(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)ミノサイクリンおよびリファンピンが含浸されているが、クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンが含浸されていない、AまたはBのデュロメーターを有する脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーを含む第1の抗菌ポリマー層;および
(B)クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンを含むポリマーコーティング溶液から形成される第2の抗菌ポリマー層であって、該ポリマーコーティング溶液がミノサイクリンまたはリファンピンを含まない、第2の抗菌ポリマー層;
を含む医療用デバイスであって、
該医療用デバイスがカテーテルである、医療用デバイス。
血管カテーテル、尿路カテーテル、頭蓋内カテーテル、髄腔内カテーテル、腹膜カテーテル、中枢神経系カテーテル、心臓血管カテーテル、排液カテーテル、浸漬カテーテル、吸引カテーテル、くも膜下カテーテル、神経カテーテル、刺激用カテーテル、硬膜外カテーテル、中心静脈カテーテル、動脈ライン、肺動脈カテーテル、末梢静脈カテーテル、静脈内カテーテル、または動脈内カテーテルである、請求項1〜6のいずれか一項記載の医療用デバイス。
(a)脂肪族ポリエーテルポリウレタンと、メタノールおよび少なくとも1種類の抗菌剤を含む溶液とを、該脂肪族ポリエーテルポリウレタンに該少なくとも1種類の抗菌剤を含浸させるのに十分な時間接触させる工程であって、該溶液が浸透剤またはアルカリ化剤を含まない、工程;ならびに
(b)該脂肪族ポリエーテルポリウレタンを実質的に乾燥させる工程
を含む、抗菌ポリマーの製造方法であって、
前記少なくとも1種類の抗菌剤がミノサイクリンおよびリファンピンである、製造方法。
mが1〜250であるか、前記反復単位が1〜100回反復するか、または得られるポリエーテルポリウレタンが、AまたはBのデュロメーターを有する、請求項10記載の方法。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、いくつかの局面において改善された強度、安定性および/または柔軟性を有する抗菌カテーテルを提供することによって、先行技術の制約を克服する。これらの改善された物理的特性は、カテーテルの長期保管を通じて観察され得る。抗菌剤を含む低デュロメーターの抗菌ポリエーテルポリウレタンの改善された製造方法も提供される。テフロンカテーテル、カニューレおよびチューブは、例えば、ポンプからの医薬、例えばインスリンの皮下注入を含む様々な医療用途で使用され得る。連続注入に伴う感染リスクを最小化するため、製造業者は典型的に、1〜3日ごとの挿入部位のローテーションを推奨する。本明細書に記載される抗菌コーティングおよびカテーテルはさらに感染リスクを減少させ得および/またはカテーテル設置のローテーションの間の時間を延長し得、それによってカテーテルの交換に伴う費用および不便を減少させ得る。
【0007】
本発明の局面は、AまたはBのデュロメーターを有する脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーを含む医療用デバイスであって、ポリウレタンにミノサイクリンおよびリファンピンが含浸されている医療用デバイスに関連する。脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーは、Aのデュロメーターを有し得る。ポリウレタンには、グアニジウム化合物、例えばクロルヘキシジンがコーティングまたは含浸され得る。コーティングは、色素(例えば、ゲンジンまたはガージン)をさらに含み得る。コーティングは、ゲンジン、ガージンまたはクロルヘキシジンを含み得る。コーティングは、ゲンジン、ガージンおよびクロルヘキシジンを含み得る。ポリウレタンには、ゲンジン、ガージンおよびクロルヘキシジンがコーティングされ得る。グアニジウム化合物は、クロルヘキシジンであり得る。医療用デバイスはさらに、ポリウレタンに含浸された色素(例えば、ゲンジンまたはガージン)を含み得る。いくつかの態様において、ポリウレタンには、ゲンジン、ガージンまたはクロルヘキシジンが含浸される。いくつかの態様において、ポリウレタンには、ゲンジン、ガージンおよびクロルヘキシジンが含浸される。コーティングには、低級アルコールが含まれ得るまたは低級アルコールが含浸され得る。いくつかの態様において、ポリウレタンには、脂肪酸が含浸またはコーティングされる。脂肪酸は、カプリル酸(オクタン酸)、カプロン酸、ラウリン酸またはデカン酸、ヘキサン酸またドデカン酸であり得る。脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーは、式:[-O(CH
2)
n]
m-OC(O)NH-(CH
2)
x-NHC(O)-の反復単位を有し得または含み得;式中、n=1〜4、x=1〜12、mは1〜100であり;該反復単位は1〜250回反復し、かつポリマーの末端は水素である。いくつかの態様において、反復単位は、1〜100回、2〜100回、2〜50回または2〜10回反復される。より長い反復単位が、いくつかの態様において使用され得;例えば、いくつかの態様において、反復単位は、100〜500または100〜1000回反復される。いくつかの態様において、m=1〜50である。いくつかの態様において、反復単位は、1〜100回反復される。いくつかの態様において、x=1〜10である。ポリマーはさらに、クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンを含むポリマーコーティングを含み得る。ポリマーコーティングはさらに、ポリウレタン、シリコーン、ビニル、フルオロポリマー、オレフィンまたはそれらのポリマーブレンドもしくはコポリマーを含み得る。いくつかの態様において、ポリマーコーティングは、ポリウレタンコーティングである。ポリウレタンコーティングは、脂肪族ポリエーテルポリウレタンであり得る。ポリウレタンコーティングは、AもしくはDのデュロメーターを有し得るか、またはコーティングは、AおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテルポリウレタンのブレンドを含み得る。いくつかの態様において、脂肪族ポリエーテルポリウレタンは、医療用デバイス上のコーティング中に含まれる。いくつかの態様において、脂肪族ポリエーテルポリウレタンは、医療用デバイス上のコーティング中に含まれない。いくつかの態様において、医療用デバイスは、浸透剤またはアルカリ化剤を含まない。いくつかの態様において、コーティングは、脂肪族ポリウレタンおよびヒドロゲルポリエーテルウレタン(例えば、Tecophilic(登録商標))のブレンドを用いて調製され得る。例えば、コーティングは、約0:100、1:99、10:90、25:75、50:50、75:25、90:10もしくは100:0またはその中で派生する任意の範囲のブレンド比を用いて調製され得、総ポリウレタン濃度は、例えば、約5〜11%の範囲であり得る。以下の例で示されるように、10%またはそれ以上のヒドロゲルポリエーテルウレタンを含むブレンドコーティングは、改善された滑らかさを示し得る。いくつかの態様において、コーティングは、任意で抗菌剤(例えば、クロルヘキシジン等)を含む、Tecoflex(登録商標)60DおよびTecoflex(登録商標)93Aを含み得る。
【0008】
医療用デバイスは、カテーテル、気管内チューブ、腎瘻チューブ、胆管ステント、整形外科用デバイス、弁、人工弁、排液チューブ、排液管、シャント、ステープル、クリップ、メッシュ、フィルム、血液交換デバイス、ポート、心臓血管デバイス、除細動器、ペースメーカーリード、ワイヤコーティング、眼インプラント、聴覚インプラント、蝸牛インプラント、歯科インプラント、刺激装置、薬物送達デポー、フィルター、メンブレン、血管アクセスポート、ステント、エンベロープ、バッグ、スリーブ、静脈用またはその他のチューブ、バッグ、包帯、パッチ、ファイバー、ピン、人工血管、縫合糸、心臓血管用縫合糸または移植可能な人工装具であり得る。いくつかの態様において、医療用デバイスは、カテーテル、例えば血管カテーテル、尿路カテーテル、頭蓋内カテーテル、髄腔内カテーテル、腹膜カテーテル、中枢神経系カテーテル、心臓血管カテーテル、排液カテーテル、浸漬カテーテル、吸引カテーテル、くも膜下カテーテル、神経カテーテル、刺激用カテーテルまたは硬膜外カテーテルである。カテーテルは、血管カテーテル、例えば中心静脈カテーテル、動脈ライン、肺動脈カテーテル、末梢静脈カテーテル、静脈内カテーテルまたは動脈内カテーテルであり得る。いくつかの態様において、ポリウレタンの表面は、低級アルキルアルコール溶媒中のゲンジン、ガージンまたはクロルヘキシジンでコーティングされている。いくつかの態様において、ミノサイクリンおよびリファンピンは、浸透剤またはアルカリ化剤を含まない溶液を用いてポリウレタン中に含浸されている。いくつかの態様において、医療用デバイスは、浸透剤またはアルカリ化剤を含まない。ポリウレタンはさらに、追加の治療剤を含み得る。追加の治療剤は、ポリウレタン中に含浸される。いくつかの態様において、追加の治療剤は、ポリウレタンの表面上にコーティングされる。治療剤は、抗菌剤、例えばクロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンであり得る。追加の治療剤は、トロンビン阻害剤、血小板阻害剤、抗炎症剤、抗線維化剤または血管拡張剤であり得る。いくつかの態様において、追加の治療剤は、アルガトロバン、ジピリダモール、ニトログリセリンまたはメルカプトエタンスルホネート(MeSNA)である。MeSNAは、例えばカテーテル周囲の狭窄を減らすまたは処置するために使用され得る。追加の治療剤は、カルシウムチャネルブロッカーまたは抗不整脈薬、例えばベラパミルまたはチオリダジンである。いくつかの態様において、医療用デバイスの少なくとも一部分に、ヒドロゲルポリエーテルウレタンがコーティングされる。ヒドロゲルポリエーテルウレタンは、TECOPHILIC、TECOFLEXまたはポリウレタンコポリマーであり得る。いくつかの態様において、医療用デバイスは、ポリテトラフルオロエチレンを含む。いくつかの態様において、医療用デバイスの表面にキレーターがコーティングされるまたはデバイスにキレーターが含浸される。いくつかの態様において、キレーターは、EDTAカルシウム二ナトリウムである。いくつかの態様において、EDTAカルシウム二ナトリウムは、コーティング溶液中に約0.01〜1.5%、0.1〜1.5%、0.5〜1.5%または1〜1.5% EDTAの量で含まれている。医療用デバイスは、カテーテル、例えば排液カテーテルまたは血管カテーテルであり得る。いくつかの態様において、カテーテルに、クロルヘキシジンが含浸またはコーティングされる。いくつかの態様において、脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーが、医療用デバイスの表面上にコーティングされる。
【0009】
本発明の別の局面は、AまたはBのデュロメーターを有する脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーを含む医療用デバイスであって、ポリウレタンにクロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンが含浸されている医療用デバイス、に関する。いくつかの態様において、ポリエーテルポリウレタンポリマーに、ミノサイクリンおよびリファンピンを含むポリウレタンコーティングがコーティングされる。いくつかの態様において、脂肪族ポリエーテルポリウレタンに、第2のポリマーがコーティングされる。第2のポリマーは、ポリウレタンであり得る。いくつかの態様において、脂肪族ポリウレタンに、クロルヘキシジンおよびガージンが含浸される。いくつかの態様において、脂肪族ポリウレタンに、クロルヘキシジンおよびゲンジンが含浸される。いくつかの態様において、脂肪族ポリウレタンに、クロルヘキシジン、ゲンジンおよびガージンが含浸される。いくつかの態様において、第2のポリマーは、ミノサイクリンおよびリファンピンを含む。いくつかの態様において、ポリマーは、ポリウレタン、例えば脂肪族ポリエーテルポリウレタンである。いくつかの局面において、医療用デバイスは、AまたはBのデュロメーターを有する脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーを含み得、ポリウレタンに、ミノサイクリン、リファンピン、クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンが含浸されており;ポリウレタンに、第2のポリウレタンがコーティングされる(例えば、第2のポリウレタンコーティングは、ミノサイクリンおよびリファンピンを含む)。いくつかの態様において、ポリウレタンコーティングは、AもしくはDのデュロメーターを有するか、または該コーティングは、AおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテル-ウレタンのブレンドを含む。医療用デバイスは、カテーテルであり得る。いくつかの態様において、医療用デバイスの少なくとも一部分に、ヒドロゲルポリエーテルウレタンがコーティングされる。ヒドロゲルポリエーテルウレタンは、TECOPHILIC、TECOFLEXまたはポリウレタンコポリマーであり得る。いくつかの態様において、医療用デバイスの表面に、キレーター、例えばEDTAカルシウム二ナトリウムがコーティングまたは含浸される。医療用デバイスは、カテーテル、例えば排液カテーテルまたは血管カテーテルであり得る。カテーテルには、クロルヘキシジンが含浸またはコーティングされ得る。いくつかの態様において、脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーが、医療用デバイスの表面上にコーティングされている。
【0010】
本発明のさらに別の局面は、ミノサイクリンおよびリファンピンが含浸されたポリマーを含む医療用デバイスであって、ポリマーの表面に脂肪酸またはグアニジウム化合物を含むポリマーコーティングがコーティングされている医療用デバイスに関する。ポリマーコーティングは、ポリウレタン、シリコーン、ビニル、フルオロポリマー、オレフィンまたはそれらのポリマーブレンドもしくはコポリマーを含み得る。いくつかの態様において、ポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンである。いくつかの態様において、ポリマーコーティングは、ポリウレタンコーティングである。ポリウレタンコーティングは、AもしくはDのデュロメーターを有し得るか、または該コーティングは、AおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテル-ウレタンのブレンドを含み得る。ポリウレタンは、クロルヘキシジンを含み得る。脂肪酸は、カプリル酸(オクタン酸)、カプロン酸、ラウリン酸またはデカン酸であり得る。いくつかの態様において、脂肪酸は、カプリル酸である。ポリマーコーティングはさらに、メルカプトエタンスルホネート(MeSNA)を含み得る。医療用デバイスはさらに、トロンビン阻害剤、血小板阻害剤、抗炎症剤、抗線維化剤または血管拡張剤を含み得る。ポリマーは、ポリウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル(PVC)、フルオロポリマーもしくはポリエステルまたはそれらのコポリマーもしくはブレンドであり得る。医療用デバイスの少なくとも一部分には、ヒドロゲルポリエーテルウレタンがコーティングされ得る。ヒドロゲルポリエーテルウレタンは、TECOPHILIC、TECOFLEXまたはポリウレタンコポリマーであり得る。医療用デバイスは、ポリテトラフルオロエチレンを含み得る。ポリテトラフルオロエチレンは、TEFLONであり得る。医療用デバイスの表面に、キレーター、例えばEDTAカルシウム二ナトリウムがコーティングまたは含浸され得る。医療用デバイスは、カテーテル、例えば排液カテーテルまたは血管カテーテルであり得る。カテーテルに、クロルヘキシジンが含浸またはコーティングされ得る。医療用デバイスの表面上に、脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーがコーティングされ得る。
【0011】
本発明の別の局面は、カテーテルの本体部分がAデュロメーターの脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーを含み、ポリウレタンに、(i)ミノサイクリンおよびリファンピン、または(ii)クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンが含浸されている抗菌カテーテルに関する。いくつかの態様において、カテーテルは、抗菌カテーテルであり、カテーテルの本体部分は、Aデュロメーターの脂肪族ポリウレタンポリマーを含み、ポリウレタンに、ミノサイクリンおよびリファンピンが含浸されている。脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーは、式:[-O(CH
2)
n]
m-OC(O)NH-(CH
2)
x-NHC(O)-の反復単位を有し得;式中、n=1〜4、x=1〜10、mは100未満または1〜100であり、かつmはxより大きく、該反復単位は1〜250回反復し、かつポリマーの末端は水素である。いくつかの態様において、mは1〜100であるかまたはmは1〜50である。いくつかの態様において、反復単位は、1〜100回反復する。医療用デバイスの少なくとも一部分には、ヒドロゲルポリエーテルウレタン、例えばTECOPHILICまたはポリウレタンコポリマーがコーティングされる。いくつかの態様において、医療用デバイスの表面に、キレーターがコーティングまたは含浸される。キレーターは、例えば、EDTAカルシウム二ナトリウムまたはクエン酸塩であり得る。カテーテルには、クロルヘキシジンが含浸またはコーティングされ得る。いくつかの態様において、医療用デバイスの表面上に、脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーがコーティングされている。
【0012】
ポリウレタンはさらに、追加の治療剤を含むポリマーコーティング(例えば、ポリウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル(PVC)、フルオロポリマーもしくはポリエステル、またはそれらのコポリマーもしくはブレンド)を含み得る。追加の治療剤は、抗菌剤であり得る。抗菌剤は、クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンであり得る。コーティングは、クロルヘキシジンおよびゲンジンを含み得る。コーティングは、クロルヘキシジンおよびガージンを含み得る。抗菌剤は、ミノサイクリンまたはリファンピンであり得る。いくつかの態様において、コーティングは、ミノサイクリンおよびリファンピンを含む。追加の治療剤は、トロンビン阻害剤、血小板阻害剤または血管拡張剤であり得る。いくつかの態様において、追加の治療剤は、アルガトロバン、ジピリダモール、ニトログリセリンまたはトロンビン阻害剤である。カテーテルは、血管カテーテル、尿路カテーテル、頭蓋内カテーテル、髄腔内カテーテルまたは硬膜外カテーテルであり得る。いくつかの態様において、カテーテルは、血管カテーテル、例えば中心静脈カテーテル、動脈ライン、肺動脈カテーテル、末梢静脈カテーテル、静脈内カテーテルまたは動脈内カテーテルである。
【0013】
本発明のさらに別の局面は、本発明のカテーテルを対象に挿入する工程を含むカテーテル法に関する。対象は、哺乳動物、例えばヒトであり得る。
【0014】
本発明の別の局面は、(a)脂肪族ポリエーテルポリウレタンと、第1の低級アルコールおよび少なくとも1種類の抗菌剤を含む溶液とを、脂肪族ポリエーテルポリウレタンにミノサイクリンおよびリファンピンを含浸させるのに十分な時間接触させる工程であって、該溶液が浸透剤またはアルカリ化剤を含まない、工程;ならびに(b)脂肪族ポリエーテルポリウレタンを実質的に乾燥させる工程、を含む抗菌ポリマーの製造方法に関する。いくつかの態様において、抗菌ポリマーの製造方法は、(a)脂肪族ポリエーテルポリウレタンと、第1の低級アルコール、ミノサイクリンおよびリファンピンを含む溶液とを、脂肪族ポリエーテルポリウレタンにミノサイクリンおよびリファンピンを含浸させるのに十分な時間接触させる工程であって、該溶液が浸透剤またはアルカリ化剤を含まない、工程;ならびに(b)脂肪族ポリエーテルポリウレタンを実質的に乾燥させる工程、を含む。少なくとも1種類の抗菌剤は、ミノサイクリンおよびリファンピンであり得る。少なくとも1種類の抗菌剤は、クロルヘキシジンであり得る。少なくとも1種類の抗菌剤はさらに、ゲンジンまたはガージンを含み得る。低級アルコールは、C
1〜6アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールまたはイソプロパノールであり得る。いくつかの態様において、溶液は、低級アルコールからなる。この方法はさらに、(c)工程(a)の後に、第2の低級アルコール、第2の有機溶媒および追加の治療化合物を含む第2の溶液で脂肪族ポリエーテルポリウレタンの表面の少なくとも一部分をコーティングする工程、を含み得る。コーティングは、脂肪族ポリエーテルポリウレタンの外表面の実質的にすべてに適用され得る。第2の有機溶媒は、脂肪族エーテル溶媒または塩素化溶媒であり得る。塩素化溶媒は、塩化メチレンまたはクロロホルムであり得る。脂肪族エーテル溶媒は、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルであり得る。いくつかの態様において、第2の低級アルコールは、第1の低級アルコールと同じアルコールである。第2の低級アルコールは、C
1〜6アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールまたはイソプロパノールであり得る。いくつかの態様において、低級アルコールは、メタノールである。いくつかの態様において、溶媒はテトラヒドロフランであり、第2の低級アルコールはメタノールである。いくつかの態様において、追加の治療化合物は、第2の抗菌剤、例えばミノサイクリン、リファンピン、クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンである。追加の治療剤は、トロンビン阻害剤、血小板阻害剤、抗炎症剤、抗線維化剤または血管拡張剤であり得る。いくつかの態様において、追加の治療剤は、アルガトロバンまたはジピリダモールである。追加の治療剤は、カルシウムチャネルブロッカーまたは抗不整脈薬、例えばベラパミルまたはチオリダジンであり得る。いくつかの態様において、コーティングはAもしくはDのデュロメーターを有するか、またはコーティングはAおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテル-ウレタンのブレンドを含む。脂肪族ポリエーテルポリウレタンは、式:[-O(CH
2)
n]
m-OC(O)NH-(CH
2)
x-NHC(O)-の反復単位を有し得または含み得;式中、n=1〜4、x=1〜10、mは500未満であり、かつmはxより大きく、該反復単位は1〜250回反復し、かつポリマーの末端が水素である。いくつかの態様において、mは1〜250または1〜100である。いくつかの態様において、反復単位は、1〜100回反復する。得られるポリエーテルポリウレタンは、AまたはBのデュロメーターを有し得る。脂肪族ポリエーテルウレタンポリマーは、医療用デバイスまたはカテーテルに含まれ得る。
【0015】
いくつかの態様において、脂肪族ポリエーテルウレタンポリマーは、気管内チューブ、血管カテーテル、尿路カテーテル、腎瘻チューブ、胆管ステント、腹膜カテーテル、硬膜外カテーテル、中枢神経系カテーテル、頭蓋内カテーテル、髄腔内カテーテル、硬膜外カテーテル、整形外科用デバイス、人工弁または医療用インプラントに含まれる。カテーテルは、血管カテーテル、例えば中心静脈カテーテル、動脈ライン、肺動脈カテーテル、および末梢静脈カテーテル、動脈内カテーテルまたは静脈内(i.v.)チューブであり得る。
【0016】
本発明のさらに別の局面は、(a)ポリマーと、低級アルコール、ミノサイクリン、リファンピンおよびアルカリ化剤を含む溶液とを、脂肪族ポリエーテルポリウレタンにミノサイクリンおよびリファンピンを含浸させるのに十分な時間接触させる工程;(b)アルカリ化剤を実質的に中和させるのに十分な時間、アルカン酸を含む中和溶液にポリマーを曝露する工程;ならびに(c)ポリマーを実質的に乾燥させる工程、を含む抗菌ポリマーの製造方法に関する。アルカリ化剤は、水酸化ナトリウムであり得る。溶液はさらに、浸透剤、例えば酢酸エチルまたは酢酸ブチルを含み得る。ポリマーは、ポリウレタン、例えば脂肪族ポリエーテルポリウレタンであり得る。いくつかの態様において、工程(b)は、アルキル化剤の大部分または実質的にすべてを中和することを含む。低級アルコールは、メタノールであり得る。アルカン酸は、C
1〜6アルカン酸、例えば酢酸、ギ酸、プロピオン酸または酪酸であり得る。いくつかの態様において、C
1〜6アルカン酸は、酢酸である。この方法は、(d)工程(a)の後に、第2の低級アルコール、第2の有機溶媒および追加の治療化合物を含む第2の溶液で脂肪族ポリエーテルポリウレタンの表面の少なくとも一部分をコーティングする工程をさらに含み得る。コーティングは、脂肪族ポリエーテルポリウレタンの外表面の実質的にすべてに適用され得る。第2の有機溶媒は、脂肪族エーテル溶媒または塩素化溶媒であり得る。塩素化溶媒は、塩化メチレンまたはクロロホルムであり得る。脂肪族エーテル溶媒は、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルであり得る。いくつかの態様において、第2の低級アルコールは、第1の低級アルコールと同じアルコールである。いくつかの態様において、第2の低級アルコールは、メタノールである。いくつかの態様において、溶媒はテトラヒドロフランであり、第2の低級アルコールはメタノールである。追加の治療化合物は、抗菌剤、例えばクロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンである。追加の治療剤は、トロンビン阻害剤、血小板阻害剤、抗炎症剤、抗線維化剤または血管拡張剤であり得る。いくつかの態様において、追加の治療剤は、アルガトロバンまたはジピリダモールである。追加の治療剤は、カルシウムチャネルブロッカーまたは抗不整脈薬、例えばベラパミルまたはチオリダジンである。コーティングは、AもしくはDのデュロメーターを有し得るか、またはコーティングは、AおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテル-ウレタンのブレンドを含み得る。脂肪族ポリエーテルウレタンポリマーは、医療用デバイスまたはカテーテルに含まれ得る。いくつかの態様において、ポリマーは、気管内チューブ、血管カテーテル、尿路カテーテル、腎瘻チューブ、胆管ステント、腹膜カテーテル、硬膜外カテーテル、中枢神経系カテーテル、頭蓋内カテーテル、髄腔内カテーテル、硬膜外カテーテル、整形外科用デバイス、人工弁または医療用インプラントに含まれる。カテーテルは、血管カテーテル、例えば中心静脈カテーテル、動脈ライン、肺動脈カテーテル、および末梢静脈カテーテル、動脈内カテーテルまたは静脈内(i.v.)チューブであり得る。
【0017】
本発明の別の局面は、ポリマーチューブを含むカテーテルであって、該ポリマーチューブが脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマー、脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーでコーティングされたポリウレタンポリマー、または脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーでコーティングされたポリテトラフルオロエチレンポリマーであり、ポリマーにクロルヘキシジン、ゲンジン、ガージン、ミノサイクリンおよび/またはリファンピンがコーティングまたは含浸されているカテーテルに関する。カテーテルはさらに、ポリマーチューブ上に第2のポリマーコーティングを含み得る。第2のポリマーコーティングは、脂肪族ポリエーテルポリウレタンを含み得る。コーティングは、クロルヘキシジン、ゲンジン、ガージン、ミノサイクリンおよび/またはリファンピンを含み得る。いくつかの態様において、カテーテルはさらに、追加の治療剤を含み得る。
【0018】
本明細書に記載される低デュロメーターのポリエーテルポリウレタンは、医療用デバイスの表面上に含まれ得、または医療用デバイス、例えばカテーテルを構成し得る。例示的な医療用デバイスは、例えば、気管内チューブ、血管カテーテル、尿路カテーテル、腎瘻チューブ、胆管ステント、腹膜カテーテル、硬膜外カテーテル、中枢神経系カテーテル、整形外科用デバイス、人工弁および医療用インプラントを含む。血管カテーテルは、中心静脈カテーテル、動脈ライン、肺動脈カテーテルまたは末梢静脈カテーテルであり得る。中枢神経系カテーテルは、心室内シャントであり得る。本発明から利益を享受することができる他の医療用デバイスは、いくつか挙げると、血液交換デバイス、血管アクセスポート、心臓血管カテーテル、体外循環路、ステント、移植可能な人工装具、人工血管、ポンプ、心臓弁および心臓血管縫合糸を含む。医療用デバイスは、保護具、例えば手袋、マスク、人工呼吸器、パッチ、フットカバー、靴の裏地、フリップフロップ、耳栓または鼻栓であり得る。医療用デバイスは、構造インプラント、例えばペニスインプラント、美容修復または補強インプラント、例えば乳房インプラントであり得る。いくつかの態様において、医療用デバイスは、排液チューブまたはカテーテル、シャント、ステープル、コード、クリップ、メッシュまたはフィルムである。
【0019】
本開示のいくつかの局面において、医療用デバイスは、脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマー、ポリウレタンポリマーまたはポリテトラフルオロエチレンポリマーを用いて調製される。いくつかの態様において、ポリマーのいずれかに、本明細書に記載される1つまたは複数の治療剤がコーティングまたは含浸される。そのような治療剤は、ミノサイクリン、リファンピン、クロルヘキシジン、ゲンジン、ガージン、脂肪酸、別の抗菌剤、トロンビン阻害剤、血小板阻害剤、抗炎症剤、抗線維化剤、血管拡張剤、カルシウムチャネルブロッカー、抗不整脈剤または金属イオンキレーターを含み得るがこれらに限定されない。いくつかの態様において、ポリマーには、1種類、2種類、3種類、4種類、5種類または6種類の個別の薬剤が含浸またはコーティングされる。いくつかの特定の態様において、ポリマーには、ミノサイクリン、リファンピン、およびクロルヘキシジン、ゲンジン、またはガージンがコーティングされる。いくつかの態様において、ポリマーには、ミノサイクリン、リファンピン、別の治療剤、およびクロルヘキシジン、ゲンジン、またはガージンがコーティングまたは含浸される。いくつかの態様において、ポリマーには、ミノサイクリン、リファンピンおよび別の治療剤がコーティングされる。いくつかの態様において、ポリマーには、クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンおよび別の治療剤がコーティングされる。加えて、いくつかの局面において、ポリマーに上記の治療剤が含浸またはコーティングされる前またはされた後に、該ポリマーに、脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマー、ポリウレタンポリマーまたはポリテトラフルオロエチレンポリマーから選択される第2のポリマーがコーティングされる。いくつかの態様において、ポリマーには、シリコーン、ビニル、フルオロポリマー、オレフィンまたはそれらのポリマーのブレンドがコーティングされる。第2のポリマーコーティングそれ自体にも、上記の治療剤のいずれかが含浸またはコーティングされ得る。いくつかの態様において、第1のポリマーがポリテトラフルオロエチレンである場合、該ポリマーは、第2のポリマーがコーティングされる前にまたは治療化合物がコーティングもしくは含浸される前に、エッチング処理され得る。
【0020】
様々な態様において軽減または防止され得る院内感染のタイプは、肺炎、菌血症、真菌血症、カンジダ血症、尿路感染、カテーテル出口部位感染および手術創感染を含むがこれらに限定されない。軽減または実質的に防止され得る院内感染は、細菌、例えば薬物耐性細菌によって引き起こされ得る。薬物耐性細菌のいくつかの非限定的な例は、メチシリン耐性ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌および耐性緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)を含む。院内感染は、真菌、例えば薬物耐性真菌によって引き起こされ得る。薬物耐性真菌の例は、カンジダ属のメンバーを含む。院内感染を引き起こし得る他の病原性生物による感染も、本明細書に記載される方法および医療用デバイス、例えばカテーテルの使用によって軽減または防止され得る。
【0021】
様々な局面において、抗菌剤は、広範囲の細菌および真菌生物の成長を減少させ得る。細菌は、球菌、桿菌またはらせん菌であり得る。細菌の非限定的な例は、他のグラム陽性細菌およびグラム陰性細菌の中でも特に、ブドウ球菌(例えば、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterrococcus faecalis)、緑膿菌、大腸菌(Escherichia coli)を含む。真菌生物の非限定的な例は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)およびカンジダ・クルセイ(Candida krusei)を含む。
【0022】
本明細書で使用される「有機溶媒」という用語は、抗菌剤を溶解させるために使用することができる溶媒を表す。有機溶媒は、アルコール(例えば、メタノール、エタノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン)、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)、アセトニトリル、酢酸、塩化メチレンおよびクロロホルムを含む。
【0023】
本明細書で使用される「浸透剤」という用語は、医療用デバイス中に存在し得るまたは医療用デバイスを構成し得るポリマー、例えばポリウレタンのマトリックスへの抗菌剤、例えばグアニジウム化合物の浸透を促進することができる薬剤または有機化合物を表す。そのような化合物の非限定的な例は、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミルおよびそれらの組み合わせ)、ケトン(例えば、アセトンおよびメチルエチルケトン)、塩化メチレンならびにクロロホルムである。
【0024】
本明細書で使用される「アルカリ化剤」という用語は、有機および無機塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水(例えば、27%水酸化アンモニウム)、ジエチルアミンおよびトリエチルアミンを表す。
【0025】
「反復単位」は、有機か、無機かまたは有機金属かによらず、特定の物質、例えばフレームワークおよび/またはポリマーの最も基本的な構造体である。ポリマー鎖の場合、反復単位は、ネックレスのビーズのように、鎖状に連続的に連結される。例えば、ポリエチレン-[-CH
2CH
2-]
n-において、反復単位は-CH
2CH
2-である。反復単位のいくつかの態様において、鎖の末端は、水素でキャップされる。下付き文字の「n」は、重合度、すなわち、連結された反復単位の数を表す。「n」の値が未定義のままであるまたは「n」が存在しない場合、それは単に、括弧内の式の繰り返しおよび物質のポリマー的性質を示す。そのような場合、ポリマーは、1つまたは2つ以上の反復単位を含み得る。反復単位のコンセプトは、反復単位間の接続が、例えば修飾ポリマー、熱硬化性ポリマー等において、3次元的に延びる場合にも等しく適用される。
【0026】
本明細書で使用される場合、「a」または「an」は、1つまたは複数を意味し得る。特許請求の範囲において使用される場合、「含む」という単語と組み合わせて使用されるとき、「a」または「an」という単語は、1つまたは2つ以上を意味し得る。
【0027】
特許請求の範囲における「または、もしくは」という用語の使用は、明示的に択一選択肢のみを表している場合以外では、または本開示が択一選択肢のみおよび「および/または」を表す定義を支持しているにもかかわらず択一選択肢が相互に排他的である場合以外では、「および/または」を意味するものとして使用される。本明細書で使用される場合、「別の」は、少なくとも第2のまたはそれ以外のものを意味し得る。
【0028】
本願を通して、「約」という用語は、ある値がその値を決定するために用いられるデバイス、方法に内在する誤差または研究対象間に存在するばらつきを含むことを示すために使用される。
【0029】
[本発明1001]
AまたはBのデュロメーターを有する脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーを含む医療用デバイスであって、該ポリウレタンにミノサイクリンおよびリファンピンが含浸されている、医療用デバイス。
[本発明1002]
脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーが、Aのデュロメーターを有する、本発明1001の医療用デバイス。
[本発明1003]
ポリウレタンにグアニジウム化合物がコーティングまたは含浸されている、本発明1001〜1002のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1004]
グアニジウム化合物がクロルヘキシジンである、本発明1003の医療用デバイス。
[本発明1005]
前記コーティングが色素をさらに含む、本発明1001〜1004のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1006]
色素がゲンジン(gendin)またはガージン(gardine)である、本発明1005の医療用デバイス。
[本発明1007]
前記ポリウレタンに、ゲンジン、ガージンまたはクロルヘキシジンがコーティングされている、本発明1001〜1003のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1008]
前記ポリウレタンに、ゲンジン、ガージンおよびクロルヘキシジンがコーティングされている、本発明1007の医療用デバイス。
[本発明1009]
グアニジウム化合物がクロルヘキシジンである、本発明1003の医療用デバイス。
[本発明1010]
前記ポリウレタンに含浸させた色素をさらに含む、本発明1001〜1004のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1011]
色素がゲンジンまたはガージンである、本発明1010の医療用デバイス。
[本発明1012]
前記ポリウレタンに、ゲンジン、ガージンまたはクロルヘキシジンが含浸されている、本発明1001〜1003のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1013]
前記ポリウレタンに、ゲンジン、ガージンおよびクロルヘキシジンが含浸されている、本発明1012の医療用デバイス。
[本発明1014]
前記コーティングが低級アルコールを含む、本発明1003の医療用デバイス。
[本発明1015]
前記ポリウレタンに脂肪酸が含浸またはコーティングされている、本発明1001〜1014のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1016]
脂肪酸が、カプリル酸(オクタン酸)、カプロン酸、ラウリン酸またはデカン酸である、本発明1015の医療用デバイス。
[本発明1017]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーが、式:[-O(CH2)n]m-OC(O)NH-(CH2)x-NHC(O)-の反復単位を有し;式中、n=1〜4、x=1〜12、mは1〜100であり;該反復単位が1〜250回反復し、かつポリマーの末端が水素である、本発明1001〜1016のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1011]
m=1〜50である、本発明1017の医療用デバイス。
[本発明1018]
x=1〜10である、本発明1017の医療用デバイス。
[本発明1019]
前記ポリマーが、クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンを含むポリマーコーティングをさらに含む、本発明1017の医療用デバイス。
[本発明1020]
前記ポリマーコーティングが、ポリウレタン、シリコーン、ビニル、フルオロポリマー、オレフィンまたはそれらのポリマーブレンドもしくはコポリマーをさらに含む、本発明1019の医療用デバイス。
[本発明1021]
前記ポリマーコーティングがポリウレタンコーティングである、本発明1020の医療用デバイス。
[本発明1022]
前記ポリウレタンコーティングが脂肪族ポリエーテルポリウレタンである、本発明1021の医療用デバイス。
[本発明1023]
前記ポリウレタンコーティングがAもしくはDのデュロメーターを有するか、または該コーティングがAおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテルポリウレタンのブレンドを含む、本発明1021の医療用デバイス。
[本発明1024]
前記ポリウレタンコーティングが、AおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテルポリウレタンのブレンドを含む、本発明1019の医療用デバイス。
[本発明1025]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンが、医療用デバイス上のコーティング中に含まれる、本発明1001〜1024のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1026]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンが、医療用デバイス上のコーティング中に含まれない、本発明1001〜1024のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1027]
浸透剤またはアルカリ化剤を含まない、本発明1001〜1024のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1028]
カテーテル、気管内チューブ、腎瘻チューブ、胆管ステント、整形外科用デバイス、弁、人工弁、排液チューブ、排液管、シャント、ステープル、クリップ、メッシュ、フィルム、血液交換デバイス、ポート、心臓血管デバイス、除細動器、ペースメーカーリード、ワイヤコーティング、眼インプラント、聴覚インプラント、蝸牛インプラント、歯科インプラント、刺激装置、薬物送達デポー、フィルター、メンブレン、血管アクセスポート、ステント、エンベロープ、バッグ、スリーブ、静脈用またはその他のチューブ、バッグ、包帯、パッチ、ファイバー、ピン、人工血管、縫合糸、心臓血管用縫合糸または移植可能な人工装具である、本発明1001〜1027のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1029]
カテーテルである、本発明1028の医療用デバイス。
[本発明1030]
カテーテルが、血管カテーテル、尿路カテーテル、頭蓋内カテーテル、髄腔内カテーテル、腹膜カテーテル、中枢神経系カテーテル、心臓血管カテーテル、排液カテーテル、浸漬カテーテル、吸引カテーテル、くも膜下カテーテル、神経カテーテル、刺激用カテーテルまたは硬膜外カテーテルである、本発明1029の医療用デバイス。
[本発明1031]
カテーテルが血管カテーテルである、本発明1030の医療用デバイス。
[本発明1032]
血管カテーテルが、中心静脈カテーテル、動脈ライン、肺動脈カテーテル、末梢静脈カテーテル、静脈内カテーテルまたは動脈内カテーテルである、本発明1031の医療用デバイス。
[本発明1033]
前記ポリウレタンの表面が、低級アルキルアルコール溶媒中のゲンジン、ガージンまたはクロルヘキシジンでコーティングされている、本発明1001の医療用デバイス。
[本発明1034]
ミノサイクリンおよびリファンピンが、浸透剤またはアルカリ化剤を含まない溶液を用いてポリウレタン中に含浸されている、本発明1001の医療用デバイス。
[本発明1035]
浸透剤またはアルカリ化剤を含まない、本発明1001の医療用デバイス。
[本発明1036]
前記ポリウレタンが、追加の治療剤をさらに含む、本発明1001〜1035の医療用デバイス。
[本発明1037]
追加の治療剤が前記ポリウレタン中に含浸されている、本発明1036の医療用デバイス。
[本発明1038]
追加の治療剤が、前記ポリウレタンの表面上にコーティングされている、本発明1036の医療用デバイス。
[本発明1039]
治療剤が抗菌剤である、本発明1036の医療用デバイス。
[本発明1040]
抗菌剤が、クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンである、本発明1039の医療用デバイス。
[本発明1041]
追加の治療剤が、トロンビン阻害剤、血小板阻害剤、抗炎症剤、抗線維化剤または血管拡張剤である、本発明1036の医療用デバイス。
[本発明1042]
追加の治療剤が、アルガトロバン、ジピリダモール、ニトログリセリンまたはメルカプトエタンスルホネート(MeSNA)である、本発明1041の医療用デバイス。
[本発明1043]
追加の治療剤が、カルシウムチャネルブロッカーまたは抗不整脈薬である、本発明1036の医療用デバイス。
[本発明1044]
追加の治療剤が、ベラパミルまたはチオリダジンである、本発明1043の医療用デバイス。
[本発明1045]
医療用デバイスの少なくとも一部分にヒドロゲルポリエーテルウレタンがコーティングされている、本発明1001〜1044のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1046]
ヒドロゲルポリエーテルウレタンが、TECOPHILIC、TECOFLEXまたはポリウレタンコポリマーである、本発明1045の医療用デバイス。
[本発明1047]
ポリテトラフルオロエチレンを含む、本発明1001〜1046のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1048]
医療用デバイスの表面にキレーターがコーティングされているか、または該デバイスにキレーターが含浸されている、本発明1001〜1046のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1049]
キレーターがEDTAカルシウム二ナトリウムである、本発明1048の医療用デバイス。
[本発明1050]
EDTAカルシウム二ナトリウムが、コーティング溶液中に約0.01〜1.5% EDTAの量で含まれている、本発明1049の医療用デバイス。
[本発明1051]
カテーテルである、本発明1001〜1049のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1052]
カテーテルが、排液カテーテルまたは血管カテーテルである、本発明1051の医療用デバイス。
[本発明1053]
カテーテルにクロルヘキシジンが含浸またはコーティングされている、本発明1051の医療用デバイス。
[本発明1054]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーが、医療用デバイスの表面上にコーティングされている、本発明1001〜1053のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1055]
AまたはBのデュロメーターを有する脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーを含む医療用デバイスであって、該ポリウレタンにクロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンが含浸されている、医療用デバイス。
[本発明1056]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンに第2のポリマーがコーティングされている、本発明1055の医療用デバイス。
[本発明1057]
第2のポリマーがポリウレタンである、本発明1056の医療用デバイス。
[本発明1058]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンにクロルヘキシジンおよびガージンが含浸されている、本発明1055〜1057のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1059]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンにクロルヘキシジンおよびゲンジンが含浸されている、本発明1055〜1057のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1060]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンにクロルヘキシジン、ゲンジンおよびガージンが含浸されている、本発明1055〜1057のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1061]
第2のポリマーがミノサイクリンおよびリファンピンを含む、本発明1055〜1060のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1062]
前記ポリマーがポリウレタンである、本発明1061の医療用デバイス。
[本発明1063]
前記ポリウレタンが脂肪族ポリエーテルポリウレタンである、本発明1061の医療用デバイス。
[本発明1064]
第2のポリマーがAもしくはDのデュロメーターを有するか、またはコーティングがAおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテルポリウレタンのブレンドを含む、本発明1055〜1061のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1065]
前記ポリウレタンコーティングが、AおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテルポリウレタンのブレンドを含む、本発明1055の医療用デバイス。
[本発明1066]
カテーテルである、本発明1055の医療用デバイス。
[本発明1067]
医療用デバイスの少なくとも一部分にヒドロゲルポリエーテルウレタンがコーティングされている、本発明1055〜1060のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1068]
ヒドロゲルポリエーテルウレタンが、TECOPHILIC、TECOFLEXまたはポリウレタンコポリマーである、本発明1067の医療用デバイス。
[本発明1069]
医療用デバイスの表面にキレーターがコーティングまたは含浸されている、本発明1055〜1068のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1070]
キレーターがEDTAカルシウム二ナトリウムである、本発明1069の医療用デバイス。
[本発明1071]
カテーテルである、本発明1055〜1070のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1072]
カテーテルが、排液カテーテルまたは血管カテーテルである、本発明1071の医療用デバイス。
[本発明1073]
カテーテルにクロルヘキシジンが含浸またはコーティングされている、本発明1071の医療用デバイス。
[本発明1074]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーが、医療用デバイスの表面上にコーティングされている、本発明1055〜1073のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1075]
ミノサイクリンおよびリファンピンが含浸されたポリマーを含む医療用デバイスであって、該ポリマーの表面に脂肪酸またはグアニジウム化合物を含むポリマーコーティングがコーティングされている、医療用デバイス。
[本発明1076]
前記ポリマーコーティングが、ポリウレタン、シリコーン、ビニル、フルオロポリマー、オレフィンまたはそれらのポリマーブレンドもしくはコポリマーを含む、本発明1075の医療用デバイス。
[本発明1077]
前記ポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、本発明1075の医療用デバイス。
[本発明1078]
前記ポリマーコーティングがポリウレタンコーティングである、本発明1075の医療用デバイス。
[本発明1079]
前記ポリウレタンコーティングがAもしくはDのデュロメーターを有するか、または該コーティングがAおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテルポリウレタンのブレンドを含む、本発明1078の医療用デバイス。
[本発明1080]
前記ポリウレタンがクロルヘキシジンを含む、本発明1078の医療用デバイス。
[本発明1081]
脂肪酸が、カプリル酸(オクタン酸)、カプロン酸、ラウリン酸またはデカン酸である、本発明1078の医療用デバイス。
[本発明1082]
脂肪酸がカプリル酸である、本発明1081の医療用デバイス。
[本発明1083]
前記ポリマーコーティングがメルカプトエタンスルホネート(MeSNA)をさらに含む、本発明1075〜1082のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1084]
トロンビン阻害剤、血小板阻害剤、抗炎症剤、抗線維化剤または血管拡張剤をさらに含む、本発明1083の医療用デバイス。
[本発明1085]
トロンビン阻害剤、血小板阻害剤、抗炎症剤、抗線維化剤または血管拡張剤をさらに含む、本発明1075の医療用デバイス。
[本発明1086]
前記ポリマーが、ポリウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル(PVC)、フルオロポリマーもしくはポリエステルまたはそれらのコポリマーもしくはブレンドである、本発明1075の医療用デバイス。
[本発明1087]
医療用デバイスの少なくとも一部分にヒドロゲルポリエーテルウレタンがコーティングされている、本発明1075〜1086のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1088]
ヒドロゲルポリエーテルウレタンが、TECOPHILIC、TECOFLEXまたはポリウレタンコポリマーである、本発明1087の医療用デバイス。
[本発明1089]
ポリテトラフルオロエチレンを含む、本発明1001〜1088のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1090]
ポリテトラフルオロエチレンがTEFLON(登録商標)である、本発明1040〜1050.3の医療用デバイス。
[本発明1091]
医療用デバイスの表面にキレーターがコーティングまたは含浸されている、本発明1001〜1090のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1092]
キレーターがEDTAカルシウム二ナトリウムである、本発明1091の医療用デバイス。
[本発明1093]
カテーテルである、本発明1001〜1092のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1094]
カテーテルが、排液カテーテルまたは血管カテーテルである、本発明1093の医療用デバイス。
[本発明1095]
カテーテルにクロルヘキシジンが含浸またはコーティングされている、本発明1093の医療用デバイス。
[本発明1096]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーが、医療用デバイスの表面上にコーティングされている、本発明1001〜1096のいずれかの医療用デバイス。
[本発明1097]
カテーテルの本体部分がAデュロメーターの脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーを含み、該ポリウレタンに
(i)ミノサイクリンおよびリファンピン;または
(ii)クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージン
のいずれかが含浸されている、抗菌カテーテル。
[本発明1098]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーが、式:[-O(CH2)n]m-OC(O)NH-(CH2)x-NHC(O)-の反復単位を有し;式中、n=1〜4、x=1〜10、mは100未満であり、mはxより大きく、該反復単位が1〜250回反復し、かつポリマーの末端が水素である、本発明1097のカテーテル。
[本発明1099]
前記反復単位が1〜100回反復する、本発明1098のカテーテル。
[本発明1100]
医療用デバイスの少なくとも一部分にヒドロゲルポリエーテルウレタンがコーティングされている、本発明1097〜1099のいずれかのカテーテル。
[本発明1101]
ヒドロゲルポリエーテルウレタンが、TECOPHILICまたはポリウレタンコポリマーである、本発明1099のカテーテル。
[本発明1102]
医療用デバイスの表面にキレーターがコーティングまたは含浸されている、本発明1097〜1101のいずれかのカテーテル。
[本発明1103]
キレーターがEDTAカルシウム二ナトリウムまたはクエン酸塩である、本発明1102のカテーテル。
[本発明1104]
クロルヘキシジンが含浸またはコーティングされている、本発明1097〜1103のカテーテル。
[本発明1105]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーが、医療用デバイスの表面上にコーティングされている、本発明1097〜1104のいずれかのカテーテル。
[本発明1106]
前記ポリウレタンが、追加の治療剤を含むポリウレタンコーティングをさらに含む、本発明1097〜1098のいずれかのカテーテル。
[本発明1107]
追加の治療剤が抗菌剤である、本発明1106のカテーテル。
[本発明1108]
抗菌剤が、クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンである、本発明1107のカテーテル。
[本発明1109]
前記コーティングがクロルヘキシジンおよびゲンジンを含む、本発明1107のカテーテル。
[本発明1110]
前記コーティングがクロルヘキシジンおよびガージンを含む、本発明1107のカテーテル。
[本発明1111]
抗菌剤がミノサイクリンまたはリファンピンである、本発明1107のカテーテル。
[本発明1112]
前記コーティングがミノサイクリンおよびリファンピンを含む、本発明1107のカテーテル。
[本発明1113]
追加の治療剤が、トロンビン阻害剤、血小板阻害剤または血管拡張剤である、本発明1106のカテーテル。
[本発明1114]
追加の治療剤が、アルガトロバン、ジピリダモール、ニトログリセリンまたはトロンビン阻害剤である、本発明1113のカテーテル。
[本発明1115]
血管カテーテル、尿路カテーテル、頭蓋内カテーテル、髄腔内カテーテルまたは硬膜外カテーテルである、本発明1097〜1114のいずれかのカテーテル。
[本発明1116]
血管カテーテルである、本発明1115のカテーテル。
[本発明1117]
血管カテーテルが、中心静脈カテーテル、動脈ライン、肺動脈カテーテル、末梢静脈カテーテル、静脈内カテーテルまたは動脈内カテーテルである、本発明1116のカテーテル。
[本発明1118]
本発明1097〜1117のいずれかのカテーテルを対象に挿入する工程を含む、カテーテル法。
[本発明1119]
対象が哺乳動物である、本発明1118の方法。
[本発明1120]
対象がヒトである、本発明1119の方法。
[本発明1121]
(a)脂肪族ポリエーテルポリウレタンと、第1の低級アルコールおよび少なくとも1種類の抗菌剤を含む溶液とを、該脂肪族ポリエーテルポリウレタンに該少なくとも1種類の抗菌剤を含浸させるのに十分な時間接触させる工程であって、該溶液が浸透剤またはアルカリ化剤を含まない、工程;ならびに
(b)該脂肪族ポリエーテルポリウレタンを実質的に乾燥させる工程
を含む、抗菌ポリマーの製造方法。
[本発明1122]
前記少なくとも1種類の抗菌剤がミノサイクリンおよびリファンピンである、本発明1121の方法。
[本発明1123]
前記少なくとも1種類の抗菌剤がクロルヘキシジンである、本発明1121の方法。
[本発明1124]
前記少なくとも1種類の抗菌剤がゲンジンまたはガージンをさらに含む、本発明1123の方法。
[本発明1125]
前記低級アルコールがC1〜6アルコールである、本発明1121の方法。
[本発明1126]
C1〜6アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールまたはイソプロパノールである、本発明1125の方法。
[本発明1127]
前記低級アルコールがメタノールである、本発明1126の方法。
[本発明1128]
前記溶液が低級アルコールからなる、本発明1121の方法。
[本発明1129]
(c)工程(a)の後に、第2の低級アルコール、第2の有機溶媒および追加の治療化合物を含む第2の溶液で前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンの表面の少なくとも一部分をコーティングする工程
をさらに含む、本発明1121の方法。
[本発明1130]
前記コーティングが、前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンの外表面の実質的にすべてに適用される、本発明1129の方法。
[本発明1131]
第2の有機溶媒が、脂肪族エーテル溶媒または塩素化溶媒である、本発明1129の方法。
[本発明1132]
塩素化溶媒が、塩化メチレンまたはクロロホルムである、本発明1131の方法。
[本発明1133]
脂肪族エーテル溶媒が、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルである、本発明1131の方法。
[本発明1134]
第2の低級アルコールが第1の低級アルコールと同じアルコールである、本発明1129の方法。
[本発明1135]
第2の低級アルコールがC1〜6アルコールである、本発明1134の方法。
[本発明1136]
第2の低級アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールまたはイソプロパノールである、本発明1135の方法。
[本発明1137]
前記低級アルコールがメタノールである、本発明1136の方法。
[本発明1138]
前記溶媒がテトラヒドロフランであり、第2の低級アルコールがメタノールである、本発明1129の方法。
[本発明1139]
追加の治療化合物が第2の抗菌剤である、本発明1129の方法。
[本発明1140]
第2の抗菌剤が、クロルヘキシジン、ゲンジンン、ガージン、ミノサイクリンまたはリファンピンである、本発明1139の方法。
[本発明1141]
追加の治療剤が、トロンビン阻害剤、血小板阻害剤、抗炎症剤、抗線維化剤または血管拡張剤である、本発明1129の方法。
[本発明1142]
追加の治療剤が、アルガトロバンまたはジピリダモールである、本発明1141の方法。
[本発明1143]
追加の治療剤が、カルシウムチャネルブロッカーまたは抗不整脈薬である、本発明1129の方法。
[本発明1144]
追加の治療剤が、ベラパミルまたはチオリダジンである、本発明1143の方法。
[本発明1145]
前記コーティングがAもしくはDのデュロメーターを有するか、または該コーティングがAおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテル-ウレタンのブレンドを含む、本発明1129の方法。
[本発明1146]
前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンが、式:[-O(CH2)n]m-OC(O)NH-(CH2)x-NHC(O)-の反復単位を有し;式中、n=1〜4、x=1〜10、mは500未満であり、mはxより大きく、該反復単位が1〜250回反復し、かつポリマーの末端が水素である、本発明1121の方法。
[本発明1147]
mが1〜250である、本発明1146の方法。
[本発明1148]
前記反復単位が1〜100回反復する、本発明1146の方法。
[本発明1149]
得られるポリエーテルポリウレタンが、AまたはBのデュロメーターを有する、本発明1146の方法。
[本発明1150]
前記脂肪族ポリエーテルウレタンポリマーが、医療用デバイスまたはカテーテルに含まれる、本発明1121の方法。
[本発明1151]
前記脂肪族ポリエーテルウレタンポリマーが、気管内チューブ、血管カテーテル、尿路カテーテル、腎瘻チューブ、胆管ステント、腹膜カテーテル、硬膜外カテーテル、中枢神経系カテーテル、頭蓋内カテーテル、髄腔内カテーテル、硬膜外カテーテル、整形外科用デバイス、人工弁または医療用インプラントに含まれる、本発明1150の方法。
[本発明1152]
カテーテルが血管カテーテルである、本発明1151の方法。
[本発明1153]
血管カテーテルが、中心静脈カテーテル、動脈ライン、肺動脈カテーテル、および末梢静脈カテーテル、動脈内カテーテルまたは静脈内(i.v.)チューブである、本発明1152の方法。
[本発明1154]
(a)ポリマーと、低級アルコール、ミノサイクリン、リファンピンおよびアルカリ化剤を含む溶液とを、脂肪族ポリエーテルポリウレタンにミノサイクリンおよびリファンピンを含浸させるのに十分な時間接触させる工程;
(b)アルカリ化剤を実質的に中和させるのに十分な時間、アルカン酸を含む中和溶液にポリマーを曝露する工程;ならびに
(c)ポリマーを実質的に乾燥させる工程
を含む、抗菌ポリマーの製造方法。
[本発明1155]
アルカリ化剤が水酸化ナトリウムである、本発明1154の方法。
[本発明1156]
前記溶液が浸透剤をさらに含む、本発明1154の方法。
[本発明1157]
浸透剤が酢酸エチルまたは酢酸ブチルである、本発明1156の方法。
[本発明1158]
前記ポリマーがポリウレタンである、本発明1154の方法。
[本発明1159]
前記ポリウレタンが脂肪族ポリエーテルポリウレタンである、本発明1158の方法。
[本発明1160]
工程(b)がアルキル化剤の大部分または実質的にすべてを中和することを含む、本発明1154の方法。
[本発明1161]
低級アルコールがメタノールである、本発明1154の方法。
[本発明1162]
アルカン酸がC1〜6アルカン酸である、本発明1154の方法。
[本発明1163]
C1〜6アルカン酸が、酢酸、ギ酸、プロピオン酸または酪酸である、本発明1162の方法。
[本発明1164]
C1〜6アルカン酸が酢酸である、本発明1163の方法。
[本発明1165]
(d)工程(a)の後に、第2の低級アルコール、第2の有機溶媒および追加の治療化合物を含む第2の溶液で前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンの表面の少なくとも一部分をコーティングする工程
をさらに含む、本発明1154の方法。
[本発明1166]
前記コーティングが、前記脂肪族ポリエーテルポリウレタンの外表面の実質的にすべてに適用される、本発明1165の方法。
[本発明1167]
第2の有機溶媒が、脂肪族エーテル溶媒または塩素化溶媒である、本発明1165の方法。
[本発明1168]
塩素化溶媒が、塩化メチレンまたはクロロホルムである、本発明1167の方法。
[本発明1169]
脂肪族エーテル溶媒が、テトラヒドロフランまたはジエチルエーテルである、本発明1167の方法。
[本発明1170]
第2の低級アルコールが第1の低級アルコールと同じアルコールである、本発明1165の方法。
[本発明1171]
第2の低級アルコールがメタノールである、本発明1165の方法。
[本発明1172]
前記溶媒がテトラヒドロフランであり、第2の低級アルコールがメタノールである、本発明1165の方法。
[本発明1173]
追加の治療化合物が抗菌剤である、本発明1165の方法。
[本発明1174]
抗菌剤が、クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンである、本発明1173の方法。
[本発明1175]
追加の治療剤が、トロンビン阻害剤、血小板阻害剤、抗炎症剤、抗線維化剤または血管拡張剤である、本発明1165の方法。
[本発明1176]
追加の治療剤が、アルガトロバンまたはジピリダモールである、本発明1165の方法。
[本発明1177]
追加の治療剤が、カルシウムチャネルブロッカーまたは抗不整脈薬である、本発明1165の方法。
[本発明1178]
追加の治療剤が、ベラパミルまたはチオリダジンである、本発明1177の医療用デバイス。
[本発明1179]
前記コーティングがAもしくはDのデュロメーターを有するか、または該コーティングがAおよびDデュロメーターの脂肪族ポリエーテル-ウレタンのブレンドを含む、本発明1165の方法。
[本発明1180]
前記脂肪族ポリエーテルウレタンポリマーが、医療用デバイスまたはカテーテルに含まれる、本発明1154の方法。
[本発明1181]
前記ポリマーが、気管内チューブ、血管カテーテル、尿路カテーテル、腎瘻チューブ、胆管ステント、腹膜カテーテル、硬膜外カテーテル、中枢神経系カテーテル、頭蓋内カテーテル、髄腔内カテーテル、硬膜外カテーテル、整形外科用デバイス、人工弁または医療用インプラントに含まれる、本発明1154の方法。
[本発明1182]
カテーテルが血管カテーテルである、本発明1181の方法。
[本発明1183]
血管カテーテルが、中心静脈カテーテル、動脈ライン、肺動脈カテーテル、および末梢静脈カテーテル、動脈内カテーテルまたは静脈内(i.v.)チューブである、本発明1182の方法。
[本発明1184]
ポリマーチューブを含むカテーテルであって、該ポリマーチューブが脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマー、脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーでコーティングされたポリウレタンポリマー、または脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーでコーティングされたポリテトラフルオロエチレンポリマーであり、該ポリマーにクロルヘキシジン、ゲンジン、ガージン、ミノサイクリンおよび/またはリファンピンがコーティングまたは含浸されている、前記カテーテル。
[本発明1185]
ポリマーチューブ上に第2のポリマーコーティングをさらに含む、本発明1184のカテーテル。
[本発明1186]
第2のポリマーコーティングが脂肪族ポリエーテルポリウレタンを含む、本発明1185のカテーテル。
[本発明1187]
前記コーティングがクロルヘキシジン、ゲンジン、ガージン、ミノサイクリンおよび/またはリファンピンを含む、本発明1186のカテーテル。
[本発明1188]
デバイスが追加の治療剤をさらに含む、本発明1184〜1187のいずれかのカテーテル。
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、本発明の精神および範囲内での様々な変更および改変がこの詳細な説明から当業者に明らかであることから、詳細な説明および具体的な実施例は、本発明の好ましい態様を示すものであるが、例示目的で提供されるにすぎないことを理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
例示的な態様の説明
デュロメーターAまたはBの抗菌性脂肪族ポリエーテルポリウレタンを含む医療用デバイスおよびカテーテルが本明細書に提供される。脂肪族ポリエーテルウレタンポリマーは、式:[-O(CH
2)
n]
m-OC(O)NH-(CH
2)
x-NHC(O)-の反復単位を有し得;式中、n=1〜4、x=1〜12およびmは1〜100である。いくつかの態様において、このポリウレタンに、得られるポリマーの柔軟性に悪影響を及ぼすことなく、抗菌剤が含浸および/またはコーティングされ得ることが分かった。これらの抗菌ポリマーは特にカテーテルにおいて有用であり得、その際に柔軟性およびよじれまたは破損に対する耐性が臨床利用に有益である。
【0033】
脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマーには、1つまたは複数の抗菌剤、例えばミノサイクリンおよびリファンピンが含浸され得る。いくつかの態様において、ポリマーには、追加の抗菌剤を含むポリウレタンコーティングがコーティングされる。追加の抗菌剤は、クロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンであり得る。以下の実施例で示されるように、ポリマーへのミノサイクリン、リファンピンと、クロルヘキシジン、ゲンジン、またはガージンのいずれか1つとの含浸が、長期保管の間にポリマーの柔軟性に悪影響を及ぼし得ることが分かった。これに対しておよび以下の実施例に示されるように、これらの抗菌剤を異なるポリマー層に分離する(例えば、ミノサイクリンおよびリファンピンをポリマー中に含浸させ、そしてクロルヘキシジン、ゲンジンまたはガージンを含む別のコーティングを適用する)ことで、より長い期間の保管の間も改善された柔軟性、機械的特性および耐よじれ性を示す抗菌ポリマーを得ることができる。
【0034】
抗菌性脂肪族ポリエーテルポリウレタンの製造方法もまた提供される。いくつかの態様において、低級アルコールおよび抗菌剤を含み、浸透剤またはアルカリ化剤を含まない溶液をポリウレタンと接触させることによって、脂肪族ポリエーテルポリウレタンに1つまたは複数の抗菌剤が含浸され得る。浸透剤およびアルカリ化剤の排除は、いくつかの態様において、より長い期間の保管の間の、例えば数週間または数ヶ月の間のポリマーの強度および柔軟性の保持を促進し得る。いくつかの態様において、ポリマーへの抗菌剤の含浸を促進するためにアルカリ化剤、例えば水酸化ナトリウムを使用することが望まれる場合、この方法はさらに、アルカリ化剤を中和することを含み得る。例えば、アルカリ化剤、例えば水酸化ナトリウムへの曝露の後、ポリマー中に含浸したまま残る水酸化ナトリウムの大部分または実質的にすべてを中和するために、得られたポリマーは、酢酸の溶液と接触され得る。任意のポリウレタン中に残存する含浸したアルカリ化剤の中和はまた、より長い期間の保管における改善された強度、柔軟性ならびによじれおよび/または破損に対する耐性に寄与し得る。以下の実施例に示されるように、ポリマーへの抗菌剤の含浸を促進するために加熱を必要とする方法と異なり、室温、低級アルコール、例えばメタノール中で、ポリエーテルポリウレタンに抗菌剤が含浸され得ることが分かった。ポリマーへのさらなる加熱を行わない室温(例えば、25〜30℃)での抗菌剤の含浸は、いくつかの態様において、得られるポリマーの強度および柔軟性に対する改善をもたらし得る。そのようなポリマーの強度、柔軟性および耐よじれ性に対する改善は、医療用デバイス、例えばカテーテルにおける該ポリマーの臨床利用に有益であり得る。
【0035】
1. 脂肪族ポリエーテルウレタン
いくつかの局面において、脂肪族ポリエーテルポリウレタン(本明細書で「脂肪族ポリエーテルウレタンポリマー」とも称される)は、医療用デバイス、例えばカテーテル中に含まれ得る。異なるポリウレタンのタイプのサンプル化学構造を、以下に示す。
【0036】
いくつかの態様において、n=1〜4、x=1〜12およびm=1〜100である。いくつかの態様において、mはxより大きい。nは、1、2、3または4であり得る。xは1〜6または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12であり得る。いくつかの態様において、x=1〜12、1〜10、1〜8または1〜6である。いくつかの態様において、n=4およびx=6である。低デュロメーターの(軟質の)脂肪族ポリウレタンは典型的により高い比率の軟質セグメント(m>x)を有し、高デュロメーターのポリウレタンはより高い比率の硬質セグメント(x>m)を有する。いくつかの態様において、m=1〜100、1〜99、1〜90、1〜80、1〜70、1〜60、1〜50、1〜40、1〜30、1〜20またはその間で派生する任意の範囲である。いくつかの態様において、ポリマーは、式 H[-O(CH
2)
n]
m-OC(O)NH-(CH
2)
x-NHC(O)-Hを有する。いくつかの態様において、脂肪族ポリエーテルポリウレタンは、低デュロメーターポリウレタンである。
【0037】
他方、典型的な芳香族ポリエーテルウレタンの化学構造は、以下に示され:
脂肪族ポリウレタンにおける場合と異なり、硬質セグメントが芳香族基を含んでいる。上記のサンプル構造の軟質および硬質セグメントの正確な化学構造の修飾が可能である。所定のポリウレタンのデュロメーターは、軟質および剛性セグメントの相対比によって支配される。
【0038】
本明細書で使用される場合、「ポリエーテルポリウレタン」、「ポリエーテルウレタン」または「ポリエーテル-ウレタン」は、上記の脂肪族ポリエーテルポリウレタンを表し得る。
【0039】
様々なコポリマーまたはブレンドが、本発明と共に使用され得る。いくつかの態様において、ポリウレタンは、別のポリマーとブレンドされ得る。いくつかの態様において、ミノサイクリンおよびリファンピンが、医療用デバイス中に存在するポリマー、コポリマーまたはポリマーブレンドに含浸される。これらのポリマー、コポリマーおよびポリマーブレンドは、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィンおよびフルオロポリマーを含む。いくつかの態様において、ポリウレタンは、ペレタン(pellethane)である。いくつかの態様において、ポリマー、コポリマーまたはブレンドに、ミノサイクリンおよびリファンピンが含浸され、次いでポリマー、コポリマーまたはブレンドの表面の1つまたは複数に、クロルヘキシジンがコーティングされる。コーティングは、共溶解ポリマーを含み得る。ポリマーは、ポリウレタンであり得る。本明細書にさらに詳細に記載されているように、コーティングは、ポリマーを、例えば追加の治療剤を含む溶媒に曝露することによって生成され得る。溶媒を蒸発させることで、ポリウレタンは乾燥し、接着性の弾性コーティングになり得る。未硬化シリコーンもまた、コーティング中に含まれ得る。未硬化シリコーンは、適用された後、接着性の弾性コーティングを形成するよう、インサイチューで硬化し得る。
【0040】
いくつかの態様において、医療用デバイスに配合され得る脂肪族ポリエーテルポリウレタンは、Lubrizol Tecoflex(商標)EG80A、EG85A、EG93AもしくはEG100A、Bayer Duraflex(登録商標)A4700脂肪族エーテルTPU、Argotec(登録商標)Argothane脂肪族ポリエーテルTPU 3751またはAdvanSource Biomaterials HydroSlip(商標)親水性ポリエーテル脂肪族ポリウレタンを含む。いくつかの態様において、Lubrizol Tecoflex(商標)EG93Aが、医療用デバイスに配合され得る。ポリカプロラクトンベースのポリウレタンエラストマーを含むポリエステルがポリエーテルポリウレタンの代わりにまたはポリエーテルポリウレタンと組み合わせて使用され得ることが想定されている。ポリエステルベースのポリウレタンエラストマーは、Estane(商標)であり得る。様々な態様において、以下の市販品の1つまたは複数がブレンドされ得るまたは様々な態様でそれ以外の方法で使用され得る:Texin(商標)、Desmopan(商標)(Bayer, Leverkusen, Germany);ChronoThane(商標)、ChronoFlex(商標)、HydroMed(商標)、HydroThane(商標)(Advanced Biomaterials, Wilmington, MA);Quadrathane(商標)、Quadraflex(商標)、Quadraphilic(商標)(Biomerics, Salt Lake City, UT)。本発明のポリウレタンはまた、カーボネートブロック、シロキサンブロックまたはシラン誘導体を含み得る。
【0041】
A. デュロメーターおよびポリウレタンの硬さの等級
異なるモノマー化学に起因する異なるポリウレタンの堅さを反映する1つの特性は、デュロメーターである。デュロメーターの測定は、ASTM-D2240で定義されており、これは、特定の先端形状を用いて所定の付与された力によって生成されたくぼみの深さを通じた物質の硬さの尺度である。デュロメーターシステムでは、異なる特性を有する異なる物質に対して使用される多くの異なる等級がある。(より軟質のプラスチックのための)A等級で測定されるデュロメーターは、截頭円錐形の先端を利用し、D等級で測定されるデュロメーターは、とがった円錐形の先端を使用する。デュロメーターA〜D型は、プラスチックの硬さを示すために伝統的に使用されており、A型およびD型が最も一般的に使用される。A型は、容易に変形し得る軟質ゴムおよびプラスチックを表し、D型は、例えばボーリング用ボールおよび安全ヘルメットを製造するために使用される、より硬質のプラスチックを表すために使用される。各型において、物質に1〜100のサブスコア値が付与され、100がその型の中で最も硬質の物質であり1が最も軟質である。このシステムはその規格によって境界が定まる多くの異なる等級を有するが、これらの等級はA型スコア100の物質がD型スコア58に相関するよう重複している。本発明のいくつかの態様において、医療用デバイスを構築するために使用される物質の硬さは、30〜100の間のA型スコアを有するA〜D型デュロメーターである。いくつかの態様において、物質は、A型93を記録する硬さを有する。いくつかの態様において、本明細書に記載されるポリエーテルポリウレタンは、AまたはBのデュロメーターを有する。いくつかの態様において、ポリウレタンは、低デュロメーターまたはAデュロメーターのポリウレタンである。このデュロメーターのポリウレタンは、30A〜80Dであり得る。いくつかの好ましい態様において、ポリウレタンのデュロメーターは、80A〜95Aである。
【0042】
B. 治療剤
医療用デバイス、例えばカテーテルには、1つまたは複数の治療剤が含浸またはコーティングされ得る。例えば、医療用デバイスまたはカテーテルは、感染率および副作用を減少させるのを助けるために、1つまたは複数の抗菌剤、例えばリファンピンおよびミノサイクリンを含み得る。いくつかの態様において、抗菌剤は、ポリエーテルポリウレタンの含浸を通じて、医療用デバイスまたはカテーテルの表面に組み込まれる。治療剤は、コーティング中に存在し得またはポリマー表面上にコーティングされ得る。
【0043】
いくつかの態様において、医療用デバイスまたはカテーテルのポリエーテルポリウレタン表面または本体部分に、ミノサイクリンおよびリファンピンが含浸される。リファンピンは、リファマイシングループの殺菌性抗生薬である。リファンピンのIUPAC体系名は、(7S,9E,11S,12R,13S,14R,15R,16R,17S,18S,19E,21Z)-2,15,17,27,29-ペンタヒドロキシ-11-メトキシ-3,7,12,14,16,18,22-ヘプタメチル-26-{(E)-[(4-メチルピペラジン-1-イル)イミノ]メチル}-6,23-ジオキソ-8,30-ジオキサ-24-アザテトラシクロ[23.3.1.14,7.05,28]トリアコンタ-1(28),2,4,9,19,21,25(29),26-オクタエン-13-イルアセテートである。ミノサイクリンもまた、デバイスのポリエーテルポリウレタン表面または本体部分に組み込まれ得る。ミノサイクリンは、(2E,4S,4aR,5aS,12aR)-2-(アミノ-ヒドロキシ-メチリデン)-4,7-ビス(ジメチルアミノ)-10,11,12a-トリヒドロキシ-4a,5,5a,6-テトラヒドロ-4H-テトラセン-1,3,12-トリオンのIUPAC体系名を有するテトラサイクリンベースの広域抗生物質である。
【0044】
ポリエーテルポリウレタン表面またはカテーテルには、クロルヘキシジンが含浸される。クロルヘキシジン(N',N'''''-ヘキサン-1,6-ジイルビス[N-(4-クロロフェニル)(イミドジカルボンイミド酸ジアミド)])は、グラム陽性およびグラム陰性細菌に対して有効であり得る低分子殺菌剤である。いくつかの態様において、クロルヘキシジンは、別の抗菌性グアニジウム化合物、例えばアレキシジン、ヘキサミジン、ポリヘキサメチルビグアニドもしくはクロルヘキシジン塩と組み合わせて使用され得るまたはそれらと置き換えられ得る。
【0045】
いくつかの態様において、ポリウレタンポリマーまたはカテーテルには、ゲンジンまたはガージンがコーティングまたは含浸され得る。ゲンジンは、クロルヘキシジンおよび色素ゲンチアナ・バイオレットの両方の組み合わせである。ゲンチアナ・バイオレットは、異なるタイプのポリマーにおける含浸に適したトリアリールメタン色素である。さらなる他の色素は、例えばブリリアント・グリーンおよび食品安全色素、例えばFD&Cブルー1号およびFD&Cイエロー5号である。ブリリアント・グリーンがクロルヘキシジンと組み合わされる場合、この組み合わせはガージンと呼ばれる。これらの色素とクロルヘキシジンとの混合物は、各化合物をポリマーにより含浸させ、より高い抗生物質効力をもたらし、そして幅広い範囲の異なるポリマー配合物と共に機能する。クロルヘキシジン対色素の比の範囲は、例えばUS 7,713,472に記載されるものが使用され得る。
【0046】
中鎖脂肪酸またはモノグリセリドが、本明細書に開示されるポリマー中に含浸またはポリマー上にコーティングされ得る。中鎖脂肪酸またはモノグリセリドは、広域抗菌活性を有し得る。使用され得る例示的な中鎖脂肪酸は、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸およびドデカン酸ならびにそれらのモノグリセリドを含む。脂肪酸は、C
6〜12アルカン酸またはC
6〜10アルカン酸であり得る。いかなる学説による拘束も望まないが、中鎖脂肪酸またはモノグリセリドは、微生物、例えば細菌において膜透過性を亢進またはそれ以外の方法で膜機能を撹乱し得る。中鎖脂肪酸またはモノグリセリドは、1つまたは複数の抗生物質、例えばミノサイクリンおよびリファンピンと組み合わされ得る。脂肪酸またはモノグリセリドは、本明細書に記載されるポリマーコーティングにおいて、エマルジョン、懸濁物または溶液に組み込まれ得る。いくつかの態様において、中鎖脂肪酸またはモノグリセリドは、ミノサイクリンおよびリファンピンが含浸されるポリマー、例えば脂肪族ポリエーテルポリウレタンの1つまたは複数の表面上に適用される。
【0047】
いくつかの態様において、ポリエーテルポリウレタン表面またはカテーテルは、抗凝固剤、血小板阻害剤または直接トロンビン阻害剤を含む。カテーテルへの抗凝固剤の含浸は、カテーテルが目詰りするまたは塞がれる可能性を減少させ得る。カテーテルの閉塞の可能性の減少は、カテーテルが動脈内または静脈内で使用され得る態様において特に望ましいことがある。いくつかの態様において、アルガトロバンが、ポリエーテルポリウレタン表面または本体部分に含まれるまたは含浸される。アルガトロバンは、(2R,4R)-1-[(2S)-5-(ジアミノメチリデンアミノ)-2-[[(3R)-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-8-イル]スルホニルアミノ]ペンタノイル]-4-メチル-ピペリジン-2-カルボン酸]]のIUPAC体系名を有する抗凝固剤である。いくつかの態様において、ジピリダモールが、ポリエーテルポリウレタン表面または本体部分上またはそれらの中に含まれ得る。ジピリダモール(2,2',2'',2'''-(4,8-ジ(ピペリジン-1-イル)ピリミド[5,4-d]ピリミジン-2,6-ジイル)ビス(アザネトリイル)テトラエタノール)は、血栓形成を阻害し、血管拡張を促進し得る。いくつかの態様において、硝酸グリセロールが、ポリエーテルポリウレタン表面または本体部分上またはそれらの中に含まれ得る。硝酸グリセロールは、血小板の活性化を阻害し得る(例えば、He'bert et al., 1997, Lacoste et al., 1994)。
【0048】
いくつかの態様において、ポリエーテルポリウレタン表面またはカテーテルは、カルシウムチャネルブロッカーを含み得る。カルシウムチャネルブロッカーは、心臓への血液および酸素の供給を増加させ得、カルシウムチャネルブロッカーの添加は、例えば動脈内または静脈内で使用され得るカテーテルに添加する場合に、有用であり得る。カルシウムチャネルブロッカーは、ベラパミル、アムロジピン、ニフェジピン、ジルチアゼム、チオリダジンまたはチオリダジンアナログであり得る。いくつかの態様において、カルシウムチャネルブロッカーは、フェニルアルキルアミンクラスL型カルシウムチャネルブロッカー、例えばベラパミル((RS)-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-5-{[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル]-(メチル)アミノ}-2-プロプ-2-イルペンタンニトリル]])またはチオリダジン(10-{2-[(RS)-1-メチルピペリジン-2-イル]エチル}-2-メチルスルファニルフェノチアジン]])である。幅広い様々な治療剤が本発明のカテーテルに含まれ得ることが想定されている。いくつかの態様において、カルシウムチャネルブロッカーは、脂肪族ポリエーテルポリウレタン中に含浸または脂肪族ポリエーテルポリウレタン上にコーティングされている。
【0049】
II. カテーテルおよびポリウレタン表面の製造方法
A. アルカリ化剤および浸透剤
いくつかの局面において、医療用デバイスに存在するポリマーに、アルカリ化剤または浸透剤を使用せずに、1つまたは複数の治療剤が含浸され得る。いくつかの態様において、ポリマーは、医療用デバイス、例えばカテーテル中に存在する低デュロメーターのポリエーテルポリウレタンである。以下の実施例でさらに詳細に記載されるように、本発明者らは、浸透剤またはアルカリ化剤の使用がカテーテルの柔軟性、強度および/またはよじれに対する感受性に悪影響を及ぼし得ることを発見した。柔軟性の低下したカテーテルは、高いよじれの可能性を有し得、臨床利用に対する適性が低くなり得る。以下に記載されるように、低級アルコール(例えば、メタノール)ならびに1つまたは複数の抗菌剤(例えば、ミノサイクリンおよびリファンピン)を含む溶液へのポリウレタン、例えばポリエーテルポリウレタンの曝露は、アルカリ化剤または浸透剤を使用しないポリウレタンへの抗菌剤の含浸を実現し得る。
【0050】
一般に、アルカリ化剤は、pHを上昇させることによって、物質のバルクpHを変化させ得る。アルカリ化剤は、塩基の水酸化物、例えば水酸化ナトリウムを含む。浸透剤は、ポリマーの透過性を増大させるために使用することができ、ポリウレタンに添加される分子がそのポリマーに含浸する能力を強化するために使用され得る有機分子である。ポリウレタンに対する浸透剤は、非極性剤、例えば酢酸エチルまたはブチルを含む。さらなるアルキル化剤は、例えば、US 5,624,704およびUS 5,902,283に記載されており、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0051】
脂肪族ポリエーテルポリウレタンへの抗菌剤の含浸は、浸透剤またはアルカリ化剤を含まない、低級アルコールを含む溶液に、ポリウレタンを曝露することによって達成され得る。いくつかの態様において、ポリエーテルポリウレタンへの1つまたは複数の抗菌剤の含浸は、抗菌剤(例えば、ミノサイクリンおよびリファンピン)を含む溶媒、例えば低級アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール)に、ポリエーテルポリウレタンを、約1〜600分間、1〜60分間、1〜30分間、1〜15分間または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15分間またはその中で派生する任意の範囲の間曝露することによって達成され得る。
【0052】
含浸反応は、室温で行われ得る。いくつかの態様において、低級アルコール溶媒中、室温で、低デュロメーターポリエーテルポリウレタンに抗菌剤、例えばミノサイクリンおよびリファンピンが含浸され得る。含浸反応は、約25〜30℃または25、26、27、28、29もしくは30℃またはその中で派生する任意の範囲の温度で行われ得る。いくつかの態様において含浸は室温で行われるが、そうであったとしても、望ましい場合に、幅広い範囲の温度が使用されることが想定されている。例えば、殺菌化合物および混合物の含浸は、約25〜50℃の間の温度で行われ得る。1つまたは複数の殺菌剤または抗菌剤の含浸後、ポリウレタンポリマーは、例えば以下の実施例で示されるように、細菌、例えば緑膿菌のコロニー形成に対してより耐性となり得る。
【0053】
B. よじれの少ないカテーテルを製造するための中和方法
いくつかの局面において、ポリマーへの抗菌剤の含浸を促進するためにアルカリ化剤を使用することが望ましい場合、この方法はさらに、ポリマー中に含浸した状態で残存し得るアルカリ化剤の大部分または実質的にすべてを実質的に中和する中和工程を含み得る。いくつかの態様において、中和抗体の添加は、改善された強度、柔軟性および/または耐よじれ性を有するカテーテルを製造するために使用され得る。
【0054】
アルカリ化剤は抗菌剤の含浸を増大させることができるが、それらはまた、得られるポリマーの強度および柔軟性を低下させ得る。例えば、アルカリ処理補助剤、例えば水酸化ナトリウムは、ポリウレタンカテーテルの耐久性に影響し得るため、一般に、十分な機械的強度を有する最終カテーテルを得るために堅い出発カテーテル組成物が必要とされる。堅い出発カテーテルの使用は、それを屈曲する際に、よりよじれ易くする。以下の実施例で示されるように、抗菌剤(例えば、ミノサイクリン、リファンピンおよび/またはクロルヘキシジン)の含浸後の酸中和工程の追加が、カテーテルまたは医療用デバイス中の任意の残留アルカリ化剤の中和を促進するために使用され得る。いくつかの態様において、中和工程は、約0.5〜3%の酢酸を含む溶液中でのポリウレタンの洗浄を含む。
【0055】
有機溶媒および浸透剤を用いてポリマーデバイスに抗菌組成物、例えばミノサイクリンおよびリファンピンを含浸させる方法は、US 5,624,704およびUS 5,902,283に記載されており、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。アルカリ化剤は、含浸度を実質的に増大させるために使用され得る。本発明者らは、アルカリ化剤が弾性ポリマーデバイス、例えばポリエーテルポリウレタンカテーテルと共に使用される場合に、アルカリ化後の酸中和工程の導入がその弾性を実質的に増大させ、得られる抗菌ポリウレタンデバイスの剛性を低下させ得ることを観察した。いくつかの態様において、アルカリ化剤は水酸化ナトリウムであり、中和工程は、含浸した水酸化ナトリウムの大部分または実質的にすべてを中和するのに十分な時間の酢酸溶液へのポリマーの曝露を含む。
【0056】
いくつかの態様において、以下の中和方法が使用され得る。ポリウレタンカテーテルは、約15%メタノール/85%酢酸ブチル溶液を含み、1つまたは複数の抗菌剤、例えばミノサイクリンおよびリファンピンならびに約1%水酸化ナトリウムをさらに含む溶液中、約45℃でインキュベートされ得る。1時間の処理後、このカテーテルセグメントは風通しされ、次いで60℃で一晩乾燥され得る。乾燥させたカテーテルは、1%酢酸を含む脱イオン水中で繰り返し洗浄、例えば3回洗浄され得る。次いでカテーテルは、再度、例えば60℃で4時間、乾燥され得る。中和剤を含む溶液を用いる洗浄は、約1分〜24時間、1分〜1時間または約1〜15分間行われ得る。
【0057】
C. 改善された耐よじれ性および安定性を有するM/R/CHおよびゲンジン/ガージンカテーテルのためのサンドイッチデザイン
以下の実施例に示されるように、カテーテル中に含浸されたミノサイクリン、リファンピンおよびクロルヘキシジンの組み合わせ(M/R/CH)は、長期間の保管の間、低下した安定性を示すことが本発明者らによって観察された。いかなる学説による拘束も望まないが、これらの結果は、この特定の化合物の組み合わせが、カテーテルまたはポリマー中に同時に含浸された場合に、ポリマーと相互作用し、そのポリマーの物理的特徴に悪影響を及ぼすという考え方を支持している。本発明者らは、これらの3つの化合物が(例えば、US20120064372に記載されるような、カテーテルをクロルヘキシジン(CH)で事前飽和させ、その後にミノサイクリン(M)およびリファンピン(R)を含浸させる方法を用いて)カテーテル中に同時に含浸された場合に、25℃での数ヶ月間の保管の間に光沢のない粉末状の物質が表面に沿って形成し得ることを観察した。この形成は、典型的には、カテーテルの挿入を妨害し、血栓形成の原因として作用し得るため、望ましくない。
【0058】
いくつかの態様において、任意で内腔および外表面の両方にM、RまたはCHを含むポリマーコーティングは、表面に到達する抗菌剤の移動を減少させ得るまたは実質的に防止し得る。ポリウレタンコーティングは、ポリウレタンカテーテルにとって最適なコーティングであることおよびポリエーテルウレタンを揮発性溶媒に溶解させることができ、溶液として適用することができることが見出された。驚くべきことに、M/R/CHまたはゲンジン/ガージンと組み合わされた外面コーティングは、特にDおよびAデュロメーターの脂肪族ポリエーテル-ウレタンのブレンドを含む場合に、耐よじれ性および弾性を増大させる。
【0059】
いくつかの態様において、本明細書に記載される医療用デバイス、例えばカテーテルの脂肪族ポリエーテルポリウレタンには、ゲンジン、ガージンまたはクロルヘキシジンが含浸され得、ならびにMおよび/またはRがコーティングされ得る。そのようなカテーテルにおいては、MおよびRが含浸され、ゲンジン、ガージンまたはクロルヘキシジンがコーティングされたカテーテルと比較して同様の耐よじれ性および弾性の増強が観察され得ることが想定されている。コーティングは、AまたはDデュロメーターの脂肪族ポリエーテル-ウレタンまたはDおよびAデュロメーターの脂肪族ポリエーテル-ウレタンのブレンドを含み得る。
【0060】
D. 脂肪族ポリエーテル-ウレタンにM/R/CHまたはゲンジン/ガージンを含浸させる簡素化された方法
堅いポリウレタンにM/Rおよび任意でCHを含浸させるには、現在のところ、溶媒、浸透剤および好ましくはアルカリ化剤を使用する必要がある。このプロセスは、完了までに1時間以上を要し得る。特定の柔らかいポリウレタンを用いることで、本発明は、様々な局面において、浸透剤およびアルカリ化剤を使用せずにカテーテルを製造する方法を提供する。いくつかの態様において、溶媒、例えば低級アルコールのみを用いて、Aデュロメーターの脂肪族ポリエーテル-ウレタンに、抗菌剤(例えば、M/R/CH、ゲンジン/ガージン、CHまたはM/R)が含浸され得る。さらに、これらのポリマーの含浸は、約5分未満で達成され得る。いくつかの態様において、含浸は、1、2、3、4もしくは5分またはその中で派生する任意の範囲で達成され得る。いくつかの態様において、含浸は、室温で行われ得る。いくつかの態様において、含浸は、25〜30℃の間であり得る温度で行われる。いくつかの態様において、含浸は、25、26、27、28、29もしくは30℃またはその中で派生する任意の温度で行われる。これらの方法は製造時間を短縮し得るので、カテーテル製造の費用対効果も改善され得る。含浸温度を上げれば、含浸に必要とされる時間がさらに短縮され得る。浸透剤およびアルカリ化剤を排除する能力は、サプライチェーンの複雑さ、材料および廃棄物の費用および処理費用を減少させ得る。
【0061】
Aデュロメーターの脂肪族ポリエーテルポリウレタンへの1つまたは複数の抗菌剤(例えば、M/R/CH)の含浸は、溶媒中にいかなる浸透剤、アルカリ化剤または透過剤(例えば、水酸化ナトリウム)も含めない、ポリマーと抗菌剤を含む溶媒(例えば、低級アルコール)の熱力学的に望ましい混合を用いて達成され得る。脂肪族ポリエーテル-ウレタンは、例えば、Tecoflex(商標)ブランドの下でLubrizol Corpから市販されている。以下の実施例に示されるように、ミノサイクリンおよびリファンピンは、その薬剤のための有機溶媒、例えば、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール)のみを使用して、高ポリエーテル価(Aデュロメーター)のTecoflex(商標)を迅速に含浸させることができることが観察された。溶媒または低級アルコールは、ポリマー構造に対して弱く可逆的な効果を発揮し得る。この薬剤およびポリマーの好ましい組み合わせは、追加の浸透剤に対する必要性を回避し得る。浸透剤が使用される場合、ポリマーは実質的に膨張し得、蒸発させたときに機械的利益、例えば配向性および結晶性が実質的に減少または消失し得る。さらに、浸透剤が使用される場合、押出しまたは成型された形状は、厚みが膨張し、それによってそれらは特定の次元でより堅くなる。ポリマーデバイスを含浸させる上での浸透剤と組み合わせたアルカリ化剤の使用は、機械的特性、例えば弾性に有害であり得る。成形済みのデバイスを含浸させるためのこれらの薬剤、溶媒およびポリマーの組み合わせは、基本となる成形済みデバイスに対する変化を減少させるまたは最小限に抑えた高速、簡潔な含浸プロセスを実現し得る。
【0062】
加えて、いくつかの態様において、含浸された(例えば、M/Rを含浸された)ポリマーに、任意で1つまたは複数の追加の抗菌剤を含むポリエーテルポリウレタンがコーティングされ得る。いくつかの態様において、デバイスは、そのデバイスを、透過剤を含む有機溶媒または溶液中のポリマーの溶液に浸漬させ、次いでそのデバイスを取り出し乾燥させることによってコーティングされる。いくつかの態様において、透過剤は、脂肪族エーテル、例えば溶媒テトラヒドロフラン(THF)である。溶液は、約1〜25%、1〜10%もしくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10%またはその中で派生する任意の範囲の濃度を有し得る。いくつかの態様において、デバイスは、一晩乾燥され得る。デバイスは、約1〜16時間、5〜10時間もしくは5、6、7、8、9、10時間またはその中で派生する任意の範囲の間乾燥され得る。いくつかの態様において、乾燥は、室温でまたは乾燥プロセスを速めるために高温で行われる。乾燥は、約25〜30℃もしくは25、26、27、28、29もしくは30℃またはその中で派生する任意の範囲の温度で行われ得る。
【0063】
E. 単一工程の組み合わされた抗血栓-抗菌コーティング
カテーテルの血栓形成は、長期的移植で問題となり得る。フィブリンの重合を減少または防止するために、トロンビン活性化の阻害が使用され得る。静脈内ポリマーデバイス上でのトロンビンの活性化を減少または防止するために、ポリマー表面へのヘパリン付加が使用され得る。ヘパリンは非水性流体への曝露によって不溶性となるかまたは不活性化されるので、これを達成するためのプロセスは複数工程であり、複雑である。ヘパリン付加は、典型的に、最初に表面への結合分子またはポリマーの付加、その後にその活性化およびヘパリン水溶液への曝露を要する。ヘパリンと抗菌剤、例えばクロルヘキシジン、ゲンチアナ・バイオレット、ブリリアント・グリーン、ミノサイクリンおよびリファンピンとの組み合わせは、カップリング化学が概ねこれらの薬剤に不適合であるため、問題となり得る。驚くべきことに、本発明者らは、M/R/CH/ゲンジン/ガージンと適合する一般的な有機溶媒、例えばメタノール、酢酸ブチル、THFおよびハロゲン化有機物を用いるポリマーコーティングにおいて、異なる低分子トロンビン阻害剤であるアルガトロバンをこれらの抗菌剤と組み合わせることができることを見出した。低級アルコール、例えばメタノールが、ポリマーまたはカテーテル表面にアルガトロバンをコーティングするために使用され得る。いくつかの態様において、アルガトロバン溶液組成物は、約0.1〜10%、0.1〜5%もしくは0.1〜2%またはその中で派生する任意の範囲のアルガトロバンを含む。加えて、さらなる抗血栓性防御が、血小板活性化阻害剤の添加によって達成され得る。本発明者らは、ジピリダモールが、M/R/CH/ゲンジン/ガージンのコーティングおよび含浸システムにおいて使用される溶媒と適合し得、かつアルガトロバンおよび/または他の抗菌剤とも、追加のプロセス複雑性を導入せず複雑さをさらに減少させる単一工程のコーティングで容易に組み合わされ得ることを観察した。
【実施例】
【0064】
III.実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を実証するために含まれている。以下の実施例に開示される技術は本発明の実施において十分に機能することが本発明者らによって発見された技術であり、したがってその実施の好ましい様式を構成するものとみなされ得ることが当業者に理解されるべきである。しかし、当業者は、本開示に照らして、開示される個々の態様において多くの変更がなされ得ることならびにそれでもなお本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果が得られることが理解されるべきである。
【0065】
実施例1
M/R含浸ポリウレタンカテーテルセグメントの調製
1セットのポリウレタンカテーテルセグメント(4 cm)を、3%リファンピン、1.5%ミノサイクリンおよび1%水酸化ナトリウムを含む15%メタノール/85%酢酸ブチル溶液中45℃での処理によってミノサイクリン(M)およびリファンピン(R)で処理した。1時間の処理後、カテーテルセグメントに風通しし、次いで60℃で一晩乾燥させた。乾燥させたカテーテルを脱イオン水で3回洗浄し、次いで再度、60℃で4時間乾燥させた。
【0066】
第2のセットのカテーテルセグメントは、水酸化ナトリウム濃度を1%に代えて0.33%に減らし、処理時間を1時間に代えて2時間にしたことを除いて、第1のセットと同一の様式で調製した。
【0067】
第3のセットのカテーテルセグメントは、洗浄工程を1%酢酸溶液中で行ったことを除いて第2のセットと同一の様式で調製した。
【0068】
実施例2
含浸ポリウレタンカテーテルセグメントのポリウレタンコーティング
第4のセットのカテーテルは、実施例1の第3のセットと同じ様式で調製した。加えて、このカテーテルセグメントセットについては、その表面を、テトラヒドロフラン(THF)中6%の脂肪族ポリエーテル-ウレタン溶液(Tecoflex(登録商標)93A、Lubrizol Corp)に軽く浸漬させることによってポリウレタンでコーティングした。コーティングされたカテーテルセグメントを、化学ドラフト中に一晩吊るすことによって、室温で乾燥させた。
【0069】
実施例3
よじれが発生する曲げ角の測定
4cm長のセグメントを、一端を固定し他端をゆっくりと曲げる/回転させることによって、よじれの発生について試験した。よじれの発生を、曲げ点が曲がり始める角度として記録した。この角度は、分度器で測定した。この分析の結果が以下の表1に示されている。
【0070】
【表1】
【0071】
よじれ発生までの角度が大きいほど、曲げ/歪みに対するカテーテルセグメントの耐性がより大きい。
【0072】
実施例4
クロルヘキシジン-ミノサイクリン-リファンピン(CH-M-R)処理カテーテルの安定性
4cm長のカテーテルセグメントを、最初に20%THF/80%メタノール中、1時間、二酢酸クロルヘキシジン(4%)で予備飽和させ、その後に15%メタノール/85%酢酸ブチル溶液中、45℃で2時間、3% R、1.5% Mおよび0.33%水酸化ナトリウムにより処理することによってCH-M-Rを含浸させた。乾燥後、このセグメントを1%酢酸溶液中で3回洗浄し、再度乾燥させた。1つのサンプルセットはさらに、70% THF/30%メタノール中に3%クロルヘキシジンを含む7% Tecoflex(登録商標)93Aの溶液に浸漬し、次いで数秒以内に引っ張りだし風乾させることによってさらにコーティングした。
【0073】
これらのサンプルを周囲温度でエイジングさせた。3週間のエイジングの後、粉末が含浸カテーテルの表面に広がることでよりでこぼこになり、かつ変色した。ポリマーコートセグメントは、ツヤのある滑らかな表面仕上げを維持した。
【0074】
実施例5
浸透剤またはアルカリ化剤を用いない低デュロメーター脂肪族ポリウレタンの抗菌含浸処理
Tecoflex(登録商標)93Aポリウレタンを、Lubrizol Corpから入手した。それを円筒状のセグメントに成型した。円筒状セグメントを、室温で2、5、10および15分間、メタノール中15%ミノサイクリンおよび30%リファンピンの溶液に曝露することによって含浸させた。このセグメントを乾燥させ、次いで含浸度を決定するために輪切りした。また、円筒状セグメントに、室温でメタノール中0.1%ゲンチアナ・バイオレットおよび4%二酢酸クロルヘキシジンの溶液を曝露することによってゲンジンを含浸させた。含浸は、2、5、10および15分間行った。このセグメントを乾燥させ、次いで含浸度を決定するために輪切りした。また、円筒状セグメントに、室温でメタノール中0.3%ゲンチアナ・バイオレットおよび4%二酢酸クロルヘキシジンの溶液を曝露することによってゲンジンを含浸させた。このセグメントを乾燥させ、次いで含浸度を決定するために輪切りした。25℃でメタノールを用い抗菌剤を含めずに処理したセグメントは、わずかな放射状の膨張を示し(約10〜20%)、乾燥させることでそれらの元の直径に復帰した。
【0075】
実施例6
浸透剤およびアルカリ化剤を使用せずに(溶媒のみを用いて)ミノサイクリン/リファンピン(M/R)を含浸させた異なるポリウレタンの抗菌能
3つの異なるタイプのポリウレタンの含浸を、20℃で30分間、メタノール中15mg/mLミノサイクリンおよび30mg/mlリファンピンの溶液に、押し出し成形されたセグメントを浸漬することによって試みた。含浸後、セグメントを水中で洗浄し、次いで乾燥させた。含浸させたポリウレタンのタイプは、低デュロメーターの脂肪族ポリエーテルウレタン(Tecoflex(登録商標)93A)、高デュロメーターの脂肪族ポリエーテルウレタン(Tecoflex(登録商標)55D)および低デュロメーターの芳香族ポリエーテルウレタン(Tecothane(登録商標)95A)であった。対照は、含浸させなかった各タイプのポリマーの未処理セグメントとした。
【0076】
バイオフィルムコロニー形成の改良型クーンモデル[H. Hanna et al., 2006; R. Hachem et al., 2009]にしたがい、未コーティング対照の1cm長セグメントおよび含浸カテーテルセグメントを、当院からのアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)の臨床単離体によるバイオフィルム形成の阻害に関して三連で試験した。セグメントをドナーヒト血漿中に37℃で24時間、次いで血清中に37℃で1週間浸した。次いで、各タイプのカテーテルの3つの個々のセグメントを、1mLのミューラー・ヒントンブロス中5.0x10
5 cfu/mlの細菌細胞を含む滅菌24ウェル組織培養プレート上に置き、24時間インキュベートした。インキュベート後、接種細菌を廃棄し、セグメントを1mLの0.9%滅菌生理食塩水中で30分間振盪することによって洗浄した。次いでこのセグメントを、滅菌棒を用いて取り出し、5mLの0.9%生理食塩水中に入れ、15分間超音波処理した。超音波処理後、各サンプルを5秒間ボルテックスし、100μLの超音波処理液を連続希釈し、定量培養のためにTrypticase Soy Agar + 5% Sheep Blood上に置いた。次いでプレートを37℃で逆さにして24時間インキュベートし、コロニーの成長をカウントした。結果が
図1に示されている。
【0077】
実施例7
溶媒のみを用い浸透剤またはアルカリ化剤を用いずにM/Rを含浸させた異なるポリウレタン基材に対する接着性アシネトバクター・バウマニの減少(cfu/mL)
低デュロメーターの脂肪族ポリエテールウレタンのみが、M/R処理において浸透剤またはアルカリ化剤を用いなかった場合に、微生物接着の4-logの減少を示した。高デュロメーターの脂肪族ポリエテールウレタンおよび低デュロメーターの芳香族ポリエテールウレタンは、接着生物の2 logの減少またはそれ未満を示した。このことは、すべてのポリウレタンが、溶媒(メタノール)のみを用いた場合に同様の性能を発揮する訳ではないこと;したがって先行技術の浸透剤(酢酸ブチル)およびアルカリ化剤(水酸化ナトリウム)を含めることが必要であること、を実証している。我々は、驚くべきことに、溶媒のみを用い処理中に浸透および/またはアルカリ化剤を使用しない処理で、特定のサブクラスのポリウレタン(低デュロメーターの脂肪族ポリエーテルウレタン)において、持続的なM/R抗菌保護(接着生物の4-logの減少)を得ることができることを見出した。
【0078】
実施例8
浸透剤またはアルカリ化剤を用いないM/Rおよびゲンジンの低デュロメーター脂肪族ポリウレタンサンプルへの含浸度
実施例4の乾燥、含浸させたポリウレタン円筒体を、手術用メスを用いて輪切りにした。すべてのM/Rサンプルで、断面全体が赤みがかっていた。2分ゲンジン曝露サンプルは、断面全体が明るい紫色となり、5分間またはそれより長く浸漬したサンプルは濃い紫色となった。
【0079】
サンプルをピンと伸ばした。5分間より長く処理したM/Rサンプルは、5分以下の曝露サンプルよりも明らかに低い引っ張り強さを示した(ずっと低い力を適用することで伸びた)。2分0.1%ゲンジンサンプルは、メタノール処理対照と同様の力を必要とし;5分およびそれ以上のサンプルはより簡単に伸びた。0.3%ゲンジンサンプルは、同様の時間伸長挙動を示した。より簡単な伸長は、溶媒蒸発後の抗菌剤による脂肪族ポリエーテルウレタンの可塑化を示している。
【0080】
ゲンジンサンプルの表面は、メタノール対照の表面よりも柔らかく粘着性であった。
【0081】
実施例9
ゲンジン含浸脂肪族ポリエーテルウレタンセグメントのポリウレタンコーティング
5分0.3%ゲンジン含浸セグメントにさらに6% Tecoflex(登録商標)93Aおよび3% 60Dの混合物をコーティングした。コーティング溶液はさらに、60% THF/40%メタノール中に4%二酢酸クロルヘキシジンおよび0.1%ゲンチアナ・バイオレットを含んでいた。コーティングは、円筒体をコーティング溶液に浸漬し、その後数秒以内に引き上げることによって行った。コーティングおよび含浸されたセグメントを、化学ドラフト中、周囲温度で一晩乾燥させた。
【0082】
実施例10
ゲンジン脂肪族ポリエーテルウレタンセグメントの引っ張り伸び
93A-60Dブレンドは、93Aのみコーティング溶液よりも粘着性の低い表面を有していた(より硬かった)。1.25kgのおもりを93A-60Dコーティングセグメントの端からぶら下げたときの伸長をさらに測定した。その結果が以下の表2に示されている。
【0083】
【表2】
【0084】
コーティングは、ゲンジン含浸サンプルの本来の引っ張り特性をほぼ回復した。コーティングサンプルは、実施例6のゲンジンサンプルよりも粘着性が低くかつ堅固であった。
【0085】
実施例11
アルガトロバンを含むコーティング溶液の調製
実施例9に記載されたコーティング溶液にさらに1%濃度で溶解させたアルガトロバン一水和物を加えた。浸漬、引き上げおよび乾燥の後に非粘着性で滑らかなコーティングがカテーテル表面に形成された。
【0086】
実施例12
溶媒、浸透剤およびアルカリ化剤を用いて調製されたM/R高デュロメーター脂肪族ポリウレタンカテーテルと溶媒のみを用いて調製されたM/R低デュロメーター脂肪族ポリウレタンカテーテルの比較
カテーテルセグメントを、含浸が60分間であることを除いて、実施例6のメタノール浸漬方法によって低デュロメーターポリエーテルウレタンから調製した。M/R高デュロメーターポリウレタンカテーテルセグメントもまた、浸透剤(酢酸ブチル)、溶媒(メタノール)およびアルカリ化剤を用いてUS 5,624,704およびUS 5,902,283の方法によって調製した。対照は、M/R処理した両タイプのポリウレタンのセグメントとした。
【0087】
微生物学的ベースライン試験:セグメントを、アシネトバクター・バウマニによるコロニー形成に抗する能力について三連で試験した。セグメントを、1mlのヒトドナー血漿を含む滅菌24ウェル組織培養プレートに24時間置いて血液タンパク質の結合を刺激し、そして37℃でインキュベートした。次いで血漿を、ミューラーヒストンブロス中5.0 x 105細胞のA.バウマニと置き換え、さらに24時間インキュベートした。インキュベート後、接種細菌を廃棄し、セグメントを1mlの0.9%滅菌生理食塩水中で30分間振盪することによって洗浄した。次いでこのセグメントを、滅菌棒を用いて取り出し、5mlの0.9%生理食塩水中に入れ、15分間超音波処理した。超音波処理後、各サンプルを5秒間ボルテックスし、各セグメントからの100μlの液体を連続希釈し、定量培養のためにTrypticase Soy Agar + 5% Sheep Blood上に置いた。次いでプレートを37℃で24時間インキュベートし、コロニーの成長をカウントした。
【0088】
微生物学的耐久性試験:刺激された生理学的環境下でのバイオフィルム形成の長時間阻害の耐久性を試験するため、対照およびM/Rカテーテルセグメントを血清中、37℃で1週間さらにインキュベートし、次いで上記のようにしてAバウマニ接種菌を負荷した。別のセットを2週間、および別のセットを3週間、インキュベートした(血清は毎週交換した)。インキュベートしたカテーテルセグメントの各追加セットに対するA.バウマニの負荷は、上記のようにして行った。
【0089】
ベースライン、1週、2週および3週のA.バウマニ回収量を、以下に報告する。対照カテーテル(異なるポリウレタンベース材料)はほぼ同じ結果であったので、平均対照を
図2に示す。
【0090】
1週目で、60分メタノール含浸は、A.バウマニのコロニー形成を完全に防ぐことができ、実施例Aの30分間の処理を通して改善された耐久性を示した。A.バウマニコロニー形成の完全な防止は、3週間維持された。溶媒、浸透剤およびアルカリ化剤を用いて調製されたM/Rカテーテルの性能は2週間の間同様であったが、3週目にA.バウマニ接着のブレイクスルーが起こった。低デュロメーター脂肪族ポリウレタンのメタノール(溶媒のみ)M/R含浸は、各時点で、US 5,624,74およびUS 5,902,283に記載される溶媒、浸透剤およびアルカリ化剤法を用いてより高いデュロメーターのポリウレタンから調製されたM/Rカテーテルと同等またはそれより優れた性能を示した。
【0091】
実施例13
溶媒(メタノール)のみ含浸M/Rカテーテルに対するサンドイッチCHコーティング
実施例12のようにメタノール溶液(15 mg/mlミノサイクリン、30 mg/mlリファンピン)への浸漬によって、低デュロメーター脂肪族ポリウレタンカテーテルセグメントにM/Rを含浸させ、洗浄し、そして乾燥させた。M/Rセグメントの一部にはさらに、以下のようにして二酢酸クロルヘキシジン(CH)を連続的にコーティングした。
【0092】
内腔のコーティング:乾燥させた含浸カテーテルの内腔は、メタノール中に溶解させたCHのテトラヒドロフラン中に溶解させた脂肪族ポリウレタンへの混合によってコーティングされ得る。最終コーティング溶液は、30%メタノール/70%テトラヒドロフラン混合溶媒中8 mg/ml CH、1.5%ポリウレタンポリマーからなる。このコーティング溶液を、カテーテルの内腔に注入し、そして乾燥し滑らかな内腔表面が形成されるよう直ちに風通し/乾燥させた。
【0093】
外面のコーティング:内腔のコーティングおよび乾燥の後、脂肪族ポリウレタンポリマーを含むより濃いCH溶液を用いてカテーテルを外面からコーティグした。最終外面コーティング溶液は、30%メタノール/70%テトラヒドロフラン混合溶媒中42 mg/ml CHおよび11%ポリウレタンを含んでいた。外面コーティングは、カテーテルを素早く浸漬させ次いで引き上げ、その後に一晩吊るして風通しさせて滑らかな表面仕上げを残すことによって適用される。
【0094】
CH内腔および外面コーティングのみを有する(M/Rを有さない)カテーテルセグメントも調製した。追加の対照は、未処理カテーテルセグメントとした。
【0095】
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびカンジダ・アルビカンスの臨床単離体によるコロニー形成に抗するカテーテルの能力を、実施例12に記載される微生物学的方法を用いて試験した。ベースラインおよび耐久性の両方の結果が
図3に示されている。
【0096】
CHサンドイッチコーティングを有するM/Rカテーテルのみが、MRSAおよびC.アルビカンスのコロニー形成を3週間の間完全に阻害することができた。CHサンドイッチコーティングを有するM/Rカテーテルは、各時点で、M/RのみまたはCHのみよりもすぐれた性能を示した。
【0097】
実施例14
ゲンジンサンドイッチコーティング
ゲンジン低デュロメーター脂肪族ポリウレタンカテーテルセグメントを実施例5に記載されるようにして調製した。内腔面および外面のサンドイッチゲンジンコーティングは、内腔コーティング溶液がCHに加えて0.02%ゲンチアナ・バイオレットも含んでいたことを除いて実施例13に記載されているようにして調製した。外面コーティング溶液は、CHに加えて0.1%ゲンチアナ・バイオレットも含んでいた。対照は、未処理カテーテルセグメントおよび(実施例13のようにして)CHのみでサンドイッチコーティングされたセグメントとした。抗菌耐久性は、実施例13のようにして試験した。MRSA負荷の結果が
図4に示されている。カンジダ・アルビカンスおよびカンジダ・グラバラタ(Candida glabarata)に対する結果が
図5に示されている。これらの結果は、サンドイッチコーティングによって調製されたゲンジンカテーテルが、各負荷生物に対して、各時点で非常に効果的でありCHのみより優れた性能を発揮することを示している。
【0098】
実施例15
ゲンジンサンドイッチコーティングTeflon(登録商標)カテーテル
Teflonカテーテルをメタノールで十分洗浄し、乾燥させた。カテーテルを40〜50℃に温めた。次いでカテーテルを、温かい(50〜60℃)Fluoroetch溶液中に2〜3分間浸漬させた。カテーテルをすぐにメタノール中で15秒間、次いで熱い(70℃)脱イオン水中で30秒間洗浄し、その後に熱い(70℃)脱イオン水-酢酸(2〜5%)溶液(pH4)中で1分間洗浄した。カテーテルを完全に乾燥させた。カテーテルを、0.04%(400 ug/ml)〜0.01%(100 ug/ml)の範囲の低ゲンチアナ・バイオレット濃度を使用する改変を行って実施例9のようにしてゲンジンポリウレタン溶液でコーティングした。ゲンジンコーティングTEFLONカテーテルの抗菌能が、以下の
図6に示されている。
【0099】
実施例16
ヒドロゲルコーティングカテーテル
実施例13および14に記載されるヒドロゲルコーティングカテーテルをさらに、以下の改変を加えて以下のように試験した。
【0100】
第2のコーティング工程の追加
実施例14のカテーテルに、THF溶媒中のヒドロゲルポリエーテルウレタン(Tecophilic(登録商標)ポリウレタン、Lubrizol Corp.)および水・メタノール中のポリビニルピロリドンの追加の表面層をスプレーコーティングした。乾燥後、湿らせたラテックス製手袋をはめた指先をカテーテル表面に沿って滑らせることによって、サンプルを摩擦抵抗について手作業で試験した。ヒドロゲルコーティングカテーテルは、それがないものよりも顕著に滑らかであった。
【0101】
単一コーティング工程の組み込み
実施例13の外面コーティングを、脂肪族ポリウレタンおよびヒドロゲルポリエーテルウレタン(Tecophilic(登録商標)ポリウレタン、Lubrizol Corp)のブレンドを用いて調製した。コーティングは、0:100、1:99、10:90、25:75、50:50、75:25、90:10および100:0のブレンド比ならびに5〜11%の範囲の総ポリウレタン濃度を用いて調製した。乾燥後、ラテックス製手袋をはめた指先を湿らせ、表面上を滑らせることによって、コーティングを摩擦抵抗について手作業で試験した。10%またはそれ以上のヒドロゲルポリエーテルウレタンを含むブレンドコーティングは、他よりも顕著に滑らかであった。
【0102】
実施例13の外面コーティングを、2.4% CH、2.3% Tecoflex(登録商標)60D、1.5% Tecoflex(登録商標)93Aおよび1.5% Tecophilic(登録商標)93A(式1)ならびに2.4% CH、3% Tecoflex(登録商標)60Dおよび3% Tecophilic(登録商標)60D(式2)を含む溶液を用いて調製した。抗菌耐久性を、実施例12に記載される方法によって、MRSA、緑膿菌(PS)およびカンジダ・アルビカンス(Ca)に対して試験した。結果が
図7に示されている。低いCHおよびポリマー濃度のTecophilic(登録商標)含有コーティングは、実施例13のカテーテルと比較して、抗菌能の低下を示さなかった。
【0103】
実施例17
ミノサイクリン-リファンピンおよびキレーターの含浸
カテーテルを実施例12のように含浸させた。いくつかのカテーテルについて、含浸溶液は、メタノール中に1.5%の濃度で共溶解させたキレーターであるエチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム(CaEDTA)も含んでいた(M/R+CaEDTA)。実施例12に記載される方法を用いて、カテーテルを、MRSAに対する1週間抗菌耐久性について試験した。対照は、実施例12のようにして調製したカテーテルとした。結果が以下の
図8に示されている。M/R+CaEDTAカテーテルは、M/Rカテーテルを上回る改善された抗菌耐久性を示した。
【0104】
実施例18
サンドイッチコーティングされたミノサイクリン-リファンピンおよびキレーターカテーテル
ミノサイクリン-リファンピン(M/R)+キレーター(エチレンジアミン四酢酸カルシウム、「CaEDTA」)を含浸させたカテーテルを、実施例17に記載されるようにして調製し、そしてこれらのカテーテルをさらに実施例13(M/R+CaEDTA/CHサンドイッチ)および実施例16(M/R+CaEDTA/式IおよびM/R+CaEDTA/式2;単一コーティング工程の組み込みを使用する)に記載されるようにしてコーティングした。抗菌耐久性を、実施例16(単一コーティング工程の組み込み)に記載される試験を用いて試験した。結果が以下の
図9に示されている。M/R+CaEDTAカテーテルにおいて、低いクロルヘキシジン(CH)およびポリマー濃度を有するTecophilic(登録商標)含有コーティングは、実施例13のCHサンドイッチコーティングと比較して抗菌能の低下を示さなかった。
【0105】
実施例19
排液カテーテル
外科用排液カテーテルを、Tecoflex(登録商標)93Aを用いて作製した。その後、一部を、実施例12に記載されるようにしてM/Rで処理した。いくつかのカテーテルはさらに、実施例13に記載されるようにしてクロルヘキシジン(CH)でサンドイッチコーティングした。ベースライン微生物学的試験を、実施例12のようにして、MRSA、PSおよびCaに対して行った。結果が以下の
図10に示されている。排液カテーテルは、血管カテーテルに対するM/RおよびM/R+CHサンドイッチ処理と同様の抗菌能を示した。
【0106】
本願で開示され特許請求されている方法はすべて、本開示に照らせば、過度の実験を行わなくとも実施および実行することができる。本発明の組成物および方法は好ましい態様の観点で記載されているが、本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される方法および該方法の工程または一連の工程群において変更が適用され得ることが当業者に明らかであろう。より具体的に、化学的および生理学的の両方で関連する特定の薬剤を本明細書に記載される薬剤と置き換えても同一または同様の結果が達成され得ることが明らかであろう。当業者に明らかなすべてのそのような同様の置換および改変は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神、範囲および概念に包含されるものとみなされる。
【0107】
参考文献
以下の参考文献は、それらが本明細書の記載を補足する例示的な手順または他の詳細を提供する範囲で、個別に参照により本明細書に組み入れられる。