特許第6594310号(P6594310)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6594310検出器のピクセルによって収集された信号を処理するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594310
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】検出器のピクセルによって収集された信号を処理するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/17 20060101AFI20191010BHJP
【FI】
   G01T1/17 G
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-527386(P2016-527386)
(86)(22)【出願日】2014年10月29日
(65)【公表番号】特表2016-535268(P2016-535268A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】EP2014073194
(87)【国際公開番号】WO2015063134
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2017年10月19日
(31)【優先権主張番号】1360567
(32)【優先日】2013年10月29日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】311015001
【氏名又は名称】コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク・エ・オ・エネルジ・アルテルナテイブ
(73)【特許権者】
【識別番号】515004577
【氏名又は名称】トリクセル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハビブ,アムル
(72)【発明者】
【氏名】アルケス,マルク
【審査官】 小林 直暉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0251730(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0144291(US,A1)
【文献】 特開2003−215248(JP,A)
【文献】 特開2014−68881(JP,A)
【文献】 特開2013−150304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T1/00−1/16
1/167−7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器(10)のピクセルによって収集された信号を処理するための方法であって、各ピクセルは、前記検出器が受ける放射の影響下で信号を収集することが可能である、方法において、
●閾値(S)よりも大きい信号を収集する、被影響ピクセルと呼ばれるピクセル(P)を特定することと、
●前記被影響ピクセル(P)の少なくとも1つの隣接ピクセル(P...P)を定義することと、
●各隣接ピクセル(P...P)について、
■前記被影響ピクセル(P)に関連付けられる第1の比較グループ(C)および前記少なくとも1つの隣接ピクセル(P...P)に関連付けられる少なくとも1つの第2の比較グループ(C...C)を選択することであって、各比較グループ(C...C)は複数のピクセルを含み、前記第1の比較グループおよび前記少なくとも1つの第2の比較グループは共通のピクセルを全く含まない、選択することと、
■前記比較グループ(C...C)の各々によって収集された信号を判定することであって、前記比較グループの各々によって収集された前記信号は、前記グループの前記各々の前記個々のピクセルによって収集された前記信号を表す値に対応する、判定することと、
■最も高い信号を収集した前記比較グループを判定するために、各比較グループ(C)、(C...C)によって収集された前記信号を比較することと、
●前記第1の比較グループ(C)が、前記少なくとも1つの第2の比較グループ(C...C)によって収集された前記信号よりも大きい、収集された信号を呈する場合には、前記被影響ピクセルを勝者ピクセルとして宣言することと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
各比較グループ(C、C...C)によって収集された前記信号が、前記グループを構成する前記ピクセルによって収集された前記信号の和に対応することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比較の際に同等が生じた場合には、前記比較に関わった前記比較グループ(C、C...C)の中から最も大きい信号量を累積した前記比較グループ(C、C...C)を任意に定めるために、既定の優先規則が用いられることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記比較グループ(C、C...C)がピクセル(P...P)のパターンに従って編成されることと、2つの所与の別個のピクセルについて、それらの比較グループの前記パターンは前記2つの所与のピクセルの相対配向の関数として変化する(図5および6)こととを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
各比較グループ(C、C...C)が同数のピクセルを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記勝者ピクセル(P)に、割り当てグループと呼ばれるピクセルのグループの前記ピクセルの信号値に依存する信号値を割り当てることを含み、前記割り当てグループの前記ピクセルは前記勝者ピクセルの隣接ピクセルを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記割り当てグループが、前記勝者ピクセル(P)に関連付けられる前記比較グループ(C)であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記割り当てグループが、前記勝者ピクセル(P)に関連付けられる前記比較グループ(C)と異なり、前記勝者ピクセルの周りの信号の散乱を表すことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記割り当てグループが、前記勝者ピクセル(P)に関連付けられる前記比較グループ(C)よりも多数のピクセルを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記勝者ピクセル(P)を判定することに寄与した前記比較グループ(C、C...C)の前記信号値が、前記勝者ピクセル(P)への信号値の前記割り当てのために利用されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出器のピクセルによって収集された信号を処理するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は特に、画像化のために用いられる電磁放射の検出器に適用することができる。この種の検出器は、マトリックスまたはストリップとして一般的に編成されるピクセルと呼ばれる多数の光感応点を備える。ピクセルとは検出器の基本感応要素を表す。各ピクセルは、それが受ける電磁放射を電気信号に変換する。
【0003】
個々のピクセルから生じた電気信号はマトリックスの読み取りの段階の間に収集され、その後、画像を形成するべく処理し、記憶することができるように、デジタル化される。ピクセルは、電荷収集電極、およびこのようにして生成された電気信号を処理するための電子回路で形成される。一般的な方法では、各ピクセルにおいて、収集電極は、例えば、遮断器、キャパシタ、抵抗器からなる電子回路に関連付けられ、その下流にアクチュエータが配置される。収集電極および電子回路からなる組立体は、電荷を発生させ、後者を収集することを可能にする。各ピクセルは、収集された電荷量を読み取り、それを処理手段に転送することを可能にする読み取り回路に連結される。この種の放射検出器は、医療分野における電離放射、および特にX線もしくはγ線の画像化、または産業分野における非破壊試験の画像化、放射線画像の検出のために用いることができる。
【0004】
この場合には、検出器は、X線またはγ線型の入射放射と相互作用することができるシンチレータまたは半導体型の検出器材料を含む。
【0005】
検出器材料が、例えば、CdTe、CdZnTe、HgIの種類の半導体である場合には、検出器内における入射光子の相互作用は電子−正孔型の電荷キャリアの生成を発生させる。この場合には、各ピクセルは、相互作用の結果生じた電荷キャリアの一部を収集することができる収集電極を含む。収集電極によって収集される電荷は、検出器材料内における検出されるべき放射の相互作用によって生成されるため、これは直接変換検出器と言える。
【0006】
検出器材料が、シンチレータ、例えば、CsI、NaI、LaBrの種類の無機シンチレータである場合には、入射光子の相互作用は、波長が可視領域内に概ね位置する、入射光子よりもエネルギーが低い複数の光子を発生させる。この場合には、各ピクセルは、これらの光子を検出し、それらを、収集電極によって収集される電荷に変換する光検出器、例えば、フォトダイオードを備える。収集電極によって収集される電荷は、検出器材料内における入射放射の相互作用から直接生じず、相互作用の間に生成された可視光子の検出から生じるため、これは間接変換検出器と言える。
【0007】
光子イメージャ、および特にX線もしくはγ線光子イメージャは、ピクセルに結合される(半導体またはシンチレータ)検出器材料を含む。ピクセルは一般的にマトリックスに従って配置される。各ピクセルによって収集された電荷量は、検出器内における相互作用のロケーションならびに相互作用した光子のエネルギーに関する情報を与える。
【0008】
さて、各相互作用は多数の粒子(シンチレータの場合には、光子、半導体の場合には、電子−正孔対)を発生させる。粒子は検出器材料内における空間分散を受け、個々の隣接ピクセルに向かって移動する。
【0009】
この分散の結果、いくつかの隣接ピクセルが衝撃を受けるために、空間分解能の低下が生じ、入射光子のエネルギーの推定の精度の低下が生じる。これはエネルギー分解能の低下と言える。
【0010】
この問題を緩和するために、米国特許第7,667,205号明細書に解決策が提案されている。この解決策は、ターゲットピクセルを中心とするピクセルのグループを定義することを含む。各グループは、ターゲットピクセルおよび数個の近隣のピクセルを包含する。グループの各々の出力信号の和が算出され、これらの和の間の差を算出することによってこれらの和が比較される。最も高い和を有するグループが、光子を受け取ったピクセルを定めることを可能にする。最後に、このターゲットピクセルのグループについて算出された和がターゲットピクセルに付与される。
【0011】
本特許出願の出願人は、この解決策は欠点を呈することに気付いた。実のところ、2つの隣り合うターゲットピクセルのグループは共通のピクセルを必然的に有する。個々の隣り合うグループの出力信号の和を比較する際に、共通のピクセルの信号の値は互いに相殺し合う。比較が、出力信号が最も強いピクセルを考慮しないことがあり得る。このために、最も大きい信号量を受け取ったピクセルのロケーションの誤りが生じる。相互作用の位置をより正確に定めるためには、追加のステップが必要である。さらに、これによって、各ピクセルによって収集された信号を処理するための多数の演算、特に、全く同一のグループのピクセルの信号の加算、およびその後の各グループの信号の減算が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第7,667,205号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、実施されるべき演算数を最小限に抑えることを可能にする簡単な方法によって、検出器内における相互作用のロケーションを改善すること、およびエネルギー分解能を改善すること、ならびに比較後に保持されるターゲットピクセルに付与される情報の信頼性を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的のために、本発明は、検出器のピクセルによって収集された信号を処理するための方法であって、各ピクセルは、検出器が受ける放射の影響下で信号を収集することが可能である、方法において、
●閾値よりも大きい信号を収集する、被影響ピクセルと呼ばれるピクセルを特定することと、
●被影響ピクセルの少なくとも1つの隣接ピクセルを定義することと、
●各隣接ピクセルについて、
■前記被影響ピクセルに関連付けられる第1の比較グループおよび前記隣接ピクセルに関連付けられる第2の比較グループを選択することであって、各比較グループは複数のピクセルを含み、前記第1の比較グループおよび前記第2の比較グループは共通のピクセルを全く含まない、選択することと、
■比較グループの各々によって収集された信号を判定することであって、比較グループの各々によって収集された信号は、前記グループの個々のピクセルによって収集された信号を表す値に対応する、判定することと、
■最も大きい信号を収集した比較グループを判定するために、各比較グループによって収集された信号を比較することと、
●被影響ピクセルに関連付けられるグループが、前記被影響ピクセルの隣接ピクセルに関連付けられる各グループによって収集された信号よりも大きい、収集された信号を呈する場合には、前記被影響ピクセルを勝者ピクセルとして宣言することと
を含むことを特徴とする、方法を主題とする。
【0015】
比較グループの各々は、所与のピクセルの近隣に位置するピクセルで形成される。所与のピクセルは、第1の比較グループの場合には、被影響ピクセルであり、第2の比較グループの場合には、隣接ピクセルである。ここで、第2の比較グループはこの隣接ピクセルに関連付けられる。比較グループはあらかじめ決定される。換言すれば、比較グループの各々は、パターンに従って編成されるピクセルを含む。個々のグループのパターンは、共通のピクセルを有しないように、あらかじめ決定される。
【0016】
被影響ピクセルを特定することを可能にする閾値は、既定の閾値である。
【0017】
有利には、各比較グループは同数のピクセルを含む。
【0018】
比較グループによって収集される信号は、特に、前記グループを構成する各ピクセルによって生成された信号の加重和、または加重しない和であることができる。加重和の場合には、比較グループの各ピクセルに、前記ピクセルと被影響ピクセルとの間の距離に依存する加重係数を付与することができる。
【0019】
比較の際に同等が生じた場合には、比較に関わった比較グループの中から最も大きい信号量を累積した比較グループを任意に定めるために、既定の優先規則を用いることが可能である。
【0020】
一実施形態によれば、比較グループはピクセルのパターンに従って編成され、および2つの所与の別個のピクセルについて、それらの比較グループのパターンは2つのピクセルの相対配向の関数として変化する。
【0021】
このとき、勝者ピクセルに、割り当てグループと呼ばれるピクセルのグループのピクセルによって収集された信号の値に依存する信号値を割り当てることが可能である。割り当てグループのピクセルは勝者ピクセルの隣接ピクセルを含む。
【0022】
この割り当てグループは、勝者ピクセルに関連付けられる比較グループと同一であることができる。また、勝者ピクセルの隣接ピクセルのグループを割り当てグループ内に含めることも可能である。
【0023】
割り当てグループによって生成される信号は、前記割り当てグループを構成する各ピクセルによって生成された信号の加重和、または加重しない和であることができる。加重和の場合には、割り当てグループの各ピクセルに、前記ピクセルと勝者ピクセルとの間の距離に依存する加重係数を付与することができる。
【0024】
割り当てグループは比較グループよりも多数または少数のピクセルを含むことができる。
【0025】
例として与えられている実施形態の詳細な説明を読むことで、本発明はより深く理解され、他の利点も明らかになるであろう。説明は添付の図面によって例示される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】固体放射検出器の一例を示す。
図2】放射検出器の構成要素を電気的に示す。
図3a】検出器上の衝撃中心を判定するために比較される検出器のピクセルのグループの一例を示すことを可能にする。
図3b】検出器上の衝撃中心を判定するために比較される検出器のピクセルのグループの一例を示すことを可能にする。
図3c】検出器上の衝撃中心を判定するために比較される検出器のピクセルのグループの一例を示すことを可能にする。
図3d】検出器上の衝撃中心を判定するために比較される検出器のピクセルのグループの一例を示すことを可能にする。
図3e】検出器上の衝撃中心を判定するために比較される検出器のピクセルのグループの一例を示すことを可能にする。
図4a】ピクセルのグループの別の例を示すことを可能にする。
図4b】ピクセルのグループの別の例を示すことを可能にする。
図4c】ピクセルのグループの別の例を示すことを可能にする。
図4d】ピクセルのグループの別の例を示すことを可能にする。
図4e】ピクセルのグループの別の例を示すことを可能にする。
図5a】グループのパターンが変化するピクセルのグループの一例を示すことを可能にする。
図5b】グループのパターンが変化するピクセルのグループの一例を示すことを可能にする。
図5c】グループのパターンが変化するピクセルのグループの一例を示すことを可能にする。
図5d】グループのパターンが変化するピクセルのグループの一例を示すことを可能にする。
図5e】グループのパターンが変化するピクセルのグループの一例を示すことを可能にする。
図6a】グループのパターンが変化するピクセルのグループの別の例を示すことを可能にする。
図6b】グループのパターンが変化するピクセルのグループの別の例を示すことを可能にする。
図6c】グループのパターンが変化するピクセルのグループの別の例を示すことを可能にする。
図6d】グループのパターンが変化するピクセルのグループの別の例を示すことを可能にする。
図6e】グループのパターンが変化するピクセルのグループの別の例を示すことを可能にする。
図7a】本発明の利点を示す。
図7b】本発明の利点を示す。
図7c】本発明の利点を示す。
図8a】本発明の利点を示す。
図8b】本発明の利点を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
明確にするために、個々の図において、同じ要素は同じ標識を有することになる。
【0028】
本発明は、センサがシンチレータに関連付けられる、電離放射、特に、X線またはガンマ線放射の検出器に関して説明される。本発明を半導体型の検出器において実施することも同様に可能である。より一般的な方法では、本発明は、マトリックスとして編成される別個の感応要素を有する任意の検出器であって、検出および位置特定することを望む物理現象を検出することが可能な任意の検出器において実施することができる。本発明は、物理現象が空間分散を受け、いくつかの隣り合う感応要素に衝撃を与え得る場合に関心を示す。
【0029】
図1は、シンチレータ12に関連付けられる固体光感応センサ11を備える固体放射検出器10の一例を断面で概略的に示す。センサ11およびシンチレータ12は、光学的結合をももたらす接着剤13を用いて互いに固定される。センサ11は、絶縁基板14上に、一般的に、フォトダイオード、フォトトランジスタまたはフォトレジスタ型の、光感応要素からなるピクセルPを備える。図示されている例では、4つのピクセル15、16、17および18が示される。当然のことながら、本発明に係る検出器は多数の光感応要素を備えることができる。シンチレータ12は入射窓19によって覆われる。
【0030】
検出器10は、入射窓19を通過し、それにより、シンチレータ12に到達するX線放射20を受ける。シンチレータ12の機能は、X線放射を、より長い波長の、光感応要素によって検出されることができる二次放射に変換することである。二次放射は、例えば、可視光または近可視光放射である。放射20から生じるX線光子21がシンチレータ12内に示されている。シンチレータ12は光子21を吸収し、それに応じていくつかの二次光子を発する。実際には、単一のX線光子は数百〜数千個の可視光子を発生させることができる。図1では、例として、4つの可視光子22、23、24および25が示される。光子22はピクセル15に到達し、光子23および24はピクセル16に到達し、光子25はピクセル17に到達する。
【0031】
本発明は、信号処理演算を最小限に抑えつつ、最も多数の可視光子を受け取ったピクセル、本例では、ピクセル16を正確に判定することを可能にする。幾何学的に、X線光子21はピクセル16の上方に位置する。したがって、ピクセル16は、X線光子21の位置を特定することを可能にする。さらに、本発明は、X線光子21から生じた可視光子の総数を計数することによって、X線光子21のエネルギーを判定することを可能にする。
【0032】
このような検出器は計数モードで動作することができ、好ましくは、相互作用の場所だけでなく、検出器のピクセルによって収集された信号の振幅にも関心がある、分光測定式の用途のために動作することができる。
【0033】
図2は、検出器の例示的な電気回路図を提示する。
【0034】
検出器DのピクセルPが電荷を収集すると、読み取り回路AMPは信号を成形し、振幅が、収集された電荷に依存するパルスを発生させる。このパルスが既定の閾値Sを超えると、ピクセルの信号は、本発明の主題であり、以下において説明される方法の実施のために、処理回路PROCへ伝送される。閾値Sに対するピクセルによって発生された信号の比較は、ピクセル内に統合された振幅弁別器COMPによって実行される。
【0035】
処理回路PROCは、検出器Dの器外に設置され、信号をデジタル形式で処理する回路であることができる。代替的に、それは検出器D内に統合されることもでき、各ピクセルPは、例えば、基本処理回路PROCを備えることができる。
【0036】
先に見たように、X線光子の相互作用の間に検出器内で放出された粒子は、検出器10に隣接するいくつかのピクセルPによって検出される可能性がある。本発明に係る方法は、実施されるべき計算数を最小限に抑えつつ、検出器内における相互作用に最も接近したピクセルを正確に特定することを目的とする。これにより、特に、処理時間ならびに検出器の消耗を低減することが可能になる。
【0037】
したがって、検出器の各ピクセルPには、比較グループCと呼ばれるピクセルのグループが関連付けられる。比較グループCの各々は、所与のピクセルの近隣に位置するピクセルで形成される。比較グループに関連付けられる各ピクセルは衝撃中心の候補をなす。続いて行われる処理の目的は、衝撃中心の候補の中から真の衝撃中心を判定することである。この判定は、個々の比較グループによって収集された信号を、ピクセルに関連付けられる比較グループと比較することによって行われる。比較される個々のグループは隣接ピクセルに関連付けられる。本発明によれば、2つの隣接ピクセルに関連付けられる各比較グループは共通のピクセルを全く含まない。
【0038】
被影響ピクセルと呼ばれるピクセルPが、評価可能な信号、すなわち、既定の閾値Sよりも大きい信号を収集すると、処理回路PROCは以下の操作に着手する:
●被影響ピクセルPに関連付けられる比較グループC内で収集された信号の判定、
●前記被影響ピクセルPの隣接ピクセルP〜Pの決定、
●被影響ピクセルPの各隣接ピクセルP〜Pに関連付けられる比較グループC〜C内で収集された信号の判定、
●ピクセルPに関連付けられる比較グループC内で収集された信号と、各隣接ピクセルP〜Pに関連付けられる比較グループC〜C内で収集された信号との比較。
【0039】
被影響ピクセルPが関連付けられる比較グループCが、それに隣接するピクセルP〜Pの各々に関連付けられる比較グループC〜C内で集められた信号よりも高い信号を集めた場合には、被影響ピクセルPは「勝者ピクセル」と宣言される。
【0040】
被影響ピクセルPの隣接ピクセルに関連付けられる少なくとも1つの比較グループC〜Cが比較グループCよりも多くの信号を集めた場合には、被影響ピクセルPは「勝者ピクセル」と宣言されない。
【0041】
相互作用の過程では、いくつかのピクセルが、閾値Sよりも大きい信号を同時に収集する場合がある。以上において説明された方法は、好ましくは、検出器内における相互作用の後に被影響ピクセルごとに実施される。
【0042】
隣接ピクセルは、ピクセルPに最も近いN個のピクセルを意味することを意図される。Nは2以上の整数である。これらは4つの最近接点(N=4)もしくは6つの最近接点(N=6)であってもよいか、またはさらにより多くてもよい。値Nは,特に、ピクセルのサイズに依存する。このサイズが小さいほど、相互作用は多数の隣接ピクセル内に評価可能な信号を発生させやすくなることが理解される。
【0043】
比較グループによって収集された信号は、このグループを構成する個々のピクセルによって収集された信号を表す値を意味することを意図される。これは、特に、グループを構成する個々のピクセルによって収集された信号の和であってもよい。代表値を判定する他のモードを実施することもできる。例えば、グループのピクセルの各々によって放出された信号の値に重みを付けることが可能である。
【0044】
閾値Sであって、それを超えるとピクセルPが信号を収集したと見なされる閾値Sは、先行試験の過程において実験的に決定された値であるか、任意に定められた値のものであるか、または検出器が放射に曝露されていない校正段階の間に決定された値のものであることができる。この値は各ピクセルについて同一であることができるか、または各ピクセルPに関連付けられる値Sであることができる。
【0045】
比較の間に同等が生じた場合には、比較に関わった比較グループの中から最も大きい信号量を累積した比較グループを任意に定めるために、既定の優先規則を用いることが可能である。衝撃中心は、例えば、行方向または列方向の順位が最も低いピクセルとして定められる。より正確に言えば、全く同一の行の2つのピクセル間の比較の結果、同等となった場合には、行番号がより低い方を支持することが可能である。同様に、全く同一の列の2つのピクセルの比較の結果、同等となった際には、列番号がより低い方を支持することが可能である。
【0046】
本発明の重要な特徴は、比較を実行するべき2つの隣接ピクセルに関連付けられるグループは共通のピクセルを全く含まないことである。これにより、比較の間に実行されるべき計算数が減少する。この結果、デバイスの電力消費の低減がもたらされる。さらに、これは、相互作用の位置の特定の信頼性を改善することを可能にすることができる。単純な例により、この利点を理解することが可能になる。グループの各々において、考慮されているグループのピクセルの各々によって収集された信号の値の和を算出することが可能である。グループの各々によって収集された信号の比較は、個々のグループの和を比較することによって行うことができる。最も大きい和を有するグループが、最も大きい信号量を累積したグループである。被影響ピクセルに関連付けられるグループCと、N個の隣接ピクセルに関連付けられる各グループCi(1≦i≦N)、Ci(1≦i≦N)との比較は、和の減算、および減算の結果の比較によって容易に行われる。比較される2つのグループが1つ以上の共通のピクセルを含む場合には、2つのグループに共通のピクセルの重みは減算の際に互いに相殺し合う。対照的に、比較されるグループが共通のピクセルを全く含まない場合には、2つのグループの比較は異なるピクセルに基づいて遂行され、結果の妥当性は増すばかりとなる。
【0047】
図3a〜図3eは、衝撃中心を判定するために比較されるピクセルの個々のグループの一例を示すことを可能にする。
【0048】
提示を簡単にするために、5つの行a、b、c、d、eおよび5つの列1、2、3、4、5のマトリックスが考慮される。先と同じように、当然のことながら、現実のマトリックスは一般的に、より多数の行および列を有する。マトリックス内の座標がそれぞれc3、b3、d3、c4およびc2である、5つの所与のピクセルP、P、P、PおよびPが考慮される。時点tにおいて、ピクセルPは、閾値よりも大きい信号を検出し、いわゆる被影響ピクセルになると仮定される。所与のピクセルの各々には、所与のピクセル、および所与のピクセルに対して対角線的に配置される4つの他の隣接ピクセルを含むグループが関連付けられる。例えば、ピクセルPの場合、それに関連付けられるグループCは、ピクセルP、ならびに座標がb2、b4、d2およびd4であるピクセルを含む。図3a〜図3eにおいて、グループCは、模式的に示されたマトリックス内において、水平方向にハッチングをかけた枠によって示される。
【0049】
このグループCのピクセルの幾何学的編成は、ピクセルPの隣接ピクセルP、P、PおよびPの各々に関連付けられるグループC〜Cを定義するようにずらすことができるパターンを形成する。図3bには、被影響ピクセルPに関連付けられるグループC、および隣接ピクセルPに関連付けられるグループCが示される。2つのグループC、Cのパターンは、それらが共通のピクセルを含むことを防ぐように選定される。図3cには、被影響ピクセルPおよび隣接ピクセルPにそれぞれ関連付けられるグループCおよびCが示された、模式的に示されるマトリックスの別の複製が示される。図3dには、被影響ピクセルPおよび隣接ピクセルPにそれぞれ関連付けられるグループCおよびCが示され、図3eには、被影響ピクセルPおよび隣接ピクセルPに関連付けられるグループC、Cが示される。図3b〜図3eにおいて、グループC〜Cは、垂直方向にハッチングをかけた枠によって示される。
【0050】
各グループについて、考慮されているグループのピクセルの各々の信号の値の和が算出される。次に、被影響ピクセルPに関連付けられるグループに対応する和が、ピクセルPの各隣接グループに対応する和と一対ごとに比較される。より正確に言えば、図示されている例では、図3bには、ピクセルPおよびPにそれぞれ関連付けられるグループCおよびCの比較が示されている。図3cは、ピクセルPおよびPにそれぞれ関連付けられるグループCおよびCの比較を示す。図3dは、ピクセルPおよびPにそれぞれ関連付けられるグループCおよびCの比較を示す。図3eは、ピクセルPおよびPにそれぞれ関連付けられるグループCおよびCの比較を示す。それゆえ、隣接ピクセルと同数の比較、すなわち、4つの比較が遂行される。共通のピクセルを全く含まないグループのみが相互比較される。
【0051】
図3a〜図3eを用いて示されている例では、個々の比較の結果の関数としていくつかの典型的な場合が生じ得る。被影響ピクセルPに関連付けられるグループが、隣接ピクセルP、P、P、およびPに各々関連付けられる他の4つのグループの値の和の各々よりも大きい値の和を有する場合には、このとき、被影響ピクセルPは勝者ピクセルと宣言される。対照的に、ある比較は、被影響ピクセルPに関連付けられるグループを、特定の隣接ピクセルに関連付けられるグループの値よりも大きい値の和を有すると示し、他の比較は逆の結果を示す場合には、ピクセルPは勝者ピクセルではない。
【0052】
換言すれば、被影響ピクセルの比較グループを、それに隣接するピクセルの各々に関連付けられる全ての比較グループと比較することによって、個々の比較の全ての結果が、被影響ピクセルを、最も大きい信号量を累積したとして示す場合に、被影響ピクセルは勝者ピクセルとして宣言される。本例では、2つのピクセルは、それらが直に隣り合うもの同士であり、かつそれらがいずれもピクセルマトリックスの同じ行または同じ列内に位置する場合に、隣接すると見なされる。代替例として、隣接は、例えば、中心ピクセルを通過するマトリックスの対角線上に位置する、直に隣り合うピクセル、またはさらに、いわゆる直に隣り合うピクセルの近隣のピクセルを含めることによって、より幅広く定義することができる。
【0053】
有利には、勝者ピクセルには、勝者ピクセルの近隣に位置するピクセルのグループのピクセルの信号値に依存する信号値が割り当てられる。このピクセルグループは割り当てグループと呼ばれる。それは、勝者ピクセルに関連付けられる比較グループであることができる。これにより、算出を簡単にし、すでに遂行された和の算出を再利用することが可能になる。代替的に、割り当てグループは、勝者ピクセルに関連付けられる比較グループと異なる。実際に、個々の比較グループのために保持されるパターンは、個々の比較の間において共通のピクセルを回避することを可能にする穴を含むことができる。個々の比較グループのピクセルの数よりも多数のピクセルを割り当てグループ内に含めることが可能である。当然のことながら、個々の比較グループは同数のピクセルを有する。図3a〜図3eの例では、被影響ピクセルPが勝者ピクセルである場合には、ピクセルPに関連付けられる割り当てグループは、ピクセルPに関連付けられる比較グループの全てのピクセル、ならびにピクセルP、P、PおよびPを含むことができる。この場合には、比較グループは5つのピクセルを有し、割り当てグループは9つのピクセルを有する。割り当てグループのパターンと、ピクセル数で表される寸法とは、衝撃中心の周りの可視光子の散乱を表すように実験的に規定される。比較グループのパターンおよび寸法にもこれと同じことが言える。
【0054】
勝者ピクセルに割り当てられる信号値は、割り当てグループの全てのピクセルの信号の値の和であることができる。この和は単純な和であるか、または場合により、勝者ピクセルから最も遠い割り当てグループのピクセルについてあり得るノイズを考慮することを可能にする加重和であることができる。
【0055】
図4a〜図4eは、比較グループおよび割り当てグループの別の例を示すことを可能にする。図3a〜図3eに関しては、5つの行a、b、c、d、eおよび5つの列1、2、3、4、5のマトリックスが考慮された。本例の比較グループの特別な特徴は、比較グループが、それらが関連付けられるピクセルを含まないことである。例えば、被影響ピクセルPに関連付けられるグループは隣接ピクセルP、P、PおよびPのみを含み、被影響ピクセルPを含まない。この比較グループは図4b〜図4eに見ることができる。先と同様に、関連付けられるピクセルを問わず、個々の比較グループのパターンは同一のままである。例えば、隣接ピクセルPに関連付けられる比較グループC図4bに見ることができ、ピクセルc1、b2、c3およびd2を含む。図4cに見ることができる隣接ピクセルPに関連付けられる比較グループC図4dに見ることができる隣接ピクセルPに関連付けられる比較グループC、および図4eに見ることができる隣接ピクセルPに関連付けられる比較グループCにも同じことが言える。
【0056】
先と同様に、共通のピクセルを全く含まないグループのみが相互比較される。図4a〜図4eに示されている例において、図4bには、被影響ピクセルPに関連付けられるグループCと、隣接ピクセルPに関連付けられるグループCとの比較が示され、図4cには、ピクセルPに関連付けられるグループCと、隣接ピクセルPに関連付けられるグループCとの比較が示され、図4dには、被影響ピクセルPに関連付けられるグループCと、隣接ピクセルPに関連付けられるグループCとの比較が示され、図4eには、被影響ピクセルPに関連付けられるグループCと、隣接ピクセルPに関連付けられるグループCとの比較が示される。
【0057】
4つの比較の結果、被影響ピクセルPが勝者として示されると仮定すると、ピクセルPに関連付けられる割り当てグループは、ピクセルPに関連付けられる比較グループの全てのピクセル、プラス、ピクセルPを含む。図4aに、この割り当てグループが示される。
【0058】
図5a〜図5eは、変化するパターンを有する比較グループの形成の一例を示すことを可能にする。より正確に言えば、比較グループはピクセルのパターンに従って編成され、2つの所与の別個のピクセルに対して、それらのグループのパターンは2つの所与のピクセルの相対配向の関数として変化する。
【0059】
図5bは、一方は被影響ピクセルPに関連付けられ、他方は隣接ピクセルPに関連付けられる、2つの比較グループを示す。被影響ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル3b、3c、3dおよび4cを含む。隣接ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル1c、2b、2cおよび2dを含む。
【0060】
図5cは、一方は被影響ピクセルPに関連付けられ、他方は隣接ピクセルPに関連付けられる、2つの比較グループを示す。ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル2c、3c、4cおよび3dを含む。隣接ピクセルPに関連付けられるグループCは被影響ピクセル3a、2b、3bおよび4bを含む。
【0061】
図5dは、一方は被影響ピクセルPに関連付けられ、他方は隣接ピクセルPに関連付けられる、2つの比較グループを示す。被影響ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル2c、3b、3cおよび3dを含む。隣接ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル4b、4c、4dおよび5cを含む。
【0062】
図5eは、一方は被影響ピクセルPに関連付けられ、他方は隣接ピクセルPに関連付けられる、2つの比較グループを示す。被影響ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル3b、2c、3cおよび4cを含む。隣接ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル2d、3d、4dおよび3eを含む。
【0063】
図5b、図5c、図5dおよび図5eに示される比較では、一対ごとに比較されるグループCおよびC(1≦i≦N=4)は共通のピクセルを全く有しない。
【0064】
4つの比較の結果、被影響ピクセルPが勝者として示されると仮定すると、ピクセルXに関連付けられ、図5aに示される割り当てグループは、ピクセル2c、3b、3c、3dおよび4cを含む。図4a〜図4eの例の場合と同様に、図5aに示される割り当てグループは、ピクセルPに関連付けられる個々の比較グループよりも多数のピクセルを含む。
【0065】
図6a〜図6eは、変化するパターンを有する比較グループの形成の別の例を示すことを可能にする。本例では、本発明者らは、勝者ピクセルに付与される信号値を決定するために実行される合算の際の算出を抑える。より正確に言えば、勝者ピクセルを判定することに寄与した比較グループの信号値が、勝者ピクセルへの信号値の割り当てにおいて利用される。換言すれば、勝者ピクセルに割り当てられる信号値を決定するために、割り当てグループの個々のピクセルの各個の値へ戻る必要が低減され、比較グループについてすでに算出された和が再利用される。これは、比較ステップの間にすでに行われた算出を割り当てのために再利用することによって、算出を抑えることを可能にする。
【0066】
図6bは、一方は被影響ピクセルPに関連付けられ、他方は隣接ピクセルPに関連付けられる、2つの比較グループを示す。被影響ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル3cおよび4cを含む。隣接ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル1cおよび2cを含む。
【0067】
図6cは、一方は被影響ピクセルPに関連付けられ、他方は隣接ピクセルPに関連付けられる、2つの比較グループを示す。被影響ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル3cおよび3dを含む。隣接ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル3aおよび3bを含む。
【0068】
図6dは、一方は被影響ピクセルPに関連付けられ、他方は隣接ピクセルPに関連付けられる、2つの比較グループを示す。被影響ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル2cおよび3cを含む。ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル4cおよび5cを含む。
【0069】
図6eは、一方は被影響ピクセルPに関連付けられ、他方は隣接ピクセルPに関連付けられる、2つの比較グループを示す。被影響ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル3bおよび3cを含む。隣接ピクセルPに関連付けられるグループCはピクセル3dおよび3eを含む。
【0070】
先と同様に、図6b、図6c、図6dおよび図6eに示される比較、比較されるグループC(1≦i≦N=4)は、ピクセルPに関連付けられるグループCと共通のピクセルを全く有しない。
【0071】
4つの比較の結果、ピクセルPが勝者ピクセルとして示されると仮定すると、ピクセルPに関連付けられ、図6aに示される割り当てグループは、ピクセル1c、2c、3a、3b、3c、3d、3e、4cおよび4dを含む。図6aに示される割り当てグループは、勝者ピクセルPに関連付けられる個々の比較グループよりも多数のピクセルを含む。勝者ピクセルに割り当てられる信号値を決定するために、敗者比較グループ、すなわち、ピクセルP、P、PおよびPに関連付けられる比較グループの信号値の和が計算される。この和に勝者ピクセルPの信号値が加算される。それゆえ、5つの値を加え合わせることによって、割り当てグループの9つのピクセルの信号の総和が得られる。
【0072】
図7a、図7b、図7c、図8aおよび図8bは、本発明により得られる利点を示すことを可能にする。先と同様に、5つの行a、b、c、d、eおよび5つの列1、2、3、4、5のマトリックスが考慮される。マトリックスの各ピクセルのために、図7a、図7bおよび図8aには、ピクセルごとに記録された信号の量が指示されている。単純化のために、この量は整数によって表される。3つの図7a、7bおよび8aのマトリックスは同じ量の信号を受け取る。これらの3つのマトリックスの間の相違は、選定される比較グループにある。図7aおよび図7bに示される比較グループは本発明を実施しない。図7aでは、ピクセルc3に関連付けられる比較グループはピクセルb3、c2、c3、c4およびd3を含む。図7bでは、ピクセルc4に関連付けられる比較グループはピクセルb4、c3、c4、c5およびd4を含む。これらの2つのグループは共通のピクセルc3およびc4を有する。図7cに、各比較グループ内の総信号量が示される。ピクセルc3およびc4に関連付けられる2つのグループについて、総和は11に等しい。したがって、不確定性が存在する。勝者ピクセルを判定することは可能でない。記録のために、本発明者らは、ピクセルb2、b3、b4、c2、d2、d3およびd4についての同形の比較グループの和も記した。
【0073】
図8aは、図5bに示される例に基づく、本発明に係る、ピクセルc3およびc4にそれぞれ関連付けられる比較グループを示す。より正確に言えば、ピクセルc3に関連付けられる比較グループはピクセルb3、c2、c3およびd3を含む。ピクセルc4に関連付けられる比較グループはピクセルb4、c5、c4およびd4を含む。図8bに、各比較グループ内の総信号量が示される。ピクセルc3に関連付けられるグループでは、総和は9に等しく、ピクセルc4に関連付けられるグループでは、総和は8に等しい。ここでは、ピクセルc3は勝者ピクセルであると判定することが可能である。
【0074】
図8aおよび図8bを用いて示されている例は、共通のピクセルを全く含まない比較グループを選定することによって、勝者ピクセルのより信頼性の高い判定が可能になることを示す。しかし、このピクセルは、検出器10内における相互作用の最も確度の高い位置を表す。したがって、本発明は、検出器の空間分解能を改善することを可能にすることが理解される。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b