特許第6594414号(P6594414)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6594414イソシアネート反応性アミン触媒で作られた低エミッションのポリウレタンフォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594414
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】イソシアネート反応性アミン触媒で作られた低エミッションのポリウレタンフォーム
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/18 20060101AFI20191010BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20191010BHJP
   C08G 18/65 20060101ALI20191010BHJP
   C07C 211/14 20060101ALI20191010BHJP
   C07C 209/48 20060101ALI20191010BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20191010BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20191010BHJP
【FI】
   C08G18/18
   C08G18/00 F
   C08G18/65
   C07C211/14
   C07C209/48
   !C07B61/00 300
   C08G101:00
【請求項の数】7
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-513719(P2017-513719)
(86)(22)【出願日】2015年9月11日
(65)【公表番号】特表2017-529437(P2017-529437A)
(43)【公表日】2017年10月5日
(86)【国際出願番号】US2015049655
(87)【国際公開番号】WO2016040783
(87)【国際公開日】20160317
【審査請求日】2018年8月8日
(31)【優先権主張番号】62/049,568
(32)【優先日】2014年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501073862
【氏名又は名称】エボニック デグサ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン ジェーズス バーデニウク
(72)【発明者】
【氏名】トアステン パーニッチュ
(72)【発明者】
【氏名】レネイ ジョー ケラー
【審査官】 三原 健治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−515540(JP,A)
【文献】 特開昭54−020099(JP,A)
【文献】 特開2001−181363(JP,A)
【文献】 特開2005−133097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G
C07C
C07B
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N,N−ビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミン及びN,N,N’−トリメチル−N’−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテルを含む、ポリウレタンフォームを製造するための触媒組成物。
【請求項2】
N,N−ビス(3−ジメチルアミノ−プロピル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)アミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−1,3−プロピレンジアミン;ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA);N−メチル−N−2−ヒドロキシプロピル−ピペラジン、ビス−ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピル尿素及びN,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、N−(3−アミノプロピル)イミダゾール、N−(2−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−モルホリン、及びN−(2−ヒドロキシエチルイミダゾール)からなる群から選択される第三級アミンをさらに含む、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのポリオールと少なくとも1つのポリイソシアネートとをN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミン及びN,N,N’−トリメチル−N’−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテルを含む触媒組成物の存在下で接触させることを含むポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項4】
前記ポリイソシアネートが60〜65のNCO指数を有する、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリイソシアネートが90〜110のNCO指数を有する、請求項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのポリオール、N,N−ビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミン及びN,N,N’−トリメチル−N’−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテルを含む触媒組成物、少なくとも1つのシリコーン界面活性剤、水及び少なくとも1つの架橋剤を含むプレミックス。
【請求項7】
前記架橋剤がジエタノールアミンを含む、請求項に記載のプレミックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年9月12日に出願された出願第62/049568号の利益を主張する。出願第62/049568号(Application No. 62/049568)の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の属する技術分野
本発明は、熱的に安定な共有結合を形成し且つ約120℃から約250℃までの温度に耐えることができるイソシアネート反応性基を有する第三級アミン触媒に関する。本発明はまた、以下の望ましい特性を有するポリウレタンフォームを製造するための本発明の触媒の使用に関する:a)広い範囲の環境条件及びイソシアネート指数(例えば、約65までであるが約60よりも高い指数)にわたり非常に低いケミカルエミッション;b)周囲よりも高い温度(例えば、約25℃〜約90℃の温度範囲)でさえもフォームが水又は水溶液に暴露された時に第三級アミン触媒の浸出なしにフォームに共有結合された触媒を維持するのに十分な加水分解安定性;及びc)熱及び湿度の条件下でも接触点で顕著なポリマー劣化を起こさずにポリウレタンポリマーから他のポリマーへの第三級アミン触媒の移動が最小限であるポリウレタンポリマーと他のポリマー(例えばポリカーボネート)との間の安定した接触界面。
【0003】
発明の背景
連続気泡軟質ポリウレタンフォームの製造は、様々な添加剤を使用し、それぞれが製品の最終的な特性や物理的特性を決定する役割を担う。これらの添加剤は、配合全体では少ない割合であり、そのエミッションは比較的低いと予想されるが、最終製品中の低揮発性有機物(VOC)に対する環境要求が高まっていることにより、フォームの性能を維持しながら、これらのより低いエミッションを達成するために添加物に対して追加要件が課されている。この技術分野では、従来の環境にやさしくない標準製品と同様に機能し得る、エミッションのない添加剤が必要とされている。
【0004】
ポリウレタンフォームを製造する従来の製造手順では、放出性の添加剤を使用することがよく知られている。トリエチレンジアミンやビス(ジメチルアミノエチル)エーテルなどの第三級アミンは、ポリウレタンフォームを製造するために当産業で使用されている従来の放出性触媒である。
【0005】
フォームからのエミッションを低減するために使用される戦略の1つは、イソシアネートと反応することができる第三級アミン触媒上に官能基を導入することに基づく。このアプローチを用いると、第三級アミン触媒はポリウレタンポリマーに共有結合したままで、環境中への放出が防がれる。このアプローチは、官能化された第三級アミンがイソシアネートと早期に反応して望ましくない副作用、例えば、不良な物理的特性、過剰な連続発泡若しくはフォームの崩壊を招くであろうポリマー連鎖停止又は過度の収縮及び不良な寸法安定性を招き得る過度の架橋を引き起こし得るので幾らか制限があり得る。臭いやエミッションを低減するもう1つの方法は、分子量及び/又は極性が高い物質を利用することに基づく。ジメチルアミノプロピル尿素、ビス(ジメチルアミノプロピル)尿素、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン及びN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)アミンなどの製品は、業界標準と比較して許容可能な物理的特性をもたらし得るが、ほとんどの従来の反応性触媒は今日の消費者及び製造業者の要求を常に満たすことはできない。これらの触媒を使用することで、フォームからの総エミッションを大幅に削減することができる。しかしながら、製造された最終製品は、通常、エミッションフリーではなく、VDA278検出法によりVOCとFOGの値は数百ppmに達することがある。イソシアネート反応性第三級アミン触媒に求められる主な特徴の1つは、成長ポリウレタンポリマーと熱的に安定な共有結合を形成する能力に関する。共有結合は、フォーム試料が加熱され、エミッションが一定流量の不活性ガスで加熱されたチャンバから取り除かれる時にアミン触媒をポリウレタンポリマー中に保持するのに十分安定でなければならない。現在、重合プロセス中にイソシアネートと反応することができる多種多様な官能化アミンポリウレタン触媒が存在している。しかしながら、多くの場合、アミン触媒をポリウレタンポリマー中に保持する共有化学結合が試験温度で十分に安定していないので、これらの反応性触媒のいくつかを用いて製造されたフォームはなおもアミンエミッションを有し得る。いかなる理論又は説明によって縛られることは望まないが、このようなエミッションが、ポリウレタンポリマーからのアミン触媒の放出、又はアミンポリマー付加物の熱分解による副生物及び化学的フラグメントの放出のいずれかをもたらし得ると考えられる。
【0006】
熱安定性に加えて、これらの触媒は、好ましくは多種多様な条件及びpHの下で加水分解的に安定な共有結合を形成する。第三級アミンとポリウレタンポリマーとの間の化学結合の加水分解安定性は、湿気及び/又は水に曝され得るテキスタイルとポリウレタンフォームが接触する用途、又は皮膚と接触している間にフォームが水に直接曝される用途において重要な役割を果たす。ポリマーと第三級アミンとの間の化学結合の加水分解安定性が十分ではない場合、第三級アミン触媒がポリウレタンポリマーから浸出し、アミンが直接皮膚に触れて皮膚刺激又は皮膚感作を引き起こし得る。
【0007】
最後に、より低いイソシアネート指数での熱安定性及び触媒固定化は、更なる性能要件である。90〜115などの典型的な指標での熱安定性に加えて、新規の触媒は、65未満で且つ通常60よりも高い指数で熱安定性を有し且つエミッションのないポリウレタンポリマーとの共有結合を形成できることが求められている。これは満たすのが難しい要件である。なぜなら、低イソシアネート指数では、ポリオール及び水からの全てのOH基と反応することができる十分なNCO基が存在せず、新規のアミン添加剤は、良質のフォームを得るために十分な触媒活性を付与し、且つポリウレタンポリマーの一部になり且つ重合プロセスが完了したらポリマー中に保持されるポリオール及び水からのOH基との効果的な競合をもたらすことが同時に求められるからである。
【0008】
米国特許第5,859,079号明細書(U.S. Patent No 5,859,079)は、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素及び3−ジメチルアミノプロピル尿素を含むポリウレタン触媒組成物を開示した。しかしながら、硬化したポリマーを120℃という高温まで加熱すると、アミンエミッションが起こり得る。また、この触媒を使用して製造された水に接触するフォームは高められたアルカリ度を有し得る。
【0009】
米国特許第6,858,654号明細書(U.S. Patent No 6,858,654)は、ゲル化触媒及び発泡触媒を含むポリウレタン形成反応を促進するための触媒組成物を開示している。ゲル化触媒は、第三級アミノアルキル置換された第一級又は第二級アミンから選択され、発泡触媒は、アルカノール部分、第一級アミン部分、又はこのような第一級アミン部分から誘導されたウレイド部分を含むビス(アミノアルキル)エーテルから選択される。この触媒で製造されたフォームは、悪臭のみならずポリカーボネートを着色する能力も有し得る。
【0010】
米国特許第4,101,470号明細書(U.S. Patent No 4,101,470)は、イソシアネートと反応して共有結合を形成することができるOH基を有する化合物を開示している。このような組成物の例は、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミンとプロピレンオキシドを反応させてビス(3−ジメチルアミノプロピル)(2−ヒドロキシプロピル)アミンを生成させる際に得ることができる。開示された組成物及び方法の1つの限界は、米国特許第6858654号明細書(US Patent No 6858654)に示される実施例に例示されているように、化学結合の熱安定性の欠如であり、ここではフォームがVDA278エミッション試験法による試験中に120℃まで加熱される際にビス(3−ジメチルアミノプロピル)(2−ヒドロキシプロピル)アミンからの分解生成物190ppmが見られる。
【0011】
米国特許第4,049,591号明細書(U.S. Patent No 4,049,591)は、一般式[R’’R’’N−(CH−]NCHCHRY(式中、R’’は低級アルキルであり、Rは水素又は低級アルキルであり且つYはCN、CONH、COR’、CONR’及びCOR’からなる群から選択され、ここでR’は独立してH、低級アルキル又はアリールである)を有する触媒量の化合物の存在下で有機ポリイソシアネートと有機ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールとを反応させることを含む、ポリウレタンフォームの製造方法を特許請求する。これらの化合物の制限は、NCOと反応可能な官能性の欠如又は熱的に安定な共有結合の形成不能性によるエミッション並びに加水分解不安定性を含む。
【0012】
予め特定された特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
この技術分野では、得られたフォームがエミッション試験に合格するポリウレタン触媒で作られたフォームが必要とされている。また、この技術分野では、イソシアネートと反応し且つ極端な環境条件を反映する試験条件に耐えることができる熱的に安定な共有結合を形成する触媒も必要とされている。このような必要性は難題になり得る。なぜならポリオール及び水からの全てのOHと反応するNCOの量が化学量論的に不足しているので、イソシアネート指数が低水準(65未満であるが60よりも高い指数)に低下するからである。また、必要とされる触媒は、ポリウレタン製品からのアミン触媒の浸出を防止してエンドユーザーへのアミン暴露(例えば、フォームが湿気/水分及び熱に直接的に又は間接的に接触する場合)を避けるために加水分解に安定な共有化学結合を形成することができなければならない。さらには、第三級アミン触媒とポリウレタンポリマーとの間の共有結合は、ポリウレタンが他の材料(例えば、ポリウレタンと接触したポリカーボネート)と接触した際に他の材料が損傷又は劣化しないように、熱及び湿度の極端な環境条件下で安定しているべきである。
【0014】
発明の概要
本発明は、アミンエミッションを低減し、次に連続気泡軟質ポリウレタンフォームからの総エミッションを削減するために、従来の反応性触媒及び方法に関連する問題を解決する。本発明はまた、水との接触中にフォームから浸出する触媒に関連する問題を解決し、それによってエンドユーザーのアミンへの曝露を回避する。本発明はまた、特定の材料がポリウレタンポリマーと接触する際の材料劣化の問題(例えば、熱及び湿度の極端な環境条件の間のポリウレタンフォームにおける触媒移動によって引き起こされ得る問題)も解決する。本発明は、これらの問題を解決し、最適な物理的特性及び発泡速度又は立ち上がり動態(rise kinetics)を有するフォーム製品を提供する。
【0015】
本発明は、ポリウレタンフォームを製造するために、構造中に第一級アミン官能性を有する少なくとも1種の第三級アミンゲル化触媒を使用する。本発明の一態様では、本発明のゲル化アミンは、[MeN−(CHN−(CH−NH(式中、MeはCH基である)の化学構造を有するN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンを含む。
【0016】
本発明のゲル化アミン触媒は、以下の利点を提供することができる:a)約120℃から約250℃までの厳しい温度条件下でのアミン触媒に由来するエミッションの除去;b)種々の温度及びpHでの湿度又は水への曝露時にアミン触媒がポリマー中に保持されるポリウレタンポリマーの形成;c)本発明の触媒を用いて製造されたポリウレタンポリマーと接触するポリカーボネートなどの他の材料の最小限の劣化又は劣化なし;d)本発明による触媒を使用する際のVOC及びFOGの総エミッションの削減;及びe)その高い活性による第三級アミン触媒の使用量の大幅な削減。
【0017】
本発明の触媒を使用する際に生成されるフォームは以下によって特徴付けられる:a)VDA278法によって測定されるように低いアミンエミッションからアミンエミッションなし及び削減された総エミッション;b)優れた物理的特性、例えば引張強さ及び引裂強さ、圧縮永久歪、ILD、支持係数(support factor)及び反発性;c)ポリウレタンポリマーと接触しているポリカーボネートなどの他の材料の最小限の劣化又は劣化なし;d)約250℃までの強い熱的に安定な共有結合によってポリウレタンポリマー中に保持されるアミン;e)種々の温度及びpHで水分又は水に暴露された時に第三級アミンがポリウレタンポリマー中に保持されることを可能にする十分な加水分解安定性;及びf)その高い触媒活性によるゲル化アミン触媒の使用量の大幅な削減。
【0018】
本発明の一態様では、本発明のアミン触媒は、N,N,N’−トリメチル−N’−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテル又は2−[N−(ジメチルアミノエトキシエチル)−N−メチルアミノ]エタノールからなる群から選択される少なくとも1つのものなどの選択されたアミン発泡触媒と組み合わせて、更に好ましくはN,N,N’−トリメチル−N’−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテルと組み合わせて使用することができる。
【0019】
本発明の更なる態様は、本発明の触媒を使用することによるポリウレタンフォームの製造方法及び得られたフォームに関する。
【0020】
本発明の一態様は、ビス(ジメチルアミノプロピル)−シアノエチル−アミンを得るのに十分な条件下でアクリロニトリルとビス(ジメチルアミノプロピル)アミンとを接触させること;及びN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンを得るのに十分な条件下でビス(ジメチルアミノプロピル)−シアノエチル−アミンと水素とを接触させることを含む触媒の製造方法に関する。
【0021】
本発明の別の態様は、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンを含む触媒の存在下で少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種のポリイソシアネートとを接触させることを含むポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0022】
本発明の別の態様は、VDA278に従って測定した際にフォームがアミンエミッションを含まない前述の態様のいずれかに従って製造されたフォームに関する。
【0023】
本発明の別の態様は、フォームが改善された物理的特性を有する前述の態様のいずれかに従って製造されたフォームに関する。
【0024】
本発明の様々な態様は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、実施例3に従って製造されたフォームに関する時間に対する立ち上がり速度を示すグラフである。
図2図2は、フォームと接触しているポリカーボネート表面への劣化を測定するために実施例5で使用された試験装置の図である。
図3図3は、実施例5に従って試験されたポリカーボネート表面の図である。
図4図4は、実施例5に従って試験されたポリカーボネート表面の図である。
【0026】
発明の詳細な説明
本発明は、アミン触媒組成物、ポリウレタンフォームを製造するための前記触媒組成物の製造方法及びその使用に関する。本発明のアミン触媒であるN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンは以下のために使用され得る:a)フォームの物理的特性を損なうことなくフォームのエミッションを最小限にすること(例えば、VDA−278に従って測定した場合);b)フォームが様々な極端な環境条件下で水又は水分に曝された時に水相でのpHを上昇させることなく加水分解的に安定なフォームを提供すること;c)触媒がポリウレタンポリマーから移動しない結果(例えば、ポリカーボネート表面が、温度及び湿度の様々な極端な条件下でポリウレタンフォームに曝される場合)、ポリウレタンと接触している材料への損傷がないこと;d)最適な物理的特性、例えば、約28kg/m〜約80kg/mの範囲の目標密度(ASTM3574−A)、約40L/M〜約120L/Mの範囲の空気流(ASTM3574−G)、約150N〜約600Nの範囲のILD(押込荷重たわみ法ASTM3574−B1)、約2.5〜約3.5の範囲の、好ましくは約3の支持係数(ASTM3574−B1)、及び約40%〜約80%の範囲の反発性(ASTM3574−H)。
【0027】
本発明の一態様では、望ましいフォームは、引張り/HA引張り/伸び/HA伸び=DIN53571−約80%〜約200%の範囲、50%の圧縮永久歪=ASTM D3574−D−約1%〜約20%の範囲、HA圧縮永久歪=ASTM D3574−J1及びJ2−約5%〜約15%の範囲、及び引裂強さ=ASTM D3574−F−約150〜約400の範囲を有する。
【0028】
本発明による方法は、以下の化学構造:[MeN−(CHN−(CH−NH(式中、MeはCH基である)を有する第三級アミン触媒を使用する。本発明の触媒は、約0.1pphp〜約20pphp、約0.1pphp〜約10pphp、場合により約0.1pphp〜約5pphpの範囲の量で使用され得る。本発明のアミン触媒は任意の適切な方法によって調製され得る。適切な方法の例は、アクリロニトリルとビス(ジメチルアミノプロピル)アミンとを反応させてビス(ジメチルアミノプロピル)−シアノエチル−アミンを生成させ、続いてニトリル官能基を接触水素化してN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンを得ることを含む。本発明の触媒の適切な製造方法の例は以下の実施例1に記載されている。
【0029】
本発明の触媒は、低いケミカルエミッション、最適な物理的特性、最適な発泡速度又は立ち上がり動態、約120℃〜約250℃の温度でも大幅なアミンエミッションの削減、フォームが様々な温度及びpHで水分又は水に曝される際の第三級アミンゲル化触媒とポリウレタンポリマーとの間の加水分解的に安定な化学結合並びに当該技術分野で公知の他の類似の触媒と比較した際に比較的低い使用レベルを有するフォームを製造するために使用され得る。
【0030】
本発明の一態様では、本発明の触媒は、N,N,N’−トリメチル−N’−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテル又は2−[N−(ジメチルアミノエトキシエチル)−N−メチルアミノ]エタノール、及び典型的にはN,N,N’−トリメチル−N’−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテルからなる群から選択される少なくとも1種の発泡アミン触媒と組み合わせたゲル化触媒として使用され得る。発泡アミン触媒の量は、典型的には約0pphp〜約5pphp、約0.01pphp〜約2pphp、場合により約0.05pphp〜約1pphpである。これらの触媒は、任意の適切な方法、例えば、それぞれの別個の触媒をプレミックスに添加すること、あるいは別法として両方の触媒を予備混合し、これらの触媒の混合物をポリオールプレミックスに添加することによって組み合わせることができる。
【0031】
本発明はまた、本発明のN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンの触媒と組み合わされたイソシアネート反応性第三級アミンゲル化触媒の選択された群の組み合わせを使用してアミンエミッションの低い又はアミンエミッションのないポリウレタンフォームを製造するための方法にも関する。選択された反応性ゲル化第三級アミン触媒には、以下の官能基:尿素、第二級アミン、第一級アミン、アミド又は第二級ヒドロキシル基のうちいずれかが含まれる。イソシアネート反応性第三級アミン触媒と本発明のゲル化触媒N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンとの組み合わせにより、従来技術に記載された任意の単独の従来の放出性又は非放出性ゲル化触媒を用いて製造されたフォームと比較した際に最小限のエミッションを有するフォームが製造される。上記のゲル化触媒に対する本発明の触媒の比率%は、典型的には約100%〜約5%、約80%〜約10%、場合により約70%〜約20%である。これらの触媒は、任意の適切な方法、例えば、それぞれの別個の触媒をプレミックスに添加すること、又は別法として両方の触媒を予備混合し、これらの触媒の混合物をポリオールプレミックスに添加することによって組み合わせることができる。
【0032】
フォームの調製
当該技術分野で公知の様々な種類の任意のフォームは、本発明の方法を用いて、適量のN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンが添加された通常のポリウレタン配合物を用いて製造され得る。例えば、本明細書に記載された優れた特性を有する軟質の連続気泡ポリウレタンフォームは、典型的には、以下の第I表に示す成分を、示された量で含んでいてもよい。第I表に示す成分については、後で詳細に説明する。
【表1】
【0033】
本発明によるポリウレタン配合物に使用されるポリイソシアネートの量は制限されないが、通常は当業者に知られている範囲内にある。「NCO指数」(イソシアネート指数)を参照することにより示される、例示的な範囲を第I表に示す。当該技術分野で知られているように、NCO指数は、イソシアネートの当量数を活性水素の総当量数で割ったものに100を掛けたものとして定義される。NCO指数は以下の式で表される。
NCO指数=[NCO/(OH+NH)]100
【0034】
軟質のフォームは、典型的には、約4000〜5000の質量平均分子量及び約28〜35のヒドロキシル価を有するベースポリオールと共に、フォーム組成物における全ポリオール含有量の一部としてコポリマーポリオールを使用する。ベースポリオール及びコポリマーポリオールについては本明細書において後で詳細に説明する。
【0035】
触媒
本発明の触媒である、N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンは単独のゲル化触媒として使用することができるが、別法として本発明の触媒はイソシアネート反応性基を含む他の第三級アミンと組み合わせて使用することができる。代替の第三級アミンゲル化助触媒中に存在するイソシアネート反応性基は、実質的に第一級アミン、第二級アミン、第二級ヒドロキシル基、アミド及び尿素からなる。ゲル化触媒の例は、N,N−ビス(3−ジメチルアミノ−プロピル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)アミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−1,3−プロピレンジアミン;ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA);N−メチル−N−2−ヒドロキシプロピル−ピペラジン、ビス−ジメチルアミノプロピルアミン(POLYCAT(登録商標)15)、ジメチルアミノプロピル尿素及びN,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素(DABCO(登録商標)NE1060、DABCO(登録商標)NE1070、DABCO(登録商標)NE1080及びDABCO(登録商標)NE1082)、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、N−(3−アミノプロピル)イミダゾール、N−(2−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシプロピル)−モルホリン、及びN−(2−ヒドロキシエチルイミダゾール)からなる群から選択される少なくとも1つのものを含む。本発明の触媒並びに前述の触媒の組み合わせは、少なくとも1種の発泡触媒と共に使用することができる。上記のゲル化触媒と組み合わせて使用できるイソシアネート反応性基を含む発泡助触媒の例としては、2−[N−(ジメチルアミノエトキシエチル)−N−メチルアミノ]エタノール(DABCO(登録商標)NE200)及びN,N,N’−トリメチル−N’−3−アミノプロピル−ビス(アミノエチル)エーテル(DABCO(登録商標)NE300)が挙げられる。
【0036】
触媒組成物は、他の成分、例えば、所望のポリウレタンフォームが軟質のスラブストックである場合、有機スズ化合物又はビスマスカルボキシレートなどの遷移金属触媒も含み得る。金属触媒はまた、ジブチルスズジラウレート、ジメチルスズジラウレート、ジメチルスズジアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジメチルスズジラウリルメルカプチド、ジブチルスズジラウリルメルカプチド、ジメチルスズジイソオクチルマレアート、ジブチルスズジイソオクチルマレアート、ジメチルスズビス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、ジブチルスズビス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、オクタン酸第一スズ、他の適切な有機スズ触媒、又はそれらの組み合わせも含み得る。他の金属やその塩、例えば、ビスマス(Bi)なども含まれ得る。適切な金属塩としては、ペンタン酸、ネオペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキシルカルボン酸、ネオヘキサン酸、オクタン酸、ネオオクタン酸、ヘプタン酸、ネオヘプタン酸、ノナン酸、ネオノナン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ネオウンデカン酸、ドデカン酸及びネオドデカン酸の塩、並びに他の適切なカルボン酸の塩を含むカルボン酸塩が挙げられる。ペンタン酸、ネオペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキシルカルボン酸、オクタン酸、ネオオクタン酸、ネオヘプタン酸、ネオデカン酸、ネオウンデカン酸、ネオドデカン酸、及び他の適切なカルボン酸による鉛(Pb)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)の他の遷移金属の塩も含まれ得る。金属触媒及び金属触媒塩の量は、約0.01〜約0.2、及び約0.1〜約0.16の範囲であり得る。
【0037】
本発明のアミン触媒であるN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンは、上記に挙げたアミンと一緒に使用することができるが、このような使用は、フォームの有用な寿命の間のみならずフォームの製造の間にもフォームからのエミッションを増加させ得る。なぜならイソシアネート反応性助触媒間の化学結合の熱安定性が本発明の触媒ほど安定ではないからである。典型的には、本発明によるフォームを製造するためのこのような放出性第三級アミン触媒の使用量は、約0.1pphp〜約20pphp、より典型的には約0.1pphp〜約10pphp、最も典型的には約0.1pphp〜約5pphpの範囲であってもよい。しかしながら、任意の有効量が使用され得る。「pphp」という用語はポリオール100部当たりの部を意味する。
【0038】
一態様では、本発明のアミン又は本発明のアミンを含む組成物は、酸と接触させることによって酸でブロックされる。適切な酸としては、イソシアネート反応性基を含む又は含まない1つの又は複数の酸基を有する飽和又は不飽和及び置換又は非置換の芳香族基を含む任意の有機カルボン酸が挙げられてもよい。酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ピバリン酸、ネオペンタン酸、ネオデカン酸、ネオドデカン酸、2−エチルヘキサン酸、グリコール酸、グルコン酸、サリチル酸、乳酸、安息香酸、フタル酸、無水フタル酸とグリコールとから得られるフタル酸モノエステル、ポリ酸、中でも特にポリアクリル酸が挙げられる。
【0039】
有機イソシアネート
適切な有機イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、フェニレンジイソシアネート(PDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の一態様では、2,4−TDI、2,6−TDI、又はそれらの任意の混合物を用いてポリウレタンフォームを製造する。他の適切なイソシアネート化合物は、「粗製MDI」として商業的に知られているジイソシアネート混合物である。一例は、PAPIという名称でダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company)から販売されており、他の異性体の及び類似の高級ポリイソシアネートと一緒に約60%の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含有する。任意の適切なイソシアネートが使用されてよく、このような例は、約60〜約120、場合により約60〜約65、典型的には約90〜約110の範囲の指数を有するイソシアネートを含む。イソシアネートの量は、通常、約95〜約105の範囲にある。
【0040】
ポリオール成分
ポリウレタンは、有機イソシアネートとポリオール、典型的にはポリオールの混合物のヒドロキシル基との反応によって製造される。反応混合物のポリオール成分は、少なくとも主要な又は「ベースの」ポリオールを含む。本発明での使用に適したベースポリオールとしては、非限定的な例として、ポリエーテルポリオールが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリ(アルキレンオキシド)ポリマー、例えば、ポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)ポリマー並びにジオールやトリオールを含む多価化合物に由来する末端ヒドロキシル基を有するコポリマーが挙げられる。エチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応のためのジオール及びトリオールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、及び類似の低分子量ポリオールが挙げられる。当該技術分野で公知の他のベースポリオールの例としては、ポリヒドロキシ末端アセタール樹脂、ヒドロキシル末端アミン及びヒドロキシル末端ポリアミンが挙げられる。これらの及び他の適切なイソシアネート反応性材料の例は、米国特許第4,394,491号明細書(U.S. Pat. No. 4,394,491)に見出すことができ、参照により本明細書に組み込まれる。適切なポリエーテルポリオールとしては、ポリウレタンのゲル化及び発泡反応を触媒することができるもの以外の第三級アミン基を含むもの、例えば、米国特許第8367870号明細書(U.S. 8,367,870);国際公開第03/016373号(WO 03/016373 A1)、国際公開第01/58976号(WO 01/58976 A1);国際公開第2004/060956号(WO2004/060956 A1);国際公開第03/016372号(WO03/016372 A1);及び国際公開第03/055930号(WO03/055930 A1)に記載されたものが挙げられ、前述の米国及び国際公開公報の開示は参照により本明細書に組み込まれる。その他の有用なポリオールとしては、ポリアルキレンカーボネート系ポリオールやポリホスフェート系ポリオールが挙げられ得る。
【0041】
本発明の一態様では、単一の高分子量ポリエーテルポリオールはベースポリオールとして使用され得る。あるいは、高分子量ポリエーテルポリオールの混合物、例えば、二官能性及び三官能性の材料の混合物及び/又は異なる分子量又は異なる化学組成の材料が使用され得る。このような二官能性及び三官能性の材料としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール系ポリエーテルトリオール、トリメチロールプロパン系ポリエーテルトリオール、及び他の同様の化合物又は混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
上記のベースポリオールに加えて、又はそれらの代わりに、一般に「コポリマーポリオール」と呼ばれる材料が本発明による使用のためにポリオール成分に含まれ得る。コポリマーポリオールは、例えば耐荷重性を向上させるために、耐変形性を高めるためにポリウレタンフォームに使用され得る。耐荷重要求に応じて、コポリマーポリオールは、全ポリオール含有率の約0質量%〜約80質量%を構成し得る。コポリマーポリオールの例としては、これらに限定されないが、グラフトポリオール及びポリウレア変性ポリオールが挙げられ、これらはいずれも当該技術分野で公知であり且つ市販されている。
【0043】
グラフトポリオールは、ビニルモノマー、典型的にはスチレン及びアクリロニトリルを出発ポリオール中で共重合することによって製造される。出発ポリオールは、典型的にはグリセリン開始トリオールであり、典型的にはエチレンオキシド(約80%〜85%の第1級ヒドロキシル基)でエンドキャップされる。幾つかのコポリマーは幾つかの出発ポリオールにグラフトする。グラフトポリオールは、スチレン及びアクリロニトリルのホモポリマー並びに未変性の出発ポリオールも含有する。グラフトポリオールのスチレン/アクリロニトリル固形分は、典型的には5質量%〜45質量%の範囲であるが、当該技術分野で公知のあらゆる種類のグラフトポリオールが使用され得る。
【0044】
ポリウレア変性ポリオールは、出発ポリオールの存在下でジアミンとジイソシアネートとの反応によって形成され、その生成物はポリウレア分散液を含有する。同様に使用に適したポリウレア変性ポリオールの変型は、ポリオール中のイソシアネートとアルカノールアミンのインサイチュでの反応によって形成されるポリイソシアネートポリ付加(PIPA)ポリオールである。
【0045】
本発明によって使用することができる他の適切なポリオールとしては、天然油ポリオール又は再生可能な天然資源から得られるポリオール、例えば植物油が挙げられる。安価で再生可能な資源からポリウレタンフォームを製造するのに有用なポリオールは、化石燃料や他の非持続可能な資源の枯渇を最小限に抑えるために非常に望ましい。天然油は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のトリグリセリドで構成されている。天然油ポリオールの1つはヒマシ油であり、これは低ヒドロキシル含有量などの一定の制限があるにもかかわらずポリウレタンフォームの製造に一般的に使用されているリシノール酸の天然トリグリセリドである。他の天然油は、十分なヒドロキシル含有量を導入してポリウレタンポリマーの製造に有用なそれらを製造するために化学的に変性される必要がある。天然油又は油脂を有用なポリオールに変性しようとする際に、2つの化学反応部位:1)不飽和部位(二重結合);及び2)エステル官能基が考えられる。油又は油脂中に存在する不飽和部位は、エポキシ化とそれに続く開環によって又はヒドロホルミル化とそれに続く水素化によってヒドロキシル化され得る。あるいは、トランスエステル化を利用して、天然油及び油脂にOH基を導入することもできる。エポキシ化経路を用いて天然ポリオールを製造するための化学プロセスには、エポキシ化天然油、開環酸触媒及び開環剤を必要とする反応混合物が含まれる。エポキシ化天然油としては、エポキシ化植物系油(エポキシ化植物性油)及びエポキシ化動物性脂肪が挙げられる。エポキシ化天然油は、完全に又は部分的にエポキシ化されていてよく、これらの油としては大豆油、コーン油、ヒマワリ油、オリーブ油、キャノーラ油、ゴマ油、パーム油、菜種油、桐油、綿実油、ベニバナ油、ピーナッツ油、亜麻仁油及びそれらの組み合わせが挙げられる。動物性脂肪としては、魚、獣脂及びラードが挙げられる。これらの天然油は、C12〜C24の様々な鎖長を有する飽和又は不飽和脂肪であり得る脂肪酸のトリグリセリドである。これらの酸は:1)飽和:ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸(steric)、アラキン酸及びリグノセリン酸;2)モノ不飽和:パルミトレイン酸、オレイン酸、3)ポリ不飽和:リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸であり得る。部分的又は完全にエポキシ化された天然油は、ペルオキシ酸を適切な反応条件下で反応させた際に調製され得る。油のエポキシ化に利用されるペルオキシ酸の例は、国際公開第2006/116456号(WO 2006/116456 A1)に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。アルコール、水及び1つ又は複数の求核基を有する化合物によるエポキシ化油の開環が使用できる。反応条件に応じて、エポキシ化油のオリゴマー化も起こり得る。開環によりポリウレタン製品の製造に使用できる天然油ポリオールがもたらされる。ヒドロホルミル化/水素化法では、適切な触媒(典型的にはコバルト又はロジウム)の存在下で水素/一酸化炭素混合物で満たされた反応器中で油がヒドロホルミル化されてアルデヒドを形成し、これはコバルト又はニッケル触媒の存在下で水素化されてポリオールを形成する。あるいは、天然油及び油脂由来のポリオールは、エステル交換触媒としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩基又は塩を用いて、適切なポリヒドロキシル含有物質でエステル交換することにより製造され得る。任意の天然油又は任意の部分的に水素化された油はエステル交換プロセスで使用され得る。油の例としては、大豆油、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、キャノーラ油、菜種油、ベニバナ油、魚油、シール油、パーム油、桐油、オリーブ油又は任意のブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。ラクトース、マルトース、ラフィノース、スクロース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、又は任意の組み合わせなどの多官能性ヒドロキシル化合物も使用され得る。
【0046】
ポリオールの量はpphpによって定義される。上記で定義された3種のポリオールが存在する:約100pphp(唯一のポリオール)〜約10pphpの範囲で使用され得る標準ポリオール又はポリエーテルポリオール。コポリマーポリオール(CPP)は、約0〜約80pphpの範囲で使用され得る。最終的には、NOP(天然油ポリオール)は典型的には約0〜約40pphpで存在し得る。
【0047】
本発明の一態様では、ポリオールのうち少なくとも1種は3〜5、3〜4、場合により3〜3.5の官能価を有する。本発明の別の態様では、ポリオールのうち少なくとも1種は、約15〜約50の範囲のOH価を有する。
【0048】
発泡剤
ポリウレタンフォームの製造は、重合中にポリウレタンマトリックス中に空隙を生成する発泡剤(BA)を含有させることによって補助され得る。任意の適切な発泡剤が使用され得る。適切な発泡剤としては、発熱重合反応中に気化する低沸点の化合物が挙げられる。このような発泡剤は一般に不活性であるか又は反応性が低いので、恐らく重合反応中に分解も反応もしないであろう。低反応性の発泡剤の例としては、二酸化炭素、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、フルオロオレフィン(FO)、クロロフルオロオレフィン(CFO)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、ハイドロクロロフルオロフルオロオレフィン(HCFO)、アセトン、並びに低沸点炭化水素、例えばシクロペンタン、イソペンタン、n−ペンタン及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。他の適切な発泡剤としては、イソシアネート化合物と反応してガスを発生させる化合物、例えば水が挙げられる。BAの量は、典型的には約0(吹込み水)〜約80pphpである。水(イソシアネートと反応してCOを生成することによるブロンフォーム)は、約0pphp(BAが含まれる場合)〜約60pphp(非常に低密度のフォーム)の範囲、典型的には約1.0pphp〜約10pphpの範囲、場合により、約2.0pphp〜約5pphpの範囲で存在し得る。
【0049】
他の任意成分
本発明によるフォームを製造するための配合物には、種々の他の成分が含まれ得る。任意の成分の例としては、セル安定剤、架橋剤、鎖延長剤、顔料、充填剤、難燃剤、補助ウレタンゲル化触媒、補助ウレタン発泡触媒、遷移金属触媒、アルカリ金属及びアルカリ土類金属カルボン酸塩及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
セル安定剤としては、例えば、シリコーン界面活性剤、並びに有機アニオン性、カチオン性、双性イオン性又は非イオン性界面活性剤が挙げられ得る。適切なシリコーン界面活性剤の例としては、ポリアルキルシロキサン、ポリオキシアルキレンポリオール変性ジメチルポリシロキサン、アルキレングリコール変性ジメチルポリシロキサン、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。適切なアニオン性界面活性剤としては、脂肪酸の塩、硫酸エステルの塩、リン酸エステルの塩、スルホン酸の塩、及びこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。適切なカチオン性界面活性剤としては、第四級アンモニウム塩(pH依存性又は永続的に荷電したもの)、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ポリエトキシル化獣脂アミン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられるが、これらに限定されない。適切な双性イオン性又は両性界面活性剤としては、スルタイン、アミノ酸、イミノ酸、ベタイン及びリン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。適切な非イオン性界面活性剤としては、脂肪アルコール、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシド(例えばデシル、ラウリル及びオクチルグルコシド)、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、グリコールアルキルエステル等が挙げられるがこれらに限定されない。セル安定剤は、約0.1pphp〜約20pphp、典型的には約0.1pphp〜約10pphp、場合により約0.1pphp〜約5.0pphpの量で使用され得る。難燃剤は、約0pphp〜約20pphp、約0pphp〜約10pphp、約0pphp〜約5pphpの量で使用され得る。
【0051】
架橋剤としては、水酸基、第1級アミノ基、第2級アミノ基、及びイソシアネート基と反応する他の活性水素含有基から選択される少なくとも2つの部分を含む低分子化合物が挙げられるが、これらに限定されない。架橋剤としては、例えば多価アルコール(特に3価アルコール、例えばグリセロール及びトリメチロールプロパン)、ポリアミン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。ポリアミン架橋剤の非限定的例としては、ジエチルトルエンジアミン、クロロジアミノベンゼン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、1,6−ヘキサンジアミン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。典型的なジアミン架橋剤は、12以下の炭素原子、より一般的には7以下の炭素原子を含む。架橋剤は、約0.1pphp〜約20pphp、典型的には約0.1pphp〜約10pphp、場合により、約0.1pphp〜約5.0pphpの量で使用され得る。
【0052】
鎖延長剤の例としては、ヒドロキシル又はアミノ官能基を有する化合物、例えばグリコール、アミン、ジオール、及び水が挙げられるが、これらに限定されない。鎖延長剤の具体的な非限定的例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、エトキシル化ハイドロキノン、1,4−シクロヘキサンジオール、N−メチルエタノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、4−アミノシクロヘキサノール、1,2−ジアミノエタン、2,4−トルエンジアミン、又は任意のそれらの混合物が挙げられる。鎖延長剤は、約0.1pphp〜約100pphp、典型的には約0.1pphp〜約50pphp、場合により、約0.1pphp〜約5.0pphpの量で使用され得る。
【0053】
顔料は、製造中にポリウレタンフォームを色分けするために、例えば製品グレードを特定するために又は黄変を隠すために使用され得る。顔料としては、ポリウレタン技術で知られている任意の適切な有機顔料又は無機顔料が挙げられ得る。例えば、有機顔料又は着色剤としては、アゾ/ジアゾ染料、フタロシアニン、ジオキサジン、及びカーボンブラックが挙げられるが、これらに限定されない。無機顔料の例としては、二酸化チタン、酸化鉄、又は酸化クロムが挙げられるが、これらに限定されない。顔料の量は、約0pphp(顔料を加えない)〜約40pphpの範囲であってよい。
【0054】
充填剤は、ポリウレタンフォームの密度及び耐荷重性を高めるために使用され得る。適切な充填剤としては、硫酸バリウム又は炭酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。充填剤の量は、約0pphp(充填剤を加えない)〜約40pphpの範囲であり得る。
【0055】
難燃剤は、ポリウレタンフォームの燃焼性を低下させるために使用され得る。例えば、適切な難燃剤としては、塩素化リン酸エステル、塩素化パラフィン、又はメラミンパウダーが挙げられるが、これらに限定されない。難燃剤は、約0pphp〜約20pphp、約0pphp〜約10pphp、約0pphp〜約5pphpの量で使用され得る。
【0056】
本発明の一態様では、本発明の触媒は、特定のアミン触媒を含まないか又は実質的に含まない。除外され得る材料の例は、典型的には揮散性触媒(fugitive catalyst)として知られているイソシアネート基を有していないアミン触媒であって、特に、これらの材料がアミンエミッションに寄与するので、それらの使用レベルが0.20pphpを上回り、場合により0.10pphpを上回り、場合により0.05pphpを上回る場合の前記アミン触媒である。このカテゴリー内のアミンの例としては、トリエチレンジアミン(TEDA)、N−メチルイミダゾール、1,2−ジメチル−イミダゾール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、N,N’−ジメチル−ピペラジン、1,3,5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ−メチル)フェノール、N−メチルジシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)−エチル−ピペラジン、トリブチルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ヘプタメチルテトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノ−シクロヘキシルアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、トリス(3−ジメチルアミノ)プロピルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、又はその酸でブロックされた誘導体等、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0057】
本発明の特定の態様を以下の実施例により説明する。これらの例は単なる例示であり、本明細書に添付された特許請求の範囲を制限するものではない。フォームを、下記のように手練り評価又は機械評価を用いて評価した。
【0058】
実施例
手練り評価
手練り実験を以下の手順で行った。5000rpmで回転する直径7.6cmの高せん断混合ブレードを備えた機械的混合機を用いて配合物を約10分間ブレンドした。予め混合した配合物を、低温インキュベーターを使用して23℃±1℃で維持した。Mondur TD−80(トルエンジイソシアネートの80/20の2,4/2,6異性体ブレンド)又は変性MDIを、各フォームの報告された指数に対して正しい化学量論量でプレミックスに添加した。この混合物をPremier Mill Corporation Series 2000、Model 89とブレンドし、約5秒間分散させた。発泡混合物をImperial Bondware#GDR-170ペーパーバケツに移し、データを記録しながら自由に上昇させた。
【0059】
機械評価
軟質の成形フォームの場合、機械の運転をHi Tech Sure Shot MHR-50、シリンダー置換シリーズ及び高圧機械で行った。適切なポリオール、水、架橋剤、界面活性剤及び各配合物用の触媒からなる新しいプレミックスを機械に装入した。Mondur TD-80を試験全体にわたり使用した。全ての化学品温度を、機械の内部温度制御ユニットにより23℃±2℃に保った。63℃±2℃に保たれた恒温加熱されたアルミニウム成形型にフォームを注入した。成形型は、内部寸法が40.6cm×40.6cm×10.2cmに設計された典型的な物理的特性ツールであった。成形型は5つの通気孔を有し、それぞれ約1.5mmの直径であり、その中心は各縁から10.0cmのそれぞれの角及び蓋の幾何中心にある。成形型には全ての注入前に、溶剤系剥離剤を吹き付け、1分間乾燥させてから注入した。フォームプレミックスを、成形型を完全に満たし且つ報告された望ましいコア密度を得ることができる湿式化学充填量で、成形型の中心に注ぎ入れた。最低充填要件を評価される各配合物に対して確立した。フォーム物品を、最初の注入から240秒(4分)後に離型した(次の段落で詳述)。離型時に、フォームを機械式破砕機に通すか又は破壊にいたる力(Force-to-Crush)(FTC)測定のために試験するか又は冷却して寸法安定性を決定した(下記で詳述)。
【0060】
各触媒セットで作ったフォームを、2.54cmのギャップに設定したBlack Brothers Roller crusherを用いて離型から1分後に機械的に粉砕した。それぞれローラーを通過させた後にフォームを90度回転させて、各部分に対して粉砕を3回行った。物理的試験のために製造された全ての部分を、少なくとも7日間にわたり恒温恒湿室(21±2℃、相対湿度50±2%)の状態にした。
【0061】
FTC測定を離型から45秒後に行った。パッドを成形型から取り出し、重さを量り、FTC(破壊にいたる力)装置(型番ISCO HGI Pressure Pump)に入れた。力検出装置には323cm円板クロスヘッドとドライブシャフトとの間に設けられた2.2kg能力の圧力変換器が備わっている。実際の力はデジタルディスプレイに表示される。この装置は、ASTM D−3574の押込み力たわみ試験に従って作動し、新たに離型されたフォームの初期硬度又は軟度の数値を提供する。275mm/分のクロスヘッド速度で、パッドを元の厚さの50パーセントに圧縮しながら、最高圧縮サイクルを達成するのに要する力をニュートンで記録した。10の圧縮サイクルを完了した。1サイクルを完了するのにおよそ約30秒かかる。
【0062】
実施例1
N,N−ビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミン(アミン−1)の合成
第1工程では、1000mlのステンレス製反応器に、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン424gと水23gを装入した。反応器を窒素でパージし、75℃まで加熱し、アクリロニトリル126gを1.5時間かけてゆっくりと反応器に供給した。全てのアクリロニトリルを反応器に移した後、温度を75℃でさらに4.0時間維持した。反応混合物を25℃まで冷却し、生成物を反応器から取り出し、GCで分析して、所望の生成物2−シアノエチル−ビス(ジメチルアミノプロピル)アミンを96%の収率で得た。第2工程では、1000mlのステンレス製反応器に、イソプロパノール198gと標準ラネーコバルト触媒6.9gを装入した。反応器を窒素で3回パージし、温度を120℃に上げた。反応器を800psiの水素で加圧し、シアノエチル−ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン(344g)を、約100ml/時間の速度で約4時間にわたり反応器に供給した。シアノエチル−ビス(ジメチルアミノプロピル)アミンの移動が完了したら、温度を130℃に上げて1時間保持した。生成物をGCで分析すると、93%の所望の生成物N,N−ビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミン(アミン−1)、並びに5%のビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、1.5%のN,N−ビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−プロピルアミノプロピル)−アミン及び0.5%のN,N−ビス−(3−(N,N−ビス−(ジメチルアミノプロピル))−アミノ)−プロピル)−アミンが得られた。
【0063】
実施例2
様々なゲル化触媒で作ったPUフォームの物理的特性並びにそれらの標準触媒ジメチルアミノプロピル尿素及びビス(ジメチルアミノプロピル)尿素との比較
フォームパッドを、32オンス(951ml)の紙コップ中で約302gのプレミックス(第II表に示す配合に従って調製)に第三級アミン触媒を添加することによって調製した。この配合物を、2インチ(5.1cm)直径の撹拌パドルを取り付けたオーバーヘッドスターラーを使用して、約6,000RPMで約10秒間混合した。次に、トルエンジイソシアネート(TDI)を加え、この配合物を同じ撹拌機を用いて約6,000RPMでさらに約6秒間よく混合した後、これを70℃で予熱した成形型に注ぎ、4分後に離型した。フォームパッドを成形型から取り出し、手で粉砕し、重さを量り、75%のパッド厚さで機械粉砕した。フォームパッドを48時間恒温恒湿下で保存してからカットして試験した。
【0064】
【表2】
ダウ・ケミカル・カンパニー(ミシガン州ミッドランド)から入手可能な、約5500のベースポリオール分子量を有する分子量、官能性、及び第1級ヒドロキシル含有量の高い官能性キャップ化ポリエーテルポリオール。ダウ・ケミカル・カンパニー(ミシガン州ミッドランド)から入手可能な、約4800のベースポリオール分子量を有する共重合スチレン及びアクリロニトリルを含有するグラフト化ポリエーテルポリオール。シリコーン界面活性剤は、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社から入手可能である。アミン触媒はエア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社から入手可能である。
【0065】
この高さの増加は、時間に対する高さの変化率(速度)として表示することもできる。フォームを混合してから標準高さ(TOC=Top of the Cup)に達するのに必要な時間、最大フォーム立ち上がり速度、混合してから最大速度及びストリングゲル化時間(SGT=string gel time)(木製のへら(tongue suppresor)で触った時に重合物質がポリマーストリングを形成することができる時間)に達するのに必要な時間を記録することによって発泡反応速度について有用な比較を行うことができる。
【0066】
第III表は、軟質の連続気泡成形ポリウレタンフォームパッドで評価された触媒のリストを示す。軟質の成形パッドは、個々の触媒化学構造が最終的な物理的特性に与える影響を示すために、1つのゲル化アミン触媒を使用して(第III表のフォームの例では発泡触媒を全く使用しない)作られている。望ましい物理的特性がトリエチレンジアミン(TEDA)で得られた。しかしながら、TEDAはイソシアネートと反応することができない放出性触媒であるため、最終製品において比較的高いアミンエミッションが生じ、全体的な品質が損なわれる(車内の窓の曇り、PVC着色、アミン臭等)。イソシアネート反応性基を有する触媒の中では、Dabco(登録商標)NE1070が、最適な50%圧縮永久歪、湿潤老化引張強さ及び同程度の引張り、引裂き及び伸びのために有効である。
【表3】
【0067】
実施例3
N,N−ビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンについてフォームの立ち上がり動態速度と使用レベルの比較
発泡性能は、標準のアミン触媒と新規のアミン触媒について時間に対するフォームの高さを比較することによって評価することができる。フォームの高さプロファイルは、FOMATソナー立ち上がり速度デバイス(sonar rate-of-rise device)(以下、「ROR」と呼ぶ)と共に自由に立ち上がるカップフォーム試料を用いて、自動立ち上がり速度装置により測定できる。FOMATデバイスは、配合物の全ての成分を混合した直後の、時間(秒)に対して立ち上がるフォーム試料の高さ(ミリメートル)を測定し且つ記録するソナーセンサーを備えている。FOMAT標準ソフトウェアは、高さ対時間のプロットと速度対時間のプロットの両方をもたらす。これらのプロットは、異なる触媒配合物の相対的反応性を比較するのに有用である。軟質の連続気泡フォームは、32オンス(951ml)の紙コップ内で、イソシアネート以外の第II表の成分を合計質量約300g合わせることによって調製することができる。次にこのプレミックス配合物を、直径2インチ(5.1cm)の撹拌パドルを取り付けたオーバーヘッドスターラーを使用して、約6,000rpmで約10秒間混合する。次に十分なトルエンジイソシアネートを添加すると、約100の所望のイソシアネート指数に到達し、この配合物を同じ撹拌機を用いて約6,000rpmでさらに約6秒間よく混合する。次にカップをFOMATセンサーの下に置く。ROR測定の開始時間をFOMATに対して自動化し、最後の混合が終了した直後から開始する。カップをRORの下に置くと、化学物質の混合物が重合し始める。カップの壁は垂直方向以外の全ての方向の膨張を制限するので、この膨張は、この実験において、図1に示すように、時間の経過とともに高さが増加することを明らかにする。
【表4】
ゲル化触媒DABCO(登録商標)NE1070又はアミン−1(これらの実験では発泡触媒は存在しない)のみで行った立ち上がり速度のデータ;上記で定義されたTOC及びSGT
【0068】
実施例4
N,N−ビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンで作られたポリウレタンフォームの物理的特性
フォームパッドを、32オンス(951ml)の紙コップ中で、約302gのプレミックス(第2表のように調製)に第三級アミン触媒を添加することによって調製した。配合物を、2インチ(5.1cm)直径の撹拌パドルを取り付けたオーバーヘッドスターラーを使用して約6,000RPMで約10秒間混合した。次に、トルエンジイソシアネート(TDI)を加え、配合物を同じ撹拌機を用いて約6,000RPMでさらに約6秒間よく混合した後、70℃で予熱した成形型に注ぎ、4分後に離型した。フォームパッドを成形型から取り出し、手で粉砕し、重さを量り、75%のパッド厚さで機械粉砕した。フォームパッドを一定温度(21℃)及び湿度(50%相対湿度)条件下で48時間保存してからカットして試験した。
【表5】
フォームパッドで記録した成形データを、ゲル化触媒DABCO(登録商標)NE1070又はアミン−1(これらの実験では発泡触媒は存在しない)のみで作成した。
【表6】
フォームパッドの物理的特性のデータを、ゲル化触媒DABCO(登録商標)NE1070又はアミン−1(これらの実験では発泡触媒は存在しない)のみで作成した。
【0069】
第V表は、イソシアネート反応性基を有する市販の標準第三級アミン触媒(即ち、Dabco(登録商標)NE1070触媒)、並びに新規のイソシアネート反応性ゲル化触媒「アミン−1」;完全な化学名:N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンで作られた軟質の成形ポリウレタンフォームパッドの周囲条件下での物理的特性を示す。第V表は、両方の触媒の周囲条件下での物理的特性が非常に似ており、両方の場合において、優れた物理的特性を有するフォームパッドをもたらすことを示す。
【表7】
【0070】
使用される湿潤老化手順は以下の通りである:試験すべき試料を乾燥させるために乾燥炉内に90℃で24時間置く。乾燥したら、試料を90℃及び100%の相対湿度で200時間老化させる。試料を次に炉内で70℃で22時間老化させた後に乾燥させる。試料を乾燥炉から取り出し、物理的特性を測定する前に周囲条件下で平衡させる。
【0071】
軟質の成形パッドを、個々の構造が物理的特性に及ぼす影響を示すために、1つのアミン触媒を用いて作った。この評価は、新規のゲル化触媒N,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンが、Dabco(登録商標)NE1070触媒などの標準的な反応性触媒と同様に機能することを示す。
【0072】
実施例5
ポリカーボネート表面に接触させたN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンで製造されたPUフォームの老化
ポリカーボネート表面の安定性を、4cm×4cm×5cmのフォーム片と接触させた4cm×4cm×4mmのポリカーボネート板(Makrolon GP Clear 099厚さ4mm、抗UV剤無し)を底に約300mlの水を有する4リットルのガラス瓶内に置くことによって測定した。この瓶を加温(90℃)し、ポリカーボネート板と接触させたフォームを、瓶内で水面より約5cm上で内蔵されたガラス支持体の上に置いた。次に瓶を密閉し、これを90℃に調整された炉内に6日間置いた。ここで、図2は、試験のために板とフォームが配置された瓶の図である。
【0073】
この試験のためのフォームを、上記のようにHi Tech Sure Shot MHR-50、シリンダー置換シリーズ及び高圧機械を使用して実行される軟質成形フォームのための機械運転中に作られるフォーム試料を用いてイソシアネート指数90で作られる第VII表に示す配合(MDI軟質フォーム)に従って調製した。
【表8】
シェル化学から市販されている28mgKOH/gの水酸基価の約6000の公称分子量を有する反応性三官能性ポリオール。ハンツマン社から市販されているエチレンオキシドキャップポリエーテルポリオール。シリコーン界面活性剤は、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社から入手可能である。アミン触媒は、上記で定義したエア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社から入手可能である。従来のMDIイソシアネート。
【0074】
Dabco(登録商標)NE1070及びアミン−1触媒で作られたポリウレタンフォームに高温湿度下で暴露された後のポリカーボネート板の外観は、それぞれ図3及び図4に見ることができる。また、図3及び図4には、ポリカーボネート板が試験中に置かれたフォーム表面の外観が示されている。Dabco(登録商標)NE1070で作られたフォームと接触しているフォームは損傷して着色したように見えるが、「アミン−1」で作られたフォームは変化しないように見えた。ポリカーボネート試験片の表面に生じた損傷は、アミン触媒がポリウレタンフォームの試験片から浸出し、ポリカーボネート表面に到達したことを明確に示す。この作用は、アミン−1を触媒として使用する時に明らかに最小である。
【0075】
ポリカーボネート板上の表面損傷の程度は、試験片の質量損失を測定することによって監視することができる。表面の損傷の少ない試験片は、第VIII表に示すように質量損失が少ない。このように、この試験条件下においてアミン−1で作られたフォーム2に暴露されたポリカーボネート板は、標準アミン触媒Dabco(登録商標)NE1070で作られたフォーム1に暴露されたポリカーボネート板よりも質量損失が少ない。
【表9】
Δmg=最終質量−初期質量、質量変化%=(最終質量−初期質量)/初期質量。ブランクのPC板=ポリウレタン表面に触れることなく高温湿度に曝された対照のポリカーボネート板
【0076】
実施例6
低イソシアネート指数で標準の反応性アミン触媒、及び新規のアミンN,N−ビス(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)アミンで作られたフォームで測定されたエミッション
上記のようにHi Tech Sure Shot MHR-50、シリンダー置換シリーズ及び高圧機械を用いて理論イソシアネート指数65を有する機械フォームパッドを製造した。これらのフォーム試料を熱脱着エミッション試験に使用し、これらの試験を第VIII表に示す配合1及び2に従って行った。
【表10】
BASFから市販されている水酸基価35mgKOH/gの反応性三官能性ポリオール。ヒドロキシル価20mgKOH/g及び固形分45%を有する高反発性軟質フォーム用の高充填コポリマーポリオール。シリコーン界面活性剤は、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社から入手可能である。アミン触媒は、上記で定義したエア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社から入手可能である。BASFから市販されている48%のNCO含有率を有する2,4−トルエンジイソシアネート80%と2,6−トルエンジイソシアネート20%を有する従来のTDI混合物。
【表11】
【0077】
第IX表に示すフォームからのエミッションを、熱脱離分析を用いて測定し、90℃(VOC)及び120℃(FOG)で放出された物質をVDA278法に従って定量した。この目的のために、試験材料の試料を不活性ガスの流れの下で対応する温度に調整し、放出された物質をガスクロマトグラフの冷凍インジェクタ内で凍結する。次に混合物をガスクロマトグラフカラムに通し、総エミッションを定量する。VOCとFOGを同じ試料で測定する。ガス状エミッション(VOC)を外部のトルエン基準に対して定量し、凝縮性エミッション(FOG)をヘキサデカン(C16−n−アルカン)に対して定量する。濃度をトルエン及びヘキサデカン同等物における総エミッションとしてppmで報告する。第IX表に示すように、アミン−1;N,N−ビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンで作られたフォーム試料2では、アミンエミッションは検出されなかった。
【0078】
実施例7
指数105でN,N−ビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)アミンで作られたMDIポリウレタンフォームの物理的特性
機械製のフォームパッドを、イソシアネート指数105で第X表に示す配合に従って上記のような手順によって調製し、標準の発泡触媒としてのDabco(登録商標)NE300の存在下でDabco(登録商標)NE1070と比較してN,N−ビス−(ジメチルアミノプロピル)−N−(3−アミノプロピル)−アミンの性能を決定した。
【表12】
シェル化学から市販されている28mgKOH/gの水酸基価の約6000の公称分子量を有する反応性三官能性ポリオール。ハンツマン社から市販されているエチレンオキシドキャップポリエーテルポリオール。シリコーン界面活性剤は、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社から入手可能である。アミン触媒は、上記で定義したエア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社から入手可能である。従来のMDIイソシアネート。
【表13】
【0079】
本発明は、特定の態様又は実施形態を参照して説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われてよく、均等物がそれらの要素に置き換えられ得ることは、当業者によって理解されるであろう。また、その本質的な範囲から逸脱することなく本発明の教示を適合させるために多くの変更がなされてもよい。従って、本発明は、本発明を実施するために意図された最良の形態として開示された特定の実施形態に制限されるものではなく、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4