(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エンジンを有する車両に搭載され、燃料タンクで発生した蒸発燃料を含むパージガスを前記エンジンの吸気管に供給するパージシステムの故障を診断するパージシステムの故障診断装置であって、
前記パージシステムは、
前記蒸発燃料を吸着するキャニスタと、
前記キャニスタと前記エンジンの吸気管とを連通するパージ通路と、
前記パージ通路を開閉可能なパージ弁と、
前記キャニスタと外気開口部とを連通する外気通路と、
前記外気通路を開閉可能な外気弁と、
前記パージシステム内の圧力を検出するシステム圧力センサと、を備え、
前記故障診断装置は、前記外気弁により前記外気通路が閉鎖された状態において、前記パージ弁により前記パージ通路が開放されることによって前記パージ通路から前記吸気管へ流入するパージガスの流量推定値の積算値と前記パージシステム内の圧力との関係に基づいて、前記パージシステムの故障を診断する診断モードを実行する実行部を備え、
前記実行部は、前記診断モードにおいて、前記流量推定値が流量閾値を下回る場合に、前記パージシステムの故障の診断に用いられるパラメータを調整する、
パージシステムの故障診断装置。
前記実行部は、前記診断モードにおいて、前記流量推定値が前記流量閾値を下回る場合に、前記パージシステム内の圧力の上昇を反映させるように前記パラメータを調整する、
請求項1に記載のパージシステムの故障診断装置。
前記実行部は、前記診断モードにおいて、前記流量推定値の積算値が基準積算値に到達した時における前記パージシステム内の圧力が圧力閾値より高い場合に、前記パージシステムが故障していると診断する、
請求項2に記載のパージシステムの故障診断装置。
前記実行部は、前記診断モードにおいて、前記流量推定値が前記流量閾値を下回る場合に、前記流量推定値が小さいほど大きな減少幅で前記流量推定値の積算値を減少させる、
請求項4に記載のパージシステムの故障診断装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
<1.パージシステムの構成>
まず、
図1〜
図3を参照して、本発明の実施形態に係るパージシステム1の構成について説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るパージシステム1の概略構成の一例を示す模式図である。
図2は、本実施形態に係るパージシステム1についての外気弁31が閉状態である場合の様子を示す模式図である。
図3は、本実施形態に係る制御装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
パージシステム1は、エンジンを有する車両に搭載され、燃料タンクで発生した蒸発燃料を含むパージガスを当該エンジンの吸気管に供給するシステムである。パージシステム1は、例えば、
図1に示したように、燃料タンク11と、キャニスタ13と、エバポ通路15と、パージ通路17と、パージ弁19と、外気通路40と、リーク検出装置30と、制御装置100とを備える。本発明の一実施形態においては、制御装置100がパージシステム1の故障を診断する故障診断装置として機能する。
【0022】
また、
図1では、パージシステム1が適用されるエンジン90の一例が示されている。
【0023】
エンジン90は、例えば、火花点火式の内燃機関である。エンジン90には、1又は複数の気筒91が備えられる。気筒91の内部には燃焼室93が形成され、燃焼室93に向けて点火プラグ94が設けられている。気筒91の吸気ポート及び排気ポートは、吸気管98及び排気管97とそれぞれ接続されている。気筒91の吸気ポート及び排気ポートにそれぞれ設けられる吸気バルブ96及び排気バルブ95が開閉することにより、燃焼室93への吸気の吸入及び燃焼室93からの排気の排出が行われる。燃焼室93には、空気及び燃料からなる混合気が形成され、当該混合気が点火プラグ94の点火により燃焼する。それにより、気筒91内でピストン92が直線往復運動を行い、ピストン92と接続された図示しないクランクシャフトへ動力が伝達される。
【0024】
吸気管98は、車両の外部から外気が取り込まれる吸気口と接続される。吸気管98には、例えば、エアクリーナ85が設けられ、吸気管98におけるエアクリーナ85より下流側には、吸気管98へ吸入される吸気の量である吸気量を調整可能なスロットル弁84が設けられる。吸気管98におけるスロットル弁84よりさらに下流側には、燃料を噴射する燃料噴射弁83が設けられる。燃料噴射弁83は、燃料タンク11から図示しない油路を介して供給される燃料を吸気管98内に噴射する。なお、燃料噴射弁83は、気筒91に設けられ、燃焼室93に向けて燃料を噴射可能であってもよい。また、燃料噴射弁83の動作は、例えば、制御装置100と異なる制御装置によって制御される。吸気管98は、具体的には、エンジン90の各気筒91の吸気ポート側に向けて分岐し、各吸気ポートと接続される。エンジン90の吸気管98には、後述されるパージ通路17が接続される。
【0025】
吸気管98には、吸気管98内の圧力である吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ202が設けられる。具体的には、吸気管圧力センサ202は、吸気管圧力の大気圧に対する相対値を検出結果として取得する。吸気管圧力センサ202は、取得した検出結果を出力する。吸気管圧力センサ202は、例えば、吸気管98におけるパージ通路17と接続される部分に設けられる。
【0026】
燃料タンク11は、エンジン90に供給されるガソリン等の液体の燃料を貯留する。燃料タンク11内において、液体の燃料の一部が蒸発することによって蒸発燃料が発生する。ゆえに、燃料タンク11内は、液体の燃料と蒸発燃料が共存している状態となっている。また、燃料タンク11は、エバポ通路15介してキャニスタ13と連通される。ゆえに、燃料タンク11内で生じる蒸発燃料は、エバポ通路15を介してキャニスタ13へ導かれる。
【0027】
キャニスタ13は、蒸発燃料を吸着する。具体的には、キャニスタ13は、燃料タンク11からエバポ通路15を介して導かれる蒸発燃料を吸着する。より具体的には、キャニスタ13内には、吸着剤としての活性炭13aが設けられており、キャニスタ13内へ導かれる蒸発燃料は活性炭13aによって吸着される。キャニスタ13は、パージ通路17を介してエンジン90の吸気管98と連通される。パージ通路17は、例えば、吸気管98におけるスロットル弁84より下流側かつ燃料噴射弁83より上流側の部分と接続され得る。パージ通路17には、パージ弁19が設けられる。
【0028】
パージ弁19は、パージ通路17を開閉可能な制御弁である。パージ弁19として、例えば、開度を全閉状態と全開状態との間で調整可能な制御弁が用いられる。パージ弁19によりパージ通路17が開放されている場合、キャニスタ13とエンジン90の吸気管98とが連通される。一方、パージ弁19によりパージ通路17が閉鎖されている場合、キャニスタ13とエンジン90の吸気管98とが遮断される。
【0029】
パージ通路17には、パージ弁19の開度を検出するパージ弁開度センサ203が設けられる。パージ弁開度センサ203は、取得した検出結果を出力する。パージ弁開度センサ203は、例えば、パージ通路17におけるパージ弁19の近傍の部分に設けられる。
【0030】
また、キャニスタ13は、外気通路40を介して外気開口部21と連通される。外気開口部21は、車両の外部に対して開口する開口部である。外気通路40には、リーク検出装置30が設けられる。外気通路40は、具体的には、キャニスタ13とリーク検出装置30とを接続するキャニスタ側通路41と、リーク検出装置30と外気開口部21とを接続する外気開口部側通路42と、リーク検出装置30の内部通路43とを含む。外気開口部側通路42には、ドレンフィルタ23が設けられる。
【0031】
リーク検出装置30は、パージシステム1内から外部への蒸発燃料のリークの有無を検出する装置である。蒸発燃料のリークは、例えば、パージシステム1の通路において通路の内部から外部へ貫通する貫通孔が形成された場合に生じ得る。
【0032】
リーク検出装置30は、例えば、内部通路43と、外気弁31と、ポンプ32とを備える。
【0033】
内部通路43は、例えば、第1通路43aと、第2通路43bと、第3通路43cと、第4通路43dと、第5通路43eとを備える。第1通路43aは、キャニスタ側通路41と、外気弁31のキャニスタ13側のポートとを接続する。第2通路43bは、外気弁31の外気開口部21側のポートと、ポンプ32の吸入側とを接続する。第3通路43cは、第1通路43aと、第2通路43bとを連通する。第3通路43cには、オリフィス37が設けられる。第4通路43dは、ポンプ32の吐出側と、外気開口部側通路42とを接続する。第5通路43eは、第2通路43bが接続されるポートと異なる外気弁31の外気開口部21側のポートと、第4通路43dとを接続する。
【0034】
また、内部通路43には、パージシステム1内の圧力であるシステム圧力を検出するシステム圧力センサ201が設けられる。具体的には、システム圧力センサ201は、システム圧力の大気圧に対する相対値を検出結果として取得する。システム圧力センサ201は、取得した検出結果を出力する。システム圧力センサ201は、例えば、第3通路43cにおけるオリフィス37より第2通路43b側に設けられる。
【0035】
外気弁31は、リーク検出装置30の内部通路43における連通状態を切り替え可能な制御弁である。外気弁31として、例えば、電磁弁が用いられる。外気弁31は、具体的には、キャニスタ13側のポートに接続される通路と外気開口部21側のポートに接続される通路との連通状態を切り替え可能である。
【0036】
具体的には、外気弁31は、
図1に示されるように、第1通路43aと第5通路43eとが連通されるように、内部通路43における連通状態を切り替え可能である。第1通路43aと第5通路43eとが連通される場合、キャニスタ13と外気開口部21とが連通される。ゆえに、この場合において、外気通路40は開放される。なお、この場合における外気弁31の状態を開状態と称する。外気弁31は、具体的には、非通電時において、開状態となる。
【0037】
また、外気弁31は、
図2に示されるように、第1通路43aと第2通路43bとが連通されるように、内部通路43における連通状態を切り替え可能である。第1通路43aと第2通路43bとが連通される場合、キャニスタ13と外気開口部21とが遮断される。ゆえに、この場合において、外気通路40は閉鎖される。なお、この場合における外気弁31の状態を閉状態と称する。外気弁31は、具体的には、通電時において、閉状態となる。
【0038】
このように、外気弁31は、外気通路40を開閉可能な制御弁である。具体的には、後述される診断モードが実行されない通常時において、外気弁31は開状態となり、外気通路40が外気弁31により開放された状態になる。一方、後述される診断モードの実行時において、外気弁31は閉状態となり、外気通路40が外気弁31により閉鎖された状態になる。
【0039】
ポンプ32は、吸入側から吐出側へ気体を吸い出す。具体的には、後述されるように、蒸発燃料のリークの有無の検出において、ポンプ32が駆動されることによって、パージシステム1内の気体が第2通路43bから第4通路43d及び外気開口部21を介して車両の外部へ吸い出される。
【0040】
制御装置100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)及びCPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0041】
また、制御装置100は、各装置から出力される情報を受信する。制御装置100と各装置との通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)通信を用いて実現される。例えば、制御装置100は、システム圧力センサ201、吸気管圧力センサ202及びパージ弁開度センサ203から出力される情報を受信する。
【0042】
制御装置100は、例えば、
図3に示したように、パージ弁制御部110と、ポンプ制御部120と、実行部130とを備える。
【0043】
パージ弁制御部110は、パージ弁19に対して動作指令を出力することによって、パージ弁19の動作を制御する。それにより、パージ弁19の弁開度が制御される。
【0044】
上述したように、パージ弁19によりパージ通路17が開放されている場合、キャニスタ13とエンジン90の吸気管98とが連通される。また、後述される診断モードが実行されない通常時において、外気通路40は外気弁31により開放された状態になる。ゆえに、システム圧力は、基本的に大気圧に比較的近い値となっている。一方、吸気管98の圧力は、吸気管98に生じる負圧に起因して、システム圧力と比較して低くなっている。よって、パージ弁19によりパージ通路17が開放されることによって、パージフローが生じ、パージ通路17から吸気管98へ蒸発燃料を含むパージガスが流入する。したがって、パージ弁制御部110によりパージ弁19の弁開度が制御されることによって、パージ通路17から吸気管98へ流入するパージガスの流量が制御される。
【0045】
パージ弁制御部110は、具体的には、車両の走行状態に基づいてパージ弁19の弁開度を制御する。例えば、パージ弁制御部110は、加速要求がある場合にパージ弁19によりパージ通路17を開放させ、アクセル開度及び吸気管圧力等に基づいてパージ弁19の弁開度を制御する。
【0046】
ポンプ制御部120は、リーク検出装置30のポンプ32に対して動作指令を出力することによって、ポンプ32の動作を制御する。それにより、パージシステム1内の気体の車両の外部への吸い出しが制御される。
【0047】
実行部130は、パージシステム1の故障を診断する診断モードを実行する。実行部130は、例えば、
図3に示したように、外気弁制御部131と、診断部132と、調整部133と、開始条件判定部134と、流量推定値判定部135と、流量積算値判定部136とを備える。
【0048】
外気弁制御部131は、リーク検出装置30の外気弁31に対して動作指令を出力することによって、外気弁31の動作を制御する。それにより、リーク検出装置30の内部通路43における連通状態の切り替えが制御される。ゆえに、外気弁31による外気通路40の開閉が制御される。
【0049】
診断部132は、診断モードにおいて、パージシステム1の故障を診断する。具体的には、診断部132は、パージフローが正常に行われない状況において、パージシステム1が故障していると診断する。
【0050】
調整部133は、流量推定値判定部135による判定結果に応じて、パージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータを調整する。なお、パラメータは、例えば、制御装置100の記憶素子に記憶され得る。
【0051】
開始条件判定部134、流量推定値判定部135及び流量積算値判定部136は、制御装置100により取得される情報に基づいて、各種判定を行う。
【0052】
制御装置100は、リーク検出装置30を用いて、パージシステム1内から外部への蒸発燃料のリークの有無を検出してもよい。蒸発燃料のリークの検出処理は、例えば、車両の停車中において行われ得る。
【0053】
具体的には、蒸発燃料のリークの検出処理では、まず、制御装置100は、パージ弁19を閉状態にし、外気弁31を開状態にする。それにより、リーク検出装置30の内部通路43における連通状態は、
図1に示されるように、第1通路43aと第5通路43eとが連通された状態になる。そして、制御装置100は、ポンプ32を駆動させる。ゆえに、オリフィス37が設けられる第3通路43c内の蒸発燃料がポンプ32によって吸い出され、システム圧力センサ201により検出されるシステム圧力は、オリフィス37の内径と対応する基準圧力になる。
【0054】
次に、制御装置100は、パージ弁19を閉状態に維持し、ポンプ32の駆動を継続させて、外気弁31を閉状態に切り替える。それにより、リーク検出装置30の内部通路43における連通状態は、
図2に示されるように、第1通路43aと第2通路43bとが連通された状態になる。ゆえに、第1通路43a内の蒸発燃料が第2通路43bを介してポンプ32によって吸い出される。この状態においてシステム圧力センサ201により検出されるシステム圧力を蒸発燃料のリークの有無の判定に用いられる判定圧力と称する。そして、制御装置100は、判定圧力と基準圧力とを比較することによって、パージシステム1内から外部への蒸発燃料のリークの有無を判定する。具体的には、判定圧力が基準圧力を上回る場合、パージシステム1内から外部への蒸発燃料のリークがあると判定する。
【0055】
本実施形態に係る制御装置100が有する機能は複数の制御装置により分割されてもよく、その場合、当該複数の制御装置は、CAN等の通信バスを介して、互いに接続されてもよい。
【0056】
<2.制御装置の動作>
続いて、
図4〜
図9を参照して、本実施形態に係る制御装置100の動作について説明する。
【0057】
図4は、本実施形態に係る制御装置100が行う診断に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4に示される処理フローは、例えば、あらかじめ設定された時間間隔で繰り返される。なお、
図4に示される処理フローは、診断モードが開始されていない状態で開始される。また、
図4に示される処理フローの実行時において、パージ弁19の弁開度は、上述したように、車両の走行状態に基づいて制御される。
【0058】
図4に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS501において、開始条件判定部134は、診断モードを開始する条件である開始条件が満たされるか否かを判定する。開始条件が満たされると判定された場合(ステップS501/YES)、ステップS503へ進む。一方、開始条件が満たされないと判定された場合(ステップS501/NO)、ステップS501の処理が繰り返される。
【0059】
開始条件は、具体的には、パージシステム1内における圧力分布、温度分布、蒸発燃料の濃度分布等のパージシステム1の状態が診断モードを適切に実行し得る程度に安定しているか否かを判定し得る条件である。
【0060】
例えば、開始条件判定部134は、エンジン90への燃料の供給を停止する燃料カットが開始された時点から基準時間が経過したことを開始条件として適用してもよい。基準時間は、例えば、車両の設計仕様等に応じて適宜設定され、制御装置100の記憶素子に記憶され得る。燃料カットは、具体的には、車両の走行時にアクセル操作が中断されることに伴い、加速要求がなくなった場合に開始される。制御装置100は、燃料カットが行われているか否かを示す情報を、例えば、燃料噴射弁83の動作を制御する制御装置から受信し得る。
【0061】
また、例えば、開始条件判定部134は、パージ弁19が閉状態から開状態に切り替わったことを開始条件として適用してもよい。パージ弁19は、例えば、車両の停車時にアクセル操作が行われることに伴い、車両が発進する場合に閉状態から開状態に切り替えられ得る。また、パージ弁19は、例えば、車両の走行時に加速要求が発生する場合に閉状態から開状態に切り替えられ得る。
【0062】
なお、開始条件判定部134は、上記で開始条件として例示した条件が満たされ、かつ、車両のシステムが起動した後においてパージ弁19が開状態であった時間の積算値が所定値を上回っていることを開始条件として適用してもよい。所定値は、例えば、車両の設計仕様等に応じて適宜設定され、制御装置100の記憶素子に記憶され得る。車両のシステムは、具体的には、イグニッションスイッチをOFFからONへ切り替えることによって起動する。
【0063】
ステップS503において、実行部130は、診断モードを開始する。診断モードが開始されると、外気弁制御部131は、外気弁31を閉状態にする。それにより、
図2に示されるように、第1通路43aと第2通路43bとが連通されることによって、キャニスタ13と外気開口部21とが遮断され、外気通路40が閉鎖された状態になる。また、診断モードが開始されると、パージ弁19によりパージ通路17が開放されることによってパージ通路17から吸気管98へ流入するパージガス(蒸発燃料を含むガス)の流量推定値の積算が開始される。これについては後に詳説する。
【0064】
次に、ステップS505において、流量推定値判定部135は、吸気管98へ流入するパージガスの流量推定値が流量閾値を下回っているか否かを判定する。流量推定値が流量閾値を下回っていると判定された場合(ステップS505/YES)、ステップS507へ進む。一方、流量推定値が流量閾値を下回っていないと判定された場合(ステップS505/NO)、ステップS509へ進む。
【0065】
流量推定値は、具体的には、パージフローが正常に行われるパージシステム1の正常時におけるパージ通路17から吸気管98へ流入するパージガスの流量として推定される値である。流量閾値は、具体的には、燃料タンク11内で蒸発燃料が生じることやパージシステム1内へ外部から外気が流入することによってシステム圧力が上昇し得る程度に流量推定値が小さいか否かを判定し得る値に設定され、制御装置100の記憶素子に記憶され得る。なお、外気弁31により外気通路40が閉鎖された状態において、例えば、ポンプ32を通過して外部からパージシステム1内へ外気が流入し得る。
【0066】
例えば、流量推定値判定部135は、吸気管圧力及びパージ弁19の開度に基づいて、パージガスの流量推定値を算出する。具体的には、流量推定値判定部135は、吸気管圧力が低いほどパージガスの流量推定値として大きな値を算出する。また、流量推定値判定部135は、パージ弁19の開度が大きいほどパージガスの流量推定値として大きな値を算出する。流量推定値判定部135は、さらにシステム圧力に基づいて、パージガスの流量推定値を算出してもよい。具体的には、流量推定値判定部135は、システム圧力と吸気管圧力との差が大きいほどパージガスの流量推定値として大きな値を算出する。
【0067】
なお、各時刻において算出された流量推定値は、後述される流量積算値判定部136による流量積算値の算出に用いられ、例えば、制御装置100の記憶素子に記憶され得る。
【0068】
ステップS507において、調整部133は、パージガスの流量推定値の積算値である流量積算値を減少させる。流量積算値は、診断部132によるパージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータの一例に相当する。なお、流量積算値は、後述されるように、例えば、流量積算値判定部136により各時刻において更新され、制御装置100の記憶素子に記憶され得る。また、流量積算値は、診断モードの終了に伴いリセットされ、診断モードの開始時点において0に設定され得る。
【0069】
例えば、調整部133は、流量推定値が小さいほど大きな減少幅で流量積算値を減少させる。具体的には、調整部133は、流量推定値が0に近いほど大きな減少幅で流量積算値を減少させ、流量推定値が流量閾値に近いほど小さな減少幅で流量積算値を減少させる。調整部133は、例えば、流量推定値判定部135により現時刻について算出された流量推定値に応じた減少幅で流量積算値を減少させる。
【0070】
流量推定値が流量閾値を下回っている場合には、燃料タンク11内で蒸発燃料が生じることやパージシステム1内へ外部から外気が流入することによってシステム圧力が上昇し得る。ゆえに、このような場合に、パージシステム1の正常時におけるシステム圧力の低下量の指標値に相当する流量積算値を減少させることによって、システム圧力の上昇を反映させた流量積算値の調整が実現される。このように、調整部133は、システム圧力の上昇を反映させるようにパラメータを調整する。
【0071】
本明細書では、流量推定値が流量閾値を下回っている場合にパージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータとしての流量積算値が調整部133により調整される例を主に説明するが、調整部133により調整されるパラメータはこのような例に限定されない。例えば、調整部133は、流量推定値が流量閾値を下回っている場合に、パラメータとしての基準積算値を増大させてもよい。また、例えば、調整部133は、流量推定値が流量閾値を下回っている場合に、パラメータとしての圧力閾値を増大させてもよい。このように基準積算値や圧力閾値等のパラメータが調整される例についても、流量推定値が流量閾値を下回っている場合において、パラメータはシステム圧力の上昇を反映させるように調整される。
【0072】
次に、ステップS509において、流量積算値判定部136は、パージガスの流量推定値の積算値である流量積算値が基準積算値に到達したか否かを判定する。流量積算値が基準積算値に到達したと判定された場合(ステップS509/YES)、ステップS511へ進む。一方、流量積算値が基準積算値に到達していないと判定された場合(ステップS509/NO)、ステップS505へ戻る。
【0073】
基準積算値は、具体的には、パージシステム1の故障を適切に診断し得る程度に流量積算値が大きいか否かを判定し得る値に設定され、制御装置100の記憶素子に記憶され得る。
【0074】
流量積算値判定部136は、例えば、制御装置100の記憶素子に記憶されている流量積算値に現時刻について算出された流量推定値を加算することにより、流量積算値を算出し得る。また、流量積算値判定部136は、制御装置100の記憶素子に記憶されている流量積算値を算出した値により書き換える。このように、流量積算値判定部136は、例えば、制御装置100の記憶素子に記憶されている流量積算値を各時刻において更新する。
【0075】
ステップS511において、診断部132は、パージシステム1の故障を診断する。具体的には、診断部132は、流量積算値とシステム圧力との関係に基づいて、パージシステム1の故障を診断する。上述したように、診断モードが開始されると、外気弁31は閉状態になる。ゆえに、診断部132は、外気弁31により外気通路40が閉鎖された状態において、流量積算値とシステム圧力との関係に基づいて、パージシステム1の故障を診断する。
【0076】
例えば、診断部132は、流量積算値が基準積算値に到達した時におけるシステム圧力が圧力閾値より高い場合に、パージシステム1が故障していると診断する。圧力閾値は、具体的には、流量積算値が基準積算値に到達するまでの間におけるシステム圧力の低下量が、パージフローが正常に行われたと判断し得る程度に大きいか否かを判定し得る値に設定され、制御装置100の記憶素子に記憶され得る。
【0077】
図5は、診断モードにおけるシステム圧力及び流量積算値の推移の一例を示す説明図である。パージ弁19が開状態である場合、パージフローが生じることにより、パージ通路17から吸気管98へパージガスが流入する。ゆえに、例えば、時刻T11において診断モードが開始され、時刻T11以降においてパージ弁19が継続して開状態である場合、
図5に示されるように、時刻T11以降において流量積算値は継続的に増大し得る。そして、流量積算値が基準積算値に到達する時刻T12において、流量積算値判定部136は、流量積算値が基準積算値に到達したと判定する。よって、時刻T12において、診断部132は、パージシステム1の故障を診断する。
【0078】
診断モードにおいて、外気通路40は外気弁31により閉鎖されている。ゆえに、パージ弁19が開状態である場合、パージ通路17から吸気管98へパージガスが流入することによって、システム圧力は基本的に低下する。ゆえに、
図5に示されるように、時刻T11以降においてシステム圧力は継続的に低下し得る。ここで、パージフローが正常に行われないパージシステム1の故障時(例えば、パージシステム1内の通路において異物が目詰まりしている時)には、診断モードにおけるシステム圧力の低下速度は、パージシステム1の正常時と比較して小さくなる。ゆえに、パージシステム1の故障時には、時刻T12において、システム圧力が圧力閾値より高くなる。一方、パージシステム1の正常時には、診断モードにおけるシステム圧力の低下速度は、パージシステム1の故障時と比較して大きくなる。ゆえに、パージシステム1の正常時には、時刻T12において、システム圧力が圧力閾値以下になる。よって、診断部132は、パージシステム1の故障を診断することができる。
【0079】
なお、制御装置100は、パージシステム1が故障していると診断した場合、例えば、診断結果をドライバへ報知する。その場合、制御装置100は、具体的には、車両に設けられるランプやディスプレイ等の表示装置による表示を制御することによって、パージシステム1が故障している旨をドライバへ報知し得る。
【0080】
次に、ステップS513において、実行部130は、診断モードを終了する。診断モードが終了すると、外気弁制御部131は、外気弁31を閉状態から開状態へ切り替える。それにより、
図1に示されるように、第1通路43aと第5通路43eとが連通されることによって、キャニスタ13と外気開口部21とが連通され、外気通路40が開放された状態になる。また、実行部130は、流量積算値をリセットする。
【0081】
次に、
図4に示される処理フローは終了する。
【0082】
続いて、参考例及び本実施形態による診断モードが実行される場合についての車両における各状態の推移とシステム圧力及び流量積算値の推移との対応関係について説明する。なお、以下の説明で互いに同一の時刻において変化するものと説明される各状態の間で、厳密には変化する時刻にズレがあってもよい。
【0083】
図6は、車両における各状態の推移の一例を示す説明図である。具体的には、
図6では、車両における各状態として、パージガスの流量推定値、パージ弁19の開閉状態、燃料カットの実行状態及び外気弁31の開閉状態が示されている。また、
図6では、診断モードを開始する条件である開始条件として、燃料カットが開始された時点から基準時間が経過したことが適用される場合における各状態の推移が示されている。
【0084】
図7は、参考例による診断モードが実行される場合についての
図6に示される各状態の推移と対応するシステム圧力及び流量積算値の推移の一例を示す説明図である。
図8は、本実施形態による診断モードが実行される場合についての
図6に示される各状態の推移と対応するシステム圧力及び流量積算値の推移の一例を示す説明図である。具体的には、
図7及び
図8では、パージシステム1の正常時におけるシステム圧力及び流量積算値の推移が示されている。
【0085】
参考例では、本実施形態と同様に、外気弁31により外気通路40が閉鎖された状態において、流量積算値とシステム圧力との関係に基づいて、パージシステム1の故障を診断する診断モードが実行される。しかしながら、参考例では、本実施形態と異なり、パージガスの流量推定値が流量閾値を下回る場合であっても、パージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータの調整処理は行われない。
【0086】
例えば、
図6に示されるように、車両の走行中の時刻T21において、燃料カットが開始される。そして、時刻T21から基準時間が経過した時刻T22において、開始条件が満たされることに伴い診断モードが開始され、外気弁31が開状態から閉状態へ切り替えられる。それにより、外気通路40は、外気弁31により閉鎖された状態になる。その後、外気弁31により外気通路40が閉鎖された状態において、パージ弁19の弁開度が車両の走行状態に基づいて制御される。例えば、
図6では、時刻T23において、パージ弁19が閉状態から開状態へ切り替えられる。その後、パージ弁19は、時刻T24から時刻T25の間において閉状態になり、時刻T25以降において開状態になる。
【0087】
参考例では、車両の各状態が
図6に示されるように推移した場合、例えば、システム圧力及び流量積算値は
図7に示されるように推移する。具体的には、
図7に示されるように、パージ弁19が開状態になる時刻T23から時刻T24の間において、流量積算値の増大及びシステム圧力の低下が進行する。そして、パージ弁19が閉状態になる時刻T24から時刻T25の間において、流量推定値が0になるので、参考例では、流量積算値が維持される。ここで、時刻T24から時刻T25の間において、燃料タンク11内で蒸発燃料が生じることやパージシステム1内へ外部から外気が流入することによってシステム圧力が上昇する。そして、時刻T25において、パージ弁19が閉状態から開状態に切り替えられることによりパージフローが生じることによって、流量積算値の増大及びシステム圧力の低下が再開する。その後、流量積算値が基準積算値に到達する時刻T26において、パージシステム1の故障の診断処理が実行される。
【0088】
参考例では、上述したように、時刻T24から時刻T25の間において、パージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータとしての流量積算値の調整処理は行われず、流量積算値が維持される。一方、時刻T24から時刻T25の間において、システム圧力は、流量積算値が維持されるにもかかわらず上昇する。それにより、パージシステム1の故障の診断処理が実行される時刻T26において、
図7に示されるように、システム圧力が圧力閾値より高くなり得る。ゆえに、パージフローが正常に行われているにもかかわらず、パージシステム1が故障していると診断され得る。
【0089】
一方、本実施形態では、車両の各状態が
図6に示されるように推移した場合、例えば、システム圧力及び流量積算値は
図8に示されるように推移する。具体的には、
図8に示されるように、パージ弁19が開状態になる時刻T23から時刻T24の間において、流量積算値の増大及びシステム圧力の低下が進行する。そして、パージ弁19が閉状態になる時刻T24から時刻T25の間において、流量推定値が流量閾値を下回るので、本実施形態では、調整部133による調整処理が行われることによって流量積算値が減少される。ここで、時刻T24から時刻T25の間において、上述したようにシステム圧力が上昇する。そして、時刻T25において、パージ弁19が閉状態から開状態に切り替えられることによりパージフローが生じることによって、流量積算値の増大及びシステム圧力の低下が再開する。その後、流量積算値が基準積算値に到達する時刻T27において、診断部132によるパージシステム1の故障の診断処理が実行される。
【0090】
本実施形態では、上述したように、時刻T24から時刻T25の間において、パージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータとしての流量積算値の調整処理が行われ、流量積算値が減少される。それにより、流量積算値の増大が再開する時刻T25において、流量積算値が参考例と比較して小さくなる。ゆえに、参考例で流量積算値が基準積算値に到達する時刻T26より後の時刻T27において、流量積算値が基準積算値に到達する。よって、パージシステム1の故障の診断処理が実行される時刻T27において、
図8に示されるように、システム圧力が圧力閾値以下になり得る。ゆえに、パージフローが正常に行われている場合に、パージシステム1が故障していないと適切に診断することができる。
【0091】
なお、上記では、
図6〜
図8を参照して、パージ弁19が閉状態である時に流量推定値が流量閾値を下回る例について説明したが、パージ弁19が開状態である時であっても流量推定値は流量閾値を下回り得る。具体的には、パージ弁19の開度が比較的小さい場合において、流量推定値は流量閾値を下回り得る。調整部133は、上述したように、パージ弁19が開状態である時であっても、流量推定値は流量閾値を下回る場合には、流量積算値を減少させ得る。また、この場合において、調整部133は、上述したように、流量推定値に応じた減少幅で流量積算値を減少させ得る。
【0092】
<3.制御装置の効果>
続いて、本実施形態に係る制御装置100の効果について説明する。
【0093】
本実施形態に係る制御装置100では、外気弁31により外気通路40が閉鎖された状態において、パージガスの流量推定値の積算値である流量積算値とシステム圧力との関係に基づいて、パージシステム1の故障を診断する診断モードが実行される。また、診断モードにおいて、パージガスの流量推定値が流量閾値を下回る場合に、パージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータが調整される。それにより、診断モードの実行中に生じ得るシステム圧力の上昇に応じて適切にパージシステム1の故障を診断することができる。ゆえに、パージシステム1の故障を精度良く診断することができる。
【0094】
特に、本実施形態に係る制御装置100では、パージシステム1の故障を迅速に完了する目的で、パージ弁19が閉状態に切り替えられた時であっても診断モードを継続させる場合において、診断モードの実行中に生じ得るシステム圧力の上昇に応じて適切にパージシステム1の故障を診断することができる。
【0095】
また、本実施形態に係る制御装置100では、診断モードにおいて、パージガスの流量推定値が流量閾値を下回る場合に、システム圧力の上昇を反映させるようにパラメータが調整され得る。それにより、診断モードの実行中に生じ得るシステム圧力の上昇に応じてより適切にパージシステム1の故障を診断することができる。
【0096】
また、本実施形態に係る制御装置100では、診断モードにおいて、流量積算値が基準積算値に到達した時におけるシステム圧力が圧力閾値より高い場合に、パージシステム1が故障していると診断され得る。それにより、パージフローが正常に行われない状況において、パージシステム1が故障していると適切に診断することができる。
【0097】
また、本実施形態に係る制御装置100では、診断モードにおいて、パージガスの流量推定値が流量閾値を下回る場合に、パージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータとしての流量積算値が減少され得る。それにより、圧力閾値を増大させることなく、診断モードの実行中に生じ得るシステム圧力の上昇に応じて適切にパージシステム1の故障を診断することができる。ゆえに、パージシステム1の故障をより精度良く診断することができる。
【0098】
また、本実施形態に係る制御装置100では、診断モードにおいて、パージガスの流量推定値が流量閾値を下回る場合に、パージガスの流量推定値が小さいほど大きな減少幅で流量積算値が減少され得る。それにより、パージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータとしての流量積算値を、パージガスの流量推定値に応じて精度良く調整することができる。ゆえに、パージシステム1の故障をさらに精度良く診断することができる。
【0099】
また、本実施形態に係る制御装置100では、吸気管圧力及びパージ弁19の開度に基づいて、パージガスの流量推定値が算出され得る。それにより、診断モードにおいてパージガスの流量推定値及び流量積算値を適切に算出することができる。さらに、パージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータとしての流量積算値の調整において、適切な減少幅で流量積算値を減少させることができる。
【0100】
また、本実施形態に係る制御装置100では、システム圧力に基づいて、パージガスの流量推定値が算出され得る。それにより、診断モードにおいてパージガスの流量推定値及び流量積算値を精度良く算出することができる。さらに、パージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータとしての流量積算値の調整における減少幅の精度をより向上させることができる。
【0101】
<4.むすび>
以上説明したように、本実施形態によれば、制御装置100の実行部130は、外気弁31により外気通路40が閉鎖された状態において、パージガスの流量推定値の積算値である流量積算値とシステム圧力との関係に基づいて、パージシステム1の故障を診断する診断モードを実行する。また、実行部130は、診断モードにおいて、パージガスの流量推定値が流量閾値を下回る場合に、パージシステム1の故障の診断に用いられるパラメータを調整する。それにより、診断モードの実行中に生じ得るシステム圧力の上昇に応じて適切にパージシステム1の故障を診断することができる。ゆえに、パージシステム1の故障を精度良く診断することができる。
【0102】
特に、本実施形態によれば、パージシステム1の故障を迅速に完了する目的で、パージ弁19が閉状態に切り替えられた時であっても診断モードを継続させる場合において、診断モードの実行中に生じ得るシステム圧力の上昇に応じて適切にパージシステム1の故障を診断することができる。
【0103】
上記では、
図1を参照してパージシステム1の具体的な構成例について説明したが、本発明に係るパージシステムは、このような例に限定されない。例えば、パージシステム1の構成からリーク検出装置30は省略されてもよい。その場合、例えば、キャニスタ13と外気開口部21とを連通する外気通路40に、外気通路40を開閉可能な外気弁が設けられる。また、
図1に示した各構成要素の寸法及び形状と、各構成要素間の位置関係と、各通路の経路とは、あくまでも一例に過ぎず、このような例に限定されない。
【0104】
また、上記では、故障診断装置として機能する装置の一例として制御装置100について説明したが、故障診断装置として機能する装置は、このような例に限定されない。例えば、故障診断装置として機能する装置は、制御装置100におけるパージ弁制御部110及びポンプ制御部120の機能を有しなくともよい。
【0105】
また、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。