(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施例)
図1に示すように、本実施例に係る給湯システム2は、タンク10と、タンク水循環路20と、水道水導入路30と、供給路40と、ヒートポンプ50と、燃焼装置60と、コントローラ100と、ユーザ端末110を備える。
【0021】
ヒートポンプ50は、自然環境である外気から吸熱して、タンク水循環路20内の水を加熱する熱源である。ヒートポンプ50は、図示しないが、冷媒(代替フロン、例えばR410A等)を循環させる冷媒循環路と、外気と冷媒との間で熱交換を行う蒸発器と、冷媒を圧縮して高温高圧にする圧縮器と、タンク水循環路20内の水と高温高圧の冷媒との間で熱交換を行う凝縮器と、熱交換を終えた後の冷媒を減圧させて低温低圧にする膨張弁と、を備えている。また、ヒートポンプ50には、外気温を測定する外気温センサ52が備えられている。
【0022】
タンク10は、ヒートポンプ50によって加熱された温水を貯える。タンク10は、密閉型であり、断熱材によって外側が覆われている。タンク10内には満水まで水が貯留されている。本実施例では、タンク10の容量は100Lである。タンク10には、サーミスタ12、14、16、18がタンク10の高さ方向に所定間隔で取り付けられている。各サーミスタ12、14、16、18は、その取付位置の水の温度を測定する。例えば、各サーミスタ12、14、16、18は、それぞれ、タンク10の上部から6L、12L、30L、50Lの位置の水の温度を測定する。
【0023】
タンク水循環路20は、上流端がタンク10の下部に接続されており、下流端がタンク10の上部に接続されている。タンク水循環路20には、循環ポンプ22が介装されている。循環ポンプ22は、タンク水循環路20内の水を上流側から下流側へ送り出す。また、タンク水循環路20は、ヒートポンプ50の熱交換器(図示省略)を通過している。そのため、ヒートポンプ50を作動させると、タンク水循環路20内の水がヒートポンプ50の熱交換器で加熱される。従って、循環ポンプ22とヒートポンプ50とを作動させると、タンク10の下部の水がヒートポンプ50で加熱され、加熱された水がタンク10の上部に戻される。即ち、タンク水循環路20は、タンク10に蓄熱するための水路である。また、タンク水循環路20のヒートポンプ50の上流側には、サーミスタ24が介装されている。サーミスタ24は、タンク10の下部から導出され、ヒートポンプ50を通過する前の水の温度を測定する。
【0024】
水道水導入路30は、上流端が水道水供給源31に接続されている。水道水導入路30には、サーミスタ32が介装されている。サーミスタ32は、水道水の温度を測定する。水道水導入路30の下流側は、第1導入路30aと第2導入路30bに分岐している。第1導入路30aの下流端は、タンク10の下部に接続されている。第2導入路30bの下流端は、供給路40の途中に接続されている。第2導入路30bの下流端と供給路40との接続部分には、混合弁42が設けられている。混合弁42は、供給路40内を流れる温水に、第2導入路30b内の水を混合させる量を調整する。
【0025】
供給路40は、上流端がタンク10の上部に接続されている。第2導入路30bとの接続部より下流側の供給路40には、燃焼装置60が介装されている。また、燃焼装置60より下流側の供給路40には、サーミスタ44が介装されている。サーミスタ44は、供給される温水の温度を測定する。燃焼装置60は、燃料ガスの燃焼によって水を加熱する。燃焼装置60は、サーミスタ44が測定する温水の温度が、給湯設定温度と一致するように、供給路40内の水を加熱する。供給路40の下流端は、給湯箇所(例えば台所やシャワーなどの給湯栓等)に接続されている。また、供給路40の下流端には、浴槽に湯はりをするための湯はり弁46と、湯はり後の浴槽内の水を追い焚きする追い焚き装置(図示せず)が設けられている。
【0026】
コントローラ100は、各構成要素と電気的に接続されており、各構成要素の動作を制御する。コントローラ100には、リモコン(図示せず)が接続されている。給湯システム2のユーザは、リモコンを介して、給湯栓へ供給する水の温度である給湯設定温度、浴槽へ供給する水の温度であるふろ設定温度、浴槽への湯はりを完了する時刻である湯はり完了時刻、浴槽へ湯はりした水を保温する時間である保温設定時間などを設定しておくことができる。
【0027】
ユーザ端末110は、コントローラ100と無線により通信可能である。ユーザ端末110は、例えば給湯システム2との連携のための専用のアプリケーションがインストールされたスマートフォンである。ユーザ端末110は、給湯システム2に関連する各種の情報を表示することができる。また、ユーザ端末110は、給湯システム2に関連する各種の操作入力を受け入れることができる。
【0028】
次いで、本実施例の給湯システム2の動作について説明する。給湯システム2は、沸上運転、給湯運転および湯はり運転を実行することができる。なお、本明細書では、給湯システム2の給湯運転と湯はり運転の両方を、給湯システム2による給湯という。以下、各運転について説明する。
【0029】
(沸上運転)
沸上運転は、ヒートポンプ50によって、タンク10内の水を加熱する運転である。コントローラ100によって沸上運転の実行が指示されると、ヒートポンプ50が作動するとともに、循環ポンプ22が作動する。循環ポンプ22が作動すると、タンク水循環路20内をタンク10内の水が循環する。即ち、タンク10の下部に存在する水がタンク水循環路20内に導入され、導入された水がヒートポンプ50内の熱交換器を通過する際に、冷媒の熱によって加熱され、加熱された水がタンク10の上部に戻される。これにより、タンク10に高温の水が貯められる。タンク10の上部には、高温の水の層が形成され、下部には、低温の水の層が形成される。
【0030】
(給湯運転)
給湯運転は、タンク10内の水を給湯箇所に供給する運転である。給湯運転は、上記の沸上運転中にも実行することができる。給湯箇所において給湯栓が開かれると、水道水供給源31からの水圧によって、水道水導入路30(第1導入路30a)からタンク10の下部に水道水が流入する。同時に、タンク10上部の温水が、供給路40を介して給湯箇所に供給される。
【0031】
コントローラ100は、タンク10から供給路40に供給される水の温度(即ち、サーミスタ12の測定温度)が、給湯設定温度より高い場合には、混合弁42を開いて第2導入路30bから供給路40に水道水を導入する。従って、タンク10から供給された水と第2導入路30bから供給された水道水とが、供給路40内で混合される。コントローラ100は、給湯箇所に供給される水の温度が、給湯設定温度と一致するように、混合弁42の開度を調整する。一方、コントローラ100は、タンク10から供給路40に供給される水の温度が、給湯設定温度より低い場合には、燃焼装置60を作動させる。従って、供給路40を通過する水が燃焼装置60によって加熱される。コントローラ100は、給湯箇所に供給される水の温度が、給湯設定温度と一致するように、燃焼装置60の出力を制御する。
【0032】
(湯はり運転)
湯はり運転は、タンク10内の水を浴槽に供給する運転である。湯はり運転は、上記の沸上運転中にも実行することができる。リモコンで設定された湯はり完了時刻に基づく湯はり開始時刻になると、コントローラ100は、湯はり弁46を開く。これによって、給湯運転と同様にして、ふろ設定温度に調温された水が浴槽へ供給される。
【0033】
(沸上運転の学習制御)
図2は、ある1日の間に、給湯が行われる時間帯を模式的に示す図である。なお、本実施例では、2:00を始点とする24時間を、1日を特定するための単位時間としている。
【0034】
一般的には、例えば、6:00〜7:00に最初に給湯が行われる(
図2の例では6:00)。最初の給湯は、例えば、朝食の用意や洗面のための給湯である。最初の給湯では、5L〜20L程度の温水が供給される。その後、例えば、11:00〜12:00に二度目の給湯が行われる(
図2の例では11:00)。二度目の給湯は、例えば、昼食の用意のための給湯である。二度目の給湯でも、5L〜20L程度の温水が供給される。その後、例えば、20:00に三度目の給湯が行われる(
図2の例では20:00)。三度目の給湯は、浴槽への湯はり運転である。湯はり運転では、150L〜180L程度の温水が供給される。その後、例えば、23:00〜0:00に最後の給湯が行われる(
図2の例ではおよそ23:00)。最後の給湯は、例えば、歯磨き等のための給湯である。最後の給湯では、5L〜10L程度の温水が供給される。最後の給湯は、0:00頃に終了する。
【0035】
本実施例では、コントローラ100は、給湯が行われる度に、給湯が開始された時刻と、給湯が終了した時刻と、給湯で使用された温水の量を示す給湯使用量を、給湯使用実績として記憶する。また、コントローラ100は、ヒートポンプ50による水の加熱を行う度に、加熱が開始された時刻と、加熱が終了した時刻と、ヒートポンプ50での電力使用量を、電力使用実績として記憶する。さらに、コントローラ100は、燃焼装置60による水の加熱を行う度に、加熱が開始された時刻と、加熱が終了した時刻と、燃焼装置60でのガス使用量を、ガス使用実績として記憶する。そして、コントローラ100は、1日分の給湯使用実績と、電力使用実績と、ガス使用実績を、1日分の給湯履歴として記憶する。本実施例では、コントローラ100は、過去の所定期間(例えば1ヶ月間)の各日の給湯履歴を記憶している。
【0036】
続いて、コントローラ100が、24時間毎(時刻が2:00になる毎)に実行する処理について説明する。コントローラ100は、24時間毎に、前日の給湯履歴を新たに記憶する。
【0037】
次いで、コントローラ100は、過去7日分の給湯履歴から、過去7日間において、最初の給湯が開始された時刻(給湯開始時刻)のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「給湯開始時刻S1」と呼ぶ。例えば、コントローラ100は、6:00を給湯開始時刻S1として特定する(
図2参照)。
【0038】
さらに、コントローラ100は、過去7日分の給湯履歴から、過去7日間において、給湯開始時刻から湯はり開始前までの給湯使用量のうち、最も多い給湯使用量を特定する。以下では、この給湯使用量を「第1給湯量Q1」と呼ぶ。例えば、コントローラ100は、30Lを第1給湯量Q1として特定する。
【0039】
また、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、湯はり運転が開始された時刻(湯はり開始時刻)のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「湯はり開始時刻B1」と呼ぶ。上記の通り、本実施例では、毎日20:00に湯はり運転を開始するように予め設定されている。例えば、コントローラ100は、20:00を湯はり開始時刻B1として特定する(
図2参照)。
【0040】
さらに、コントローラ100は、過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最後の給湯が終了した時刻(給湯終了時刻)のうち、最も遅い時刻を特定する。以下では、この時刻を「給湯終了時刻G1」と呼ぶ。例えば、コントローラ100は、0:00を給湯終了時刻G1として特定する(
図2参照)。
【0041】
さらに、コントローラ100は、サーミスタ32が測定する温度TW(即ち、水道水の水温)と第1給湯量Q1に基づいて、第1の所定時間αを特定する。また、コントローラ100は、サーミスタ32が測定する温度TW(即ち、水道水の水温)に基づいて、第2の所定時間β、及び、第3の所定時間γを特定する。
【0042】
図2に示すように、温度TWが21℃以上の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αとして「20分」を特定する。温度TWが13℃以上21℃未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αとして「30分」を特定する。温度TWが13℃未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αとして「45分」を特定する。コントローラ100は、温度TWが高いほど、第1の所定時間αとして、短い時間を特定する。
【0043】
また、
図2に示すように、第1給湯量Q1が12L未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αの加算時間として「5分」を特定する。第1給湯量Q1が12L以上30L未満の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αの加算時間として「10分」を特定する。第1給湯量Q1が30L以上の場合、コントローラ100は、第1の所定時間αの加算時間として「15分」を特定する。コントローラ100は、第1給湯量Q1が少ないほど、第1の所定時間αの加算時間として、短い時間を特定する。
【0044】
同様に、
図2に示すように、温度TWが21℃以上の場合、コントローラ100は、第2の所定時間βとして「40分」を特定する。温度TWが13℃以上21℃未満の場合、コントローラ100は、第2の所定時間βとして「50分」を特定する。温度TWが13℃未満の場合、コントローラ100は、第2の所定時間βとして「60分」を特定する。コントローラ100は、温度TWが高いほど、第2の所定時間βとして、短い時間を特定する。
【0045】
さらに同様に、
図2に示すように、温度TWが21℃以上の場合、コントローラ100は、第3の所定時間γとして「80分」を特定する。温度TWが13℃以上21℃未満の場合、コントローラ100は、第3の所定時間γとして「50分」を特定する。温度TWが13℃未満の場合、コントローラ100は、第3の所定時間γとして「40分」を特定する。コントローラ100は、温度TWが高いほど、第3の所定時間γとして、長い時間を特定する。
【0046】
次いで、コントローラ100は、給湯開始時刻S1から、特定された第1の所定時間αだけ前の時刻である第1のヒートポンプ作動時刻S0を特定する。本実施例では、コントローラ100は、第1のヒートポンプ作動時刻S0が到来すると、後述の第1のヒートポンプ作動処理(
図3参照)を開始する。
【0047】
また、コントローラ100は、湯はり開始時刻B1から、特定された第2の所定時間βだけ前の時刻である第2のヒートポンプ作動時刻B0を特定する。本実施例では、コントローラ100は、第2のヒートポンプ作動時刻B0が到来すると、後述の第2のヒートポンプ作動処理(
図4参照)を開始する。
【0048】
さらに、コントローラ100は、給湯終了時刻G1から、特定された第3の所定時間γだけ前の時刻であるヒートポンプ停止時刻G0を特定する。本実施例では、コントローラ100は、ヒートポンプ停止時刻G0が到来すると、後述のヒートポンプ停止処理を開始する。
【0049】
(第1のヒートポンプ作動処理)
図3は、コントローラ100が実行する第1のヒートポンプ作動処理の内容を示すフローチャートである。上記の通り、第1のヒートポンプ作動時刻S0が到来すると、コントローラ100は、
図3の処理を開始する。まず、S10では、コントローラ100は、タンク10に取り付けられているサーミスタ12,14,16,18のうち、第1給湯量Q1に対応するサーミスタを選択する。本実施例では、第1給湯量Q1が30Lなので、コントローラ100は、30Lに対応するサーミスタ16を選択する。
【0050】
続くS12では、コントローラ100は、上記のS10で選択したサーミスタ16が測定する温度(即ち、タンク10の上部から30Lの位置の水温)が、所定の閾値TAより高いか否か判断する。
【0051】
本実施例では、所定の閾値TAは、「沸上設定温度−10℃」である。沸上設定温度は、例えば47℃である。そのため、所定の閾値TAは、例えば37℃である。S12でYESと判断される場合、少なくとも、タンク10の上部から30Lの位置の水温は閾値TA(例えば37℃)より高い。上記の通り、タンク10の上部には、高温の水の層が形成され、下部には、低温の水の層が形成される。そのため、S12でYESと判断される場合には、タンク10の30Lの位置からタンク上部までの間には、沸上設定温度(例えば47℃)に近い高温の温水が貯められている。即ち、S12でYESと判断される場合には、給湯開始時刻S1の近傍の時刻に行われる予定の最初の給湯に必要な量(5L〜20L程度)の温水がタンク10内に貯められていることを意味する。S12でYESと判断される場合、S18に進む。一方、S12でNOと判断される場合、S14に進む。
【0052】
S14では、コントローラ100は、ヒートポンプ50が作動中であるか否か判断する。ヒートポンプ50が作動している場合、コントローラ100はS14でYESと判断し、S12に戻る。この場合、コントローラ100は、ヒートポンプ50によってタンク10内の水を加熱する沸上運転を継続する。一方、ヒートポンプ50が作動していない場合、コントローラ100はS14でNOと判断し、S16に進む。
【0053】
S16では、コントローラ100は、ヒートポンプ50を作動させる。また、コントローラ100は、循環ポンプ22を回転させる。即ち、コントローラ100は、上記の沸上運転を開始する。これにより、タンク10の下部に存在する水がタンク水循環路20内に導入され、導入された水がヒートポンプ50によって加熱され、加熱された水がタンク10の上部に戻される。これにより、タンク10に高温の水が貯められる。S16でヒートポンプ50を作動させた後は、S12に戻り、コントローラ100は、サーミスタ16が測定する温度が、所定の閾値TAより高くなること(即ちタンク10に第1給湯量Q1の水が所定の閾値TAより高い水温で貯められている状態になること)を監視する。サーミスタ16が測定する温度が所定の閾値TAより高くなる場合(S12でYES)、S18に進む。
【0054】
S18では、コントローラ100は、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を停止させる。上記の通り、S12でYESと判断される場合には、タンク10内には、既に最初の給湯に必要な量(第1給湯量Q1(30L))の温水が貯められているためである。
【0055】
図3の第1のヒートポンプ作動処理を開始した後、給湯開始時刻S1の近傍の時刻に、最初の給湯運転が実行されると、タンク10上部の温水が、供給路40を介して給湯箇所に供給される。上記の通り、本実施例の給湯システム2では、給湯開始時刻S1において、タンク10内に、給湯に必要な量の温水を貯えておくことができる。即ち、第1の所定時間αは、その時間の間だけヒートポンプ50を作動させることによって、給湯開始時刻S1の時点で、タンク10内に、給湯に必要な量の温水を貯めることが可能となる時間である。
【0056】
(第2のヒートポンプ作動処理)
図4は、コントローラ100が実行する第2のヒートポンプ作動処理の内容を示すフローチャートである。上記の通り、第2のヒートポンプ作動時刻B0が到来すると、コントローラ100は、
図4の処理を開始する。まず、S30では、コントローラ100は、サーミスタ24が測定する温度(即ち、タンク10の下部から導出され、ヒートポンプ50を通過する前の水の温度)が、所定の閾値TBより高いか否か(即ちタンク10が満蓄状態か否か)判断する。S30でYESと判断される場合、S38に進む。一方、S30でNOと判断される場合、S32に進む。
【0057】
S32では、コントローラ100は、ヒートポンプ50を作動させる。また、コントローラ100は、循環ポンプ22を回転させる。即ち、コントローラ100は、上記の沸上運転を開始する。なお、S32の時点で既にヒートポンプ50及び循環ポンプ22が作動している場合、コントローラ100は、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を継続して作動させる。S32を終えると、S34に進む。
【0058】
一方、S38では、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を停止させる。上記の通り、S30でYESと判断される場合には、タンク10は満蓄状態である。そのため、それ以上、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を作動させる必要がない。S38を終えると、S34に進む。
【0059】
S34では、コントローラ100は、湯はり開始時刻B1が到来したか否か判断する。S34でYESと判断される場合、S36に進み、湯はり処理(
図5参照)を開始する。一方、S34でNOの場合、S30に戻る。
【0060】
本実施例では、
図4の第2のヒートポンプ作動処理が開始された時点で、タンク10内に沸上設定温度の温水が十分に貯められていない場合には、上記のS32でヒートポンプ50を作動させた後、タンク10が満蓄状態になる前に、湯はり開始時刻B1が到来する(S34でYES)。即ち、本実施例では、コントローラ100は、第2のヒートポンプ作動時刻B0にヒートポンプ50を作動させる(S32)と、湯はり開始時刻B1において、サーミスタ24が測定する温度が、所定の閾値TB未満になるように、第2の所定時間βを特定している。
【0061】
(湯はり処理)
上記の通り、湯はり開始時刻B1が到来すると、S36において、コントローラ100は、湯はり処理を開始する。
図5は、湯はり処理の内容を示すフローチャートである。なお、本実施例では、湯はり開始時刻B1が到来すると、自動的に湯はり処理が開始される例を説明するが、変形例では、ユーザによって所定の湯はり開始操作が行われる場合に、湯はり処理を開始してもよい。
【0062】
図5のS50では、コントローラ100は、湯はり運転を開始する。即ち、コントローラ100は、浴槽の湯はり弁46を開き、浴槽への温水の供給を開始する。次いで、S52では、コントローラ100は、ヒートポンプ50が作動中であるか否か判断する。上記の通り、湯はり開始時刻B1が到来した時点で、タンク10が満蓄状態でなかった場合には、ヒートポンプ50は継続して作動している。その場合、コントローラ100はS52でYESと判断し、S58に進む。一方、湯はり開始時刻B1が到来した時点で、タンク10が満蓄状態であった場合には、ヒートポンプ50は停止している。その場合、コントローラ100はS52でNOと判断し、S54に進む。
【0063】
S54では、コントローラ100は、サーミスタ16が測定する温度が、所定の閾値TA以下になることを監視する。S54でYESの場合、S56に進む。S54でYESの場合、湯はり運転の結果、タンク10内に貯められていた温水(閾値TAより高い温度の温水)の量が残り30L以下まで減少したことを意味する。S56では、コントローラ100は、ヒートポンプ50を作動させるとともに、循環ポンプ22を回転させる。
【0064】
続くS58では、コントローラ100は、サーミスタ12が測定する温度(即ち、タンク10の上部から6Lの位置の水温)が、ふろ設定温度以下になることを監視する。S58でYESと判断される場合には、タンク10内に貯められていた温水(ふろ設定温度より高い温度の温水)の量が残り6L以下まで減少したことを意味する。以下では、この状態のことを「湯切れ状態」と呼ぶ場合がある。本実施例では、湯はり運転において、150L〜180Lの温水が必要とされる。上記の通り、本実施例では、タンク10の容量は100Lであるため、湯はり運転の途中で必ず湯切れ状態(S58でYES)が発生する。S58でYESと判断される場合(即ち、湯切れ状態の場合)、S60に進む。
【0065】
S60では、コントローラ100は、燃焼装置60を作動させる。なお、この場合も、コントローラ100は、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を継続して作動させる。この結果、浴槽には、ヒートポンプ50及び燃焼装置60で加熱された温水が供給される。
【0066】
次いで、S62では、コントローラ100は、湯はり運転が完了することを監視する。所定量(例えば150L)の温水を浴槽に供給し終えると、コントローラ100は、S62でYESと判断し、S64に進む。
【0067】
S64では、コントローラ100は、S60で作動させた燃焼装置60を停止させる。なお、この場合も、コントローラ100は、ヒートポンプ50及び循環ポンプ22を所定時間継続して作動させる。S64を終えると、
図5の湯はり処理が終了する。同時に、
図4の処理も終了する。上記の通り、本実施例の給湯システム2では、湯はり開始時刻B1において、タンク10内に、湯はりのために必要な量の一部の温水を貯えておくことができる。即ち、第2の所定時間βは、その時間の間だけヒートポンプ50を作動させることによって、湯はり開始時刻B1の時点で、タンク10内に、必要な量の温水を貯めることが可能となる時間である。
【0068】
また、上記の通り、コントローラ100は、第2のヒートポンプ作動時刻B0にヒートポンプ50を作動させる(S32)と、湯はり開始時刻B1において、サーミスタ24が測定する温度が、所定の閾値TB未満になるように、第2の所定時間βを特定している。そのため、湯はり開始時刻B1が到来した時点で、タンク10が満蓄状態でない場合には、浴槽に温水の供給を開始した後も(
図5のS50)、ヒートポンプ50を継続して作動させる(
図5のS52でYES)。この場合、ヒートポンプ50で水を加熱してタンク10に貯めながら、浴槽に温水を供給することができる。一方、湯はり開始時刻B1において、ヒートポンプ50が停止している場合(
図5のS52でNO)、後でヒートポンプ50を再度作動させる必要があり、時間がかかる(
図5のS56)。また、湯はり開始時刻B1において、ヒートポンプ50が継続して作動している場合には(
図5のS52でYES)、湯はり開始時刻B1において、ヒートポンプ50が停止している場合(
図5のS52でNO)と比べて、ヒートポンプ50の停止及び再作動が頻繁に行われることを抑制することができる。即ち、ヒートポンプ50の停止及び再作動によるロスを減らしてエネルギー効率を高くすることができ、さらに、ヒートポンプ50の耐久性の低下を抑制することができる。
【0069】
(ヒートポンプ停止処理)
ヒートポンプ停止時刻G0が到来すると、コントローラ100は、ヒートポンプ停止処理(図示省略)を開始する。即ち、コントローラ100は、ヒートポンプ停止時刻G0の時点で、ヒートポンプ50が作動中である場合、ヒートポンプ50を停止させる。なお、ヒートポンプ50が作動していない場合、コントローラ100は、そのままヒートポンプ50を停止させておく。コントローラ100は、ヒートポンプ停止時刻G0でヒートポンプ50を停止させると、次の日までヒートポンプ50を作動させない。その後、給湯終了時刻G1の近傍の時刻に、最後の給湯運転が終了する。従って、本実施例の給湯システム2では、給湯終了時刻G1において、タンク10内に、過剰な温水を貯えないようにすることができる。即ち、第3の所定時間γは、その時間の間にヒートポンプ50を作動させないことにより、給湯終了時刻G1の時点で、タンク10内に、過剰な温水を貯えないようにすることが可能となる時間である。
【0070】
なお、上記において、コントローラ100は、過去7日分の給湯履歴から、過去7日間における給湯開始時刻の平均時刻を、給湯開始時刻S1として特定してもよい。同様に、コントローラ100は、過去7日分の給湯履歴から、過去7日間における湯はり開始時刻の平均時刻を、湯はり開始時刻B1として特定してもよい。さらに、コントローラ100は、過去7日分の給湯履歴から、過去7日間における給湯終了時刻の平均時刻を、給湯終了時刻G1として特定してもよい。
【0071】
上記において、コントローラ100は、温度TWが高くなるほど、また第1給湯量が少ないほど短い時間を特定するのであれば、上記の手法に限らず、任意の方法によって第1の所定時間αを特定してもよい。従って、例えば、コントローラ100は、温度TWを用いて所定の計算を行い、第1の所定時間αを算出してもよい。同様に、コントローラ100は、温度TWが高くなるほど短い時間を特定するのであれば、任意の方法によって第2の所定時間βを特定してもよい。また、コントローラ100は、温度TWが高くなるほど長い時間を特定するのであれば、任意の方法によって第3の所定時間γを特定してもよい。
【0072】
上記において、コントローラ100は、サーミスタ32が測定する水温TWに代えて、外気温センサ52が測定する外気温に基づいて、第1の所定時間α、第2の所定時間β、第3の所定時間γを特定してもよい。また、コントローラ100は、サーミスタ32が測定する水温と外気温センサ52が測定する外気温とに基づいて、第1の所定時間α、第2の所定時間β、第3の所定時間γを特定してもよい。
【0073】
(実際のデータと標準的なデータの比較表示)
図6に示すように、本実施例の給湯システム2では、ユーザ端末110において、標準的な時間帯別の給湯パターンと、実際の時間帯別の給湯パターンを、対比可能に表示可能である。
図6に示す例では、ユーザ端末110の画面112に、標準的な時間帯別の電気使用量、ガス使用量および給湯使用量のグラフ116(
図6では「標準」というラベルとともに表示)と、実際の時間帯別の電気使用量、ガス使用量および給湯使用量のグラフ114(
図6では「あなた」というラベルとともに表示)を、上下に並べて表示している。本実施例の給湯システム2では、ユーザ端末110は、コントローラ100から、過去の所定期間(例えば1ヶ月間)における各日の給湯履歴を取得し、それぞれの時間帯における、電気使用量、ガス使用量および給湯使用量の平均値を算出することで、実際の時間帯別の給湯パターンを取得する。また、ユーザ端末110は、標準的な時間帯別の給湯パターンを、例えばインターネット等を介してデータベース(図示せず)からダウンロードすることで取得する。給湯システム2のユーザは、ユーザ端末110を介して、標準的な時間帯別の給湯パターンのグラフ116と、実際の時間帯別の給湯パターンのグラフ114を見比べることによって、自身の給湯パターンの特徴を把握し、省エネルギーを図るために自身の給湯パターンをどのように改善すればよいかを理解することができる。なお、過去の所定期間における各日の給湯履歴から、それぞれの時間帯における、電気使用量、ガス使用量および給湯使用量の平均値を算出する処理と、実際の時間帯別の給湯パターンを記憶する処理と、標準的な時間帯別の給湯パターンを記憶する処理は、ユーザ端末110ではなく、コントローラ100で行ってもよい。
【0074】
なお、標準的な時間帯別の給湯パターンは、複数の給湯パターンの中から、給湯システム2のユーザに適合するものを選択可能としてもよい。例えば、標準的な時間帯別の給湯パターンとして、ユーザの家庭の構成人数、居住地域、季節などに応じた給湯パターンを複数用意しておいて、ユーザがユーザ端末110において複数の給湯パターンの中から自身に適合するものを選択できるように、ユーザ端末110を構成してもよい。
【0075】
(アドバイス表示)
図7に示すように、本実施例の給湯システム2では、ユーザ端末110において、給湯システム2のユーザに対するアドバイスを表示可能である。
図7に示す例では、ユーザ端末110の画面112の上部に、標準的な給湯パターンで、ヒートポンプ50を使用することなく燃焼装置60のみを使用して給湯した場合の光熱費118(
図7では「ガスのみ」というラベルとともに表示)と、標準的な給湯パターンで、ヒートポンプ50と燃焼装置60を組み合わせて使用して給湯した場合の光熱費120(
図7では「標準」というラベルとともに表示)と、実際の給湯パターンでの光熱費122(
図7では「あなた」というラベルとともに表示)が並べて表示されているとともに、画面112の下部に、アドバイス文124が表示されている。
【0076】
図8および
図9に示すように、ユーザ端末110には、複数のアドバイス文124と、そのアドバイス文124の表示条件が、関連付けて記憶されている。ユーザ端末110は、それぞれのアドバイス文124について、関連付けられた表示条件が満たされるか否かを判定し、全ての表示条件が満たされるアドバイス文124を画面112に表示する。なお、
図8、
図9における「標準光熱費」、「標準給湯使用量」、「標準湯はり量」、「標準給湯使用回数」は、それぞれ、標準的な給湯パターンに基づく光熱費、給湯使用量、湯はり量および給湯使用回数をいう。
【0077】
図8のNo.1に示すように、本実施例の給湯システム2では、給湯設定温度が所定温度(例えば43℃)以上の場合に、ユーザ端末110は、給湯設定温度を下げることで光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
【0078】
図8のNo.2に示すように、本実施例の給湯システム2では、ふろ設定温度が所定温度(例えば43℃)以上の場合に、ユーザ端末110は、ふろ設定温度を下げることで光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
【0079】
図8のNo.3に示すように、本実施例の給湯システム2では、保温設定時間が所定時間(例えば4時間)以上の場合に、ユーザ端末110は、保温設定時間を短くすることで光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
【0080】
図8のNo.4に示すように、本実施例の給湯システム2では、以下の3つの条件が満たされた場合に、給湯開始時刻と給湯終了時刻のばらつきを減らすことで光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
(1)当月の光熱費が、標準光熱費に所定係数(例えば1.05)を乗算した値以上である。
(2)過去の所定期間(例えば7日間)の給湯開始時刻において、一番早い時刻と一番遅い時刻の時間差が所定時間差(例えば2時間)以上である。
(3)過去の所定期間(例えば7日間)の給湯終了時刻において、一番早い時刻と一番遅い時刻の時間差が所定時間差(例えば2時間)以上である。
【0081】
図8のNo.5に示すように、本実施例の給湯システム2では、以下の3つの条件が満たされた場合に、給湯開始時刻の早い時刻へのばらつきを減らすことで光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
(1)当月の光熱費が、標準光熱費に所定係数(例えば1.05)を乗算した値以上である。
(2)過去の所定期間(例えば7日間)の給湯開始時刻において、一番早い時刻と一番遅い時刻の時間差が所定時間差(例えば2時間)以上である。
(3)過去の所定期間(例えば7日間)の給湯開始時刻において、一番早い時刻が所定時刻(例えば5:00)以前である。
【0082】
図8のNo.6に示すように、本実施例の給湯システム2では、以下の3つの条件が満たされた場合に、給湯終了時刻の遅い時刻へのばらつきを減らすことで光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
(1)当月の光熱費が、標準光熱費に所定係数(例えば1.05)を乗算した値以上である。
(2)過去の所定期間(例えば7日間)の給湯終了時刻において、一番早い時刻と一番遅い時刻の時間差が所定時間差(例えば2時間)以上である。
(3)過去の所定期間(例えば7日間)の給湯終了時刻において、一番遅い時刻が所定時刻(例えば24:00)以降である。
【0083】
図8のNo.7に示すように、本実施例の給湯システム2では、以下の2つの条件が満たされた場合に、給湯開始時刻から湯はり開始時刻までの給湯使用量のばらつきを減らすことで、光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
(1)当月の光熱費が、標準光熱費に所定係数(例えば1.05)を乗算した値以上である。
(2)過去の所定期間(例えば7日間)の給湯開始時刻から湯はり開始前までの給湯使用量について、一番多い日の使用量と一番少ない日の使用量の差が所定量(例えば30L)以上である。
【0084】
図8のNo.8に示すように、本実施例の給湯システム2では、以下の2つの条件が満たされた場合に、給湯開始時刻から湯はり開始時刻までの給湯量を減らすことで、光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
(1)当月の光熱費が、標準光熱費に所定係数(例えば1.05)を乗算した値以上である。
(2)過去の所定期間(例えば7日間)の給湯開始時刻から湯はり開始前までの給湯使用量が、標準給湯使用量に所定係数(例えば1.10)を乗算した値以上である。
【0085】
図8のNo.9に示すように、本実施例の給湯システム2では、以下の2つの条件が満たされた場合に、湯はり量を減らすことで、光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
(1)当月の光熱費が、標準光熱費に所定係数(例えば1.05)を乗算した値以上である。
(2)過去の所定期間(例えば7日間)の湯はり量が、標準湯はり量に所定係数(例えば1.10)を乗算した値以上である。
【0086】
図8のNo.10に示すように、本実施例の給湯システム2では、以下の2つの条件が満たされた場合に、湯はり終了後から給湯終了時刻までの給湯使用量を減らすことで、光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
(1)当月の光熱費が、標準光熱費に所定係数(例えば1.05)を乗算した値以上である。
(2)過去の所定期間(例えば7日間)の湯はり終了後から給湯終了時刻までの給湯使用量が、標準給湯使用量に所定係数(例えば1.10)を乗算した値以上である。
【0087】
図9のNo.11に示すように、本実施例の給湯システム2では、過去の所定期間(例えば7日間)の湯はり開始時刻において、一番早い時刻と一番遅い時刻の時間差が所定時間差(例えば3時間)以上の場合に、入浴時間のばらつきを減らすことで、光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
【0088】
図9のNo.12に示すように、本実施例の給湯システム2では、以下の2つの条件が満たされた場合に、午前の給湯使用回数を減らすことで、光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
(1)当月の光熱費が、標準光熱費に所定係数(例えば1.05)を乗算した値以上である。
(2)過去の所定期間(例えば7日間)の午前の給湯使用回数が、午前の標準給湯使用回数に所定係数(例えば1.15)を乗算した値以上である。
【0089】
図9のNo.13に示すように、本実施例の給湯システム2では、以下の2つの条件が満たされた場合に、午後の給湯使用回数を減らすことで、光熱費の節約が可能である旨のアドバイス文124を表示する。
(1)当月の光熱費が、標準光熱費に所定係数(例えば1.05)を乗算した値以上である。
(2)過去の所定期間(例えば7日間)の午後の給湯使用回数が、午後の標準給湯使用回数に所定係数(例えば1.15)を乗算した値以上である。
【0090】
図9のNo.14に示すように、本実施例の給湯システム2では、当月の光熱費が、標準光熱費に所定係数(例えば1.05)を乗算した値以上である場合に、光熱費の節約を促す旨のアドバイス文124を表示する。
【0091】
図9のNo.15に示すように、本実施例の給湯システム2では、当月の光熱費が、標準光熱費に所定係数(例えば0.95)を乗算した値以下である場合に、光熱費の節約が十分に行われている旨のアドバイス文124を表示する。
【0092】
以上のように、本実施例の給湯システム2は、水を貯えるタンク10と、自然環境から吸熱して水を加熱するヒートポンプ50と、タンク10とヒートポンプ50の間で水を循環させる循環ポンプ22(循環手段に相当する)と、燃料ガスの燃焼によって水を加熱する燃焼装置60と、コントローラ100と、コントローラ100と通信可能なユーザ端末110を備えている。コントローラ100は、循環ポンプ22によってタンク10とヒートポンプ50の間で水を循環させながら、ヒートポンプ50によって水を加熱する沸上運転を実行可能である。コントローラ100は、給湯システム2の過去の給湯の履歴に基いて、沸上運転のスケジュールを設定するように構成されている。
図8のNo.4、No.5、No.6、No.7、
図9のNo.11に示すように、ユーザ端末110は、給湯システム2の過去の給湯の履歴のばらつきが大きい場合に、ユーザにアドバイスを提示するように構成されている。
【0093】
本実施例の給湯システム2において、コントローラ100は、給湯システム2の過去の給湯開始時刻の履歴に基いて、
図2に示す第1のヒートポンプ作動時刻S0(沸上運転のスケジュールに相当する)を設定するように構成されている。
図8のNo.4、No.5に示すように、ユーザ端末110は、給湯システム2の過去の給湯開始時刻の履歴のばらつきが大きい場合に、ユーザにアドバイスを提示するように構成されている。
【0094】
本実施例の給湯システム2において、コントローラ100は、給湯システム2の過去の湯はり開始時刻の履歴に基いて、
図2に示す第2のヒートポンプ作動時刻B0(沸上運転のスケジュールに相当する)を設定するように構成されている。
図9のNo.11に示すように、ユーザ端末110は、給湯システム2の過去の湯はり開始時刻の履歴のばらつきが大きい場合に、ユーザにアドバイスを提示するように構成されている。
【0095】
本実施例の給湯システム2において、コントローラ100は、給湯システム2の過去の給湯終了時刻の履歴に基いて、
図2に示すヒートポンプ停止時刻G0(沸上運転のスケジュールに相当する)を設定するように構成されている。
図8のNo.4、No.6に示すように、ユーザ端末110は、給湯システム2の過去の給湯終了時刻の履歴のばらつきが大きい場合に、ユーザにアドバイスを提示するように構成されている。
【0096】
本実施例の給湯システム2において、コントローラ100は、第1給湯量Q1に基いて、
図2に示す第1の所定時間αを特定するように構成されている。これによって、沸上運転のスケジュールを設定し、沸上運転の沸上量を設定するように構成されている。すなわち、コントローラ100は、給湯システム2の過去の給湯使用量の履歴に基いて、沸上運転の沸上量を設定するように構成されている。沸上運転の沸上量は、沸上運転においてヒートポンプ50によってタンク10内の水を加熱してタンク10に貯えた温水の量に相当する。第1給湯量Q1が多いほど第1の所定時間αが長くなり、第1のヒートポンプ作動時刻S0が早くなるので、沸上運転の沸上量が多くなる。逆に、第1給湯量Q1が少ないほど沸上運転の沸上量が少なくなる。また、
図8のNo.7に示すように、ユーザ端末110は、給湯システム2の過去の給湯使用量の履歴のばらつきが大きい場合に、ユーザにアドバイスを提示するように構成されている。
【0097】
図8のNo.4−No.10、
図9のNo.11−No.14に示すように、本実施例の給湯システム2において、ユーザ端末110は、給湯システム2の過去の給湯の履歴に基いて算出される光熱費が所定値を超える場合に、ユーザにアドバイスを提示するように構成されている。
【0098】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0099】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。