特許第6594427号(P6594427)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6594427駐車場を監視するための方法、当該方法を実施するためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを実行するように構成されている装置、及び、当該装置を含む駐車システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594427
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】駐車場を監視するための方法、当該方法を実施するためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを実行するように構成されている装置、及び、当該装置を含む駐車システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20191010BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20191010BHJP
   G08B 13/00 20060101ALI20191010BHJP
   G08B 21/22 20060101ALI20191010BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   G08B25/10 A
   G07B15/00 L
   G08B13/00 B
   G08B21/22
   G08G1/14 A
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-528561(P2017-528561)
(86)(22)【出願日】2015年10月22日
(65)【公表番号】特表2018-506097(P2018-506097A)
(43)【公表日】2018年3月1日
(86)【国際出願番号】EP2015074451
(87)【国際公開番号】WO2016083027
(87)【国際公開日】20160602
【審査請求日】2017年5月26日
(31)【優先権主張番号】102014224106.5
(32)【優先日】2014年11月26日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ ニコデムス
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ノアトブルフ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ホフマン
【審査官】 寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−118342(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0156672(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0188100(US,A1)
【文献】 特開2005−226308(JP,A)
【文献】 特開2005−194733(JP,A)
【文献】 特開2004−206584(JP,A)
【文献】 特開2013−003930(JP,A)
【文献】 特開2007−195130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B13/00−15/02
G08B19/00−21/24
G08B23/00−31/00
G07B15/00
G08G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律的に走行する車両のために確保された領域(305)を有している駐車場(303)を装置(201)によって監視するための方法において、
−前記装置(201)のプロセッサが、前記確保された領域(305)に駐車されている車両に対応付けられた人間によるアクセス問合せを受信するステップ(101)と、
−前記プロセッサが、前記確保された領域(305)に関するアクセスに対して、前記人間に権限が与えられているか否かを検査するステップ(103)と、
−前記アクセスに対して、前記人間に権限が与えられている場合、前記プロセッサが、前記アクセスを許可するステップ(105)と、
−前記プロセッサが、前記確保された領域(305)における前記人間の行動を監視するステップ(107)と、
を備えており、
前記プロセッサが、前記人間に対応付けられている車両が駐車されている部分領域とは異なる、前記確保された領域(305)の少なくとも1つの部分領域への立ち入りを禁止するように、前記駐車場(303)の前記異なる部分領域に設置された1つ又は複数のドア又はゲートを閉鎖することによって、該異なる部分領域に、前記人間が赴くことを禁止し、
前記プロセッサが、前記確保された領域(305)内で自律的に走行する車両の交通の調整を、自律的に走行する車両と前記確保された領域(305)に存在する車両及び/又は前記確保された領域(305)に存在する人間とが遭遇することを回避するように実施する、
ことを特徴とする、駐車場(303)を監視するための方法。
【請求項2】
前記監視には、前記人間が、前記確保された領域(305)に駐車されている、前記人間に対応付けられた車両に向かって移動しているか否か、及び/又は、前記人間が、前記確保された領域(305)において、前記人間に設定された経路に沿って移動しているか否か、及び/又は、前記確保された領域に駐車されている、前記人間に対応付けられていない車両の傍に止まっているか否か、及び/又は、前記確保された領域に駐車されている、前記人間に対応付けられていない車両に危害を加えるか否か、についての前記プロセッサによる検査が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記監視に基づいて、前記プロセッサが、前記人間の行動を記録する、及び/又は、警報信号を出力する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
付加的に、前記プロセッサが、前記確保された領域(305)への入場及び/又は前記確保された領域(305)からの出場を監視し、権限が与えられていない入場あるいは権限が与えられていない出場を確認する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記確保された領域(305)に関するアクセスに対して、前記人間に権限が与えられているか否かの検査には、前記プロセッサによる、前記人間が携帯する送信器の所定の信号の受信が含まれる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記送信器は、端末装置に含まれている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記端末装置は、移動端末装置である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記確保された領域(305)に駐車されている、前記人間に対応付けられた車両の駐車位置を前記人間に通知する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記プロセッサが、前記駐車位置に加えて、前記確保された領域(305)のマップも前記人間に通知する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記確保された領域(305)の前記マップは、ディジタルマップである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ディジタルマップは、対話式のディジタルマップである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記駐車位置に加えて、前記駐車位置に到達するために前記人間が従うべき目標軌跡を前記人間に通知する、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記プロセッサが、前記駐車位置に到達するために、ナビゲーション信号を送出するように構成されている、前記駐車場(303)のナビゲーションインフラストラクチャを作動させ、前記ナビゲーション信号に従えば前記駐車位置に到達することができるように、前記ナビゲーションインフラストラクチャが前記ナビゲーション信号を送出する、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータプログラムにおいて、
当該コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行されるときに、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法を実施するためのプログラムコードを含んでいることを特徴とする、コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成されている、自律的に走行する車両のために確保された領域(305)を有している駐車場(303)を監視するための装置(201)。
【請求項16】
車両のための駐車システム(301)において、
自律的に走行する車両のために確保された領域(305)を有している駐車場(303)と、請求項15に記載の装置(201)と、を含んでいることを特徴とする、車両のための駐車システム(301)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律的に走行する車両のために確保された領域を有している駐車場を監視するための方法及び装置に関する。更に本発明は、車両のための駐車システム、及び、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
全自動化された(自律的な)、いわゆるバレーパーキングでは、運転者が引き渡し場所において、例えばパーキングビルの前に車両を停めると、そこから車両は自ら駐車位置/駐車スペースへと走行し、またその駐車位置/駐車スペースから引き渡し場所まで走行して戻ってくる。
【0003】
刊行物、独国特許出願公開第102012222562号明細書(DE 10 2012 222 562 A1)には、車両を起点位置から目的位置へと移動させるための、商用駐車場のためのシステムが開示されている。
【0004】
車両の運転者又は同乗者が、引き渡し場所において車両を引き渡した後に、例えば車内に忘れ物をしたという理由で、再び車両のもとに行かねばならない状況が発生する可能性がある。
【0005】
更に、車両が施錠されておらず、また、車両キーが車内にある状況が発生する可能性がある。そのような状況では、人間が、その者が所有している車両又は(運転者の代理で行動する駐車場スタッフの場合には)委任された車両にしか赴かないことが保証されなければならない。車両に危害が加えられること(例えば車両から物が盗まれること)又は車両が悪用されること(例えばその車両が運転されること)は起こらないことが保証されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第102012222562号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の開示
従って、本発明が基礎とする課題は、人間(例えば運転者、同乗者又は駐車場スタッフ)によって、駐車されている車両に危害が加えられないこと又は駐車されている車両が悪用されないことを保証することができる、自律的に走行する車両のために確保された領域を有している駐車場を監視するための方法を提供することにあると考えられる。
【0008】
また本発明が基礎とする課題は、相応の装置、相応の駐車システム及び相応のコンピュータプログラムをそれぞれ提供することにあると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの課題は、各独立請求項に記載されている対象によって解決される。本発明の有利な構成は、各従属請求項に記載されている。
【0010】
1つの態様によれば、自律的に走行する車両のために確保された領域を有している駐車場を監視するための方法が提供され、この方法は以下のステップ、即ち、
−確保された領域に関する、人間に対応付けられたアクセス問合せを受信するステップと、
−確保された領域に関するアクセスに対して、人間に権限が与えられているか否かを検査するステップと、
−アクセスに対して、人間に権限が与えられている場合、アクセスを許可するステップと、
−確保された領域における人間の行動を監視するステップと、
を備えている。
【0011】
更に1つの態様によれば、自律的に走行する車両のために確保された領域を有している駐車場を監視するための装置が提供され、この装置は、本発明に係る方法を実施するように構成されている。
【0012】
1つの別の態様によれば、車両のための駐車システムが供給され、この駐車システムは、自律的に走行する車両のために確保された領域を有している駐車場と、本発明に係る装置と、を含んでいる。
【0013】
1つの別の態様によれば、コンピュータプログラムがコンピュータにおいて実行されるときに、本発明に係る方法を実施するためのプログラムコードを含んでいるコンピュータプログラムが提供される。
【0014】
即ち、本発明は、特に、確保された領域に止まっている人間を監視するという着想を含んでいる。これによって、特に、人間が権限なく車両にアクセスしようとすること、及び/又は、確保された領域に人間が権限なく止まっていることを確認することができるという技術的な利点が得られる。従って、効率的なやり方で、車両に危害が加えられること又は車両が悪用されることを回避することができる。
【0015】
人間のアクセスが許可される前に、先ず、その人間がそもそも、確保された領域に立ち入る権限が与えられているか否かが検査されることによって、特に、確保された領域に誰がアクセスしたか、また、確保された領域にそもそも誰がアクセスしようとしたのか、に関する効果的な管理が実現されるという技術的な利点が得られる。
【0016】
1つの実施の形態によれば、人間には、確保された領域内に駐車又は停止している車両が対応付けられている。人間はアクセス問合せによって、車両に赴くために、例えば車両から何かを取って来るために、確保された領域へのアクセスを希望する。
【0017】
1つの実施の形態によれば、人間が、運転者若しくは同乗者であるか、又は、車両の運転者若しくは同乗者から、例えばその車両から何かを取ってくるために、車両に赴くことを委任された駐車場スタッフである。
【0018】
1つの実施の形態においては、駐車位置に車両が駐車されている、又は、確保された領域内の駐車位置に車両が停止されている。
【0019】
本発明の範囲における駐車場は、駐車フロアと称することもでき、車両を駐車する場所として使用される。従って、駐車場は、特に(私有地の駐車場における)複数の駐車マス又は(公有地の駐車場における)複数の駐車区画を有している、1つの繋がったスペースを形成している。1つの実施の形態によれば、駐車場にパーキングビルを含ませることができる。特に、駐車場にはガレージが含まれる。
【0020】
本発明の範囲において「自律的」とは、特に、車両がスタンドアローンで、即ち、運転者が介入することなく、駐車場を移動若しくは走行すること又は駐車場において誘導されることを意味している。即ち、車両はスタンドアローンで駐車場を走行し、その際に、運転者はその走行に関して車両を制御する必要はない。誘導には特に車両の横方向及び/又は縦方向の誘導が含まれる。自動的に入庫及び出庫することができるその種の自律的に走行する車両は、例えばAVP車両とも称される。AVPとは「automatic valet parking」の略記であり、「自動駐車プロセス」と翻訳することができる。このAVP機能を備えていない車両は、例えば、通常の車両と称される。
【0021】
本発明の範囲における引き渡し位置とは、車両の運転者が自身の車両を自律的な駐車プロセスのために停めることができ、且つ、そこにおいて、自身の車両を後の時点に再び引き取ることができる位置である。引き渡し位置は、特に、確保された領域外に位置している。
【0022】
本発明の範囲における駐車位置とは、車両が自律的に駐車すべき位置である。
【0023】
1つの実施の形態においては、車両が、自律的に引き渡し位置から駐車位置まで移動若しくは走行するか、又は、遠隔制御により誘導される。
【0024】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置に入庫するか、又は、遠隔制御により駐車位置に入庫する。
【0025】
1つの別の実施の形態においては、車両が自律的に駐車位置から出庫するか、又は、遠隔制御により駐車位置から出庫する。
【0026】
1つの別の実施の形態によれば、車両が自律的に、駐車位置から引き渡し位置まで移動若しくは走行するか、又は、遠隔制御により誘導される。
【0027】
1つの実施の形態によれば、監視には、人間が、確保された領域に駐車されている、その人間に対応付けられた車両に向かって移動しているか否か、及び/又は、人間が、確保された領域において、その人間に設定された経路に沿って移動しているか否か、及び/又は、人間が、確保された領域に駐車されている、その人間に対応付けられていない車両に向かって移動しているか否か、及び/又は、その人間に対応付けられていない車両の傍に止まっているか否か、及び/又は、確保された領域に駐車されている、その人間に対応付けられていない車両にアクセスするか否か、についての検査が含まれる。
【0028】
これによって、特に、人間が許容される行動又は権限が与えられた行動とは異なる行動を取るか否かを検査することができるという技術的な利点が得られる。即ち、人間が自身に対応付けられている車両に向かって移動すること、及び/又は、確保された領域において設定されている経路に沿って移動することが許容される。人間がその行動を取る限りは、通常の場合、例えば警報を発する等の介入行動は必要とされない。しかしながら、人間が前述の行動とは異なる行動を取った場合、このことは、人間の権限のない又は許可されていない行動に関する判断基準となる。即ち、このことは、この場合に危害が加えられること又は悪用されることの危険が高まっていることを意味している。この場合には特に、例えば警報を発する等の適切な措置が講じられる。
【0029】
通常の場合、人間が、確保された領域に駐車されている、その人間に対応付けられていない車両に向かって移動する場合、及び/又は、その車両の傍に止まっている場合、及び/又は、その車両にアクセスする場合、例えばその車両を解錠しようとするか解錠する場合、これは人間の許容されない行動である。何故ならば、その人間に対応付けられていない車両では、その人間がその車両にアクセスしようとすることは許可されていないからである。即ち、その人間がその車両に向かって移動する理由は存在しない。従って、その種の行動は、特に、人間が車両にアクセスして車両に危害を加えようとしている若しくは車両を悪用しようとしていることの判断基準となるか、又は、そのようなことの示唆である。従って、有利には、車両へのアクセス又は車両に危害が加えられること又は車両が悪用されることを回避するための相応の措置を講じることができる。
【0030】
1つの別の実施の形態によれば、監視に基づいて、人間の行動が記録される、及び/又は、警報信号が出力される。これによって、特に、後の時点においても、確保された領域内の人間の行動を追跡することができるという技術的な利点が得られる。このことは、特に、記録に基づいて行われ、この記録には領域内の人間の行動の撮影が含まれる。警報信号は無音の警報信号であってもよい。警報信号は特に、無音ではなく、従って、有音の警報信号であってもよい。1つの実施の形態によれば、警報信号の出力には、例えばセキュリティサービス及び/又は警察に警報を発することが含まれる。1つの実施の形態によれば、警報信号の出力には、駐車場スタッフに警報を発することが含まれ、それによって、警報信号が出力されたことを人間に送信することができ、又は、警報信号が出力されたことが人間に送信される。
【0031】
1つの別の実施の形態によれば、付加的に、確保された領域への入場及び/又は確保された領域からの出場が監視され、それによって、確保された領域への権限が与えられていない入場、又は、確保された領域からの権限が与えられていない出場を確認することができる。これによって、特に、人間が、確保された領域に入場しているか又は確保された領域から出場しているか否か、また、誰が、確保された領域に入場しているか又は確保された領域から出場しているかを監視することができるという技術的な利点が得られる。従って、有利には、人間が申請を行うことなく、確保された領域にアクセスしようとしていることを確認することができる。
【0032】
1つの実施の形態によれば、入場及び/又は出場が監視システムによって、例えばライトバリヤ及び/又はドア開放センサ及び/又はカメラ及び/又はレーダセンサ及び/又はライダセンサ及び/又は超音波センサ及び/又はレーザセンサによって監視される。前述の監視手段は、特に、人間が、確保された領域にアクセスしようとしたことを、即ち、その領域に入場しようとしていることを検出する。特に、前述の監視手段は、人間が、確保された領域から出場して離脱しようとしていることを検出する。
【0033】
1つの別の実施の形態においては、確保された領域に関するアクセスに対して、人間に権限が与えられているか否かの検査には、人間が携帯する送信器の所定の信号の受信が含まれる。これによって、特に、人間の改善された監視が実現されるという技術的な利点が得られる。このことは、所定の信号が受信されることによって行われる。それらの信号は、人間が携帯する送信器から送出される。即ち、人間は送信器を用いて、自身の存在をシグナリングし、特に、自身の位置及び/又は特に人間の識別子又はIDをシグナリングする。
【0034】
1つの実施の形態によれば、特に同一に形成されているか、又は、特に異なるように形成されている、複数のその種の送信器が設けられている。
【0035】
1つの実施の形態によれば、送信器が、RFIDチップを含んでいる。その種のRFIDチップを用いることによって、特に、人間に権限が与えられていることを識別することができる、及び/又は、人間をより良好に追跡することができる。
【0036】
1つの実施の形態によれば、送信器が、端末装置に、特に移動端末装置に含まれている。移動端末装置は、例えば携帯電話、特にスマートフォンである。即ち、このことは、特に、人間が携帯する移動端末装置が、人間の監視に使用することができる信号を、特に人間に権限を与えるために使用することができる信号を送出することを意味している。
【0037】
1つの別の実施の形態によれば、確保された領域に駐車されている、人間に対応付けられた車両の駐車位置が人間に通知される。これによって、特に、人間は、その人間がアクセスしようとしている又は赴こうとしている車両が何処に駐車されているかを知ることができるという技術的な利点が得られる。何故ならば、人間が車内に居ない状態で、車両が自律的に駐車位置まで走行したか、又は、遠隔制御により駐車位置まで誘導されたので、人間は通常の場合、車両の駐車位置を知らないからである。即ち、このことは、人間が、確保された領域の何処に車両が停止されたかを知らないということを意味している。しかしながら、ここで駐車位置が人間に通知されることによって、人間は、確保された領域内の何処に車両が存在しているかを知る。従って、人間は、確保された領域内で迅速且つ効率的に車両を発見することができる。
【0038】
1つの別の実施の形態においては、駐車位置に加えて、確保された領域のマップも、特にディジタルマップも、とりわけ対話式のディジタルマップも人間に通知される。これによって、特に、駐車位置までの改善されたナビゲーションが実現されるという技術的な利点が得られる。これによって、更に、人間が効率的に駐車位置を発見できるという技術的な利点が得られる。
【0039】
1つの実施の形態によれば、マップが、物理的なマップ、特に紙のマップである。
【0040】
1つの実施の形態によれば、マップが、ディジタルマップである。
【0041】
1つの実施の形態によれば、マップが、対話式のディジタルマップである。即ち、このことは、特に、人間がディジタルマップと対話できることを意味している。
【0042】
1つの実施の形態によれば、ディジタルマップが、人間に通信ネットワークを介して通知され、例えば端末装置に、特に移動端末装置に、例えば携帯電話に伝送される。
【0043】
1つの実施の形態によれば、通信ネットワークには、移動無線網及び/又はWLANネットワークが含まれる。
【0044】
1つの実施の形態においては、通信ネットワークを介する通信が暗号化される、あるいは、暗号化されている。
【0045】
1つの別の実施の形態においては、駐車位置に加えて、駐車位置に到達するために人間が従うべき目標軌跡が人間に通知される。これによって、特に、人間自身が、もはや駐車位置までの経路又は行程又は軌跡を計画又は算出しなくてよいという技術的な利点が得られる。何故ならば、辿るべき又は従うべき軌跡が、即ち、ここでは目標軌跡が、人間に通知されることによって、人間に設定されるからである。特に、目標軌跡が端末装置に、とりわけ移動端末装置に、通信ネットワークを介して伝送される。端末装置、特に移動端末装置は、例えばナビゲーションシステムを含んでおり、このナビゲーションシステムに基づいて、伝送された目標軌跡を使用して、人間を駐車位置にまで誘導することができる。
【0046】
1つの別の実施の形態によれば、駐車位置に到達するために、ナビゲーション信号を送出するように構成されている、駐車場のナビゲーションインフラストラクチャが作動され、それによって、ナビゲーション信号に従えば駐車位置に到達することができるように、ナビゲーションインフラストラクチャはナビゲーション信号を送出する。これによって、特に、人間に関する駐車位置までの改善された誘導を実現することができるという技術的な利点が得られる。従って、人間は、有利には、駐車位置に赴くためには、ナビゲーション信号に従うだけでよい。このことは、ビーコン又は標識灯についても同様に当てはまる。1つの実施の形態によれば、ナビゲーションインフラストラクチャが、光信号又は光標識を送出するための光送信器を含んでいる。
【0047】
更に1つの実施の形態によれば、人間に対応付けられている車両が駐車されている部分領域とは異なる、確保された領域の少なくとも1つの部分領域が、人間のアクセスから隔離される。これによって、特に、車両が駐車されていない部分領域に赴こうとすることを人間に禁ずることができるという技術的な利点が得られる。従って、有利には、人間に対応付けられている車両が駐車されていない部分領域に存在している車両に危害が加えられること又は車両が悪用されることを回避することができるという技術的な利点が得られる。
【0048】
隔離には、例えば、1つ又は複数のドア又はゲートの閉鎖が含まれる。
【0049】
1つの別の実施の形態においては、確保された領域内で自律的に走行する車両の交通の調整が、その確保された領域に存在する人間に依存して実施され、それによって、自律的に走行する車両と確保された領域に存在する車両及び/又は確保された領域に存在する人間とが遭遇することが回避される。これによって、特に、自律的に走行する車両と確保された領域に存在する車両とが遭遇することを回避することができるという技術的な利点が得られる。特に、これによって、有利には、確保された領域に存在する人間と、自律的に走行する車両とが衝突するリスクが低減されるか、又はそれどころか回避される。特にこれによって、確保された領域内を自律的に走行する車両が、確保された領域に存在する人間をもはや顧慮する必要がない点において、それらの自律的に走行する車両の交通の流れを最適化することができる。
【0050】
装置の特徴は、相応の方法の特徴からも同様に明らかになり、またそれとは反対に、方法の特徴は、相応の装置の特徴からも同様に明らかになる。
【0051】
以下では、複数の好適な実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】駐車場を監視するための方法のフローチャートを示す。
図2】駐車場を監視するための装置を示す。
図3】車両のための駐車システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1には、自律的に走行する車両のために確保された領域を有している駐車場を監視するための方法のフローチャートが示されている。
【0054】
ステップ101においては、確保された領域に関するアクセス問合せが受信される。アクセス問合せは人間に対応付けられている。例えば、人間がアクセス問合せを送信する。これは、例えば通信ネットワークを介して行われる。
【0055】
ステップ103においては、確保された領域に関するアクセスに対して、人間に権限が与えられているか否かが検査される。ステップ105においては、アクセスに対して、人間に権限が与えられている場合、アクセスが許可される。アクセスに対して、人間に権限が与えられていない場合、アクセスは許可されない。
【0056】
ステップ107においては、確保された領域における人間の行動が監視される。
【0057】
1つの実施の形態によれば、ステップ107において特に、人間が、確保された領域に駐車されている、その人間に対応付けられた車両に向かって移動しているか否か、及び/又は、人間が、確保された領域において、その人間に設定された経路に沿って、例えば設定された目標軌跡に沿って移動しているか否か、及び/又は、人間が、確保された領域に駐車されている、その人間に対応付けられていない車両に向かって移動しているか否か、及び/又は、確保された領域に駐車されている、その人間に対応付けられていない車両の傍に止まっているか否か、及び/又は、確保された領域に駐車されている、その人間に対応付けられていない車両にアクセスするか否かが検査される。
【0058】
監視は特に、監視システムを用いて実施される。1つの実施の形態によれば、監視システムが、1つ又は複数のビデオカメラ、及び/又は、1つ又は複数のレーダセンサ、及び/又は、1つ又は複数の超音波センサ、及び/又は、1つ又は複数のライダセンサ、及び/又は、1つ又は複数のレーザセンサ、及び/又は、1つ又は複数のライトバリヤ、及び/又は、1つ又は複数のドア開放センサを含んでいる。
【0059】
図2には、自律的に走行する車両のために確保された領域を有している駐車場を監視するための装置201が示されている。装置201は、本発明に係る方法を実施するように構成されている。
【0060】
1つの実施の形態によれば、装置201が、監視システムを含んでいる。
【0061】
1つの実施の形態によれば、装置201が、通信ネットワークを介してアクセス問合せを受信するための通信インタフェースを有している。
【0062】
1つの実施の形態によれば、装置201がプロセッサを含んでおり、このプロセッサは、確保された領域に関するアクセスに対して、人間に権限が与えられているか否かについて検査し、また、アクセスに対して、人間に権限が与えられている場合にはアクセスを許可するように構成されている。プロセッサは、特に、監視システムを制御するように構成されており、それによって、監視システムは、確保された領域における人間の行動を監視する。
【0063】
図3には、車両のための駐車システム301が示されている。
【0064】
駐車システム301は、自律的に走行する車両のために確保された領域305を有している駐車場303を含んでいる。駐車システム301は、更に、図2に示した装置201を含んでいる。
【0065】
即ち、本発明は、特に、人間(例えば運転者、同乗者又はスタッフ)によって、自律的に走行する車両、特にAVP車両に危害が加えられないこと、又は、自律的に走行する車両、特にAVP車両が悪用されないことを保証することができる、技術的且つ効率的なコンセプトを提供するという着想を含んでいる。これに関する基本条件は、特に、自律的に走行する車両のために、特にAVP車両のために排他的な領域が設けられているということである。この排他的な領域が、確保された領域である。
【0066】
ここで、本発明による着想は、特に、確保された領域内に存在する人間が、駐車空間運営監視システムとも称することができる監視システムによって、監視されるということである。
【0067】
1つの実施の形態によれば、確保された領域に停止又は駐車されている車両にアクセスするために、運転者及び/又は同乗者が申請を行う、即ち、アクセス問合せを送信する。
【0068】
1つの実施の形態によれば、運転者又は同乗者によって委任された代理スタッフが、車両にアクセスするというそのタスクに関して申請を行う、即ち、アクセス問合せを送信する。
【0069】
1つの実施の形態によれば、このアクセス問合せが、装置201に送信される。
【0070】
1つの実施の形態によれば、装置201が、駐車場を管理するための駐車場管理サーバの一部である。駐車場管理サーバを、特に、駐車空間運営サーバと称することができる。
【0071】
1つの実施の形態によれば、申請、即ち、アクセス問合せの通知又は送信を、スタッフ及び/又は駐車場自動装置のもとで実施することができる。即ち、このことは、人間が駐車場自動装置に赴くことができ、またそこにおいてアクセス問合せを行えることを意味している。
【0072】
1つの実施の形態によれば、問合せを行う人間は、自身が運転者又は同乗者であることを証明する。この証明は、例えば予約控え又は引き渡し控えを介して行うことができる。特に、この証明を電子的に読み出し可能な身分証明書を介して行うことができる。
【0073】
確保された領域にアクセスするために問合せを行った人間に権限が与えられている場合、その人間にアクセスが許可される。特に、駐車空間運営部又は駐車空間管理部が、即ち、特に装置がアクセスを許可する。
【0074】
1つの実施の形態によれば、装置が、即ち、特に駐車空間運営部が、人間に車両の現在地、即ち、駐車位置を通知する。1つの実施の形態によれば、専らこの通知だけが行われる。即ち、このことは、駐車位置だけが通知されることを意味している。
【0075】
1つの実施の形態によれば、駐車位置に加えて、確保された領域のマップも、特に確保された領域を含む駐車場全体のマップも、人間に供給される。
【0076】
1つの実施の形態によれば、マップは物理的なマップであり、特に紙のマップである。
【0077】
1つの実施の形態によれば、マップはディジタルマップであり、このディジタルマップが、特に端末装置に、とりわけ移動端末装置に、例えば携帯電話に伝送され、例えばWLAN又は移動無線網を介して、即ち、一般的には通信ネットワークを介して伝送される。
【0078】
1つの実施の形態によれば、ディジタルマップが、対話式のマップであり、その対話式のディジタルマップが(移動)端末装置にロードされた後では、人間は、(移動)端末装置を操作することによって、ディジタルマップと対話することができる。
【0079】
1つの実施の形態によれば、マップが、ナビゲーション機能を有しているディジタルマップであり、特にナビゲーション機能を有している対話式のディジタルマップである。即ち、このことは、ディジタルマップに加えて、駐車位置に到達するために人間が従うべき目標軌跡も一緒に伝送されることを意味している。従って、確保された領域内で、ディジタルマップに基づいたナビゲーションが実現される。
【0080】
1つの実施の形態によれば、複数のマップが、即ち、例えば物理的なマップ、特に紙のマップ及びディジタルマップが人間に通知される。
【0081】
1つの実施の形態によれば、ナビゲーション信号を送出するように構成されているナビゲーションインフラストラクチャが形成されている。このナビゲーションインフラストラクチャは、アクセスが許可された後に、ナビゲーション信号を送出するように作動し、それによってナビゲーション信号に従うことにより、駐車位置に到達することができる。ナビゲーションインフラストラクチャは、例えば、光信号又は光標識を送出する、1つ又は複数の光信号発生器又は光送信器を含んでいる。従って、人間は、自身の車両の駐車位置に赴くためには、それらの光標識に従うだけでよい。
【0082】
1つの実施の形態によれば、人間が車両に向かう。即ち、人間が車両まで移動する。これは、特に、通知された駐車位置及び/又は通知されたマップを利用して行われる。
【0083】
1つの実施の形態によれば、人間が駐車場を移動している間、特に確保された領域内を移動している間、その人間は、例えば装置によって、即ち、例えば駐車空間運営システムによって監視及び記録される。
【0084】
監視及び記録は、特に、1つ又は複数のビデオカメラを用いて、一般的には監視システム又は監視装置を用いて実施される。
【0085】
1つの実施の形態によれば、人間が、車両までの経路において監視及び記録される。
【0086】
1つの実施の形態によれば、人間が、車両の傍で監視及び記録される。
【0087】
1つの実施の形態によれば、人間が、帰路において、即ち、車両から離れる方向の経路において監視及び記録される。
【0088】
人間が車両に向かわず、及び/又は、その人間に設定された経路とは異なる経路を使用し、及び/又は、別の車両の傍に止まり、車両を解錠するか又は他の方法で車両にアクセスする場合、1つの実施の形態によれば、以下の動作又はアクション、即ち、人間の動作及びアクションの記録及び撮影(このことは例えば監視システムを用いて実施される)、スタッフから人間への送信、及び/又は、セキュリティサービス若しくは警察への警報の発信、が個別に又は組み合わせられて実施される。
【0089】
1つの別の実施の形態においては、人間には、例えばRFIDチップを含んでいる、ディジタル送信器が提供又は貸与される。その場合、人間はディジタル送信器を携帯する必要がある。その種のディジタル送信器を用いることによって、有利には、人間に権限が与えられていることを識別することができる、及び/又は、人間をより良好に追跡することができる。
【0090】
1つの実施の形態によれば、移動端末装置が、このために使用される。即ち、このことは、特に、移動端末装置が、例えばスマートフォン又は移動無線機器が送信器として機能し、それによって人間に権限が与えられていることを識別することができ、また人間をより良好に追跡することができる。
【0091】
人間が、一般的にはAVP領域とも称することができる確保された領域に、申請を行わなければ入場できないようにするために、1つの実施の形態によれば、この領域が、即ち、特に確保された領域への入場及び/又は確保された領域からの出場が監視され、例えば監視システムを用いて、特にライトバリヤ、ドア開放センサ及び/又はカメラを用いて監視される。
【0092】
例えば、駐車空間監視システムを用いて、即ち、本発明に係るシステムを用いて、人間による、確保された領域への権限が与えられていないアクセスが行われたこと又は行われていることが確認された場合、1つの実施の形態によれば、以下の動作又はアクション、即ち、人間の動作の記録(このことは特に本発明に係るシステムを用いて行われる)、スタッフから人間への送信、及び/又は、セキュリティサービス若しくは警察への警報の発信、のうちの少なくとも1つが個別に又は組み合わせられて実施される。
【0093】
1つの実施の形態によれば、アクセス問合せによってアクセスされるべき車両が駐車又は停止していない、確保された領域の1つ又は複数の部分領域には、問合せを行った人間がアクセスできないようにされ、特にそのような部分領域が隔離され、特に1つ又は複数のドアの閉鎖によって隔離される。このことを、特に、駐車空間運営システムによって、即ち、本発明に係るシステムによって開始又は実施することができる。
【0094】
1つの実施の形態によれば、確保された領域内の人間及び人間の移動についての概観が、駐車場運営システムによって、即ち、本発明に係るシステムによって、更に、自律的に走行する車両の、特にAVP車両の調整及び計画の際に使用される。このことは、例えば、その時点において走行している又は現在走行しているAVP車両に駐車位置を割り当てる際に行われ、その結果、AVP車両は、自身の走行ルートにおいてその人間と遭遇することはない。
図1
図2
図3