特許第6594233号(P6594233)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594233
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】情報通知システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20191010BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   H04M11/00 301
   G08B25/04 K
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-46387(P2016-46387)
(22)【出願日】2016年3月10日
(65)【公開番号】特開2017-163362(P2017-163362A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】小原 英行
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0293509(US,A1)
【文献】 特開2008−293348(JP,A)
【文献】 特開2005−242877(JP,A)
【文献】 特開2004−206531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
19/00
G06Q10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
G08B23/00−31/00
H03J9/00−9/06
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04Q9/00−9/16
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置され、前記車両の使用者が所持する第1携帯端末と近距離無線通信を行う近距離無線通信装置と、
前記使用者が使用する建物に設置されるサーバと、
を備える情報通知システムであって、
前記第1携帯端末は、キャリア通信網と通信可能であり、
前記サーバは、
キャリア通信網を介して前記第1携帯端末と通信を行う第1通信部と、
監視対象の1以上の第2携帯端末と通信を行う第2通信部と、
前記第2通信部を介して前記第2携帯端末が前記建物内に存在するか否かを判定する携帯端末存在判定部と、
前記第2通信部を介して前記建物に設置された複数の設備の状態を監視する設備状態監視部と、
を有し、
前記第1携帯端末は、前記近距離無線通信装置の通信可能領域内に入った時、前記第1通信部を介して前記サーバに情報要求信号を送信し、
前記サーバは、前記情報要求信号を受信した場合、前記設備状態監視部が監視する前記複数の設備の状態の情報、および/または、前記携帯端末存在判定部が判定した前記第2携帯端末の存在に関する情報を、前記第1通信部を介して前記第1携帯端末に返信
前記サーバは、前記情報要求信号を受信した場合であって、前記携帯端末存在判定部がいずれの前記第2携帯端末も前記建物内に存在しないと判定した場合、前記設備状態監視部が監視する前記複数の設備の状態の情報を、前記第1通信部を介して前記第1携帯端末に返信し、
前記サーバは、前記情報要求信号を受信した場合であって、前記携帯端末存在判定部がいずれかの前記第2携帯端末が前記建物内に存在すると判定した場合、それぞれの前記第2携帯端末の有無についての情報または存在する前記第2携帯端末についての情報を、前記第1通信部を介して前記第1携帯端末に返信する、
ことを特徴とする情報通知システム。
【請求項2】
車両に設置され、前記車両の使用者が所持する第1携帯端末と近距離無線通信を行う近距離無線通信装置と、
サーバと、
を備える情報通知システムであって、
前記第1携帯端末は、キャリア通信網と通信可能であり、
前記サーバは、
キャリア通信網を介して前記第1携帯端末と通信を行う第1通信部と、
監視対象の1以上の第2携帯端末と通信を行う第2通信部と、
前記第1通信部と通信を行う第3通信部と、
前記第2通信部を介して前記第2携帯端末が前記建物内に存在するか否かを判定する携帯端末存在判定部と、
前記第2通信部を介して前記建物に設置された複数の設備の状態を監視する設備状態監視部と、
を有し、
少なくとも前記第2通信部と前記第3通信部は、前記使用者が使用する建物に設置され、
前記第1携帯端末は、前記近距離無線通信装置の通信可能領域内に入った時、前記第1通信部を介して前記サーバに情報要求信号を送信し、
前記サーバは、前記情報要求信号を受信した場合、前記設備状態監視部が監視する前記複数の設備の状態の情報、および/または、前記携帯端末存在判定部が判定した前記第2携帯端末の存在に関する情報を、前記第3通信部および前記第1通信部を介して前記第1携帯端末に返信
前記サーバは、前記情報要求信号を受信した場合であって、前記携帯端末存在判定部がいずれの前記第2携帯端末も前記建物内に存在しないと判定した場合、前記設備状態監視部が監視する前記複数の設備の状態の情報を、前記第1通信部を介して前記第1携帯端末に返信し、
前記サーバは、前記情報要求信号を受信した場合であって、前記携帯端末存在判定部がいずれかの前記第2携帯端末が前記建物内に存在すると判定した場合、それぞれの前記第2携帯端末の有無についての情報または存在する前記第2携帯端末についての情報を、前記第1通信部を介して前記第1携帯端末に返信する、
ことを特徴とする情報通知システム。
【請求項3】
前記設備状態監視部は、前記建物に設置され、電力を使用する複数の設備の電源のオン/オフ状態を監視し、および/または、前記建物の施解錠状態を監視することを特徴とする請求項1または2に記載の情報通知システム。
【請求項4】
前記車両の装備の状態を監視する監視装置をさらに備え、
前記監視装置は、前記第1携帯端末が前記近距離無線通信装置の通信可能領域内に入った時、前記装備の状態を前記第1携帯端末に前記近距離無線通信装置を介して送信し、
前記第1携帯端末は、所定の前記装備の状態を受信した場合に、前記第1通信部を介して前記サーバに情報要求信号を送信することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の情報通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通知システムに関し、特に、家などの建物に設けられた設備に関する状態情報を車両内の携帯端末に通知する情報通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、家などの建物に設けられた設備に関して、その設備に設けられた各種センサから設備の状態について得られる情報を、遠隔の電話などに通知することで、家などの設備の状況を監視し、安全・安心を確認する装置等が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1は、車両内において家や事務所等の管理を行えることを目的とした車両用安全情報表示装置を開示する。この車両用安全情報表示装置は、家に備えられ安全状態に関する情報を検知する安全情報センサと、ホーム電話と、安全情報センサからの情報信号に基づき家の安全状態の情報をホーム電話に出力するホーム側コントローラとを備える。そして、この車両用安全情報表示装置は、車両に備えられた自動車電話に接続して受信した情報を出力する車両側コントローラと、車両側コントローラの出力信号に基づき車両内に表示するディスプレーとを備え、車両が走行中には安全情報の内緊急度の高いもののみ出力し、低いものは停止時まで待機させる。
【0004】
また、特許文献2は、家庭内に設置された複数の家電製品のうち、特定の家電製品に絞って電源オン/オフ状態を使用者に知らせる家庭用電化製品の電源管理装置を開示する。この電源管理装置は、携帯電話からの要求に応じて、もしくは、鍵により玄関扉の施錠装置が施錠されると、家電製品のうち、電源管理装置において予め電源のオン/オフ状態について監視対象に指定されている家電製品の電源オン/オフ状態が記述された電子メールを、携帯電話へ送信する。
【0005】
また、特許文献3は、家屋に異常が発生した場合に外出中の加入者にその異常を通知するホームセキュリティ情報通知システムを開示する。このホームセキュリティ情報通知システムは、家屋内に設置された複数のセンサにて家屋内の異常を検知した場合、パソコンにおいて、センサにて検知された異常に対応する警告メッセージをデータベースから取得し、その警告メッセージをデジタルカメラにおいて撮影された家屋内の映像とともに携帯電話機に対して送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭61−191944号公報
【特許文献2】特開2009−033287号公報
【特許文献3】特開2001−126173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
遠く離れた所から家などの設備の状況を知りたい場合もあるが、先程出てきた家の鍵を閉めたか、エアコンを消したかなど、出た直後に不安になることはたびたびあることである。このような時に、もう一度家などに戻るのは大変手間がかかるし、戻れない場合には一日不安になりながら過ごさなければならない場合もある。一方、家人などがまだ家などに居る場合は、家人などがいることが分かればいいという場合もある。
【0008】
本発明は、車両の使用者が外出しようとして車両へ乗車した時に、使用者が出てきた建物の設備の状態や、建物内に存する者の存在に関する情報を通知することで、安全・安心と利便性を備えた情報通知システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、車両に設置され、車両の使用者が所持する第1携帯端末と近距離無線通信を行う近距離無線通信装置と、使用者が使用する建物に設置されるサーバと、を備える情報通知システムであって、第1携帯端末は、キャリア通信網と通信可能であり、サーバは、キャリア通信網を介して第1携帯端末と通信を行う第1通信部と、監視対象の1以上の第2携帯端末と通信を行う第2通信部と、第2通信部を介して第2携帯端末が建物内に存在するか否かを判定する携帯端末存在判定部と、第2通信部を介して建物に設置された複数の設備の状態を監視する設備状態監視部と、を有し、第1携帯端末は、近距離無線通信装置の通信可能領域内に入った時、第1通信部を介してサーバに情報要求信号を送信し、サーバは、情報要求信号を受信した場合、設備状態監視部が監視する複数の設備の状態の情報、および/または、携帯端末存在判定部が判定した第2携帯端末の存在に関する情報を、第1通信部を介して第1携帯端末に返信し、サーバは、情報要求信号を受信した場合であって、携帯端末存在判定部がいずれの第2携帯端末も建物内に存在しないと判定した場合、設備状態監視部が監視する複数の設備の状態の情報を、第1通信部を介して第1携帯端末に返信し、サーバは、情報要求信号を受信した場合であって、携帯端末存在判定部がいずれかの第2携帯端末が建物内に存在すると判定した場合、それぞれの第2携帯端末の有無についての情報または存在する第2携帯端末についての情報を、第1通信部を介して第1携帯端末に返信することを特徴とする情報通知システムが提供される。
これによれば、使用者が外出しようとして車両へ乗車した時に、使用者が出てきた建物の設備の状態や、建物内に存する者の存在に関する情報を通知することで、安全・安心と利便性を備えた情報通知システムを提供することができる。さらに、使用者が外出しようとして乗車した時、出てきた建物に人が残っている場合にはその人の存在を通知し、人が残っていない場合にはその建物の設備の状態を通知することで、安全・安心と利便性を備えた情報通知システムを提供することができる。
【0010】
上記課題を解決するために、車両に設置され、車両の使用者が所持する第1携帯端末と近距離無線通信を行う近距離無線通信装置と、サーバと、を備える情報通知システムであって、第1携帯端末は、キャリア通信網と通信可能であり、サーバは、キャリア通信網を介して第1携帯端末と通信を行う第1通信部と、監視対象の1以上の第2携帯端末と通信を行う第2通信部と、第1通信部と通信を行う第3通信部と、第2通信部を介して第2携帯端末が建物内に存在するか否かを判定する携帯端末存在判定部と、第2通信部を介して建物に設置された複数の設備の状態を監視する設備状態監視部と、を有し、少なくとも第2通信部と第3通信部は、使用者が使用する建物に設置され、第1携帯端末は、近距離無線通信装置の通信可能領域内に入った時、第1通信部を介してサーバに情報要求信号を送信し、サーバは、情報要求信号を受信した場合、設備状態監視部が監視する複数の設備の
状態の情報、および/または、携帯端末存在判定部が判定した第2携帯端末の存在に関する情報を、第3通信部および第1通信部を介して第1携帯端末に返信し、サーバは、情報要求信号を受信した場合であって、携帯端末存在判定部がいずれの第2携帯端末も建物内に存在しないと判定した場合、設備状態監視部が監視する複数の設備の状態の情報を、第1通信部を介して第1携帯端末に返信し、サーバは、情報要求信号を受信した場合であって、携帯端末存在判定部がいずれかの第2携帯端末が建物内に存在すると判定した場合、それぞれの第2携帯端末の有無についての情報または存在する第2携帯端末についての情報を、第1通信部を介して第1携帯端末に返信することを特徴とする情報通知システムが提供される。
これによれば、使用者が外出しようとして車両へ乗車した時に、使用者が出てきた建物の設備の状態や、建物内に存する者の存在に関する情報を通知することで、安全・安心と利便性を備え、その構成においてより柔軟な情報通知システムを提供することができる。さらに、使用者が外出しようとして乗車した時、出てきた建物に人が残っている場合にはその人の存在を通知し、人が残っていない場合にはその建物の設備の状態を通知することで、安全・安心と利便性を備えた情報通知システムを提供することができる。
【0012】
さらに、設備状態監視部は、建物に設置され、電力を使用する複数の設備の電源のオン/オフ状態を監視し、および/または、建物の施解錠状態を監視することを特徴としてもよい。
これによれば、建物内の家電製品の電源状態や出入り口や窓の施解錠状態を通知することで、安全・安心と利便性を備えた情報通知システムを提供することができる。
【0014】
さらに、車両の装備の状態を監視する監視装置をさらに備え、監視装置は、第1携帯端末が近距離無線通信装置の通信可能領域内に入った時、装備の状態を第1携帯端末に近距離無線通信装置を介して送信し、第1携帯端末は、所定の装備の状態を受信した場合に、第1通信部を介してサーバに情報要求信号を送信することを特徴としてもよい。
これによれば、車両が所定の状態の時にのみ情報を通知することで、利便性をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、使用者が外出しようとして車両へ乗車した時に、使用者が出てきた建物の設備の状態や、建物内に存する者の存在に関する情報を通知することで、安全・安心と利便性を備えた情報通知システムを提供することができる。
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る第一実施例の情報通知システムの使用状況を説明するブロック図。
図2】本発明に係る第一実施例の情報通知システムのブロック図。
図3】本発明に係る第一実施例の情報通知システムにおける第1携帯端末が近距離無線通信装置の通信可能領域内に入った時の動作を説明するフローチャート。
図4】本発明に係る第一実施例の情報通知システムにおける第2携帯端末の存在を取得する動作を説明するフローチャート。
図5】本発明に係る第一実施例の情報通知システムにおける設備の状態を取得する動作を説明するフローチャート(その一)。
図6】本発明に係る第一実施例の情報通知システムにおける設備の状態を取得する動作を説明するフローチャート(その二)。
図7】本発明に係る第一実施例の変形例の情報通知システムのブロック図。
図8】本発明に係る第二実施例の情報通知システムのブロック図。
図9】本発明に係る第三実施例の情報通知システムのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る各実施例について説明する。
<第一実施例>
図1を参照し、本実施例における情報通知システム100を説明する。情報通知システム100は、建物BLに設置されるサーバ30と、車両Cに設置される近距離無線通信装置40とを備える。近距離無線通信装置40は、車両Cの使用者が所持する第1携帯端末10と近距離無線通信を行う。近距離無線通信とは、通信可能距離が10数センチメートル程度のNFC(Near Field Communication)や、通信可能距離が数メートル程度のBluetooth(登録商標)などをいう。後述するように、第1携帯端末10を有する使用者が、車両Cの近くを通るだけではなく、実際に車両Cに乗り込んだ状況において、第1携帯端末10が近距離無線通信装置40の通信可能領域内に入ることとするためには、近距離無線通信装置40は、NFCの通信を行うことが好ましい。
【0018】
また、近距離無線通信装置40は、第1携帯端末10の充電器と一体化して、使用者が第1携帯端末10を充電器に置いたら第1携帯端末10が近距離無線通信装置40の通信可能領域内に入ることとする場合においても、近距離無線通信装置40はNFCの通信を行うことが好ましい。第1携帯端末10は、近距離無線通信を行うと共に、通常車両Cの運転者などの使用者が所持するスマートフォンなどの携帯電話であり、キャリア通信網と接続されて、インターネットとも接続される。車両Cには、近距離無線通信装置40と通信可能に接続され、様々な装備や機器を制御するECU(Electronic Control Unit)が備えられる。
【0019】
サーバ30は、第1携帯端末10を有する使用者が日頃よく使用する、当該使用者の自宅や事務所の建物BL内に設置される。建物BLでは有線または無線でのLAN(Local Area Network)が設けられ、サーバ30は、かかるLANを介して、エアコン・冷蔵庫・テレビなどの家電製品や玄関・窓の鍵の施解錠状態を監視制御する機構と通信可能な状態で設置される。サーバ30は、直接的にまたはLANを介して間接的に、キャリア通信網と接続されて、インターネットとも接続されており、第1携帯端末10とは、キャリア通信網やインターネットを介して通信可能である。
【0020】
また、サーバ30は、有線/無線LANを介して第2携帯端末20と通信可能である。第2携帯端末は、建物BLが第1携帯端末10を有する使用者の自宅である場合、第1携帯端末10を有する使用者の家族が有する携帯端末であり、建物BLが第1携帯端末10を有する使用者の事務所である場合、第1携帯端末10を有する使用者の同僚等が有する携帯端末である。第2携帯端末20を有する者は、第1携帯端末10の使用者から建物BLに存在するか否かの監視の対象となる。また、サーバ30は、第1携帯端末10と通信可能であってもよい。
【0021】
図2を参照し、情報通知システム100について詳述する。サーバ30は、第1通信部31と、第2通信部32と、携帯端末存在判定部33と、設備状態監視部34と、データベース35とを備える。第1通信部31は、キャリア通信網を介して第1携帯端末10と通信を行うものであり、直接的にまたはLANを介して間接的にキャリア通信網に接続されている。第1通信部31は、後述するように第1携帯端末10から情報要求信号を受信した場合には、第1携帯端末10に対して設備状態情報や携帯端末情報などを送信する。
【0022】
第2通信部32は、建物BLの有線/無線でのLANを介して、第2携帯端末20と通信する。第2通信部32は、第2携帯端末20と通信可能であるか否か、すなわち、無線LANである場合には第2携帯端末20が無線LANの通信可能領域内に存在する否か、有線LANである場合には第2携帯端末20が有線LANに接続されているか否かを監視する。通常、家族や同僚の携帯端末が、第2通信部32が監視する第2携帯端末20として事前に登録されている。
【0023】
携帯端末存在判定部33は、第2通信部32を介して第2携帯端末20が建物BL内に存在するか否かを判定する。すなわち、携帯端末存在判定部33は、事前に登録された第2携帯端末20と通信可能である場合、第2携帯端末20が建物BL内に存在すると判定し、通信可能ではない場合、第2携帯端末20が建物BL内に存在しないと判定する。また、携帯端末存在判定部33は、第2携帯端末20が建物BL内に存在する場合、第2携帯端末20を有する家族や同僚が、その建物BL内に存すると判定する。なお、携帯端末存在判定部33は、第2携帯端末20と通信可能である場合であって、さらに所定の送信を行い所定の情報を受信した場合に、第2携帯端末20を有する家族や同僚が、その建物BL内に存すると判定してもよい。
【0024】
設備状態監視部34は、第2通信部32を介して建物BLに設置された複数の設備FCの状態を監視する。設備FCは、前述したように、有線・無線LANに接続された家電製品や玄関・窓の鍵の施解錠状態を監視制御する機構である。設備状態監視部34は、後述するように、第2通信部32を介して有線・無線LANに接続された家電製品等の状態を定期的に監視すべく情報を取得してもよいし、家電製品等からの情報を待機して情報を取得してもよい。
【0025】
データベース35は、サーバ30に接続された、一般的には不揮発性の記憶装置から構成される。データベース35は、携帯端末存在判定部33が判定するために取得した情報および設備状態監視部34が監視するために取得した情報を記録する。たとえば、データベース35は、第2通信部32が取得し携帯端末存在判定部33が判定した情報を、お父さんの第2携帯端末20は建物BL内に存在しないのでお父さんは外出であるとか、お母さんの第2携帯端末20は建物BL内に存在するのでお母さんは在宅であるとか、というように記録する。また、データベース35は、第2通信部32が取得し設備状態監視部34が監視する情報を、エアコンやテレビは電源オフ状態であるとか、玄関鍵は施錠状態であるとか、冷蔵庫のドアが閉まっている状態であるとか、というように記録する。
【0026】
なお、携帯端末存在判定部33は、第2携帯端末20が第2通信部32と通信可能であることで第2携帯端末20が建物BL内に存在すると判定するので、少なくとも第2通信部32は、建物BLに存することになる。上述した他の構成要素は、後述する実施例に示されるように、建物BLに存する必要はない。
【0027】
図3を参照し、情報通知システム100において、第1携帯端末10が近距離無線通信装置40(NFC装置)の通信可能領域内に入った時の動作を説明する。なお、フローチャートにおけるSはステップを意味する。使用者が第1携帯端末10を近距離無線通信装置40の上に置くなりすると、近距離無線通信装置40は、S100において、第1携帯端末10が近距離無線通信の通信可能領域に入ったことを検知する。近距離無線通信装置40は、S102において第1携帯端末10が正規のものであるか否かの認証を行い、S104において認証に成功した場合には以下の処理を行い、認証に失敗した場合はエラーで終了する。
【0028】
第1携帯端末10は、認証に成功した場合、S106において、キャリア通信網/インターネットを経由してサーバ30の第1通信部31へ情報要求信号を送信する。情報要求信号を受信したサーバ30は、S108においてデータベース35内の携帯端末情報(ここでは、家族外出状況情報)を参照し、S110において家族等が全員建物BL内に存するか否か、外出中か否かをチェックする。サーバ30は、全員が外出している場合には、S112において、データベース35にある設備FCの状態に関する情報(設備状態情報)を第1通信部31を介して第1携帯端末10に返信する。一方、サーバ30は、家族の内のいずれかが建物BL内に存する場合には、S114において、データベース35にある携帯端末情報すなわち家族の在宅に関する情報を第1通信部31を介して第1携帯端末10に返信する。家族の在宅に関する情報とは、在宅する者のみに関する情報であってもよいし、全員の在宅/外出に関する情報であってもよい。
【0029】
第1携帯端末10は、近距離無線通信装置40の通信可能領域内に入った時第1通信部31を介してサーバ30に情報要求信号を送信する。サーバ30は、情報要求信号を受信した場合、設備状態監視部34が監視する複数の設備の状態の情報、または、携帯端末存在判定部33が判定した第2携帯端末の存在に関する情報を、第1通信部31を介して第1携帯端末10に返信する。また、サーバ30は、情報要求信号を受信した場合、複数の設備FCの状態の情報に付随して第2携帯端末の存在に関する情報を返信してもよいし、第2携帯端末の存在に関する情報に付随して複数の設備FCの状態の情報を返信してもよい。これによれば、使用者が外出しようとして車両Cへ乗車した時に、すなわち第1携帯端末10が近距離無線通信装置40の通信可能領域内に入った時に、使用者が出てきた建物BLの設備の状態や、建物内に存する者の存在に関する情報を通知することで、安全・安心と利便性を備えた情報通知システム100を提供することができる。
【0030】
そして、サーバ30は、情報要求信号を受信した場合であって、携帯端末存在判定部33がいずれの第2携帯端末20も建物BL内に存在しないと判定した場合、設備状態監視部34が監視する複数の設備FCの状態の情報を、第1通信部31を介して第1携帯端末10に返信し、携帯端末存在判定部33がいずれかの第2携帯端末20が建物BL内に存在すると判定した場合、それぞれの第2携帯端末20の有無についての情報または存在する第2携帯端末20についての情報を、第1通信部31を介して第1携帯端末10に返信してもよい。このように、使用者が外出しようとして乗車した時、出てきた建物BLに人が残っている場合にはその人の存在を通知し、人が残っていない場合にはその建物BLの設備FCの状態を通知することで、安全・安心と利便性を備えた情報通知システム100を提供することができる。特に、設備状態監視部34が、電力を使用する設備FCである家電製品などの電源のオン/オフ状態を監視し、建物BLの玄関や窓などの施解錠状態を監視することで、より高い安全・安心と利便性を備える。
【0031】
図4は、サーバ30における第2携帯端末20の存在を取得する動作を説明する。サーバ30は、S200において、建物BLに設置されたLANに接続された第2通信部32を介して、家族の携帯端末として事前に登録された第2携帯端末20すべてに対して返信をするように定期的に指示を送信する。サーバ30は、S202において何回かのリトライを含んで返信があった場合、S204において、返信があった第2携帯端末20を有する家族等は、建物BL内に存することをデータベース35に記録する。一方、サーバ30は、返信がなかった場合、S206において、返信がなかった第2携帯端末20を有する家族等は、建物BL内に存しないことをデータベース35に記録する。個人が有する携帯端末は、通常外出時には持って出ているので、第2携帯端末20が建物BLに設置されたLANから通信可能でない場合は、それを携帯する個人は外出しているとの前提を有する。
【0032】
図5および図6は、情報通知システム100における設備FCの状態を取得する動作を説明する。サーバ30は、S300において、建物BLに設置されたLANに接続された第2通信部32を介して、建物BL内でLANに接続された設備FCの状態を定期的に取得する。サーバ30は、S302において取得した設備FCの状態に変化があった場合、S304において、データベース35内の当該設備FCの状態情報を変更する。変化がなかった場合、サーバ30は、特に何もしない。または、サーバ30は、自ら状態を取得せずに、設備FCからの通知を待機していてもよい。
【0033】
たとえば、サーバ30は、設備FCに状態変化があった場合には設備FCがサーバ30に対して通知するので、S400において、設備FCからLAN経由で当該設備FCの状態変化に関する通知を受信する。サーバ30は、その通知を受信した場合、S402において、データベース35に受信した設備FCの状態情報を変更する。このように、常に最新の設備状態情報および携帯端末情報をデータベース35に記録していることで、安全・安心と利便性を備えた情報通知システム100を提供することができる。
【0034】
<第一実施例の変形例>
図7を参照し、情報通知システム100の変形例を説明する。本変形例では、第1携帯端末10は、無線LAN(Wifi通信など)での通信も可能であり、第2通信部32と通信できる場合である。無線LANは、数十メートルの範囲で通信可能であるから、第1携帯端末10は、近距離無線通信により至近距離で車両Cと通信可能であり、かつ、車両に乗り遠く離れていなければ無線LANにより建物BL内に設置されたサーバ30の第2通信部と通信可能である。
【0035】
この場合において、第1携帯端末10が、第2通信部32の通信可能領域内にあり、かつ、近距離無線通信装置40の通信可能領域内に入った場合、サーバ30に情報要求信号を送信する。第1携帯端末10が無線LANの通信可能領域内にあるということは建物BL内に居たことを示し、その状態において近距離無線通信装置40の通信可能領域内に入ったということは建物BL内から車両Cに移動したことを示す。これによれば、無線LANの通信可能領域内である建物BLから数十メートルという近傍でのみ、まさに外出しようとする時に通知するので、利便性をさらに向上させることができる。
【0036】
<第二実施例>
図8を参照し、本実施例における情報通知システム100Aを説明する。なお、重複記載を避けるために、上記実施例と同じ構成要素には同じ符号を付し、異なる部分を中心に説明する。情報通知システム100Aは、建物BLに設置されるサーバ30と、車両Cに設置される近距離無線通信装置40Aと、車両Cの装備EQの状態を監視する監視装置50を備える。装備EQは、車両Cのドア、鍵、イグニション、エンジン、シフトレバー、パーキングブレーキ、シートベルトなどであり、本実施例での装備は、車両Cに運転者が乗り込もうとする時または乗り込んだ時に動き出す前に操作する可能性のある装備を言う。監視装置50は、通常これらの装備EQの状態を監視するECUである。
【0037】
近距離無線通信装置40Aは、第1携帯端末10が通信可能領域内に入った時、装備EQを監視する監視装置50に対して装備EQの状態を問い合わせる。監視装置50は、この問い合せに対して、装備EQの状態を第1携帯端末10に近距離無線通信装置40Aを介して送信する。第1携帯端末10は、装備EQの所定の状態を受信した場合に、第1通信部31を介してサーバ30に情報要求信号を送信する。装備EQの所定の状態とは、たとえば、ドアが開状態から閉状態となった状態、鍵が鍵穴に差し込まれた状態、イグニションがオンとなった状態、エンジンが停止状態から始動した状態、シフトレバーがパーキングからドライブやバックになった状態、パーキングブレーキがオフになった状態、シートベルトが付けられた状態など、または、これらの組合せの状態を言う。これらの状態は、車両Cに運転者が乗り込もうとする時または乗り込んだ時に行う操作に基づく状態である。これによれば、車両が所定の状態の時にのみ情報を通知することで、利便性をさらに向上させることができる。
【0038】
<第三実施例>
図9を参照し、本実施例における情報通知システム100Bを説明する。情報通知システム100Bは、建物BLおよび建物BLとは異なる施設に分かれて設置されるサーバ30Bと、車両Cに設置される近距離無線通信装置40とを備える。上述したように、携帯端末存在判定部33は、第2携帯端末20が第2通信部32Bと通信可能であることで第2携帯端末20が建物BL内に存在すると判定するので、少なくとも第2通信部32Bは、建物BLに存する。本実施例では、第2通信部32Bは、サーバ30Bの一部のサーバ30B1として建物BLに配置され、それ以外の、第1通信部31B、携帯端末存在判定部33、設備状態監視部34、および、データベース35を含むサーバ30B2は、建物BL以外の施設に設置される。
【0039】
サーバ30B1は、キャリア通信網を介して、サーバ30B2の第1通信部31Bと通信する第3通信部39Bをさらに備える。こうすることより、建物BLとは遠く離れた施設にサーバ30B2が配置されても、サーバ30B2とサーバ30B1は通信することができる。第2通信部32Bは、設備状態監視部34が監視する複数の設備FCの状態の情報、および/または、携帯端末存在判定部33が判定した第2携帯端末20の存在に関する情報を、第3通信部39Bを介して第1通信部31Bに送信する。これにより、サーバ30Bは、第2携帯端末と通信を行う第2通信部32Bが少なくとも建物BLに有すればよく、他の機能はいずれも場所にあってもよい。これにより、その構成においてより柔軟性を備える情報通知システムを提供することができる。
【0040】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【符号の説明】
【0041】
100 情報通知システム
10 第1携帯端末
20 第2携帯端末
30 サーバ
31 第1通信部
32 第2通信部
33 携帯端末存在判定部
34 設備状態監視部
35 データベース
40 近距離無線通信装置
50 監視装置
C 車両
BL 建物
FC 設備
EQ 装備
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9