充填されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者が操作した際に、操作者に対して操作感触を与えることができる操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、操作者が操作部材を操作した際に、この操作部材の操作量や操作方向に応じた抵抗力や推力等の外力(力覚)を付与することにより、操作フィーリングを良好にして所望の操作が確実に行えるようにしたフォースフィードバック機能付きの操作装置が種々提案されている。特に、エアコンやオーディオあるいはナビゲーション等の車載用制御機器の操作においては、視認しながら操作するのではなく、ブラインド操作する場合が多く、操作部材(操作ノブ)に対して力覚を付与することは、安全性の面からも有効であった。
【0003】
このような操作装置を用いた自動車用の手動入力装置800が特許文献1(従来例1)に提案されている。図8は、従来例1の手動入力装置800を説明する図であって、その基本構成の要部を示す縦断面図である。
【0004】
図8に示す手動入力装置800は、運転者(操作者)により手動操作され回転するノブ880(操作部材)と、ノブ880と一体的に設けられたキャリア軸851を有する遊星歯車機構と、遊星歯車機構のリングギア862を常に固定する円筒状のリングギアケース860(固定部材)と、遊星歯車機構のサンギア832と係合した出力軸811を有するモータ810と、モータ810の出力軸811の回転を検出するエンコーダ830(検出手段)と、エンコーダ830の検出結果に応じてモータ810の回転を制御する制御手段と、を備えて構成されている。そして、手動入力装置800は、所定のタイミングでモータ810を回転させ、この回転力を遊星歯車機構を介してノブ880に伝達し、所定の操作感触を操作者に与えるようにしている。
【0005】
しかしながら、この手動入力装置800は、良好な操作感触を与えることができるが、モータ810を用いているので、更なる小型化の要望に対して対応が難しいものであった。そこで、モータ810を用いないで、操作部材の操作量や操作方向に応じた抵抗力や推力等の外力(力覚)を付与する方法が模索されてきた。
【0006】
特許文献2(従来例2)では、自身の流動性が磁場発生手段により影響を受ける磁界応答材料(磁気粘性流体)を用いた手動ブレーキ911が提案されている。図9は、従来例2の手動ブレーキ911を説明する図であって、長手方向断面図である。
【0007】
図9に示す手動ブレーキ911は、第1のハウジング室915及び第2のハウジング室917を有するハウジング913と、ハウジング913の開放端側を塞ぐ閉じ板919と、第2のハウジング室917を貫通して第1のハウジング室915に延設しているシャフト923と、シャフト923の端部に一体に設けられ第1のハウジング室内に並設されたロータ921と、第1のハウジング室915内に設けられロータ921の外周辺部のすぐそばにある磁界発生器929と、第1のハウジング室915に設けられロータ921を取り囲むように充填された磁界応答材料941と、第2のハウジング室917に設けられブレーキ動作を制御及び監視する制御手段925と、を備えて構成されている。また、磁界発生器929は、コイル931と、コイル931の三方を囲むようにして配設された極片933と、を備えている。
【0008】
このように構成された手動ブレーキ911では、コイル931に通電を行うと、図9に破線で示す磁束J37が発生し、この磁束J37の発生に伴って、磁界応答材料941中の軟磁性または磁化可能な粒子が磁束J37に沿って配列するようになる。このため、この配列を切断する方向、つまり回転動作するロータ921の回転方向に対して、磁界応答材料941によりロータ921に与える抵抗が増大するようになる。従って、手動ブレーキ911は、この磁界応答材料941とロータ921とを用いて、シャフト923の回転動作を止めるブレーキ作用を有することとなる。
【0009】
そして、上述した磁界応答材料941(磁気粘性流体)の作用を操作装置に利用する場合が考えられ、例えば、シャフト923(回転軸)に操作者が操作する操作体(操作部材)を係合し、制御手段925でコイル931に流す電流を制御するようにして、操作体(操作部材)に負荷を与える。これにより、モータを用いないで、操作部材の操作量や操作方向に応じた抵抗力や推力等の外力(力覚)を付与することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−50639号公報
【特許文献2】特表2005−507061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一方、このような操作装置を、あらゆる場所に装着して使用することが求められてきた。しかしながら、従来例2を流用した構成では、操作装置自体が大きくなり、容易に装着して使用できないという課題があった。
【0012】
本発明は、上述した課題を解決するもので、磁気粘性流体を用いて良好な操作感触が得られ容易に装着できる操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題を解決するために、本発明の操作装置は、操作者の操作により操作方向に動作する操作体を有した操作部材と、該操作体の動作を自在に支持する支持体と、前記操作者の前記操作方向に対して負荷を付与する可動負荷付与機構と、を備える操作装置であって、前記操作体には、前記操作体の前記動作を可能にする可動軸を有し、前記可動負荷付与機構が、該可動軸と係合して前記動作をする可動部材と、該可動部材と第1隙間を有して対向する装着部と、該第1隙間に充填され磁界の強さに応じて粘性が変化する磁気粘性流体と、該磁気粘性流体に磁界を作用させる磁気発生機構と、を有し、該磁気発生機構が、通電により磁界を発生させるコイルと、該コイルを囲むように設けられた第1ヨークと、を有し、前記操作部材と前記支持体と前記可動部材と前記装着部と前記磁気粘性流体とを有する操作ユニットと、前記コイルと前記第1ヨークとを有し前記操作ユニットとは分離した磁気発生ユニットと、からなり、前記磁気発生ユニットが被装着体に向けて配設されるとともに、前記操作ユニットが前記被装着体を挟んで前記磁気発生ユニットと重なるように前記装着部で脱着可能に前記被装着体に装着されることを特徴としている。
【0014】
これによれば、本発明の操作装置は、磁気発生機構のコイルへの通電により磁界が発生し、磁気発生ユニット側から操作ユニット側にかけて磁路が広がって形成されて、操作ユニット側の磁気粘性流体における磁性粒子が磁束に沿って揃うこととなる。このため、装着部と可動部材にかけて形成された磁束の方向に対して横切る方向に動作をする可動部材には、磁気粘性流体による負荷がかかるようになる。このことにより、この可動部材及び可動軸を介して操作体に負荷がかかるようになり、操作者の操作に対して、良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。一方、操作ユニットと磁気発生ユニットとの2つに分離したユニットを、被装着体を挟んで配設できるように構成したので、容易に被装着体に脱着可能に装着することができる。従って、磁気粘性流体を用いて良好な操作感触が得られるとともに容易に装着できる操作装置を提供することができる。
【0015】
また、本発明の操作装置は、前記磁気発生ユニットが前記被装着体に対し前記操作ユニットが装着される側とは反対側に複数備えられていることを特徴としている。
【0016】
これによれば、この複数の磁気発生ユニットを被装着体のそれぞれ所望の位置に予め配設しておくことができ、所望の位置に対応して、1つの操作ユニットを装着して操作を行うことができる。このため、操作ユニットの数を増やすことなしに、被装着体の多種の位置で操作を行うことができる。このことにより、安価で多様な操作が可能になる。
【0017】
また、本発明の操作装置は、前記可動部材が軟磁性体からなることを特徴としている。
【0018】
これによれば、磁気発生ユニット側の第1ヨークから操作ユニット側の可動部材に、可動部材から第1ヨークにかけて磁路が確実に形成されて、磁気粘性流体における磁性粒子が第1ヨークと可動部材と互いに対向する対向面方向に揃うこととなる。このため、磁性粒子が揃った対向面方向を横切る方向に可動動作する可動部材に対して、より強い負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材及び可動軸を介して操作体により強い負荷がかかるようになり、より良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0019】
また、本発明の操作装置は、前記磁気発生機構が、前記操作ユニット側において、前記可動部材の他方側に前記可動部材と対向して配設された第2ヨークを有し、前記可動部材と前記第2ヨークとの第2隙間に前記磁気粘性流体が充填されていることを特徴としている。
【0020】
これによれば、コイルから発生した磁束が、磁気発生ユニット側の第1ヨークから操作ユニット側の第2ヨークに、第2ヨークから第1ヨークにかけて確実に貫くこととなる。このため、可動部材の可動動作する方向と垂直な方向に確実に磁路が形成されて、垂直な方向に沿って磁気粘性流体の磁性粒子を揃えることができる。このことにより、磁束の方向(磁性粒子が揃った方向)を横切る方向に可動動作する可動部材に対して、この第2隙間の磁気粘性流体によっても負荷を付与することができる。従って、同等の磁界であっても、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の操作装置は、磁気発生機構のコイルへの通電により磁界が発生し、磁気発生ユニット側から操作ユニット側にかけて磁路が広がって形成されて、操作ユニット側の磁気粘性流体における磁性粒子が磁束に沿って揃うこととなる。このため、装着部と可動部材にかけて形成された磁束の方向に対して横切る方向に可動動作する可動部材には、磁気粘性流体による負荷がかかるようになる。このことにより、この可動部材及び可動軸を介して操作体に負荷がかかるようになり、操作者の操作に対して、良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。一方、操作ユニットと磁気発生ユニットとの2つに分離したユニットを、被装着体を挟んで配設できるように構成したので、容易に被装着体に脱着可能に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の分離斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態の操作装置を説明する図であって、図2(a)は、図1に示すZ1側から見た上面図であり、図2(b)は、図1に示すY2側から見た正面図である。
図3】本発明の第1実施形態の操作装置を説明する図であって、図2(a)に示すIII−III線における断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の操作ユニットを説明する図であって、図3に示すP部分の拡大断面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の磁気粘性流体について説明する模式図であって、図5(a)は、磁界が印加されていない状態の磁気粘性流体の図であり、図5(b)は、磁界が印加されている状態の磁気粘性流体の図である。
図6】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の可動負荷付与機構を説明する図であって、磁気発生機構に流す電流と操作体にかかるトルクとの関係の一例を表したグラフである。
図7】本発明の第1実施形態に係わる操作装置の磁気発生ユニットを説明する模式図であって、複数の磁気発生ユニットが被装着体に装着されている状態を示した底面図である。
図8】従来例1の手動入力装置を説明する図であって、その基本構成の要部を示す縦断面図である。
図9】従来例2の手動ブレーキを説明する図であって、長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係わる操作装置100の分離斜視図である。図2は、操作装置100が被装着体PNに装着された際の図であって、図2(a)は、図1に示すZ1側から見た上面図であり、図2(b)は、図1に示すY2側から見た正面図である。図3は、図2(a)に示すIII−III線における断面図である。
【0025】
本発明の第1実施形態の操作装置100は、図1及び図2に示すような外観を呈し、図3に示すように、操作者の操作により操作方向に動作する操作体11を有した操作部材1と、操作体11の動作を自在に支持する支持体3と、操作体11(操作者)の操作方向に対して負荷を付与する可動負荷付与機構F5と、を備えて主に構成されている。
【0026】
また、操作装置100は、図2(b)及び図3に示すように、前述した操作部材1と支持体3を有する操作ユニットU2と、前述した可動負荷付与機構F5の一部を有し操作ユニットU2とは分離した磁気発生ユニットU4と、2つの独立したユニットとして構成されている。そして、操作ユニットU2と磁気発生ユニットU4とが、被装着体PNを挟んで重なるように配設され、容易に被装着体PNに装着できるようになっている。
【0027】
また、本発明の第1実施形態では、操作装置100は、図示しない操作部材1の操作部(操作ノブや操作つまみ等)が操作体11の一端側に係合され、操作者により操作部が把持されて操作され、操作体11が両方向に回転動作するような回転型の操作装置となっている。また、被装着体PNとして、液晶パネル等を想定している。なお、操作ユニットU2と磁気発生ユニットU4とが被装着体PNを挟み込むように配設されているが、例えば、被装着体PNの一部分に穴があって、2つのユニット(操作ユニットU2と磁気発生ユニットU4)が被装着体PNを挟みつつも穴の部分においては、何の隔たりもなく互いに向き合って対向していても良い。
【0028】
また、本発明の第1実施形態の操作装置100では、上述の構成要素に加え、操作ユニットU2の側壁の一部を構成する側壁スペーサS17と、磁気発生ユニットU4の上壁を構成するカバーC47と、を有している。
【0029】
また、操作装置100に、操作体11の回転動作を検出、例えば操作体11の回転角度を検出する回転検出手段(図示していない)を備えると、この操作装置100は、回転角度を入力することができる回転型の入力装置として用いることができる。そして、例えば、この回転検出手段として、抵抗体パターンが形成された基板と抵抗体パターンを摺接する摺動子とから構成された、所謂、回転型可変抵抗器を用いると、この回転型可変抵抗器を操作体11に係合させることで、容易に操作体11の回転動作を検出することができる。なお、回転検出手段として、回転型可変抵抗器に限るものではない。例えば、永久磁石と磁気検出センサを用いた磁気式の角度回転検出装置であっても良い。
【0030】
先ず、操作装置100の操作ユニットU2について説明する。図4は、操作ユニットU2を説明する図であって、図3に示すP部分の拡大断面図である。
【0031】
先ず、操作装置100の操作ユニットU2は、操作体11を有した操作部材1と、操作体11の可動を自在に支持する支持体3と、操作体11(操作者)の操作方向に対して負荷を付与する可動負荷付与機構F5を構成する一部分(後述する)と、を有して構成されている。なお、可動負荷付与機構F5は、操作ユニットU2に組み込まれる部分と磁気発生ユニットU4に組み込まれる部分とを合わせて構成されているが、説明を分かり易くするため、操作ユニットU2側及び磁気発生ユニットU4側のいずれかを明確にして、その都度、説明する。
【0032】
先ず、操作ユニットU2の操作部材1について説明する。操作部材1は、操作者が把持する操作部(図示していない)と、操作部が係合され操作部の回転操作に伴って可動動作する操作体11と、を有している。
【0033】
操作部材1の操作部は、操作者により把持されて操作される操作ノブや操作つまみ等の部材であり、操作体11の一端側に係合されて用いられる。また、その形状は、操作し易いような形状等を考慮され、適用される製品によって任意に決められる。
【0034】
操作部材1の操作体11は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、poly butylene terephtalate)等の合成樹脂を用い、図3に示すように、円柱形状(図1を参照)の柱部11cと、柱部11cの中心を貫き操作体11の可動動作(回転動作)を可能にする可動軸11jと、操作体11の他端側に設けられ柱部11cより一回り大きいサイズのリング部11rと、を有して、一体に射出成形されて作製されている。なお、本発明の第1実施形態では、可動軸11jが操作体11の柱部11cと一体で好適に形成されていたが、これに限るものではなく、別体で形成され、可動軸11jと操作体11の柱部11cとが係合されていても良い。
【0035】
また、操作体11には、図3及び図4に示すように、ゴム材料で作製されたOリングR7が、リング部11rに挿通されて、リング部11rと可動部材55(後述する)との繋ぎ目部分に配設されている。ここに装着されているOリングR7は、後述する磁気粘性流体75が収容される収容空間を閉じる機能も有している。これにより、この収容空間に充填された磁気粘性流体75が漏れ出すのを防止している。
【0036】
次に、操作ユニットU2の支持体3について説明する。支持体3は、図3及び図4に示すように、操作体11の可動軸11jの端部が当設される軸受け部3jと、操作体11の柱部11cが挿通されて柱部11cを案内する軸支持部3sと、軸支持部3sを押さえて安定させるための蓋部3uと、から主に構成されている。そして、この支持体3は、操作体11の可動(回転)が自在になるように操作体11(操作部材1)を支持している。
【0037】
支持体3の軸受け部3jは、図3に示すように、操作体11の可動軸11jと対向する側が凹形状となっている。そして、軸受け部3jは、操作装置100が組み立てられた際には、この軸受け部3jの凹形状部分に可動軸11jの端部が当接されて、操作体11の可動動作が容易に行われることを許容している。
【0038】
支持体3の軸支持部3sは、中央部に貫通穴を有したリング形状をしており(図1を参照)、図3に示すように、可動負荷付与機構F5(後述する磁気発生機構FM5の第2ヨーク25)の中央の上部に設けられた凹部に収容されている。そして、操作体11の柱部11cが軸支持部3sの貫通穴に挿通されて、軸支持部3sが柱部11c(操作体11)を回転可能に支持している。
【0039】
支持体3の蓋部3uは、平板状で中央部に貫通穴を有した円形形状をしており(図1を参照)、図3に示すように、可動負荷付与機構F5(第2ヨーク25)に載置されている。そして、軸支持部3sと同様に、操作体11の柱部11cが蓋部3uの貫通穴に挿通されている。なお、軸受け部3j、軸支持部3s及び蓋部3uは、操作体11と同様にして、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用い、射出成形されて作製されている。
【0040】
次に、操作装置100の可動負荷付与機構F5について説明する。可動負荷付与機構F5は、図3に示すように、操作ユニットU2側には、可動軸11jと係合して可動動作する可動部材55と、可動部材55の一方側(図3に示すZ2方向側)で可動部材55と第1隙間5ga(図4を参照)を有して対向する装着部6と、この第1隙間5gaに存在する磁気粘性流体75(図4を参照)と、を備えており、磁気発生ユニットU4側には、磁気粘性流体75に磁界を作用させる磁気発生機構FM5と、を備えて構成されている。
【0041】
また、本発明の第1実施形態では、操作装置100は、操作ユニットU2側において、可動部材55の他方側(図3に示すZ1方向側)に可動部材55と対向して配設された磁気発生機構FM5の第2ヨーク25を有している。そして、可動部材55と第2ヨーク25との第2隙間5gb(図4を参照)に、第1隙間5gaと同様に、磁気粘性流体75(図4を参照)が充填されている。
【0042】
先ず、操作ユニットU2側に備えられている、可動負荷付与機構F5の可動部材55について説明する。可動部材55は、鉄等の軟磁性体から形成されており、図4に示すように、可動軸11jの回転中心を中心とした貫通穴を有した基部55dと、可動軸11jの回転中心を中心とした円盤形状の円盤部55eと、から構成されている。
【0043】
可動部材55の基部55dは、図3に示すように、操作体11のリング部11rの下部側で操作体11と係合している。また、可動部材55の円盤部55eは、基部55dの外周側で基部55dと係合している。これにより、操作体11の両方向への回転動作に伴って、可動部材55の円盤部55eが両方向へ回転移動することとなる。
【0044】
また、後述する装着部6と側壁スペーサS17と第2ヨーク25(磁気発生機構FM5)とで、操作体11の可動軸11jに沿った方向(図3に示すZ方向)と直交する方向(X−Y平面の方向)に狭い収容空間を形成している。そして、操作装置100が組み立てられた際には、図3に示すように、この狭い収容空間に、可動部材55の円盤部55eが配設されている。なお、この側壁スペーサS17も、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用いて形成されている。
【0045】
次に、操作ユニットU2側に備えられている、可動負荷付与機構F5の装着部6について説明する。装着部6は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用い、射出成形されて作製されている。そして、装着部6は、図1及び図3に示すように、操作体11の一端側とは反対の他端側に配設され、操作ユニットU2の底面を形成している。
【0046】
また、装着部6には、図4に示すように、可動軸11jが貫く中央部分に貫通孔が形成されており、この貫通孔に後述する支持体3の軸受け部3jが収容されている。そして、図2(b)に示すように、この装着部6の底面(装着面)が被装着体PNに脱着可能に装着される。なお、被装着体PNが平板状の形状であるので、装着部6の装着面の形状を平板状に構成しているが、この形状に限るものではない。つまり、被装着体PNの装着する部分の形状に合わた形状が好適であり、例えば、球面状や凹面状であっても良い。
【0047】
次に、操作ユニットU2側に備えられている、可動負荷付与機構F5の磁気粘性流体75について説明する。図5は、磁気粘性流体75について説明する模式図であって、図5(a)は、磁界が印加されていない状態の磁気粘性流体75の図であり、図5(b)は、磁界が印加されている状態の磁気粘性流体75の図である。なお、図5(b)には、説明を分かり易くするために磁界(磁束)の流れを2点鎖線で示している。
【0048】
磁気粘性流体75は、図5(a)に示すように、有機溶剤等の溶質SV中に、鉄やフェライト等の磁性を有した微細な磁性粒子JRが分散した物質であって、一般的にMR流体(Magneto Rheological Fluid)と呼称されている。この磁気粘性流体75は、磁界の強さに応じて粘性が変化する特性を有しており、同じような磁性流体(Magnetic Fluid)とは区別されている。両者の形態の大きな違いは粉体の粒子径であり、MR流体の方が1μm〜1mm程度で、磁性流体の方が10nm〜1μm程度で、MR流体の方が磁性流体と比べて粒子径が100〜1000倍程度、大きくなっている。
【0049】
ここで、この磁気粘性流体75における“磁界の強さに応じて粘性が変化する”ことについて簡単に説明する。
【0050】
先ず、磁気粘性流体75に磁界がかかっていない場合、図5(a)に示すように、磁性粒子JRが不規則に溶質SV中に分散している。この際に、例えば可動部材55が可動動作する(図5(a)に示すZ方向に対して垂直な面(X−Y平面)での回転)と、比較的低い抵抗力を受けながら可動部材55が容易に可動動作する。
【0051】
次に、後述する磁気発生機構FM5(コイル35)に電流が流されて磁界が発生すると、図5(b)に示すように、磁気粘性流体75に対して作用する磁界に沿って(図5(b)ではZ方向に沿って)、磁性粒子JRが直鎖状に規則的に揃うようになる。なお、この規則性の度合いは、磁界の強さに応じて変化している。つまり、磁気粘性流体75に対して作用する磁界が強くなればなる程、規則性の度合いが強くなる。そして、この直鎖状に揃った磁性粒子JRの規則性を崩す方向に対して、より強いせん断力が働き、結果として、この方向に対しての粘性が強くなってくる。特に、作用した磁界に対して直交する方向(図5(b)ではX−Y平面方向)に最も高いせん断力が働いている。
【0052】
そして、このような通電状態(図5(b)に示す状態)で、可動部材55の円盤部55eが可動動作すると、可動部材55に対して抵抗力が生じ、可動部材55に係合した操作体11に、この抵抗力(回転負荷)が伝達するようになる。これにより、可動負荷付与機構F5は、操作者に対して回転操作の回転負荷(可動による負荷)を付与することができる。その際に、操作制御部によりコイル35への通電量や通電のタイミング等を制御しているので、操作者に対して任意のタイミングで任意の回転負荷を自由に与えることができる。
【0053】
この“磁界の強さに応じて抵抗力(回転負荷)が強くなる”ことを検証した結果を図6に示す。図6は、磁気発生機構FM5のコイル35に流す電流と操作体11にかかるトルクとの関係の一例を表したグラフである。横軸は電流(A)で縦軸がトルク(Nm)である。このトルクは、操作体11にかかる抵抗力(回転負荷)に相当する。
【0054】
図6に示すように、磁気発生機構FM5のコイル35に流す電流を大きくすると、それに伴って発生する磁界が強くなり、この磁界の強さに伴ってトルク、つまり操作体11にかかる抵抗力(回転負荷)が増大するようになる。このようにして、磁気粘性流体75における“磁界の強さに応じて、粘性が変化して、抵抗力が強くなる”ことを利用して、操作体11(操作部材1)に可変の負荷をかけることができる。
【0055】
以上のように、操作ユニットU2は、操作部材1、支持体3、可動部材55(可動負荷付与機構F5)、装着部6(可動負荷付与機構F5)、磁気粘性流体75(可動負荷付与機構F5)及び第2ヨーク25(磁気発生機構FM5)を有して構成されている。
【0056】
次に、操作装置100の磁気発生ユニットU4について説明する。図7は、磁気発生ユニットU4を説明する模式図であって、複数の磁気発生ユニットU4が被装着体PNに装着されている状態を示した底面図である。
【0057】
操作装置100の磁気発生ユニットU4は、図3に示すように、操作ユニットU2側に設けられている磁気粘性流体75に磁界を作用させる磁気発生機構FM5(可動負荷付与機構F5)と、磁気発生ユニットU4の上壁を構成するカバーC47と、を有して構成されている。
【0058】
先ず、磁気発生ユニットU4側に主に備えられている、可動負荷付与機構F5の磁気発生機構FM5について説明する。
【0059】
磁気発生機構FM5は、図3に示すように、通電により磁界を発生させるコイル35と、コイル35を囲むように設けられた第1ヨーク15と、操作ユニットU2側に設けられ可動部材55と第2隙間5gbを挟んで他方側に対向して配設された第2ヨーク25と、を有して構成されている。他に、本発明の第1実施形態では、磁気発生機構FM5は、コイル35への通電を制御する操作制御部(図示していない)を有している。
【0060】
先ず、磁気発生機構FM5のコイル35は、金属線材が環状に巻回されて形成されており、図3に示すように、コイル35の一方側を向けて被装着体PNに配設されている。そして、このコイル35に通電することにより、コイル35の周囲に磁界が発生するようになる。なお、コイル35は、金属線材が巻回されて束ねられた形状となっているが、図3では、簡略化して、断面を平坦にして示している。
【0061】
次に、磁気発生機構FM5の第1ヨーク15は、図3に示すように、コイル35を囲むようにして設けられ、コイル35の他方側(図3に示すZ2方向側)とコイル35の内側側壁(環状形状の中心側の側壁)とを覆う下ヨーク15Aと、コイル35の外側側壁とコイル35の一方側(図3に示すZ1方向側)の一部とを覆う横ヨーク15Bと、コイル35の一方側の一部を覆う上ヨーク15Cと、を有して構成されている。そして、この第1ヨーク15により、コイル35から発生する磁束が閉じ込められ、磁気発生ユニットU4側から操作ユニットU2側にかけて磁路が広がって形成されて、操作ユニットU2側の磁気粘性流体75に対して、磁界が効率的に作用することとなる。
【0062】
これにより、磁気粘性流体75における磁性粒子JRが磁束に沿って揃うこととなり、装着部6と可動部材55にかけて形成された磁束の方向に対して横切る方向に可動動作する可動部材55には、磁気粘性流体75による負荷がかかるようになる。このため、この可動部材55及び可動軸11jを介して操作体11に負荷がかかるようになり、操作者の操作に対して、良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0063】
また、第1ヨーク15は、図3に示すように、操作ユニットU2と対向する側において、横ヨーク15Bと上ヨーク15Cとで形成されたスリット15s(ヨークスリット)を有しており、第1ヨーク15の操作ユニットU2と対向する側が分割された形状となっている。ここで、可動部材55と対向している横ヨーク15Bの部分を、第1ヨーク15の第1対向部TB5とし、可動部材55と対向している上ヨーク15Cの部分を、第2対向部TC5としている。
【0064】
これにより、コイル35への通電により磁界が発生し、コイル35からの磁束が、第1ヨーク15の第1対向部TB5から操作ユニットU2側にかけて磁路が広がり、操作ユニットU2側から第1ヨーク15の第2対向部TC5にかけて、確実に貫くこととなる。このため、可動部材55(円盤部55e)の可動動作する方向と垂直な方向に確実に磁路が形成される。
【0065】
しかも、本発明の第1実施形態では、可動部材55が軟磁性体からなるので、磁気発生ユニットU4側の第1ヨーク15(第1対向部TB5)から操作ユニットU2側の可動部材55に、可動部材55から第1ヨーク15(第2対向部TC5)にかけて磁路が確実に形成されて、磁気粘性流体75における磁性粒子JRが互いに対向する対向面方向に揃うこととなる。このため、磁性粒子JRが揃った対向面方向を横切る方向に可動動作する可動部材55に対して、より強い負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材55及び可動軸11jを介して操作体11により強い負荷がかかるようになり、より良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0066】
また、本発明の第1実施形態では、第1ヨーク15のスリット15sの部分には、リング形状のスリットスペーサS57(図3を参照)が収納されている。このスリットスペーサS57は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用いて形成されており、第1ヨーク15(横ヨーク15B)の第1対向部TB5と第1ヨーク15(上ヨーク15C)の第2対向部TC5とを磁気回路においても分割している。なお、本発明の第1実施形態では、第1ヨーク15が、下ヨーク15A、横ヨーク15B及び上ヨーク15Cの3つの部品で構成されているが、これに限るものではなく、2つの部品或いは4つ以上の部品で構成されていても良い。また、第1ヨーク15にスリット15sを好適に用いた構成であるが、スリット15sを有さない構成であっても良い。
【0067】
次に、磁気発生機構FM5の第2ヨーク25は、円盤形状で形成されて、前述したように、操作ユニットU2側に設けられており、図3図4に示すように、可動部材55の他方側(図3に示すZ1方向側)で円盤形状の円盤部55e(可動部材55)と対向して配設されている。そして、第2ヨーク25は、可動部材55との間に第2隙間5gbを有しており、この第2隙間5gbに磁気粘性流体75が充填されている。
【0068】
これにより、コイル35から発生した磁束が、磁気発生ユニットU4側の第1ヨーク15の第1対向部TB5から操作ユニットU2側の第2ヨーク25に、第2ヨーク25から第1ヨーク15の第2対向部TC5にかけて確実に貫くこととなる。このため、可動部材55(円盤部55e)の可動動作する方向と垂直な方向に確実に磁路が形成されて、垂直な方向に沿って磁気粘性流体75の磁性粒子JRを揃えることができる。このことにより、磁束の方向(磁性粒子JRが揃った方向)を横切る方向に可動動作する可動部材55に対して、この第2隙間5gbの磁気粘性流体75によっても負荷を付与することができる。従って、同等の磁界であっても、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0069】
最後に、磁気発生機構FM5の操作制御部は、集積回路(IC、integrated circuit)を用いており、コイル35への通電量、通電のタイミング等を制御している。具体的には、例えば、操作者の操作により回転操作がされた際に、操作体11の操作位置を検出する位置検出手段からの検出信号を受けて、操作制御部は、コイル35に、ある一定量の電流を流したり、操作体11の操作位置に応じて電流量を変化させたりしている。その際には、操作制御部によりコイル35への通電量や通電のタイミング等を制御している。このため、操作者に対して任意のタイミングで任意の負荷を自由に与えることができる。
【0070】
また、操作制御部は、図示していない回路基板に搭載されて、コイル35と電気的に接続されている。なお、操作制御部及び回路基板は、磁気発生機構FM5と同じ磁気発生ユニットU4内に収容されて好適に配設されているが、これに限るものではない。例えば、操作制御部は、フレキシブルプリント基板(FPC、Flexible printed circuits)等でコイル35と接続され、適用される製品の母基板(マザーボード)に搭載されていても良い。
【0071】
次に、磁気発生ユニットU4のカバーC47は、前述したように、図3に示すように、コイル35の一方側に配設され磁気発生ユニットU4の上壁を構成している。このカバーC47も、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用いて形成されている。
【0072】
また、カバーC47は、装着部6と同様にして、被装着体PNが平板状の形状であるので、カバーC47の装着面の形状を平板状に構成しているが、この形状に限るものではない。つまり、被装着体PNの装着する部分の形状に合わた形状が好適であり、例えば、球面状や凹面状であっても良い。
【0073】
また、本発明の第1実施形態では、操作装置100は、図7に示すように、以上のように構成された磁気発生ユニットU4が複数個(具体的には6個)、備えられており、この複数の磁気発生ユニットU4が被装着体PNのそれぞれ所望の位置に装着されている。これにより、1つの操作ユニットU2をある位置(所望の位置)に装着して操作を行うことができ、操作ユニットU2の数を増やすことなしに、被装着体PNの多種の位置で操作を行うことができる。このことにより、安価で多様な操作が可能になる。
【0074】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置100は、操作部材1の操作量や操作方向に応じた抵抗力や推力等の外力(力覚)を付与する方法として、従来例1のようにモータ810を用いていないので、小型化が図れるとともに、消費電力を低減することができる。しかも、外力(力覚)が付与される際の音も生じることがない。
【0075】
また、操作装置100は、操作ユニットU2と磁気発生ユニットU4との2つに分離したユニットを、被装着体PNを挟んで配設できるように構成したので、容易に被装着体PNに脱着可能に装着することができる。
【0076】
最後に、本発明の第1実施形態の操作装置100における、効果について、以下に纏めて説明する。
【0077】
本発明の第1実施形態の操作装置100は、操作ユニットU2側には、操作体11を有した操作部材1と、操作体11の可動を自在に支持する支持体3と、操作体11と連動して可動動作する可動部材55(可動負荷付与機構F5)と、可動部材55と第1隙間5gaを有して対向する装着部6(可動負荷付与機構F5)と、第1隙間5gaに充填された磁気粘性流体75(可動負荷付与機構F5)と、を備え、磁気発生ユニットU4側には、可動負荷付与機構F5の磁気発生機構FM5である、通電により磁界を発生させるコイル35と、コイル35を囲むように設けられた第1ヨーク15と、を備え、操作ユニットU2が装着部6で脱着可能に被装着体PNに装着され、被装着体PNを挟んで磁気発生ユニットU4と対向するような構成とした。
【0078】
これにより、磁気発生機構FM5のコイル35への通電により磁界が発生し、磁気発生ユニットU4側から操作ユニットU2側にかけて磁路が広がって形成されて、操作ユニットU2側の磁気粘性流体75における磁性粒子JRが磁束に沿って揃うこととなる。このため、装着部6と可動部材55にかけて形成された磁束の方向に対して横切る方向に可動動作する可動部材55には、磁気粘性流体75による負荷がかかるようになる。このことにより、この可動部材55及び可動軸11jを介して操作体11に負荷がかかるようになり、操作者の操作に対して、良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。一方、操作ユニットU2と磁気発生ユニットU4との2つに分離したユニットを、被装着体PNを挟んで配設できるように構成したので、容易に被装着体PNに脱着可能に装着することができる。従って、磁気粘性流体75を用いて良好な操作感触が得られるとともに容易に装着できる操作装置100を提供することができる。
【0079】
また、磁気発生ユニットU4が被装着体PNに対し操作ユニットU2が装着される側とは反対側に複数備えられているので、この複数の磁気発生ユニットU4を被装着体PNのそれぞれ所望の位置に予め配設しておくことができる。このため、所望の位置に対応して、1つの操作ユニットU2を装着して操作を行うことができ、操作ユニットU2の数を増やすことなしに、被装着体PNの多種の位置で操作を行うことができる。このことにより、安価で多様な操作が可能になる
【0080】
また、可動部材55が軟磁性体からなるので、磁気発生ユニットU4側の第1ヨーク15から操作ユニットU2側の可動部材55に、可動部材55から第1ヨーク15にかけて磁路が確実に形成されて、磁気粘性流体75における磁性粒子JRが第1ヨーク15と可動部材55と互いに対向する対向面方向(図3に示すZ方向)に揃うこととなる。このため、磁性粒子JRが揃った対向面方向を横切る方向に可動動作する可動部材55に対して、より強い負荷がかかるようになる。このことにより、可動部材55及び可動軸11jを介して操作体11により強い負荷がかかるようになり、より良好な操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0081】
また、可動部材55の他方側に可動部材55と対向して配設された第2ヨーク25を有し、可動部材55と第2ヨーク25との第2隙間5gbに磁気粘性流体75が充填されているので、コイル35から発生した磁束が、磁気発生ユニットU4側の第1ヨーク15から操作ユニットU2側の第2ヨーク25に、第2ヨーク25から第1ヨーク15にかけて確実に貫くこととなる。このため、可動部材55(円盤部55e)の可動動作する方向と垂直な方向に確実に磁路が形成されて、垂直な方向に沿って磁気粘性流体75の磁性粒子JRを揃えることができる。このことにより、磁束の方向(磁性粒子JRが揃った方向)を横切る方向に可動動作する可動部材55に対して、この第2隙間5gbの磁気粘性流体75によっても負荷を付与することができる。従って、同等の磁界であっても、更に大きな操作感触を操作者に対して与えることができる。
【0082】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0083】
<変形例1>
上記第1実施形態では、可動部材55が収容される収容空間(第1ヨーク15と第2ヨーク25と側壁スペーサS17とで形成した収容空間)を満たすように磁気粘性流体75が充填されていたが、これに限るものではなく、磁気粘性流体75が第1隙間5gaの少なくとも一部に存在していれば良い。
【0084】
<変形例2>
上記第1実施形態では、可動部材55が好適に軟磁性体から形成されていたが、これに限るものではなく、合成樹脂等の非磁性体であっても良い。
【0085】
<変形例3>
上記第1実施形態では、第1ヨーク15の横ヨーク15Bと上ヨーク15Cとで、第1対向部TB5及び第2対向部TC5を構成したが、上ヨーク15Cのみが可動部材55と対向するようにして、第1対向部TB5及び第2対向部TC5を設けない構成でも良い。
【0086】
<変形例4>
上記第1実施形態では、可動部材55が円盤形状を有して構成されていたが、これに限るものではなく、例えば矩形状や多角形形状であっても良い。
【0087】
<変形例5>
上記第1実施形態では、可動部材55が回転動作するタイプの回転型の操作装置であったが、この回転動作に限るものではない。例えば、可動部材がスライド動作するスライド型や押圧型の操作装置であっても良い。
【0088】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 操作部材
11 操作体
11j 可動軸
3 支持体
F5 可動負荷付与機構
FM5 磁気発生機構
15 第1ヨーク
25 第2ヨーク
35 コイル
55 可動部材
75 磁気粘性流体
5ga 第1隙間
5gb 第2隙間
6 装着部
U2 操作ユニット
U4 磁気発生ユニット
100 操作装置
PN 被装着体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9