(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった方向あるいは位置が示されている場合、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。
【0010】
実施の形態1.
***光源ユニット100の構成の概要の説明***
図1は、本実施の形態に係る光源ユニット100の模式図である。
図2は、
図1のA−A断面図の模式図である。
図1及び
図2を用いて、本実施の形態に係る光源ユニット100の構成の概要について説明する。
光源ユニットは、透光カバー110と、一対の口金120と、光源取付体130と、光源モジュール140とを備える。
光源ユニット100は、光源モジュール140を点灯させる点灯回路150が内蔵されている構成である。
図1では点灯回路150については省略している。点灯回路150の配置位置については後述する。点灯回路150は、点灯装置あるいは電源部ともいう。
なお、光源ユニット100は、直管形LEDランプとも称される。
【0011】
<透光カバー110>
透光カバー110は、長手方向に延びた円筒形の外殻である。長手方向は円筒の軸方向ともいう。透光カバー110は、透光性及び光拡散性を有する。透光カバー110は、内部に光源モジュール140を収納する。透光カバー110は、具体的には、ポリカーボネート(PC)、アクリルなどの樹脂材料であり、透光性及び光拡散性を有する樹脂材料であれば、その他の樹脂材料を用いてもよい。透光カバー110は、上述したように拡散材が入っている白色系のもの、あるいは透明のものでもよい。また、透光カバー110は、ガラス製でもよい。
なお、透光カバー110の横断面の形は、筒形であれば円筒形以外でもよく、横断面が楕円形の筒形、四角形の筒形、多角形の筒形などであってもよい。
【0012】
<口金120>
一対の口金120は、透光カバー110の両端に取り付けられる。各口金120は、一対のピン121を備えている。ピン121は、口金筐体124に予め設けられた固定孔(図示は省略)に圧入して固定されてもよいし、口金筐体124がピン121をインサート成形することによって、ピン121が口金筐体124に固定されてもよい。
図1の口金120は、G13タイプの口金を例示したものである。なお、ピン121の本数あるいは形は、
図1に限らず他の本数でも他の形であってもよい。
なお、一対の口金120について、一方の口金を第1口金120aとし、他方の口金を第2口金120bとして説明する場合がある。
後述する点灯回路150は、口金120のピン121から電力の供給を受ける。
【0013】
透光カバー110と口金120とは、接着剤などにより接着されている。あるいは、口金120は、後述する光源取付体130の端部に口金留め用のねじによりねじ止めされていてもよい。
【0014】
<光源モジュール140>
光源モジュール140は、基板141と、基板141に長手方向に並んで配置された発光素子142とを備える。
基板141は、具体的には、放熱性を高めるため、アルミニウム板、銅板、合金板等の金属板、あるいはセラミック基板、メタルコア基板、メタルコアセラミック基板等を使用するのが好ましい。なお、発光素子142の温度が規定値以下であれば、ガラスエポキシ基板(FR4(Flame Retardant Type4)あるいはCEM1〜3(Composite epoxy material−1〜3))や紙フェノール基板を使用してもよい。また、基板141の基板厚は発光素子142と電源部である点灯回路150との電気絶縁を確保できる厚みで形成される。メタルコア基板の場合は、レジスト厚を増やすことで絶縁を確保することができる。
【0015】
発光素子142としては、LEDが用いられ、例えば、440〜480nm程度の青色光を発するLEDチップ上に青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配してパッケージ化した擬似白色LEDを用いることができる。なお、チップオンボード(COB)等、LEDチップを直接基板52に実装したものを用いてもよい。また、発光素子142は、LEDの他に、有機EL(エレクトロルミネッセンス)あるいはレーザダイオード(LD)などが用いられてもよい。
【0016】
基板141は、長手方向に長く伸びた長方形である。なお、基板141は、長形であれば長方形でなくてもよく、楕円形、多角形などでもよい。また、基板141は、必ずしも長形でなくてもよく、長形でない正方形、多角形、円形、楕円形等であっても本実施の形態を適用することができる。
【0017】
基板141は透光カバー110の長さ方向に両端まで、すなわち両口金120まで延在する長尺の平面板である。基板141には、発光素子142に電力を供給する回路がプリントあるいは配線されている。基板141の上面に複数の発光素子142が等間隔に配置されており、複数の発光素子142の電極は電力を供給する回路と物理的にかつ電気的に接合されることによって光源回路が形成される。
後述する光源取付体130の面状の基板取付部131には、基板141の下面が熱伝導性の高い接着剤もしくは両面テープで接着されている。
【0018】
基板141は、基材にシリコーン系の樹脂材料を使用したシリコーン系高反射レジスト層によって表面が覆われている。シリコーン系高反射レジスト層は、基板141の電力を供給する回路に層状に重なって発光素子142の発光方向に露出する。シリコーン系高反射レジスト層は、発光素子142が接合される部分を除く基板141の実装面の全体に敷設される。
【0019】
<光源取付体130>
光源取付体130は、光源モジュール140を取り付けるとともに、発光素子142から発せられる熱を放熱するヒートシンクの役割も有する。光源取付体130は、例えば、アルミニウムなどの金属で形成されている。
なお、光源取付体130は、光源モジュール140を取り付けることができる構成であればヒートシンクの役割は有していなくてもよい。
【0020】
図2の光源取付体130は、A−A断面がD字形をしており、内部が中空である。光源取付体130は、透光カバー110の長手方向に、両端、すなわち両口金まで延在する長尺のアルミニウム製ヒートシンクである。中空部分は長手方向に貫通している。光源取付体130は、透光カバー110の内面1101に沿った円孤形の放熱部132と、基板を取り付ける直線部分を形成する基板取付部131とを有している。光源取付体130の放熱部132の下部と透光カバー110とは接着剤により接着されていてもよい。このとき、接着剤は接着性シリコーンを用いる。
【0021】
なお、
図2では長尺のヒートシンクを兼ねる光源取付体130について説明したが、上述したように光源モジュール140を取り付けることができれば、
図2の構成に限られない。放熱部132は、連続した円弧形でなくてもよく、一部が欠けていてもよい。また、放熱部132が無くてもよい。また、基板取付部131は、基板141を取り付けることができれば、板状でなくても構わない。また、基板取付部131は、基板141の長手方向の両側部を収納することにより、光源モジュール140が取り付けられる一対の溝であってもよい。
【0022】
***本実施の形態に係る光源ユニット100の構成の説明***
図3は、本実施の形態に係る光源ユニット100における点灯回路150の配置を示す模式図である。
図4は、
図3のB−B断面の模式図である。
図3及び
図4を用いて、本実施の形態に係る光源ユニット100における点灯回路150の配置について説明する。
なお、
図3では、光源取付体130の記載を省略している。
【0023】
光源ユニット100は、透光性を有する筒形の透光カバー110と、透光カバー110の内部に収納される基板141とを備える。基板141は、発光素子142が実装されると共に、発光素子142が実装される領域以外の空き領域1413に、発光素子142を点灯させる点灯回路150が実装される。
【0024】
基板141は、発光素子142が実装される発光面1411と、発光面1411の裏面1412とを有する。点灯回路150は、発光面1411の空き領域1413あるいは裏面1412の空き領域1413に実装される。
図3では、点灯回路150は、裏面1412の空き領域1413に実装されている。あるいは、点灯回路150は、発光面1411の空き領域1413に実装されていてもよい。
【0025】
シリコーン系の樹脂材料を使用したシリコーン系高反射レジスト層は、従来のソルダーレジストの機能(基板141の表面を保護する機能)を兼ね備える。シリコーン系高反射レジスト層は、反射率の向上のため、白色が好適である。シリコーン系高反射レジスト層は、湿式のレジストでも乾式のレジストでもよく、湿式のレジストの場合、熱硬化(低精度)により乾燥させたものでも紫外線硬化(高精度)により乾燥させたものでもよい。
【0026】
シリコーン系の樹脂材料は、反射率が90%以上である。70μmの層厚寸法での理論値は98%である。50μmの層厚寸法での測定値は92〜96%である。よって、シリコーン系の樹脂材料を使用したレジストでは、高輝度(高出力)化への要求を満たすことが可能となる。また、シリコーン系の樹脂材料は、120℃程度の高熱又は強い光に長時間さらされても変色しないという優位な特性を有する。例えば、基板141に発光素子142をはんだ付けする工程では、基板141(に敷設されたレジスト)は250℃を超える環境にさらされる。レジストの基材にシリコーン系の樹脂材料を採用した場合には、変色による光学特性の変化(反射率の低下、及び、反射光の色相変化)が発生しない。さらに、シリコーン系の樹脂材料は、屋外建造物の塗料に用いられるほどの優れた耐候性を有している。
【0027】
点灯回路150は、透光カバー110ピン121の内部に配置されている。
また、点灯回路150は、発光素子142を実装した基板141の空き領域1413に、点灯回路150を構成する部品151が直接実装されている。すなわち、光源ユニット100において、基板141は1つである。
空き領域1413とは、発光素子142を実装した基板141の空いたスペースであり、具体的には、発光素子142が実装されていない側である裏面1412、あるいは、実装されている側である発光面1411の長手方向端部の空きスペースなどである。
【0028】
また、点灯回路150が発光面1411に実装される場合は、点灯回路150は、発光素子142が発する光の配光を妨げないように、発光面1411に配置される。すなわち、点灯回路150は、発光素子142が放つ光の配光の特性に応じて、部品151の配置方法が決定される。
【0029】
図3に示す基板141では、図示はないが、スルーホールが設けられており、発光素子142と電源部である点灯回路150とはスルーホールを介して導通する。よって、
図3に示す基板141では、線材などを使用しなくても発光素子142と点灯回路150との導通が可能になる。
【0030】
図3に示すように、全ての部品151を裏面1412に配置してもよい。
また、基板141の両面に部品151を配置する場合には、高背部品を裏面1412に配置し、低背部品を発光面1411に配置し、配光を妨げないようにすることが好ましい。
また、高背部品を発光面1411に配置し、低背部品を裏面1412に配置する場合には、高背部品は発光面1411の長手方向における端部に配置することが好ましい。長手方向における端部以外の発光面1411に部品151を配置する場合には、配光を妨げないように、極力高背部品は配置しない方がよい。
【0031】
電源部である点灯回路150の回路構成としては、絶縁型、非絶縁型、シリーズ方式、スイッチング方式(シングルフォワード方式、フライバック方式、プシュプル方式、ハーフブリッジ方式、フルブリッジ方式、降圧チョッパー方式、昇圧チョッパー方式)などがある。
【0032】
発光素子142と点灯回路150とが実装された光源モジュール140の製造工程では、発光面1411と裏面1412との両面ともリフロー工程にて実装する、あるいは、片面だけフロー方式で実装することができる。温度の影響を受けやすい発光素子142を最後にリフローし、耐熱性のある点灯回路150を先にリフローすることもできる。
【0033】
図4は、
図3のB−B断面図の模式図であり、光源取付体130aを図示している。
図4に示す光源取付体130aにおいて、
図2で説明した光源取付体130と異なる点は、基板取付部131に点灯回路150を挿入させる開口部1313が形成されている点である。
【0034】
基板取付部131は、基板141の裏面1412と接した状態で基板141を取り付ける板状であり、透光カバー110に挿入される。
基板取付部131は、基板141を取り付ける場合に基板141の裏面1412に実装された点灯回路150を挿入させる開口部1313が形成される。
【0035】
図4に示す光源取付体130aは板状の基板取付部131において点灯回路150に対応する部分に開口部1313が形成される。
裏面1412に点灯回路150が実装された基板141を基板取付部131に取り付ける際、点灯回路150は開口部1313に挿入される。
基板141は、裏面1412が基板取付部131の開口部1313以外の部分と接着されることにより、光源取付体130aに取り付けられる。
【0036】
***本実施の形態に係る効果の説明***
本実施の形態に係る光源ユニットによれば、LED実装基板の裏面あるいは表面の端部などの空いたスペースに点灯回路を有効的に実装することで、小型化することができると共に、コストダウン及び電源部機能の充実化を図ることができる。
【0037】
具体的には、本実施の形態に係る光源ユニットによれば、実装基板を1つに集約することができ、省スペースになる。さらに、電源部の実装スペースが増えるので、付加機能を与える回路を配置するなど回路構成を増やすことができ、機能を充実化することができる。また、組立時の時間削減にもなる。さらに電源部と発光素子実装部とを繋ぐコネクタや電源部の筐体の部品を削減でき、コストダウンになる。
【0038】
本実施の形態では、基板141の実装面の全体に敷設されるシリコーン系高反射レジスト層が基板141の実装面を保護するだけでなく、発光素子142から直接又は間接的に照射される光を90%以上という高い比率で反射して照明に利用することができる。よって、高輝度(高出力)化を実現することが可能となる。しかも、高輝度(高出力)化に伴って発生する高温の熱及び強い光の影響によりシリコーン系高反射レジスト層が劣化することがないため、高輝度(高出力)化を安定して維持することが可能となる。
【0039】
***他の構成***
本実施の形態に係る光源ユニットは、直管LEDランプの他に、電球形LEDランプ、あるいは器具一体型LED照明などに適用することができる。
【0040】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。
本実施の形態に係る光源ユニット100aは、点灯回路150が第1口金120aの内部に収納される構造である。また、光源ユニット100aは、両側給電方式であり、光源ユニット100aの両側の口金120a,120bに商用電源が印加される。
【0041】
***構成の説明***
図5は、本実施の形態に係る光源ユニット100aを光源取付体130bの放熱部132の側から見た模式図である。
図6は、
図5のC−C断面の模式図、及び溝部134部分の拡大模式図である。
本実施の形態に係る光源ユニット100aにおいて実施の形態1の光源ユニット100と異なる点は、主に、点灯回路150の配置位置、両側給電方式である点、および光源取付体130bの形である。
本実施の形態において、実施の形態1で説明した機能と同様の機能を有する構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0042】
図5に示すように、点灯回路150は第1口金120aの内部に収納される。
なお、本実施の形態では、点灯回路150は第1口金120aの一方のみに収納されるが、点灯回路150として分離型点灯回路を用いて、第1口金120aと第2口金120bとの両側に点灯回路150が収納されていてもよい。
【0043】
第1口金120aは、透光カバー110の一端部に取り付けられる。
第1口金120aは、発光素子142を点灯する点灯回路150を内部に収納すると共に、点灯回路150と電線160aで接続される。
第2口金120bは、透光カバー110の他端部に取り付けられる。
第2口金120bは、電線160bを介して点灯回路150と接続される。
すなわち、点灯回路150は、第1口金120aのピン121aと電線160aを介して接続されると共に、第2口金120bのピン121bと電線160bを介して接続される。点灯回路150には、ピン121aとピン121bとの両方から電力が供給される。
【0044】
図5に示すように、電線160bは、第2口金120bから第1口金120aに向かう接続方向、すなわち長手方向に渡って配線される。
【0045】
光源取付体130bにおいて、実施の形態1の
図2で説明した光源取付体130と異なる点は、平面状の基板取付部131の短手方向の両端部に発光方向側に突き出した一対の壁部133を備える点と、放熱部132に溝部134を備える点である。
一対の壁部133は、基板取付部131に基板141を取り付ける際のガイドの役割を有する。
【0046】
光源取付体130bは、発光素子142が実装される基板141を取り付け、透光カバー110の内部に収納される。また、光源取付体130bは、透光カバー110の内面1101と対向する放熱部132を有する。放熱部132の放熱部表面1321が透光カバー110の内面1101と対向する。
光源取付体130bは、ヒートシンクともいう。
【0047】
光源取付体130bの材質は、アルミニウム、銅、セラミック、マグネシウムなどの金属材料、又は、これらの金属材料の少なくとも1つを含む複合材料、あるいは樹脂材料などである。
光源取付体130bは、横断面がお椀形、三角形、あるいは多角形であってもよい。また、光源取付体130bは、H鋼形、平板形などであってもよい。
【0048】
光源取付体130bは、透光カバー110の内面1101と対向する放熱部表面1321に、第2口金120bから第1口金120aに向かう接続方向に延びた溝部134が形成される。
【0049】
溝部134は、電線160bを収納する。
溝部134は、接続方向を切る断面が、円周の一部を溝開口部1341とする円形である。
溝開口部1341の幅L2は、円形の直径L1よりも小さい。すなわち、溝部134は、溝内部の径よりも溝開口部1341の径の方が小さくなるように形成されているので、内部に収納した電線160bが外れ難い構造となっている。
溝部134の断面は、円形の他に、四角形、三角形、台形、ひょうたん形などであってもよい。
【0050】
図6に示すように、溝部134は、放熱部132における底部1322と側部1323との中央部近傍に形成されている。なお、溝部134は、底部1322の近傍、あるいは側部1323の近傍などに形成されていてもよい。
【0051】
また、光源取付体130bは、溝部134の内壁から突き出した突起部1342を備えている。突起部1342は、溝部134に収納された電線160bを押さえる。ただし、突起部1342は無くても構わない。
突起部1342が電線160bを押さえることにより、溝部134に収納された電線160bをより外れ難くすることができる。
【0052】
***本実施の形態に係る効果の説明***
本実施の形態に係る光源ユニットによれば、放熱部に溝部を形成し、その溝部に電線を収納するので、乱雑に配線されることを防ぎ、外観上において配線がきれいに見えると共に、電線を保護することができる。
また、本実施の形態に係る光源ユニットによれば、配線が組立作業において妨げになることを防ぎ、製造工程が簡単になる。
【0053】
実施の形態3.
本実施の形態では、主に、実施の形態1,2と異なる点について説明する。
また、本実施の形態において、実施の形態1,2で説明した構成と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
***構成の説明***
図7は、本実施の形態に係る光源ユニット100bを発光方向の側から見た模式図、及び第1口金120aの拡大模式図である。
本実施の形態に係る光源ユニット100bは、点灯回路150が第2口金120bの内部に収納される構造である。
また、光源ユニット100bは、片側給電方式であり、点灯回路150が収納された第2口金120bのピン121bのみに給電される。第2口金120bは給電口金とも称され、ピン121bは給電ピンとも称される。
【0055】
なお、本実施の形態では、第1口金120a及び第2口金120bとしてG13タイプの口金を例示して説明しているが、他の口金でも本実施の形態を適用することができる。
【0056】
第1口金120aのピン121aには給電されず、第1口金120aは照明器具のソケットに光源ユニット100bを装着する際の機械構造の役割を有する。よって、第1口金120aは非給電口金とも称され、ピン121aは非給電ピンとも称される。第1口金120aは口金の例であり、一対のピン121aは一対のピンの例である。
一対のピン121aは、導電体122aにより電気的に接続されている。
【0057】
第1口金120aは、保護素子200を介して電気的に接続された一対のピン121aを有する。保護素子200は、少なくとも点灯回路150または発光素子142を含む光源回路のいずれかを保護するための回路保護用の素子である。
一対のピン121aの一方のピン121a1は、保護素子200が内部に配置されている。すなわち、一方のピン121a1は保護素子200を内蔵する。
一対のピン121aの一方のピン121a1は、内部に素子収容部1211が形成される。保護素子200は、この素子収容部1211に配置される。
【0058】
光源ユニット100bは、第1口金120aと、第1口金120aを一端部に取り付ける透光カバー110と、基板141を取り付け、透光カバー110の内部に収納される光源取付体130と、透光カバー110の他端部に取り付けられた第2口金120bとを備える。第2口金120bは、発光素子142を点灯させる点灯回路150を内部に収納し、点灯回路150に電力を供給する。
【0059】
保護素子200は、具体的には、ヒューズ、バリスタ、PTCサーミスタ、NTCサーミスタ、あるいはツェナーダイオードなどである。
また、保護素子200をピン121a1の内部に収め、固定する方法として、かしめにより固定する方法、流動性を有する樹脂材料あるいは接着剤などを素子収容部1211に充填して乾燥固化させる方法などがある。
【0060】
なお、本実施の形態では、第1口金120aのピン121aに保護素子200が内蔵されている場合について説明したが、第2口金120bのピン121bに保護素子200が内蔵されていてもよい。この場合、点灯回路150が第2口金120bあるいは透光カバー内に収納され、第2口金120bから点灯回路に給電される際、ピン121bに内蔵されている保護素子200を介して点灯回路150に給電される。よって、点灯回路150を外来ノイズなどに起因する高電圧、大電流などから保護することができる。
【0061】
***本実施の形態に係る効果の説明***
本実施の形態に係る口金によれば、保護素子が既にピンに収められているので、ランプ組立作業が簡単になり、作業効率が向上する。また、保護素子がピンに内蔵されて固定されているので、外部から保護素子に加わる衝撃、振動が緩和され、保護素子を守ることができる。さらに、素子収容部の内部で保護素子が動作(例えば溶断)する場合に発生する熱はピンを介して外部に放散されるため、樹脂材料を用いて形成された第1口金の口金筐体を変形させるおそれが少ない。
【0062】
実施の形態4.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から3と異なる点について説明する。
また、本実施の形態において、実施の形態1から3で説明した構成と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
***構成の説明***
図8は、本実施の形態に係る光源ユニット100cの部分斜視図の模式図である。
図9は、本実施の形態に係る光源ユニット100cをP1方向から見た端面の模式図である。
図8及び
図9を用いて、本実施の形態に係る光源ユニット100cの構成について説明する。
【0064】
本実施の形態に係る光源ユニット100cにおいて、実施の形態1から3と異なる点は、光源取付体130が基板取付部131aのみから構成されている点と、基板141を基板取付部131aに取り付ける取付方法と、点灯回路150を収納する金属筐体152を備える点とである。
【0065】
まず、基板取付部131aの構成について説明する。
光源ユニット100cは、樹脂材料により形成された透光性を有する筒形の透光カバー110であって、発光素子142が実装される基板141を内部に収納する透光カバー110を有する。
基板取付部131aは、樹脂製であり、透光カバー110の内部に透光カバー110の軸方向に渡って設けられ、透光カバー110の内部空間を仕切る隔壁である。
【0066】
基板取付部131aは、一方の面1314に基板141が取り付けられ、他方の面1315に発光素子142を点灯させる点灯回路150が取り付けられる。基板取付部131aの両側の側部1316は透光カバー110の内面1101に固定される。すなわち、基板取付部131aは、透光カバー110の内部空間を、基板141の側と、点灯回路150の側とに分離する。基板取付部131aは、基板141と点灯回路150とを分離する隔壁となる。
なお、
図8及び
図9では、点灯回路150は金属筐体152に収納されているが、金属筐体152は無くても構わない。すなわち、点灯回路150が基板取付部131aの他方の面1315に直接取り付けられていてもよい。
【0067】
透光カバー110がポリカーボネートなどの樹脂材料を用いて形成される場合、透光カバー110と基板取付部131aとは、押出成形法などの方法によって一体形成されていてもよい。
また、基板取付部131aは、透光カバー110が形成される樹脂材料とは異なる種類の樹脂材料により形成されていてもよい。すなわち、隔壁である基板取付部131aは、難燃性、電気絶縁性、熱収縮性、放熱性などの性能を有している別の素材にしてもよい。具体的には、透光カバー110はポリカーボネートで形成し、基板取付部131aは米国Undewriters Laboratories社(UL)が定めるUL94規格における94−V0以上の難燃性を有するポリエチレン、ガラス、繊維強化樹脂(Fiber Reinforced Plastics:FRP)、ガラス繊維強化樹脂(Glass−fiber reinforced plastics:GRP)などを用いて形成されてもよい。
基板取付部131は熱伝導性フィラーを含む樹脂材料で形成されてもよく、このような構成とすることで、発光素子142が発する動作熱を透光カバー110の外部に効率よく伝達させることができる。
【0068】
次に、基板141を基板取付部131aに取り付ける取付方法について説明する。
光源ユニット100cでは、透光カバー110の内面1101から突出した突出部1102であって一方の面1314に取り付けられた基板141を一方の面1314に押し付ける突出部1102を有する。
図9に示すように、基板取付部131aの一方の面1314と突出部1102とにより、基板141の両側の基板側部1414を収納するスリット状の収納溝135が形成される。基板141をスライドさせて、基板141の両側の基板側部1414をスリット状の収納溝135に収納することにより、基板141を基板取付部131aに取り付けることができる。この収納溝135により、接着剤などを使用せず、基板141を基板取付部131aに取り付けることができる。
【0069】
透光カバー110がポリカーボネートなどの樹脂材料を用いて形成される場合、透光カバー110と突出部1102とは、押出成形法などの方法によって一体形成されていてもよい。
【0070】
また、突出部1102は、透光カバー110が形成される樹脂材料とは異なる種類の樹脂材料により形成されていてもよい。突出部1102は、高反射樹脂材料(遮光性材料)を用いて形成されてもよく、このような構成とすることで、発光素子142が発する光を透光カバー110の外部に効率よく取り出すことができる。
【0071】
さらに、突出部1102は、透光カバー110や基板取付部131aとは別素材で形成されていてもよく、この場合、透光カバー110と基板取付部131aと突出部1102とは、多色押出成形法などの方法によって一体形成されていてもよい。
【0072】
図9に示すように、収納溝135は、基板取付部131aと突出部1102とが平行になっておらず、突出部1102は基板取付部131aに向かうように内側に斜めに形成されている。このように突出部1102が形成されていることにより、基板141を収納溝135に収納した際に、基板141が基板取付部131aに押し付けられ、基板141と基板取付部131aとを隙間なく密着させることができる。
【0073】
次に、金属筐体152について説明する。
光源ユニット100cは、点灯回路150を収納する金属筐体152であって、基板取付部131aの他方の面1315に取り付けられることにより点灯回路150を他方の面1315に取り付ける金属筐体152を備える。
金属筐体152は、横断面がかまぼこ形を成し、底面部1521が基板取付部131aの他方の面1315に固定される。金属筐体152は、具体的には、接着剤などにより基板取付部131aの他方の面1315に固定される。
なお、金属筐体152の横断面の形は、点灯回路150を金属で覆うことができればよく、かまぼこ形の他に、三角形、四角形、多角形などであってもよい。
【0074】
***本実施の形態に係る効果の説明***
本実施の形態に係る光源ユニットによれば、透光カバーが全周ポリカーボネートなどの樹脂構造のためコストダウンできる。また、点灯回路が金属クローズできるため発煙発火などの危険性がない。
【0075】
また、本実施の形態に係る光源ユニットによれば、透光カバーの内部にスリット構造である収納溝を設け、発光素子を実装した基板を接着剤などを使用せずに簡単に装着することができ、製造工程の短縮、コストダウンになる。
収納溝のスリット構造が斜めになっていることにより、基板が基板取付部に密着させることができ放熱性が向上する。
【0076】
また、本実施の形態に係る光源ユニットによれば、点灯回路部と発光素子部とを隔てる隔壁部に熱収縮性が優れた樹脂材料を採用することにより、点灯時に熱膨張を抑えることができ、全長寸法を規格内におさめることができる。また隔壁部の樹脂材料は電気絶縁性や放熱性に優れるものを採用することにより、点灯回路との絶縁性の向上を図ると共に、発光素子から発生する熱を効率よく放散することができる。
【0077】
以上、本発明の実施の形態1から4について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。その他、これらの2つの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
なお、上記の実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物及び用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。