特許第6594338号(P6594338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6594338ブレーキディスク悪化状態を決定するための方法および器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594338
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】ブレーキディスク悪化状態を決定するための方法および器具
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/95 20060101AFI20191010BHJP
   G01N 21/954 20060101ALI20191010BHJP
   G01B 11/30 20060101ALI20191010BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20191010BHJP
   F16D 65/00 20060101ALI20191010BHJP
   F16D 66/00 20060101ALI20191010BHJP
   F16D 66/02 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   G01N21/95 A
   G01N21/954 Z
   G01B11/30 A
   G06T1/00 400J
   G06T1/00 330Z
   F16D65/00 E
   F16D66/00 Z
   F16D66/02 X
【請求項の数】22
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-565584(P2016-565584)
(86)(22)【出願日】2015年1月27日
(65)【公表番号】特表2017-506349(P2017-506349A)
(43)【公表日】2017年3月2日
(86)【国際出願番号】IB2015050626
(87)【国際公開番号】WO2015111031
(87)【国際公開日】20150730
【審査請求日】2018年1月26日
(31)【優先権主張番号】TV2014A000013
(32)【優先日】2014年1月27日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516224112
【氏名又は名称】テクサ・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マヌエーレ・カヴァリ
【審査官】 藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−213041(JP,A)
【文献】 特開2013−152128(JP,A)
【文献】 特開2004−361243(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0083188(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
G01B 11/30
G06T 1/00
F16D 65/00
F16D 66/00
F16D 66/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のブレーキシステムのブレーキディスク(2)の悪化状態を決定するための方法であって、
光発信ヘッド(4)を用いて、前記ブレーキディスク(2)の面(3)に向かって、前記面(3)において少なくとも1つの光の線(L)を描くために、平行光ビーム(E)を発信するステップであって;前記平行光ビーム(E)が、前記ブレーキディスク(2)の前記面(3)の敷設平面に対して基本的に傾斜/斜交している方向を有するために発信される、ステップと、
前記描かれた光の線(L)に従って、前記ブレーキディスク(2)の前記悪化状態または非悪化状態を決定するステップと、
を含み、
前記方法は、
前記描かれた光の線(L)における1つまたは複数の不規則/変形の幾何学的区分(T)の存在または非存在にそれぞれ従って、前記ブレーキディスク(2)の悪化状態または非悪化状態を決定するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記描かれた光の線(L)と、前記ブレーキディスク(2)の非悪化状態と関連付けられる基準線(R)との間の比較に従って、前記描かれた光の線(L)における1つまたは複数の前記不規則/変形の幾何学的区分(T)を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電子式画像取得装置(5)を用いて、前記ブレーキディスク(2)の前記面(3)における前記描かれた光の線(L)の画像を取得/捕捉するステップと、
前記描かれた光の線(L)における1つまたは複数の不規則/変形の幾何学的区分(T)を局所的に決定するために、電子式制御装置(6)を用いて、取得/捕捉された前記描かれた光の線(L)の前記画像を処理するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電子式制御装置(6)を用いて、前記描かれた光の線(L)を前記ブレーキディスク(2)の非悪化状態と関連付けられる基準線(R)と比較し、前記比較に従って、前記線(L)における1つまたは複数の不規則/変形の幾何学的区分(T)を局所的に決定するステップと、
1つまたは複数の決定された不規則/変形の区分(T)に従って、前記電子式制御装置(6)を用いて、前記ブレーキディスク(2)の前記悪化状態を決定する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記描かれた光の線(L)における1つまたは複数の不規則/変形の区分(T)の非存在に従って非悪化状態を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ユーザーインターフェースシステム(17)を用いることで、前記決定された悪化状態または非悪化状態に関連付けられる情報を使用者に自動的に通信/合図するステップを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ブレーキディスク(2)の前記面(3)において描かれた前記少なくとも1つの光の線(L)が直線を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記光ビーム(E)が、おおよそ4°からおおよそ14°の間から成る入射角で前記面(3)に当たる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記光ビーム(E)が、おおよそ2°からおおよそ4°の間から成る入射角で前記面(3)に当たる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記描かれた光の線(L)が、前記ブレーキディスク(2)に対して基本的に径方向である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記光ビーム(E)が、前記ブレーキディスク(2)の前記面(3)からおおよそ20mm未満の距離において、前記光発信ヘッド(4)によって発信される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
車両のブレーキシステムのブレーキディスク(2)の悪化状態を決定するための器具であって、
前記ブレーキディスク(2)の面(3)に向かって、前記面(3)において少なくとも1つの光の線(L)を描くために、光のビーム(E)を発信するように設計され、前記面(3)の敷設平面に対して基本的に傾斜/斜交している方向を有する平行光ビーム(E)を発信するために構成される光発信ヘッド(4)と、
前記面(3)において描かれた前記光の線(L)に従って、前記ブレーキディスク(2)の前記悪化状態を決定するための手段(5)(6)と、
を備え、
前記ブレーキディスク(2)の前記悪化状態を決定するための前記手段(5)(6)が、
前記描かれた光の線(L)の画像を取得/捕捉するように構成される電子式画像取得装置(5)と、
前記線(L)において1つまたは複数の不規則/変形の幾何学的区分(T)を局所的に決定するために、前記描かれた光の線(L)によって取得/捕捉された前記画像を処理するように構成され、前記1つまたは複数の不規則/変形の幾何学的区分(T)の存在または非存在にそれぞれ従って、前記ブレーキディスク(2)の悪化状態または非悪化状態を決定するように構成される電子式制御装置(6)と、
を備えることを特徴とする器具。
【請求項13】
前記決定された悪化状態または非悪化状態に関連付けられる情報を使用者に自動的に通信/合図するように構成されるユーザーインターフェースシステム(17)を備える、請求項12に記載の器具。
【請求項14】
前記光発信ヘッド(4)によって生成される前記平行光ビーム(E)が前記面(3)自体の敷設平面に斜交して前記面(3)に当たるように、長手方向軸(A)に沿って延び、かつ、前記ブレーキディスク(2)の前記面(3)に当接するように配置されるように設計される載置面(14)を端に有する管状筐体(11)を備える、請求項13に記載の器具。
【請求項15】
前記光発信ヘッド(4)が、おおよそ4°からおおよそ14°の間から成る入射角(α)で前記光ビーム(E)が前記面(3)に当たるように構成される、請求項13に記載の器具。
【請求項16】
前記光発信ヘッド(4)が、おおよそ2°からおおよそ4°の間から成る入射角(α)で前記光ビーム(E)が前記面(3)に当たるように構成される、請求項13に記載の器具。
【請求項17】
前記電子式画像取得装置(5)が、感光面を有するセンサ装置(9)と、取得/捕捉された前記画像を前記センサ装置(9)自体の前記感光面に投射する/焦点を合わせるように、前記センサ装置(9)と関連付けられるレンズ(10)とを備える、請求項13に記載の器具。
【請求項18】
前記レンズ(10)が魚眼レンズを備える、請求項17に記載の器具。
【請求項19】
前記光発信ヘッド(4)が、第1の方向に沿ってレーザー光ビーム(E)を生成するように設計されるレーザー発信装置(7)と、前記面(3)における前記光ビーム(E)の入射角(α)が所定の鋭角となるように、前記第1の方向に沿って前記レーザー光ビームを屈折するように設計される光学屈折手段(8)とを備える、請求項14に記載の器具。
【請求項20】
前記レーザー発信装置(7)が、使用中、前記ブレーキディスク(2)の前記面(3)からおおよそ20mm未満の前記光ビーム(E)の発信距離を有するように、前記管状筐体(11)に配置される、請求項19に記載の器具。
【請求項21】
前記光発信ヘッド(4)によって発信される前記光ビーム(E)が光のブレードである、請求項13に記載の器具。
【請求項22】
前記載置面(14)を前記面(3)に当接させたままにするように設計される磁気手段(15)を備える、請求項14に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のブレーキディスクの悪化状態を決定するための方法および器具に関する。具体的には、本発明は、以下の記載がそれによって普遍性を失うことなく明示的な参照を行うことになる、例えば自動車もしくはオートバイといった動力車などの車両、または、例えば自転車、もしくは、運搬車などのけん引される車両などの動力のない車両、および/または、少なくとも1つのブレーキディスクが設けられている任意の同様の車両のブレーキシステムのブレーキディスクの悪化状態および/または非悪化状態の診断に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のブレーキディスクの悪化状態は、現在、車両の修理/保守に概して任命された技術者によって決定されることが、知られている。技術者は、例えばコンパレータ/計測器を用いて、ブレーキディスクの面のクラウンにおける厚さ/深さ測定を観察および/または精査および/または実行することで、ブレーキディスクの悪化/摩耗の状態をその深さが表している管状の溝に概して対応する表面の不規則性を検出する。
【0003】
したがって、前述の分析の方法は、純粋に主観的な評価に基づいており、その正確性は分析を実施する技術者の経験/知識に大きく依存し、そのため、無視できない誤りを受ける可能性がある。
【0004】
前述の方法の実施は、ブレーキディスクを組み込んでいる車輪が、技術者によるブレーキディスクの面の分析を容易にするために、車両から取り外されることも必要とする。明らかに、この作業は方法の実施の時間/コストに大きな影響を与える。
【0005】
GB2284048Aは、加工対象物の塗装された表面などの表面の不良または平滑を検出するために、加工対象物表面を検査する方法を開示している。方法は、撮像手段で反射された光を撮像するステップと、撮像手段の画像に現れる暗い部分から加工対象物表面における不良部分を検出するために、画像を処理するステップとを含んでいる。
【0006】
DE4101921は、車輪リム/タイヤ組立体において回転するための車輪リム/タイヤ組立体に搭載するためのスピンドルを有する動的車輪バランサのための車輪リム/タイヤ組立体パラメータ測定装置を開示しており、その車輪リム/タイヤ組立体パラメータ測定装置は、スピンドルにおいて車輪リム/タイヤ組立体に向けて経路に沿って方向付けられる光ビームを提供する、車輪バランサに搭載される光ビーム投射手段と、前記光ビームを、実質的に単一の平面において含まれるビームへと変換する光学手段と、変換された光ビームによって作用されるリム/タイヤ組立体における領域から反射される光に曝される、変換された光ビームに応答する信号を提供するための光感知手段と、前記光感知手段によって提供される前記信号を受信する、車輪リム/タイヤ組立体の特徴的な位置、寸法、および物理的構成に関するデータを提供するための手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】GB2284048A
【特許文献2】DE4101921
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのため、出願者は、素早く簡単に安価で客観的な方法で、車輪を車両から取り外すことなく、ブレーキディスクの悪化/摩耗の状態を表す情報を提供することを具体的に可能にする解決策を見出そうとする目的の徹底的な研究を実施してきた。
【0009】
より具体的には、出願者によって見出された解決策は、車輪を車両から取り外すことなく、ブレーキディスクの摩耗と好ましくは関連付けられる悪化状態を決定/読取/検出することで、車両の素早く経済的で正確な保守(点検)を実施することを可能にするという目的を持っており、正確な保守(点検)は、特に車両の「修正」の間、車両における安全制御試験を実行する上で必須である。
【0010】
そのため、本発明の目的は、前述の目的を達成する解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、添付の請求項で請求されているようなブレーキディスクの悪化状態を決定するための方法および器具に関する本発明によって達成される。
【0012】
ここで、本発明を、非制限的な実施形態を図示している添付の図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】稼働中の診断状態における、ブレーキシステムのブレーキディスクの悪化状態を決定するための本発明の教示による車両の器具の、明確性の目的のために一部拡大されている概略図である。
図2図1に示した器具の上面図である。
図3図2に示した器具の長手方向断面I-Iを示す概略図である。
図4】稼働中の診断状態の間、車両の車輪のリムの孔へと挿入されている図1に示した器具の概略図である。
図5】稼働中の診断状態における図1に示した器具の、明確性の目的のために、一部が断面で、一部が除去されている側面図である。
図6図1に示した器具を用いてブレーキディスクにおいて描かれた光の線の他の例の図である。
図7図1に示した器具を用いてブレーキディスクにおいて描かれた光の線の他の例の図である。
図8図1に示した器具の代替の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、本発明は、当業者が本発明を実施および使用できるように、添付の図面を参照して詳細に説明される。記載した実施形態への様々な変更が、当業者にはすぐに明らかとなり、記載した大まかな原理は、添付の請求項に定められているような本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態および用途へと適用され得る。そのため、本発明は、記載して図示した実施形態に限定されるとして解釈されるべきではなく、ここで記載および主張した原理および特徴と一致するより広い保護の範囲を有している。
【0015】
ここで、本記載において以後に用いられる用語の意味がより良く定義される。
【0016】
「ブレーキディスク」は、例えば鋳鉄もしくは鋼鉄などの金属材料から好ましくは作られる、または、例えばカーボンもしくはセラミックなどの他の非金属の材料から作られるディスクを意味する。ブレーキディスクは、車両の車輪に搭載される、または、搭載可能であり、車両のブレーキシステムと関連付けられる。ブレーキディスクは、使用中、ブレーキシステムの少なくとも1つのブレーキキャリパが作用し得る平坦で好ましくは滑らかな(実質的に表面の不規則/不均一のない)周辺にある環状のブレーキングクラウン/トラックを少なくとも有する。ブレーキディスクは前述のディスクに限定されず、例えば、ブレーキングトラックに隣接または形成された冷却開口および/または孔を呈してもよい。
【0017】
「表面の不規則」は、摩耗によって、および/または、ブレーキディスクの総称的な損傷/破損によって引き起こされた、ブレーキディスクの一面に存在する1つまたは複数の溝および/または切り込みおよび/または割れおよび/または凹みおよび/または変形および/または同様のものを意味する。
【0018】
ブレーキディスクの「悪化状態」は、ブレーキディスクの面における少なくとも表面の不規則の存在と関連付けられるブレーキディスクの不良/摩耗/損傷の状態を意味し、一方、ブレーキディスクの「非悪化状態」は、ブレーキディスクの面における表面の不規則の非存在と関連付けられるディスクの変化のないことを意味する。
【0019】
本発明は、ブレーキディスクの一面において、好ましくはレーザー光のビームである平行光ビーム(例えば、光のブレード)に本質的に基づかれており、それによって、前記面において、好ましくは真っ直ぐな少なくとも1つの光の線を引き/描き、描かれた光の線における不規則/変形の区分の存在または非存在にそれぞれ基づいて、ブレーキディスクの悪化状態または非悪化状態を検出/決定する。出願者は、実験室での試験を用いて、例えばその摩耗によって生じさせられる、例えばブレーキディスクの面における環状の溝など、表面の不規則が、すぐ隣の滑らか/平滑な(つまり、表面の不規則/不均一がない)部分と比較した場合、異なる方法で入射光ビームを反射し、それによって、投射された真っ直ぐな光の軌跡において、対応する不規則な光の区分の形成、つまり、ブレーキディスクの悪化状態を表している局所的な光の切れた/ギザギザにされた/曲げられた部分/区分/区域を生じさせることを見出している。
【0020】
この目的のために、図1に示した実施形態を参照すると、出願者はブレーキディスク診断器具1を提供しており、ブレーキディスク診断器具1は、必ずではないが好ましくは自動車である車両(図示せず)のブレーキシステムのブレーキディスク2の面3に平行光ビームEを投射するために、および、放射された/当たった面3において、所定の形状を有する少なくとも1つの光の線Lを引く/描くために、平行光ビームEを発信するように構成されていると共に、後でより詳細に記載しているように、描かれた光の線Lに基づいて、ブレーキディスク2の悪化状態または非悪化状態を決定するように構成されている。
【0021】
図3を参照すると、ブレーキディスク診断器具1は、使用中、面3に、好ましくは、環状の周辺にあるブレーキングトラック3aに、所定の形状を有する少なくとも1つの光の区分/線Lを引く/描くために、平行光ビームEを生成/投射するように設計されている光発信ヘッド4を備えている。
【0022】
ブレーキディスク診断器具1は、ブレーキディスク2の面3において描かれた光の線Lの画像を取得/捕捉/読取するための電子式画像取得装置5と、描かれた光の線Lを決定するように、取得された画像を処理すること、および、決定された描かれた光の線Lの形状に基づいてブレーキディスク2の悪化状態または非悪化状態を決定することのための電子式制御装置6とをさらに備える。
【0023】
図3に示した好ましい実施形態によれば、光発信ヘッド4は、第1の方向に沿ってレーザー光ビームEを生成するためのレーザー発信装置7と、好ましいが必然ではない、発信された光ビームが交差するようにレーザー発信装置7に配置され得る光学屈折手段8とを都合の良いことには備え得る。光学屈折手段8は、都合の良いことには、使用中、器具1によって発信される平行光ビームEの伝播の方向が面3の敷設平面に対して傾斜/斜交されるような方法で、第1の方向に対して所定の角度のある逸脱を、光ビームEにその経路に沿って与えるような構造とされ得る。出願者は、面3に斜交の方向で、つまり、面3に垂直とせずに光ビームを投射することで、損傷/摩耗されたブレーキディスク2の面3において描かれた光の線Lにおいておそらく存在する不規則/変形の区分Tの増幅が、有利に得られることを見出している。
【0024】
レーザー発信装置7は、例えば、レーザーダイオードを備えてもよく、その場合、発信されたレーザー光ビームEは、光学屈折手段8と交差した後、図1に示したような光の平面またはブレードに対応してもよく、必然ではないが好ましくは、緑色または赤色の可視光スペクトルに含まれる波長範囲を有し得る。出願者は、薄い(例えばおおよそ5mmより小さい厚さ/幅)単色とされた線(例えば、赤色または緑色)を面3において描くことで、太陽光のある場合であっても、不規則/変形の区分Tの増加した視認性と、より良好な診断精度とが得られることを見出している。
【0025】
本発明がレーザー光ビームEの発信/投射に限定されず、前述のものと代わる/異なる実施形態を提供することは、明らかである。例えば、異なる実施形態(図示していない)によれば、光発信ヘッド4は、例えば、少なくとも1つの好ましくは単色LEDまたは同様の光源と、LEDに隣接する少なくともレンズおよび/または鏡によって形成され、ブレーキディスク2において線の光Lを描くためにLEDによって発信される光のビームを平行にするように設計される平行装置とを備え得る。表面において光のビームを平行にするための方法/装置は、すでに知られており、そのためさらに説明することはない。
【0026】
図3および図5に示している好ましい範例となる実施形態によれば、使用中、光ビームがブレーキディスク2の面3と所定の入射角αを形成することを確保するために、光ビームと交差されるように、および/または、光ビームを反射するように、実質的に並べられる位置に、および/または、レーザー発信装置7を向いている位置に、例えばカスケードで配置され得る1つまたは複数の光学プリズムまたは同様の装置を、光学屈折手段8は備えてもよい。
【0027】
図3および図5に示している好ましい範例となる実施形態によれば、画像取得装置5は少なくとも1つのセンサ装置9を備えており、センサ装置9は、使用中、センサ装置9の感光面が、面3における描かれた光の線Lを実質的に向いており、読取/取得された画像と関連付けられる/その画像を符号化するデータ/電気信号を生成するように構成されるような方法で、好ましくは配置される。センサ装置9は、少なくとも1つの読取センサCMOS(相補型金属酸化膜半導体)を都合の良いことには備え得る。画像を読み取るためのCMOSセンサは、典型的には、カメラで用いられており、知られているため、さらには説明しない。可能な実施形態によれば、センサ装置9は、白黒またはカラーのCMOSカメラを備え得る。出願者は、白黒のCMOSカメラの使用によって、取得される画像の解像度を安価に高められることを見出している。
【0028】
しかしながら、本発明は、CMOS読取センサの使用に限定されておらず、センサ装置9が例えば1つまたは複数のCCD(電荷結合素子)センサなどを備え得る、代わりの/異なる実施形態が提供されてもよい。
【0029】
図2および図3に示した好ましい範例となる実施形態によれば、画像取得装置5は、センサ装置9の感光面に画像を投射する/焦点を合わせるためにセンサ装置9と関連付けられているレンズ10を、好ましくは備えてもよい。レンズ10は、好ましくは、センサ装置9と適切に結合される/センサ装置9を向く広角光学システムまたは任意の同様の光学システムを備えてもよい。好ましい範例となる実施形態によれば、レンズ10は、都合の良いことに安価であることを除いて、特に大きい画角を得ることを可能にする魚眼レンズを備えてもよい。好ましくは、レンズ10は、おおよそ175°の画角を都合良く有する魚眼レンズを備え得る。
【0030】
図3および図5に示した好ましい実施形態によれば、制御装置6は、例えば、マイクロプロセッサおよび/または任意の同様の電子式/電気式の回路/装置を備えてもよく、ブレーキディスク2の面3において線の光Lを描くように、使用者によって与えられる命令に応じて、光発信ヘッド4を作動/制御するように、描かれた光の線Lの画像を受信し、受信した画像を処理して、不規則/変形の区分Tを決定するために、画像取得装置5を作動/制御するように、および、このように決定された不規則/変形の区分Tに基づいて悪化状態または非悪化状態を決定するように、構成され得る。
【0031】
図1図6、および図7に示した好ましい実施形態によれば、制御装置6は、描かれた光の線Lを、ブレーキディスク2の摩耗の非存在と関連付けられる理論的な所定の基準の光の線R(図1図6、および図7に例として点線で示している)、つまり、面3が例えば好ましくは滑らかで溝のない、悪化されていないブレーキディスク2において描かれる光の線と比較するように構成されてもよく、比較に基づいて、ブレーキディスク2の悪化状態/非悪化状態を決定する。
【0032】
好ましい実施形態によれば、制御装置6は、描かれた光の線Lと理論的な所定の基準線Rとの比較に基づいて、逸脱、つまり、不規則/変形の区分Tを決定するように構成されてもよく、決定された不規則/変形の区分Tに基づいて、ブレーキディスク2の悪化状態を決定する。
【0033】
図1に示した好ましい例の実施形態によれば、光発信ヘッド4は、ブレーキディスク2の面3において、真っ直ぐな光の線Lを引く/描くように構成され、一方、制御装置6は、描かれた光の線Lにおいて不規則/変形の区分Tを特定するように、描かれた光の線Lを真っ直ぐな基準線Rと比較するように構成されている。不規則/変形の区分Tは、線が局所的に破断されている区域、ギザギザにされている区域、および/または曲げられている区域に対応し得る。出願者は、ブレーキディスク2における真っ直ぐな光の線Lの投射と、真っ直ぐな基準線Rの使用とが、好都合なことに、ブレーキディスク2の悪化状態を決定するための作業を単純化し、それによって必要な計算能力を低減することを可能にすることを見出している。しかしながら、本発明が、真っ直ぐな光の線Lの投射と、それの真っ直ぐな基準線Rとの比較とに限定されず、例えば、光の線/基準線が例えば半円形といった曲線である代わりの/異なる実施形態、または、例えば櫛状の光(図6に示している)を形成するために、複数の相互に平行な真っ直ぐな線、もしくは、例えば格子状の光(図7に示している)を形成する真っ直ぐな直交する線が例えば提供された、いくつかの所定の線の模様を含む代わりの/異なる実施形態が提供されてもよいことは、明らかである。
【0034】
図1に示した好ましい範例となる実施形態によれば、描かれた真っ直ぐな光の線Lは、ブレーキディスク2のブレーキングトラック3aにおいて、好ましくは、ブレーキディスク2の実質的に径方向に沿って延びることができる。出願者は、面3において実質的に径方向の光の線を描くことは、面3における環状の表面の不規則S(例えば、環状の溝)の検出を単純化することを見出している。
【0035】
図1に示した好ましい範例となる実施形態によれば、描かれた真っ直ぐな光の線Lは、好ましくは、ブレーキディスク2のブレーキング表面3aの径方向の幅以下の長さを有することができる。
【0036】
図1図5に示した好ましい実施形態によれば、描かれた光の線Lが、例えば、ギザギザにされている区分、破断されている区分、不連続な区分、および/または曲げられている区分といった、少なくとも1つの局所的な変形または不規則の区分Tを有するとき、制御装置6は悪化状態を決定するように構成され得、決定された悪化状態/非悪化状態を表す1つまたは複数のブレーキディスク診断データ/信号を提供/生成する。
【0037】
この目的のために、器具1は、制御装置6からブレーキディスク診断データ/信号を受信し、決定された悪化状態/非悪化状態を表す情報を使用者へと通信するように構成されたユーザーインターフェースシステム17を備え得る。ユーザーインターフェースシステム17は、情報を使用者へと提供できる任意のインターフェース装置を備え得る。例えば、ユーザーインターフェースシステム17は、使用者による接触に知覚可能な振動を生成するような構造(ブザーまたは同様の装置)、視覚的メッセージを生成するような構造(表示装置または同様の装置)、および/または、音声メッセージを生成するような構造(スピーカまたは同様の装置)とされ得る。ユーザーインターフェースシステム17に加えて、または、その代替として、器具1はブレーキディスク診断データ/信号(悪化状態/非悪化状態に関する)を、1つまたは複数の追加の装置(使用者との診断通信インターフェースが設けられた遠隔装置など)へと、ならびに/または、無線および/もしくは有線の信号/データの通信装置/システム18を通じて装置のネットワーク(図示していない)へと通信するように設計され得る。無線信号/データ通信装置18が、伝送媒体として電波、赤外線、および/またはレーザーシステムを使用でき、既知の通信プロトコル(Bluetooth、IEE、GPRS、Wi-Fiなど)を実行できることは、明らかである。
【0038】
図1図5に示した好ましい実施形態によれば、制御装置6は、決定された描かれた光の線Lが実質的にそれぞれの基準線Rと一致するとき、悪化状態の非存在を決定(および通信)するように構成され得る。
【0039】
図1図2、および図3に示した好ましい実施形態によれば、ブレーキディスク診断器具1は、プラスチックまたは金属などの剛体の材料から作られた外側筐体11を備えてもよく、外側筐体11は、好ましくは、使用者によって把持されるように成形された細長い管状の要素の形を有し、光発信ヘッド4と、画像取得装置5と、好ましくはユーザーインターフェースシステム17と、ブレーキ診断信号/データの通信装置/システム18とを収容する。
【0040】
図1図2、および図3に示した好ましい範例となる実施形態によれば、筐体11は、長手方向軸Aに沿って延びる第1の管状部分12と、第1の管状部分12に対して軸Aの周りに回転するように第1の管状部分12のすぐ隣の端に回転可能に連結される一端を有する第2の管状部分13とを備え得る。
【0041】
異なる実施形態によれば、第1の管状部分12および第2の管状部分13のそれぞれの向き合う端は、使用中、第2の管状部分13が軸Aの周りに自由に回転できる、および/または、軸Aに対するその角度を変更できることを確保するために、関節継ぎ手または同様の機構(図示していない)を用いて相互に連結できる。
【0042】
図1図2、および図3に示した好ましい範例となる実施形態によれば、第1の管状部分12は、実質的に円筒の形を有し、好ましくは一体品で、プラスチックおよび/または金属または同様の材料から作られた鞘体を備えてもよく、その鞘体は、軸Aに沿って延び、診断器具1の取っ手を形成するように成形されている。
【0043】
図1図2、および図3に示した好ましい範例となる実施形態によれば、第2の管状部分13は、実質的に円筒の形を有し、プラスチックおよび/または金属または同様の材料から作られた鞘体を備えてもよく、第1の管状部分12に連結された端の反対の遠位端において、使用中に、光発信ヘッド4によって生成された平行光ビームEがブレーキディスク2の面3の敷設平面に斜交して面3に当たるように、面3に当接するように配置されるように意図されている平坦な載置面14を有するように成形されている(図5)。
【0044】
図1図2、および図3に示した好ましい範例となる実施形態によれば、平坦な載置面14は、軸Aと平面角度γを形成するように、軸Aに対して傾斜された平面に配置される斜角に対応し得る。平面角度γは、好ましくは、おおよそ30°からおおよそ70°の間で成り得る。平面角度γは、好ましくは、おおよそ50°であり得る。
【0045】
面3における光ビームEの入射角αは、好ましくは約4°から14°の間で成り、所定の鋭角とできる。好都合には、入射角は約9°であり得る。出願者は、おおよそ9°の入射角αによって、描かれた光の線Lにおいて、可能性のある不規則/変形の区分Tの光学的な増幅を得ることができることを見出している。
【0046】
好ましい実施形態によれば、レーザー発信装置7は、好都合なことに、面3に当たる前の平行光ビームEによって伝播される距離がおおよそ20mm未満であるような方法で、第2の管状部分13に配置され得る。出願者は、面3からおおよそ20mmの距離において平行光ビームEを発信することで、つまり、面3からこのような距離にレーザー発信装置7を配置することで、くっきりとして明確な光の線Lを面3に描くように、面3の全幅において光線の最適な集束が得られることを見出している。
【0047】
面3に当接するように配置される平坦な載置面14の維持を確保するために、診断器具1には磁気連結システム15が好都合なことに設けられ得る。図1図2、および図3に示した好ましい範例となる実施形態によれば、磁気連結システム15は、磁気連結システム15の磁気引力のおかげで、平坦な載置面14がブレーキディスク2の面3に向かって押し付けられることを確保するように、好ましくは平坦な載置面14において、第2の管状部分13に適切に組み込まれる/収容される1つまたは複数の永久磁石、電磁石、または同様の磁気装置を備え得る。
【0048】
図1図2、および図3に示した好ましい実施形態によれば、第2の管状部分13は、好ましくは、平坦な載置面14の反対側に、レンズ10を収容する窪み/凹所16を中心に有している。図1図2、および図3に示した好ましい範例となる実施形態によれば、窪み/凹所16において、貫通孔が形成されており、その貫通孔内には、レンズ10の円筒部分が嵌め込まれている。好ましくは、レンズ10は、図3において軸Bとして指し示されているレンズの軸が、平坦な載置面14の平面と、そして使用中には面3と、おおよそ25°から35°の間から成り、好ましくは30°から成る平面角度βを形成するように、貫通孔に嵌め込まれ得る。出願者は、おおよそ30°の角度βに従ってレンズ10の軸Bを位置決めすることで、面3における描かれた光の線Lの最適な画像の取得が得られることを見出している。
【0049】
図1図2、および図3に示した好ましい範例となる実施形態によれば、第2の管状部分13は、遠位端において、平坦な載置面14のすぐ傍に、使用中、レーザー発信装置7を向く面3に光のブレードを投射するためのレーザー発信装置7によって生成される光ビームEによって交差される光学屈折手段8の光学プリズムを収容する貫通開口を有する。
【0050】
図8に示した代替の実施形態によれば、筐体11の第2の管状部分13における光発信ヘッド4および画像取得装置5の配置は、前述した構成に対して、実質的に逆にされている。好ましくは、画像取得装置5は、第2の管状部分13において、遠位端で、平坦な載置面14のすぐ傍らに配置される。好ましくは、第2の管状部分13は、前方の平坦な表面22に、平坦な載置面14にすぐ隣接して接触しており、載置面14に実質的に垂直に、センサ装置9のレンズ10の円筒部分が嵌め込まれている貫通孔を有している。好ましくは、レンズ10は、軸Bが、平坦な載置面14の敷設平面と、そして使用中には面3と、おおよそ2°から5°の間から成り、好ましくは3°から成る平面角度βを形成するように、前方の平坦な表面22の貫通孔に嵌め込まれ得る。
【0051】
好ましくは、第2の管状部分13の窪み/凹所16は、レーザー発信装置7を向く面3に光のブレードを、おおよそ29°から31°の間から成り、好ましくは30°から成る入射角で投射するために、使用中、レーザー発信装置7によって生成される光ビームEによって交差される光学屈折手段8の光学プリズムを代わりに収容してもよい。
【0052】
以後において、ブレーキディスクの悪化状態を決定するための方法が説明される。
【0053】
方法は、ブレーキディスク診断器具1を、その平坦な載置面14がブレーキディスク2の面3に当接するように配置される状態で位置決めするステップを含む。このステップにおいて、ブレーキディスク診断器具1は、ブレーキディスクを車輪/リム20から取り外す必要なく、平坦な載置面14をブレーキディスク2の面3に当接するように配置させるように、車輪のリム20における貫通孔に好都合なことに挿入され得る(図4および図5)。平坦な載置面14は、磁気連結システム15によって面3に当接するように維持され得る。方法は、運転命令を発することで、診断器具ブレーキディスク1を運転するステップを含む。このために、診断器具ブレーキディスク1は、例えば、筐体11に配置された、使用者の手動の動作に応じて運転信号を生成することができる手動制御装置19を備えてもよい。しかしながら、代替として、および/または、追加で、信号/データ通信システム/装置18を介して制御装置6によって受信されるように、運転命令は、遠隔制御ユニット(図示していない)など、追加の装置によって発せられてもよい。
【0054】
運転命令に応答して、方法は、面3において少なくとも1つの光の線Lを描くために、光発信ヘッド4が光ビームE(好ましくは光のブレードに対応するように、適切に処理/平行とされている)をブレーキディスク2の面3に向かって発信するように、制御装置6が光発信ヘッド4を制御することを提供する。発信ヘッド4の使用/運転のみを提供する器具1の可能な単純化された実施形態によれば(例えば、器具1が画像取得装置5を含まない、または、運転しない可能性がある条件)、方法は、面3に描かれる光の線Lにおける不規則の区分Tの使用者による直接的な観察に基づいて、ブレーキディスク2の悪化の存在を決定するステップを提供する。明らかに、この場合、ブレーキディスクは使用者によって観察可能でなければならず、そのため、好ましくは車輪から取り外されるべきである。
【0055】
好ましい実施形態によれば、方法は、画像取得装置5が、描かれた光の線Lを含む画像を取得し、取得された画像を処理することで描かれた光の線Lを決定し、決定された描かれた光の線Lに基づいてブレーキディスク2の悪化状態を決定することを確保するために、制御装置6が画像取得装置5を制御することをさらに提供する。方法は、制御装置6が、不規則/変形の幾何学的区分Tを決定するために、描かれた光の線Lを前記基準線Rと比較し、決定された不規則/変形の幾何学的区分Tの存在または非存在にそれぞれ基づいて、悪化状態または非悪化状態を決定することを提供もする。方法は、制御装置6画ブレーキディスク診断信号/データを提供することと、ユーザーインターフェースシステム17が使用者にブレーキディスク診断信号/データと関連付けられる情報を提供することとを提供もする。
【0056】
方法は、制御装置6が、決定された不規則/変形の区分Tを特徴づける幾何学的パラメータに基づいて、ブレーキディスクの摩耗の度合いと関連付けられる摩耗についての一連の情報を決定するように構成されることも提供できる。摩耗、つまり、幾何学的パラメータについての情報は、例えば、面3における1つまたは複数の溝Sの深さおよび/または位置ならびに/あるいはさらなる類似の情報を含み得る。
【0057】
前述のブレーキディスク診断器具は、車両からの車輪の取り外しを必要とすることなく、ブレーキディスクの悪化状態または非悪化状態の正確な指示を、素早く簡単で客観的な方法で提供できるという点において、特に有利である。
【0058】
最後に、記載および図示した方法および診断器具が、添付の請求項によって定められた本発明の範囲から逸脱することなく変形および変更され得ることは、明確である。
【符号の説明】
【0059】
1 ブレーキディスク診断器具、診断器具ブレーキディスク
2 ブレーキディスク
3 面
3a ブレーキングトラック、ブレーキング表面
4 光発信ヘッド
5 電子式画像取得装置
6 電子式制御装置
7 レーザー発信装置
8 光学屈折手段
9 センサ装置
10 レンズ
11 外側筐体
12 第1の管状部分
13 第2の管状部分
14 載置面
15 磁気連結システム
16 窪み/凹所
17 ユーザーインターフェースシステム
18 ブレーキ診断信号/データの通信装置/システム
19 手動制御装置
20 車輪/リム
22 前方の平坦な表面
A 長手方向軸
B 軸
E 平行光ビーム
L 光の線
R 基準の光の線
S 不規則、溝
T 不規則/変形の区分
α 入射角
β 平面角度
γ 平面角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8