(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0022】
図1〜
図4は本発明のガスエンジンの燃料ガス供給装置の第一実施例である。
【0023】
第一実施例の場合、
図3(a)及び
図3(b)に示す如く、シリンダ1の上方位置に、第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2と、第一排気弁E1及び第二排気弁E2とが並設されている。前記シリンダ1には、前記第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2により開閉されるよう吸気ポートPが中途部から分岐して接続されている。前記吸気ポートPは、シリンダ1の軸線と平行な方向(鉛直方向)へ延びる縦流路部Paと、該縦流路部Paから直角に屈曲して水平方向へ延びる横流路部Pbとを備え、該横流路部Pbの先端側が分岐しシリンダ1内でのスワール生成用の湾曲部Pcが形成されている。尚、前記吸気ポートPは、
図1に示す如く、シリンダヘッド1aに形成される流路であるが、
図3にはその形状を表すために管の如く模式的に示している。
【0024】
前記吸気ポートPの湾曲部Pcより吸気流通方向上流側における前記横流路部Pbには、
図1に示す如く、燃料ガスを噴射するガスノズルNが挿入配置されている。
【0025】
ここで、前記第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2は、ステム部I1a,I2aの先端に傘部I1b,I2bが形成されており、その軸線(シリンダ1の軸線と平行)と直交する平面座標系において、前記第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の中心点をつなぐ直線方向をX軸方向とし、該X軸方向と直角な方向の直線方向をY軸方向としている。尚、前記第一吸気弁I1は第二吸気弁I2よりガスノズルNに近く配置されている。
【0026】
前記ガスノズルNは、前記吸気ポートPの横流路部Pb上面における幅方向中央部から前記湾曲部Pcの外周側内壁面へ向け平面方向で前記X軸に対し傾斜するよう配置され(
図1(a)及び
図1(c)参照)且つ前記第二吸気弁I2の傘部I2bへ向け下り勾配を有して傾斜するよう配置されている(
図1(b)参照)。
【0027】
前記ガスノズルNの外周面には、前記第一吸気弁I1へ導かれる燃料ガスを噴射する第一噴孔H1が穿設され、前記ガスノズルNの先端には、前記第二吸気弁I2へ導かれる燃料ガスを噴射する第二噴孔H2が穿設されている。但し、前記吸気ポートPは共通であって完全に分離されているわけではないため、前記第一噴孔H1から噴射された燃料ガスは、主に第一吸気弁I1へ導入されるが、完全に第一吸気弁I1のみに導入されるわけではない。同様に、前記第二噴孔H2から噴射された燃料ガスは、主に第二吸気弁I2へ導入されるが、完全に第二吸気弁I2のみに導入されるわけではない。
【0028】
前記第一噴孔H1は、
図1(a)及び
図2(a)に示す如く、該第一噴孔H1の位置を原点とするX
1Y
1座標において、X
1軸に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つY
1軸に対し前記第一吸気弁I1とは反対側の領域へ向けX
1軸に対し45°程度の角度で燃料ガスを噴射するよう構成してある。尚、前記第一噴孔H1は、
図1(c)及び
図1(d)に示す如く、鉛直方向に対し斜め下方へ45°程度の角度で燃料ガスを噴射するよう構成してある。言い換えると、前記第一噴孔H1からは、三次元的に見た場合、Y
1軸と直交してX
1軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つX
1軸と直交してY
1軸を含む平面に対し前記第一吸気弁I1とは反対側の空間へ向け燃料ガスを噴射するようになっている。
【0029】
又、前記第二噴孔H2は、
図1(a)及び
図2(b)に示す如く、該第二噴孔H2の位置を原点とするX
2Y
2座標において、X
2軸に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つY
2軸に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の領域へ向けX
2軸に対し10°程度の角度で燃料ガスを噴射するよう構成してある。尚、前記第二噴孔H2は、
図1(b)に示す如く、X軸方向において前記第一噴孔H1より第二吸気弁I2に近い位置に開口し、傾斜配置された前記ガスノズルNの軸線方向へ燃料ガスを噴射するよう構成してある。言い換えると、前記第二噴孔H2からは、三次元的に見た場合、Y
2軸と直交してX
2軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つX
2軸と直交してY
2軸を含む平面に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の空間へ向け燃料ガスを噴射するようになっている。因みに、前記第一噴孔H1及び第二噴孔H2が図示において反対側の直接見ることが出来ない位置に形成されている場合は、第一噴孔H1及び第二噴孔H2を点線で記載するのに加え、引き出し線も点線で記載している。
【0030】
次に、上記第一実施例の作用を説明する。
【0031】
図示していない電磁弁が開いて燃料ガスがガスノズルNへ導入される。すると、ガスノズルNの第一噴孔H1からは、
図1(a)及び
図2(a)に示す如く、第一噴孔H1の位置を原点とするX
1Y
1座標において、X
1軸に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つY
1軸に対し前記第一吸気弁I1とは反対側の領域へ向けX
1軸に対し45°程度の角度であって、更に
図1(c)及び
図1(d)に示す如く、鉛直方向に対し斜め下方へ45°程度の角度で燃料ガスが噴射される。言い換えると、前記第一噴孔H1からは、三次元的に見た場合、Y
1軸と直交してX
1軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つX
1軸と直交してY
1軸を含む平面に対し前記第一吸気弁I1とは反対側の空間へ向け燃料ガスが噴射される。尚、前記電磁弁が開くタイミングは、
図4において、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が閉じかけ且つ第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が開き始める吸排気オーバーラップ期間中であるが、第一噴孔H1及び第二噴孔H2から燃料ガスが噴出し第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2からシリンダ1内に各燃料ガスが達して燃料ガスの濃度分布が生じるのは、前記吸排気オーバーラップ期間の後となる。
【0032】
同時に、前記ガスノズルNの第二噴孔H2からは、
図1(a)及び
図2(b)に示す如く、第二噴孔H2の位置を原点とするX
2Y
2座標において、X
2軸に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つY
2軸に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の領域へ向けX
2軸に対し10°程度の角度であって、更に
図1(b)に示す如く、X軸方向において第一噴孔H1より第二吸気弁I2に近い位置から、前記ガスノズルNの軸線方向へ燃料ガスが噴射される。言い換えると、前記第二噴孔H2からは、三次元的に見た場合、Y
2軸と直交してX
2軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つX
2軸と直交してY
2軸を含む平面に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の空間へ向け燃料ガスが噴射される。
【0033】
この結果、第一実施例においては、前記第一噴孔H1からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向と、前記第二噴孔H2からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向とを同一とせずに各々設定することによって、前記第一噴孔H1から第一吸気弁I1までの距離と、前記第二噴孔H2から第二吸気弁I2までの距離とが、燃料ガスが流通する実質的な流路長さにおいて略等しくなる。このため、前記ガスノズルNの第一噴孔H1及び第二噴孔H2から噴射された燃料ガスが第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の開動作によってシリンダ1内に流入するタイミングに時間差(時間的な不均一化)が生じにくくなる(
図4の太線で示す一点鎖線及び二点鎖線参照)。
【0034】
これにより、前記ガスノズルNに近い側の第一吸気弁I1からシリンダ1内へ供給される燃料ガスを含む吸気、並びにガスノズルNから遠い側の第二吸気弁I2からシリンダ1内へ供給される燃料ガスを含む吸気は、
図4に示す如く、第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の開動作中、前半リッチで後半リーン(
図4の細線で示す一点鎖線参照)となったり、或いは前半リーンで後半リッチ(
図4の細線で示す二点鎖線参照)になったりしない。このため、シリンダ1内での燃料ガスを含む吸気の濃度が均一となり、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が「閉」で第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が「開」となる期間中、空気過剰率λを一定とすることが可能となり、ノッキングが発生しにくくなると共にNOxが減少する一方、燃焼を安定化させて失火の原因を排除することが可能となる。
【0035】
しかも、第一実施例においては、従来のガスエンジンと異なり、燃料ガスが前記第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の傘部I2bからシリンダ1内へ供給されるタイミングが過度に早くならず、
図4に示す如く、燃料ガスが前記第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2からシリンダ1内へ供給されるタイミングは、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が閉じかけ且つ第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が開き始める吸排気オーバーラップ期間の後になるため、燃料ガスの吹抜けを招く心配がなくなる。又、逆に前記燃料ガスの噴射タイミングが過度に遅くなったりもせず、燃料ガスが前記吸気ポートPに残留して次のサイクルで燃料ガスの吹抜けが発生してしまう心配もない。
【0036】
こうして、燃料ガスの吹抜け抑制並びに燃料ガスの濃度分布均一化を図り得る。
【0037】
図5及び
図6は本発明のガスエンジンの燃料ガス供給装置の
参考例であって、図中、
図1〜
図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は
図1〜
図4に示す第一実施例と同様である。
【0038】
参考例の場合、
図5(a)に示す如く、前記ガスノズルNは、前記吸気ポートPの横流路部Pb上面における幅方向中央部から前記X軸に対し平行となるよう配置され且つ下り勾配を有して傾斜するよう配置されている(
図5(b)参照)。
【0039】
前記ガスノズルNの外周面には、前記第一吸気弁I1へ導かれる燃料ガスを噴射する第一噴孔H1と、前記第二吸気弁I2へ導かれる燃料ガスを噴射する第二噴孔H2が穿設されている。但し、前記吸気ポートPは共通であって完全に分離されているわけではないため、前記第一噴孔H1から噴射された燃料ガスは、主に第一吸気弁I1へ導入されるが、完全に第一吸気弁I1のみに導入されるわけではない。同様に、前記第二噴孔H2から噴射された燃料ガスは、主に第二吸気弁I2へ導入されるが、完全に第二吸気弁I2のみに導入されるわけではない。
【0040】
前記第一噴孔H1は、
図5(a)及び
図6(a)に示す如く、該第一噴孔H1の位置を原点とするX
1Y
1座標において、X
1軸に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つY
1軸に対し前記第一吸気弁I1とは反対側の領域へ向けX
1軸に対し45°程度の角度で燃料ガスを噴射するよう構成してある。尚、前記第一噴孔H1は、
図5(c)及び
図5(d)に示す如く、鉛直方向に対し斜め下方へ45°程度の角度で燃料ガスを噴射するよう構成してある。言い換えると、前記第一噴孔H1からは、三次元的に見た場合、Y
1軸と直交してX
1軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つX
1軸と直交してY
1軸を含む平面に対し前記第一吸気弁I1とは反対側の空間へ向け燃料ガスを噴射するようになっている。
【0041】
又、前記第二噴孔H2は、
図5(a)及び
図6(b)に示す如く、該第二噴孔H2の位置を原点とするX
2Y
2座標において、X
2軸に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つY
2軸に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の領域へ向けX
2軸に対し45°程度の角度で燃料ガスを噴射するよう構成してある。尚、前記第二噴孔H2は、
図5(c)及び
図5(d)に示す如く、鉛直方向に対し斜め上方へ45°程度の角度で燃料ガスを噴射するよう構成してある。言い換えると、前記第二噴孔H2からは、三次元的に見た場合、Y
2軸と直交してX
2軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つX
2軸と直交してY
2軸を含む平面に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の空間へ向け燃料ガスを噴射するようになっている。
【0043】
図示していない電磁弁が開いて燃料ガスがガスノズルNへ導入される。すると、ガスノズルNの第一噴孔H1からは、
図5(a)及び
図6(a)に示す如く、該第一噴孔H1の位置を原点とするX
1Y
1座標において、X
1軸に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つY
1軸に対し前記第一吸気弁I1とは反対側の領域へ向けX
1軸に対し45°程度の角度であって、更に
図5(c)及び
図5(d)に示す如く、鉛直方向に対し斜め下方へ45°程度の角度で燃料ガスが噴射される。言い換えると、前記第一噴孔H1からは、三次元的に見た場合、Y
1軸と直交してX
1軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つX
1軸と直交してY
1軸を含む平面に対し前記第一吸気弁I1とは反対側の空間へ向け燃料ガスが噴射される。尚、前記電磁弁が開くタイミングは、第一実施例の場合と同様に、
図4において、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が閉じかけ且つ第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が開き始める吸排気オーバーラップ期間中であるが、第一噴孔H1及び第二噴孔H2から燃料ガスが噴出し第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2からシリンダ1内に各燃料ガスが達して燃料ガスの濃度分布が生じるのは、前記吸排気オーバーラップ期間の後となる。
【0044】
同時に、前記ガスノズルNの第二噴孔H2からは、
図5(a)及び
図6(b)に示す如く、該第二噴孔H2の位置を原点とするX
2Y
2座標において、X
2軸に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つY
2軸に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の領域へ向けX
2軸に対し45°程度の角度であって、更に
図5(c)及び
図5(d)に示す如く、鉛直方向に対し斜め上方へ45°程度の角度で燃料ガスが噴射される。言い換えると、前記第二噴孔H2からは、三次元的に見た場合、Y
2軸と直交してX
2軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つX
2軸と直交してY
2軸を含む平面に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の空間へ向け燃料ガスが噴射される。
【0045】
この結果、
参考例においても、前記第一噴孔H1からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向と、前記第二噴孔H2からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向とを同一とせずに各々設定することによって、前記第一噴孔H1から第一吸気弁I1までの距離と、前記第二噴孔H2から第二吸気弁I2までの距離とが、燃料ガスが流通する実質的な流路長さにおいて略等しくなる。このため、前記ガスノズルNの第一噴孔H1及び第二噴孔H2から噴射された燃料ガスが第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の開動作によってシリンダ1内に流入するタイミングに時間差(時間的な不均一化)が生じにくくなる(
図4の太線で示す一点鎖線及び二点鎖線参照)。
【0046】
これにより、前記ガスノズルNに近い側の第一吸気弁I1からシリンダ1内へ供給される燃料ガスを含む吸気、並びにガスノズルNから遠い側の第二吸気弁I2からシリンダ1内へ供給される燃料ガスを含む吸気は、
図4に示す如く、第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の開動作中、前半リッチで後半リーン(
図4の細線で示す一点鎖線参照)となったり、或いは前半リーンで後半リッチ(
図4の細線で示す二点鎖線参照)になったりしない。このため、シリンダ1内での燃料ガスを含む吸気の濃度が均一となり、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が「閉」で第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が「開」となる期間中、空気過剰率λを一定とすることが可能となり、ノッキングが発生しにくくなると共にNOxが減少する一方、燃焼を安定化させて失火の原因を排除することが可能となる。
【0047】
しかも、
参考例においては、従来のガスエンジンと異なり、燃料ガスが前記第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の傘部I2bからシリンダ1内へ供給されるタイミングが過度に早くならず、
図4に示す如く、燃料ガスが前記第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2からシリンダ1内へ供給されるタイミングは、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が閉じかけ且つ第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が開き始める吸排気オーバーラップ期間の後になるため、燃料ガスの吹抜けを招く心配がなくなる。又、逆に前記燃料ガスの噴射タイミングが過度に遅くなったりもせず、燃料ガスが前記吸気ポートPに残留して次のサイクルで燃料ガスの吹抜けが発生してしまう心配もない。
【0048】
こうして、
参考例においても、燃料ガスの吹抜け抑制並びに燃料ガスの濃度分布均一化を図り得る。
【0049】
図7及び
図8は本発明のガスエンジンの燃料ガス供給装置の
第二実施例であって、図中、
図1〜
図4、並びに
図5及び
図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は
図1〜
図4に示す第一実施例、並びに
図5及び
図6に示す
参考例と同様である。
【0050】
第二実施例の場合、
図7(a)及び
図7(b)に示す如く、前記ガスノズルNは、外周面に前記第一噴孔H1が穿設された第一ノズルN1と、外周面に前記第二噴孔H2が穿設された第二ノズルN2とを個別に備えている。
【0051】
前記第一ノズルN1及び第二ノズルN2は、
図7(a)に示す如く、前記吸気ポートPの横流路部Pb上面における幅方向中央部から鉛直下方へ挿入され、
図7(b)に示す如く、前記シリンダ1の軸線に対し平行となるよう配置されている。前記第一ノズルN1は第二ノズルN2より吸気流通方向上流側に隣接配置され且つ第二ノズルN2より下方へ長く縦流路部Paの中途位置まで延びている。
【0052】
前記第一噴孔H1は、
図7(a)及び
図8(a)に示す如く、該第一噴孔H1の位置を原点とするX
1Y
1座標において、X
1軸に対し前記湾曲部Pcとは反対側となるY
1軸方向へ燃料ガスを噴射するよう構成してある。尚、前記第一噴孔H1は、
図7(c)に示す如く、水平方向に燃料ガスを噴射するよう構成してある。言い換えると、前記第一噴孔H1からは、三次元的に見た場合、Y
1軸と直交してX
1軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つX
1軸と直交してY
1軸を含む平面に沿って燃料ガスを噴射するようになっている。
【0053】
又、前記第二噴孔H2は、
図7(a)及び
図8(b)に示す如く、該第二噴孔H2の位置を原点とするX
2Y
2座標において、X
2軸に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つY
2軸に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の領域へ向けX
2軸に対し45°程度の角度で燃料ガスを噴射するよう構成してある。尚、前記第二噴孔H2は、
図7(a)及び
図7(b)に示す如く、X軸方向において前記第一噴孔H1より第二吸気弁I2に近い位置に開口し、
図7(b)及び
図7(c)に示す如く、水平方向に燃料ガスを噴射するよう構成してある。言い換えると、前記第二噴孔H2からは、三次元的に見た場合、Y
2軸と直交してX
2軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つX
2軸と直交してY
2軸を含む平面に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の空間へ向け燃料ガスを噴射するようになっている。
【0054】
次に、上記
第二実施例の作用を説明する。
【0055】
図示していない電磁弁が開いて燃料ガスがガスノズルNの第一ノズルN1及び第二ノズルN2へ導入される。すると、第一ノズルN1の第一噴孔H1からは、
図7(a)及び
図8(a)に示す如く、該第一噴孔H1の位置を原点とするX
1Y
1座標において、X
1軸に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つY
1軸方向であって、更に
図7(b)及び
図7(c)に示す如く、水平方向に燃料ガスが噴射される。言い換えると、前記第一噴孔H1からは、三次元的に見た場合、Y
1軸と直交してX
1軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つX
1軸と直交してY
1軸を含む平面に沿って燃料ガスが噴射される。尚、前記電磁弁が開くタイミングは、第一実施例及び
参考例の場合と同様に、
図4において、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が閉じかけ且つ第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が開き始める吸排気オーバーラップ期間中であるが、第一噴孔H1及び第二噴孔H2から燃料ガスが噴出し第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2からシリンダ1内に各燃料ガスが達して燃料ガスの濃度分布が生じるのは、前記吸排気オーバーラップ期間の後となる。
【0056】
同時に、前記第二ノズルN2の第二噴孔H2からは、
図7(a)及び
図8(b)に示す如く、該第二噴孔H2の位置を原点とするX
2Y
2座標において、X
2軸に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つY
2軸に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の領域へ向けX
2軸に対し45°程度の角度であって、更に
図7(b)及び
図7(c)に示す如く、水平方向に燃料ガスが噴射される。言い換えると、前記第二噴孔H2からは、三次元的に見た場合、Y
2軸と直交してX
2軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つX
2軸と直交してY
2軸を含む平面に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の空間へ向け燃料ガスが噴射される。
【0057】
この結果、
第二実施例においても、前記第一噴孔H1からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向と、前記第二噴孔H2からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向とを同一とせずに各々設定することによって、前記第一噴孔H1から第一吸気弁I1までの距離と、前記第二噴孔H2から第二吸気弁I2までの距離とが、燃料ガスが流通する実質的な流路長さにおいて略等しくなる。このため、前記第一ノズルN1の第一噴孔H1及び第二ノズルN2の第二噴孔H2から噴射された燃料ガスが第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の開動作によってシリンダ1内に流入するタイミングに時間差(時間的な不均一化)が生じにくくなる(
図4の太線で示す一点鎖線及び二点鎖線参照)。更に、
第二実施例においては、ガスノズルNを第一ノズルN1と第二ノズルN2とに分けているため、前記第一噴孔H1からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向と、前記第二噴孔H2からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向とを同一とせずに各々設定する上での自由度を高めることが可能となる。
【0058】
これにより、前記ガスノズルNに近い側の第一吸気弁I1からシリンダ1内へ供給される燃料ガスを含む吸気、並びにガスノズルNから遠い側の第二吸気弁I2からシリンダ1内へ供給される燃料ガスを含む吸気は、
図4に示す如く、第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の開動作中、前半リッチで後半リーン(
図4の細線で示す一点鎖線参照)となったり、或いは前半リーンで後半リッチ(
図4の細線で示す二点鎖線参照)になったりしない。このため、シリンダ1内での燃料ガスを含む吸気の濃度が均一となり、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が「閉」で第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が「開」となる期間中、空気過剰率λを一定とすることが可能となり、ノッキングが発生しにくくなると共にNOxが減少する一方、燃焼を安定化させて失火の原因を排除することが可能となる。
【0059】
しかも、
第二実施例においては、従来のガスエンジンと異なり、燃料ガスが前記第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の傘部I2bからシリンダ1内へ供給されるタイミングが過度に早くならず、
図4に示す如く、燃料ガスが前記第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2からシリンダ1内へ供給されるタイミングは、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が閉じかけ且つ第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が開き始める吸排気オーバーラップ期間の後になるため、燃料ガスの吹抜けを招く心配がなくなる。又、逆に前記燃料ガスの噴射タイミングが過度に遅くなったりもせず、燃料ガスが前記吸気ポートPに残留して次のサイクルで燃料ガスの吹抜けが発生してしまう心配もない。
【0060】
こうして、
第二実施例においても、燃料ガスの吹抜け抑制並びに燃料ガスの濃度分布均一化を図り得る。
【0061】
図9及び
図10は本発明のガスエンジンの燃料ガス供給装置の
第三実施例であって、図中、
図1〜
図4、
図5及び
図6、並びに
図7及び
図8と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は
図1〜
図4に示す第一実施例、
図5及び
図6に示す
参考例、並びに
図7及び
図8に示す
第二実施例と同様である。
【0062】
第三実施例の場合、
図9(a)及び
図9(b)に示す如く、前記ガスノズルNは、先端に前記第一噴孔H1が穿設された第一ノズルN1と、外周面に前記第二噴孔H2が穿設された第二ノズルN2とを個別に備えている。
【0063】
前記第一ノズルN1及び第二ノズルN2は、
図9(a)に示す如く、前記吸気ポートPの横流路部Pb上面における幅方向中央部から鉛直下方へ挿入され、
図9(b)に示す如く、前記シリンダ1の軸線に対し平行となるよう配置されている。前記第一ノズルN1は第二ノズルN2より吸気流通方向上流側に隣接配置され且つ第二ノズルN2と同一長さとしてある。
【0064】
前記第一噴孔H1は、
図9(a)及び
図10(a)に示す如く、該第一噴孔H1の位置を原点とするX
1Y
1座標において、X
1軸とY
1軸とを含む原点から、
図9(b)及び
図9(c)に示す如く、前記第一ノズルN1の軸線方向(鉛直方向)に燃料ガスを噴射するよう構成してある。
【0065】
又、前記第二噴孔H2は、
図9(a)及び
図10(b)に示す如く、該第二噴孔H2の位置を原点とするX
2Y
2座標において、X
2軸に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つY
2軸に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の領域へ向けX
2軸に対し10°程度の角度で燃料ガスを噴射するよう構成してある。尚、前記第二噴孔H2は、
図9(a)及び
図9(b)に示す如く、X軸方向において前記第一噴孔H1より第二吸気弁I2に近い位置に開口し、
図9(b)及び
図9(c)に示す如く、水平方向に燃料ガスを噴射するよう構成してある。言い換えると、前記第二噴孔H2からは、三次元的に見た場合、Y
2軸と直交してX
2軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つX
2軸と直交してY
2軸を含む平面に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の空間へ向け燃料ガスを噴射するようになっている。
【0066】
次に、上記
第三実施例の作用を説明する。
【0067】
図示していない電磁弁が開いて燃料ガスがガスノズルNの第一ノズルN1及び第二ノズルN2へ導入される。すると、第一ノズルN1の第一噴孔H1からは、
図9(a)及び
図10(a)に示す如く、該第一噴孔H1の位置を原点とするX
1Y
1座標において、X
1軸とY
1軸とを含む原点から、
図9(b)及び
図9(c)に示す如く、前記第一ノズルN1の軸線方向(鉛直方向)に燃料ガスが噴射される。尚、前記電磁弁が開くタイミングは、第一実施例、
参考例及び
第二実施例の場合と同様に、
図4において、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が閉じかけ且つ第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が開き始める吸排気オーバーラップ期間中であるが、第一噴孔H1及び第二噴孔H2から燃料ガスが噴出し第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2からシリンダ1内に各燃料ガスが達して燃料ガスの濃度分布が生じるのは、前記吸排気オーバーラップ期間の後となる。
【0068】
同時に、前記第二ノズルN2の第二噴孔H2からは、
図9(a)及び
図10(b)に示す如く、該第二噴孔H2の位置を原点とするX
2Y
2座標において、X
2軸に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つY
2軸に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の領域へ向けX
2軸に対し10°程度の角度であって、更に
図9(b)及び
図9(c)に示す如く、水平方向に燃料ガスが噴射される。言い換えると、前記第二噴孔H2からは、三次元的に見た場合、Y
2軸と直交してX
2軸を含む平面に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つX
2軸と直交してY
2軸を含む平面に対し前記第二吸気弁I2とは同一側の空間へ向け燃料ガスが噴射される。
【0069】
この結果、
第三実施例においても、前記第一噴孔H1からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向と、前記第二噴孔H2からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向とを同一とせずに各々設定することによって、前記第一噴孔H1から第一吸気弁I1までの距離と、前記第二噴孔H2から第二吸気弁I2までの距離とが、燃料ガスが流通する実質的な流路長さにおいて略等しくなる。このため、前記ガスノズルNの第一噴孔H1及び第二噴孔H2から噴射された燃料ガスが第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の開動作によってシリンダ1内に流入するタイミングに時間差(時間的な不均一化)が生じにくくなる(
図4の太線で示す一点鎖線及び二点鎖線参照)。更に、
第三実施例においては、ガスノズルNを第一ノズルN1と第二ノズルN2とに分けているため、前記第一噴孔H1からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向と、前記第二噴孔H2からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向とを同一とせずに各々設定する上での自由度を高めることが可能となる。
【0070】
これにより、前記ガスノズルNに近い側の第一吸気弁I1からシリンダ1内へ供給される燃料ガスを含む吸気、並びにガスノズルNから遠い側の第二吸気弁I2からシリンダ1内へ供給される燃料ガスを含む吸気は、
図4に示す如く、第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の開動作中、前半リッチで後半リーン(
図4の細線で示す一点鎖線参照)となったり、或いは前半リーンで後半リッチ(
図4の細線で示す二点鎖線参照)になったりしない。このため、シリンダ1内での燃料ガスを含む吸気の濃度が均一となり、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が「閉」で第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が「開」となる期間中、空気過剰率λを一定とすることが可能となり、ノッキングが発生しにくくなると共にNOxが減少する一方、燃焼を安定化させて失火の原因を排除することが可能となる。
【0071】
しかも、
第三実施例においては、従来のガスエンジンと異なり、燃料ガスが前記第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2の傘部I2bからシリンダ1内へ供給されるタイミングが過度に早くならず、
図4に示す如く、燃料ガスが前記第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2からシリンダ1内へ供給されるタイミングは、第一排気弁E1及び第二排気弁E2が閉じかけ且つ第一吸気弁I1及び第二吸気弁I2が開き始める吸排気オーバーラップ期間の後になるため、燃料ガスの吹抜けを招く心配がなくなる。又、逆に前記燃料ガスの噴射タイミングが過度に遅くなったりもせず、燃料ガスが前記吸気ポートPに残留して次のサイクルで燃料ガスの吹抜けが発生してしまう心配もない。
【0072】
こうして、
第三実施例においても、燃料ガスの吹抜け抑制並びに燃料ガスの濃度分布均一化を図り得る。
【0073】
上記の四つの実施例の結果に基づき、前記第一噴孔H1は、該第一噴孔H1の位置を原点とするX
1Y
1座標において、X
1軸に対し前記湾曲部Pcとは反対側で且つY
1軸に対し前記第一吸気弁I1とは反対側であってX
1軸及びY
1軸を含む領域へ向け燃料ガスを噴射するよう構成すれば良い。又、前記第二噴孔H2は、該第二噴孔H2の位置を原点とするX
2Y
2座標において、X
2軸に対し前記湾曲部Pcと同一側で且つY
2軸に対し前記第二吸気弁I2とは同一側であってX
2軸及びY
2軸を含まない領域へ向け燃料ガスを噴射するよう構成すれば良い。
【0074】
そして、前記第二噴孔H2を、X軸方向において前記第一噴孔H1より第二吸気弁I2に近い位置に開口させることは、前記第一噴孔H1から第一吸気弁I1までの距離と、前記第二噴孔H2から第二吸気弁I2までの距離とを、燃料ガスが流通する実質的な流路長さにおいて略等しくする上で有効となる。
【0075】
又、前記ガスノズルNが、前記第一噴孔H1が穿設された第一ノズルN1と、前記第二噴孔H2が穿設された第二ノズルN2とを個別に備えることは、前記第一噴孔H1からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向と、前記第二噴孔H2からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向とを同一とせずに各々設定する上での自由度を高めることができ、有効となる。
【0076】
一方、前記第一実施例において、前記ガスノズルNは、前記吸気ポートPの上面における幅方向中央部から前記湾曲部Pcの外周側内壁面へ向け前記X軸に対し傾斜するよう配置され且つ前記第二吸気弁I2の傘部I2bへ向け下り勾配を有して傾斜するよう配置され、前記第一噴孔H1は、前記ガスノズルNの外周面に穿設され、前記第二噴孔H2は、前記ガスノズルNの先端に穿設されている。このように構成すると、前記ガスノズルNのX軸に対する傾斜配置及び下り勾配を有した傾斜配置と、前記ガスノズルNの外周面への第一噴孔H1の穿設配置と、前記ガスノズルNの先端への第二噴孔H2の穿設配置とにより、燃料ガスの吹抜けを抑制できると共に、燃料ガスの濃度分布を均一化できる。
【0077】
又、前記
参考例において、前記ガスノズルNは、前記吸気ポートPの上面における幅方向中央部から前記X軸に対し平行となるよう配置され且つ下り勾配を有して傾斜するよう配置され、前記第一噴孔H1は、前記ガスノズルNの外周面に穿設され、前記第二噴孔H2は、前記ガスノズルNの外周面に穿設されている。このように構成すると、前記ガスノズルNのX軸に対する平行配置及び下り勾配を有した傾斜配置と、前記ガスノズルNの外周面への第一噴孔H1の穿設配置と、前記ガスノズルNの外周面への第二噴孔H2の穿設配置とにより、燃料ガスの吹抜けを抑制できると共に、燃料ガスの濃度分布を均一化できる。
【0078】
又、前記
第二実施例において、前記第一ノズルN1及び第二ノズルN2は、前記シリンダ1の軸線に対し平行となるよう配置されて、前記第一ノズルN1は第二ノズルN2より吸気流通方向上流側に隣接配置され且つ第二ノズルN2より長く延び、前記第一噴孔H1は、前記第一ノズルN1の外周面に穿設され、前記第二噴孔H2は、前記第二ノズルN2の外周面に穿設されている。この構成では、第一ノズルN1及び第二ノズルN2の長さに差を持たせた隣接配置と、第一ノズルN1の外周面への第一噴孔H1の穿設配置と、第二ノズルN2の外周面への第二噴孔H2の穿設配置とにより、第一噴孔H1からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向と、第二噴孔H2からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向とを同一とせずに設定する上での自由度を高めつつ、燃料ガスの吹抜けを抑制でき且つ燃料ガスの濃度分布を均一化できる。
【0079】
更に又、前記
第三実施例において、前記第一ノズルN1及び第二ノズルN2は、前記シリンダ1の軸線に対し平行となるよう配置されて、前記第一ノズルN1は第二ノズルN2より吸気流通方向上流側に隣接配置され、前記第一噴孔H1は、前記第一ノズルN1の先端に穿設され、前記第二噴孔H2は、前記第二ノズルN2の外周面に穿設されている。この構成では、第一ノズルN1及び第二ノズルN2の隣接配置と、第一ノズルN1の先端への第一噴孔H1の穿設配置と、第二ノズルN2の外周面への第二噴孔H2の穿設配置とにより、第一噴孔H1からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向と、第二噴孔H2からの燃料ガスの噴射位置及び噴射方向とを同一とせずに設定する上での自由度を高めつつ、燃料ガスの吹抜けを抑制でき且つ燃料ガスの濃度分布を均一化できる。
【0080】
尚、本発明のガスエンジンの燃料ガス供給装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、前記第一噴孔及び第二噴孔の個数、孔径は適宜選定し得ること等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。