(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594097
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】物品保持容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/07 20060101AFI20191010BHJP
B65D 81/107 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
B65D81/07 100
B65D81/107 A
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-160421(P2015-160421)
(22)【出願日】2015年8月17日
(65)【公開番号】特開2017-39497(P2017-39497A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2018年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】石田 勝
(72)【発明者】
【氏名】和部 宏
【審査官】
矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−126124(JP,A)
【文献】
実開昭59−193190(JP,U)
【文献】
特開平08−164976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 57/00−59/08
B65D 81/00−81/17
B65D 5/00− 5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が収容される容器と、
前記容器の底面から所定の高さに窓孔を支持する枠部材と、
前記窓孔を覆って前記枠部材に展張保持され、前記容器に収容される物品が載置される延伸フィルムと、
前記延伸フィルムと前記底面との間にて少なくとも前記枠部材の角部に対向する領域に配設された緩衝部材とを有し、
前記緩衝部材は、前記窓孔の高さと同等の高さを具備し、その両端部が前記容器の内側面に当接した複数の棒状部材が交差した形状である物品保持容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収容保持する物品保持容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大きな振動や衝撃が加わることが好ましくない物品を搬送する場合、段ボール箱等の容器に物品を収容するとともに物品と容器の内壁との間に緩衝材を詰め込み、それにより、外部から衝撃が加わった場合でも物品には大きな衝撃が加わることを回避することが行われている。また、近年では、容器に収容された物品を2枚の延伸フィルムで挟み込み、延伸フィルムの伸縮性を利用して、物品に大きな衝撃が加わることを回避することも行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は、2枚の延伸フィルムで物品を挟み込んで収容保持する従来の物品保持容器の一例を示す図であり、(a)は蓋部が開いた状態の外観斜視図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0004】
図7に示すように、本例における物品保持容器201は、蓋部211と容器本体部212とからなる容器210内に、枠部材220に延伸フィルム230が貼り付けられてなる保持部材202が収容されて構成されている。
【0005】
枠部材220は、脚部222を有しており、脚部222が容器本体部212の底面214上に起立するように配設されることで、窓孔221が底面214から脚部222の長さ分の高さに支持されている。延伸フィルム230は伸縮性を有するものであって、窓孔221を覆って枠部材220に展張保持されている。
【0006】
蓋部211と容器本体部212とは、1つの辺にて連接しており、この辺を中心として蓋部211が開閉自在となっている。蓋部211の容器本体部212との連接辺とは反対側の辺にはフラップ部213が連接している。
【0007】
図8は、
図7に示した物品保持容器201を用いた物品の収容保持方法を説明するための図であり、
図7(b)に示したものと同じ部分の断面を示す。
【0008】
図7に示した物品保持容器201に物品を収容保持する場合は、
図8に示すように、保持部材202の延伸フィルム230上に、収容保持する物品204を載置し、さらに、保持部材202と同様に枠部材250に延伸フィルム260が貼り付けられてなる保持部材205を、保持部材202とは上下反対の向きで物品204上に載置する。それにより、物品204が2枚の延伸フィルム230,260によって挟み込まれた状態となり、この状態で上部から所定の圧力を加えることで、物品204を挟み込んだ2枚の延伸フィルム230,260が物品204の形状に沿って伸びて変形し、その復元力によって物品204が保持されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】登録実用新案公報第3063383号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図7に示した物品保持容器201に物品を収容保持する場合は、
図8に示したように、物品204が2枚の延伸フィルム230,260によって挟み込まれた状態で上部から所定の圧力を加えることにより、物品204を挟み込んだ2枚の延伸フィルム230,260が物品204の形状に沿って伸びて変形することとなる。そのため、物品204の形状や、物品204を保持する際に加える圧力によっては、延伸フィルムに大きな負荷がかかり、延伸フィルムが破断してしまう虞れがある。
【0011】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、展張された延伸フィルムを伸張させて変形させることで物品を収容保持する構成において、延伸フィルムにかかる負担を低減することができる物品保持容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、
物品が収容される容器と、
前記容器の底面から所定の高さに窓孔を支持する枠部材と、
前記窓孔を覆って前記枠部材に展張保持され、前記容器に収容される物品が載置される延伸フィルムと、
前記延伸フィルムと前記底面との間に
て少なくとも前記枠部材の角部に対向する領域に配設された緩衝部材とを有
し、
前記緩衝部材は、前記窓孔の高さと同等の高さを具備し、その両端部が前記容器の内側面に当接した複数の棒状部材が交差した形状である。
【0013】
上記のように構成された本発明においては、枠部材の窓孔を覆って枠部材に展張保持された延伸フィルム上に、容器内に収容される物品が載置された状態で上方から物品に圧力が加えられる。枠部材は、窓孔を容器の底面から所定の高さに支持しているため、上方から物品に加えられた圧力によって、延伸フィルムが窓孔に対向する領域にて伸びて変形し、延伸フィルムの復元力によって物品が保持されることになる。容器内に収容された物品が上記のように保持されることで、容器に振動や衝撃が加わった場合においても、物品に大きな衝撃が加わることが回避される。この際、物品の形状や、上方から加えられる圧力の大きさによっては、延伸フィルムが大きく変形し、延伸フィルムが破断してしまう虞れが生じるが、延伸フィルムと容器の底面との間には緩衝部材が配設されているので、延伸フィルムが緩衝部材に当接することで延伸フィルムが、枠部材のみならず緩衝部材によっても支えられることとなり、延伸フィルムが大きく変形することが抑制され、延伸フィルムにかかる負荷が小さくなり、延伸フィルムが破断しにくくなる。
【0014】
また、枠部材においては、延伸フィルムに上記のように負荷がかかった場合、延伸フィルムが容器の底面側に引っ張られることによって特にその角部に大きな力が加わり、それにより、枠部材の角部に亀裂が生じてしまう虞れがあるが、緩衝部材が少なくとも枠部材の角部に対向する領域に配設されてい
ることで、延伸フィルムに上記のように負荷がかかったとしても、枠部材の角部においては、その下方が緩衝部材によって支えられ、亀裂が生じにくくなる。
【0015】
また、緩衝部材を、その両端部が容器の内側面に当接した複数の棒状部材が交差した形状であ
ることで、緩衝部材が容器内にて固定されることとなり、緩衝部材が容器内で不用意に移動してしまうことがなくなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、枠部材の窓孔を覆って枠部材に展張保持された延伸フィルム上に、容器内に収容される物品が載置された状態で上方から物品に圧力が加えられることで、延伸フィルムが窓孔に対向する領域にて伸びて変形して物品が保持されることになる構成において、延伸フィルムと容器の底面との間に緩衝部材が配設されていることにより、物品の形状や上方から加えられる圧力の大きさによって延伸フィルムが大きく変形することが抑制され、延伸フィルムにかかる負担を低減することができる。
【0017】
また、緩衝部材が、少なくとも枠部材の角部に対向する領域に配設されている
ことにより、延伸フィルムに負荷がかかった場合に、その負荷によって枠部材の角部に亀裂を生じにくくすることができる。
【0018】
また、緩衝部材が、その両端部が容器の内側面に当接した複数の棒状部材が交差した形状である
ことにより、緩衝部材が容器内にて固定されることとなり、緩衝部材が容器内で不用意に移動してしまうことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の物品保持容器の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は蓋部が開いた状態の外観斜視図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【
図2】
図1に示した保持部材の詳細な構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【
図3】
図1に示した緩衝部材の容器への収容状態を示す図であり、(a)は緩衝部材と容器本体の底面との位置関係を示す図、(b)は容器内に枠部材を収容した状態における上面図である。
【
図4】
図1に示した物品保持容器を用いた物品の収容保持方法及びその作用を説明するための図である。
【
図5】本発明の物品保持容器の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は蓋部が開いた状態の外観斜視図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【
図6】
図5に示した緩衝部材の容器への収容状態を示す図であり、(a)は緩衝部材と容器本体の底面との位置関係を示す図、(b)は容器内に枠部材を収容した状態における上面図である。
【
図7】2枚の延伸フィルムで物品を挟み込んで収容保持する従来の物品保持容器の一例を示す図であり、(a)は蓋部が開いた状態の外観斜視図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【
図8】
図7に示した物品保持容器を用いた物品の収容保持方法を説明するための図であり、
図7(b)に示したものと同じ部分の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の物品保持容器の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は蓋部が開いた状態の外観斜視図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
図2は、
図1に示した保持部材2の詳細な構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
図3は、
図1に示した緩衝部材40の容器10への収容状態を示す図であり、(a)は緩衝部材40と容器本体12の底面14との位置関係を示す図、(b)は容器10内に枠部材20を収容した状態における上面図である。
【0022】
図1に示すように、本形態における物品保持容器1は、容器10と、容器10内に収容された保持部材2とから構成されている。
【0023】
容器10は、段ボール等の材料から構成され、蓋部11と、物品が収容保持される収容部3を有する容器本体部12とからなり、容器本体12の底面14が四角形の直方体となっている。蓋部11と容器本体部12とは、1つの辺にて連接しており、この辺を中心として蓋部11が開閉自在となっている。蓋部11の容器本体部12との連接辺とは反対側の辺にはフラップ部13が連接しており、フラップ部13には、容器本体12に対向する側の面に2つの面ファスナー16が取り付けられている。また、容器本体部12においても、その側面のうち、蓋部11が閉じられた場合に2つの面ファスナー16に対向する領域にそれぞれ面ファスナー15が取り付けられている。
【0024】
保持部材2は
図2に示すように、窓孔21を有する枠部材20の一方の面に接着剤等(不図示)によって延伸フィルム30が貼り付けられて構成されている。枠部材20は、その周縁部が折り曲げられることにより脚部22を有しており、
図1(b)に示すように、脚部22が容器本体部12の底面14上に起立するように配設されることで、窓孔21が底面14から脚部22の長さ分の所定の高さに支持されている。延伸フィルム30は、ウレタンフィルムからなる伸縮性を有するものであって、窓孔21を覆って枠部材20に展張保持されている。
【0025】
緩衝部材40は、例えば発泡ポリエチレンからなり、2つの棒状部材となる緩衝棒41,42が互いに交差した形状となっている。この2つの緩衝棒41,42は
図1(b)に示すように、その高さが保持部材2の脚部22の高さとほぼ同等となっており、
図3に示すように、両端部が容器本体部12の内側面の角部近傍に当接し、底面14の対角を結ぶように配置されている。このように構成された緩衝部材40は、容器本体部12の底面14上に配設されている。それにより、緩衝部材40は、延伸フィルム30と容器本体部12の底面14との間に配設されている。
【0026】
以下に、上記のように構成された物品保持容器1を用いた物品の収容保持方法及びその際の作用について説明する。
【0027】
図4は、
図1に示した物品保持容器1を用いた物品の収容保持方法及びその作用を説明するための図であり、
図1(b)に示したものと同じ部分の断面を示す。
【0028】
図1に示した物品保持容器1に物品を収容保持する場合は、
図4に示すように、保持部材2の延伸フィルム30上に、物品保持容器1に収容保持する物品4を載置し、さらに、保持部材2と同様に枠部材50に延伸フィルム60が貼り付けられてなる保持部材5を、保持部材2とは上下反対の向きで物品4上に載置する。それにより、物品4が2枚の延伸フィルム30,60によって挟み込まれた状態となる。
【0029】
この状態で上部から所定の圧力を加えると、物品4を挟み込んだ2枚の延伸フィルム30,60が物品4の形状に沿って伸びて変形し、その復元力によって物品4が保持されることになる。
【0030】
その際、物品4の形状や、上方から加えられる圧力の大きさによっては、延伸フィルム30,60が大きく変形することになるが、延伸フィルム30と容器本体部12の底面14との間に緩衝部材40が配設されているので、物品4の形状に沿って変形した延伸フィルム30が緩衝部材40に当接し、延伸フィルム30の緩衝部材40に当接した部分においては、それ以上変形することが規制されることになる。そして、延伸フィルム30が、枠部材20のみならず緩衝部材40によっても支えられることとなり、大きく変形することが抑制され、物品4の形状や上方から加えられる圧力の大きさがいかなる場合であっても、延伸フィルム30に大きな負荷がかかることがなくなり、延伸フィルム30を破断しにくくすることができる。
【0031】
また、枠部材20においては、延伸フィルム30に上記のように負荷がかかった場合、延伸フィルム30が容器10の底面14側に引っ張られることによって、特にその角部に大きな力が加わることになる。そして、その力が大きくなると、枠部材20の角部がその力に耐えきれなくなって亀裂が生じてしまう虞れがあり、その場合、枠部材20の角部においては、延伸フィルム30が容器10の底面14から所定の高さに展張保持された状態ではなくなり、延伸フィルム30の復元力による物品4の保持力が低減してしまうことになる。
【0032】
ところが、本形態においては、緩衝部材40を構成する2つの緩衝棒41,42が、底面14の対角を結ぶように配置されていることで枠部材20の角部に対向する領域に配設されていることから、枠部材20の角部においては、延伸フィルム30に上記のように負荷がかかることで容器10の底面14側に向かって大きな力が加わったとしても、その下方が緩衝棒41,42によって支えられており、亀裂を生じにくくすることができる。
【0033】
このようにして収容部3に収容された物品4が保持部材2,5によって保持された後、蓋部11を閉じて、容器本体部12に取り付けられた面ファスナー15と、フラップ部13に取り付けられた面ファスナー16とを嵌合させ、蓋部11が閉じられた状態が維持されることになる。そして、容器1内に収容された物品4が、上記のように延伸フィルム30,60の復元力によって保持されることで、容器1に振動や衝撃が加わった場合においても、物品4に大きな衝撃が加わることが回避されることになる。
【0034】
また、緩衝部材40を構成する2つの緩衝棒41,42が、その両端部が容器本体部12の内側面の角部近傍に当接し、底面14の対角を結ぶように配置されていることにより、緩衝部材40が容器1内の角部にて固定されることとなり、緩衝部材40が容器1内で不用意に移動してしまうことがなくなる。
【0035】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の物品保持容器の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は蓋部が開いた状態の外観斜視図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
図6は、
図5に示した緩衝部材140の容器110への収容状態を示す図であり、(a)は緩衝部材140と容器本体112の底面114との位置関係を示す図、(b)は容器110内に枠部材120を収容した状態における上面図である。
【0036】
図5及び
図6に示すように、本形態における物品保持容器101は、第1の実施の形態にて示したものに対して、緩衝部材140の形状のみが異なるものである。
【0037】
本形態における緩衝部材140は、3つの棒状部材となる緩衝棒141〜143が井桁状に組み合わされて構成されており、それぞれの両端部が、容器本体部112の内側面に当接している。
【0038】
本形態における物品保持容器101においても、第1の実施の形態に示したものと同様に、保持部材102の延伸フィルム130上に、物品保持容器101に収容保持する物品を載置し、さらに、保持部材102と同様に枠部材に延伸フィルムが貼り付けられてなる保持部材を、保持部材2とは上下反対の向きで物品上に載置することで、物品を2枚の延伸フィルムによって挟み込み、その状態で上部から所定の圧力を加えることにより、延伸フィルムが変形し、その復元力によって物品を保持することになる。
【0039】
その際、延伸フィルム130と容器本体部112の底面114との間に緩衝部材140が配設されているので、物品の形状に沿って変形した延伸フィルム130が緩衝部材140に当接し、延伸フィルム130の緩衝部材140に当接した部分においては、それ以上変形することが規制されることになる。そして、延伸フィルム130が、枠部材120のみならず緩衝部材140によっても支えられることとなり、大きく変形することが抑制され、物品の形状や上方から加えられる圧力の大きさがいかなる場合であっても、延伸フィルム130に大きな負荷がかかることがなくなり、延伸フィルム130を破断しにくくすることができる。
【0040】
また、緩衝部材140を構成する3つの緩衝棒141〜143が井桁状に組み合わされて構成されており、それぞれの両端部が、容器本体部112の内側面に当接していることにより、緩衝部材140が容器101内で不用意に移動してしまうことがなくなる。
【0041】
なお、上述した2つの実施の形態においては、緩衝部材40,140の高さが、保持部材2,102の脚部22,122の高さと同等のものとなっているが、その高さは脚部22,122の高さ以下であればよい。ただし、第1の実施の形態に示したもののように、枠部材20の角部に対向する領域に緩衝棒41,42が配設される構成においては、上述したように枠部材20に亀裂が生じにくくするためには、枠部材20と緩衝部材40との間に大きな隙間が生じることは好ましくなく、保持部材2の脚部22の高さと同等であることが好ましい。また、その他の領域においても、緩衝部材40,140の高さが脚部22,122の高さに対してあまりにも低い場合は、延伸フィルム30,130が大きく変形することを抑制できなくなるため、緩衝部材40,140と脚部22,122との高さの差は、一定以下とすることが好ましい。
【0042】
また、緩衝部材の形状においても、上述した2つの実施の形態に示したものに限らない。ただし、枠部材の角部に対向する領域においては、延伸フィルムが変形した場合に上述したように枠部材に亀裂が生じやすいため、少なくとも、枠部材の角部に対向する領域には緩衝部材を配設しておくことが好ましい。
【0043】
また、上述した2つの実施の形態においては、枠部材20,120が、その周縁部が折り曲げられることにより脚部22,122を有し、この脚部22,122が容器本体部12,112の底面14,114上に起立するように配設されることで、窓孔21,121が底面14,114から脚部22,122の長さ分の所定の高さに支持されているが、窓孔21,121を容器本体部12,112の底面14,114から所定の高さに支持する構成はこのようなものに限らない。
【0044】
また、容器10,110の形状についても、上述した2つの実施の形態にて示したもののような底面14,114が四角形の直方体に限らず、底面が多角形の多角柱の形状等であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1,101 物品保持容器
2,5,102 保持部材
3 収容部
4 物品
10,110 容器
11,111 蓋部
12,112 容器本体部
13,113 フラップ部
14,114 底面
15,16,115,116 面ファスナー
20,50,120 枠部材
21,121 窓孔
22,122 脚部
30,60,130 延伸フィルム
40,140 緩衝部材
41,42,141〜143 緩衝棒