特許第6594789号(P6594789)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594789
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】固液分離装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 33/00 20060101AFI20191010BHJP
【FI】
   B01D33/00 B
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-26165(P2016-26165)
(22)【出願日】2016年2月15日
(65)【公開番号】特開2017-144357(P2017-144357A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】中野 剛
(72)【発明者】
【氏名】千賀 達也
【審査官】 目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−137795(JP,A)
【文献】 特開2002−045615(JP,A)
【文献】 特開昭58−186408(JP,A)
【文献】 米国特許第03630359(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第02726356(DE,A1)
【文献】 スイス国特許発明第00667399(CH,A5)
【文献】 実開昭58−119996(JP,U)
【文献】 実開昭60−089992(JP,U)
【文献】 実開昭49−021567(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D29/00−37/04
C02F11/00−11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、前記回転軸の軸方向に沿って積層された複数のろ片を有し、前記ろ片間にろ過溝が形成された積層状回転ろ体とを含む回転体と、
前記回転体の両端側に配置される一対の側板を含む処理槽と、
前記回転体により送られる原液の固体成分を含む排出物が排出される固体排出口と、
前記固体排出口に設けられ、前記排出物に上側から加圧することにより抵抗を付与する加圧板と、を備え、
前記加圧板は、前記軸方向における両端近傍に配置される一対の端側部分と、前記一対の端側部分の間に配置される内側部分とを含み、
前記一対の端側部分によって前記排出物に加えられる圧力が、前記内側部分によって前記排出物に加えられる圧力よりも小さくなるように構成されている、固液分離装置。
【請求項2】
前記端側部分の前記排出物側の面は、前記固体排出口から前記排出物を排出する排出時において、前記内側部分の前記排出物側の面よりも上方に配置されるように構成されている、請求項1に記載の固液分離装置。
【請求項3】
前記端側部分の前記排出物側の面は、前記内側部分の前記排出物側の面よりも上方に位置する屈曲または湾曲形状を有している、請求項1または2に記載の固液分離装置。
【請求項4】
前記内側部分は、前記軸方向に延びる平板形状に形成され、
前記端側部分は、前記内側部分に接続され、前記軸方向の外側上方に傾斜して延びるように形成されている、請求項3に記載の固液分離装置。
【請求項5】
前記端側部分は、平板形状、段差形状、または、曲面形状を有して外側上方に傾斜して延びるように形成されている、請求項4に記載の固液分離装置。
【請求項6】
前記端側部分を押圧せずに、前記内側部分を押圧する押圧部材をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の固液分離装置。
【請求項7】
前記端側部分と前記内側部分との間には、前記排出物の排出方向に延びるスリットが設けられており、
前記端側部分は、前記固体排出口から前記排出物を排出する排出時に、上方に弾性変形するように構成されている、請求項6に記載の固液分離装置。
【請求項8】
前記加圧板には、前記排出物の排出方向後方に回動軸が設けられ、
前記端側部分は、前記回動軸側から前記排出物の排出方向前方に向かうにつれて前記軸方向の幅が徐々に大きくなるように構成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の固液分離装置。
【請求項9】
前記内側部分と前記端側部分とは、互いに独立して上下方向に移動可能に分割されており、前記固体排出口から前記排出物を排出する排出時において、前記端側部分の前記排出物側の面が前記内側部分の前記排出物側の面よりも上方に位置するように構成されている、請求項2に記載の固液分離装置。
【請求項10】
前記内側部分および前記端側部分を個別に押圧する押圧部材をさらに備え、
前記押圧部材は、基準状態において、前記端側部分に加える押圧力が、前記内側部分に加える押圧力よりも小さくなるように設定されている、請求項9に記載の固液分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、固液分離装置に関し、特に、積層状回転ろ体を備える固液分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層状回転ろ体を備える固液分離装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、回転軸、および、複数のろ片を有する積層状回転ろ体を含む回転体と、回転体の両端側に配置される一対の側板を含む処理槽と、固体排出口と、固体排出口から排出される排出物を加圧する加圧板とを備えた固液分離装置が開示されている。加圧板は、回転軸の軸方向に延びる平板形状に形成されている。なお、回転軸の軸方向は、排出物の送り方向に直交している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−137795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のような従来の固液分離装置では、すべり性の悪い対象物に固液分離処理を行い排出する場合、排出物が処理槽の一対の側板と接触することにより、軸方向の外側の排出物に対して摩擦力(ブレーキ)や圧力が加わることに起因して、一対の側板の近傍部分に挟まれる中央部分と比較して、一対の側板の近傍部分では、固体排出口からの排出物の排出量が少なくなるという不都合があると考えられる。このため、排出物が固体排出口の軸方向において均等に排出されないため、固体排出口から排出物が効率よく排出されないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、固体排出口から排出物を効率よく排出することが可能な固液分離装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一の局面による固液分離装置は、回転軸と、回転軸の軸方向に沿って積層された複数のろ片を有し、ろ片間にろ過溝が形成された積層状回転ろ体とを含む回転体と、回転体の両端側に配置される一対の側板を含む処理槽と、回転体により送られる原液の固体成分を含む排出物が排出される固体排出口と、固体排出口に設けられ、排出物に上側から加圧することにより抵抗を付与する加圧板と、を備え、加圧板は、軸方向における両端近傍に配置される一対の端側部分と、一対の端側部分の間に配置される内側部分とを含み、一対の端側部分によって排出物に加えられる圧力が、内側部分によって排出物に加えられる圧力よりも小さくなるように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による固液分離装置では、上記のように、加圧板に、軸方向における両端近傍に配置される一対の端側部分と、一対の端側部分の間に配置される内側部分とを設け、固液分離装置を、一対の端側部分によって排出物に加えられる圧力が内側部分によって排出物に加えられる圧力よりも小さくなるように構成する。これにより、加圧板の内側部分よりも端側部分によって排出物に加えられる圧力が小さくなるので、排出物が一対の側板から摩擦力(ブレーキ)や圧力を受けた場合でも、排出物の軸方向の内側と外側とにおける抵抗の差が大きくなるのを抑制することができる。その結果、排出物を固体排出口の軸方向において均等化して排出することができるので、固体排出口から排出物を効率よく排出することができる。また、排出物の軸方向の内側と外側とにおける抵抗の差が大きくなるのを抑制することができるので、固体排出口から排出され排出物の含水率にムラができるのを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による固液分離装置において、好ましくは、端側部分の排出物側の面は、固体排出口から排出物を排出する排出時において、内側部分の排出物側の面よりも上方に配置されるように構成されている。このように構成すれば、排出物の排出時に、加圧板の端側部分の排出物側の面が加圧板の内側部分の排出物側の面よりも上方に配置されるので、加圧板の端側部分において、加圧板の内側部分よりも排出物を上方に逃がすことができる。その結果、排出物が加圧板の端側部分から受ける圧力を容易に小さくすることができるので、排出物の軸方向の内側と外側とにおける抵抗の差が大きくなるのを容易に抑制することができる。
【0010】
上記一の局面による固液分離装置において、好ましくは、端側部分の排出物側の面は、内側部分の排出物側の面よりも上方に位置する屈曲または湾曲形状を有している。このように構成すれば、屈曲または湾曲形状を有する加圧板の端側部分により軸方向の外側の排出物に加わる圧力を小さくすることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、内側部分は、軸方向に延びる平板形状に形成され、端側部分は、内側部分に接続され、軸方向の外側上方に傾斜して延びるように形成されている。このように構成すれば、加圧板の端側部分が軸方向の外側上方に傾斜して延びるので、加圧板の端側部分の排出物側の面のうちの側板により近い部分を、加圧板の内側部分の排出物側の面よりも一層上方に配置することができる。その結果、排出物への側板からの抵抗の影響が大きい側板近傍において、排出物に加圧板から加わる圧力を小さくすることができるので、排出物の軸方向の内側と外側との抵抗の差が大きくなるのを抑制することができる。
【0012】
上記端側部分が内側部分に接続されて軸方向の外側上方に傾斜して延びる構成において、好ましくは、端側部分は、平板形状、段差形状、または、曲面形状を有して外側上方に傾斜して延びるように形成されている。このように構成すれば、平板形状、段差形状、または、曲面形状を有する加圧板の端側部分により軸方向の外側の排出物に加わる圧力を小さくすることができる。
【0013】
上記一の局面による固液分離装置において、好ましくは、端側部分を押圧せずに、内側部分を押圧する押圧部材をさらに備える。このように構成すれば、加圧板から排出物の軸方向の内側に加わる圧力を、排出物の軸方向の外側に加わる圧力よりも容易に大きくすることができるので、排出物の軸方向の内側と外側とにおける抵抗の差が大きくなるのを抑制することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、端側部分と内側部分との間には、排出物の排出方向に延びるスリットが設けられており、端側部分は、固体排出口から排出物を排出する排出時に、上方に弾性変形するように構成されている。このように構成すれば、加圧板の端側部分と内側部分との間に設けられたスリットにより、押圧部材から排出物の軸方向の外側に加わる力を、加圧板の端側部分を上方へ弾性変形させて逃がすことができる。その結果、固体排出口の軸方向において排出物への抵抗を容易に均等化させることができるので、固体排出口から排出物をより効率よく排出することができる。
【0015】
上記一の局面による固液分離装置において、好ましくは、加圧板には、排出物の排出方向後方に回動軸が設けられ、端側部分は、回動軸側から排出物の排出方向前方に向かうにつれて軸方向の幅が徐々に大きくなるように構成されている。このように構成すれば、加圧板の排出方向後方の軸方向の端側部分の長さを小さくすることができるので、加圧板の排出方向後方に軸方向の全体にわたり回動軸を設けることができる。これにより、加圧板を安定して回動可能に支持することができる。
【0016】
上記端側部分の排出物側の面が排出時に内側部分の排出物側の面よりも上方に配置される構成において、好ましくは、内側部分と端側部分とは、互いに独立して上下方向に移動可能に分割されており、固体排出口から排出物を排出する排出時において、端側部分の排出物側の面が内側部分の排出物側の面よりも上方に位置するように構成されている。このように構成すれば、排出物の軸方向の内側と外側とにおいて加圧板から加わる圧力を容易に調整することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、内側部分および端側部分を個別に押圧する押圧部材をさらに備え、押圧部材は、基準状態において、端側部分に加える押圧力が、内側部分に加える押圧力よりも小さくなるように設定されている。このように構成すれば、押圧部材により排出物の軸方向の内側と外側とにおいて加圧板から加わる圧力をより容易に調整することができる。なお、基準状態とは、装置の使用開始時の状態、初期設定時の状態、予め決められた所定の設定状態などの状態である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上記のように、固体排出口から排出物を効率よく排出することが可能な固液分離装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態による固液分離装置の側面の断面図である。
図2】本発明の第1実施形態による固液分離装置の側面図である。
図3図2の500−500線に沿った断面図である。
図4】本発明の第1実施形態による固液分離装置の積層状回転ろ体の隣接状態を示した拡大平面図である。
図5】本発明の第1実施形態による固液分離装置の積層状回転ろ体の拡大側面図である。
図6】本発明の第1実施形態による固液分離装置の積層状回転ろ体の要部の拡大正面図である。
図7】本発明の第1実施形態による固液分離装置の加圧板の斜視図である。
図8】本発明の第1実施形態による固液分離装置の正面図である。
図9】本発明の第1実施形態による固液分離装置の加圧板の平面図である。
図10】本発明の第2実施形態による固液分離装置の加圧板の平面図である。
図11】本発明の第3実施形態による固液分離装置の正面図である。
図12】本発明の第1実施形態の第1変形例による固液分離装置の加圧板の斜視図である。
図13】本発明の第1実施形態の第2変形例による固液分離装置の加圧板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
[第1実施形態]
固液分離装置100は、図1に示すように、処理槽1と、原液供給口2aと、液体排出口2bと、固体排出口2cと、複数の回転体3と、複数のモータ4(図2参照)と、シール部材5と、汚泥掻き取り板6と、排出シュート7と、加圧板8と、押圧部材9とを備えている。また、固液分離装置100は、処理槽1の上部に設けられた原液供給口2aから原液が供給されるように構成されている。また、固液分離装置100は、供給された原液を、固体成分と液体成分(水分)とに分離するように構成されている。また、固液分離装置100は、分離した液体成分を処理槽1の下部に設けられた液体排出口2bから排出するように構成されている。また、固液分離装置100は、回転体3により送られる原液の固体成分を含む排出物を処理槽1の側面上部に設けられた固体排出口2cから排出するように構成されている。
【0022】
処理槽1は、直方体形状を有している。また、処理槽1は、回転体3の両端側(Y1方向側およびY2方向側)に配置される一対の側板1aと、一対の側板1aの原液供給口2a側(X1方向側)に配置される後板1bと、一対の側板1aの固体排出口2c側(X2方向側)に配置される前板1cとを含んでいる。
【0023】
ここで、以下の説明では、後板1bから前板1cに向かう方向を前方方向(X2方向)、その逆方向を後方方向(X1方向)とする。また、前後方向(X方向)および上下方向(Z方向)に直交する方向を幅方向(Y方向)とする。
【0024】
図1に示すように、回転体3は、積層状回転ろ体30と、回転軸31とを含んでいる。
【0025】
積層状回転ろ体30は、供給される原液の固体成分を固体排出口2cに送るように、固体排出口2cに向かって上下2列に複数配置されている。具体的には、積層状回転ろ体30は、下列に6個、上列にの4個の合計10個が上下に並ぶように設けられている。上列の積層状回転ろ体30と、下列の積層状回転ろ体30との間の上下(Z方向)の間隔は、原液供給口2a側(X1方向側)から固体排出口2c側(X2方向側)に向かうにしたがって狭くなるように構成されている。また、上列および下列の積層状回転ろ体30は、それぞれ、原液供給口2a側(X1方向側)から固体排出口2c側(X2方向側)に向かうにつれて斜め上方に傾斜するように配置されている。
【0026】
また、下列の6個の積層状回転ろ体30は、所定の間隔を隔てて配置されており、互いに同じ方向(図1において時計回り)に回転することにより、固体成分を搬送するように構成されている。また、上列の4個の積層状回転ろ体30は、所定の間隔を隔てて配置されており、互いに同じ方向(図1において反時計回り)に回転することにより、固体成分を搬送するように構成されている。
【0027】
積層状回転ろ体30は、図3に示すように、回転軸31に沿って積層された複数のろ片を含む。詳しくは、図4図6に示すように、積層状回転ろ体30は、複数の中径円板ろ片32と、複数の小径円板ろ片33と、複数の大径円板ろ片34とを含んでいる。回転軸31は、幅方向(Y方向)に延びるように配置されている。また、回転軸31には、小径円板ろ片33、中径円板ろ片32、大径円板ろ片34および中径円板ろ片32の順で、積層されている。つまり、隣接する中径円板ろ片32間に、大径円板ろ片34および小径円板ろ片33が交互に配置されてろ片が積層されている。そして、上記順番を繰り返して複数のろ片が積層される。なお、中径円板ろ片32、小径円板ろ片33および大径円板ろ片34は、特許請求の範囲の「ろ片」の一例である。
【0028】
また、隣接する中径円板ろ片32間には、ろ過溝Sが形成されている。具体的には、中径円板ろ片32は、軸方向(Y方向)に隣接する他の中径円板ろ片32に当接する凸部32aが設けられている。そして、凸部32aにより隔てられた中径円板ろ片32の間にろ過溝Sが形成される。また、凸部32aは、図5に示すように、周方向に沿って等間隔(90度間隔)で4つ配置されている。また、凸部32aは、図5および図6に示すように、小径円板ろ片33の切欠部33aまたは大径円板ろ片34の穴部34aに挿入されるように構成されている。また、中径円板ろ片32の軸穴32a、小径円板ろ片33の軸穴33bおよび大径円板ろ片34の軸穴34bには、回転軸31が挿入されている。回転軸31の一方端側(Y1方向側)および他方端側(Y2方向側)は、軸受35(図3参照)により回転可能に支持されている。
【0029】
小径円板ろ片33は、隣接する中径円板ろ片32間のろ過溝Sに揺動可能に配置されている。また、隣接する中径円板ろ片32間のろ過溝Sの小径円板ろ片33を除く部分には、ろ水流出溝Gが形成されている。大径円板ろ片34は、隣接する中径円板ろ片32間のろ過溝Sに揺動可能に配置されている。このように構成すれば、大径円板ろ片34および小径円板ろ片33の揺動により、ろ過溝Sが目詰まりするのを抑制することができる。また、隣接する中径円板ろ片32間のろ過溝Sの大径円板ろ片34を除く部分には、ろ水流出溝Gが形成されている。これらのろ水流出溝Gを通って原液中の液体成分がろ過される。
【0030】
また、図4に示すように、大径円板ろ片34は、固体成分を送る方向(X方向およびZ方向)に隣接する積層状回転ろ体30のろ過溝S内に入り込むように配置されている。つまり、隣接する積層状回転ろ体30は、ろ過溝Sに大径円板ろ片34が配置されている位置と、小径円板ろ片33が配置されている位置とが互いに対向するように配置されている。そして、大径円板ろ片34は、隣接する積層状回転ろ体30の小径円板ろ片33が配置されているろ過溝S内に入り込んで、固体成分を掻き取るように構成されている。
【0031】
中径円板ろ片32は、樹脂により形成されている。また、小径円板ろ片33および大径円板ろ片34は、金属により形成されている。
【0032】
モータ4は、図2および図3に示すように、複数の積層状回転ろ体30のそれぞれの回転軸31の軸方向(Y方向)の一方端部に設けられている。また、モータ4は、複数(10個)の積層状回転ろ体30毎(回転体3毎)に設けられている。また、モータ4は、制御部(図示せず)により制御される減速機41を介して、回転軸31を回転駆動させるように構成されている。なお、図2および図3に示すように、複数(10個)のモータ4を、軸方向の一方側(Y1方向側またはY2方向側)にのみ配置してもよいし、軸方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に配置してもよい。また、複数(10個)のモータ4を軸方向の両側(Y1方向側およびY2方向側)に配置する場合には、複数(10個)のモータ4を軸方向の一方側(Y1方向側)および他方側(Y2方向側)に交互に配置するのが好ましい。
【0033】
シール部材5は、図1に示すように、処理槽1の後板1b(X1方向側の面)と、下列の後板1b側に配置された積層状回転ろ体30との間に1つ配置されている。シール部材5は、下列の最も後板1b側の積層状回転ろ体30との間を封止するように構成されている。これにより、シール部材5は、原液がそのまま液体排出口2b側に流出するのを防止するように構成されている。
【0034】
汚泥掻き取り板6は、処理槽1の前板1c(X2方向側の面)と、下列の前板1c側に配置された積層状回転ろ体30との間に1つ配置されている。また、汚泥掻き取り板6は、処理槽1の前板1cと、上列の前板1c側に配置された積層状回転ろ体30との間にも1つ配置されている。すなわち、汚泥掻き取り板6は、積層状回転ろ体30の下列側および上列側にそれぞれ1つずつ配置されている。また、下列側の汚泥掻き取り板6は、処理槽1の前板1cに直接固定されている。また、下列側の汚泥掻き取り板6は、処理槽1の前板1cに取付板60を介して固定されている。また、汚泥掻き取り板6は、前板1c側に配置された積層状回転ろ体30の間に詰まった固形物を掻き取って、除去するように構成されている。
【0035】
排出シュート7は、図1に示すように、固体排出口2cに設けられ、処理槽1から排出された排出物の排出経路を構成している。また、排出シュート7は、図8に示すように、一対の横板70と、底板71とを含み、排出方向から見て、略U字形状に形成されている。
【0036】
横板70は、処理槽1の一対の側板1aのそれぞれに取り付けられ、軸方向(Y方向)において互いに対向して配置されている。なお、一対の横板70の軸方向における間隔は、処理槽1の一対の側板1aの軸方向における間隔よりも僅かに大きくなるように構成されている。たとえば、一対の横板70の間隔が約530mm、処理槽1の一対の側板1aの隔が約500mmとなるように構成されている。これにより、一対の横板70は、処理槽1から排出シュート7内に排出された排出物に大きな摩擦力が作用するのを抑制するように構成されている。つまり、排出シュート7からスムーズに排出物を排出可能に構成されている。
【0037】
底板71は、下斜め前方に傾斜している。このため、排出シュート7は、排出物を下斜め前方(排出方向前方、A1方向)に排出するように構成されている。
【0038】
加圧板8は、図7に示すように、1つの板状部材である。また、加圧板8は、ステンレスなどの金属製である。また、加圧板8は、固体排出口2cに設けられている。また、加圧板8は、排出シュート7の内側に配置され、取付板60に設けられた回動軸18に回動可能に取り付けられている。回動軸18は、図1に示すように、加圧板8に対して、排出物の排出方向後方(A2方向)に設けられている。なお、回動軸18の軸方向は、回転体3の回転軸31の軸方向(Y方向)と略平行である。また、加圧板8は、排出シュート7の底板71上の排出物に上側(Z1方向側)から加圧することにより抵抗を付与するように構成されている。
【0039】
また、図7に示すように、加圧板8は、軸方向(幅方向、Y方向)における両端近傍に配置される一対の端側部分80と、一対の端側部分80の間に配置される内側部分81とを含んでいる。
【0040】
内側部分81は、軸方向(Y方向)に延びる平板形状に形成されている。端側部分80は、内側部分81の軸方向(Y方向)の両端に接続されている。また、端側部分80は、平板形状を有して軸方向(Y方向)の外側上方に傾斜して延びるように形成されている。また、端側部分80の排出物側の面180は、固体排出口2c(図1参照)から排出物を排出する排出時において、内側部分81の排出物側の面181よりも上方に位置する(配置される)屈曲形状を有している。すなわち、加圧板8は、排出物の排出時に、内側部分81側よりも端側部分80側において、排出物を配置するためのより高さのある空間を確保するように構成されている。その結果、固液部分離装置100(図1参照)は、一対の端側部分80によって排出物に加えられる圧力が、内側部分81によって排出物に加えられる圧力よりも小さくなるように構成されている。
【0041】
端側部分80は、図9に示すように、回動軸18側から排出物の排出方向前方(A1方向)に向かうにつれて軸方向(Y方向)の幅Wが徐々に大きくなるように構成されている。したがって、端側部分80は、排出方向後方(A2方向)の回動軸18の端部を頂点とする三角形状に形成されている。また、内側部分81は、台形状に形成されている。なお、図9では説明の便宜上、内側部分81は排出方向前方(A1方向)に延びているものとしている。
【0042】
押圧部材9は、図1および図8に示すように、端側部分80を押圧せずに、内側部分81を押圧するように構成されている。具体的には、押圧部材9は、内側部分81の排出物と接する側とは逆側の面181aに接触するように配置され、加圧板8(内側部分81)を排出物に向けて押圧するように構成されている。また、押圧部材9は、軸方向(Y方向)に所定間隔を隔てて複数(3つ)配置されている。
【0043】
押圧部材9は、筒状の筐体91と、ネジ調整部92と、圧縮バネ部93と、押圧ピン94とを備えている。筺体91は、前板1cから前方(X2方向)に突出する突出部1dに固定されている。筺体91内には、上側(Z1方向側)から順に、ネジ調整部92の下側部分、圧縮バネ部93、押圧ピン94の上側部分が配置されている。また、ネジ調整部92の下端と圧縮バネ部93の上端とは、常に当接している。また、圧縮バネ部93の下端と押圧ピン94の上端とは、常に当接している。筺体91には、上端部に雌ネジ部(図示せず)が設けられている。ネジ調整部92には雄ネジ部92aが設けられており、ネジ調整部92は、筐体91の雌ネジ部に取り付けられている。また、ネジ調整部92は、雄ネジ部92aにより筺体91に対する上下方向(Z方向)の高さ位置を変えることにより、圧縮バネ部93の伸縮の程度を調整するように構成されている。圧縮バネ部93は、上方から押圧ピン94を加圧板8(内側部分81)に向けて押し下げるように構成されている。これにより、押圧部材9は、押圧ピン94の下方端により、加圧板8を排出物に向けて押圧するように構成されている。
【0044】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0045】
第1実施形態では、上記のように、加圧板8に、軸方向における両端近傍に配置される一対の端側部分80と、一対の端側部分80の間に配置される内側部分81とを設け、固液分離装置100を、一対の端側部分80によって排出物に加えられる圧力が内側部分81によって排出物に加えられる圧力よりも小さくなるように構成する。これにより、加圧板8の内側部分81よりも端側部分80によって排出物に加えられる圧力が小さくなるので、排出物が一対の側板1aから摩擦力(ブレーキ)や圧力を受けた場合でも、排出物の軸方向の内側と外側とにおける抵抗の差が大きくなるのを抑制することができる。その結果、排出物を固体排出口2cの軸方向において均等化して排出することができるので、固体排出口2cから排出物を効率よく排出することができる。また、排出物の軸方向の内側と外側とにおける抵抗の差が大きくなるのを抑制することができるので、固体排出口2cから排出される排出物(脱水ケーキ)の含水率にムラができるのを抑制することができる。
【0046】
また、第1実施形態では、上記のように、端側部分80の排出物側の面180を、固体排出口2cから排出物を排出する排出時において、内側部分81の排出物側の面181よりも上方に配置されるように構成する。これにより、排出物の排出時に、加圧板8の端側部分80の排出物側の面180が加圧板8の内側部分81の排出物側の面181よりも上方に配置されるので、加圧板8の端側部分80において、加圧板8の内側部分81よりも排出物を上方に逃がすことができる。その結果、排出物が加圧板8の端側部分80から受ける圧力を容易に小さくすることができるので、排出物の軸方向の内側と外側とにおける抵抗の差が大きくなるのを容易に抑制することができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、端側部分80の排出物側の面180を、内側部分81の排出物側の面181よりも上方に位置する屈曲形状に形成する。これにより、屈曲を有する加圧板8の端側部分80により軸方向の外側の排出物に加わる圧力を小さくすることができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、内側部分81を、軸方向に延びる平板形状に形成し、端側部分80を、内側部分81に接続され、軸方向の外側上方に傾斜して延びるように形成する。これにより、加圧板8の端側部分80が軸方向の外側上方に傾斜して延びるので、加圧板8の端側部分80の排出物側の面180のうちの側板1aにより近い部分を、加圧板8の内側部分81の排出物側の面181よりも一層上方に配置することができる。その結果、排出物への側板1aからの抵抗の影響が大きい側板1a近傍において、排出物に加圧板8から加わる圧力を小さくすることができるので、排出物の軸方向の内側と外側との抵抗の差が大きくなるのを抑制することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、端側部分80を、平板形状を有して外側上方に傾斜して延びるように形成する。これにより、平板形状を有する加圧板8の端側部分80により軸方向の外側の排出物に加わる圧力を小さくすることができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、端側部分80を押圧せずに、内側部分81を押圧する押圧部材9を設ける。これにより、加圧板8から排出物の軸方向の内側に加わる圧力を、排出物の軸方向の外側に加わる圧力よりも容易に大きくすることができるので、排出物の軸方向の内側と外側とにおける抵抗の差が大きくなるのを抑制することができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、加圧板8の排出物の排出方向後方に回動軸18を設け、端側部分80を、回動軸18側から排出物の排出方向前方に向かうにつれて軸方向の幅が徐々に大きくなるように構成する。これにより、加圧板8の排出方向後方の軸方向の端側部分80の長さを小さくすることができるので、加圧板8の排出方向後方に軸方向の全体にわたり回動軸18を設けることができる。これにより、加圧板8を安定して回動可能に支持することができる。
【0052】
[第2実施形態]
次に、図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、内側部分81に対して端側部分80を外側上方に傾斜させて加圧板8を構成した上記第1実施形態とは異なり、内側部分81aと端側部分80aとの間にスリット82を設けて加圧板8aを構成した例について説明する。なお、第2実施形態の固液分離装置は、加圧板8a以外の構成が第1実施形態と同様であるため、以下では、加圧板8aについてのみ説明する。
【0053】
図10に示すように、第2実施形態による固液分離装置(図示せず)は、加圧板8aを備えている。加圧板8aは、軸方向(幅方向、Y方向)における両端近傍に配置される一対の端側部分80aと、一対の端側部分80aの間に配置される内側部分81aとを含んでいる。一対の端側部分80aのと内側部分81aとの間には、排出物の排出方向に延びる一対のスリット82が設けられている。具体的には、スリット82は、排出方向前方(A1方向)の端部から排出方向後方(A2方向)に延びるように設けられている。また、スリット82の排出方向の大きさL1は、たとえば、加圧板8aの排出方向の大きさL2の3分の2程度である。
【0054】
一対の端側部分80aは、固体排出口2cから排出物(図1参照)を排出する排出時に、スリット82に対して外側の部分が排出物に押されて上方に弾性変形するように構成されている。なお、内側部分81aは、押圧部材9により、上方から押圧されるため、排出物により上方に弾性変形することは、ほとんどない。一対の端側部分80aが弾性変形した結果、固液部分離装置は、一対の端側部分80aによって排出物に加えられる圧力が、内側部分81aによって排出物に加えられる圧力よりも小さくなるように構成されている。なお、図10では説明の便宜上、加圧板8aは排出方向前方(A1方向)に延びているものとしている。
【0055】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0056】
また、第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、加圧板8aに、軸方向における両端近傍に配置される一対の端側部分80aと、一対の端側部分80aの間に配置される内側部分81aとを設け、固液分離装置を、一対の端側部分80aによって排出物に加えられる圧力が内側部分81aによって排出物に加えられる圧力よりも小さくなるように構成する。これにより、固体排出口2cから排出物を効率よく排出することができる。
【0057】
また、第2実施形態では、上記のように、端側部分80aと内側部分81aとの間に、排出物の排出方向に延びるスリット82を設け、端側部分80aを、固体排出口2cから排出物を排出する排出時に、上方に弾性変形するように構成する。これにより、加圧板8aの端側部分80aと内側部分81aとの間に設けられたスリット82によって、押圧部材9から排出物の軸方向の外側に加わる力を、加圧板8aの端側部分80aを上方へ弾性変形させて逃がすことができる。その結果、固体排出口2cの軸方向において排出物への抵抗を容易に均等化させることができるので、固体排出口2cから排出物をより効率よく排出することができる。
【0058】
[第3実施形態]
次に、図11を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、加圧板8を1つの板状部材により構成した上記第1実施形態とは異なり、加圧板8bを複数の板状部材により構成する例について説明する。
【0059】
図11に示すように、第3実施形態による固液分離装置は、固液分離装置100は、処理槽1と、原液供給口2aと、液体排出口2bと、固体排出口2cと、複数の回転体3と、複数のモータ4と、シール部材5(図1参照)と、汚泥掻き取り板6(図1参照)と、排出シュート7と、加圧板8bと、押圧部材9とを備えている。
【0060】
加圧板8bは、軸方向(幅方向、Y方向)における両端近傍に配置される一対の端側部分80bと、一対の端側部分80bの間に配置される内側部分81bとを含んでいる。また、端側部分80bと内側部分81bとは、互いに独立して上下方向に移動可能に分割されている。これにより、端側部分80bと内側部分81bとは、基準状態において、固体排出口2cから排出物を排出する排出時において、端側部分80bの排出側の面180が内側部分81bの排出側の面181よりも上方に位置するように構成されている。
【0061】
具体的には、内側部分81bは3つの板状部材、端側部分80bは2つの板状部材から構成されている。内側部分81bと端側部分80bとは軸方向(Y方向)に沿って並んでいる。また、押圧部材9は、各内側部分81bおよび端側部分80bに対して1つずつ、つまり、計5つ設けられている。したがって、内側部分81bと端側部分80bとは、押圧部材9からの押圧力により、互いに異なる圧力で排出物を加圧することが可能に構成されている。なお、押圧部材9は、基準状態において、端側部分80bに加える押圧力が内側部分81bに加える押圧力よりも小さくなるように設定されている。その結果、固液部分離装置100aは、一対の端側部分80bによって排出物に加えられる圧力が、内側部分81bによって排出物に加えられる圧力よりも小さくなるように構成されている。
【0062】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0063】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0064】
また、第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、加圧板8bに、軸方向における両端近傍に配置される一対の端側部分80bと、一対の端側部分80bの間に配置される内側部分81bとを設け、固液分離装置100aを、一対の端側部分80bによって排出物に加えられる圧力が内側部分81bによって排出物に加えられる圧力よりも小さくなるように構成する。これにより、固体排出口2cから排出物を効率よく排出することができる。
【0065】
また、第3実施形態では、上記のように、内側部分81bと端側部分80bとを、互いに独立して上下方向に移動可能に分割し、固体排出口2cから排出物を排出する排出時において、端側部分80bの排出物側の面180が内側部分81bの排出物側の面181よりも上方に位置するように構成する。これにより、排出物の軸方向の内側と外側とにおいて加圧板8bから加わる圧力を容易に調整することができる。
【0066】
また、第3実施形態では、上記のように、内側部分81bおよび端側部分80bを個別に押圧する押圧部材9を設け、押圧部材9を、基準状態において、端側部分80bに加える押圧力が、内側部分81bに加える押圧力よりも小さくなるように設定する。これにより、押圧部材9により排出物の軸方向の内側と外側とにおいて加圧板8bから加わる圧力をより容易に調整することができる。なお、基準状態とは、装置の使用開始時の状態、初期設定時の状態、予め決められた所定の設定状態などの状態である。
【0067】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0068】
たとえば、上記第1実施形態では、端側部分を、平板形状を有して軸方向(Y方向)の外側上方に傾斜して延びるように形成した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、端側部分を平板形状以外の形状としてもよい。たとえば、図12に示す第1実施形態の第1変形例のように、端側部分80cを、段差形状を有して軸方向(Y方向)の外側上方に傾斜して延びるように形成してもよい。また、図13に示す第1実施形態の第2変形例のように、端側部分80dを、湾曲形状を有して軸方向(Y方向)の外側上方に傾斜して延びるように形成してもよい。
【0069】
また、上記第1〜第3実施形態では、加圧板を押圧する押圧部材を設けた例を示したが本発明はこれに限らない。本発明では、加圧板を押圧する押圧部材を設けなくてもよい。この場合、加圧板は、たとえば、自重により排出物を加圧するように構成してもよい。
【0070】
また、上記第1〜第3実施形態では、積層状回転ろ体のろ片が、大径円板ろ片、小径円板ろ片および中径円板ろ片の3種類のろ片を含む構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、積層状回転ろ体のろ片は、3種類以外の組合せでもよい。たとえば、2種類以下のろ片を組み合わせて積層してもよいし、4種類以上のろ片を組み合わせて積層してもよい。
【0071】
また、上記第1〜第3実施形態では、積層状回転ろ体の中径円板ろ片は、樹脂により形成されている構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、中径円板ろ片は、樹脂以外の材料により形成されていてもよい。
【0072】
また、上記第1実施形態では、端側部分を、回動軸側から排出物の排出方向前方に向かうにつれて軸方向の幅が徐々に大きくなるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、端側部分を、回動軸側から排出物の排出方向前方に向かうにつれて軸方向の幅が徐々に大きくなるように構成しなくてもよい。たとえば、端側部分の軸方向の幅を一定としてもよい。
【0073】
また、上記第1および第2実施形態では、押圧部材を3つ設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、押圧部材を1つ、2つまたは4つ以上設けてもよい。
【0074】
また、上記第1および第2実施形態では、加圧板を1つ設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、加圧板を複数設けてもよい。
【0075】
また、上記第3実施形態では、加圧板を5つ設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、3つ以上であれば、加圧板をいくつ設けてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 処理槽
1a 側板
2c 固体排出口
3 回転体
8、8a、8b 加圧板
9 押圧部材
18 回動軸
30 積層状回転ろ体
31 回転軸
32 中径円板ろ片(ろ片)
33 小径円板ろ片(ろ片)
34 大径円板ろ片(ろ片)
80、80a、80b、80c、80d 端側部分
81、81a、81b 内側部分
82 スリット
100、100a 固液分離装置
180 面(端側部分の排出物側の面)
181 面(内側部分の排出物側の面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13