(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594298
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】スクリーンが保持されていることとスクリーンがタッチされていることとを区別する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20191010BHJP
G06F 3/0488 20130101ALI20191010BHJP
【FI】
G06F3/041 534
G06F3/041 590
G06F3/041 600
G06F3/0488
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-520217(P2016-520217)
(86)(22)【出願日】2013年6月19日
(65)【公表番号】特表2016-527606(P2016-527606A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】CN2013077505
(87)【国際公開番号】WO2014201648
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2016年5月20日
【審判番号】不服2017-18170(P2017-18170/J1)
【審判請求日】2017年12月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】マー,シアオジユン
(72)【発明者】
【氏名】ジヤン,ジーガン
(72)【発明者】
【氏名】シユイ,ジユン
(72)【発明者】
【氏名】ジヤン,ヤンフオン
【合議体】
【審判長】
▲吉▼田 耕一
【審判官】
白井 亮
【審判官】
稲葉 和生
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−014648(JP,A)
【文献】
特開2011−028603(JP,A)
【文献】
特開2013−088929(JP,A)
【文献】
特開2011−186941(JP,A)
【文献】
特開2006−146936(JP,A)
【文献】
特開2010−165174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/041-3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ・スクリーンが使用可能な機器のフレームの少なくとも一部分の付近に配置されたタッチ・センサの有効化を電気的に検知することと、
前記有効化されたタッチ・センサが有効化された時に生じた前記機器のスクリーンのタッチが所定期間よりも短い場合、前記スクリーンのタッチを前記機器の機能を制御する意図のタッチとして解釈することと、
前記有効化されたタッチ・センサが有効化された時に生じた前記スクリーンのタッチが所定期間よりも長い場合、
前記有効化された時に生じた前記スクリーンのタッチについて、タッチ・スクリーン機能を無効化することと、
所定期間を超える前記スクリーンのタッチについて、有効化された前記タッチ・センサの付近に位置する前記スクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を無効化することと、
を含む、方法。
【請求項2】
有効化された前記タッチ・センサの付近に位置する前記タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を、前記有効化されたタッチ・センサが有効化されている間、無効化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スクリーンのタッチ・スクリーン機能が無効化される部分は、前記フレームと該フレームに最も近いアプリケーションのアイコンとの間の前記スクリーン上のスペースに応じて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スクリーンのタッチ・スクリーン機能が無効化された部分に配置されたアイコンを、前記無効化された部分以外の前記スクリーン上の領域に移動することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記タッチ・センサを有効化するのに必要な力の量が調節可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
有効化された前記タッチ・センサの付近に位置する前記タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を無効化することには、前記スクリーンのタッチ・スクリーン応答を遅延させることが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
表示スクリーンと、
前記表示スクリーンを縁取るフレームと、
少なくとも1つのタッチ・センサと、
を備えた装置であって、
前記少なくとも1つのタッチ・センサは、該少なくとも1つのタッチ・センサの付近に位置する前記フレームの少なくとも一部分に圧力が加えられた時に、該圧力が該少なくとも1つのタッチ・センサによって感知されるように、前記装置内に配置されており、
前記装置はタッチ・スクリーン機能を有しており、かつ、前記装置は、
前記フレームの少なくとも一部分上に配置された前記タッチ・センサが有効化されたことを電気的に感知し、
前記有効化されたタッチ・センサが有効化された時に生じた前記表示スクリーンのタッチが所定期間よりも短い場合、当該装置の機能を制御する意図のタッチとして解釈し、
前記有効化されたタッチ・センサが有効化された時に生じた前記表示スクリーンのタッチが所定期間よりも長い場合、
前記有効化された時に生じた前記表示スクリーンのタッチについて、タッチ・スクリーン機能を無効化し、
所定期間を超える前記表示スクリーンのタッチについて、前記有効化されたタッチ・センサの付近に位置する前記表示スクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を無効化する、
ように構成されている、
前記装置。
【請求項8】
有効化されたタッチ・センサの付近に位置する前記表示スクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能が、前記有効化されたタッチ・センサが有効化されている間、無効化される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記表示スクリーンのタッチ・スクリーン機能が無効化される部分は、前記フレームと該フレームに最も近いアプリケーションのアイコンとの間の前記表示スクリーン上のスペースに応じて決定される、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記表示スクリーンのタッチ・スクリーン機能が無効化された部分に配置されたアイコンは、前記無効化された部分以外の前記表示スクリーン上の領域に移動される、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのタッチ・センサを有効化するのに必要な力の量が調節可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
有効化されたタッチ・センサの付近に位置する前記表示スクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を無効化することには、前記表示スクリーンのタッチ・スクリーン応答を遅延させることが含まれる、請求項7に記載の装置。
【請求項13】
有効化された前記タッチ・センサの付近に位置する前記タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を、前記タッチ・センサが有効化された後に所定期間、無効化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
有効化されたタッチ・センサの付近に位置する前記表示スクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能が、前記タッチ・センサが有効化された後所定期間、無効化される、請求項7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して電子機器のタッチ・スクリーンに関し、更に詳しくは、スクリーンが保持されていることとスクリーンがタッチされていることとを区別する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル端末のような電子機器にタッチ・スクリーンを組み込むことは、大きな成果を上げている。タッチ・スクリーンの大きな利点は、それによって、スクリーンを介する機器とのインタラクションが極めて簡単で便利になることである。しかしながら、最近の機器において、デザインの傾向が、スクリーン・サイズを最大化するために、且つ、機器を審美的に更に良く見せるために、スクリーンの周りのフレーム(枠)を最小化するようになってきている。
【0003】
しかしながら、このような最近のデザインは、欠点を伴っている。更に詳しく述べると、
図1に示されているように、ユーザが、このようにスクリーンが大きく且つフレーム・サイズが最小であるタッチ・スクリーン機器を保持した時に、スクリーンがユーザによってうっかりタッチされて、この電子機器のスクリーンのタッチに関連付けられたアプリケーション又は機能が意図せずに起動されてしまうことがある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の態様は、スクリーンが保持されていることとスクリーンがタッチされていることとを区別する方法及び装置を提供することによって、従来技術の欠点に取り組むものである。
【0005】
本発明の一態様において、1つの方法は、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のフレームの少なくとも一部分の付近に配置されたタッチ・センサが有効化されたことを電気的に感知することと、有効化されたタッチ・センサの付近に位置するタッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を無効化することと、を含む。この方法は、オプションとして、スクリーンの無効化された部分に配置されたアイコンを、スクリーンの無効化された部分以外のスクリーン上の領域に、配置転換することを更に含む。
【0006】
本発明の代替態様において、タッチ・スクリーンが使用可能な機器は、表示スクリーンと、表示スクリーンを縁取るフレームと、少なくとも1つのタッチ・センサと、を備えており、少なくとも1つのタッチ・センサは、少なくとも1つのタッチ・センサの付近に位置するフレームの少なくとも一部分に圧力が加えられた時に、圧力が該少なくとも1つのタッチ・センサによって感知されるように、機器内に配置されている。本発明のタッチ・スクリーンが使用可能な機器においては、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のフレームの少なくとも一部分上に配置されたタッチ・センサの有効化が電気的に感知され、有効化されたタッチ・センサの付近に位置するタッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能が無効化される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の開示事項は、下記の添付図面を参照して以下の詳細な説明を検討することによって、容易に理解できる。
【
図1】従来技術のモバイル通信機器を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、スクリーンが保持されていることとスクリーンがタッチされていることとを区別するモバイル通信機器のハイ・レベルのブロック図である。
【
図3】本発明の代替的な一実施形態による、スクリーンが保持されていることとスクリーンがタッチされていることとを区別するモバイル通信機器のハイ・レベルのブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、スクリーンが保持されていることとスクリーンがタッチされていることとを区別する方法の流れ図である。
【0008】
尚、これらの図面は、本発明の概念を例示するためのものであり、必ずしも本発明を例示する唯一可能な構成ではない。理解を容易にするために、可能な限り、これらの図面に共通の同一要素は、同一参照番号を用いて、示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、有利に、スクリーンが保持されていることとスクリーンがタッチされていることとを区別する方法及び装置を提供する。本発明を主にモバイル通信機器に関して説明するが、本発明の具体的な実施形態は、本発明の適用範囲を限定するものと見なすべきではない。当業者であれば、本発明の開示事項から、本発明の概念が、有利に、タッチ・スクリーン機能を有するあらゆる機器に適用できることが分かるであろう。
【0010】
図面に示す種々の要素の機能は、専用ハードウェアの使用や適切なソフトウェアと共同してソフトウェアを実行できるハードウェアの使用によって、提供できる。これらの機能は、プロセッサによって提供する場合、単一の専用プロセッサ、単一の共用プロセッサ、あるいは、複数の個別のプロセッサ(その一部は、共用されてもよい)によって、提供できる。更に、「プロセッサ」又は「コントローラ(制御器)」なる用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行できるハードウェアを専ら意味すると解釈すべきではなく、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)のハードウェア、ソフトウェアを記憶するリード・オンリ・メモリ(「ROM」)、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)、及び、不揮発性記憶装置を制限なく暗示的に含み得る。更に、本発明の原理、態様、実施形態、並びに、それらの具体例を列挙した全ての記載は、それらの構造的及び機能的均等物の両方を包含するように意図されている。更に、そのような均等物には、現在周知の均等物と、将来開発される均等物(即ち、構造に関わらず同一機能を果たすように開発された任意の要素)とが含まれる。
【0011】
したがって、例えば、ここに提示したブロック図が本発明の原理を具体化するシステム構成要素例、及び/又は、回路例の概念的な図を表していることが当業者に理解されるであろう。同様に、任意のフロー・チャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなどが、コンピュータ読み取り可能媒体に実質的に表されて、したがって、コンピュータ又はプロセッサによって(そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示されているか否かに関わらず)実行され得る種々のプロセスを表していることが理解されるであろう。
【0012】
図2には、本発明の一実施形態によるスクリーンが保持されていることとスクリーンがタッチされていることとを区別する、実例としてモバイル通信機器である、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のハイ・レベルのブロック図が描かれている。
図2のモバイル通信機器200は、この例では、フレーム210と、タッチ・スクリーン機能を有するスクリーン220と、タッチ・センサ(この例では2つのタッチ・センサ)230及び232と、を含むタブレットを構成している。
図2のモバイル通信機器200は、この例では、説明の目的のために、5つの区画A、B、C、D及びEに分割されている。
図2のモバイル通信機器200の実施形態において、区画Aは、この例では、モバイル通信機器200のフレーム210の左部分を表し、区画Bは、この例では、フレーム210の右部分を表し、区画Cはスクリーン220の左部分を表し、区画Dはスクリーン220の右部分を表し、区画Eはスクリーン220の残りの部分を表している。
【0013】
図2の本発明の実施形態において、モバイル通信機器200の区画AとBには、タッチ・センサ230と232が含まれている。本発明の一実施形態において、タッチ・センサ230と232は、タッチ、押し込み、又は、圧力に対して感知可能なトランスデューサによって、例えば、触覚センサによって、構成できる。
図2の本発明の実施形態では、モバイル通信機器200の区画AとB内のタッチ・センサ230と232を使用して、モバイル通信機器200が、区画AとBの少なくとも一方に圧力を加えることによって保持されているか否かを検知する。更に詳しくは、
図2に示されているように、ユーザが、例えば、片手又は両手で区画A及び/又は区画Bに圧力を加えることによって、モバイル通信機器200を保持している時に、タッチ・センサ230及び/又は232が、これらの区画に加えられている圧力を感知して、該センサ230及び/又は232が有効化される。尚、
図2において、及び、ここに例として提示され説明される本発明のその他の類似した実施形態において、本発明のタッチ・センサは、ユーザ機器のフレーム上に配置されているように見えるが、本発明の種々の実施形態によれば、少なくとも1つのタッチ・センサは、タッチ・スクリーンが使用可能なユーザ機器内に配置され、圧力が、少なくとも1つのタッチ・センサ付近に位置するタッチ・スクリーン・ユーザ機器のフレームの少なくとも一部分に加わる時に、その圧力が少なくとも1つのタッチ・センサによって感知される。
【0014】
本発明の実施形態によれば、モバイル通信機器200の構成は、センサ230と232の少なくとも一方の有効化に応答して、変更され、単にモバイル通信機器200を保持する意図で、保持手段、例えばユーザの手、によって、スクリーン220の一部分に加えられた圧力が、モバイル通信機器200によって、モバイル通信機器の機能を制御する意図のタッチとして、あるいは、スクリーン220上のアイコンを介してアプリケーションを始動する意図のタッチとして、解釈されないようにされる。
【0015】
更に詳しくは、本発明の一実施形態において、あるセンサが有効化された時に、その有効化されたセンサ付近に位置するスクリーン220の区画のタッチ・スクリーン機能が無効化され、この無効化により、スクリーン220のタッチ・スクリーンが無効化された区画における任意の圧力又はタッチが、タッチ・スクリーンが使用可能な機器を保持することに関連するものと見なされて、モバイル通信機器200からの応答又は動作を生じさせ得ないようにされる。例えば、
図2を参照すると、ユーザの手が、フレーム210の左部分を介してモバイル通信機器200を保持する際に、圧力を加えることによって区画Aにおけるセンサ230を有効化した場合に、本発明の一実施形態において、区画Cにおけるタッチ・スクリーン機能が無効化される。同様に、再び
図2を参照すると、ユーザの手が、フレーム210の右部分を介してモバイル通信機器200を保持する際に、圧力を加えることによって区画Bにおけるセンサ232をアクティベートした場合に、本発明の一実施形態において、区画Dにおけるタッチ・スクリーン機能が、センサ232が有効化されている間、無効化される。本発明の一実施形態において、それぞれのセンサが有効化されている間、その有効化されたセンサ付近に位置するスクリーンの一部分のタッチ・スクリーン機能は無効化される。後述の本発明の代替の実施形態において、有効化されたセンサ付近に位置するスクリーンの一部分におけるタッチ・スクリーン機能は、その有効化されたセンサが有効化された時に生じたタッチについてのみ、無効化される。後述の本発明の別の代替の実施形態において、有効化されたセンサ付近に位置するスクリーンの一部分におけるタッチ・スクリーン機能は、その有効化されたセンサが有効化された時に生じたタッチが所定期間よりも長い場合に限り、その有効化されたセンサが有効化された時に生じたタッチが、無効化される。(これについては、更に詳しく後述する。)
【0016】
尚、
図2の実施形態に示された区画A、B、C、D、Eは、単なる例示に過ぎず、本発明の代替の実施形態において、区画A、B、C、D、Eは、スクリーンの種々の部分を包含でき、
図2に示されたものとは異なる種々のサイズで構成できる。例えば、本発明の代替の実施形態において、区画A、B、C、D、Eは、本発明のモバイル通信機器のフレーム区画と該フレーム区画に最も近いアプリケーションのアイコンとの間のスクリーン上のスペースに応じて、サイズを調節できる。したがって、モバイル通信機器のフレーム区画上のセンサが有効化されると、本発明のモバイル通信機器のフレーム区画と該フレーム区画に最も近いアプリケーションのアイコンとの間のスクリーン上のスペースを包含するその区画のタッチ・スクリーン機能は、無効化される。
【0017】
本発明の種々の実施形態において、例えば
図2のセンサ230、232のようなタッチ・センサ・スイッチを有効化するのに必要とされる力の量は調節可能であり、タッチ・スクリーンが使用可能な機器の、アプリケーション、サイズ又はユーザの力加減に応じて、センサをトリガする感度を高めたり、あるいは、低めたりできる。
【0018】
本発明の更なる代替の実施形態において、モバイル通信機器のフレームの一部分上に複数のタッチ・センサと、それらのタッチ・センサに対応付けられた対応区画と、を設けることができる。例えば、
図3には、本発明の代替の実施形態によるスクリーンが保持されていることとスクリーンがタッチされていることとを区別するモバイル通信機器のハイ・レベルのブロック図が示されている。
図3のモバイル通信機器300は、この例では、フレーム310と、タッチ・スクリーン機能を有するスクリーン320と、タッチ・センサ(この例では4つのタッチ・センサ)330、332、334及び336とが含まれるタブレットによって構成されている。
図3のモバイル通信機器300は、この例では、説明の目的で、5つ(9つ)の区画A1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2及びEに分割されている。
図3のモバイル通信機器300の実施形態において、区画A2はこの例ではモバイル通信機器300のフレーム310の左上部分を表し、区画A1はこの例ではフレーム310の左下部分を表し、区画B2はこの例ではフレーム310の右上部分を表し、区画B1はこの例ではフレーム310の右下部分を表し、区画C2はスクリーン320の左上部分を表し、区画C1はスクリーン320の左下部分を表し、区画D2はスクリーン320の右上部分を表し、区画D1はスクリーン320の右下部分を表し、区画Eはスクリーン320の残りの部分を表している。
【0019】
図3の本発明の実施形態において、モバイル通信機器300の区画A1、A2、B1及びB2には、タッチ・センサ330、334、332及び336が含まれている。
図3の本発明の実施形態において、モバイル通信機器300の区画A1、A2、B1及びB2におけるタッチ・センサ330、334、332及び336は、モバイル通信機器300が区画A1、A2、B1及びB2の少なくとも1つの区画に圧力を加えることによって保持されているか否かを検知するために、使用される。更に詳しくは、
図3に示されているように、ユーザが、例えば、ユーザの片手又は両手(あるいは、任意のその他の手段)で区画A1、A2、B1及びB2の少なくとも1つの区画に圧力を加えることによって、モバイル通信機器300を保持している時に、タッチ・センサ330、334、332及び336のうちの対応するセンサが、その(それらの)区画に加えられている圧力を感知して、有効化される。本発明の実施形態に従えば、モバイル通信機器300の構成は、センサ330、334、332及び336の少なくとも1つのセンサの有効化に応答して、変更され、単にモバイル通信機器300を保持する意図でスクリーン320の一部分に加えられた圧力が、モバイル通信機器300によって、モバイル通信機器の機能を制御する意図のタッチとして、あるいは、スクリーン320上のアプリケーションを始動する意図のタッチとして、解釈されないようにされる。
【0020】
更に詳しくは、本発明の一実施形態において、あるセンサが有効化された時に、その有効化されたセンサ付近に位置するスクリーン320の区画のタッチ・スクリーン機能が無効化され、スクリーン320のその無効化された区画における任意の圧力又はタッチがモバイル通信機器300の応答又は動作を生じさせ得ないようにされる。例えば、
図3を参照すると、もしユーザの手が、フレーム310の左下部分を介してモバイル通信機器300を保持する時に、圧力を加えることによって、区画A1におけるセンサ330を有効化した場合、本発明の一実施形態において、区画C1におけるタッチ・スクリーン機能が無効化される。同様に、再び
図3を参照すると、もしユーザの手が、フレーム310の右下部分を介してモバイル通信機器300を保持する時に、圧力を加えることによって、区画B1におけるセンサ332を有効化した場合、本発明の一実施形態において、区画D1におけるタッチ・スクリーン機能が無効化される。
【0021】
尚、上述の
図2及び
図3において、タッチ・センサと区画とは、数と位置が対応しているように見えるが、本発明の代替の実施形態において、タッチ・センサと区画とは、1対1の関係を有する必要はない。すなわち、センサよりも多くの区画、あるいは、区画よりも多くのセンサを設けることができ、そして、センサと区画とは、位置が対応している必要はない。更に、
図2及び
図3において、ユーザがモバイル通信機器を保持していることが示されているが、ユーザの片手又は両手以外のものを用いてモバイル通信機器のフレームに圧力を加えて該モバイル通信機器を固定する又は保持する場合であっても、本発明の同じ原理が適用される。
【0022】
また、本発明の種々の実施形態において、本発明によるモバイル通信機器は、モバイル通信機器のフレームのその他の部分付近に位置する場所に、タッチ・センサと、それらに対応付けられた区画と、を更に備えることができる。例えば、再度
図3を参照すると、モバイル通信機器300は、区画F、G、H及びIを更に備えている。
図3の実施形態において、区画Fは、この例では、モバイル通信機器300のフレーム310の上部分を表し、区画Gは、この例では、フレーム310の下部分を表し、区画Hは、この例では、モバイル通信機器300のスクリーン320の上部分を表し、区画Iは、この例では、スクリーン320の下部分を表している。
図3の実施形態において、モバイル通信機器300の区画FとGには、タッチ・センサ338と339が含まれている。尚、
図3において、区画HとIは、この例では、区画C2、D2、C1、D1及びEと重複しないスクリーン部分を構成しているが、本発明の代替の実施形態において、本明細書において説明される本発明の区画は、互いに部分的に重複していてもよい。
【0023】
上述の如く、本発明の実施形態において、タッチ・スクリーンが使用可能な機器の構成は、タッチ・センサの有効化に応答して、変更され、単にそのタッチ・スクリーンが使用可能な機器を保持する意図でそのタッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの一部分に加えられた圧力が、そのタッチ・スクリーンが使用可能な機器によって、そのタッチ・スクリーンが使用可能な機器の機能を制御する意図のタッチとして、あるいは、スクリーン上のアイコンを介してアプリケーションを始動する意図のタッチとして、解釈されないようにされる。また、上述の如く、本発明の一実施形態において、あるタッチ・センサが有効化された時に、その有効化されたセンサ付近に位置するタッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの区画のタッチ・スクリーン機能が無効化され、スクリーンのその無効化された区画におけるスクリーンの任意の圧力又はタッチにより、タッチ・スクリーンが使用可能な機器の応答又は動作を生じさせ得ないようにされる。
【0024】
本発明の代替の実施形態において、あるタッチ・センサが有効化された時にタッチ・スクリーンが使用可能な機器の構成が変更され、この変更により、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のアプリケーションを始動する又は応答を生じさせるための、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーン上のアイコンを、その有効化されたセンサ付近に位置する領域から離れるように移動させて、そのようなアイコンの意図しないトリガを回避し、且つ、そのようなアイコンをスクリーンのアクティブな領域に移動させる。更に詳しくは、本発明の一実施形態において、あるタッチ・センサが上述の如く有効化された時に、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のアプリケーションを起動する又は応答を生じさせるための、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーン上のアイコンを、タッチ・スクリーン機能が上述の如くタッチ・センサの有効化に応答して無効化されたスクリーンの一部分の外側に移動させる。
【0025】
本発明の代替の実施形態において、有効化されたセンサ付近に位置するタッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの一部分におけるタッチ・スクリーン機能は、その有効化されたセンサが有効化された時に生じたタッチについてのみ、無効化される。すなわち、そのような実施形態において、有効化されたセンサ付近に位置するスクリーンの一部分におけるタッチであって、その有効化されたセンサが有効化された時に生じたあらゆるタッチは、タッチ・スクリーンが使用可能な機器の保持に関連するものと見なされ、そのようなタッチは、スクリーンのその一部分のタッチ・スクリーン機能が本発明によって無効化されているので、何の動作も生じさせない。更に詳しくは、本発明の一実施形態において、有効化されたセンサ付近に位置するタッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの一部分についてのタッチ・スクリーン機能は、センサが有効化された段階で無効化される、あるいは、本発明の代替の一実施形態において、センサが有効化された段階から、センサが有効化された後の短期間、例えば、センサが有効化された後の1秒又は2秒の間、無効化される。このような実施形態において、有効化されたセンサ付近に位置するタッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの一部分におけるタッチであって、1番目に説明した実施形態においてセンサが有効化された段階の後に為されたタッチ、あるいは、2番目に説明した実施形態においてセンサが有効化された後の1秒又は2秒の間よりも後に為されたタッチは、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーン上のタッチが普段機能するように、機能する。
【0026】
更にまた、本発明の実施形態において、前述の実施形態の如く、有効化されたセンサ付近に位置するスクリーンの一部分におけるタッチ・スクリーン機能は、その有効化されたセンサが有効化された時に生じたタッチが所定期間よりも長い場合にのみ、その有効化されたセンサが有効化された時に生じたタッチが、無効化される。すなわち、本発明のそのような一実施形態において、有効化されたセンサ付近に位置するスクリーンの一部分におけるタッチであって、その有効化されたセンサが有効化された時に生じたあらゆるタッチは、そのようなタッチが所定期間よりも長く継続する場合、単にタッチ・スクリーン使用可能機器の保持、あるいは、別途の保持に関連するものと見なされる。更に詳しくは、本発明の一実施形態において、有効化されたセンサ付近に位置するタッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの一部分についてのタッチ・スクリーン機能は、センサが有効化された段階で生じたタッチについて、タッチが所定期間よりも長い間スクリーン上で感知される場合にのみ、無効化される。例えば、本発明のタッチ・センサが、例えばユーザがタッチ・スクリーンが使用可能な機器のフレームを保持することによって、有効化された場合、有効化されたセンサ付近に位置するスクリーンの一部分におけるタッチは、そのタッチがスクリーンのその一部分で例えば1秒又は2秒よりも長い間感知されると、単に保持であると見なされる。もしそのタッチがスクリーンのその一部分で所定期間よりも短い期間の間だけ感知されたならば、そのタッチは、タッチ・スクリーンが使用可能な機器の保持に関連していないタッチであると見なすことができ、そのタッチについてのタッチ・スクリーン機能は無効化されない。
【0027】
本発明の更なる代替の一実施形態において、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のタッチ・スクリーンのタッチ応答が所定期間遅延させられ、その結果、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーン上のタッチがその所定期間より長い間感知されると、そのタッチは保持であると見なされて、モバイル通信機器の構成が上述の如く変更される。例えば、本発明の一実施形態において、タッチ・スクリーン上のタッチが所定期間より長い間感知されると、それに応答して、タッチ・スクリーンが使用可能な機器におけるそのタッチの領域付近に位置するスクリーン区画のタッチ・スクリーン機能が無効化される。本発明の代替の一実施形態において、タッチ・スクリーン上のタッチが所定期間より長い間感知されると、それに応答して、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のアプリケーションを始動する又は応答を生じさせるためのタッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーン上のアイコンを、その有効化されたセンサ付近に位置する領域から離れるように移動させる。
【0028】
図4には、本発明の一実施形態にスクリーンが保持されていることとスクリーンがタッチされていることとを区別する方法の流れ図が示されている。
図4の方法400は、この例ではステップ402から開始し、このステップにおいて、タッチ・スクリーンが使用可能な機器のフレームの少なくとも一部分に配置されたタッチ・センサが有効化されたことが電気的に感知される。方法400は、次にステップ404に進む。
【0029】
ステップ404において、有効化されたタッチ・センサ付近に位置するタッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能が、そのタッチ・センサの有効化に応答して、無効化される。方法400は、次に、オプションのステップ406に進むか、あるいは、終了できる。
【0030】
オプションのステップ406において、スクリーンの無効化部分に配置されているアイコンが、そのスクリーンの無効化部分以外のスクリーン領域に配置転換される。
【0031】
尚、スクリーンが保持されていることをスクリーンがタッチされていることから区別する方法及び装置の種々の実施形態(これらは、例示を意図するものであり、限定を意図するものではない)を説明したが、当業者であれば、上述の開示事項を考慮して、部分的な修正を行い、変形形態を作成できる。したがって、本発明の適用範囲内と意図の範囲内で、ここに開示された本発明の特定の実施形態に変更を加えることができる。上述の説明は、本発明の種々の実施形態に向けられたものであるが、本発明のその他の実施形態及び更に進んだ実施形態を、本発明の基本的な適用範囲から逸脱することなく、考案できる。
上記の実施形態に加えて、以下の付記を開示する。
(付記1)
タッチ・スクリーンが使用可能な機器のフレームの少なくとも一部分の付近に配置されたタッチ・センサの有効化を電気的に検知することと、
有効化された前記タッチ・センサの付近に位置する前記タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を無効化することと、
を含む方法。
(付記2)
前記スクリーンの前記無効化された部分に配置されたアイコンを、前記スクリーンの前記無効化された部分以外の前記スクリーン上の領域に配置転換することを含む、付記1に記載の方法。
(付記3)
有効化された前記タッチ・センサの付近に位置する前記タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を、前記有効化されたタッチ・センサが有効化されている間、無効化することを含む、付記1に記載の方法。
(付記4)
有効化された前記タッチ・センサの付近に位置する前記タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を、前記有効化されたタッチ・センサが有効化された時に生じた前記スクリーンのタッチについて、無効化することを含む、付記1に記載の方法。
(付記5)
有効化された前記タッチ・センサの付近に位置する前記タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を、前記有効化されたタッチ・センサが有効化された時に生じた、所定期間を超える前記スクリーンのタッチについて、無効化することを含む、付記4に記載の方法。
(付記6)
前記タッチ・センサを有効化するのに必要な力の量が調節可能である、付記1に記載の方法。
(付記7)
有効化された前記タッチ・センサの付近に位置する前記タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能は、所定期間を超える前記スクリーンのタッチについてのみ、無効化される、付記1に記載の方法。
(付記8)
有効化された前記タッチ・センサの付近に位置する前記タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を無効化することには、前記スクリーンのタッチ・スクリーン応答を遅延させることが含まれる、付記1に記載の方法。
(付記9)
表示スクリーンと、
前記表示スクリーンを縁取るフレームと、
少なくとも1つのタッチ・センサと、
を備えた装置であって、
前記少なくとも1つのタッチ・センサは、該少なくとも1つのタッチ・センサの付近に位置する前記フレームの少なくとも一部分に圧力が加えられた時に、該圧力が該少なくとも1つのタッチ・センサによって感知されるように、前記装置内に配置されており、
前記装置はタッチ・スクリーン機能を有しており、かつ、前記装置は、
タッチ・スクリーンが使用可能な機器のフレームの少なくとも一部分上に配置されたタッチ・センサが有効化されたことを電気的に感知し、
前記有効化されたタッチ・センサの付近に位置する前記タッチ・スクリーンが使用可能な機器のスクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を無効化する、
ように構成されている、
前記装置。
(付記10)
前記表示スクリーンの無効化された部分に配置されたアイコンが、該無効化された部分以外の前記表示スクリーンの部分に配置転換される、付記9に記載の装置。
(付記11)
有効化されたタッチ・センサの付近に位置する前記表示スクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能が、前記有効化されたタッチ・センサが有効化されている間、無効化される、付記9に記載の装置。
(付記12)
有効化されたタッチ・センサの付近に位置する前記表示スクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能が、前記有効化されたタッチ・センサが有効化された時に生じた前記表示スクリーンのタッチについて、無効化される、付記1に記載の装置。
(付記13)
有効化されたタッチ・センサの付近に位置する前記表示スクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能が、前記有効化されたタッチ・センサが有効化された時に生じた、所定期間を超える前記スクリーンのタッチについて、無効化される、付記12に記載の装置。
(付記14)
前記少なくとも1つのタッチ・センサを有効化するのに必要な力の量が調節可能である、付記9に記載の装置。
(付記15)
有効化されたタッチ・センサの付近に位置する前記表示スクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能が、所定期間を超える前記スクリーンのタッチについて、無効化される、付記9に記載の装置。
(付記16)
有効化されたタッチ・センサの付近に位置する前記表示スクリーンの少なくとも一部分のタッチ・スクリーン機能を無効化することには、前記表示スクリーンのタッチ・スクリーン応答を遅延させることが含まれる、付記9に記載の装置。