特許第6593864号(P6593864)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6593864
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】非接触型入力システム及び光入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20191010BHJP
   G06F 3/038 20130101ALI20191010BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20191010BHJP
【FI】
   G06F3/01 510
   G06F3/038 310A
   G06F3/0346 425
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-66881(P2015-66881)
(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-186728(P2016-186728A)
(43)【公開日】2016年10月27日
【審査請求日】2018年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】特許業務法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】森下 幸司
(72)【発明者】
【氏名】野田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】中尾 勇介
【審査官】 原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−236957(JP,A)
【文献】 特開2007−222290(JP,A)
【文献】 特開平09−146667(JP,A)
【文献】 特開昭62−298822(JP,A)
【文献】 米国特許第04713535(US,A)
【文献】 特開平08−185255(JP,A)
【文献】 特開2005−165980(JP,A)
【文献】 特開2009−069091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
源と、
前記光源を操作者の頭部に装着するための取付部材と、
傾き又は向き又はそれら両方を検出するセンサユニットと、
検出された前記傾き又は前記向き又はそれら両方により、前記操作者が顔を上方又は下方に向けていると判定した場合、前記光源を駆動し、前記操作者が顔を水平方向に向けていると判定した場合、前記光源の駆動を停止し、前記操作者間の安全を確保する駆動部とを有する、光入力装置と、
記光源から出射された光を受光する受光部と、前記受光部における受光に応じて信号を出力する信号出力部とを有する、受信装置と、
を有することを特徴とする非接触型入力システム。
【請求項2】
前記受信装置が、前記受光部を複数備えており、
前記信号出力部が、複数の前記受光部それぞれ毎に、受光に応じて、異なる信号を出力
する、
請求項1に記載の非接触型入力システム。
【請求項3】
光源と、
前記光源を操作者の頭部に直接又は間接的に装着するための取付部材と、
傾き又は向き又はそれら両方を検出するセンサユニットと、
検出された前記傾き又は前記向き又はそれら両方を用いて、前記操作者が顔を上方又は下方に向けていると判定した場合、前記光源を駆動し、前記操作者が顔を水平方向に向けていると判定した場合、前記光源の駆動を停止し、前記操作者間の安全を確保する駆動部と、
を有することを特徴とする光入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を利用して入力操作を行なうための非接触型入力システム、及びそれに用いる光入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品の安全性を確保するため、食品製造会社においては、「HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)」と呼ばれる食品の衛生管理方式が採用され始めている。HACCPでは、原料の入荷、食品の製造、出荷といった各工程において、重要管理点が設定され、設定された重要管理点において監視及び記録が行なわれている。
【0003】
また、重要管理点における記録は、通常、作業者による、キーボード等を介した入力操作、記録用紙への記録等によって行なわれる。但し、これらの操作を行なうためには、作業者において、手袋の着脱、手の消毒といった作業が必要となる。従って、重要管理点における記録は、作業者において煩わしい作業であり、却って作業効率を低下させる可能性がある。
【0004】
このような問題を解決するため、例えば、非接触による入力操作を可能とするシステムが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。具体的には、非特許文献1に開示されているシステムは、ユーザの手元に赤外線を照射する赤外線光源と、天井に設置された2台の赤外線カメラと、コンピュータと、表示装置とで構成されている。
【0005】
そして、この構成により、コンピュータは、赤外線カメラで撮影された画像に基づいて、ユーザの指の位置を検出することができる。よって、コンピュータは、ユーザが画面の前で指を上下左右に動かすと、検出した指の位置に応じて、画面上のカーソルを移動させる。また、ユーザが、指を前後に動かすと、コンピュータは、選択操作が行なわれたと判断する。
【0006】
このように、非特許文献1に開示されたシステムによれば、ユーザは、入力装置等に接触することなく、入力操作を行なうことができるので、上述した問題を解決することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【非特許文献1】株式会社竹中工務店「離れた所からディスプレイをクリックできる非接触型入力装置を開発 「ハンドポインティングシステム」を「国際食品工業展」に出展」、[online]、1998年6月5日、竹中工務店、[2015年3月6日検索]、インターネット<URL:http://www.takenaka.co.jp/news/pr9806/m9806_02.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記非特許文献1に開示されたシステムには、まず、天井に赤外線カメラを設置する必要があり、導入にかかるコストが非常に大きいという問題がある。また、空間で操作を行なう必要があるため、作業者においては、空間のどこからどこまでが操作可能な範囲であるかを判別しにくいため、操作入力の確実性が低く、操作性が悪いという問題もある。
【0009】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、非接触の入力を実現する場合において、導入コストを抑制しつつ、操作入力の確実性を高めて操作性の向上を図り得る、非接触型入力システム、及び、それに用いられる光入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における非接触型入力システムは、
光入力装置と、受信装置とを備え、
前記光入力装置は、光源と、前記光源を操作者の頭部に装着するための取付部材と、を備え、
前記受信装置は、
前記光源から出射された光を受光する受光部と、前記受光部における受光に応じて信号を出力する信号出力部と、を備えている、
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における光入力装置は、
光源と、前記光源を操作者の頭部に直接又は間接的に装着するための取付部材と、を備えている、ことを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、非接触の入力を実現する場合において、導入コストを抑制しつつ、操作入力の確実性を高めて操作性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施の形態における非接触型入力システム及び光入力装置の外観構成を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態における非接触型入力システム及び光入力装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における非接触型入力システム及び光入力装置について、図1図2を参照しながら説明する。
【0015】
最初に、図1を用いて、本実施の形態における非接触型入力システム及び光入力装置の外観構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態における非接触型入力システム及び光入力装置の外観構成を示す斜視図である。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態における非接触型入力システム100は、光入力装置10と、受信装置20とを備えている。このうち、光入力装置10は、光源11と、取付部材12とを備えている。取付部材12は、光源11を操作者30の頭部に装着するために用いられている。また、受信装置20は、光源11から出射された光を受光する受光部21と、受光部21における受光に応じて信号を出力する信号出力部(図1において図示せず)とを備えている。
【0017】
このように、本実施の形態では、操作者30が、頭部に装着された光入力装置10から受信装置20に向けて光を出射すると、受信装置20は、それを受光し、受光した光に応じて信号を出力する。つまり、操作者30は、手を使わずに非接触で入力操作を行なうことができる。また、入力装置10及び受信装置20は小型で簡単な構造で実現できるため、導入コストの抑制が図られる。更に、操作者30は、光源11から出射された光のスポットにより、どの位置に光が照射されているかを把握できるので、操作入力の確実性が高められ、操作性の向上が図られる。
【0018】
続いて、図1に加え、図2を用いて、本実施の形態における非接触型入力システム及び光入力装置の具体的構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態における非接触型入力システム及び光入力装置の構成を示すブロック図である。
【0019】
図2に示すように、光入力装置10は、光源11及び取付部材12に加えて、センサユニット13と、駆動部14とを備えている。センサユニット13は、光入力装置10の傾き及び向きの一方又は両方を検出する。
【0020】
具体的には、センサユニット13は、3軸角速度センサと、3軸加速度センサと、3軸地磁気センサとを備え、これらによって、光入力装置10の傾き及び向きを検出する。また、光入力装置10は操作者30の頭部に装着されるので、センサユニット13によって検出される傾き及び向きは、頭部の傾き及び向きに相当する。
【0021】
駆動部14は、センサユニット13によって検出された傾き及び向きに応じて、光源11を駆動する。駆動部14は、例えば、操作者30が首を2回縦に振ると、光源11の電源をオンにし、操作者30が首を更に2回縦に振ると、光源11をオフにする。
【0022】
また、駆動部14は、センサユニット13によって検出された傾きから、光源11の光軸の傾きを特定することができる。そして、駆動部14は、特定した光軸の傾きが、水平を基準に設定された範囲内(略水平と言える範囲であり、例えば、上方5度から下方5度までの範囲内)にあるかどうかを判断することができる。この場合、駆動部14は、光軸が設定された範囲内にあれば、光源11に出射を停止させる。一方、駆動部14は、光軸が設定された範囲を超えていれば、光源11に光を出射させる。
【0023】
つまり、光源11の光軸の向きと操作者30の顔の向きとが一致しているとすると、駆動部14は、光源11の電源がオンになっている状態で、操作者30が顔を上方又は下方に向けている場合は、光源11に光を出射させることができる。また、駆動部14は、操作者30が顔を水平方向に向けている場合は、光源11に出射を停止させることができる。
【0024】
このように、本実施の形態では、センサユニット13と駆動部14とにより、操作者30は、手を使うことなく、首の傾き又は向きを変えることで、光入力装置10を制御することができる。このため、操作性の向上が図られると共に、光入力装置10から不必要に光が出射される事態が回避され、操作者間の安全が確保される。
【0025】
なお、センサユニット13は、光入力装置10の傾きのみ又は向きのみを検出するものであっても良い。この場合は、駆動部14は、傾きのみ、又は向きのみに基づいて、光源11を駆動する。
【0026】
また、本実施の形態において、光源11としては、レーザー光を出射するレーザー光源が用いられる。但し、光源11は、限定されず、指向性が確保された光を出射可能な光源であれば良い。
【0027】
取付部材12は、本実施の形態においては、弾性力によって頭部を挟み込む構造を備えているが、取付部材12の構造は特に限定されるものではない。取付部材12は、操作者30の耳に引っ掛ける構造を有していても良いし、操作者30のアイウェアに取り付けられる構造を有していても良い。
【0028】
また、図1及び図2に示すように、本実施の形態では、受信装置20は、複数の受光部21と、表示部22と、信号出力部23とを備えている。また、これらは、筐体20aに収容されている。
【0029】
受光部21は、それぞれ、光入力装置10から出射された光を受光すると、受光したことを示す信号を出力する。具体的には、受光部21としては、フォトダイオードが挙げられ、フォトダイオードは、受光した光の強度に合わせてレベルが変化する電圧信号を出力する。従って、受光部21としてフォトダイオードが用いられている場合は、受光部21は、受光したことを示す信号として、レベルが設定値以上となった電圧信号を出力する。
【0030】
また、各受光部21は、受光面が筐体20aから露出するように配置されている。更に、各受光部21には、操作が割当てられており、図1に示すように、筐体20aにおいて各受光部21の傍には、割当てられた操作を示す記号が付与されている。
【0031】
信号出力部23は、受光部21毎に異なる操作が割当てられているため、受光部21毎に、受光に応じて、異なる信号を出力する。具体的には、信号出力部23は、光入力装置10からの光を受光した受光部21から、受光したことを示す信号が送られてくると、この受光部21に割当てられている操作を特定する信号を出力する。
【0032】
また、本実施の形態では、図2に示すように、受信装置20は、管理装置30に接続されている。従って、信号出力部23は、上述した操作を特定する信号を、計算機40に出力する。
【0033】
計算機40は、出力されてきた信号によって特定される操作を受け付け、受け付けた操作に応じて、各種処理を実行する。また、計算機40は、処理の内容に応じて、受信装置20の表示部22に、各種情報を表示させることができる。
【0034】
計算機40の具体例としては、食品の製造工程において管理に用いられるコンピュータが挙げられる。この場合、計算機40は、例えば、表示部22に、記録すべき事項、記録を促すメッセージ等を表示させる。また、表示部22の具体例としては、液晶表示パネル等が挙げられる。
【0035】
以上のように本実施の形態によれば、操作者30は、手を使わずに、計算機40に対して入力操作を行なうことができる。このため、本実施の形態における非接触型入力システム100を、例えば食品の製造工程に用いれば、作業者は、手袋の着脱を行なうことなく、必要な記録を行なうことができる。また、本実施の形態における非接触型入力システム100は、作業者が手を使わずに入力操作を行なう必要がある分野であれば、特に限定なく利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように、本発明によれば、非接触の入力を実現する場合において、導入コストを抑制しつつ、操作入力の確実性を高めて操作性の向上を図ることができる。本発明は、特に、食品分野に有用である。
【符号の説明】
【0037】
10 光入力装置
11 光源
12 取付部材
13 センサユニット
14 駆動部
20 受信装置
21 受光部
22 表示部
30 操作者
40 計算機
図1
図2