【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る請求項1の発明は、砂利・砂・セメント・水を含む生コンクリートを投入して、砂利・砂・セメント水にそれぞれ分離する生コン分離装置であり、生コン投入口シュートと砂利出口シュートを備え、複数のブラシが旋回して砂利を分離する円環状の上段分離槽と、砂出口シュートを備え、複数のブラシが旋回して砂を分離する円環状の中段分離槽と、セメント水出口シュートを備え、セメント水を溜める下段タンク槽と、から構成され、上段分離槽と中段分離槽は、それぞれシャワー装置を
備え、前記中段分離槽は、円環状の底面と、底面の外縁に設けた外周柵と、外周柵に連設した円環状の傾斜受け部により構成されていることで、上述した課題を解決した。
【0017】
この請求項1に係る生コン分離装置によれば、生コン投入口シュートを介して生コンクリートを上段分離槽に投入し、この上段分離槽において、複数のブラシが旋回して砂利を分離し、砂利出口シュートを介して砂利のみを排出することができる。
【0018】
このとき、上段分離槽においては、シャワー装置により水を散布しながらブラシにより砂利を押し込むので、砂利が、所謂洗われている状態となり、砂利に付着しているセメントや砂を確実に剥離することができる。
【0019】
砂利が分離された砂とセメント水は、次に中段分離槽に送られ、この中段分離槽において、複数のブラシが旋回して砂を分離し、砂出口シュートを介して砂のみを排出することができる。
【0020】
このとき、中段分離槽においては、シャワー装置により水を散布しながらブラシにより砂を押し込むので、砂が、所謂洗われている状態となり、砂に付着しているセメントを確実に剥離することができる。
【0021】
更に、砂利と砂が分離されたセメント水は、最後に下段タンク槽に送られて、セメント水出口シュートを介して、セメント水を適宜排出することができる。
【0022】
更にまた、前記中段分離槽は、円環状の底面と、底面の外縁に設けた外周柵と、外周柵に連設した円環状の傾斜受け部により構成されていることで、上段分離槽の底面(粗目の孔を備えた篩)から落下した砂とセメント水を、傾斜受け部によって受け止めつつ、外周柵を通じて中段分離槽上にスムーズに導入することができ、砂とセメント水の周辺への飛散を未然に防止することができる。
このように、本発明に係る生コン分離装置によれば、生コンクリートから、砂利、砂、セメント水というように、順次段階を追って分離し、それぞれの再利用を可能にしている。
【0023】
本発明に係る請求項2の発明は、前記上段分離槽は、円環状の底面と、底面の外縁に設けた外周壁と、底面の内縁に設けた内周壁により構成されていることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0024】
この請求項2に係る生コン分離装置によれば、上段分離槽として所定の通路が形成されているので、上段分離槽に投入された砂利・砂・セメント・水を含む生コンクリートが上段分離槽の外側に飛散してしまう事態の発生を未然に防止することができる。また、この通路内において、効率良くブラシを旋回させることができる。
【0025】
本発明に係る請求項3の発明は、前記生コン投入口シュートは、前記上段分離槽の外周壁に設けられていることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0026】
この請求項3に係る生コン分離装置によれば、上段分離槽の外側から、生コン投入口シュートを介して、生コンをスムーズに投入することができる。
【0027】
本発明に係る請求項4の発明は、前記上段分離槽の底面は、投入された生コンの砂利を残しつつ、砂とセメント水のみを通過させる粗目の孔を備えた篩により形成されていることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0028】
この請求項4に係る生コン分離装置によれば、粗目の孔を備えた篩により砂とセメント水のみを通過させることができ、これによって砂利のみを効率良く分離することができる。
【0029】
本発明に係る請求項5の発明は、前記上段分離槽のブラシは、上段分離槽の底面(粗目の孔を備えた篩)に接した状態で底面(粗目の孔を備えた篩)に沿うように円状に旋回し、砂利を押し込むようにして底面(粗目の孔を備えた篩)上を移動させることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0030】
上段分離槽に生コンが投入されると、セメント水と多くの砂は、比較的に短時間のうちに底面(粗目の孔を備えた篩)から落下する。
【0031】
そして、請求項5に係る生コン分離装置によれば、ブラシを介して、砂利を押し込むようにして底面(粗目の孔を備えた篩)上を移動させることから、砂利に付着しているセメントや砂も、その移動の過程において底面(粗目の孔を備えた篩)から確実に落下させて、底面(粗目の孔を備えた篩)上に砂利のみを残すことができる。
【0032】
これは、ブラシにより砂利を押し込んで底面(粗目の孔を備えた篩)上を移動させる際、砂利が回転しながらブラシや粗目の孔を備えた篩に接するので、砂利は、所謂洗われている状態となり、砂利に付着しているセメントや砂が確実に剥離されるのである。また、底面(粗目の孔を備えた篩)へのブラシ接触による旋回のため、底面(粗目の孔を備えた篩)の磨耗も軽減できる。
【0033】
本発明に係る請求項6の発明は、前記上段分離槽のブラシは、底面(粗目の孔を備えた篩)に対して垂直で、ブラシの進行方向に対して外向き傾斜状に取り付けられて、砂利を外周壁側に移動させながら押し込むことで、同じく、上述した課題を解決した。
【0034】
この請求項6に係る生コン分離装置によれば、ブラシにより、上段分離槽の外周壁側に砂利を集めながら、底面(粗目の孔を備えた篩)上を移動させることができる。
【0035】
本発明に係る請求項7の発明は、前記上段分離槽は、外周壁に、底面(粗目の孔を備えた篩)上に残っている砂利を排出する砂利出口シュートを備えていることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0036】
この請求項7に係る生コン分離装置によれば、ブラシにより上段分離槽の外周壁側に集められながら底面(粗目の孔を備えた篩)上を移動している砂利を、この砂利出口シュートにより確実に排出することができる。
【0037】
このように、上段分離槽において、投入された生コンから、砂利のみを効率良く分離・排出して、再利用することができる。
【0040】
本発明に係る請求項
8の発明は、前記中段分離槽の底面は、投入された生コンの砂を残しつつ、セメント水のみを通過させる密目の孔を備えた篩により形成されていることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0041】
この請求項
8に係る生コン分離装置によれば、底面(密目の孔を備えた篩)よりセメント水のみを通過させることができ、これによって砂を効率良く分離することができる。
【0042】
本発明に係る請求項
9の発明は、前記中段分離槽の底面(密目の孔を備えた篩)は、上段分離槽の底面(粗目の孔を備えた篩)よりも小径に形成されて上段分離槽の底面(粗目の孔を備えた篩)の内側下方に配置され、前記中段分離槽の傾斜受け部は、上段分離槽の底面(粗目の孔を備えた篩)の下方に配置されていることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0043】
この請求項
9に係る生コン分離装置によれば、前記上段分離槽の底面(粗目の孔を備えた篩)から落下した砂とセメント水を、傾斜受け部により受け止めることが可能となる。
【0044】
本発明に係る請求項
10の発明は、前記中段分離槽の傾斜受け部は、前記上段分離槽の底面(粗目の孔を備えた篩)から落下した砂とセメント水を受け止めて、中段分離槽の底面(密目の孔を備えた篩)上に導入するものであることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0045】
この請求項
10に係る生コン分離装置によれば、上段分離槽の底面(粗目の孔を備えた篩)から落下してくる砂とセメント水を、傾斜受け部が受け止めてから、中段分離槽の底面(密目の孔を備えた篩)上に導入するので、砂とセメント水の落下による衝撃が、中段分離槽の底面(密目の孔を備えた篩)に直接作用することがなく、中段分離槽の底面(密目の孔を備えた篩)が損傷してしまう事態の発生を未然に防止することができる。
【0046】
本発明に係る請求項
11の発明は、前記中段分離槽の傾斜受け部は、上段分離槽が備えている生コン投入口シュートの下方近傍部分を、特に堅牢に製作していることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0047】
この請求項
11に係る生コン分離装置によれば、砂とセメント水の落下による衝撃を原因として、中段分離槽の傾斜受け部が損傷してしまう事態の発生を確実に防止することができる。
【0048】
上段分離槽に生コンが投入されると、セメント水と多くの砂は、生コン投入口シュートの近傍における上段分離槽の底面(粗目の孔を備えた篩)から、比較的に短時間のうちに落下する。
【0049】
即ち、上段分離槽に生コンが投入されると、生コン投入口シュートの近傍において、セメント水と多くの砂が集中的に落下するのである。
【0050】
そのため、中段分離槽の傾斜受け部において、上段分離槽が備えている生コン投入口シュートの下方近傍部分を、特に堅牢に製作することにより、集中的に落下してくるセメント水と多くの砂の衝撃をこの堅牢部分により受け止めて、傾斜受け部の損傷を確実に防止しているのである。
【0051】
本発明に係る請求項
12の発明は、前記中段分離槽のブラシは、中段分離槽の底面(密目の孔を備えた篩)に接した状態で底面(密目の孔を備えた篩)に沿うように円状に旋回し、砂を押し込むようにして底面(密目の孔を備えた篩)上を移動させることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0052】
この請求項
12に係る生コン分離装置によれば、ブラシを介して、砂を押し込むようにして底面(密目の孔を備えた篩)上を移動させることから、砂に付着しているセメントも、その移動の過程において底面(密目の孔を備えた篩)から確実に落下させて、底面(密目の孔を備えた篩)上に砂のみを残すことができる。
【0053】
これは、ブラシにより砂を押し込んで底面(密目の孔を備えた篩)上を移動させる際、砂が回転しながらブラシや密目の孔を備えた篩に接するので、砂は、所謂洗われている状態となり、砂に付着しているセメントが確実に剥離されるのである。また、底面(密目の孔を備えた篩)へのブラシ接触による旋回のため、底面(密目の孔を備えた篩)の磨耗も軽減できる。
【0054】
本発明に係る請求項
13の発明は、前記中段分離槽のブラシは、底面(密目の孔を備えた篩)に対して垂直で、ブラシの進行方向に対して外向き傾斜状に取り付けられて、砂を外周柵側に移動させながら押し込むことで、同じく、上述した課題を解決した。
【0055】
この請求項
13に係る生コン分離装置によれば、ブラシにより、中段分離槽の外周柵側に砂を集めながら、底面(密目の孔を備えた篩)上を移動させることができる。
【0056】
本発明に係る請求項
14の発明は、前記中段分離槽は、外周柵と傾斜受け部に、底面(密目の孔を備えた篩)上に残っている砂を排出する砂出口シュートを備えていることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0057】
この請求項
14に係る生コン分離装置によれば、ブラシにより中段分離槽の外周柵側に集められながら底面(密目の孔を備えた篩)上を移動している砂を、この砂出口シュートにより確実に排出することができる。
【0058】
このように、中段分離槽において、投入された生コンから、砂のみを効率良く分離・排出して、再利用することができる。
【0059】
本発明に係る請求項
15の発明は、前記上段分離槽は、その外周壁に沿うようにリング状に形成された上段側シャワー装置を備え、前記中段分離槽は、傾斜受け部の外周側に沿うようにリング状に形成された中段側シャワー装置を備えていることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0060】
この請求項
15に係る生コン分離装置によれば、上段分離槽において、上段側シャワー装置により水を散布しながら、ブラシにより砂利を押し込んで底面(粗目の孔を備えた篩)上を移動させるので、砂利が、所謂洗われている状態となり、砂利に付着しているセメントや砂が確実に剥離されるのである。
【0061】
また、中段分離槽において、中段側シャワー装置により水を散布しながら、ブラシにより砂を押し込んで底面(密目の孔を備えた篩)上を移動させるので、砂が、所謂洗われている状態となり、砂に付着しているセメントが確実に剥離されるのである。
【0062】
本発明に係る請求項
16の発明は、セメント水を溜める下段タンク槽は、中段分離槽の下方に配置され、中段分離槽の底面(密目の孔を備えた篩)から落下したセメント水を受け止めることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0063】
この請求項
16に係る生コン分離装置によれば、中段分離槽の底面(密目の孔を備えた篩)から落下してくる、生コンから分離したセメント水を下段タンク槽により受け止めて、セメント水を溜めることができる。
【0064】
また、ブラシを旋回させるために下方に設けている駆動部分がセメント水に触れることがなく、生コン分離装置の駆動部分における故障を回避できる。
【0065】
本発明に係る請求項
17の発明は、砂利・砂・セメント・水を含む生コンクリートを投入して、砂利・砂・セメント水にそれぞれ分離する生コン分離装置であり、該生コン分離装置は、中央に立設したブラシ回転軸と、ブラシ回転軸の最上端に設けられた水平な複数のブラシ回転アームと、ブラシ回転アームの外端側から垂下された複数のブラシが旋回して上段側シャワー装置で水をかけながら粗目の孔を備えた篩を介して砂利を分離する円環状の上段分離槽と、ブラシ回転アームの内端側から垂下された複数のブラシが旋回して中段側シャワー装置で水をかけながら密目の孔を備えた篩を介して砂を分離する円環状の中段分離槽と、セメント水を溜める下段タンク槽との縦型3段連結構造に形成
され、前記中段分離槽は、円環状の底面と、底面の外縁に設けた外周柵と、外周柵に連設した円環状の傾斜受け部により構成されていることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0066】
この請求項
17に係る生コン分離装置によれば、縦型3段連結構造(縦型多段式)のため、ブラシ移動が縦軸駆動のみで砂利用・砂用ともに同軸体で駆動でき、装置全体を非常にシンプルに構成できる。しかも、円形多段式のため、設置面積を小さくでき、装置全体の小型化も実現している。また、装置全体の高さを低くできることから、ミキサー車の低位置まで延びたドラムシュートを介して、残生コンを直接投入することができる。
【0067】
本発明に係る請求項
18の発明は、前記上段分離槽は、生コン投入口シュートと砂利出口シュートを備え、前記中段分離槽は、砂出口シュートを備え、前記下段タンク槽は、セメント水出口シュートを備えていることで、同じく、上述した課題を解決した。
【0068】
この請求項
18に係る生コン分離装置によれば、生コン投入口シュートを介して生コンクリートを上段分離槽に投入し、この上段分離槽において、砂利出口シュートを介して砂利のみを排出することができる。
【0069】
また、砂利が分離された砂とセメント水は、次に中段分離槽に送られ、この中段分離槽において、砂出口シュートを介して砂のみを排出することができる。
【0070】
最後に、砂利と砂が分離されたセメント水は、下段タンク槽に送られ、セメント水出口シュートを介して、セメント水を適宜排出することができる。
【0071】
このように、本発明に係る生コン分離装置によれば、生コンクリートから、砂利、砂、セメント水というように、順次段階を追って分離し、それぞれの再利用を可能にしている。
【0072】
本発明に係る生コン分離装置によれば、生コン投入口シュートを介して生コンクリートを上段分離槽に投入し、この上段分離槽において、複数のブラシが旋回して砂利を分離し、砂利出口シュートを介して砂利のみを排出することができる。
【0073】
このとき、上段分離槽においては、水を散布しながらブラシにより砂利を押し込むので、砂利が、所謂洗われている状態となり、砂利に付着しているセメントや砂を確実に剥離することができる。また、上段分離槽の底面(粗目の孔を備えた篩)を介して、砂とセメント水のみを通過させることができ、これによって砂利のみを効率良く分離することができる。
【0074】
砂利が分離された砂とセメント水は、中段分離槽に送られ、この中段分離槽において、複数のブラシが旋回して砂を分離し、砂出口シュートを介して砂のみを排出することができる。
【0075】
このとき、中段分離槽においては、水を散布しながらブラシにより砂を押し込むので、砂が、所謂洗われている状態となり、砂に付着しているセメントを確実に剥離することができる。また、中段分離槽の底面(密目の孔を備えた篩)を介して、セメント水のみを通過させることができ、これによって砂のみを効率良く分離することができる。
【0076】
砂利と砂が分離されたセメント水は、下段タンク槽に送られて、セメント水出口シュートを介して、セメント水を適宜排出することができる。
【0077】
このように、本発明に係る生コン分離装置によれば、生コンクリートから、砂利、砂、セメント水というように、順次段階を追って分離し、それぞれの再利用を可能にしている。