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特許6594567ロボットとサーバーとの間の同期化方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594567
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】ロボットとサーバーとの間の同期化方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20191010BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   H04L7/00 990
   B25J19/00 K
【請求項の数】17
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-553279(P2018-553279)
(86)(22)【出願日】2016年8月3日
(65)【公表番号】特表2019-504588(P2019-504588A)
(43)【公表日】2019年2月14日
(86)【国際出願番号】CN2016093124
(87)【国際公開番号】WO2017118002
(87)【国際公開日】20170713
【審査請求日】2018年7月4日
(31)【優先権主張番号】201610005093.6
(32)【優先日】2016年1月4日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201610008091.2
(32)【優先日】2016年1月4日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518238469
【氏名又は名称】浙江立▲ビアオ▼机器人有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG LIBIAO ROBOTS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朱建強
(72)【発明者】
【氏名】徐▲ジュエ▼晶
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−063238(JP,A)
【文献】 特開2007−237300(JP,A)
【文献】 特開2002−175129(JP,A)
【文献】 特開2002−328851(JP,A)
【文献】 特開平06−216890(JP,A)
【文献】 特開2015−171014(JP,A)
【文献】 特開2012−034224(JP,A)
【文献】 特開2012−060207(JP,A)
【文献】 特開2006−050121(JP,A)
【文献】 特開平04−273737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
B25J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーがロボットに前記サーバーの現在の時間情報を含む時報命令を送信するステップと、
前記ロボットが前記サーバーから送信される時報命令を受信するステップと、
前記ロボットが前記時報命令に基づいて前記サーバーに応答情報を送信するステップと、
前記サーバーが、前記ロボットから送信される応答情報を受信して、前記応答情報に基づいて、前記ロボットに対する時報が成功したか否かを判断するステップと、
前記サーバーが、前記ロボットに対する前記サーバーの時報が成功した場合、前記ロボットに時報成功情報を送信するステップと、
前記ロボットが、前記サーバーから送信される時報成功情報を受信した後、前記サーバーとの間の時間を同期化するステップと、
前記サーバーが、前記ロボットに対する前記サーバーの時報が失敗した場合、前記ロボットに時報命令を再送信するステップと
を含
前記ロボットは、前記サーバーに通信接続された制御装置を備え、前記制御装置は、前記ロボットが前記サーバーと命令同期化されるように制御し、
前記方法は、
前記制御装置が、前記サーバーから送信される前記第1の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが第1の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するための第1の命令データを、受信するステップと、
前記制御装置が、前記第1の時間マークに記録された第1の命令データの実行時間とロボット自身の表示時間を比較することで、前記第1の命令データの中の第1の時間マークが期限が切れているか否かを判断するステップと、
前記制御装置が、前記第1の時間マークが期限が切れていると検出される場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第2の時間マークに対応される時間に、対応される動作を実行するように制御するための第2の命令データを、受信するまで、前記サーバーから再送信される命令データを受信するステップと、
前記制御装置が、前記第2の命令データに基づいて、前記ロボットが前記第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御することで、前記ロボットと前記サーバーから送信される命令データとの間の同期化を実現するステップと
をさらに含むことを特徴とするロボットとサーバーとの間の同期化方法。
【請求項2】
前記サーバーが前記応答情報に基づいて前記ロボットに対する時報が成功したか否かを判断するステップは、
前記サーバーが、前記時報命令をロボットに送信した後、時間をカウントし始めるステップと、
前記サーバーが、第1の予定時間内に、前記ロボットから送信される応答情報を受信したか否かを判断し、受信された場合には、前記のロボットに対する時報が成功したと判断し、受信されなかった場合には、前記のロボットに対する時報が失敗したと判断するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載のロボットとサーバーとの間の同期化方法。
【請求項3】
前記ロボットが前記サーバーから送信される時報命令を受信した後に、
前記ロボットが前記サーバーから送信される時報命令に含まれている前記サーバーの現在の時間情報を記録するステップと、
前記ロボットが前記サーバーの現在の時間情報と前記ロボットの時間情報との間の差分値を計算するステップと、
前記ロボットが前記差分値を保存するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のロボットとサーバーとの間の同期化方法。
【請求項4】
前記サーバーが、第2の予定時間をあけて、ロボットに前記時報命令を一回ずつ送信するステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のロボットとサーバーとの間の同期化方法。
【請求項5】
前記ロボットが、第3の予定時間をあけて、前記サーバーにロボットアドレスコードが含まれている基準時間取得要求を一回ずつ送信することで、前記サーバーが前記基準時間取得要求に基づいて、前記ロボットに前記サーバーの現在の時間情報を送信するようにするステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のロボットとサーバーとの間の同期化方法。
【請求項6】
前記制御装置が、前記第1の時間マークが期限が切れていると検出される場合、前記サーバーから再送信される第2の命令データを受信するステップは、
前記制御装置が、前記第1の時間マークが期限が切れていると検出される場合、前記サーバーに時間マークが期限が切れていることを表す第1の応答命令を送信することで、前記サーバーが前記第1の応答命令に対応される命令データをフィードバックするようにするステップと、
前記制御装置が、前記サーバーから再送信される、期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データである、前記サーバーによって、前記ロボットの位置情報、方向情報及びインタラクション情報のような状態情報の中の少なくとも一つ以上を含む前記ロボットの現在状態に基づいて、生成された第2の命令データを、受信するステップと
を含むことを特徴とする請求項に記載のロボットとサーバーとの間の同期化方法。
【請求項7】
前記制御装置が、前記第1の時間マークが期限が切れていないと検出される場合、前記サーバーに時間マークが期限が切れていないことを表す第2の応答命令を送信するステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のロボットとサーバーとの間の同期化方法。
【請求項8】
前記サーバーから送信される、前記第2の応答命令に対応される命令データであって、前記サーバーから送信される、第3の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第3の時間マークに対応される時間に、前記第1の命令データに対応される実行動作の次の動作を実行するように制御するための第3の命令データを、予定間隔をあけて、受信するステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のロボットとサーバーとの間の同期化方法。
【請求項9】
前記第1の命令データの中の第1の時間マークが期限が切れているか否かを判断するステップは、
前記第1の命令データの中の第1の時間マークを取得するステップと、
前記第1の時間マークが、サーバーの表示時間と同期されている前記のロボットの表示時間より大きいか否かを判断するステップと、
前記第1の命令データの中の第1の時間マークが前記ロボットの表示時間より小さい場合、前記第1の時間マークが期限が切れていると判断するステップと、
前記第1の命令データの中の第1の時間マークが前記ロボットの表示時間より大きい場合、前記第1の時間マークが期限が切れていないと判断するステップ
を含むことを特徴とする請求項に記載のロボットとサーバーとの間の同期化方法。
【請求項10】
サーバーから送信される時報命令を受信し、前記時報命令に基づいて応答情報を前記サーバーに送信し、また、前記サーバーから送信される時報成功情報を受信した後、前記サーバーとの間の時間を同期化するためのロボットと、
前記ロボットにサーバーの現在の時間情報を含む時報命令を送信し、また、前記ロボットから送信される応答情報を受信し、前記応答情報に基づいて前記ロボットに対する時報が成功したか否かを判断して、前記ロボットに対する時報が成功した場合、時報成功情報を前記ロボットに送信し、前記ロボットに対する時報が失敗した場合、前記ロボットに時報命令を再送信するためのサーバーと
を備え、
前記ロボットは、前記サーバーに通信接続された制御装置を備え、
前記制御装置は、前記サーバーから送信される第1の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第1の時間マークに対応される時間に、対応される動作を実行するように制御するための第1の命令データを、受信し、また、前記第1の命令データの中の第1の時間マークが期限が切れているか否かを判断して、前記第1の時間マークが期限が切れていると検出される場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データであって、前記ロボットが、前記第2の時間マークに対応される時間に、対応される動作を実行するように制御するための第2の命令データを受信するまで、前記サーバーから再送信される命令データを受信し、また、前記第2の命令データに基づいて、前記のロボットが、前記第2の時間マークに対応される時間に、対応される動作を実行するように制御することで、前記ロボットと前記サーバーから送信される命令データとの間の同期化を実現し、
前記サーバーは、前記制御装置に第1の時間マークが付加された第1の命令データを送信し、前記第1の時間マークが期限が切れている場合、送信する前記第2の命令データに付加された第2の時間マークが期限が切れない時まで第2の命令データを再送信し、
前記制御装置は、
前記サーバーから送信される第1の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第1の時間マークに対応される時間に、対応される動作を実行するように制御するための第1の命令データを、受信するための受信モジュールと、
前記第1の時間マークに記録された第1の命令データの実行時間とロボット自身の表示時間を比較することで、前記受信モジュールが受信した前記第1の命令データの中の第1の時間マークが期限が切れているか否かを判断するための制御装置判断モジュールと、
前記制御装置判断モジュールによって前記第1の時間マークが期限が切れていると検出される場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第2の時間マークに対応される時間に、対応される動作を実行するように制御するための第2の命令データを受信するまで、前記サーバーから再送信される命令データを受信するための期限満了命令データ分析モジュールと、
前記期限満了命令データ分析モジュールが分析した前記第2の命令データに基づいて、前記ロボットが、前記第2の時間マークに対応される時間に、対応される動作を実行するように制御することで、前記ロボットと前記サーバーから送信される命令データとの間の同期化を実現するためのデータ同期化モジュールと
を備えることを特徴とするロボットとサーバーとの間の同期化システム。
【請求項11】
前記サーバーは、
時報命令をロボットに送信した後、時間をカウントし始めるための時間カウントモジュールと、
第1の予定時間内に、前記ロボットから送信される応答情報を受信したか否かを判断して、受信された場合には、前記のロボットに対する時報が成功したと判断し、受信されなかった場合には、前記のロボットに対する時報が失敗したと判断するためのサーバー判断モジュールと
を備ることを特徴とする請求項10に記載のロボットとサーバーとの間の同期化システム。
【請求項12】
前記ロボットは
前記サーバーから送信される時報命令に含まれているサーバーの現在の時間情報を記録するための記録モジュールと、
前記サーバーの現在の時間情報とロボットの時間情報との間の差分値を計算するための計算モジュールと、
前記差分値を保存するための保存モジュールと
を備えることを特徴とする請求項10に記載のロボットとサーバーとの間の同期化システム。
【請求項13】
前記サーバーは、第2の予定時間をあけて、ロボットに前記時報命令を一回ずつ送信するための第1の送信モジュール
をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のロボットとサーバーとの間の同期化システム。
【請求項14】
前記ロボットは、第3の予定時間をあけて、前記サーバーにロボットアドレスコードが含まれている基準時間取得要求を一回ずつ送信することで、前記サーバーが、基準時間取得要求に基づいて、前記ロボットに前記サーバーの現在の時間情報を送信するようにするための第2の送信モジュール
をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のロボットとサーバーとの間の同期化システム。
【請求項15】
前記期限満了命令データ分析モジュールは、
前記制御装置判断モジュールによって前記第1の時間マークが期限が切れていると検出される場合、前記サーバーに時間マークが期限が切れている第1の応答命令を送信することで、前記サーバーが、前記第1の応答命令に対応される命令データをフィードバックするようにするための第1の応答命令送信ユニットと、
前記サーバーから再送信される、期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データである、前記サーバーによって、前記ロボットの位置情報、方向情報及びインタラクション情報のような状態情報の中の少なくとも一つ以上を含む現在状態に基づいて、生成された第2の命令データを、受信するための第2の命令データ受信ユニット
を備えることを特徴とする請求項10に記載のロボットとサーバーとの間の同期化システム。
【請求項16】
前記制御装置は、期限未満了命令データ分析モジュールをさらに備え、
前記期限未満了命令データ分析モジュールは、
前記制御装置判断モジュールによって前記第1の時間マークが期限が切れていないと検出される場合、前記サーバーに時間マークが期限が切れていないことを表す第2の応答命令を送信するための第2の応答命令送信ユニットと、
前記サーバーから送信される、前記第2の応答命令に対応される命令データであって、前記サーバーから送信される、第3の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第3の時間マークに対応される時間に、前記第1の命令データに対応される実行動作の次の動作を実行するように制御するための第3の命令データを、予定間隔をあけて、受信するための第3の命令データ受信ユニット
を備えることを特徴とする請求項10に記載のロボットとサーバーとの間の同期化システム。
【請求項17】
前記制御装置判断モジュールは、
前記受信モジュールが受信した前記第1の命令データの中の第1の時間マークを取得するための第1の時間マーク取得ユニットと、
前記第1の時間マーク取得ユニットが取得した前記第1の時間マークが、前記サーバーの表示時間と同期化されている前記ロボットの表示時間より大きいか否かを判断するための第1の時間マーク判断ユニットと、
前記第1の時間マーク判断ユニットによって前記第1の命令データの中の第1の時間マークが前記ロボットの表示時間より小さいと判断された場合、前記第1の時間マークが期限が切れていると判断するための期間満了判断ユニットと、
前記第1の時間マーク判断ユニットによって前記第1の命令データの中の第1の時間マークが前記ロボットの表示時間より大きいと判断される場合、前記第1の時間マークが期限が切れていないと判断するための期限未満了判断ユニット
を備えることを特徴とする請求項10に記載のロボットとサーバーとの間の同期化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット技術分野に関するものであり、具体的には、ロボットとサーバーとの間の同期化方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロボットは、コンピュータ技術と人工知能技術の急速な発展に伴い、そう遠くない将来に、国の競争力を決定する重要な産業の一つになるものと予測される。ロボットは、例えば、スーパーマーケット、空港、ターミナル、コンベンションセンター、物流倉庫などのような、大規模な人波、物流の適用において広く使用されている。ロボットは、自律作業を通じて、人間の作業を協力したり、取り替えたりする。多くのロボットが作業区域に集中された場合は、各ロボットは、すべての運動状態を維持し、サーバーは、ロボットの作業に対して遠隔制御する時に、ロボットに命令を送信し、命令を通じてロボットの運動状態を制御する。また、無線ネットワーク通信技術がますます発展することに伴い、ロボットの遠隔制御に、便利で信頼性の高い通信手段を提供し、複雑な環境においてのリアルタイム制御が可能になった。
【0003】
従来技術のロボット遠隔制御方法は、無線通信方式でサーバー側とロボットとの間のデータを転送する。WIFIネットワークは、被覆範囲が広く、伝送帯域が大きく、転送速度が速いという優れた利点があるので、一般的には、WIFIネットワークを利用してデータ通信を行う。上記の遠隔制御方法によると、WIFIネットワークを利用して、サーバー側から送信される制御命令をロボットに転送し、当該端末は、上記の制御命令を受信して、関連する命令解析と命令の実行などの操作を行うようにロボットの動作を制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者は、研究の過程の中で、従来の技術に以下のような問題点があることを発見した。即ち、サーバーは、命令を利用して、ロボットが定時作業するようにしたり、またはロボットの運動状態を制御したりするが、サーバーとロボットとの間の時間が同期化されなくて、命令の送信と受信が同期されないことで、ロボットの作業が同期されなくなり、これにより、ロボット同士の間で互いに衝突が発生してしまう。また、ロボット遠隔制御方法は、WIFIネットワーク通信方式を採用するため、ネットワークの信号が安定しない上で干渉を受けやすくなり、サーバー側とロボットとの間の通信方法に、命令の送信遅延の問題が存在する。これにより、ロボットは、所定時間に所定動作を実行することができず、作業効率が低く、さらに、ロボット同士の間の動作が互いに干渉されて、協同作業が良く実行できず、協同能力が落ちる。
【0005】
本発明の目的は、上記の問題点に鑑みて、ロボットとサーバーとの間の同期化方法及びシステムを提供し、従来技術のサーバーとロボットとの間の時間が同期化されず、サーバーとロボットとの命令の送信と受信が同期されなくなって、ロボット同士の間での間が発生する問題を解決することで、ロボットがサーバーの実行命令に応じて、所定時間に所定動作を実行するように確保して、ロボット同士の間の命令送信遅延により互いに干渉されることを解消し、ロボットの作業効率とロボット同士の間の協同能力を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、本発明に係る実施例は、ロボットとサーバーとの間の同期化方法を提供する。ここで、前記方法は、
サーバーがロボットに前記サーバーの現在の時間情報を含む時報命令を送信するステップと、
前記ロボットが前記サーバーから送信される前記時報命令を受信するステップと、
前記ロボットが前記時報命令に基づいて前記サーバーに応答情報を送信するステップと、
前記サーバーが、前記ロボットから送信される前記応答情報を受信して、前記応答情報に基づいて、前記ロボットに対する時報が成功したか否かを判断するステップと、
前記サーバーが、前記ロボットに対する前記サーバーの前記時報が成功した場合、前記ロボットに時報成功情報を送信するステップと、
前記ロボットが、前記サーバーから送信される前記時報成功情報を受信した後、前記サーバーとの間の時間を同期化するステップと、
前記サーバーが、前記ロボットに対する前記サーバーの前記時報が失敗した場合、前記ロボットに前記時報命令を再送信するステップとを含む。
【0007】
第1の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第1の態様の第1の可能な実施形態を提供し、ここで、前記サーバーが前記応答情報に基づいて前記ロボットに対する前記時報が成功したか否かを判断するステップは、
前記サーバーが、前記時報命令を前記ロボットに送信した後、時間をカウントし始めるステップと、
前記サーバーが、第1の予定時間内に、前記ロボットから送信される前記応答情報を受信したか否かを判断し、受信された場合には、前記ロボットに対する前記時報が成功したと判断し、受信されなかった場合には、前記ロボットに対する前記時報が失敗したと判断するステップとを含む。
【0008】
第1の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第1の態様の第2の可能な実施形態を提供し、ここで、前記ロボットが前記サーバーから送信される前記時報命令を受信した後に、
前記ロボットが前記サーバーから送信される前記時報命令に含まれている前記サーバーの現在の時間情報を記録するステップと、
前記ロボットが前記サーバーの現在の時間情報と前記ロボットの時間情報との間の差分値を計算するステップと、
前記ロボットが前記差分値を保存するステップとをさらに含む。
【0009】
第1の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第1の態様の第3可能な実施形態を提供し、ここで、前記方法は、
前記サーバーが、第2の予定時間をあけて、前記ロボットに前記時報命令を一回ずつ送信するステップをさらに含む。
【0010】
第1の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第1の態様の第4の可能な実施形態を提供し、ここで、前記方法は、
前記ロボットが、第3の予定時間をあけて、前記サーバーにロボットアドレスコードが含まれている基準時間取得要求を一回ずつ送信することで、前記サーバーが前記基準時間取得要求に基づいて、前記ロボットに前記サーバーの現在の時間情報を送信するようにするステップをさらに含む。
【0011】
第1の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第1の態様の第5の可能な実施形態を提供し、ここで、前記ロボットは、前記サーバーに通信接続された制御装置を備え、前記制御装置は、前記ロボットが前記サーバーと命令同期化されるように制御し、前記方法は、
前記制御装置が、前記サーバーから送信される第1の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが前記第1の時間マークに対応する時間に対応する動作を実行するように制御するための第1の命令データを受信するステップと、
前記制御装置が、前記第1の命令データの中の前記第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断するステップと、
前記制御装置が、前記第1の時間マークの期限が切れていると検出される場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するための第2の命令データを受信するまで、前記サーバーから再送信される命令データを受信するステップと、
前記制御装置が、前記第2の命令データに基づいて、前記ロボットが前記第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御することで、前記ロボットと前記サーバーから送信される命令データとの間の同期化を実現するステップとをさらに含む。
【0012】
第1の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第1の態様の第6の可能な実施形態を提供し、ここで、前記制御装置が、前記第1の時間マークの期限が切れていると検出される場合、前記サーバーから再送信される前記第2の命令データを受信するステップは、
前記制御装置が、前記第1の時間マークの期限が切れていると検出される場合、前記サーバーに時間マークの期限が切れていることを表す第1の応答命令を送信することで、前記サーバーが前記第1の応答命令に対応される命令データをフィードバックするようにするステップと、
前記制御装置が、前記サーバーから再送信される、期限が切れていない前記第2の時間マークが付加された命令データである、前記サーバーによって、前記ロボットの位置情報、方向情報及びインタラクション情報のような状態情報の中の少なくとも一つ以上を含む前記ロボットの現在状態に基づいて生成された前記第2の命令データを受信するステップとを含む。
【0013】
第1の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第1の態様の第7の可能な実施形態を提供し、ここで、前記方法は、
前記制御装置が、前記第1の時間マークの期限が切れていないと検出される場合、前記サーバーに時間マークの期限が切れていないことを表す第2の応答命令を送信するステップをさらに含む。
【0014】
第1の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第1の態様の第8の可能な実施形態を提供し、ここで、前記方法は、
前記サーバーから送信される、前記第2の応答命令に対応される命令データであって、前記サーバーから送信される、第3の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第3の時間マークに対応される時間に、前記第1の命令データに対応される実行動作の次の動作を実行するように制御するための第3の命令データを予定間隔をあけて、受信するステップをさらに含む。
【0015】
第1の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第1の態様の第9の可能な実施形態を提供し、ここで、前記第1の命令データの中の前記第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断するステップは、
前記第1の命令データの中の前記第1の時間マークを取得するステップと、
前記第1の時間マークが、前記サーバーの表示時間と同期されている前記ロボットの表示時間より大きいか否かを判断するステップと、
前記第1の命令データの中の前記第1の時間マークが前記ロボットの表示時間より小さい場合、前記第1の時間マークの期限が切れていると判断するステップと、
前記第1の命令データの中の前記第1の時間マークが前記ロボットの表示時間より大きい場合、前記第1の時間マークの期限が切れていないと判断するステップとを含む。
【0016】
第2の態様において、本発明に係る実施例は、さらにロボットとサーバーとの間の同期化システムを提供し、
サーバーから送信される時報命令を受信し、前記時報命令に基づいて応答情報を前記サーバーに送信し、また、前記サーバーから送信される時報成功情報を受信した後、前記サーバーとの間の時間を同期化するためのロボットと、
前記ロボットに前記サーバーの現在の時間情報を含む前記時報命令を送信し、また、前記ロボットから送信される前記応答情報を受信し、前記応答情報に基づいて前記ロボットに対する時報が成功したか否かを判断して、前記ロボットに対する前記時報が成功した場合、時報成功情報を前記ロボットに送信し、前記ロボットに対する前記時報が失敗した場合、前記ロボットに前記時報命令を再送信するための前記サーバーとを備え、
前記ロボットは、前記サーバーに通信接続された制御装置を備え、
前記制御装置は、前記サーバーから送信される第1の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第1の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するための第1の命令データを受信し、また、前記第1の命令データの中の前記第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断して、前記第1の時間マークの期限が切れていると検出される場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データであって、前記ロボットが、前記第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するための第2の命令データを受信するまで、前記サーバーから再送信される命令データを受信し、また、前記第2の命令データに基づいて、前記ロボットが、前記第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御することで、前記ロボットと前記サーバーから送信される命令データとの間の同期化を実現し、
前記サーバーは、前記制御装置に前記第1の時間マークが付加された前記第1の命令データを送信し、前記第1の時間マークの期限が切れている場合、送信する前記第2の命令データに付加された前記第2の時間マークの期限が切れない時まで前記第2の命令データを再送信する。
【0017】
第2の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第2の態様の第1の可能な実施形態を提供し、ここで、前記サーバーは、
前記時報命令を前記ロボットに送信した後、時間をカウントし始めるための時間カウントモジュールと、
第1の予定時間内に、前記ロボットから送信される前記応答情報を受信したか否かを判断して、受信された場合には、前記ロボットに対する前記時報が成功したと判断し、受信されなかった場合には、前記ロボットに対する前記時報が失敗したと判断するためのサーバー判断モジュールとを備る。
【0018】
第2の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第2の態様の第2の可能な実施形態を提供し、ここで、前記ロボットは、
前記サーバーから送信される前記時報命令に含まれている前記サーバーの現在の時間情報を記録するための記録モジュールと、
前記サーバーの現在の時間情報と前記ロボットの時間情報との間の差分値を計算するための計算モジュールと、
前記差分値を保存するための保存モジュールとを備える。
【0019】
第2の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第2の態様の第3の可能な実施形態を提供し、ここで、前記サーバーは、
第2の予定時間をあけて、前記ロボットに前記時報命令を一回ずつ送信するための第1の送信モジュールをさらに備える。
【0020】
第2の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第2の態様の第4の可能な実施形態を提供し、ここで、前記ロボットは、
第3の予定時間をあけて、前記サーバーにロボットアドレスコードが含まれている基準時間取得要求を一回ずつ送信することで、前記サーバーが、前記基準時間取得要求に基づいて、前記ロボットに前記サーバーの現在の時間情報を送信するようにするための第2の送信モジュールをさらに備える。
【0021】
第2の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第2の態様の第5の可能な実施形態を提供し、ここで、前記制御装置は、
前記サーバーから送信される前記第1の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第1の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するための前記第1の命令データを受信するための受信モジュールと、
前記受信モジュールが受信した前記第1の命令データの中の前記第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断するための制御装置判断モジュールと、
前記制御装置判断モジュールによって前記第1の時間マークの期限が切れていると検出される場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するための前記第2の命令データを受信するまで、前記サーバーから再送信される命令データを受信するための期限満了命令データ分析モジュールと、
前記期限満了命令データ分析モジュールが分析した前記第2の命令データに基づいて、前記ロボットが、前記第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御することで、前記ロボットと前記サーバーから送信される命令データとの間の同期化を実現するためのデータ同期化モジュールとを備える。
【0022】
第2の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第2の態様の第6の可能な実施形態を提供し、ここで、前記期限満了命令データ分析モジュールは、
前記制御装置判断モジュールによって前記第1の時間マークの期限が切れていると検出される場合、前記サーバーに時間マークの期限が切れている第1の応答命令を送信することで、前記サーバーが、前記第1の応答命令に対応される命令データをフィードバックするようにするための第1の応答命令送信ユニットと、
前記サーバーから再送信される、期限が切れていない前記第2の時間マークが付加された命令データである、前記サーバーによって、前記ロボットの位置情報、方向情報及びインタラクション情報のような状態情報の中の少なくとも一つ以上を含む現在状態に基づいて生成された前記第2の命令データを受信するための第2の命令データ受信ユニットを備える。
【0023】
第2の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第2の態様の第7の可能な実施形態を提供し、ここで、前記制御装置は、期限未満了命令データ分析モジュールをさらに備え、前記期限未満了命令データ分析モジュールは、
前記制御装置判断モジュールによって前記第1の時間マークの期限が切れていないと検出される場合、前記サーバーに時間マークの期限が切れていないことを表す第2の応答命令を送信するための第2の応答命令送信ユニットと、
前記サーバーから送信される、前記第2の応答命令に対応される命令データであって、前記サーバーから送信される、第3の時間マークが付加された命令データである、前記ロボットが、前記第3の時間マークに対応される時間に前記第1の命令データに対応される実行動作の次の動作を実行するように制御するための第3の命令データを予定間隔をあけて、受信するための第3の命令データ受信ユニットを備える。
【0024】
第2の態様に結合して、本発明に係る実施例は、第2の態様の第8の可能な実施形態を提供し、ここで、前記制御装置判断モジュールは、
前記受信モジュールが受信した前記第1の命令データの中の前記第1の時間マークを取得するための第1の時間マーク取得ユニットと、
前記第1の時間マーク取得ユニットが取得した前記第1の時間マークが、前記サーバーの表示時間と同期化されている前記ロボットの表示時間より大きいか否かを判断するための第1の時間マーク判断ユニットと、
前記第1の時間マーク判断ユニットによって前記第1の命令データの中の前記第1の時間マークが前記ロボットの表示時間より小さいと判断された場合、前記第1の時間マークの期限が切れていると判断するための期間満了判断ユニットと、
前記第1の時間マーク判断ユニットによって前記第1の命令データの中の前記第1の時間マークが前記ロボットの表示時間より大きいと判断される場合、前記第1の時間マークの期限が切れていないと判断するための期間未満了判断ユニットを備える。
【0025】
本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化方法及びシステムは、サーバーを利用して、サーバーの現在の時間情報を含む時報命令をロボットに送信し、ロボットにより、サーバーから送信される時報命令を受信することで、ロボットとサーバーとの間で時間同期化されるようにする。さらに、ロボットが含む制御装置は、サーバーから送信される第1の時間マークが付加された第1の命令データを受信し、第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断して、期限が切れていると検出される場合には、期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2の命令データを受信するまで、サーバーから再送信される命令データを受信し、最後に、第2の命令データに基づいて、ロボットが、第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御することで、ロボットとサーバーから送信される命令データとの間の同期化を実現する。制御装置は、WIFIネットワーク通信方式を使用することで、ネットワークの信号の安定性が低下し、干渉を受けやすく、ロボットとサーバーの命令とが同期化されない従来技術のロボット遠隔制御方法と比較すると、サーバーから送信される第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断して、期限が切れている場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2の命令データを受信するまで、サーバーから再送信される命令データを再受信することにより、ロボットが、サーバーで設定された所定時間と同期化されて、当該時間に対応される所定動作を実行するように確保することで、ロボットの作業効率とロボット同士の間の協働作業能力を向上させた。
【0026】
本発明の上記の目的、特徴、及び利点をより明確に理解しやすいように、次の好ましい実施例を挙げて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
以下、本発明に係る実施例の技術案をより明確に説明するために、実施例に使用する図面を簡単に説明する。以下の図面は、ただ、本発明のいくつかの実施例を示し、範囲の限定とみなされてはならず、本技術分野の通常の技術者にとって独創性のある努力をかけていない前提の下で、これらの図面に基づいて、他の図面を得ることができるは自明のものである。
図1】本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化方法のフローチャートを示す。
図2】本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化方法のフローチャートを示す。
図3】本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化方法のフローチャートを示す。
図4】本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化方法のフローチャートを示す。
図5】本発明による実施例において提供するロボットとサーバーとの間の同期化方法のフローチャートを示す。
図6】本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化システムの構造概略図を示す。
図7】本発明の実施例によって提供される制御装置の構造概略図を示す。
図8】本発明の実施例によって提供される制御装置の期間満了命令データ解析モジュールの構造概略図を示す。
図9】本発明による実施例において提供する制御装置の期限未満了命令データ分析モジュールの構造概略図を示す。
図10】本発明の実施例によって提供される制御装置の制御装置判断モジュールの構造概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、本発明に係る実施例の図面を結合して、本発明に係る実施例中の技術案について明確かつ完全な説明を行う。説明される実施例は、本発明の一部の実施形態に過ぎず、すべての実施例ではないことは自明なことである。通常ここの図面において説明されたり示されたりした本発明の実施例の構成要素は、様々な異なる設定を使用することにより、配置または設計されることができる。したがって、以下の図において提供される本発明の実施例の詳細な説明は、請求する本発明の範囲を制限しようとするのではなく、本発明の選択的な実施例を示したものだけである。本発明の実施例に基づいて本技術分野の通常の技術者が創造性のある努力をかけていない前提の下で得られたすべての他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0029】
従来技術において、サーバーが命令を通じてロボットが定時作業するようにしたり、またはロボットの運動状態を制御したりする時に、サーバーとロボットとの間の時間が同期化されなくて、命令の送信と受信が同期されないことで、ロボットの作業が同期されなくなり、これにより、ロボット同士の間で互いに衝突が発生してしまう。また、ロボット遠隔制御方法は、WIFIネットワーク通信方式を採用するため、ネットワークの信号が安定しない上で干渉を受けやすくなり、サーバー側とロボットとの間の通信方法に、命令の送信遅延の問題が存在する。これにより、ロボットは、所定時間に所定動作を実行することができず、作業効率が低く、さらに、ロボット同士の間の動作が互いに干渉されて、協同作業が良く実行できず、協同能力が落ちる。本発明に係る実施例は、上記の問題点に鑑みて、ロボットとサーバーとの間の同期化方法及びシステムを提供して、ロボットが、サーバーの時間と同期化されて、所定時間に所定動作を実行するように確保することで、ロボットの作業効率とロボット同士の間の協働作業能力を向上させた。
【0030】
以下、まずロボットとサーバーとの間の同期化方法について具体的に説明する。図1を参照すると、本発明に係る実施例は、ロボットとサーバーとの間の同期化方法を提供する。
【0031】
サーバーは、まず、ロボットに時報(time service)命令を送信して、サーバーとロボットとの間の時間同期を実現する。
【0032】
サーバーには、ロボットのアドレスコード情報リストが設定されており、前記リストには、すべてのロボットのアドレスコードが保存されている。サーバーは、一部のロボットに時報命令を送信する必要がある場合、当該サーバーのロボットアドレスコード情報リストに保存された上記のロボットのアドレスコードに基づいて、ロボットに当該時報命令を送信する。
【0033】
ここで、上記のサーバーのロボットアドレスコード情報リストの生成は、以下のようなステップを含み、具体的には、
サーバーが、ロボットから送信されるロボットアドレスコードが含まれている接続要求を受信するステップと、
サーバーが、上記のロボットアドレスコードをロボットアドレスコード情報リストに追加することで、サーバーに、すべてのロボットアドレスコードが含まれているロボットアドレスコード情報リストを形成するステップとを含む。
【0034】
ここで、上記のサーバーとロボットとは、無線ネットワークを介して接続することができ、当該無線ネットワークは、WI−FI(Wireless−Fidelity,Wi−Fi)であってもよく、433MHz専用のネットワークであってもよく、2.4Gワイヤレスネットワークであってもよい。
【0035】
本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間を同期化させる方法は、以下のようなステップを含む。
【0036】
ステップS101において、サーバーが、ロボットにサーバーの現在の時間情報を含む時報命令を送信する。
【0037】
サーバーは、ロボットと無線ネットワークを介して接続され、サーバーのロボットアドレスコード情報リストに保存されたロボットアドレスコードに基づいて、ロボットにサーバーの現在の時間情報を含む時報命令を送信することで、サーバーとロボットとの間の時間の同期化を維持する。
【0038】
ステップS102において、ロボットが、サーバーから送信される時報命令を受信する。
【0039】
ロボットは、サーバーがロボットに時報命令を送信すれば、サーバーから送信される時報命令を受信する。ロボットが、サーバーから送信される時報命令を受信した後、
ロボットが、サーバーから送信される時報命令に含まれているサーバーの現在の時間情報を記録するステップと、
ロボットが、上記のサーバーの現在の時間情報とロボットの時間情報との間の差分値を計算するステップと、
ロボットが、上記の差分値を保存するステップとをさらに含む。
【0040】
サーバーがロボットに送信した時報命令には、サーバーの現在の時間情報が含まれている。ロボットは、サーバーから送信される時報命令を受信した後、当該時報命令に含まれているサーバーの現在の時間情報を記録し、当該サーバーの現在の時間情報と、自分の現在の時間情報とを比較して、サーバーの現在の時間情報とロボット自身の現在の時間情報との間の差分値を計算して、当該差分値を保存する。
【0041】
ステップS103において、ロボットが、上記の時報命令に基づいてサーバーに応答情報を送信する。
【0042】
ロボットは、サーバーから送信される時報命令を受信した後、サーバーに応答情報を送信する。その理由の一つは、ロボットがサーバーから送信される時報命令を既に受信したことをサーバーに知らせるためである。もう一つは、サーバーとロボットとの時報命令の送信が、サーバーとロボットとのワイヤレスネットワークの信号の影響を受けるため、当該時報命令の送信にかかる時間が一定ではないから、サーバーが、ロボットから送信される応答情報を受信した時間に基づいてロボットに対する時報が成功したか否かを判断できるようにするためである。
【0043】
ステップS104において、サーバーが、ロボットから送信される応答情報を受信して、上記の応答情報に基づいて、ロボットに対する時報が成功したか否かを判断して、成功した場合は、ステップS105を実行し、そうでない場合は、ステップS107を実行する。
【0044】
ロボットは、サーバーから送信される時報命令を受信した後、サーバーに応答情報を送信する。サーバーは、ロボットから送信される応答情報を受信して、当該応答情報に基づいて、ロボットに対する時報が成功したか否かを判断し、具体的には、
サーバーが、時報命令をロボットに送信した後、時間をカウントし始めるステップと、
サーバーが、第1の予定時間内に、ロボットから送信される応答情報を受信したか否かを判断して、受信された場合は、ロボットに対する時報が成功したと判断し、そうでない場合は、ロボットに対する時報が失敗したと判断するステップとを含む。
【0045】
ここで、第1の予定時間は、サーバー内に保存された一つの値であり、誤差許容範囲内にある。
【0046】
サーバーは、時報命令をロボットに送信し、ロボットは、サーバーから送信される時報命令を受信した後、サーバーに応答情報を送信するが、サーバーとロボットとの間の無線ネットワークの信号の影響を受けるので、サーバーが時報命令をロボットに送信した後、ロボットから送信される応答情報を受信するまで一定の時間間隔があり、当該時間間隔が誤差許容範囲内にある場合は、ロボットに対するサーバーの時報が成功したとみなす。時々、サーバーとロボットとの間の無線ネットワーク信号が不良か、または不安定になると、サーバーが時報命令をロボットに送信してからロボットから送信される応答情報を受信するまでにかかる時間間隔が長くなることで、サーバーが時報命令をロボットに送信してからロボットがサーバーから送信される時報命令を受信するまでにかかる時間間隔が長くなり、さらに、ロボットがサーバーから送信される時報命令を受信した時に、当該時報命令に含まれているサーバーの現在の時間情報と、ロボットがサーバーから送信される時報命令を受信した時のサーバーの時間情報とが互いに等しくなくなるため、ロボットに対するサーバーの時報が失敗になる。
【0047】
したがって、サーバーは、時報命令をロボットに送信した後、時間をカウントし始める。サーバーは、第1の予定時間内にロボットから送信される応答情報を受信した場合は、ロボットに対するサーバーの時報が成功したと判断し、第1の予定時間内にロボットから送信される応答情報が受信されなかった場合は、ロボットに対するサーバーの時報が失敗したと判断する。
【0048】
ステップS105において、サーバーが、時報成功情報をロボットに送信する。
【0049】
サーバーは、第1の予定時間内にロボットから送信される応答情報を受信した場合は、ロボットに対するサーバーの時報が成功したと判断し、この時、時報成功情報をロボットに送信して、今回のロボットに対するサーバーの時報が成功であったことをロボットに知らせる。
【0050】
ステップS106において、ロボットが、サーバーから送信される時報成功情報を受信した後、サーバーとの間の時間を同期化する。
【0051】
ロボットは、サーバーから送信される時報成功情報を受信した後、上記の保存されたサーバーの現在の時間情報とロボットの現在の時間情報との間の差分値に基づいて、自分のクロックを調整する。ロボットは、サーバーの時間情報がロボットの時間情報より速い場合、自分の時間情報に上記の差分値を加算することで、基準時間に調整し、つまり、サーバーと時間が同期化されるように調整する。ロボットは、サーバーの時間情報がロボットの時間情報より遅い場合、自分の時間情報に上記の差分値を減算することで、基準時間に調整し、つまり、サーバーと時間が同期化されるように調整する。
【0052】
当該ステップでは、ロボットは、上記の保存された時間情報の差分値を加算したり、減算したりして、サーバーとの間の時間を同期化する。
【0053】
ステップS107において、サーバーが、ロボットに対する時報命令を再送信する。
【0054】
サーバーは、時報命令をロボットに送信した後、時間をカウントし始めて、第1の予定時間内にロボットから送信される応答情報が受信されなかった場合、ロボットに対するサーバーの時報が失敗したと判断して、ロボットに時報命令を再送信する。
【0055】
サーバーは、サーバーとロボットとの間の時間の同期化を維持させるために、第2の予定時間をあけて、ロボットに時報命令を一回ずつ送信する。
【0056】
ここで、第2の予定時間は、サーバー内に保存された予め設定された値である。
【0057】
上記では、サーバーにより能動的にロボットに時報し、ロボットによりただ受動的にサーバーから送信される時報命令を受信して、第2の予定時間をあけてサーバーから送信される時報命令を一回ずつ受信するしかないことについて説明したが、作業現場には多くのロボットがあり、また、各ロボット及びサーバーのクロックが互いに異なるので、一定の時間作業した後に、サーバーとロボットとの間の時間が再び同期化されなくなる。これにより、ロボット同士の間で互いに衝突が発生することになるが、サーバーはただ第2の予定時間をあけてロボットに時報命令を一回ずつ送信することができるので、時報命令を送信する二回の時間の間で、ロボットの時間が同期化されない問題が発生する場合、ロボット同士の間で互いに衝突が発生することになる。この時、まだ第2の予定時間の間隔に達していないので、ロボットの時間の同期化を実現することができない。
【0058】
したがって、本発明に係る実施例で、ロボットは、第3の予定時間をあけて、サーバーに基準時間取得要求を一回ずつ送信する。当該基準時間取得要求は、ロボットアドレスコードを含み、サーバーが当該基準時間取得要求に基づいて、サーバーの現在の時間情報をロボットに送信するようにする。
【0059】
ここで、第3の予定時間は、ロボット内に保存された予め設定された値である。
【0060】
ロボットは、ワイヤレスネットワークを介してサーバーにロボットアドレスコードを含む基準時間取得要求を送信することで、サーバーが、ロボットから送信される基準時間取得要求を受信した後、サーバーの現在の時間情報をロボットに送信するようにし、ここで、サーバーの現在の時間情報が基準時間である。ロボットは、第4の予定時間内にサーバーから送信されるサーバーの現在の時間情報を受信した場合、サーバーの現在の時間情報を記録し、基準時間として保存することで、ロボットとサーバーとの間の時間が一致するように維持し、即ち、ロボットの時間の同期化が成功になり、もし、第4の予定時間内にサーバーから送信されるサーバーの現在の時間情報が受信されないと、サーバーに基準時間取得要求を再送信する。
【0061】
ここで、上記の第4の予定時間は、ロボット内に予め設定された時間の値であり、誤差許容範囲内にある。
【0062】
本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化方法において、サーバーにより、ロボットにサーバーの現在の時間情報を含む時報命令を送信し、ロボットにより、サーバーから送信される時報命令を受信することによって、ロボットとサーバーとの間の時間が同期化されて、命令の送信と受信の同期化が確保されることで、ロボット同士の間の衝突の発生を回避する。
【0063】
ロボットは、さらに、サーバーに通信接続された制御装置を備え、制御装置により、サーバーと命令同期化されるようにロボットを制御する。
【0064】
具体的には、図2に示すように、本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化方法のフローチャートは、以下のステップをさらに含む。
【0065】
ステップS201において、制御装置が、サーバーから送信される第1の時間マークが付加された命令データである、ロボットが、第1の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するための第1の命令データを受信する。
【0066】
本発明による実施例では、具体的には、従来の技術の中の問題点である、ロボット遠隔制御方法に存在する命令の転送が遅延されるため、ロボットが所定時間に所定動作を実行できないことによって、ロボットとサーバーの命令との間が同期化されない問題を考慮して、制御装置が受信したのは、サーバーから送信される第1の時間マークが付加された第1の命令データであり、その中、第1の時間マークに記録されたのは、一番目の命令データの実行時間であり、第1の命令データは、上記のロボットが、第1の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するための命令データである。
【0067】
一方、上記の第1の命令データは、サーバーが対応されるロボットに送信する一つの瞬間的な動作の実行制御命令であってもよく、走行情報を含む一連の実行制御命令であってもよい。ここで、前記の走行情報は、直進、左回転、右回転などに対応される動作情報を含む。
【0068】
ステップS202において、第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断する。
【0069】
具体的には、制御装置は、上記の第1の命令データの中の第1の時間マークの有効性を確保するために、ロボットとサーバーの命令との間の同期化の前に、まず、第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断し、つまり、当該第1の時間マークに記録された第1の命令データの実行時間とロボット自身の表示時間を比較することで、該当される判断をする。
【0070】
ステップS203において、第1の時間マークの期限が切れていると検出された場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データである、ロボットが、第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するための第2の命令データを受信するまで、サーバーから再送信される命令データを受信する。
【0071】
上記の制御装置は、具体的には、第1の時間マークに記録された第1の命令データの実行時間が、ロボット自身の表示時間を過ぎた場合、即ち、第1の時間マークの期限が切れていると判断された場合、第1の命令データ全体を放棄し、期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2の命令データを受信するまで、サーバーから再送信される命令データを受信する。
【0072】
前記第2の命令データは、具体的には、前記ロボットが、前記第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するための命令データである。ここで、第2の命令データによってロボットを制御して実行することに対応される動作は、第1の命令データによってロボットを制御して実行することに対応される動作と、互いに等しくてもよく、異なっていてもよい。この二つの命令データに対応される実行動作が等しいか否かは、制御されるロボットの現在状態によって決定される。また、上記の第2の命令データに付加された第2の時間マークは、第1の命令データに付加された第1の時間マークと、互いに異なっている。サーバーは、本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーの命令との間の同期化制御方法において、第1の時間マークの期限が切れていることを了解した場合、制御装置が、期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2の命令データが受信されるまで、予定時間をあけて命令データを再送信する。このようにして、ロボットとサーバーの命令とのリアルタイム同期化を確保する。
【0073】
上記の命令データは、具体的には、通常の概念を指し、即ち、期限が切れている第1の時間マークが付加された第1の命令データに対応される1つの命令データであってもよく、期限が切れている第1の時間マークが付加された第1の命令データに対応される複数の命令データであってもよい。サーバーは、一番目の命令データに付加された時間マークの期限が切れていない場合、期限が切れていない時間マークが付加された第1の命令データに対応されるその他の命令データを送信することを停止させる。一方、サーバーは、一番目の命令データに付加された時間マークの期限が切れている場合、制御されるロボットの現在状態に基づいて、制御装置が受信した第2の命令データに付加された第2の時間マークの期限が切れていないと判断されるまで、期限が切れている第1の時間マークが付加された第1の命令データに対応される命令データを再送信する。サーバーは、第2の時間マークの期限が切れていないことを了解した場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2の命令データに対応されるその他の命令データをそれ以上再送信しない。ロボットは、上記の第2の命令データに基づいて、上記の期限が切れていない第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行する。本発明に係る実施例において具体的に説明された方法では、命令データ遅延問題のランダム性を考慮して、制御装置が一番目に受信した第1の命令データの期限が切れて通信失敗になり、二番目に受信した第2の命令データの期限が切れないで通信成功になった例を挙げて具体的に説明した。しかし、一番目に通信失敗になり、二番目も通信失敗になり...N番目に通信成功になったデータの同期化原理は、上記の方法と類似であるため、繰り返して説明しない。
【0074】
一方、上記の第2の命令データは、サーバーが対応するロボットに送信する一つの瞬間的な動作の実行制御命令であってもよく、走行情報を含む一連の実行制御命令であってもよい。ここで、前記の走行情報は、直進、左回転、右回転などの対応される動作情報を含む。
【0075】
ステップS204において、第2の命令データに基づいて、ロボットが、第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御することで、ロボットとサーバーから送信される命令データとの間の同期化を実現する。
【0076】
具体的には、上記の制御装置は、期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2の命令データに基づいて、ロボットが、第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御することで、ロボットと前記サーバーから送信される命令データとの間の同期化を実現する。
【0077】
ここで、上記の命令データとの間の同期化は、ロボットが、第2の時間マークに記録された実行時間に、サーバーから送信される第2の命令データの制御動作を実行することを指す。つまり、本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーの命令との間の同期化制御方法は、一番目の命令データの中の第1の時間がすでに期限が切れたことを前提として、サーバーから送信される命令データを受信し続け、当該命令データの中の時間マークの期限が切れなくなってこそ、対応される動作を実行しない。ここで、上記の命令データは、サーバーが、ロボットの現在状態に基づいて、当該ロボットに対するその周囲にあるその他のロボットの動作の影響を総合的に考慮した上で送信する制御命令であり、上記のサイクルの方法を使用することで、ロボットとサーバー命令との間の同期化を確保する。
【0078】
本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーの命令との間の同期化方法は、WIFIネットワーク通信方式を使用するため、ネットワークの信号の安定性が低下し、干渉を受けやすく、ロボットとサーバー命令とが同期化されない従来技術のロボット遠隔制御方法と比較して、制御装置により、サーバーから送信される第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断し、期限が切れている場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2の命令データを受信するまで、サーバーから再送信される命令データを再受信して、ロボットが、サーバーで設定された所定時間と同期化されて、当該時間に対応される所定動作を実行するように確保することで、ロボットの作業効率とロボット同士の間の協働作業能力を向上させた。
【0079】
上記のステップ203の期限満了命令データについての分析方法は、受信された期限が切れている第1の時間マークが付加された第1の命令データについての制御装置の追加的な処理を実現するために、具体的には、以下のステップによって実現される。図3に示したフローチャートを参照すると、前記の方法は、さらに以下のようなステップを含む。
【0080】
ステップS211において、制御装置が、第1の時間マークの期限が切れていると検出される場合、時間マークの期限が切れていることを表す第1の応答命令をサーバーに送信することで、サーバーが第1の応答命令に対応される命令データをフィードバックするようにする。
【0081】
ステップS212において、制御装置が、サーバーから再送信される期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データである、サーバーによって、ロボットの位置情報、方向情報及びインタラクション情報のような状態情報の中の少なくとも一つ以上を含む現在状態に基づいて生成した第2の命令データを受信する。
【0082】
具体的には、制御装置は、第1の時間マークの期限が切れていると検出される場合、当該第1の時間マークに対応される第1の命令データを放棄し、時間マークの期限が切れていることを表す第1の応答命令をサーバーに送信する。したがって、サーバーは、上記の第1の応答命令を受信し、当該応答命令に対応される応答結果に基づいて、今回のデータ通信がすでに失敗になったことを判断して、上記の判断結果に基づいて、直ちに、ロボットに命令データを再送信する。ここで、当該命令データは、サーバーが、ロボットの現在状態に基づいて、当該ロボットに対するその周囲にあるその他のロボットの動作の影響を総合的に考慮した上で送信する制御命令である。最後に、制御装置は、上記の命令データを受信し、命令データに付加された時間マークの期限が切れているか否かを判断する。サーバーは、制御装置が、期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2の命令データを受信してこそ、期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2の命令データに対応される命令データをそれ以上送信しないし、制御装置も、それ以上受信しない。
【0083】
ここで、1つ以上のロボットを制御するサーバーのメイン制御装置は、制御されるすべてのロボットに該当するサブ制御装置を配分する。つまり、各サブ制御装置は対応される一つのロボットを制御する。したがって、本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーの命令との間の同期化制御方法は、サーバーを利用して一つのロボットと同期化されるように制御することができるし、複数のロボットと同期化されるように制御することもできる。したがって、サーバーは、ロボットから送信される第1の応答命令を受信した後、現在のすべてのロボットの位置情報、方向情報及びロボット同士の間のインタラクション情報を総合的に考慮して、送信する当該命令データの期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2命令データになるまで、現在の第1の応答命令を送信した対応される当該ロボットに命令データを再送信する。同様に、上記の第2の命令データも、サーバーがすべての関連されるロボットの位置情報、方向情報とロボット同士の間のインタラクション情報を総合的に考慮した上で生成したものである。
【0084】
また、本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化方法は、サーバーが、上記の命令データまたは第2の命令データを送信する時、確定的な位置(例えば、曲がりポイント)に対して一定の遅延時間を予め残すことで、上記の命令を同期化する方法がロバスト性(robustness)をさらに有するようにする。
【0085】
本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーの命令との間の同期化方法は、上記の期限満了命令データの分析方法に対応されて、期限未満了命令データの分析方法をさらに含み、具体的には、以下のステップによって実現される。前記の方法は、図4に示したフローチャートを参照すると、以下のようなステップをさらに含む。
【0086】
ステップS221において、制御装置が、第1の時間マークの期限が切れていないと検出される場合、サーバーに時間マークの期限が切れていないことを表す第2の応答命令を送信する。
【0087】
ステップS222において、制御装置が、サーバーから送信される、第2の応答命令に対応される命令データであって、サーバーから送信される、第3の時間マークが付加された命令データである、ロボットが、第3の時間マークに対応される時間に第1の命令データに対応される実行動作の次の動作を実行するように制御するための第3命令データを予定間隔をあけて受信する。具体的には、制御装置は、第1の時間マークの期限が切れていないと検出される場合、時間マークの期限が切れていないことを表す第2の応答命令をサーバーに送信する。従って、サーバーは、上記の第2の応答命令を受信し、当該応答命令に対応される応答結果に基づいて、今回のデータ通信が既に成功したと判断して、上記の判断結果に基づいて、予定時間間隔に従って、ロボットに第3の命令データを送信する。ここで、第3の命令データは、ロボットが、第3の時間マークに対応される時間に第1の命令データ対応される実行動作の次の動作を実行するように制御するための命令データであり、つまり、第1の命令データの期限が切れていない時の次の新しい命令データである。同様に、制御装置も、当該第3の命令データの実行時間である第3の時間マークの期限が切れているか否かを判断する。ここで、具体的な判断方法は、第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断する方法と類似であるため、繰り返して説明しない。
【0088】
また、上記の第3の命令データは、サーバーが対応されるロボットに送信する一つの瞬間的な動作の実行制御命令であってもよく、走行情報を含む一連の実行制御命令であってもよい。ここで、前記の走行情報は、直進、左回転、右回転などの対応される動作情報を含む。
【0089】
本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーの命令との間の同期化方法は、ネットワーク転送方法で関連する命令データを応用する時の最適な性能を確保するために、一つのネットワークを介して通信するロボット及びサーバーに対して、正確な時間同期化を定期的に実行する。本発明の実施例によって提供される上記の制御方法は、上記の時間同期化によって、第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断し、図5を参照すると、上記の判断方法は、具体的に次のようなステップを含む。
【0090】
ステップS231において、第1の命令データの中の第1の時間マークを取得する。
【0091】
ステップS232において、第1の時間マークが、サーバーの表示時間と同期化されているロボットの表示時間より大きいか否かを判断する。
【0092】
具体的には、本発明の実施例によって提供される制御の流れは、まず、第1の命令データの中の第1の時間マークを取得して、当該第1の時間マークと、ロボットの現在の表示時間を比較する。ここで、ロボットの現在の表示時間とサーバーの現在の表示時間との間は同期化されており、第1の時間マークは、サーバーから送信される第1の命令データに付加された命令実行時間である。この二つの時間情報を比較することによって、通信が成功したか否かについての判断の信頼性がより高くなる。
【0093】
ステップS233において、第1の命令データの中の第1の時間マークがロボットの表示時間より小さい場合、第1の時間マークの期限が切れていると判断する。
【0094】
第1の命令データの中の第1の時間マークがロボットの表示時間より小さい場合は、ロボットが当該第1の命令データを受信した時に対応される表示時間が、既に、第1の命令データに対応される実行時間を超えた場合であり、第1の時間マークの期限が切れていると判断した場合には、当該第1の命令データに対応される実行時間に対応される動作を実行することができない。
【0095】
ステップS234において、第1の命令データの中の第1の時間マークがロボットの表示時間より大きい場合、第1の時間マークの期限が切れていないと判断する。
【0096】
第1の命令データの中の第1の時間マークがロボットの表示時間より大きい場合は、第1の命令データに対応される実行時間が、ロボットが当該第1の命令データを受信した時に対応する表示時間より大きい場合であり、第1の時間マークの期限が切れていないと判断される場合には、ロボットにより、現在の表示時間から実行時間まで待ってから、当該第1の命令データに対応される実行時間に従って、対応される動作を実行する。
【0097】
本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化方法は、サーバーを利用して、サーバーの現在の時間情報を含む時報命令をロボットに送信し、ロボットにより、サーバーから送信される時報命令を受信して、ロボットとサーバーとの間の時間を同期化させることで、WIFIネットワーク通信方式を使用するため、ネットワークの信号の安定性が低下し、干渉を受けやすく、ロボットとサーバー命令とが同期化されない従来技術のロボット遠隔制御方法と比較すると、制御装置により、サーバーから送信される第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断して、期限が切れている場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2の命令データを受信するまで、サーバーから再送信される命令データを再受信することで、ロボットが、サーバーに設定された所定時間と同期化されて、当該時間に対応される所定動作を実行するように確保することで、ロボットの作業効率とロボット同士の間の協働作業能力を向上させた。
【0098】
本発明に係る実施例は、ロボットとサーバーとの間の同期化システムを提供する。前記システムは、上記のロボットとサーバーとの間の同期化方法を実行する。図6を参照すると、前記のシステムは、サーバー1とロボット2とを備える。
【0099】
ロボット2は、サーバー1から送信される時報命令を受信し、時報命令に基づいて応答情報をサーバー1に送信し、サーバー1から送信される時報成功情報を受信した後、サーバー1との時間を同期化する。
【0100】
サーバー1は、ロボット2にサーバー1の現在の時間情報を含む時報命令を送信し、ロボット2から送信される応答情報を受信して、応答情報に基づいてロボット2に対する時報が成功したか否かを判断して、ロボット2に対する時報が成功した場合には、時報成功情報をロボット2に送信し、ロボット2に対する時報が失敗した場合には、ロボット2に時報命令を再送信する。
【0101】
ロボット2は、サーバー1に通信接続された制御装置を備える。制御装置は、サーバー1から送信される第1の時間マークが付加された命令データである、ロボット2が、第1の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するため第1の命令データを受信し、第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断して、第1の時間マークの期限が切れていると検出される場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データである、ロボット2が、第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように、制御するため第2の命令データを受信するまで、サーバー1から再送信される命令データを受信して、第2の命令データに基づいて、ロボット2が、第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御することで、ロボット2とサーバー1から送信される命令データとの間の同期化を実現する。
【0102】
サーバー1は、制御装置に第1の時間マークが付加された第1の命令データを送信し、第1の時間マークの期限が切れている場合、送信する第2の命令データに付加された第2の時間マークの期限が切れない時まで、第2の命令データを再送信する。
【0103】
図6に示すように、上記のシステムは、複数のロボット2を含む。ここで、複数とは、1より大きい任意の整数を意味する。本発明に係る実施例は、上記の複数の具体的な値については限定しない。
【0104】
ここで、サーバー1とロボット2は、無線ネットワークを介して接続され、当該無線ネットワークは、WI−FI(Wireless−Fidelity,Wi−Fi)であってもよく、433MHz専用のネットワークであってもよく、2.4Gワイヤレスネットワークであってもよい。
【0105】
本発明に係る実施例では、サーバー1により、ロボット2にサーバー1の現在の時間情報を含む時報命令を送信し、ロボット2により、サーバー1から送信される時報命令を受信した後、応答情報をサーバー1に送信し、サーバー1により、ロボット2から送信される応答情報を受信した後、当該応答情報に基づいてロボット2に対する時報が成功したか否かを判断して、ロボット2に対する時報が成功した場合には、時報成功情報をロボット2に送信し、ロボット2により、サーバー1から送信される時報成功情報を受信した後、サーバー1との時間を同期化させ、ロボット2に対するサーバー1の時報が失敗した場合には、サーバー1により、ロボットに対する時報命令を再送信する。
【0106】
ここでは、一実施例として、サーバー1は、
時間カウントモジュールとサーバー判断モジュールとを備えることができる。
【0107】
時間カウントモジュールは、ロボット2に時報命令を送信した後、時間をカウントし始める。
【0108】
サーバー判断モジュールは、第1の予定時間内にロボット2から送信される応答情報を受信したか否かを判断する。受信された場合には、ロボット2に対する時報が成功したと判断し、そうでない場合には、ロボット2に対する時報が失敗したと判断する。
【0109】
時間カウントモジュールは、サーバー1がロボット2に時報命令を送信した後、時間をカウントし始める。ロボット2は、サーバー1から送信される時報命令を受信した後、サーバーに応答情報を送信する。サーバー判断モジュールは、サーバー1が第1の予定時間内にロボット2から送信される応答情報を受信したか否かを判断して、サーバー1が第1の予定時間内にロボット2から送信される応答情報を受信した場合には、ロボット2に対する時報が成功したと判断し、サーバー1が第1の予定時間内にロボット2から送信される応答情報を受信しなかった場合には、ロボット2に対する時報が失敗したと判断して、サーバー1がロボット2に時報命令を再送信するようにする。
【0110】
ここでは、一実施例として、ロボット2は、
記録モジュールと、計算モジュールと、保存モジュールとを備える。
【0111】
記録モジュールは、サーバー1から送信される時報命令に含まれているサーバー1の現在の時間情報を記録する。
【0112】
計算モジュールは、サーバー1の現在の時間情報とロボット2の時間情報との間の差分値を計算する。
【0113】
保存モジュールは、上記の差分値を保存する。
【0114】
本発明に係る実施例では、サーバー1により、ロボット2にサーバー1の現在の時間情報を含む時報命令を送信し、ロボット2により、サーバー1から送信される時報命令を受信した後、ロボット2の中の記録モジュールにより、サーバー1の現在の時間情報を記録し、計算モジュールにより、上記の記録されたサーバー1の現在の時間情報とロボット2の時間情報との間の差分値を計算して、当該差分値をモジュールに送信し、保存モジュールにより、当該差分値が保存される。
【0115】
ここで、一実施例として、サーバー1は、さらに第1の送信モジュールを含む。
【0116】
第1の送信モジュールは、第2の予定時間をあけて、ロボット2に時報命令を一回ずつ送信する。
【0117】
ロボット2のサーバー1の時報が成功した後、サーバー1により、時報成功情報をロボット2に送信し、ロボット2により、サーバー1から送信される時報成功情報を受信した後、上記の保存された差分値に基づいて、自分の時間がサーバー1の時間と同期化されるように、自分のクロックを調整する。この時、サーバー1とロボット2は、時間的には互いに等しいであるが、サーバー1とロボット2のクロックが互いに異なるので、一定の時間が経過すると、サーバー1とロボット2の時間は、再び同期化されなくなるので、サーバー1の中の第1の送信モジュールにより、第2の予定時間をあけてロボット2に時報命令を一回ずつ送信する。
【0118】
ここでは、一実施例として、ロボット2は、第2の送信モジュールをさらに備える。
【0119】
第2送信モジュールは、第3の予定時間をあけて、サーバー1に、ロボット2のアドレスコードを含む基準時間取得要求を一回ずつ送信することで、サーバー1が、上記の基準時間取得要求に基づいて、サーバー1の現在の時間情報をロボット2に送信するようにする。
【0120】
本発明に係る実施例では、ロボット2により、受動的にサーバー1から送信される時報命令を受信するほか、第2の送信モジュールを利用して、第3の予定時間をあけて能動的にサーバー1に基準時間取得要求を一回ずつ送信することができる。ここで、当該基準時間は、サーバー1の現在の時間情報である。サーバー1により、第2の送信モジュールから送信される基準時間取得要求を受信した後、サーバー1の現在の時間情報をロボット2に送信し、ロボット2により第4の予定時間内にサーバー1から送信されるサーバーの現在の時間情報を受信した場合、当該時間情報を記録して基準時間として保存し、このように、サーバー1とロボット2との間の時間の同期化を実現する。もし、ロボット2により、第4の予定時間内にサーバー1から送信されるサーバー1の現在の時間情報を受信されないと、サーバー1に基準時間取得要求を再送信する。
【0121】
さらに、図7を参照すると、前記制御装置は、受信モジュール10、制御装置判断モジュール20、期限満了命令データ分析モジュール30及びデータ同期化モジュール40を備える。
【0122】
受信モジュール10は、サーバーから送信される第1の時間マークが付加された命令データである、ロボットが、第1の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように、制御するための第1の命令データを受信する。
【0123】
制御装置判断モジュール20は、受信モジュール10が受信した第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断する。
【0124】
期限満了命令データ分析モジュール30は、制御装置判断モジュール20によって第1の時間マークの期限が切れていると検出される場合、期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データである、ロボットが、第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御するための第2の命令データを受信するまで、サーバーから再送信される命令データを受信する。
【0125】
データ同期化モジュール40は、期限満了命令データ分析モジュール30によって分析された第2の命令データに基づいて、ロボットが、第2の時間マークに対応される時間に対応される動作を実行するように制御することで、ロボットとサーバー1から送信される命令データとの間の同期化を実現する。
【0126】
ここで、上記の第1の命令データ及び第2の命令データは、サーバーが対応されるロボットに送信する一つの瞬間的な動作の実行制御命令であってもよく、走行情報を含む一連の実行制御命令であってもよい。ここで、前記の走行情報は、直進、左回転、右回転などの対応される動作情報を含む。
【0127】
上記の期限満了命令データ分析モジュール30は、受信された期限が切れている第1の時間マークが付加された第1の命令データに対する制御装置の更なる処理を実現するために、図8を参照すると、第1の応答命令送信ユニット301及び第2の命令データ受信ユニット302を備える。
【0128】
第1の応答命令送信ユニット301は、制御装置判断モジュール20によって第1の時間マークの期限が切れていると検出される場合、サーバー1に時間マークの期限がきれていることを表す第1の応答命令を送信して、サーバーが第1の応答命令に対応する命令データをフィードバックするようにする。
【0129】
第2の命令データ受信ユニット302は、サーバーから再送信される期限が切れていない第2の時間マークが付加された命令データである、サーバーによって、ロボットの位置情報、方向情報及びインタラクション情報のような状態情報の中の少なくとも一つ以上を含むロボットの現在状態に基づいて生成した第2の命令データを受信する。
【0130】
本発明による実施例において提供する制御装置は、上記の期限満了命令データ分析モジュール30に対応して、図9を参照すると、第2の応答命令送信ユニット501及び第3の命令データ受信ユニット502を有する、期限が切れていない命令データを分析するための期限未満了命令データ分析モジュール50をさらに備える。
【0131】
第2の応答命令送信ユニット501は、制御装置判断モジュール20によって第1の時間マークの期限が切れていないと検出される場合、サーバーに時間マークの期限が切れていないことを表す第2の応答命令を送信する。第3の命令データ受信ユニット502は、予定間隔をあけて、サーバーから送信される、第2の応答命令送信ユニット501が送信した第2の応答命令に対応される命令データであり、サーバーから送信される、第3の時間マークが付加された命令データである、ロボットが、第3の時間マークに対応される時間に第1の命令データ対応される実行動作の次の動作を実行するように、制御するための第3の命令データを受信する。
【0132】
本発明の実施例によって提供される制御装置は、ネットワーク転送方法において、関連する命令データを適用する時の最適な性能を確保するために、一つのネットワークを介して通信するロボット及びサーバーに対して、正確な時間同期化を定期的に実行する。本発明の実施例によって提供される上記の制御装置の制御装置判断モジュール20は、上記の時間同期化によって、第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断し、図10を参照すると、第1の時間マーク取得ユニット201、第1の時間マーク判断ユニット202、期間満了判断ユニット203と期間未満了判断ユニット204を備える。
【0133】
第1の時間マーク取得ユニット201は、受信モジュール10によって受信された第1の命令データの中の第1の時間マークを取得する。
【0134】
第1の時間マーク判断ユニット202は、第1の時間マーク取得ユニット201によって取得された第1の時間マークが、サーバーの表示時間と同期化されているロボットの表示時間より大きいか否かを判断する。
【0135】
期間満了判断ユニット203は、第1の時間マーク判断ユニット202によって第1の命令データの中の第1の時間マークがロボットの表示時間より小さいと判断される場合、第1の時間マークの期限が切れていると判断する。
【0136】
期間未満了判断ユニット204は、第1の時間マーク判断ユニット202によって第1の命令データの中の第1の時間マークがロボットの表示時間より大きいと判断される場合、第1の時間マークの期限が切れていないと判断する。
【0137】
本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化システムは、サーバーにより、ロボットにサーバーの現在の時間情報を含む時報命令を送信し、ロボットにより、サーバーから送信される時報命令を受信して、ロボットとサーバーとの間の時間を同期化させることで、WIFIネットワーク通信方式を使用するため、ネットワークの信号の安定性が低下し、干渉を受けやすく、ロボットとサーバーの命令とが非同期化されている従来技術のロボット遠隔制御方法と比較すると、制御装置によって、サーバーから送信される第1の命令データの中の第1の時間マークの期限が切れているか否かを判断し、期限が切れている場合には、期限が切れていない第2の時間マークが付加された第2の命令データを受信するまで、サーバーから再送信される命令データを再受信して、ロボットが、サーバーに設定された所定時間と同期化されて、当該時間に対応される所定動作を実行するように確保することで、ロボットの作業効率とロボット同士の間の協働作業能力を向上させた。
【0138】
本発明の実施例によって提供されるロボットとサーバーとの間の同期化方法を実行するためのコンピュータプログラム製品は、プログラムコード(Program code)を保存したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。前記プログラムコードに含まれる命令は、前記の方法実施例の中の前記の方法を実行するためのものであり、具体的な実現は方法実施例を参考すればよく、ここで繰り返して説明しない。
【0139】
本技術分野の通常の技術者は、説明の便宜と簡潔化のために、上記のシステム、デバイス及びユニットの具体的な作業方法は、前記の実施例に対応されるながれを参照すればよく、繰り返して説明しないことを理解すべきである。
【0140】
本出願で提供されたいくつかの実施例にて開示されたシステム、装置及び方法は、他の方法で実現できることを知るべきである。前記の装置実施例は、ただ例示にすぎず、例えば、前記ユニットに区画されたが、これはただロジック機能上の区画に過ぎず、実際に実現する時、他の区画方法によって行われてもよい。また、例えば、複数のユニットまたはアセンブリは、他のシステムに結合されるかまたは集積されてもよく、またはいくつかの特徴を無視しても、実行しなくてもよい。また、表示とか検討されている接続、直接接続または通信接続は、いくつかの通信ポート、デバイスまたはユニットを介して間接的に接続または通信接続であってもよく、電気、機械またはその他の形式であってもよい。
【0141】
前記分離可能な構成要素として説明したユニットは、物理的に分離してもよく、分離しなくてもよい。ユニットとして示された構成要素は、物理単位であってもよく、なくてもよい。つまり、一個所に位置してもよく、または複数のネットワークユニットに分布されてもよい。実際の需要に応じて、その中の一部または全部のユニットを選択して、本実施例の方法の目的を実現することができる。
【0142】
一方、本発明の各実施例中の各機能ユニットは、一つの処理装置に集積されてもよく、各ユニットは、独立した物理的な存在であってもよく、二つ以上のユニットが一つのユニットに集積されてもよい。
【0143】
前記の機能が、ソフトウェアの機能ユニットに実現され、独立した製品として販売または使用する場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に保存することができる。このような理解に基づいた場合、本発明の技術案の実質的な部分または従来技術に対して貢献する部分又は当該技術案の一部は、ソフトウェア製品に実現されることができる。当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に保存され、複数個命令を含み、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバーまたはネットワークデバイスなどであっもてよい)が、本発明の各実施例の前記方法の全部または一部のステップを実行するようにする。上記の記憶媒体はUSBメモリ、外付けハードディスク、読み取り専用記憶装置(ROM、Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスクなどのプログラムコードを保存できるさまざまな媒体を含む。
【0144】
前記説明したのは、ただ本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲は、これに限定されない。本技術分野の通常の技術者は、本発明に開示された技術の範囲内で変更または置換を容易に考えることができ、このような変更または置換は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。したがって、本発明の保護範囲は、前記の特許請求の範囲の保護範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0145】
1…サーバー、2…ロボット、10…受信モジュール、20…制御装置判断モジュール、30…期限満了命令データ分析モジュール、40…データ同期モジュール、50…期限未満了命令データ分析モジュール、201…第1の時間マーク取得ユニット、202…第1の時間マーク判断ユニット、 203…期間満了判断ユニット、204…期間未満了判断ユニット、301…第1の応答命令送信ユニット、302…第2の命令データ受信ユニット、501…第2の応答命令送信ユニット、502…第3の命令データ受信ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10