(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの外部感知素子は、電光センサ、歪みセンサ、磨耗センサ、湿気センサ、pHセンサ、圧力センサ、湿度センサ、ガスセンサ、品質センサ、位置センサ、振動センサのうちの1つ又は複数を含む、
請求項17に記載のパッシブRFIDセンサタグ。
【背景技術】
【0002】
センサは、測定した量を読み取り可能な形式に、典型的には電気信号に変換する装置である。今日では、任意の測定目的に利用可能な実質的なセンサが市販されている。接続形態に従って、センサは、無線及び有線センサに分けることができる。有線センサは、ワイヤーハーネスを介して接続され、又はアセンブリを読取装置にケーブル接続する。無線センサは、センサに対する物理的な接続無しに読み取ることができ、大抵の場合、センサに無線送信機を設置することによって実現される。送信された無線信号は、受信機によって読み取られ、この無線信号が所望の出力に変換される。無線操作は、例えば、(温度、圧力等の)過酷な作動条件、回転部品、又は配線を行うコスト及び複雑性のために有線接続が困難である多くの用途で有益である。しかしながら、無線センサは、バッテリーによる限られた寿命、減衰や干渉による制限された読取距離、信号の制御不能な伝播によるセキュリティの問題、及び潜在的に低速の通信等のいくつかの欠点も有する。電源及び通信の原理に基づいて、無線センサは、次の3つのカテゴリ:アクティブセンサ、セミパッシブセンサ、及びパッシブセンサに分けることができる。
【0003】
アクティブ無線センサは、通常、無線トランシーバと、このトランシーバに電力を供給するために使用される搭載バッテリーとの両方を有する。それ自体の電源を有するアクティブ無線センサは、強力な送信機及び感度の高い受信機を使用することができる。しかしながら、搭載されたバッテリーは、寿命が限定されるものであり、またサイズ及び重量を増加させる。より複雑な回路によって、アクティブセンサの価格は、パッシブセンサの価格よりもはるかに高くなり得る。
【0004】
セミパッシブ無線センサは、無線トランシーバを含まないが、バッテリーを装備している。バッテリーは、集積回路(IC)に電力を供給するために使用され、センサが読取装置から独立して作動する、又はセンサのメモリのデータを維持するのを可能にする。セミパッシブによるバッテリー補助を受けたセンサは、通信に変調後方散乱技術を利用する。これは、セミパッシブセンサが、送信するために搭載バッテリーからの電力を必要としないが、このセンサは、単に読取装置によって放射される電力の一部を反射することを意味する。
【0005】
アクティブ及びセミパッシブセンサとは異なり、パッシブセンサは、搭載バッテリーを必要としない。従って、それらパッシブセンサは、複雑性が低く、より小さく、より安価にすることができ、且つそのセンサの寿命は、電源によって制限されない。パッシブ無線センサの典型的な読取距離は、10センチメートル(cm)〜3メートル(m)の間である。パッシブ無線センサは、次の4つの主なカテゴリ:無線周波数認識(RFID)タグ、電気共振回路センサ、表面弾性波(SAW)、並びに高調波センサ及び相互変調センサに分けることができる。
【0006】
RFIDは、タグと読取機との間の通信に電波を使用する識別技術であり、このRFIDは、品物を識別するために使用される。光学式のバーコード識別に対するRFIDのいくつかの利点として、読取装置とタグとの間の見通し線を必要としない、及びRFID読取機は、一度に何百ものタグを読み取ることもできる等がある。パッシブRFIDタグは、
図1に示される変調後方散乱通信の原理を利用する。タグ10がRFID読取機11と通信するときに、そのタグが受信した信号12を変調し、その変調信号13の一部を読取機に反射する。典型的なパッシブタグは、特定用途のマイクロチップに接続されたアンテナから構成される。RFIDトランシーバ又は読取機によって無線で問い合わせされたときに、RFIDタグのアンテナは、RFID読取機からの電力及びRF信号を受信し、それら電力及びRF信号をチップに供給する。チップは、この信号を処理して、要求されたデータをRFID読取機に返信する。後方散乱信号は、送信されるデータに従って変調される。RFIDの最も高い作動周波数及び読取距離は、集積回路(IC)のための整流電力によって制限され、それぞれ、数GHz及び5〜10mである。
【0007】
RFIDは、識別を行うために主に使用される。RFIDタグには、RFIDタグの再利用機能を可能にする書き換え可能なメモリが装備されているが、それらRFIDタグは、外部量(external quantities)を測定するのに有用ではない。RFIDは、外部センサ及びこの外部センサを読み取るためのデジタルロジックをRFIDタグに装備することにより、感知に適しているように示されている。この手法の利点は、汎用のセンサ素子を使用し、極めて広範な用途に十分に適しているということである。しかしながら、この手法では、センサの読取りを可能にするために、追加のA/D変換器及びデジタル回路を含める必要がある。追加の電子機器による消費電力の増大によって、読取範囲がかなり減少する(例えば、8ビットA/D変換器で5m〜0.3m)。追加のセンサ素子によって、消費電力がさらに増大する。A/D変換器及び追加のデジタル回路の実装に関する考慮事項は、[1]で説明されている。([1]:Chapter 9 “Smart RFID Tags”, in the book “Development and Implementation of RFID Technology”, ISBN 978-3-902613-54-7, February 2009, I-Tech, Vienna, Austria.
http://www.intechopen.com/books/development_and_implementation_of_rfid_technology)。
【0008】
米国特許出願公開第2013/0099897号明細書は、RFID読取機、RFIDチップ、及びこのRFIDチップに電気的に結合されたアンテナを開示しており、RFID読取機から信号を受信し、信号をRFID読取機に送信するように構成される。RFIDチップには、感知材料への電気的なインターフェイスが設けられている。RFIDチップは、読取機から受信した信号を変調し、この変調された信号を用いて感知材料を駆動するように構成される。感知材料は、可変の電気的特性を有しており、それによって、後方散乱変調信号は、感知材料の状態に従って変化する。感知材料の性質によらず、その感知材料は、RFIDチップからの変調信号と相互作用し、この信号をRFIDチップに返す。帰還信号は、RFIDチップから後方散乱変調器を介してアンテナに渡され、次にRFID読取機に返信される。あるいはまた、感知材料によって処理された信号は、RFIDチップの入力インピーダンスを変調するために使用され、RFIDチップからの信号は、感知材料の状態を決定するためにアンテナによってRFID読取機に後方散乱される。
【0009】
米国特許出願公開第2011/0301903号明細書は、製造業者での追加の較正ステップというよりもむしろその使用中に、トランスポンダのセンサ、例えばRFIDタグのセンサを較正することを提案しており、こうして、関連するコストを節約する。センサによって監視される多くの製品の初期条件は、十分に規定され、その製品の製造業者にとって既知となる。このような初期条件の例としては、以下の:製品が、製造から出荷までの間に保管される冷蔵倉庫内の温度;牛乳やワイン等の液体のpH値;制御された環境条件下で梱包されたコンテナ内のガスの組成等;が挙げられる。これらの明確に規定された条件は、センサ較正のための基準として使用することができる。従って、この発明では、センサは、それ自体がセンサの運用用途の様々な環境の特徴である基準に対して較正される。
【0010】
Chen et al, Coupling Passive Sensors to UHF RFID Tags, Radio and Wireless Symposium(RWS), 2012 IEEE, 15-18 Jan. 2012, Santa Clara, 255-258は、新たなタグASICを設計することなく、パッシブセンサデータを既存のUHF帯RFIDタグに結合する可能性について検討している。既存のUHF帯RFIDシステムは、タグアンテナに結合ループを重ねるとともに後方散乱ベクトルを変調することによって、追加のデータを伝達するために使用することができる。センサデータを搬送するようなパッシブセンサのインピーダンスは、振幅の値及び後方散乱の位相に影響を与える。パッシブセンサデータの送信のために、パッシブセンサの結合モジュールの負荷(load)は、2つの基準インピーダンス又はパッシブセンサのうちの1つに接続を提供するようにこれらの3つの負荷の間で切り替えられる。2つの基準インピーダンスを用いて、パッシブセンサのインピーダンスが決定される。
【0011】
Guerin et al., A temperature and gas sensor integrated on a 915MHz RFID UHF tag, Wireless Information Technology and Systems (IC-WITS), 2010 IEEE International Conference, Honolulu, Aug. 28 2010-Sep. 3 2010は、変調後方散乱の原理を利用したパッシブ無線センサを開示する。変調信号は、制御電圧、従って出力周波数が、センサ値の関数によって変化するように構成される電圧制御発振器によって生成される。
【0012】
同時係属中のPCT/FI2013/051214は、パッシブ無線センサの急激に増大した読取距離を可能にするようなパッシブ無線センサ設計を開示する。変調信号が、発振回路の一部としてセンサ素子を含むような発振回路によって生成され、それによって、変調周波数は、センサ素子の感知した値に依存する。こうして、センサ値は、AD変換にエネルギーを消費することなく且つ最小数の追加の構成要素を用いて生成された変調アナログ信号の周波数に変換される。その結果、読取距離は、数メートルまで、部屋スケールまで増大するのが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
短い読取距離によって、読取機の読取範囲内にある複数のパッシブ無線センサタグを管理する必要が無かった。現在利用可能な全てのパッシブ無線センサは、専用の読取機で使用可能な単一目的のセンサである。
【0014】
(クラス1標準 第2世代 衝突防止等の)UHF帯RFID技術は、複数の無線タグの読取りに関する殆どの問題に取り組んできた。しかしながら、リモートセンサを考える必要が無かったので、全てのRFIDソリューションは、例えば、センサ値変換、温度補償、又は較正の問題をやり過ごしてきた。
【0015】
そのため、様々なセンサ特性を有する複数のパッシブ無線センサを管理し且つ読み取るための方法、ルーチン及び構成を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様は、パッシブRFIDセンサタグの精度向上及び読取範囲の向上である。
【0017】
本発明の一態様は、添付の独立請求項に従った集積型パッシブ無線周波数認識(RFID)トランスポンダチップである。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に開示される。
【0018】
本発明の態様は、集積型パッシブ無線周波数認識(RFID)トランスポンダチップであり、当該チップは:
このチップが受信した無線周波数(RF)信号から電力を生成する整流器と;
後方散乱原理を用いて通信する後方散乱変調器と;
後方散乱変調周波数を生成するタグ発振器と;
基準負荷、好ましくは基準共振器と;
タグ発振器に負荷を与えるために、基準負荷、若しくは内部又は外部共振器及び外部感知素子の少なくとも1つのペアのいずれかを選択的に接続する選択手段であって、各外部感知素子は、所定の変数を感知する、選択手段と;を備えており、
タグ発振器は、タグ発振器に負荷を与えるために基準負荷を接続したときに、それぞれのRFIDシステムについて規定された公称の後方散乱変調周波数のいずれかを生成することが可能であり、
タグ発振器は、タグ発振器に負荷を与えるために内部又は外部共振器及び外部感知素子の少なくとも1つのペアを接続したときに、公称の後方散乱変調周波数の所定の1つを生成するように構成される。
【0019】
本発明の別の態様は、集積型パッシブ無線周波数識別(RFID)トランスポンダチップであり、当該チップは:
チップが受信した無線周波数(RF)信号から電力を生成する整流器と;
後方散乱原理を用いて通信する後方散乱変調器と;
タグ発振器であって、このタグ発振器に負荷を与えるために、少なくとも1つの外部感知素子、或いは内部又は外部共振器及び外部感知素子の少なくとも1つのペアを接続したときに、それぞれのRFIDシステムについて規定された公称の後方散乱変調周波数の所定の1つを生成するように構成された、タグ発振器と;
それぞれのRFIDシステムについて規定された公称の後方散乱変調周波数のいずれかを生成可能である基準発振器と;
後方散乱変調周波数を後方散乱変調器に提供するために、基準発振器又はタグ発振器のいずれかを選択するための選択手段と;を備える。
【0020】
一実施形態では、タグ発振器の後方散乱変調周波数は、所定の変数の感知した値に依存して、公称の後方散乱変調周波数の所定の1つの許容周波数誤差範囲内で変化するように構成される。
【0021】
一実施形態では、トランスポンダチップは、少なくとも1つの外部感知素子、及び/又は外部感知素子及び外部共振器の少なくとも1つのペアを接続可能な接触端子を含む。
【0022】
実施形態では、トランスポンダチップは、外部感知素子及び外部LC共振器の少なくとも1つのペアを接続可能な接触端子を含む。
【0023】
一実施形態では、外部共振器及び外部感知素子のペアと組み合わされるタグ発振器は、LC発振器である。
【0024】
一実施形態では、トランスポンダチップは、内部共振器及び外部感知素子のペアを形成するために、外部感知素子を接続可能な内部共振器及び接触端子を含む。
【0025】
一実施形態では、トランスポンダチップは、内部共振器及び外部センサ素子のペアを形成するために、外部容量性感知素子を接続可能な内部共振器及び接触端子を含む。
【0026】
一実施形態では、内部共振器及び外部センサ素子のペアと組み合わされるタグ発振器は、RC発振器である。
【0027】
一実施形態では、基準負荷と組み合わされるタグ発振器は、RC発振器である。
【0028】
一実施形態では、基準荷重と組み合わされるタグ発振器の後方散乱変調周波数は、所定の温度−周波数の相関関係を有するように構成される。
【0029】
一実施形態では、基準負荷は、共振器、又は温度センサ、又はこれらの組合せである。
【0030】
一実施形態では、基準発振器の後方散乱変調周波数は、所定の温度−周波数の相関関係を有するように構成される。
【0031】
一実施形態では、トランスポンダチップは、長期間に亘って受信したRF信号から多くのエネルギー量を取り入れ且つ蓄えるための追加のエネルギー蓄積装置、好ましくは大容量のコンデンサを含む。
【0032】
一実施形態では、トランスポンダチップは、内部アンテナ及び/又は外部アンテナを接続可能な接触端子である。
【0033】
一実施形態では、公称の後方散乱変調周波数は、640kHz、320kHz、256kHz、及び40kHzのうちの1つ又は複数を含む。
【0034】
本発明の一態様は、パッシブRFIDセンサタグであり、当該センサタグは:
キャリア要素と;
キャリア要素に取り付けられたトランスポンダチップと;
キャリア要素に取り付けられるとともにトランスポンダチップの接触端子に電気的に接続された、少なくとも1つの外部センサ素子及び/又は少なくとも1つの外部共振器と;を備える。
【0035】
一実施形態では、パッシブRFIDセンサタグは、キャリア要素に取り付けられるとともにトランスポンダチップに電気的に接続された外部アンテナをさらに含む。
【0036】
一実施形態では、少なくとも1つの外部共振器は、LC共振器、MEMS(微小電気機械システム)共振器、SAW(弾性表面波)共振器、BAW(バルク音響波)共振器のうちの1つ又は複数を含む。
【0037】
一実施形態では、少なくとも1つの外部感知素子は、電光センサ、歪みセンサ、磨耗センサ、湿気センサ、pHセンサ、圧力センサ、湿度センサ、ガスセンサ、品質センサ、位置センサ、振動センサのうちの1つ又は複数を含む。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、本発明について、図面を参照しながら好ましい実施形態を用いてより詳細に説明する。
【0040】
図1を参照すると、RFIDシステムは、典型的には、2つの基本的な構成要素:識別される対象物に設置される又は測定点に設置されるRFIDトランスポンダ又はタグ10と;RFIDタグの問合せを実行するRFID問合せ装置又は読取機11と;を含む。パッシブRFIDシステムでは、RFID読取機11は、タグが読取機の問合せ信号の変調を実行するために不可欠な電力をタグ10に供給する。RFIDセンサタグの場合には、RFIDタグ10のための電力及び媒体を提供してデータを操作し且つ送信することに加えて、RFID読取機11は、殆どの場合に搬送信号の変調として実施されるデータ送信をタグ10に向けて実行することができる。
【0041】
図2Aは、無線周波数認識(RFID)タグの構造の更なる例を示す機能ブロック図を示す。示される例において、RFIDタグ10は、RFID読取機11と通信するタグのフロントエンドのインピーダンスに直接的に整合する(整合回路が示されていない)アンテナ21と;RF電力を直流(DC)に変換する整流回路22、クロック発生器又は発振器23、後方散乱変調器24、及び復調器25を典型的に含むアナログRFフロントエンドと;を有することができる。クロック発生器23は、方形波クロック又はタグ用のクロックを提供することもできる。従来のRFIDタグでは、発振器がタグに存在しない場合に、クロック発生器23は、例えば分周回路によって、受信したRF周波数からクロックを生成することができる。問合せコマンドを処理し、衝突防止プロトコルを実行し、データの整合性チェックを実行し、メモリの読出し及び書換え動作を実行し、出力制御及びデータフローを実行等するような所望の機能を提供するように構成されたロジック部分又はデジタル制御モジュール26も存在する。ロジックの実装は、通常、規定された規格及び特定の関連するプロトコルに従う。さらに、メモリ記憶装置27を設けてもよい。読出し/書換えの両方の機能が実装される場合に、ユーザの要求に応じて、不揮発性メモリ記憶装置を必要としてもよい。
【0042】
上述したように、パッシブRFIDタグは、通信するために変調後方散乱の原理を利用する。タグが読取機から送信されたRF CW信号で照射されるときに、タグは、受信した信号を変調して、その信号の一部を読取機に反射する。RFIDセンサは、読取機11から送信された無線周波数(RF)の搬送波(CW)信号を用いて作動される。最初に、RF信号は、整流器22によって直流電圧に変換される。整流された電圧によって、発振器23の電源が投入され、この発振器は、低周波正弦波信号f
OSCをその出力部に生成する。最後に、発振信号f
OSCは、後方散乱の原理を実現するために後方散乱変調器24に供給される。変調器24は、信号を変調して、それら信号をアンテナ21と整流器22/変調器24との間の整合に応じて、アンテナに再び戻す。結果として、
図3Aに示されるように、センサから後方散乱された信号に側波帯又は副搬送波、f
CW−f
OSC及びf
CW+f
OSCが存在する。f
CW及びf
OSCは、それぞれ、搬送周波数及び発振周波数を表す。側波帯又は副搬送波は、発振周波数f
OSCだけ搬送周波数f
CWからオフセットされる。発振周波数f
OSCは、後方散乱変調周波数又は副搬送波周波数とも呼称される。
【0043】
クロック周波数発生23は、その周波数が感知した値に依存するような発振器を用いて実現することができる。これによって、RFIDの高度な機能及びAD変換を用いずに外部量を測定することが可能になる。例示的な実施形態では、(例えば、
図2Aの感知素子32によって示されるような)感知素子は、タグ発振器の発振回路の基本部分となるように構成され、それによって、発振器から出力される変調周波数は、感知した値に依存する、すなわち、感知した量の数値範囲が、発振周波数範囲にマッピングされる。これによって、追加部品の電力消費を実質的に無しで外部量を測定する可能性、及び読取距離を低下させることなく外部量を測定する可能性が有効になる。この概念は、既存のRFIDタグにも互換性がある。適用可能な発振器の例としては、RC発振器、リング発振器、LC発振器、RLC発振器、或いはMEMS(微小電気機械システム)、SAW(表面弾性波)発振器、及びBAW(バルク弾性波)共振器ベースの発振器等の任意の共振器ベースの発振器が挙げられる。RC発振器の利点は、より高い電力消費を有するが、そのRC発振器を統合することができることであるが、こうして、読取距離は、例えばLC発振器又はRLC発振器に比べて小さくなる。
【0044】
本発明は、特定の種類のRFIDセンサタグ、又はセンサタグによって後方散乱された信号の変調周波数を変化させる特定の方法に限定することを意図するものではないことを理解されたい。しかしながら、本発明の実施形態は、タグの変調周波数発振器が、発振周波数を調整する感知素子が直接的に負荷(load)される用途において特に有利である、すなわち、感知素子は、発振器の作動部分である。
【0045】
図2Bは、本発明の第1の態様に従ったパッシブ無線センサタグの例示的なレイアウトを示す。無線センサを、単一の半導体基板(例えば、シリコン基板)又はチップ36上に形成してもよい。装置の製造価格が、基板36上の装置のサイズに比例するので、装置のサイズを最小限に抑えることが望ましい。一例では、このサイズは、約1ミリメートル(mm)×2.5mmである。無線センサタグは、通常のRFID回路及び(整流器/変調器/復調器24/25、ロジック26、及びメモリ27等の)機能だけでなく、他の例示的な実施形態で説明するような、センサ負荷(loaded)クロック発生器又は発振器23を含むことができる。回路が受信したRF電力から適切な作動電圧(複数可)を生成するための(整流器22等の)電源35も存在してよい。長期間に亘って受信したRF電力から多くのエネルギー量を取り入れる及び蓄えるための(大容量のコンデンサ等の)追加のエネルギー蓄積装置35Aも存在してよい。容量の大きなエネルギー蓄積装置35Aを、例えばガスセンサ等の消費電力の高いセンサ素子のために必要としてもよい。
【0046】
センサ素子32を、発振器23に統合してもよく、又はそのセンサ素子は、発振器の一部として作動するように接続された別個の素子であってもよい。
図2Bに示される例示的なレイアウトでは、センサ素子32は、ダイ37とは異なる別個のダイ38に製造され、無線センサタグ10の他の構成要素は、ダイ37に形成される。センサ素子32の製造技術について、1つのセンサ素子のタイプから別のタイプに変更してもよい。センサ素子32は、全てのセンサ素子のタイプについて実質的に同じであり得る、無線センサタグの他の構成要素の製造技術及び要件による制約無しに、設計及び製造することができる。
【0047】
破線で示されるように、別個の共振素子が必要とされる場合に、必要に応じて、発振器23の共振部分31が存在してもよい。共振器31は、問題となる特定のセンサ素子32と一緒に作動するように設計且つ調整することができる。共振器31及びセンサ素子32の各ペアについて別個のダイを有することによって、最適な感知機能及び最適な精度だけでなく、共振器及びセンサ素子の最適なサイズも可能になる。異なる測定量のためのパッシブ無線センサは、共振器31及びセンサ素子32の様々に調整されたペアを形成することによって容易に提供することができる。また、容量の大きなエネルギー蓄積装置35A等の他のセンサ素子に特有の構成要素又は構造は、センサ素子32と一緒にダイ38に形成してもよい(このエネルギー蓄積装置は、追加のエネルギーを必要としないセンサタグのサイズ及び価格を節約するために基本的な構成要素ダイ37から省くことができる)。
【0048】
RFID仕様は、典型的には、例えばISO18000−6C規格が40〜640kHzの変調周波数範囲を規定するように、RFIDタグが、RFIDシステムの変調周波数範囲の全体をサポートしなければならないことを要求する。換言すれば、RFIDタグは、規定された周波数範囲内の変調周波数において読取機の信号に応答しなければならない。しかしながら、このような広範な周波数範囲をサポートすることと、感知素子によって後方散乱信号の発振周波数を変化させることにより、正確な感知データ送信を提供することの両方は、発振器23にとって困難となる。共振器31及び負荷(loading)感知素子32を含む発振器23は、256kHz±10%=226〜281kHz等の特定の共振周波数又は振動周波数範囲において狭い周波数範囲内で作動するように最適化される。こうして、タグ10の発振器23について相反する要件が存在する。
【0049】
本発明の一態様によれば、パッシブ無線センサタグは、好ましくはダイ37に形成される基準発振器23
−ref等の基準発振器、或いは共振器31
−ref又は基準センサ32
−ref等の基準負荷も含むこともできる。発振器23は、1つずつ、基準負荷31
−ref/32
−ref及び共振器又は複数の共振器31、若しくはセンサ又は複数のセンサ32に選択的に接続可能である。基準負荷31
−ref/32
−refは、発振器23及び基準負荷31
−ref/32
−refの組合せが、関連するRFIDの仕様によって必要とされる広範な発振周波数範囲に亘ってn個の動作の要件を満たすようなRFIDタグ動作を提供するように実装且つ構成することができる。発振器23及び基準負荷31
−ref/32
−refの組合せは、例えば集積チップ上に容易に集積することができるRC発振器又はリング発振器として実装することができる。基準負荷31
−ref/32
−refは、基準共振器21
−refと温度センサ等の関連するセンサとの両方を含むことができる。発振器23及び基準負荷31
−ref/32
−refの組合せは、読取機11が、読取範囲内にあるパッシブ無線センサタグの物品リスト(inventory)を作成し、センサタグに特有の情報を収集するときに、読取機11との初期通信中に、例えば較正手順の間に、使用することができる。発振器23及び基準負荷31
−ref/32
−refの組合せは、この目的のために最適化されており、タグが、読取機によって使用される任意の発振搬送周波数f
OSCにおいて読取機のコマンドに適切に反応するのを可能にする。実際の共振器又は共振器31及びセンサ又はセンサ32は、感知するために構成される又は最適化され、従って、読取機11との初期通信又はハンドシェイク(応答確認)にあまり適していないことがある。同様のことが、センサ特有の共振器31にも当てはまる。従って、例えば、初期通信の後で、パッシブ無線センサタグ10が実際のセンサ値を送信するように準備が整い及び/又は命令されたときに、感知した値のみを伝達するために、発振器23と一緒に実際のセンサ又は複数のセンサ32若しくは共振器又は複数の共振器31を使用することが有利である。
【0050】
一実施形態では、基準発振器23
−refは、発振器23に加えて設けることができる。基準発振器23
−refは、上述した発振器23及び基準負荷31
−ref/32
−refの組合せについて説明したように、同様の方法でRFIDの仕様を満たすように、発振器23の代わりに作動するように構成することができる。しかしながら、基準負荷31
−ref/32
−ref及び実際の共振器(複数可)31又はセンサ(複数可)32に選択的に接続可能な1つの発振器23を使用することは、RFIDチップの小型化及び製造コストの低減につながる。
【0051】
上述したように、従来のRFIDセンサタグは、例えば、二位相シフトキーイング(BPSK)又は振幅シフトキーイング(ASK)を用いて、(許容範囲内の)固定発振周波数副搬送波で変調されたデジタル値としてセンサ測定データを伝送する。こうして、温度による発振周波数のドリフトの可能性は、送信されたセンサ値には影響を与えない。例えば、米国特許出願公開第2011/0301903号明細書に提案されるように、圧力センサ等の感知素子自体のみは、製造又は使用中に較正を必要とすることがある。
【0052】
本発明の実施形態では、発振周波数f
OSCは、その周波数が圧力等の感知した値に依存し変化する発振器で生成される。圧力値等の感知した値の変化は、発振周波数f
OSCの変化を引き起こす。発振周波数が、発振器23の温度依存性に起因してドリフト又は変動する場合に、受信した発振周波数にエラーが存在し、それによって読取機によって感知した感知値にエラーが存在する。こうして、精度の観点から、実際に感知した量の変化に起因する発振周波数の変動と、発振器の発振温度依存性に起因する発振周波数の変動とを区別することが重要である。変調周波数f
OSCの温度依存性の一例が、
図3Bに示され、以下で説明する。
【0053】
従って、本発明の更なる態様によれば、基準発振器23
−ref又は基準負荷31
−ref/32
−refは、代替手段として又は他の用途に加えて、温度補償のために使用することができる。例えば、基準負荷31
−ref/32
−refと一緒に使用される発振器23の発振周波数f
OSCの温度依存性は、事前に規定される又は既知であり、それによって、パッシブ無線センサタグの温度は、発振周波数f
OSCが温度によってのみ影響されるので、発振器23の発振周波数f
OSCから決定することができる。読取機11は、次に、実際の共振器31、実際のセンサ32、又は共振器31及びセンサ素子32のペアと一緒に使用するときに、温度補償及び/又はタグの較正、具体的には発振器23の発振周波数f
OSCについて得られた温度情報を利用することができる。それ以外の場合は、感知した量の数値における温度の影響を正確にキャンセルすることは可能ではないことがある。
【0054】
本発明の一態様によれば、発振器23に負荷を与えるために、1つずつ、基準負荷31
−ref/32
−ref、センサ32、又は共振器31及びセンサ素子32のペアを選択的に接続するための手段39が、必要に応じて存在してもよく、それによって、発振器23から出力される変調周波数は、センサ素子32の所定の変数の感知した値に依存する。同様に、手段39は、発振器23と基準発振器23
−refとの間の使用を切り替えるように構成することができる。接続された基準発振器23
−ref又は基準負荷31
−ref/32
−refを用いる発振器モードは、起動時に、センサセレクタ39のデフォルト構成とすることができる。選択手段39及びその制御の例を以下に示す。
【0055】
図2Cは、本発明の態様に従ったパッシブ無線センサタグの別の例示的なレイアウトを示す。この例示的な実施形態では、パッシブ無線センサタグ10には、それぞれ、1つ以上のセンサ素子32−1,32−2,32−3、及び/又は調整された共振器31−1,31−2,31−3及びセンサ素子32−1,32−2,32−3の1つ以上のペアを設けることができる。また、共振器は、コイル及びコンデンサ等の個別部品と組み合わせることができる。これは、大きなインダクタンス値が必要な場合に、必要になることがある。各センサ素子、又は調整された共振器及びセンサ素子の各ペアは、上述した利点を提供するような別個の専用ダイ28に作製することができる。さらに、問題となるアプリケーションの要求に応じて、異なる数及び感知した量の異なる組合せを用いるパッシブ無線センサタグを作製することは容易である。内蔵センサ素子、又は共振器及びセンサ素子のペアの代わりに又はこれに加えて、外部センサ素子(図示しない)を、接続端子40を介して接続することができる。このような外部センサ素子は、例えば、バルブの位置センサとすることができる。外部センサ素子用に調整された共振器31
−extが存在してもよい。ダイ37上の構成要素は、発振器23に負荷を与えるために、1つずつ、センサ素子、及び/又は共振器及びセンサ素子のペアを選択的に接続するための手段が存在し、それによって、発振器23から出力される変調周波数が、センサ素子32の所定の変数の感知した値に依存することを除いて、
図2Bを参照して説明したものと同様とすることができる。換言すれば、センサ素子、又は共振器及びセンサ素子の1つのペアは、一度に発振器に負荷を与えるように選択することができ、こうして、発振周波数に影響を与える。このように、センサは、個別に読み取られる複数のセンサ素子を装備することができる。例えば、無線センサタグは、発振器23との間でセンサ素子及び/又は共振器及びセンサ素子のペアの1つを接続し且つ残りを切断するように選択的に構成されたスイッチ回路又アナログマルチプレクサ等のセンサ素子セレクタ39を含むことができる。スイッチング又は接続を選択的に可能にすることは、所定のシーケンスに従って実施することができる。あるいはまた、読取装置は、どのセンサ素子32−1,32−2,32−Nがアクティブ又はスイッチがオンになっているかを示すコマンドを無線センサタグに送信することができる。例えば、ロジック26は、読取機からの選択又は活性化コマンドを受信し、それに応じて、セレクタ39を制御してもよい。
【0056】
半導体基板(例えば、シリコン基板)又はチップ36に形成されたRFIDチップのサイズ、従って製造コストは、
図2Dに示されるパッシブ無線センサのさらに別の例示的なレイアウトにおいてさらに低減される。
図2D、及び
図2A、
図2B、
図2Cにおける同じ参照符号は、同様の機能及び構造を参照することができる。
図2Dに示される主回路は、(温度補償目的のための温度センサ又は共振器の可能性を除く)内部センサが、集積RFIDタグチップ36に実装されないという点で
図2A及び2Bに示される回路とは異なる。集積RFIDタグチップ36は、1つ以上の外部センサ32又は外部共振器31−1及びセンサ32−1のペアを接続可能な接続端子41A,41B,42A,42Bを含む。集積RFIDチップ36は、好ましくは、本発明の態様を実施するための全ての感知アプリケーションに共通する機能及び構造のみを含む汎用チップである。このような機能及び構造は、その周波数出力が感知した値に依存する、すなわち、感知した量の数値範囲が、タグの発振周波数範囲にマップされる少なくともクロック発生器又は発振器23と;基準共振器31-ref等の基準負荷と;発振器に負荷を与えるために、1つずつ、基準負荷31
−ref、共振器、センサ32、又は共振器及びセンサ素子のペアを選択的に切り替える手段と;周波数相関情報を記憶するメモリ27と;を含む。
【0057】
集積RFIDタグチップ36は、1つ以上の内部共振器31も含むことができる。例えば、共通の容量センサを、内部チップ共振器31を使用するために接続することができる。他方では、外部共振器31−1は、大容量コンデンサ及び/又は外部コイルを含むLC共振器等の大きなサイズのコンポーネントと一緒により容易に実装することができる。LC共振器によって、より正確なセンサ及び長距離の読取範囲が可能になる。外部共振器及びセンサを、互いに整合することができる。
【0058】
図2Eは、本発明の態様に従ったパッシブ無線センサタグのさらに別の例示的なレイアウトを示す。
図2E、及び
図2A、
図2B、
図2C、
図2Dにおける同じ参照符号は、同様の機能及び構造を参照することができる。この例示的な実施形態では、パッシブ無線センサタグ10には、複数の発振器を設けることができる。本発明の様々な実施形態について説明したように、基準発振器23
−refを設けることができる。発振器コア23’は、接続端子41A及び41Bに接続された外部共振器31−1及びセンサ32−1の外部ペアと一緒に作動させるのに適した発振器構成を含む。基本的には、発振器コア23’は、本明細書で
図2A,
図2B、
図2C及び
図2Dを参照して説明したクロック発生器ブロック23に組み込まれた発振器23、又は発振器23と同様なものである。発振器23−1は、接続端子42A及び42Bに接続された外部センサ32と一緒に作動するのに適した発振器構成を含む。基本的には、発振器23−1は、本明細書で
図2A、
図2B、
図2C及び
図2Dを参照して説明したクロック発生器ブロック23に組み込まれた発振器23と組み合わされる共振器31、又は発振器23及び共振器31の組合せと同様のものである。
【0059】
図2Fは、本発明の態様に従ったRFIDチップ36及び外部アンテナ21だけでなく、共通のキャリア基板45に設けられた外部共振器31−1及び/又は外部センサ32−1を含む例示的なパッシブRFIDタグを示す。アンテナ21及び外部共振器/センサ31/32は、例えば導電性配線又はMEMSデバイスをプリントすることによって基板上に作製することができる。RFIDチップ36は、それぞれの端子又はコネクタ41又は42によってアンテナ21及び共振器/センサ31/32に接続することができる。
【0060】
本発明の一態様によれば、本発明の第1の態様に係るパッシブ無線センサは、特定の無線センサタグに利用可能なセンサ機能に関する情報を含む。このような情報は、例えば、センサタグで利用可能なセンサ素子(又はセンサノードプロファイル)、センサ素子から実際のセンサ値を取得するために必要な計算又は手順、各センサ素子に問い合わせるために必要な時間、センサ素子の数値の範囲、センサ素子の値のスケーリングに関する情報、センサ素子の値の単位、較正情報、温度補償等を含むことができる。センサノードのプロファイルは、センサ素子の種類を無線センサタグに示すように規定してもよく、及び無線センサタグは、センサノードプロファイルの識別子をメモリ26に格納することができる。こうして、後方散乱されるセンサ情報の量を削減することができ、読取機は、より具体的な情報を取得するためにセンサノードのプロファイルを利用することができる。
【0061】
本発明の態様は、本発明の他の態様に従ったパッシブ無線センサ用の読取機である。一般に、RFID読取機は、特殊な無線送受信機である。全てのこのような装置では、読取機は、搬送周波数f
CW(例えば、典型的なUHF装置について約800〜950MHz)の信号を生成し、この搬送信号を変調して、情報をタグに伝達する必要がある。パッシブタグの場合、読取機は、タグにエネルギーを供給して、このエネルギーを受け取り、読取機が一度に複数のタグを読み取ることができるような低レベルの衝突防止アルゴリズムを頻繁に処理することができる。簡素なRFIDシステムでは、読取機のRF信号は、連続波(CW)信号又はパルス状のオン・オフ信号であり、より高度のシステムでは、読取機のRF信号は、タグへのコマンド、タグのメモリからの読み出し又は書き換えのための命令を含めることができる。読取機11は、タグからの応答を選択的に受信し且つ増幅し、搬送周波数からの信号を、受信信号に含まれる非常に低い周波数特性の情報に変換することができる。
【0062】
例示的なRFID読取機の一般的なブロック図が、
図4に示される。RFID読取機11は、次の2つの主なセクション:無線周波数(RF)フロントエンド40と、デジタル制御部41とを含むことができる。無線周波数(RF)フロントエンド40は、RF信号を送受信するために使用される。RFフロントエンド40は、RFIDセンサ(複数可)10との間での2方向性のデータフローに対応するような2つの別個の信号経路を含むことができる。変調器401は、ローカル発振器信号(RF搬送信号 f
CW信号)をデジタル制御部41からのTxデータ(コマンド等)を用いて変調することができ、変調された信号は、出力増幅器402によって増幅され、増幅された信号、すなわち、RF電力(実効等方性放射電力、EIRP)及び可能な読取機のコマンドが、アンテナANTを介して読取りゾーン又は問合せゾーン内に位置付けされたセンサ10に送信される。受信機は、アンテナANTを介してセンサ10からのアナログ後方散乱信号を受信する。方向性結合器又は循環器(circulator)403は、センサ10に送信した増幅信号とセンサ10から受信した弱い後方散乱信号f
OSC±f
CWとに分離する。受信した後方散乱信号は、弱く、信号が復調器404で復調される前後で、受信信号の振幅を増大させるために低ノイズの増幅器を設けることができる。復調器404は、次に、復調された受信信号Rxデータをデジタル制御部41に送信することができる。トランスポンダ又はタグ10から受信したデータを復調するときに、様々な復調技術を使用することができる。RFIDシステムで使用される変調及び復調技術の例には、二位相シフトキーイング(BPSK)と、振幅シフトキーイング(ASK)とが挙げられる。読取機のアンテナANTの放射強度によって、問合せ範囲及びゾーンが決定される。RFIDシステムの用途に応じて、RFID読取機は、アンテナの共振周波数、ゲイン、指向性、及び放射パターンを変化させるような様々な方法で設計することができる。
【0063】
RFID読取機11の制御部41は、RFIDタグからの受信(Rx)データに関してデジタル信号処理及び手順を実行することができる。また、制御部41は、RFIDタグ10からの受信データを変調、衝突防止手順、及び復号を実行することによって、読取機がRFIDタグと無線通信するのを可能にする。このデータは、通常、タグに問い合わせる(読み出し)又はタグを再プログラム(書き換え)するために使用される。制御部41(例えば、マイクロプロセッサ)は、通常、デジタル信号処理(DSP)ブロック410、メモリブロック412、符号器ブロック414、復号器ブロック413、及び通信インターフェイスブロック415を含むことができる。制御部41は、RFフロントエンド40から復調された受信信号を受信し、その信号を等価デジタル信号に変換することができる。復号器413は、次に、受信信号をRxデータに復号することができ、DSP411は、Rxデータのデータ処理を実行することができる。メモリブロック412は、問合せRxデータ、読取機の設定パラメータ、センサ特有のパラメータ等の各種データを格納することができる。制御部41の復号器413は、制御部41が、メッセージ又はコマンドを問合せ区域内のある特定のタグに又は全てのタグ10に向けて送信したい場合に、Txデータを符号化し、この符号化データをRFフロントエンド40に出力して、搬送信号を変調することができる。さらに、制御部41は、例えば出力増幅器402のゲインを制御することによって、RFフロントエンド40のRF送信電力を制御することができる。全ての標準的なRFIDデジタル通信は、(適切な変調技術を使用して)搬送周波数f
CWで無線RFIDセンサ又はタグ10から受信することができ、そして復調器404及び復号器413を用いて処理される。全て共通のRFID機能は、ThingMagicからのUHF帯RFID読取モジュールに埋め込まれたMercury6e(M6E)等の商業RFID読取機を用いて実現することができる。
【0064】
上述したように、本発明の第1の態様に係るパッシブ無線センサでは、無線センサの発振周波数f
OSCは、測定した量に依存して又は測定した量に対する感度に依存して決定される。換言すれば、f
OSCは、それぞれの特定の瞬間において感知した量に比例する。上述したように、受信した後方散乱信号は、f
OSCによって変調される、すなわち、受信した後方散乱信号は、周波数f
CW±f
OSCを有する。
図3Aに示されるように、側波帯は、発振周波数f
OSCだけ搬送周波数f
CWからオフセットされる。
【0065】
本発明の一態様によれば、読取機11は、瞬間的な発振周波数f
OSCに基づいて、感知した量の値を検出するように構成することができる。こうして、タグメモリのアクセスコマンド又は読取りは、実際のセンサ値を読み取るために必要とされない。例えば、周波数f
OSC取得エンティティ405を、f
OSC又は受信した後方散乱信号からそのf
OSCを表すパラメータを導出するために設けてもよい。この情報は、信号416によって示されるように、制御部41にさらに提供することができる。エンティティ405は、受信信号レベル、受信した信号の信号対雑音比(SNR)等の受信した後方散乱信号に関する更なる情報を必要に応じて導出し且つ提供することができる。f
OSCエンティティは、例えば、発振周波数信号f
OSCが取得されるように、受信した信号f
OSC±f
CWが搬送周波数f
CWと混合されるようなダウンミキサを含むことができる。周波数f
オフセットは、次に、適切な方法で、例えば周波数カウント方法を用いて測定することができる。f
OSCは、例えばf
CWとf
CW±f
OSCとの間で周波数シフトを決定することにより、受信した信号から直接的に検出することもでき、この周波数シフトは、f
OSCの間の発振周波数に比例する。受信した信号レベルは、任意の適切な信号レベル検出器を用いて決定することができる。信号レベル情報は、多くの商業RFID読取機で既に利用可能である。
【0066】
例示的な実施形態では、以下の実施例でさらに説明するように、読取機は、受信したセンサ値の温度補償に使用するために、温度センサ素子417を設けてもよい。
【0067】
通信インターフェイスによって、読取機11が、OPC(プロセス制御用のOLE(オブジェクトのリンク付け及び埋め込み))等の適切な接続及び適切なプロトコルを使用して、ホストコンピュータ又はソフトウェア・アプリケーション43等の上位システムと通信するのを使用可能にする。例えば、読取機は、RS−228又はUSBシリアル接続等の直列接続を使用して、ホストコンピュータに物理的に接続することができる。別の例として、読取機は、有線又は無線ネットワークを介してホストコンピュータ43又はローカルサーバに接続することができ、それによって読取機は、標準的なネットワーク装置のように動作し、ハードウェア及びシステム構成の特定の知識を必要としない。RFID読取機は、イーサネット、TCP/IP、UDP/IP、HTTP、LAN、WLAN等の複数のネットワークプロトコルをサポートすることができる。ホスト又はサーバ43は、一般的に2つの主な機能を果たすことができる。第1の機能として、読取機からデータを受信し、フィルタ処理及び照合等のデータ処理を行う。第2の機能として、装置モニタとして機能し、読取機を確認して、日付指示までに適切に、確実に機能を実行する。RFID読取機は、電源44をさらに含んでもよい。電源44は、例えば、電力網又はバッテリー電源に接続された適切なAC/DCアダプタであってもよい。
【0068】
本発明の一態様によれば、読取機11は、測定値に応答してセンサタグのセンサの変調周波数を変換するように構成される。受信したf
OSC又はそのf
OSCを表すパラメータの情報が、典型的には、十分ではなく、制御部11は、問題となるRFIDセンサに関する詳しい情報が必要な場合があることを理解すべきである。典型的に、読取機は、変調周波数とセンサ値との相関関係を知る必要がある。制御部41は、感知した量の実際の値を導出するために、変調周波数−センサ値の相関情報を使用することができる。読取機は、例えば、較正動作な必要な情報、計算に必要な情報、センサタグで利用可能なセンサ素子、各センサ素子に問い合わせを行うために必要な時間等をさらに必要とする。測定値に応答してセンサの周波数変調を変換する情報は、例えば、センサ範囲、スケーリングに関する情報、測定単位、較正情報、温度補償情報等を含むことができる。本明細書で使用される場合に、このような全ての情報の任意の組合せは、周波数−センサ値の相関情報と呼称する。
【0069】
本発明の実施形態に係る適応型読取機は、本明細書の例示的な実施形態によって示されるように、十分な計算能力を有するRFID読取機で実施することができ、又は必要とされる計算の少なくとも一部を実行するリモート又はローカルのコンピュータ装置(PC等)に接続されたRFID読取機で実施することができることを理解すべきである。RFIDは、コンピュータ装置が呼び出すことができる特別な機能インターフェイスをコンピュータ装置に提供することができる。例えば、読取機は、RFIDにトランシーバ機能を提供し、感知した値について変換を行う別のコンピュータ装置に変調周波数情報を転送するような「ダム(dumb:データ処理能力のない)」装置とすることができる。タグへの全てのコマンド及びタグからの応答の処理は、他のコンピュータ装置によって処理してもよい。
【0070】
変調周波数−センサ値の相関関係の例が、
図3B及び
図3Cに示される。
図3Bに示される例では、相関曲線+20℃は、公称の変調周波数f
OSCが256kHzである場合に、温度+20℃(タグの作動温度)における変調周波数f
OSCの関数における圧力センサの圧力値(mBar)を提示する。同様の相関曲線は、周波数の想定される温度依存性を実証するために、温度−40℃、−20℃、+40℃、及び+65℃について示されている。示される例では、感知した圧力値が、公称f
OSC256kHzより上の周波数範囲+2・・・+25kHzにマッピングされる、すなわち、258〜281kHzの範囲にマッピングされる。感知した主な作動レベル(圧力)は、990mBarと1010mBarとの間となるように規定される。
図3Cに示される例では、相関曲線は、公称の変調周波数f
OSCが640kHzである場合に、変調周波数f
OSCの関数におけるガスセンサの圧力値(mBar)を提示する。示される例では、感知した圧力値は、公称のf
OSC640kHzより上の周波数範囲+22・・・+64kHzにマッピングされる、すなわち、663〜704kHzの範囲にマッピングされる。感知した主な作動レベル(圧力)は、約300mBarとなるように規定される。2つのセンサ1及び2を有するRFIDセンサタグに提供される又は格納されるような例示的なセンサ構成情報又は周波数−センサ値の相関情報が、
図3Dに示される。センサ1は、
図3Bに示される相関データを有するセンサと同様にすることができ、センサ2は、
図3Cに示される相関データを有するセンサと同様にすることができる。センサパラメータ及びデータだけでなく示されるデータ構造は、非限定的な単なる例であることを理解されたい。
【0071】
本発明の一態様に係るパッシブ無線センサ及び必要に応じて本発明の一態様に係る読取機を使用して、パッシブ無線センサの読取距離は、数メートルまで、部屋スケールにまで増大することができる。増大した読取距離によって、同一の読取機を用いて(増大した読取範囲内に位置する)複数のパッシブ無線センサを読み取ることが可能になる。複数の無線センサは、異なる種類の感知素子、異なる読出しサイクル、異なるセンサ値のフォーマット/範囲、異なる温度補償の構成、異なる較正の構成、又はセンサ特有の他のパラメータ、特性又は構成を有することができる。単一のパッシブ無線センサにおいて、異なる構成及びパラメータを有する複数のセンサ素子が存在する場合がある。(クラス1標準 第2世代 衝突防止等の)UHF帯RFID技術は、例えば、複数の無線タグの読み取りに関する殆どの問題に対処する。異なるセンサ特性を有する複数のパッシブ無線センサを管理し且つ読み取るための方法、ルーチン及び構成を提供する必要性がある。
【0072】
本発明の一態様は、異なるセンサ特性を有する複数のパッシブ無線センサを管理し且つ問い合わせるための方法及び構成である。
【0073】
本発明の一態様によれば、周波数−センサ値の相関情報は、RFIDセンサタグ10の不揮発性メモリに記憶することができる。例えば、周波数−センサ値の相関情報は、ISO18000−6Cで規定された「製造業者記録ブロック」等の、RFIDセンサタグのメモリにおける製造業者の専用データに割り当てられたメモリ位置に格納することができる。
【0074】
本発明の一態様によれば、周波数−センサ値の相関情報は、RFIDセンサタグ内の情報の記憶に加えて又はその代わりに、RFIDセンサタグ以外の位置に格納してもよい。
図5は、周波数−センサ値の相関テーブルをいくつかの異なる位置に格納する例を示す。例えば、周波数−センサ値の相関情報は、読取機11、ホスト43、多くの読取機で使用されるローカルサーバ及び/又はリモートサーバ、複数の読取機でグローバルに使用されるクラウド又はインターネット上に格納することができる。一実施形態では、RFIDセンサタグ以外の位置に格納された相関情報は、個々のRFIDセンサタグを区別できるように、EPC等のRFIDタグの固有識別子に関連付けることができる。一実施形態では、RFIDセンサタグ以外の位置に格納された相関情報は、センサの種類に関連付けることができる。
【0075】
本発明の一態様によれば、周波数−センサ値の相関情報は、読取機のインストール及び設定中に読取機内に格納することができる。周波数−センサ値の相関情報は、タグ又はセンサ(複数可)の種類が識別される前に、例えばタグEPCが読み取られる前に、RFIDセンサタグで使用可能ではないことがある。読取機は、タグ又はセンサの種類を特定する前に、特定のRFIDセンサタグの周波数−センサ値の相関関係についてのいかなる情報又は正確な情報を有さないことがある。
【0076】
本発明の一態様によれば、周波数−センサ値の相関情報のコピーは、RFIDセンサタグから相関情報を読み取る際に、読取機に格納してもよい。周波数−センサ値の相関情報は、タグが識別された後に、例えばタグEPCが読み取られた後に、RFIDセンサタグのメモリから読み取ってもよい。読取機は、タグから相関情報を読み取る前に、特定のRFIDセンサタグの周波数−センサ値の相関についてのいかなる情報又は正確な情報を有さないことがある。
【0077】
本発明の一態様によれば、読取機11は、RFIDセンサタグ以外の位置から、例えばサーバ、クラウド又はインターネットから周波数−センサ値の相関情報のコピーを読み出すことができる。読取機は、タグEPC等のそのタグ固有の識別子に基づいて、特定のRFIDセンサタグの周波数−センサ値の相関情報のコピーを読み出すことができる。一実施形態では、読取機は、読取範囲内にあるRFIDタグのセンサ素子の種類についての知識に基づいて、周波数−センサ値の相関情報のコピーを読み出すことができる。周波数−センサ値の相関情報は、タグ又はセンサ(複数可)の種類が識別される前に、例えばタグEPCが読み取られる前に、特定のRFIDセンサタグについて使用可能又は読み出し可能ではないことがある。読取機は、タグ又はセンサの種類を識別する前に、特定のRFIDセンサタグの周波数−センサ値の相関関係についてのいかなる情報又は正確な情報を有さないことがある。
【0078】
本発明の一態様によれば、RFIDセンサタグに恒久的に記憶された周波数−センサ値の相関情報は、特定のRFIDセンサタグについて再び物品のリスト(inventory)を作成するときに、タグから相関情報を再読み込みする必要がないように、タグから読取機、ホスト43、又はサーバに集められ(コピーされ)る。相関情報は、タグがシステムにおいてローカル又はグローバルで最初に物品のリストを作成するときに、一度だけ、タグから読み取られ、システムに格納してもよい。その後、再び物品のリストを作成する際に特定のタグを見つける読取機は、このシステム内の別の位置から相関情報を読み出すことができる。これにより、無線インターフェイスを介して転送されたシグナル及びデータは、高速動作及び省電力化をもたらすように減少する。さらに、システム内のタグの管理及び運営が自動化される。
【0079】
本発明の一態様は、異なるセンサ特性を有する複数のパッシブ無線センサを制御し且つ問い合わせるための方法及び構成である。一般的なレベルで、SRFID読取機のハンドシェイク(handshake)方法は、本発明の一態様に係るSRFID読取機11と本発明の一態様に係るパッシブ無線センサ10との容易なハンドシェイクを提供するように設計される。各パッシブ無線SRFIDセンサ10は、例えば上述したように、複数のセンサ素子32を有することができる。基本的に、パッシブSRFIDセンサノード10は、センサ素子が取り付けられた状態の簡素なRFIDタグである。それらタグは、一旦いくつかの知能装置がハンドシェイクに取り付けられると、「スマート」デバイスになる。単にパッシブRFIDセンサに問い合せを行い、「ダム(dumb)」センサ値を読み取る代わりに、SRFID読取機は、装置に格納された多くの情報を有することができる。この情報は、実際の測定値を得るための方法を提供することができる。また、SRFID読取機は、測定値から、温度の問題を補償するための様々な方法を使用することができる。
【0080】
読取機11及び3つのパッシブ無線センサ10−1,10−2,10−3のセットアップの例が、
図6に例示される。各パッシブ無線センサ10−1,10−2,10−3は、1つ又は複数のセンサ素子32を有することができる。このセットアップの例では、第1のパッシブ無線センサ10−1は、圧力センサ素子P及び温度センサ素子Tを含む。第2のパッシブ無線センサ10−2は、湿度センサ素子H及び温度センサ素子Tを含む。第3のパッシブ無線センサ10−3は、単一のセンサ素子、品質センサQのみを含む。典型的に、温度センサTは、それぞれの無線センサ10における他のセンサ素子(複数可)又は共振器(複数可)の温度依存性を補償するために使用することができ、そうしないと、温度依存性によって、測定値が改ざん(falsify)されるだろう。
【0081】
タグ10と読取機11(問合せ装置とも呼称される)との間の全ての通信は、エアインターフェイスとも呼ばれることのある無線リンクを介して完全に行われる。両方の装置の間で送受信された一連のコマンド(物品リスト作成ラウンド(round)と呼称される)を介して、RFID読取機11は、電子製品コード(EPC)等のRFIDタグの識別コードを識別することができる。パッシブタグの場合は、基本的な考え方は、読取機が、クエリコマンドを使用して、物品リスト作成ラウンドを開始することである。クエリコマンドは、適切な情報に応答するタグを基本的に「呼び覚ます(wake up)」。ISO18000−6C規格(EPCグローバルプロトコル 第2世代)に従って、RFIDタグは、
図6に一般的に示されるように、ハンドシェイクの方法で事前に規定された応答で予め規定されたコマンドに応答するように設計される。RFID Qプロトコル、(クラス1標準 第2世代 衝突防止)プロトコルは、例えばタグがどの位迅速に及びどの位頻繁に読取機11に応答するかを制御するための、タグ競合制御のために規定される。
【0082】
タグ10が読取機11のRF電磁場に入ると直ぐに、そのタグは、レディ(Ready)状態に変化し、選択コマンドを受け付ける。選択コマンドが全てのタグに送信され、次に起こる物品リスト作成プロセスに関与する場合に、各タグに情報を知らせる。複数の選択コマンドは、タグが何に応答するかを正確に規定するために使用することができる。読取機11とタグ10との間の全ての情報交換は、1つ以上の選択コマンドで開始する。タグは、選択コマンドに応答しない。ここで、物品リスト作成グループのコマンドを使用して、シンギュレーション(分離)プロセスを開始することができ、ここで個々のタグが、識別され、処理される。各物品リスト作成ラウンドは、送信されるクエリコマンドで開始する−このコマンドは、Q値(0〜15)を渡し、これから、各タグ10が、範囲(0,2Q−1)内のスロットカウンタ番号を生成する。殆どの読取機は、電磁場内のタグの数に応じて、Q値を動的に調整し、それによって潜在的な読取り速度を増大させる。タグがゼロのスロットカウンタ値を生成した場合には、16ビットの乱数RN16を送信することによって返信(応答)することが許可され且つ同時にリプライ(応答)状態に移行する。他のタグは、状態を調停及び待機状態に変化させる。タグ10からのRN16応答が成功裏に受信された場合に、読取機は、同じ16ビットの乱数と一緒にACKコマンドを送信することによって応答する。この応答によって、ここで、タグ10が、いくつかのプロトコル制御ビットPCデータと一緒に、そのタグID、電子製品コード(EPC)、16ビットのエラーチェックCRC16を返送することができ、状態を肯定応答状態に変更する。PCビットは、タグに記憶されたEPCの長さだけでなく、番号付けシステムに関連するいくつかの情報、及び必要に応じてタグが取り付けられた物品のタイプ(アプリケーション群識別子(AFI))を提供する。
【0083】
更なる動作をタグ10で実行する必要があり、タグ10がそのEPC番号を返し、且つ肯定応答状態になった場合に、読取機11は、アクセスコマンドを送信して、タグ10を読出し、書換え、ロック(lock)、及びキル(kill)等の操作を可能にするオープン(又はセキュア)状態に移行させる。読出し動作は、タグ10のメモリから単一又は複数のブロックデータを読み取るために使用される。書換え動作は、単一又は複数のブロックデータをタグ10タグのメモリに書き換えるために使用される。
【0084】
本発明の一態様によれば、周波数相関情報がタグ10に格納されており、及び周波数相関情報が、タグ10から未だ収集されていない及び/又は読取機10又はネットワーク内の別の場所に未だ格納されていない場合に(
図6参照)、読取機11は、(
図7のA点において)アクセスコマンドを用いて相関情報を問い合わせる(クエリする)ことができる。この追加のアクセスは、マルチセンサタグのどのセンサがタグによって現在使用されているかを確認するために行ってもよい。
【0085】
本発明の一態様によれば、周波数相関情報がタグ10に格納されていないが、読取機又はネットワーク内の別の場所に格納されている、或いは周波数相関情報が、タグ10から既に収集され且つ読取機に10又はネットワーク内の別の場所に既に格納されている場合に(
図6参照)、(
図7のB点で)一旦(PC,EPC,CRC16)応答を受信し、読取機11は、EPCを使用して、タグ10の正しい相関情報を取得することができる。こうして、アクセスコマンド又はタグメモリの読取りは、この目的のために必要とされないことがある。
【0086】
ISO18000−6C規格は、RFIDタグが、40〜640kHzの変調周波数範囲をサポートすることを規定する。この周波数には、後方散乱中の±2.5%の許容誤差がある。変調周波数f
OSCの許容された±2.5%の変動は、センサ値を伝送する目的のためには非常に小さ過ぎ、センサ値の範囲は、許容された周波数誤差範囲内の変調周波数にマッピングする必要があり、例えば、センサの読取りは、250kHz±2.5%=241.75〜256.25kHzに変調される。読取機11は、この周波数を検知することができない場合があり、それによってセンサ値は十分な解像度で正しく検知されない。例えば、
図3Bに示される例示的な変調周波数−センサ値の相関は、この許容された周波数誤差範囲内にはないであろう。
【0087】
しかしながら、後方散乱する前に許容された基本周波数の許容誤差は、はるかに大きい。選択されたリンク周波数、すなわち選択された公称の変調周波数に応じて、許容誤差は、640kHzで±15%、320kHzで±10%、256kHzで±10%、40kHzで±4%とすることができる。換言すれば、タグ10は、より大きな許容誤差の変調周波数でRN16に応答することが可能になり、読取機11は、この変調周波数にロックされ、タグの変調周波数は、残りのセッションの間に、このロックされた変調周波数から±2.5%だけ変動することが可能になる。
【0088】
本発明の一態様によれば、変調周波数の単一の値のみ、従って、タグの現在のセンサ値は、センサタグ11とのセッション中に取得することができる。タグとのセッションは、同じ感知素子又は別の感知素子について新しい値を読み取る前に解放され、それによって変調周波数は、感知された新しい値に対応するように変更することができる。
【0089】
例えば、変調周波数、従ってタグの現在のセンサ値は、(
図7のC点における)RN16応答から、又は(
図7のB点において)受信した(PC,EPC,CRC16)応答から周波数ロックした後に、RFID読取機のロックした位相で既に読み取ってもよい。変調周波数、従ってタグの現在のセンサ値は、例えば
図7のアクセスポイントAにおいて、同じセッション中に後で読み取ってもよいが、変調周波数及び感知した値は、変更されない(変更すべきでない)。センサ値の範囲は、許容された周波数誤差範囲内の変調周波数にマッピングされ、例えば、センサ読取りは、250kHz±10%=225〜275kHzに変調される。また、
図3Bに示される例示的な変調周波数−センサ値の相関は、この許容された周波数誤差範囲内に入るだろう。
【0090】
タグ10は、2つ以上センサを含むマルチセンサタグであってもよい。1つのタグ10内の複数のセンサは、追加の操作が必要になる場合がある。読取機11がマルチセンサタグ10に問い合せ(クエリ)する場合には、複数のセンサのうちのどのセンサが、タグの後方散乱信号を変調しているか分からない場合がある。追加のアクセス(
図7中のA点)は、マルチセンサタグのどのセンサがタグによって現在使用されているかを確認するために行うことができる。一実施形態では、温度補償センサ又は基準センサ等の特定のセンサタイプが、応答する最初のセンサであるように常にデフォルトにしてもよい。本発明の一態様によれば、読取機11は、マルチセンサタグ10内の特定のセンサを活性化するコマンドを送信することができる。一実施形態では、読取機11は、マルチセンサタグ10内の特定のセンサを活性化するためにクエリコマンドを使用してもよい。例えば、ISO18000−6C規格は、センサを含むタグを活性化するためのクエリコマンドに追加のビットを提供する。これらのビットは、タグ10内の特定のセンサを活性化するために使用することができる。2ビットのみが利用可能であり、それによって、タグ10内の最大3つの異なるセンサを活性化するためにこのアプローチを使用することができる。この種のアプローチは、どのビットによってどのセンサが活性化されるかの事前の知見が必要であり、例えば所定の2ビットパターンが、各センサに割り当てられる。この情報は、読取機又は全てのセンサタグに利用可能なネットワークの他の場所に格納することができる。一実施形態では、所定のビットパターンは、温度補償センサ又は基準センサ等の特定のタイプのデフォルトのセンサのために確保してもよい。別の例として、ISO規格18000−6Cは、例えばセンサを含むタグを活性化するような任意のユーザコマンドを搬送することができるハンドル(handle)センサコマンドを提供する。
【0091】
感知した値の送信が、タグと問合せ装置との間の周波数変調に基づくので、この変調に許容された最大±2.5%の変動によって通常のセッション中に、変調周波数を変化させることはできない。結果として、タグ10のセンサを変更し且つ同じセッション中にタグの複数のセンサを読み取ることは、許容されるよりも変調周波数の大きな変動を引き起こすだろう。
【0092】
本発明の一態様によれば、マルチセンサタグ10のセンサは、前回の読取りサイクル中に変更され、次に、タグは、新しいセンサに応じて新たな変調周波数f
OSCを再び探し出すために少しの間解放される(セッションが終了する)。換言すれば、次の物品リスト作成ラウンド又はクエリのための新たなセンサは、
図8A及び
図8Bの実施例に示されるように、現在のアクティブセンサを用いて実行される現在の物品リスト作成ラウンド又はクエリ中に、事前に選択することができる。
【0093】
センサ又は発振器を変更するための実際の手順は、重要ではない。読取機11からの活性化又は問合せコマンドは、所望のセンサ素子の選択及び活性化を制御するメモリ位置又はレジスタ、例えば、(例えば、書換えコマンドを含む)
図2B及び
図2Cに示されるセンサセレクタ39の制御レジスタに直接的にアクセスすることができる。他の例としては、読取機からのコマンドは、必要な活性化操作を行うために、RFIDロジック26に命令することができる。例えば、ハンドルセンサコマンドは、タグ10に命令するために使用することができる。タグ10は、次回、新しい物品リスト作成が生じ、新しいセンサが、発振器の一部となるように作動するべく構成することができる。例えば、発振器の変更は、恐らく変調周波数に±2.5%以上の変動を引き起こし、こうして読取機がこのセッションをドロップすることを可能にするように、即時のものとすることができる。別の例として、センサの変更は、センサがレディ状態及び調停状態に変化した後に発生するように延期される。
【0094】
本発明の一態様は、感知した量の値における温度の影響をキャンセルするための、センサ測定値の温度補償である。
図7の例では、センサタグ10−1及び10−2には、温度補償目的のために、温度センサTが設けられている。温度感知能力として、
図2C及び
図2Dに示される基準共振器31
−ref等の基準共振器、及び/又はそれに関連する温度センサを設けてもよい。
【0095】
本発明の一態様によれば、センサタグが、統合された温度感知機能を有する場合には、タグには、発振器の温度依存性を補償するような内部温度補償機能を設けてもよい。
【0096】
本発明の一態様によれば、センサタグが、(実際のセンサ素子、例えば圧力センサに加えて)統合された温度感知能力を有する場合には、温度値は、その温度値を、読取機11での実際のセンサ値の変換に使用するため、最初に問い合わせすることができる。
【0097】
本発明の一態様によれば、読取機11は、
図4に示される温度センサ417等の、温度補償目的のための温度センサ素子を含むことができる。センサタグで温度感知を実施する代わりに読取機11での温度感知は、センサタグのサイズ及びコストの節約につながる。その読取機での温度感知は、全てのタイプのセンサタグに利用可能な温度補償を行う。センサタグが、統合された温度感知能力を有する場合に、読取機11は、それ自体の温度測定値を無視することができる、又は読取機の温度値は、例えば問い合わせされた温度値の妥当性を検証するために、センサタグから問い合わせられた温度値と比較することができる。
【0098】
本発明の一態様は、読取機11によってセンサタグ10の較正を行うことである。読取機11は、センサタグ10のセンサ素子32の測定値を複数回問い合わせることができる一方で、実際の正しい値が、例えば基準測定から既知である。実際の測定量は、複数の測定値がいくつかの異なる測定について保存されるように、較正中に変更することができる。問合せ値と既知の実際の値との間の相関又はエラーが決定され、較正パラメータは、問い合わせ値を修正するために規定することができる。較正パラメータは、読取機11内に格納される、及び/又はいくつかのホスト43又はサーバに転送してもよい。センサタグ11の較正は、読取機11の支援を常に必要とすることがある。
【0099】
本発明の一態様によれば、較正情報は、センサタグにも格納される。これによって、センサタグが、1つの読取機11の範囲から他の読取機の範囲にローミングすることを可能にする。較正情報は、新しい読取機11によるハンドシェイク中に問い合わせ(クエリ)することができ、新たな読取機は、以前の読取機によって既に実行された較正手順を繰り返す必要はないことがある。
【0100】
本発明の一態様によれば、センサタグ10は、前処理値をセンサ値として提供することができる。例えば、センサタグ10は、測定量において特定の基準を満たしているかどうかの指標をセンサ値として提供することができる。例えば、ガス漏れセンサ素子を有するセンサタグは、監視対象の周囲ガスのオン/オフの指標のみを与えることができる。この種のオン/オフ信号は、正確な測定値の信号よりも長い距離まで到達させることができる。読取機11は、ハンドシェイク中に、トリガ基準又は限界値を問い合わせる(クエリする)又は設定することができる。
【0101】
本発明の概念は、様々な明らかな代替方法で実現できることは、当業者には明らかであろう。本発明及びその実施形態は、上述した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で変更することができる。