【文献】
アロニックスデータ表,日本,URL,http://www.toagosei.co.jp/products/acryl/catalog/pdf/index_pdf_03.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)光重合開始剤、(C)光硬化性モノマー、(D)着色剤、および、(E)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有する感光性樹脂組成物であって、
前記(C)光硬化性モノマーとして、(C−1)ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、および、(C−2)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを含有し、前記(C−1)と(C−2)の総和当たり、前記(C−1)の割合が60質量%以上であり、
前記(D)着色剤が、カーボンブラックであることを特徴とするプリント配線板用の感光性樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)光重合開始剤、(C)光硬化性モノマー、(D)着色剤、および、(E)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(C)光硬化性モノマーとして、(C−1)ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(以下、単に「(C−1)」とも称する)、および、(C−2)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(以下、単に「(C−2)」とも称する)を含有し、前記(C−1)と(C−2)の総和当たり、前記(C−1)の割合が60質量%以上であることを特徴とするものである。このような割合で(C−1)および(C−2)を配合することによって、(D)着色剤を含有するにもかかわらず、解像性に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。さらに、二液性の感光性樹脂組成物とした場合に、少なくとも(C)光硬化性モノマーと(E)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とを含有する硬化剤の保存安定性に優れる。ここで、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、本明細書における他の類似の表現についても同様である。以下、各成分について詳細に説明する。
【0016】
[(A)カルボキシル基含有樹脂]
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有樹脂を含有する。(A)カルボキシル基含有樹脂としては、公知のカルボキシル基を含む樹脂を用いることができる。カルボキシル基の存在により、樹脂組成物をアルカリ現像性とすることができる。また、本発明の感光性樹脂組成物を光硬化性にすることや耐現像性の観点から、カルボキシル基の他に、分子内にエチレン性不飽和結合を有することが好ましいが、エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂を用いることもできる。エチレン性不飽和二重結合としては、アクリル酸もしくはメタアクリル酸またはそれらの誘導体由来のものが好ましい。
【0017】
本発明の感光性樹脂組成物に用いることができるカルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
【0018】
(1)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上とを共重合することにより得られるカルボキシル基含有共重合樹脂、
(2)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上との共重合体に、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物や(メタ)アクリル酸クロライドなどによって、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(3)グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸を反応させ、生成した二級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(4)無水マレイン酸などの不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(5)多官能エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した水酸基に飽和または不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(6)ポリビニルアルコー誘導体などの水酸基含有ポリマーに、飽和または不飽和多塩基酸無水物を反応させた後、生成したカルボン酸に一分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られる水酸基およびカルボキシル基含有感光性樹脂、
(7)多官能エポキシ化合物と、不飽和モノカルボン酸と、一分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と、エポキシ基と反応するアルコール性水酸基以外の1個の反応性基を有する化合物との反応生成物に、飽和または不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(8)一分子中に少なくとも2個のオキセタン環を有する多官能オキセタン化合物に不飽和モノカルボン酸を反応させ、得られた変性オキセタン樹脂中の第一級水酸基に対して飽和または不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、および、
(9)多官能エポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸を反応させた後、多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボン酸含有樹脂に、更に、分子中に1個のオキシラン環と1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものでは無い。
【0019】
これらの例示の中で好ましいものとしては、上記(2)、(5)および(9)のカルボキシル基含有樹脂であり、特に上記(2)のカルボキシル基含有感光性樹脂が、光硬化性、硬化塗膜特性の面から好ましい。
【0020】
上記のようなカルボキシル基含有樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、上記カルボキシル基含有樹脂の酸価は、20〜200mgKOH/gの範囲が望ましく、より好ましくは40〜150mgKOH/gの範囲である。20〜200mgKOH/gの範囲にあると、塗膜の密着性が得られ、アルカリ現像が容易となり、現像液による露光部の溶解が抑えられ、必要以上にラインが痩せたりせず、また、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離することが抑えられ、正常なレジストパターンの描画が容易となるため好ましい。
【0021】
また、本発明で用いるカルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、1,000〜100,000の範囲が好ましい。当該範囲にあると、タックフリー性能が良好であり、露光後の塗膜の耐湿性が良く、現像時に膜減りが生じにくく、解像度が向上し、現像性が良好であり、貯蔵安定性が良くなる。より好ましくは、2,000〜70,000である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。
【0022】
[(B)光重合開始剤]
本発明の感光性樹脂組成物に含まれる(B)光重合開始剤としては、特に限定されず、公知の光重合開始剤を用いることができる。例えば、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテルなどのベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル類;ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)-ブタノン−1、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アントラキノン、クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノンなどのアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、p−ジメチル安息香酸エチルエステルなどの安息香酸エステル類;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などのオキシムエステル類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1−ピリル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウムなどのチタノセン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド類;ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。(B)光重合開始剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
(B)光重合開始剤の配合量は特に限定されないが、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.3〜15質量部の割合で含まれる。また、本発明の感光性樹脂組成物には、光開始助剤および増感剤を配合することができる。光開始助剤としては、三級アミン類等が挙げられ、増感剤としては、クマリン類等が挙げられる。
【0024】
[(C)光硬化性モノマー]
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(C)光硬化性モノマーとして、(C−1)ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、および、(C−2)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを含有し、前記(C−1)と(C−2)の総和当たり、前記(C−1)の割合が60質量%以上で含有する。また、前記(C−1)の割合は、前記(C−1)と(C−2)の総和当たり、99質量%以下であることが好ましい。60〜90質量%の場合、現像性、解像性が良好となるため、より好ましい。
【0025】
本発明において、前記(C−1)と(C−2)として、市販のジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの混合物を1種または2種以上を混合して用いてもよく、感光性樹脂組成物中に、化合物としてのジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの総和当たり60質量%以上で含有していればよい。
【0026】
前記(C−1)としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。前記(C−2)としては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが好ましい。
【0027】
前記(C−1)および(C−2)の合計量は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、10〜70質量部が好ましく、20〜60質量部がより好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、前記(C−1)および(C−2)以外の他の光硬化性モノマーとして、分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有する他の化合物を含有してもよい。
【0028】
[(D)着色剤]
本発明の感光性樹脂組成物は、着色剤を含有する。(D)着色剤としては、白、黒、赤、青、緑、黄、紫、橙、茶色などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。具体例として、カラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。本発明において、(D)着色剤が、白色または黒色の着色剤である場合、解像性を顕著に向上させることができる。
【0029】
白色着色剤:
白色着色剤としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン等が挙げられる。酸化チタンとしてはルチル型酸化チタンでもアナターゼ型酸化チタンでもよいが、ルチル型酸化チタンを用いることが好ましい。同じ酸化チタンであるアナターゼ型酸化チタンは、ルチル型酸化チタンと比較して白色度が高く、白色顔料としてよく使用されるが、アナターゼ型酸化チタンは、光触媒活性を有するために、特にLEDから照射される光により、絶縁性樹脂組成物中の樹脂の変色を引き起こすことがある。これに対し、ルチル型酸化チタンは、白色度はアナターゼ型と比較して若干劣るものの、光活性を殆ど有さないために、酸化チタンの光活性に起因する光による樹脂の劣化(黄変)が顕著に抑制され、また熱に対しても安定である。このため、LEDが実装されたプリント配線板の絶縁層において白色顔料として用いられた場合に、高反射率を長期にわたり維持することができる。
【0030】
ルチル型酸化チタンとしては、公知のものを使用することができる。ルチル型酸化チタンの製造法には、硫酸法と塩素法の2種類あり、本発明では、いずれの製造法により製造されたものも好適に使用することができる。ここで、硫酸法は、イルメナイト鉱石やチタンスラグを原料とし、これを濃硫酸に溶解して鉄分を硫酸鉄として分離し、溶液を加水分解することにより水酸化物の沈殿物を得、これを高温で焼成してルチル型酸化チタンを取り出す製法をいう。一方、塩素法は、合成ルチルや天然ルチルを原料とし、これを約1000℃の高温で塩素ガスとカーボンに反応させて四塩化チタンを合成し、これを酸化してルチル型酸化チタンを取り出す製法をいう。その中で、塩素法により製造されたルチル型酸化チタンは、特に熱による樹脂の劣化(黄変)の抑制効果が顕著であり、本発明においてより好適に用いられる。
【0031】
これらの酸化チタンの中でも、表面が含水アルミナまたは水酸化アルミニウムで処理された酸化チタンを用いることが、組成物中での分散性、保存安定性、難燃性の観点から特に好ましい。
また、酸化チタンを含有する組成物により形成される硬化塗膜は、Y値が70以上であることが好ましく、75以上であることがより好ましい。
【0032】
黒色着色剤:
黒色着色剤としては、公知慣用の黒色着色剤を使用することができる。黒色着色剤としては、C.I.Pigmentblack 6、7、9および18等に示されるカーボンブラック系の顔料、C.I.Pigment black 8、10等に示される黒鉛系の顔料、C.I.Pigment black 11、12および27,Pigment Brown 35等で示される酸化鉄系の顔料:例えば戸田工業社製KN−370の酸化鉄、三菱マテリアル社製13Mのチタンブラック、C.I.Pigment black 20等で示されるアンスラキノン系の顔料、C.I.Pigment black 13、25および29等で示される酸化コバルト系の顔料、C.I.Pigment black 15および28等で示される酸化銅系の顔料、C.I.Pigment black 14および26等で示されるマンガン系の顔料、C.I.Pigment black 23等で示される酸化アンチモン系の顔料、C.I.Pigment black 30等で示される酸化ニッケル系の顔料、C.I.Pigment black 31、32で示されるペリレン系の顔料、Pigment Black 1で示されるアニリン系の顔料および硫化モリブデンや硫化ビスマスも好適な顔料として例示できる。これらの顔料は、単独で、または適宜組合せて使用することができる。より好ましいのは、カーボンブラックであり例えば、三菱化学社製のカーボンブラック、M−40、M−45、M−50、MA−8、MA−100、またペリレン系の顔料は有機顔料の中でも低ハロゲン化に有効である。カーボンブラックは、回路の隠蔽性に優れるため、さらに好ましい。
【0033】
赤色着色剤としてはモノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系化合物などが挙げられる。
青色着色剤としては金属置換もしくは無置換のフタロシアニン系、アントラキノン系化合物などが挙げられる。
緑色着色剤としては、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系化合物などが挙げられる。
黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系化合物などが挙げられる。
【0034】
紫色着色剤、橙色着色剤、茶色着色剤の具体例としては、Pigment Violet19、23、29、32、36、38、42、Solvent Violet13、36、C.I.Pigment Orange 1、5、13、14、16、17、 24、34、36、38、40、43、46、49、51、61、63、64、71、73、C.I.Pigment Brown 23、26等を挙げることができる。
【0035】
本発明の感光性樹脂組成物中の着色剤の配合量は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。なお、着色剤が白色の場合、白色着色剤の配合量は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは50〜300質量部、より好ましくは70〜250質量部である。(D)着色剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0036】
[(E)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂]
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有する。(E)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、エポキシ化植物油;ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;ビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;チオエーテル型エポキシ樹脂;ブロム化エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;ビフェノールノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;ビスフェノールS型エポキシ樹脂;ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂;ジグリシジルフタレート樹脂;テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;ナフタレン基含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体、CTBN変性エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
(E)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の配合量は、(A)カルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基1当量に対して、好ましくは0.6〜2.5当量となる範囲にある。0.6当量以上である場合、硬化物にカルボキシル基が残りにくく、耐熱性、耐アルカリ性、電気絶縁性等が良好である。一方、2.5当量以下の場合、低分子量の環状(チオ)エーテル基が乾燥塗膜に残存しにくく、塗膜の強度等が良好である。より好ましくは、0.8〜2.2当量である。また、本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、(E)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂以外の他の熱硬化性成分を含有してもよい。他の熱硬化性成分としては、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、シクロカーボネート化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
【0038】
(フィラー)
本発明の感光性樹脂組成物は、その塗膜の物理的強度等を上げるために、必要に応じて、フィラーを配合することができる。このようなフィラーとしては、公知慣用の無機または有機フィラーを使用でき、具体的には、シリカ、タルク、硫酸バリウム、ハイドロタルサイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ベーマイト、アルミナ、ノイブルグ珪土等が挙げられる。フィラーは、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
フィラーの配合量は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは300質量部以下、より好ましくは、0.1〜250質量部である。フィラーの配合量が、300質量部以下の場合、感光性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎず、印刷性が良好であり、また、硬化物が脆くなりにくくなる。
【0040】
(有機溶剤)
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有樹脂の合成や組成物の調整のため、または基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等である。このような有機溶剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0041】
(その他の任意成分)
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じてさらに、熱硬化触媒、ウレタン化触媒、熱可塑性樹脂、ブロック共重合体、エラストマー、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。また、本発明の感光性樹脂組成物には、微粉シリカ、ハイドロタルサイト、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤および/またはレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、防錆剤等のような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
【0042】
本発明の感光性樹脂組成物は、少なくとも前記(A)カルボキシル基含有樹脂を含有する主剤と、少なくとも前記(C)光硬化性モノマーおよび前記(E)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有する硬化剤からなる二液性の感光性樹脂組成物であることが好ましい。尚、(B)光重合開始剤および(D)着色剤は、主剤および硬化剤のどちらに含まれていてもよい。また、他の成分を含有する場合も、主剤および硬化剤のどちらに含まれていてもよい。
【0043】
本発明の感光性樹脂組成物は、プリント配線板のパターン層の形成に有用であり、中でもソルダーレジストや層間絶縁層の材料として有用である。
【0044】
本発明のドライフィルムは、本発明の感光性樹脂組成物からなる樹脂層を有する。本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム(支持体)上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗布、乾燥、必要に応じて保護フィルムをラミネートして、乾燥塗膜を形成することにより、製造することができる。ドライフィルム化に際しては、本発明の感光性樹脂組成物を上記有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等でキャリアフィルム上に均一な厚さに塗布し、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥して膜を得ることができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、1〜150μm、好ましくは10〜60μmの範囲で適宜選択される。
【0045】
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
【0046】
キャリアフィルム上に本発明の感光性樹脂組成物を成膜した後、さらに、膜の表面に塵が付着するのを防ぐなどの目的で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが好ましい。剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、カバーフィルムを剥離するときに膜とキャリアフィルムとの接着力よりも膜とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
【0047】
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば上記有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布し、約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。また、上記組成物をキャリアフィルム上に塗布し、乾燥させてフィルムとして巻き取ったドライフィルムの場合、ラミネーター等により感光性樹脂組成物層が基材と接触するように基材上に張り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、樹脂層を形成できる。
【0048】
上記基材としては、予め回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネートエステル等を用いた高周波回路用銅張積層版等の材質を用いたもので全てのグレード(FR−4等)の銅張積層版、その他ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を挙げることができる。
【0049】
本発明の感光性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブンなど(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
【0050】
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば約140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、上記(A)カルボキシル基含有樹脂と、(E)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が反応し、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性などの諸特性に優れた硬化塗膜を形成することができる。
【0051】
本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、溶剤を揮発乾燥した後に得られた塗膜に対し、露光(活性エネルギー線の照射)を行うことにより、露光部(活性エネルギー線により照射された部分)が硬化する。また、接触式(または非接触方式)により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光もしくはレーザーダイレクト露光機により直接パターン露光し、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば0.3〜3wt%炭酸ソーダ水溶液)により現像してレジストパターンが形成される。
【0052】
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、直接描画装置(例えばコンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には100〜1000mJ/cm
2、好ましくは200〜800mJ/cm
2の範囲内とすることができる。
【0053】
上記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。
【実施例】
【0054】
以下に実施例、参考例および比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。尚、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
【0055】
(感光性樹脂組成物の調製)
下記表1に示す成分を、主剤と硬化剤に分けて、表中に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、主剤と硬化剤を得た。得られた主剤と硬化剤を混合し、感光性樹脂組成物を調整した。ここで得られた各感光性樹脂組成物の分散度をエリクセン社製グラインドメーターによる粒度測定にて評価したところ、15μm以下であった。
【0056】
【表1】
*1:サイクロマーPACAZ250(固形分45wt%の不飽和基含有カルボキシル基含有共重合樹脂溶液、ダイセル化学社製)
*2:タイペークCR−58(ルチル型酸化チタン、石原産業社製)
*3:カーボンMA−100(三菱化学社製)
*4:硫酸バリウムB−30(堺化学社製)
*5:LMP−100(富士タルク工業社製)
*6:ルシリンTPO(アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、BASFジャパン社製)
*7:2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製)
*8:シリコンKS66(信越化学工業社製)
*9:YX8034(ビスフェノールA型の水添エポキシ樹脂、三菱化学社製)
*10:YX−4000(ビフェニル型エポキシ樹脂、三菱化学社製)
*11:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
*12:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
*13:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
【0057】
得られた主剤、硬化剤および感光性樹脂組成物を用いて、以下のように評価を行った。
【0058】
レジスト性能評価:
<感度>
銅厚35μmの銅張積層基板をバフロール研磨後、水洗、乾燥し、実施例5、6、参考例1〜4および比較例1〜3の感光性樹脂組成物をスクリーン印刷法により塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分乾燥させた。乾燥後、フォトマスク(ステップタブレット21段)を介して、オーク製作所社製のメタルハライドランプ搭載露光機を用いて600mJ/cm
2の露光量で露光した。照射したものをテストピースとし、30℃の1%Na
2CO
3水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で90秒間現像を行った後、残存塗膜の段数を目視判定した。その評価結果を表2に示す。
【0059】
<解像性>
銅厚50μmの銅張積層板にライン/スペースが30/30〜100/100μmの回路パターンが形成された基板を、バフロール研磨後、水洗し、乾燥した。実施例5、6、参考例1〜4および比較例1〜3の感光性樹脂組成物を、前処理が施された上記基板上にスクリーン印刷法により塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分間乾燥させた。乾燥後、高圧水銀灯露光装置を用いて600mJ/cm
2の露光量で露光した。露光パターンは、スペース部に30/40/50/60/70/80/90/100μmのラインを描画させるパターンを使用した。露光後、30℃の1%Na
2CO
3水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で90秒間現像を行ってパターンを形成し、残存した最小ラインの幅を解像性とした。評価結果を表2に示す。
【0060】
安定性評価:
<保存安定性>
実施例5、6、参考例1〜4および比較例1〜3の感光性樹脂組成物の調製に用いた上記主剤を粘度260〜300dPa・s、TI値1.1±0.1に調整し、また、上記硬化剤を粘度80〜90dPa・s、TI値1.6±0.2に調整した。その後20℃90日間保管し、粘度およびTI値を測定した。粘度およびTI値の測定には東京計器社製E型粘度計を用い、25℃で、回転速度を5rpm、50rpmとして、粘度(η
5、η
50)を測定し、η
5/η
50をTI値とした。評価結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
実施例の感光性樹脂組成物は、解像性、保存安定性に優れることがわかる。それに対して、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの総和当たり、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの割合が60質量%未満の比較例1〜3は、解像性、硬化剤の保存安定性に劣るものであった。