特許6594668IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

透光板

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、記載された透光板は、セラミック被膜(無機薄膜)をハードコート層としている。自動車用樹脂ガラスなどの用途では、耐摩耗性、耐擦傷性などの機械的性能と、光透過性、着色などの光学的性能の要求があり、使用できるセラミックコートの材質は自ずと限定される。
本発明では、前記課題を鑑み、耐摩耗性、耐擦傷性などの機械的性能と、光透過性、着色などの光学的性能に優れた、セラミック被膜を有する透光板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

前記課題を解決するための本発明の透光板の解決手段は、透光性の基材と前記基材上に形成されたセラミック被膜とからなる透光板であって、前記セラミック被膜は、互いに結合しあう炭素と、互いに結合しあうケイ素と酸素と、からなる非晶質のセラミック被膜である。
【発明の効果】
本発明の透光板は、セラミック被膜を構成する元素に炭素とケイ素とを有している。周期律表第14属元素である炭素およびケイ素は、4つの価電子を有しているので4つの共有結合により網状の骨格を形成することができ、強固なセラミック被膜を形成することができる。
炭素どうしが単結合で結合すると、結晶の場合ダイヤモンドとなり、非晶質の場合ダイヤモンドライクカーボンとなる。いずれも強固な素材である。
一方、ケイ素は、炭素ほど互いに強固に結合できず、ケイ素の結晶は一部の結合が切断され、自由電子ができることによって金属光沢を有しているのでケイ素の被膜は光透過性に劣っている。しかしながら、ケイ素の結合間に、酸素を導入することによって光透過性を確保することができる。酸素はケイ素との結合力が強く、ケイ素原子の間に介在し、Si−O−Siの結合を形成することによって、強固で、無色透明なセラミック被膜を得ることができる。 一般にケイ素と炭素との関係において、ケイ素と炭素とが結合すると、可視光領域の吸収が大きくなる。本発明の透光板のセラミック被膜は、互いに結合しあう炭素と、互いに結合しあうケイ素と酸素と、からなり、炭素とケイ素との結合がないため、可視光領域の吸収は少なく、光透過率の高い透光板を提供することができる。
このため、耐摩耗性、耐擦傷性などの機械的性能と、光透過性、着色などの光学的性能に優れた、セラミック被膜を有する透光板を提供することができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】本発明の実施の形態の透光板の製造方法であって、SiCのターゲットを用い、基材上にSi−C結合を形成する臨界出力より小さい出力でセラミック被膜をPVD法で形成する製造方法の説明図であり、(a)はPVD工程を示し、(b)はPVD工程後に大気開放したあとの透光板を示す。

【図2】本発明の透光板の製造方法とは異なる透光板の製造方法の説明図であり、SiCのターゲットを用い、基材上にSi−C結合を形成する臨界出力以上の出力でセラミック被膜をPVD法で形成する製造方法の説明図であり、(a)はPVD工程を示し、(b)はPVD工程後に大気開放したあとの透光板を示す。

【図3】本発明の透光板の製造方法とは異なる透光板の製造方法であって、SiCの原料ガスを用いプラズマCVD法でセラミック被膜を形成する製造方法の説明図である。

【図4】本発明の透光板の製造方法とは異なる透光板の製造方法であって、ゾルゲル法を用い、シリカからなるセラミック被膜を形成する製造方法の説明図である。

【図5】本発明の実施例1の透光板のセラミック被膜のXPS法による深さ方向への元素の含有量の分析結果である。

【図6】本発明の実施例1の透光板のセラミック被膜部分のFE−TEMによる拡大写真である。

【図7】本発明の実施例1の透光板のセラミック被膜部分のFE−TEMによる極微電子線回折測定の解析結果である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

10 基材   21、22、23、24 セラミック被膜   31、32 ターゲット   44 前駆体   101、102、103、104 透光板

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