特許第6594422号(P6594422)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594422
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】車両を動作させるための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/04 20130101AFI20191010BHJP
   F02N 11/08 20060101ALI20191010BHJP
   B60R 25/33 20130101ALI20191010BHJP
   B60R 25/30 20130101ALI20191010BHJP
【FI】
   B60R25/04
   F02N11/08 U
   F02N11/08 G
   B60R25/33
   B60R25/30
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-522872(P2017-522872)
(86)(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公表番号】特表2017-536285(P2017-536285A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(86)【国際出願番号】EP2015072350
(87)【国際公開番号】WO2016066358
(87)【国際公開日】20160506
【審査請求日】2017年4月27日
(31)【優先権主張番号】102014221749.0
(32)【優先日】2014年10月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ノアトブルフ
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−218444(JP,A)
【文献】 特開2013−123095(JP,A)
【文献】 特開2008−215136(JP,A)
【文献】 特開2006−031412(JP,A)
【文献】 特開2004−116324(JP,A)
【文献】 特開2003−042046(JP,A)
【文献】 特開2014−081044(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0197716(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0156672(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02N 1/00 − 99/00
F02D 29/00 − 29/06
B60R 25/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(401)を動作させるための方法であって、
前記車両(401)は、通信ネットワークを介して、前記車両(401)を始動させるための始動信号を受信し(101)、
前記車両(401)は、前記始動信号に応答して、所定の1つ又は複数の条件が満たされているか否かを検査し、
前記所定の1つ又は複数の条件が満たされている場合にのみ、前記車両(401)は、前記始動信号に応答して自律的に始動し(105)、
前記車両(401)の自律的な始動の前に、前記車両(401)が前記始動信号に応答して始動されるという情報信号が、前記通信ネットワークを介して、前記通信ネットワークの加入者に送信される、
ことを特徴とする、車両(401)を動作させるための方法。
【請求項2】
前記所定の1つ又は複数の条件には、前記車両(401)が前記始動信号に応答して自律的に始動するためには、現在の車両位置が所定の空間領域内に位置していなければならないことが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の空間領域は、前記車両(401)が自律的に駐車することが可能な空間領域である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記所定の空間領域は、駐車場を含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記所定の1つ又は複数の条件には、前記車両(401)が前記始動信号に応答して自律的に始動するために、現在時刻が所定の時間帯内になければならないことが含まれる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の時間帯は、駐車場における前記車両(401)の駐車期間に対応する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
車両始動認証を駐車場の駐車場管理サーバが受信し、
前記車両始動認証は、所定の時間帯及び/又は所定の空間領域を規定しており、前記所定の空間領域は、前記車両(401)が自律的に駐車することが可能な前記駐車場であり、前記所定の時間帯内に現在時刻がありかつ前記所定の空間領域内に現在の車両位置が位置している場合に、前記駐車場管理サーバは前記始動信号を用いて、前記車両(401)を始動させることができる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
受信した前記始動信号に基づく前記車両(401)の自律的な始動に応答して、前記車両(401)が前記始動信号に応答して始動したという情報信号が、前記通信ネットワークを介して、前記車両(401)に関連する、前記通信ネットワークの加入者に送信される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記車両(401)は始動された状態に維持されるべきという確認信号を、前記車両(401)が前記通信ネットワークを介して前記加入者から受信しなかった場合には、前記車両(401)は自律的に停止する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記車両(401)は、前記通信ネットワークを介して送信された前記加入者の中断信号の受信に応答して停止する、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
車両(401)を動作させるための装置(201)であって、
通信ネットワークを介して、前記車両(401)を始動させるための始動信号を受信するように構成されている通信インタフェース(203)と、所定の1つ又は複数の条件が満たされている場合に、前記始動信号に応答して前記車両(401)を自律的に始動させるように構成されている始動装置(205)と、を含み、
前記車両(401)の自律的な始動の前に、前記車両(401)が前記始動信号に応答して始動されるという情報信号が、前記通信ネットワークを介して、前記通信ネットワークの加入者に送信される、
ことを特徴とする、車両(401)を動作させるための装置(201)。
【請求項12】
駐車場のための駐車場管理サーバ(301)であって、
車両(401)を始動させるための始動信号を生成するように構成されているプロセッサ(303)と、前記始動信号を、通信ネットワークを介して車両(401)に送信するように構成されている通信インタフェース(305)と、を含み、
前記始動信号は、前記車両(401)による検査の結果、所定の1つ又は複数の条件が満たされている場合に前記車両(401)が自律的に始動するために用いられ、
前記車両(401)の自律的な始動の前に、前記車両(401)が前記始動信号に応答して始動されるという情報信号が、前記通信ネットワークを介して、前記通信ネットワークの加入者に送信される、
ことを特徴とする、駐車場のための駐車場管理サーバ(301)。
【請求項13】
求項1乃至のいずれか1項に記載の方法の各処理ステップ車両(401)に実行させるためのプログラムコードを含むことを特徴とすコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項7に記載の方法の各処理ステップを車両(401)及び駐車場管理サーバ(301)に実行させるためのプログラムコードを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を動作させるための方法と装置に関する。更に、本発明は、駐車場のための駐車場管理サーバに関する。更に本発明は、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
全自動化された(自律的な)、いわゆるバレーパーキングでは、運転者が引き渡し場所において、例えばパーキングビルの前に車両を停車し、そこから車両は自ら駐車位置/駐車スペースへと走行し、またその駐車位置/駐車スペースから引き渡し場所まで走行して戻ってくる。その間、即ち駐車されている間、車両は駐車位置/駐車スペースにおいて停止した状態にある。
【0003】
このプロセスに関して、例えば、駐車場管理システムが、人間によるサポートを要することなく、車両の外部からトリガされる信号によって車両を始動させることが必要になると考えられる。更に、駐車場管理システムを用いたその種の始動は、引き渡し場所における引き渡しの際に、車両のエンジンが既に停止している場合にも必要になると考えられる。例えば、その種の始動は、駐車プロセス中の駐車位置の変更の際にも有意義であり、また必要であると考えられる。そのような駐車位置の変更は、例えば、電気自動車が充電手段を備えている駐車スペースから、その種の充電手段を備えていない駐車スペースへと駐車位置を変更すべきことを含む。
【0004】
従って、合法性及び安全性(盗難に対する保護)に関する、その種の始動信号を用いた車両へのアクセスを保証することが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の開示
従って、本発明が基礎とする課題は、合法性及び安全性(盗難に対する保護)に関する車両へのアクセスを保証することができる、車両を動作させるための方法を提供することにあると考えられる。
【0006】
また本発明が基礎とする課題は、車両を動作させるための相応の装置を提供することにあると考えられる。
【0007】
また本発明が基礎とする課題は、駐車場のための駐車場管理サーバを提供することにあると考えられる。
【0008】
また本発明が基礎とする課題は、相応のコンピュータプログラムを提供することにあると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの課題は、各独立請求項に記載されている対象によって解決される。本発明の有利な構成は、各従属請求項に記載されている。
【0010】
1つの態様によれば、車両を動作させるための方法が提供され、この方法では、車両が通信ネットワークを介して、車両を始動させるための始動信号を受信し、所定の1つ又は複数の条件が満たされている場合にのみ、車両は始動信号に応答して自律的に始動する。
【0011】
更に1つの態様によれば、車両を動作させるための装置が提供され、この装置は、通信ネットワークを介して、車両を始動させるための始動信号を受信するように構成されている通信インタフェースと、所定の1つ又は複数の条件が満たされている場合に、始動信号に応答して車両を自律的に始動させるように構成されている始動装置と、を含む。
【0012】
1つの別の態様によれば、駐車場のための駐車場管理サーバが提供され、この駐車場管理サーバは、車両を始動させるための始動信号を生成するように構成されているプロセッサと、始動信号を、通信ネットワークを介して車両に送信するように構成されている通信インタフェースと、を含む。
【0013】
1つの別の態様によれば、コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行されると、車両を動作させるための方法を実施するプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0014】
1つの態様によれば、車両を動作させるための方法を実施するように設計されている車両が提供される。
【0015】
1つの実施の形態によれば、車両が、車両を動作させるための装置を含む。
【0016】
即ち本発明は、特に、車両を始動させるために車両外部の始動信号を用いる車両へのアクセスを、所定の1つ又は複数の条件が満たされている場合にのみ許可するという着想を含む。これによって、特に、車両へのアクセスを制限することができるという技術的な利点が得られる。つまりこのことは、特に、始動信号が車両を始動させるための信号としてはもはや十分ではないことを意味している。何故ならば、それに加えて、所定の1つ又は複数の条件が満たされなければならないからである。従って、有利には、安全性(例えば盗難に対する保護)を高めることができる。特に、合法性に関するアクセスを保証することができる。
【0017】
本発明の範囲における駐車場は、駐車フロアと称することもでき、車両を駐車する場所として使用される。従って、駐車場は、特に(私有地の駐車場における)複数の駐車マス又は(公有地の駐車場における)複数の駐車区画を有している、1つの繋がったスペースを形成している。1つの実施の形態によれば、駐車場にパーキングビルを含ませることができる。特に、駐車場にはガレージが含まれる。
【0018】
本発明の範囲において「自律的」とは、特に、車両がスタンドアローンで、即ち、運転者が介入することなく移動又は走行することを意味している。即ち、車両はスタンドアローンで駐車場を走行し、その際に、運転者はその走行に関して車両を制御する必要はない。運転者自身が車内に留まる必要もない。自動的に入庫及び出庫することができるその種の自律的に走行する車両は、例えばAVP車両とも称される。AVPとは「automatic valet parking」の略記であり、「自動駐車プロセス」と翻訳することができる。このAVP機能を備えていない車両は、例えば、通常の車両と称される。
【0019】
本発明の範囲における引き渡し位置とは、車両の運転者が自身の車両を自律的な駐車プロセスのために停めることができ、且つ、そこにおいて、自身の車両を後の時点に再び引き取ることができる位置であると解される。
【0020】
本発明の範囲における駐車位置とは、車両が自律的に駐車すべき位置である。
【0021】
1つの実施の形態においては、車両が自律的に、引き渡し場所から駐車位置まで移動する。
【0022】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置に入庫する。
【0023】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置から出庫する。
【0024】
1つの実施の形態によれば、車両が自律的に、駐車位置から引き渡し場所まで移動する。
【0025】
1つの実施の形態によれば、1つ又は複数の条件には、車両が始動信号に応答して自律的に始動するためには、現在の車両位置が所定の空間領域内に位置していなければならないことが含まれる。これによって、特に、車両を車両外部の始動信号を用いて始動させるためには、車両が所定の空間領域内に存在していなければならないという技術的な利点が得られる。車両が所定の空間領域外に存在する場合には、もはや車両を始動させることはできない。
【0026】
1つの実施の形態によれば、所定の空間領域は駐車プロセスに対応付けられている。所定の空間領域が駐車プロセスに対応付けられているということは、特に、所定の空間領域内では車両は自律的に駐車することができるということを意味している。駐車プロセスは、通常の場合、駐車に関する個々の操作、例えば、駐車位置へと向かう走行、入庫、出庫及び引き渡し位置へと戻る走行を実施するために、ある程度の領域を必要とする。このために必要とされるこの領域は、所定の空間領域に含まれている。即ち、この実施の形態によれば、車両が駐車プロセスを実施することができる領域内に存在する場合にのみ、始動信号を用いて車両を始動させることができることが保証される。
【0027】
1つの実施の形態によれば、所定の空間領域は駐車場を含むか、又は、所定の空間領域は駐車場である。これによって特に、駐車場内でのみ、始動信号を用いて車両を始動させることができるという技術的な利点が得られる。車両が駐車場外に存在する場合には、即ち、例えば駐車場を離れた後では、車両をもはや始動信号を用いて始動させることはできない。従って、有利には、駐車場管理サーバによる車両へのアクセスは、自動的なバレーパーキングプロセスの枠内では実現されるが、しかしながら、その種の自動なバレーパーキングプロセスの枠外では実現されない。
【0028】
空間領域は、例えば、駐車場の平面図を用いて、特にパーキングビルの平面図を用いて、有利には、不正確性を防止するためにデルタを用いて規定されている、及び/又は、例えば所定の点(例えばGPS座標)を中心にした所定の範囲によって規定されている。
【0029】
1つの別の実施の形態においては、1つ又は複数の条件には、車両が始動信号に応答して自律的に始動するために、現在時刻が所定の時間帯内になければならいことが含まれる。これによって、特に、所定の時間にのみ始動信号を用いて車両を始動させることができるという技術的な利点が得られる。この時間以外では、車両をもはや始動信号を用いて始動させることはできない。従って、有利には、車両へのアクセスを所定の時間だけに制限することができる。
【0030】
1つの別の実施の形態によれば、所定の時間帯は、駐車場における車両の駐車期間に対応する。これによって、特に、車両を始動させることを目的とした車両へのアクセスは、車両の駐車期間中にのみ実現されるという技術的な利点が得られる。つまりこのことは、特に、車両がもはや駐車されておらず、駐車場から既に離れている場合には、車両へのアクセスはもはや実現されないということを意味している。
【0031】
つまり例えば、時間的な制限を、即ち所定の時間帯を、規定された時間帯(例えば2時間)とすることができるか、又は、有利には駐車プロセスの終了によって規定することができる。更に、運転者が駐車場を、特にパーキングビルを頻繁に利用する場合には、所定の時間帯を、例えば「継続的な時間帯」(例えば1年間)によって規定することができる。
【0032】
1つの別の実施の形態によれば、車両始動認証が駐車場の駐車場管理サーバに送信される。車両始動認証は、所定の時間帯及び/又は所定の空間領域を規定しており、その範囲内で、駐車場管理サーバは始動信号を用いて、車両を始動させることができる。
【0033】
これによって特に、どの期間に、またどの領域において、駐車場管理サーバによる車両へのアクセスが実現されるかを、駐車場管理サーバに通知できるという技術的な利点が得られる。
【0034】
1つの別の実施の形態においては、受信した始動信号に基づく車両の自律的な始動に応答して、車両が始動信号に応答して始動したという情報信号が通信ネットワークを介して、通信ネットワークの加入者に送信される。
【0035】
これによって、特に、通信ネットワークの加入者には、車両が始動信号に応答して始動されたということに関する情報が提供されるという技術的な利点が得られる。通信ネットワークの加入者は、例えば、携帯電話である。その種の携帯電話は、例えば、車両の運転者が所有するものである。従って、車両の運転者には、車両が今まさに始動されたことが通知される。
【0036】
1つの別の実施の形態によれば、車両は始動された状態に維持されるべきという確認信号を、車両が通信ネットワークを介して加入者から受信しなかった場合には、車両は自律的に停止する。これによって、特に、車両を始動された状態に維持するために明示的な同意が必要になるという技術的な利点が得られる。つまり、車両の運転者は自身の携帯電話を介して、確認信号を車両に送信することができる。つまりこのことは、特に、運転者が明示的に、車両は始動状態に維持されるべきという自身の同意を明示的に示さなければならないということを意味している。
【0037】
1つの別の実施の形態においては、車両が、通信ネットワークを介して送信された加入者の中断信号の受信に応答して停止する。これによって、特に、運転者が明示的に中断を要求した場合には、車両が再び停止するという技術的な利点が得られる。最終的には、運転者が、自身の車両を始動された状態に維持するか否かについての管理権限を保持する。
【0038】
1つの別の実施の形態においては、車両の自律的な始動の前に、車両が始動信号に応答して始動されるという情報信号が、通信ネットワークを介して、通信ネットワークの加入者に送信される。つまりこのことは、車両の始動よりも更に前に、車両の運転者には、間もなく始動プロセスが開始されるという情報が提供されることを意味している。従って、運転者は自身の明確な同意を示すこと又は示さないことができる。
【0039】
つまり、1つの別の実施の形態によれば、車両が通信ネットワークの加入者からの確認信号を受信しなかった場合には、車両は自律的に始動しない。
【0040】
装置及び駐車場管理サーバの機能性は、方法の機能性からも同様に明らかになり、またそれとは反対に、方法の機能性は、装置及び駐車場管理サーバの機能性からも同様に明らかになる。
【0041】
以下では、複数の有利な実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】車両を動作させるための方法のフローチャートを示す。
図2】車両を動作させるための装置を示す。
図3】駐車場のための駐車場管理サーバを示す。
図4】車両を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1には、車両を動作させるための方法のフローチャートが示されている。
【0044】
ステップ101に従い、車両は通信ネットワークを介して、車両を始動させるための始動信号を受信する。つまりこのことは、始動信号が、車両を自律的に始動させるという、車両に対する要求であることを意味している。
【0045】
本発明の範囲における始動は、特に、車両の駆動機関を始動させることを含む。車両の駆動機関は、例えば、電気モータ又は内燃機関又はハイブリッドモータ、即ち、電気モータと内燃機関の組み合わせである。
【0046】
ステップ103においては、車両が始動信号に応答して、所定の1つ又は複数の条件は満たされているか否かを検査する。所定の1つ又は複数の条件が満たされている場合にのみ、ステップ105に従い、車両が自律的に始動する。
【0047】
つまりこのことは、特に、車両が自律的に始動するためには、一方では始動信号が存在しなければならず、他方では、所定の1つ又は複数の条件が満たされていなければならないということを意味している。
【0048】
図2には、車両を動作させるための装置201が示されている。
【0049】
装置201は、通信ネットワークを介して、車両を始動させるための始動信号を受信するように構成されている通信インタフェース203を含む。装置201は、所定の1つ又は複数の条件が満たされている場合に、始動信号に応答して車両を自律的に始動させるように構成されている始動装置205を含む。条件が満たされているか否かの検査は、例えば、始動装置を用いて実施される。特に、このことは、制御装置を用いて実施される。
【0050】
1つの実施の形態によれば、装置201は、車両を動作させるための方法を実施するように構成されている。
【0051】
車両へのアクセスを、始動信号だけでなく、所定の条件にも依存させるという本発明による着想は、特に、自動的なバレーパーキングプロセスにおいて、即ち自動的な駐車プロセスにおいて有利である。つまり例えば、条件は、自動的なバレーパーキングプロセスの特定の要求に応じて選択されるので、その結果、バレーパーキングプロセスの枠内でのみ、始動信号を用いて車両を始動させるための車両へのアクセスが実現される。自動的な駐車プロセス以外では、アクセスが阻止される。つまりこのことは、始動信号によっても車両をもはや始動されないということを意味している。
【0052】
つまり、1つの実施の形態によれば、車両へのアクセスが、空間的には駐車場に制限され続ける、及び/又は、駐車期間に制限され続ける。車両が駐車場を離れると、及び/又は、駐車期間が経過すると、始動信号を用いた車両へのアクセスが即座に不可能になる。
【0053】
図3には、駐車場のための駐車場管理サーバ301が示されている。
【0054】
駐車場管理サーバは、車両を始動させるための始動信号を生成するように構成されているプロセッサ303を含む。駐車場管理サーバ301は、更に、始動信号を、通信ネットワークを介して車両に送信するように構成されている通信インタフェース305を含む。
【0055】
1つの別の態様によれば、駐車場管理サーバ301を含む駐車場が設けられている。
【0056】
図4には、車両401が示されている。車両401は、車両を動作させるための本発明による方法を実施するように構成されている。例えば、車両401は、車両を動作させるための本発明による装置を含む。車両401は、例えば、自律的に走行する車両である。特に、車両401はAVP車両である。つまりこのことは、車両401は駐車場を自律的に走行し、且つ、駐車位置に入庫し、また再び出庫できることを意味している。
【0057】
即ち本発明は、特に、例えば駐車場運営システム(駐車場管理システム)に含ませることができる駐車場管理サーバが、人間によるサポートを要することなく(例えば車両内のボタンを押す必要なく)、例えばWLAN通信及び/又はC2X通信を介して、車両の外部からトリガされる信号(始動信号)によって車両を始動させることができるようにする手段を提供する。その種の始動は、少なくとも、駐車段階の後に、駐車位置から引き渡し位置までの帰還(帰路)に関して必要になる。更に、以下の状況において、その種の始動が実現される若しくは必要になる、又は、その種の始動が実現されると考えられる若しくは必要になると考えられる。
車両が既に停止されている状態で、引き渡し場所又は引き渡し位置において引き渡しが行われる場合。
駐車プロセス中に駐車位置を変更する場合。例えば、電気自動車が、充電手段を備えている駐車スペースから、その種の充電手段を備えていない駐車スペースへと駐車位置を変更すべき場合。
【0058】
本発明によって、有利には、合法性及び安全性(盗難に対する保護)に関する、自動的な駐車プロセス(自動バレーパーキング)のための車両へのアクセスを保証することがきる。
【0059】
つまり、1つの実施の形態によれば、外部からトリガされた信号(例えばWLAN通信によって伝送される始動信号)によってのみ、また、駐車プロセスの時間帯内及び/又は駐車プロセスの空間領域(例えばパーキングビル又は駐車場)内でのみ、車両を始動させることができる。時間帯外及び/又は空間領域外では、車両の始動は車両システムによって、即ちここでは特に前述の装置によって拒否される。
【0060】
空間的な広がりを、例えば、パーキングビルの平面図によって(必要に応じて、有利には、不正確性を防止するためのデルタを用いて)、及び/又は、所定の点(例えばGPS座標)を中心にした所定の範囲によって、非常に正確に規定することができる。
【0061】
時間的な制限を、規定された時間帯(例えば2時間)とすることができるか、又は、駐車プロセス期間の終了によって規定することができる。更に、運転者がパーキングビル乃至駐車場を頻繁に利用する場合には、時間的な制限を「継続的な時間帯」(例えば1年間)によって規定することができる。
【0062】
1つの実施の形態によれば、このことは、時間的な側面及び空間的な側面を内容とする「車両始動認証」が駐車運営システムに伝送されることによって、技術的に解決される。このことは、ホテル内での時限式の「WLAN登録」に類似する。
【0063】
1つの別の実施の形態においては、認証が同時に複数のパーキングビル/駐車場(例えば一連のパーキングビル)に対して規定されている。
【0064】
1つの別の実施の形態においては、車両の始動時に、運転者/所有者に外部からトリガされた信号に関する情報が(例えば携帯電話を介して)提供される。
【0065】
1つの別の実施の形態においては、運転者/所有者がその情報に従い自身の同意を(例えば携帯電話を介して)示す必要がある。
【0066】
1つの別の実施の形態においては、運転者/所有者が始動プロセスをいつでも中断/拒否することができる。
【0067】
1つの別の実施の形態においては、車両と携帯電話と駐車空間運営システムとの間で伝送される全てのデータのトラフィック(即ち通信ネットワークを介する通信)及び認証が暗号化されている。
図1
図2
図3
図4