(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】生産ラインにおける部品の補充管理システムの概略図である。
【
図2】作業工程側の端末での処理を説明する図である。
【
図3】ピッキング工程側の端末での処理を説明する図である。
【0009】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、車両用の自動変速機の生産ライン1における部品の補充管理システムSの概略図である。
【0010】
車両用の自動変速機の生産ライン1では、自動変速機の構成部品の組付け作業などを行う作業工程1〜4(組付工程)が、搬送コンベア2(搬送路)に沿って複数設けられており、自動変速機の構成部品(ワークW)などが載置されたワークベースWBが、各作業工程を順番に通過することで、自動変速機の組立てが行われるようになっている。
【0011】
例えば、構成部品の組付け作業を行う作業工程では、組付け時に使用するボルトやナットなどの部品が、部品箱8に載置された状態で予め用意されており、作業工程の作業者は、ワークベースWBが到着すると、部品箱8から取り出したボルトやナットを用いて、ワークベースWB上のワークW(例えば、変速機ケース)に対する組付け作業を行うようになっている。
【0012】
生産ライン1の上流側には、他の生産ラインから供給されたワークベースWBを、搬送コンベア2に受け渡す受渡コンベア3が設置されており、この受渡コンベア3には、ピッキング工程P1(搬入側ピッキング工程)が設けられている。
このピッキング工程P1は、搬送コンベア2に向けて搬送されている途中のワークベースWBに、補充用の部品(補充部品)が載置された部品箱8や、各作業工程で組付けられる自動変速機の構成部品を新たに載置するために設けられている。
【0013】
ここで、部品箱8に載置された補充部品は、搬送コンベア2上の各作業工程での組付け作業に使用する部品(ボルトやナットなど)であり、ピッキング工程P1では、補充部品の部品箱8(8a〜8d)が、各作業工程で用いられる部品毎に用意されている。
【0014】
これら部品箱8a〜8dは、部品供給シュート4に載置された状態で、ピッキング工程P1に供給されており、ピッキング工程P1の作業者が、1つの部品箱8を部品供給シュート4から取り出すと、次の部品箱8が、作業者側に順次押し出されるようになっている。
【0015】
ピッキング工程P1には、制御装置5に接続された端末Paが用意されており、この端末Paは、部品の補充要求があった作業工程と、補充要求のあった部品とを、作業者に報知するための表示装置6を有している。
【0016】
そのため、このピッキング工程P1では、作業工程側から部品の補充要求があると、作業者が、表示装置6を参照して、部品の補充要求があった作業工程と、補充要求のあった部品とを特定したのち、補充要求のあった部品の部品箱8を、搬送コンベア2で搬送されるワークベースWBに載置するようになっている。
これにより、補充要求のあった部品の部品箱8が、搬送コンベア2で搬送されるワークベースWBに載置された状態で、補充要求のあった作業工程まで搬送されることになる。
【0017】
各作業工程1〜4にも、制御装置5に接続された端末1〜4が用意されており、これら端末1〜4には、部品の補充要求を実施する際に操作される入出力装置7が設けられている。
入出力装置7では、当該入出力装置7が設けられた作業工程で用いられる部品毎に、専用のボタンが用意されていると共に、各ボタンには光源が組み込まれている。
そのため、ボタンの操作により部品の補充要求が出されると、操作されたボタンBの点灯態様が変化することで、作業者が、部品の補充要求の受付完了を確認できるようになっている。
さらに、補充要求を出した部品が到着すると、補充要求を出した部品のボタンBの点灯態様がさらに変化することで、作業者が、補充要求を出した部品の到着を、視覚的に認識できるようになっている。
【0018】
そのため、補充要求のあった作業工程の作業者は、入出力装置7を参照して、部品箱8が載置されたワークベースWBの到着を確認すると、補充部品の部品箱8を取り出すと共に、空になった部品箱8を、取り出した部品箱8の代わりに、ワークベースWBに載置するようになっている。
これにより、空になった部品箱8は、ワークベースWBに載置された状態で、搬送コンベア2の下流側に搬送されることになる。
【0019】
搬送コンベア2では、作業工程4の下流側に、空になった部品箱8をワークベースWBから取り出すピッキング工程P2(搬出側ピッキング工程)が設けられている。
そのため、空になった部品箱8は、ワークベースWBに載置された状態でピッキング工程P2まで搬送されると、このピッキング工程P2の作業者により、回収されるようになっている。
【0020】
このように、実施の形態にかかる生産ライン1では、搬送コンベア2の上流側に、補充部品の部品箱8を投入するピッキング工程P1が設けられていると共に、下流側に、空になった部品箱8を回収するピッキング工程P2が設けられている。
そのため、搬送コンベア2上に設定された各作業工程のうち、部品の補充要求のあった作業工程に対する補充部品の部品箱8の供給と、作業工程からの空になった部品箱8の回収を行えるようになっている。
【0021】
ここで、生産ライン1の各作業工程では、不足している部品の補充要求と、補充要求に応じて供給された補充部品の部品箱8の作業工程への到着の有無の確認とを、各作業工程に設けられた端末1〜4を介して行えるようになっている。
さらに、ピッキング工程P1では、各作業工程からの部品の補充要求の有無の確認と、補充部品の部品箱8のワークベースWB上への載置完了の確認とを、ピッキング工程P1の端末Paを介して行えるようになっている。
【0022】
以下、各作業工程1〜4側で部品の補充要求を行った際の処理と、部品の補充要求があった際のピッキング工程P1側での処理を説明する。
図2は、作業工程1〜4側の端末1〜4での処理を説明するフローチャートである。
図3は、ピッキング工程P1の端末Paでの処理を説明するフローチャートである。
【0023】
図2を参照して、ある作業工程(例えば、作業工程4)の作業者が、当該作業工程4で使用する部品の補充が必要であると判断し、作業工程4に設けられた端末4の補充要求のボタンBをオン操作すると、端末4では、部品の補充要求があったと判定される(ステップS101、Yes)。
【0024】
ここで、作業工程4の端末4では、当該作業工程4で使用される部品毎に、補充要求のボタンB(B1〜B3)が用意されているので、例えば、ある部品番号のボルトの補充を要求する場合には、当該部品番号のボルトに割り当てられた補充要求のボタンB(例えば、ボタンB2)を、オン操作することになる。
【0025】
実施の形態では、ボタンBに光源が組み込まれており、光源の点灯状態に基づいて、(1)現時点においてどの部品について補充要求が出されているのか、(2)補充要求を出した部品の到着の有無、を視覚的に確認できるようになっている。
【0026】
そのため、ステップS101において部品要求があると、ステップS102において、オン操作のあったボタンB2の光源が、点滅することになる。
これにより、作業者は、点滅しているボタンB2に割り当てられた部品に対し、部品の補充要求を出したことを視覚的に確認できるようになっている。
【0027】
そして、ステップS103において、作業工程4の端末4は、オン操作のあったボタンB2に対応する部品の補充要求を、制御装置5を介してピッキング工程P1の端末P1に向けて送信する。
【0028】
図3に示すように、ピッキング工程P1の端末では、いずれかの作業工程の端末から、部品の補充要求を受信すると(ステップS201、Yes)、受信した補充要求に基づいて、部品の補充要求を送信した作業工程と、当該作業工程から補充が要求された部品を特定する(ステップS202)。
そして、ステップS203においてピッキング工程P1の端末Paは、特定した部品に割り当てられたランプを、点滅させる。
【0029】
ここで、ピッキング工程P1の端末Paでは、補充要求のあった作業工程と、補充要求のあった部品とが、例えばランプの点滅により特定できるようになっている。
具体的には、端末Paでは、搬送コンベア2上の作業工程毎に、当該作業工程で使用される部品に対応するランプが用意されており、点滅するランプの位置により、補充要求のあった作業工程と、補充要求のあった部品を特定できるようになっている。
【0030】
例えば、前記した作業工程側の端末の操作により、作業工程4から、ある部品番号のボルトの補充要求があった場合には、ピッキング工程P1の端末Paでは、作業工程4の部品用に用意されたランプのうち、補充要求のあった部品に対応するランプが点滅する。
【0031】
これにより、ピッキング工程P1の作業者は、補充要求のあった作業工程と、補充要求のあった部品がどの部品であるのかを、点滅するランプの位置により、視覚的に認識できるようになっている。
【0032】
そして、ランプの点滅により補充要求を認識した作業者は、補充要求のあった部品の部品箱8を、部品供給シュート4から取り出したのち、部品箱8に割り当てられた識別子の読み取りを実施する。
【0033】
部品箱8に割り当てられた識別子の読み取りが行われると(ステップS204、Yes)、ステップS205において、ピッキング工程P1の端末Paは、読み取った識別子に対応する部品箱8のランプを、点灯状態にする。
これにより、補充要求のあった部品に対応するランプが、点滅状態から点灯状態になることで、ピッキング工程P1の作業者は、補充要求のあった部品の部品箱8(補充部品の部品箱8)を、間違えることなく取り出したことを認識することになる。
【0034】
続いて、ピッキング工程P1の作業者は、取り出した部品箱8をワークベースWBに載置するにあたり、受渡コンベア3上のワークベースWBの読み書き可能な識別子(ID)に部品の補充要求があった作業行程の情報の書き込みを実施する(ステップS206)。
【0035】
ワークベースWBの識別子への、補充部品の搬送先である作業工程の情報の書き込みが行われると(ステップS207、Yes)、各作業工程において、補充要求をした部品が積載された部品箱8を載置したワークベースWBの到着を認識できる状態となる。
【0036】
続くステップS208において、ピッキング工程P1の端末Paは、ワークベースWBに載置した部品箱8の部品に対応するランプを、消灯する。
そして、ピッキング工程P1の作業者によるワークベースWBの搬出指示を待って、部品箱8が載置されたワークベースWBの搬送コンベア2側への搬送を実施する(ステップS209)。
【0037】
これにより、部品箱8が載置されたワークベースWBは、搬送コンベア2に沿って作業工程を順番に通過しながら、下流側に向けて搬送されることになる。
【0038】
前記したように搬送コンベア2を搬送されるワークベースWBには、各作業工程において読み取り可能な識別子(ID)が付されている。
そのため、各作業工程の端末では、部品箱8が載置されたワークベースWBが到着すると、到着したワークベースWBの識別子を読み取ることで、補充要求をした部品が積載された部品箱8を載置したワークベースWBであるか否かを特定できるようになっている。
【0039】
そのため、
図2に示すように、各作業工程の端末4は、読み取ったワークベースWBの識別子から、補充部品の部品箱8が到着したと判定し(ステップS104、Yes)、載置されている部品箱8に載置されている部品に割り当てられたボタンの光源を、点滅状態から点灯状態に変更する。
これにより、作業工程の作業者は、ボタンに組付けられた光源の状態が、点滅状態から、点灯状態にかわることにより、補充部品の部品箱8が到着したことを、視覚的に認識できるようになっている。
【0040】
そして、作業者が、補充部品の部品箱8と空になった部品箱8との載せ替えと、当該作業工程での組付け作業とを完了したのち、ワークベースWBに載置した空の部品箱の識別子を読み取ると、補充要求を出した部品の補充が完了したと判定する(ステップS106、Yes)。
【0041】
続くステップS107において、ピッキング工程P1の端末は、ワークベースWBに載置した部品箱8の部品(補充が完了した部品)に対応するランプを、消灯する。
そして、作業工程の作業者によるワークベースWBの搬出指示をまって、空の部品箱8が載置されたワークベースWBが、搬送コンベア2の下流側に搬送されることになる(ステップS108)。
【0042】
空の部品箱8が載置されたワークベースWBは、最終的に、搬送コンベア2の下流側のピッキング工程P2に到達する。
ピッキング工程P2の作業者は、ワークベースWBに載置された空の部品箱8を視認すると、空の部品箱8をワークベースWBから取り出して、回収ラックに移し替えることになる。
【0043】
以上の通り、実施の形態では
(1)ワークWが載置されたワークベースWBの搬送コンベア2(搬送路)上に、ワークWに対する部品の組付けを実施する作業工程1〜4(組付工程)が設けられており、
作業工程1〜4では、当該作業工程内の部品箱8から部品を取り出して、ワークWに対する構成部品の組付けを実施するように構成された生産ライン1において、
搬送コンベア2での搬送方向における作業工程1の上流側に、補充用の部品が積載された部品箱8をワークベースWBに載置するピッキング工程P1(搬入側ピッキング工程)を設けて、
搬送コンベア2を用いて、補充用の部品が積載された部品箱8を、部品の補充要求のあった作業工程1〜4に搬入する構成とした。
【0044】
このように構成すると、部品の補充要求のあった作業工程への補充部品の搬入に、既存の搬送コンベア2を用いることができ、無人搬送車を用意する必要が無いので、無人搬送車が移動するためのスペースを工場内に用意する必要が無い。
よって、スペース効率を悪化させること無く、部品の組付けを実施する作業工程に対して補充部品を搬入できることになる。
【0045】
(2)搬送コンベア2での搬送方向における作業工程4の下流側に、空になった部品箱8をワークベースWBから取り出すピッキング工程P2(搬出側ピッキング工程)をさらに設けて、搬送コンベア2を用いて、空になった部品箱8を部品の補充が完了した作業工程から搬出する構成とした。
【0046】
このように構成すると、部品の補充が完了した作業工程から、空になった部品箱8を搬出する際に、既存の搬送コンベア2を用いることができ、無人搬送車を用意する必要が無い。
よって、スペース効率を悪化させること無く、部品の補充が完了した作業工程から、空になった部品箱8を搬出することができる。
なお、実施例では、ピッキング行程P1、P2を別の位置に設ける例を示したが、搬送コンベア2が環状に設けられてワークベースWBが循環する構造である場合は、ピッキング行程P1、P2を同じ位置に設け、この行程の作業者が部品箱8の投入及び回収を行うようにしてもよい。
【0047】
(3)搬送コンベア2上には、複数の作業工程1〜4が設けられており、
ピッキング工程P1では、補充用の部品の部品箱8が、各作業工程の部品毎に用意されている構成とした。
【0048】
このように構成すると、補充部品の部品箱をワークベースWBに供給するピッキング工程P1を、1つの搬送コンベア2に対して1つ用意するだけで、搬送コンベア2上の作業工程の各々に、補充部品の部品箱を搬入することができる。
特に、作業工程1〜4毎に、部品搬入用のピッキング工程を設けることや、無人搬送車で補充部品を供給する必要が無いので、スペース効率を悪化させること無く、各工程に対して補充部品を搬入できることになる。
【0049】
(4)搬送コンベア2上には、複数の作業工程1〜4が設けられており、
ピッキング工程P1には、ワークベースWBに載置した部品箱8の搬入先の作業工程を示す情報を、ワークベースWBに付された読み書き可能な識別子に登録する登録手段(ステップS206、207)を有する端末Pa(ピッキング工程端末)が設けられており、
作業工程1〜4の各々には、
ワークベースWBの識別子を参照して、補充用の部品が積載された部品箱8の到着の有無を確認する確認手段(ステップS104)と、
補充用の部品が積載された部品箱8の到着が確認されると、補充用の部品が積載された部品箱の到着を報知する報知手段(ステップS105)と、を有する端末1〜端末4(組付工程端末)が設けられている構成とした。
【0050】
このように構成すると、補充用の部品が積載された部品箱8の到着を報知することで、他の作業工程で部品箱8が誤って取り出されることや、部品の補充が必要な作業工程で部品箱8が取り出されないという事態の発生を好適に防止できる。
【0051】
(5)端末1〜端末4(組付工程端末)は、部品の補充要求を端末Pa(ピッキング工程端末)に出力する補充要求手段(ステップS103)を有しており、
端末Pa(ピッキング工程端末)は、部品の補充要求を受信すると、前記部品の補充要求の受信と、前記部品の補充要求のあった組付工程とを報知する補充要求報知手段(ステップS201、S202、S203)を有している構成とした。
【0052】
このように構成すると、搬入側ピッキング工程の作業者に、部品の補充要求があった旨と、部品の補充要求を出した組付工程を、速やかに伝えることができるので、搬入側ピッキング工程での作業性が向上する。
【0053】
(6)端末1〜端末4(組付工程端末)は、当該端末1〜端末4(組付工程端末)が設けられた作業工程1〜作業工程4で使用される部品の補充要求があると、補充要求があった部品に対応するボタンの光源を所定の点灯態様で点灯(点滅)させて、作業者に補充要求の受付を報知する受付報知手段(ステップS102)と、
補充要求のあった部品の部品箱8が載置されたワークベースWBが供給されると、補充要求があった部品に対応するボタンの光源の点灯態様を変更(連続点灯)して、補充要求のあった部品が積載された部品箱8の到着を報知する到着報知手段(ステップS105)と、を有している構成とした。
【0054】
このように構成すると、端末1〜端末4が設けられた組付工程1〜組付工程4の作業者は、補充要求を出した部品が積載された部品箱8の到着を視覚的に把握することができるので、部品の補充が必要な作業工程で部品箱8が取り出されないという事態の発生を好適に防止できる。
【0055】
(7)端末1〜端末4(組付工程端末)は、
補充要求のあった部品が積載された部品箱8と、空になった部品箱8との交換が完了すると、補充要求があった部品に対応するボタンの光源を消灯して、補充要求のあった部品の供給完了を報知する供給完了報知手段(ステップS107)と、を有している構成とした。
【0056】
このように構成すると、端末1〜端末4が設けられた組付工程1〜組付工程4の作業者は、部品が積載された部品箱8と空になった部品箱8との交換作業の完了の有無を視覚的に把握することができるので、部品箱8の交換を忘れることや、空になった部品箱8をワークベースWBに乗せ忘れて、組付工程1〜組付工程4内に空になった部品箱8が滞留することを好適に防止できる。
【0057】
(8)端末Pa(ピッキング工程端末)は、
補充要求を受信すると、受信した補充要求を送信した組付工程と受信した補充要求で指定された部品に対応するランプ(光源)を所定の点灯態様で点灯(点滅)させて、補充要求の受信を報知する補充要求報知手段(ステップS201、S202、S203)と、
補充要求で指定された部品が積載された部品箱8が、ピッキング工程P1にあるワークベースWBに載置されると、補充要求で指定された部品に対応するランプ(光源)の点灯態様を変更(連続点灯)して、補充要求で指定された部品が積載された部品箱8の載置完了を報知する完了報知手段(ステップS204、S205)と、
載置した部品箱8の搬送先の組付工程が、ワークベースWBに付された識別子に関係付けて登録されると、補充要求で指定された部品に対応するランプ(光源)を消灯して、搬送先の設定完了を報知する設定完了報知手段(ステップS207、208)と、を有する構成とした。
【0058】
このように構成すると、ピッキング工程P1の作業者に、部品の補充要求があった旨と、部品の補充要求を出した組付工程を、速やかに伝えることができるので、補充要求があった部品が積載された部品箱8を間違えること無く、ワークベースWBに載置できる。
また、載置した部品箱8の搬送先を、ワークベースWBに付された識別子に関係付けることを忘れることを防止できるので、補充要求のあった部品の部品箱8を、補充要求を出した作業工程に間違えること無く供給できる。
【0059】
(9)ワークWが載置されたワークベースWBの搬送コンベア2上に、部品箱8から取り出した部品のワークWに対する組付けを実行する作業工程1〜4(組付工程)が複数設けられていると共に、搬送コンベア2での搬送方向における作業工程1の上流側に、補充用の部品が積載された部品箱8をワークベースWBに載置するピッキング工程P1(搬入側ピッキング工程)が設けられた生産ライン1において、
各作業工程1〜4の端末1〜4と、ピッキング工程P1の端末Paとの間で、各作業工程1〜4に対する部品の補充管理を実行できるように構成された生産ライン1における部品の補充管理システムであって、
作業工程1〜4の端末1〜4は、
端末1〜4が設けられた作業工程1〜4で使用される部品の補充要求があると、補充要求があった部品に対応する光源を点滅させて、作業者に補充要求の受付を報知する受付報知手段(ステップS101、S102)と、
補充要求を、ピッキング工程P1の端末Paに送信する送信手段(ステップS103)と、を有し、
ピッキング工程P1の端末Paは、
補充要求を受信すると、受信した補充要求を送信した作業工程と受信した補充要求で指定された部品に対応するランプ(光源)を点滅させて、補充要求の受信を報知する補充要求報知手段(ステップS201、S202、S203)と、
補充要求で指定された部品が積載された部品箱8が、ピッキング工程P1にあるワークベースWBに載置されると、補充要求で指定された部品に対応する光源を点滅から点灯に切り替えて、補充要求で指定された部品が積載された部品箱8の載置完了を報知する完了報知手段(ステップS204、S205)と、
載置した部品箱8の搬送先の作業工程が、ワークベースWBに付された識別子に関係付けて登録されると、補充要求で指定された部品に対応する光源を消灯して、搬送先の設定完了を報知する設定完了報知手段(ステップS206、S207、S208)と、を有し、
作業工程1〜4の端末1〜4は、
端末1〜4が設けられた作業工程1〜4に、補充要求のあった部品の部品箱8が載置されたワークベースWBが供給されると、補充要求があった部品に対応する光源を点滅から点灯に切り替えて、補充要求のあった部品が積載された部品箱の到着を報知する到着報知手段(ステップS104、S105)と、
補充要求のあった部品が積載された部品箱8と、空になった部品箱8との交換が完了すると、前記補充要求があった部品に対応する光源を消灯して、前記補充要求のあった部品の供給完了を報知する供給完了報知手段(ステップS106、S107)と、を有する構成の部品の補充管理システムとした。
【0060】
このように構成すると、部品の補充要求のあった作業工程への補充部品の搬入に、既存の搬送コンベア2を用いることができ、無人搬送車を用意する必要が無いので、無人搬送車が移動するためのスペースを工場内に用意する必要が無い。
よって、スペース効率を悪化させること無く、部品の組付を実行する作業工程に対して補充部品を搬入できることになる。
【0061】
また、作業工程の作業者は、補充要求を出した部品がどの部品であるのか、そして、補充部品を出した部品が積載された部品箱が到着したか否かを、ボタンに設けた光源の点等態様にて確認することができる。
また、ピッキング工程の作業者は、補充要求のあった部品が、どの作業工程のどの部品であるのかを、ランプの点滅により確認することができると共に、補充要求のあった部品を載置した部品箱8を、部品供給シュート4から間違えること無く取り出したのち、部品箱の搬送先の作業工程の設定が完了したか否かを、ランプの点滅から点灯への変化と、ランプの消灯により確認することができる。
よって、補充要求のあった部品の部品箱を、補充要求を出した作業工程に適切に搬送することができる。
【0062】
前記した実施の形態では、本願発明を、車両用の自動変速機の生産ライン1における部品の補充管理システムSの場合を例に挙げて説明をした。
ここで、本願発明は、生産ライン1における部品の補充管理システムにおいて、各作業工程1〜4の端末1〜4と、ピッキング工程P1の端末Paに、各作業工程1〜4に対する部品の補充管理を実行できるようにするプログラムとしても表現可能である。
【0063】
具体的には、
(10)ワークWが載置されたワークベースWBの搬送コンベア2(搬送路)上に、部品箱8から取り出した部品のワークWに対する組付けを実行する作業工程1〜4(組付工程)が複数設けられていると共に、搬送コンベア2での搬送方向における作業工程1の上流側に、補充用の部品が積載された部品箱8をワークベースWBに載置するピッキング工程P1(搬入側ピッキング工程)が設けられており、作業工程1〜4各々の端末1〜4(組付工程端末)と、ピッキング工程P1の端末Pa(ピッキング工程端末)との間で、各作業工程1〜4に対する部品の補充管理を実行できるように構成された生産ライン1におけるピッキング工程の端末Pa用のプログラムであって、
ピッキング工程の端末Paを、
部品の補充要求を受信すると、受信した補充要求を送信した作業工程と、受信した補充要求で指定された部品に対応するランプ(光源)を所定の点灯態様で点灯(点滅)させて、補充要求の受信を報知する補充要求報知手段(ステップS201、S202、S203)、
補充要求で指定された部品が積載された部品箱8が、ピッキング工程P1にあるワークベースWBに載置されると、補充要求で指定された部品に対応するランプ(光源)の点灯態様を変更(連続点灯)して、補充要求で指定された部品が積載された部品箱8の載置完了を報知する完了報知手段(ステップS204、S205)、
載置した部品箱8の搬送先の組付工程が、前記ワークベースに付された識別子に関係付けて登録されると、補充要求で指定された部品に対応するランプ(光源)を消灯して、搬送先の設定完了を報知する設定完了報知手段(ステップS206、S207、S208)、として機能させることを特徴とするプログラム。
【0064】
(11)ワークWが載置されたワークベースWBの搬送コンベア2(搬送路)上に、部品箱8から取り出した部品のワークWに対する組付けを実行する作業工程1〜4(組付工程)が複数設けられていると共に、搬送コンベア2での搬送方向における作業工程1の上流側に、補充用の部品が積載された部品箱8をワークベースWBに載置するピッキング工程P1(搬入側ピッキング工程)が設けられており、作業工程1〜4各々の端末1〜4(組付工程端末)と、ピッキング工程P1の端末Pa(ピッキング工程端末)との間で、各作業工程1〜4に対する部品の補充管理を実行できるように構成された生産ライン1における作業工程1〜4の端末1〜4用のプログラムであって、
端末1〜4を、
当該端末1〜4が設けられた作業工程1〜4で使用される部品の補充要求があると、補充要求があった部品に対応するボタンの光源を所定の点灯態様で点灯(点滅)させて、作業者に補充要求の受付を報知する受付報知手段(ステップS101、S102)、
補充要求を、ピッキング工程P1の端末Paに送信する送信手段(ステップS103)、
補充要求のあった部品の部品箱8が載置されたワークベースWBが供給されると、補充要求があった部品に対応するボタンの光源の点灯態様を変更(連続点灯)して、補充要求のあった部品が積載された部品箱8の到着を報知する到着報知手段(ステップS104、S105)、
補充要求のあった部品が積載された部品箱8と、空になった部品箱8との交換が完了すると、補充要求があった部品に対応するボタンの光源を消灯して、補充要求のあった部品の供給完了を報知する供給完了報知手段(ステップS106、S107)、として機能させることを特徴とするプログラム。
【0065】
このように構成することによっても、部品の補充要求のあった作業工程への補充部品の搬入に、既存の搬送コンベア2を用いることができ、無人搬送車を用意する必要が無いので、無人搬送車が移動するためのスペースを工場内に用意する必要が無い。
よって、スペース効率を悪化させること無く、部品の組付を実行する作業工程に対して補充部品を搬入できることになる。