特許第6594842号(P6594842)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594842
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】車両用ドアのアウトハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/16 20140101AFI20191010BHJP
【FI】
   E05B85/16 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-214882(P2016-214882)
(22)【出願日】2016年11月2日
(65)【公開番号】特開2018-71265(P2018-71265A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2018年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000155067
【氏名又は名称】株式会社ホンダロック
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】特許業務法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 研吾
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−042937(JP,A)
【文献】 特開2011−032818(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0265373(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドア(D)が有するアウターパネル(11)の外側で車両前後方向に延びる操作ハンドル(12)の一端部に、前記アウターパネル(11)内に一部が突入される支持腕部(15)が設けられ、その支持腕部(15)の先端部が、前記アウターパネル(11)に固定される軸部(17)で回動可能に支持される車両用ドア(D)のアウトハンドル装置において、前記支持腕部(15)の先端部に、前記操作ハンドル(12)の非操作状態で車両内側に向けて開口するU字状の軸受凹部(26)が形成され、上下方向に延びる軸線を有して前記軸受凹部(26)に嵌合する軸部(17)を有する支持部材(27)が、前記アウターパネル(11)に固定されるベース部材(14)に車両内側から取付けられ、前記ベース部材(14)に前記操作ハンドル(12)の非操作状態で前記支持腕部(15)の先端部に前記軸部(17)と反対側から当接する規制面(43)が形成されることを特徴とする車両用ドアのアウトハンドル装置。
【請求項2】
前記支持部材(27)が、前記ベース部材(14)への弾発係合で該ベース部材(14)に取付けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアのアウトハンドル装置。
【請求項3】
前記ベース部材(14)は、前記支持腕部(15)を上下から挟む一対の側板(14a,14b)を有し、それらの側板(14a,14b )に、車両内側からの前記軸部(17)の挿入を可能とした挿入凹部(28)がそれぞれ設けられ、前記軸受凹部(26)に前記軸部(17)を嵌合させる取付け位置と、前記ベース部材(14)に対する前記支持部材(27)の取付け方向(30)で前記取付け位置よりも後方に設定される仮組み位置との間での前記支持部材(27)の移動をガイドする支持部材ガイド(29)が、前記挿入凹部(28)の車両前後方向に沿う前後で前記取付け方向(30)に沿って延びるようにして前記一対の側板(14a,14b)にそれぞれ対をなして設けられ、前記支持部材(27)に、前記支持部材ガイド(29)にそれぞれ設けられる係止凹部(34)に前記仮組み位置で弾発係合される仮組み用係合突起(35)と、前記取付け位置で前記係止凹部(34)に弾発係合される取付け用係合突起(36)とが設けられることを特徴とする請求項2に記載の車両用ドアのアウトハンドル装置。
【請求項4】
前記支持部材(27)が、車両前後方向で前記挿入凹部(28)の前後に配置される支持部材ガイド(29)でそれぞれガイドされるようにして前記取付け方向(30)に沿って延びる4つの棒状枠部(37)と、それらの棒状枠部(37)のうち上方に配置される一対の棒状枠部(37)の前記取付け方向(30)に沿う前端寄りの中間部間を連結する上部連結板部(38)と、前記4つの棒状枠部(37)のうち下方に配置される一対の棒状枠部(37)の前記取付け方向に沿う前端寄りの中間部間を連結する下部連結板部(39)と、前記上部連結板部(38)および前記下部連結板部(39)間に架設される前記軸部(17)と、前記4つの棒状枠部(37)の前記取付け方向(30)に沿う後端に連設される操作部(40)とを一体に有し、前記4つの前記棒状枠部(37)の前端部に前記仮組み用係合突起(35)がそれぞれ突設され、前記取付け方向(30)に沿って前記操作部(40)よりも前方で前記4つの棒状枠部に(37)前記取付け用係合突起(36)がそれぞれ突設され、前記操作部(40)に、前記軸部(17)と平行に延びるスリット(41)が形成されることを特徴とする請求項3に記載の車両用ドアのアウトハンドル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアが有するアウターパネルの外側で車両前後方向に延びる操作ハンドルの一端部に、前記アウターパネル内に一部が突入される支持腕部が設けられ、その支持腕部の先端部が、前記アウターパネルに固定される軸部で回動可能に支持される車両用ドアのアウトハンドル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような車両用ドアのアウトハンドル装置は、特許文献1で既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3597670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1で開示されたものでは、操作ハンドルの支持腕部の先端部に、操作ハンドルの非操作状態で車両前後方向前方に向けて開く嵌合凹部が形成され、ベース部材に設けられる軸部が前記嵌合凹部に嵌合されており、操作ハンドルの車両前後方向、特に後方へのがたつきが生じ易い。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、操作ハンドルのがたつきを防止し得るようにした車両用ドアのアウトハンドル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、車両用ドアが有するアウターパネルの外側で車両前後方向に延びる操作ハンドルの一端部に、前記アウターパネル内に一部が突入される支持腕部が設けられ、その支持腕部の先端部が、前記アウターパネルに固定される軸部で回動可能に支持される車両用ドアのアウトハンドル装置において、前記支持腕部の先端部に、前記操作ハンドルの非操作状態で車両内側に向けて開口するU字状の軸受凹部が形成され、上下方向に延びる軸線を有して前記軸受凹部に嵌合する軸部を有する支持部材が、前記アウターパネルに固定されるベース部材に車両内側から取付けられ、前記ベース部材に前記操作ハンドルの非操作状態で前記支持腕部に前記軸部と反対側から当接する規制面が形成されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記支持部材が、前記ベース部材への弾発係合で該ベース部材に取付けられることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記ベース部材が有する上下一対の側板に、車両内側からの前記軸部の挿入を可能とした挿入凹部がそれぞれ設けられ、前記軸受凹部に前記軸部を嵌合させる取付け位置と、前記ベース部材に対する前記支持部材の取付け方向で前記取付け位置よりも後方に設定される仮組み位置との間での前記支持部材の移動をガイドする支持部材ガイドが、前記挿入凹部の車両前後方向に沿う前後で前記取付け方向に沿って延びるようにして前記一対の側板にそれぞれ対をなして設けられ、前記支持部材に、前記支持部材ガイドにそれぞれ設けられる係止凹部に前記仮組み位置で弾発係合される仮組み用係合突起と、前記取付け位置で前記係止凹部に弾発係合される取付け用係合突起とが設けられることを第3の特徴とする。
【0009】
さらに本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記支持部材が、車両前後方向で前記挿入凹部の前後に配置される支持部材ガイドでそれぞれガイドされるようにして前記取付け方向に沿って延びる4つの棒状枠部と、それらの棒状枠部のうち上方に配置される一対の棒状枠部の前記取付け方向に沿う前端寄りの中間部間を連結する上部連結板部と、前記4つの棒状枠部のうち下方に配置される一対の棒状枠部の前記取付け方向に沿う前端寄りの中間部間を連結する下部連結板部と、前記上部連結板部および前記下部連結板部間に架設される前記軸部と、前記4つの棒状枠部の前記取付け方向に沿う後端に連設される操作部とを一体に有し、前記4つの前記棒状枠部の前端部に前記仮組み用係合突起がそれぞれ突設され、前記取付け方向に沿って前記操作部よりも前方で前記4つの棒状枠部に前記取付け用係合突起がそれぞれ突設され、前記操作部に、前記軸部と平行に延びるスリットが形成されることを第4の特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の特徴によれば、操作ハンドルに設けられた支持腕部の先端部に車両内側に向けて開口するU字状の軸受凹部が形成され、アウターパネルに固定されるベース部材に車両内側から取付けられる支持部材が上下方向に延びる軸部を有し、その軸部が軸受凹部に嵌合されるので、車両前後方向の操作ハンドルのがたつきを防止することができる。またベース部材に形成される規制面が、操作ハンドルの非操作状態で支持腕部の先端部に軸部と反対側から当接するので、支持腕部の先端部が、軸部および規制面によって車両の内外方向で挟まれることになり、車両の内外方向での操作ハンドルのがたつきも防止することができる。
【0011】
また本発明の第2の特徴によれば、支持部材が弾発係合でベース部材に取付けられるので、支持部材のベース部材への取付けが容易となる。
【0012】
本発明の第3の特徴によれば、支持部材が、ベース部材が有する上下一対の側板に一対ずつ設けられる支持部材ガイドによるガイドで、軸受凹部に軸部を嵌合させる取付け位置と、仮組み位置との間で移動することが可能であり、支持部材ガイドに設けられる係止凹部に仮組み位置で弾発係合する仮組み用係合突起が支持部材に設けられるので、支持部材を仮組みした状態でベース部材を出荷することができ、アウトハンドル装置の組み付け時に後工程での組み付け工数削減に寄与することができる。
【0013】
さらに本発明の第4の特徴によれば、支持部材は、4つの支持部材ガイドでそれぞれガイドされるようにして取付け方向に沿って延びる4つの棒状枠部と、上方に配置される一対の棒状枠部の前端寄りの中間部間を連結する上部連結板部と、前下方に配置される一対の棒状枠部の前端寄りの中間部間を連結する下部連結板部と、上部および下部連結板部間に架設される軸部と4つの棒状枠部の後端に連設される操作部とを一体に有しており、各棒状枠部の前端部に仮組み用係合突起が突設されるので、操作部を押して支持部材をベース部材側に押し込むと各棒状枠部の前端部を車両前後方向に撓ませて仮組み用係合突起を係止凹部に弾発係合させることができ、また仮組み位置から取付け位置に向けて支持部材をベース部材側に押し込むと操作部にスリットが形成されていることによって各棒状枠部の後部を車両前後方向に撓ませて取付け用突起を係止凹部に弾発係合させることができ、支持部材のベース部材に対する着脱作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】車両用ドアの側面図である。
図2図1の2−2線断面図である。
図3】操作ハンドル、ベース部材および支持部材の分解斜視図である。
図4】ベース部材の上部側面の要部斜視図である。
図5】支持部材の斜視図である。
図6】支持部材を仮組した状態でのベース部材の斜視図である。
図7】支持部材が仮組みされた状態(a)ならびに支持部材が取付けられた状態(b)を図1の7−7線に沿って示す断面図である。
図8】支持部材が取付けられた状態でのベース部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図1図8に基づいて説明すると、先ず図1および図2において、たとえばサイドドアである車両用ドアDのアウターパネル11には、該アウターパネル11の外側で車両の前後方向(図2の左右方向)に延びる操作ハンドル12が、車両用ドアDの外側で開扉操作することを可能として回動可能に取付けられる。
【0016】
前記アウターパネル11には、前記操作ハンドル12を把持する車両ユーザの手を挿入することを可能とするための窪み13を形成する彎曲部11aが車両内側に向けて膨らむようにして設けられる。
【0017】
図3を併せて参照して、前記アウターパネル11の内面には、車両前後方向に延びるベース部材14が固定される。前記操作ハンドル12の一端部(この実施の形態では車両前後方向に沿う前端部)には、前記アウターパネル11内に一部が突入される支持腕部15が設けられ、その支持腕部15の先端部が、前記アウターパネル11に固定される軸部17で回動可能に支持される。また前記操作ハンドル12の他端部(この実施の形態では車両前後方向に沿う後端部)には、前記アウターパネル11内に突入される連結腕部16が連設される。
【0018】
前記ベース部材14の車両前後方向に沿う後部には後部挿入孔18が設けられる。前記アウターパネル11には、その後部挿入孔18に対応した貫通孔 (図示せず)が設けられており、前記連結腕部16は前記貫通孔を貫通して前記後部挿入孔18に挿入される。前記連結腕部16は、車両用ドアD内に配置されるラッチ機構(図示せず)に連動、連結されるものであり、前記ラッチ機構がアンロック状態にあるときに、前記操作ハンドル12を車両用ドアDの外方側に引き出す方向に操作することによって、前記ラッチ機構は車両用ドアDの閉状態を解除することになり、操作ハンドル12の操作により車両用ドアDを開放することが可能となる。しかも前記操作ハンドル12は、図示しない付勢手段によって前記連結腕部16が車両用ドアDの内方側に引き込まれる側に付勢される。
【0019】
前記連結腕部16よりも車両前後方向に沿う後方で前記ベース部材14には、メカニカルキー(図示せず)によって前記ラッチ機構のロック状態およびアンロック状態を切り替えるシリンダ錠19(図1参照)が固定される。また前記操作ハンドル12の車両前後方向後方で前記アウターパネル11には、前記操作ハンドル12が非操作状態にあるときに前記操作ハンドル12に円滑に連なるようにして前記アウターパネル11から外側方に隆起するベースカバー20が、前記シリンダ錠19の一部を覆うようにして固定されており、このベースカバー20には、前記シリンダ錠19のキー孔21を臨ませる円形の開口部22が設けられる。
【0020】
前記操作ハンドル12の前記ベースカバー20側の端部には、車両ユーザが車両用ドアDをロックする意志を確認するためのタクトスイッチ(図示せず)が配設されており、前記操作ハンドル12には、前記タクトスイッチを押圧操作するためのスイッチボタン23を臨ませる開口部24が設けられる。
【0021】
前記支持腕部15は、前記ベース部材14の車両前後方向に沿う前部内に突入するようにして略L字状に形成されており、前記ベース部材14には、前記支持腕部15を挿入するための前部挿入孔25が設けられ、前記アウターパネル11にはその前部挿入孔25に対応した貫通孔 (図示せず)が設けらる。
【0022】
前記アウターパネル11を貫通して前記前部挿入孔25から前記ベース部材14の車両前後方向に沿う前部に挿入される前記支持腕部15の先端部には、前記操作ハンドル12の非操作状態で車両内側に向けて開口するU字状の軸受凹部26が形成され、上下方向に延びる軸線を有して前記軸受凹部26に嵌合する前記軸部17を有する支持部材27が、前記アウターパネル11に固定されるベース部材14に車両内側からの弾発係合によって取付けられる。
【0023】
前記ベース部材14は、当該ベース部材14内に挿入された前記支持腕部15を上下から挟む一対の側板14a,14b、すなわち前記支持腕部15の上方に配置される第1の側板14aならびに第1の側板14aとの間に前記支持腕部15を挟むようにして前記支持腕部15の下方に配置される第2の側板14bを有しており、第1および第2の側板14a,14bには、車両内側からの前記軸部17の挿入を可能とした挿入凹部28がそれぞれ設けられる。
【0024】
図4を併せて参照して、前記第2の側板14bには、前記支持部材27の移動をガイドするようにして前記挿入凹部28の車両前後方向に沿う前後に配置される一対の支持部材ガイド29が、前記ベース部材14への前記支持部材27の車両内側からの取付け方向30に沿って延びるようにして設けられ、この実施の形態では、前記支持部材ガイド29は前記第2の側板14bの外側面に設けられる。
【0025】
前記支持部材ガイド29は、前記第2の側板14bの外側面に立設されて前記取付け方向30に沿って延びるとともに前記取付け方向30に沿う後端部には前記挿入凹部28側に突出した突出部分31aが設けられる立ち上がり壁部31と、前記突出部分31aの一部を除く部分で前記立ち上がり壁部31に連設されて前記挿入凹部28側に張り出す庇部32とを備えており、前記取付け方向30に沿って長く延びるガイド溝33が、前記第1の側板14aの外側面、前記立ち上がり壁部31および前記庇部32によって形成される。
【0026】
前記挿入凹部28の前後両側で第2の側板14bの外側面に設けられる前記支持部材ガイド29は、前記支持腕部15の軸受凹部26に前記支持部材27の前記軸部17を嵌合させる取付け位置(図2で示す位置)と、前記取付け方向30で前記取付け位置よりも後方に設定される仮組み位置との間で前記支持部材27の移動をガイドすることができ、前記支持部材ガイド29の前記立ち上がり壁部31における前記突出部分31aの前記挿入凹部28側に臨む側面には、前記仮組み位置で前記支持部材27を弾発係合して仮組状態で保持するとともに前記取付け位置で前記支持部材27を弾発係合して当該支持部材27を前記ベース部材14に取付けるための係止凹部34が設けられる。
【0027】
第1の側板14aの外側面にも、第2の側板14bと同様に、前記支持部材27の移動をガイドするようにして前記挿入凹部28の車両前後方向に沿う前後に配置される一対の支持部材ガイド29が、前記取付け方向30に沿って延びるようにして設けられる。
【0028】
図5を併せて参照して、前記支持部材27には、前記支持部材ガイド29にそれぞれ設けられる前記係止凹部34に前記仮組み位置で弾発係合される仮組み用係合突起35と、前記取付け位置で前記係止凹部34に弾発係合される取付け用係合突起36とが設けられる。
【0029】
前記支持部材27は、前記支持部材ガイド29でそれぞれガイドされるようにして前記取付け方向30に沿って延びる4つの棒状枠部37と、それらの棒状枠部37のうち上方に配置される一対の棒状枠部37の前記取付け方向30に沿う前端寄りの中間部間を連結する上部連結板部38と、前記4つの棒状枠部37のうち下方に配置される一対の棒状枠部37の前記取付け方向30に沿う前端寄りの中間部間を連結する下部連結板部39と、前記上部連結板部38および前記下部連結板部39間に架設される前記軸部17と、前記4つの棒状枠部37の前記取付け方向30に沿う後端に連設される操作部40とを一体に有する。
【0030】
前記仮組み用係合突起35は、前記4つの前記棒状枠部37の前記取付け方向30に沿う前端部にそれぞれ突設され、前記取付け用係合突起36は前記取付け方向30に沿って前記操作部40よりも前方かつ前記上部連結板部38および前記下部連結板部39よりも後方で前記4つの棒状枠部37にそれぞれ突設される。
【0031】
前記操作部40は、前記4つの棒条枠部37のうち車両前後方向前方に配置される2つの棒状枠部37の前記取付け方向30に沿う前端部を連結する操作片40aと、前記4つの棒条枠部37のうち車両前後方向後方に配置される2つの棒状枠部37の前記取付け方向30に沿う後端部を連結する操作片40bとで構成されており、それらの操作片40a,40bは、前記軸部17と平行に延びるスリット41を相互間に形成するようにして略L字状の横断面形状を有するように形成される。すなわち操作部40には、前記軸部17と平行に延びるスリット41が形成される。
【0032】
前記支持部材27を前記ベース部材14に取付けるにあたっては、先ず図6および図7(a)で示すように、操作ハンドル12の支持腕部15がベース部材14内に挿入される前の状態で、支持部材27が前記取付け方向30に沿う前端部に有する仮組用係合突起35を支持部材ガイド29の係止凹部34に弾発係合する。この際、支持部材27の上部および下部連結板部38,39よりも前記取付け方向30に沿う前方で4つの棒状枠部37は自由状態にあって車両前後方向に撓むことができるので、前記係止凹部34への仮組用係合突起35の弾発係合は容易である。
【0033】
前記ベース部材14に仮組された前記支持部材27を前記ベース部材14に取付けるにあたっては、前記操作ハンドル12に連なる支持腕部15を前記ベース部材14内に挿入した状態で前記支持部材27を前記取付け方向30に押し込むと、前記仮組用係合突起35は、前記支持部材ガイド29の前記突出部分31aを乗り越えて前記ガイド溝33内に進入し、図7(b)および図8で示すように、前記支持腕部15の前記嵌合凹部26に前記支持部材27の前記軸部17が嵌合し、前記支持部材27の前記取付け用突起36が前記支持部材ガイド29の前記係止凹部34に弾発係合し、支持部材27の前記ベース部材14への取付けが完了する。しかも前記取付け用突起36の前記係止凹部34への弾発係合時に、前記支持部材27の操作部40は前記軸部17と平行なスリット41を有するので、支持部材27の前記取付け方向30に沿う後部で4つの棒状枠部37は自由状態にあって車両前後方向に撓むことができ、前記係止凹部34への前記取付け用係合突起36の弾発係合は容易である。
【0034】
前記支持部材27の前記軸部17が前記支持腕部15の嵌合凹部26に嵌合した状態で前記操作ハンドル12が操作されない非操作状態では、前記支持腕部15の先端部に前記軸部17と反対側から当接する規制面43が、前記ベース部材14に形成される。
【0035】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、車両用ドアDが有するアウターパネル11の外側で車両前後方向に延びる操作ハンドル12の一端部に設けられる支持腕部15の先端部が、前記アウターパネル11に固定される軸部17で回動可能に支持されるのであるが、前記支持腕部15の先端部に、前記操作ハンドル12の非操作状態で車両内側に向けて開口するU字状の軸受凹部26が形成され、上下方向に延びる軸線を有して前記軸受凹部26に嵌合する軸部17を有する支持部材27が、前記アウターパネル11に固定されるベース部材14に車両内側から取付けられるので、車両前後方向の操作ハンドル12のがたつきを防止することができる。また前記ベース部材14に前記操作ハンドル12の非操作状態で前記支持腕部15の先端部に前記軸部17と反対側から当接する規制面43が形成されるので、支持腕部15の先端部が、軸部17および規制面43によって車両の内外方向で挟まれることになり、車両の内外方向での操作ハンドル12のがたつきも防止することができる。
【0036】
また前記支持部材27が、前記ベース部材14への弾発係合で該ベース部材14に取付けられるので、支持部材27のベース部材14への取付けが容易となる。
【0037】
また前記ベース部材14は、前記支持腕部15を上下から挟む一対の側板14a,14bを有し、それらの側板14a,14bに、車両内側からの前記軸部17の挿入を可能とした挿入凹部28がそれぞれ設けられ、前記軸受凹部26に前記軸部17を嵌合させる取付け位置と、前記ベース部材14に対する前記支持部材27の取付け方向30で前記取付け位置よりも後方に設定される仮組み位置との間での前記支持部材27の移動をガイドする支持部材ガイド29が、前記挿入凹部28の車両前後方向に沿う前後で前記取付け方向30に沿って延びるようにして前記一対の側板14a,14bにそれぞれ対をなして設けられ、前記支持部材27に、前記支持部材ガイド29にそれぞれ設けられる係止凹部34に前記仮組み位置で弾発係合される仮組み用係合突起35と、前記取付け位置で前記係止凹部34に弾発係合される取付け用係合突起36とが設けられるので、支持部材27を仮組みした状態でベース部材14を出荷することができ、アウトハンドル装置の組み付け時に後工程での組み付け工数削減に寄与することができる。
【0038】
さらに前記支持部材27が、車両前後方向で前記挿入凹部の前後に配置される支持部材ガイド29でそれぞれガイドされるようにして前記取付け方向30に沿って延びる4つの棒状枠部37と、それらの棒状枠部37のうち上方に配置される一対の棒状枠部37の前記取付け方向30に沿う前端寄りの中間部間を連結する上部連結板部38と、前記4つの棒状枠部37のうち下方に配置される一対の棒状枠部37の前記取付け方向30に沿う前端寄りの中間部間を連結する下部連結板部39と、前記上部連結板部38および前記下部連結板部39間に架設される前記軸部17と、前記4つの棒状枠部37の前記取付け方向30に沿う後端に連設される操作部40とを一体に有し、前記4つの前記棒状枠部37の前端部に前記仮組み用係合突起35がそれぞれ突設され、前記取付け方向30に沿って前記操作部よりも前方で前記4つの棒状枠部37に前記取付け用係合突起36がそれぞれ突設され、前記操作部40に、前記軸部17と平行に延びるスリット41が形成されるので、操作部40を押して支持部材27をベース部材14側に押し込むと各棒状枠部37の前端部を車両前後方向に撓ませて仮組み用係合突起35を係止凹部34に弾発係合させることができ、また仮組み位置から取付け位置に向けて支持部材27をベース部材14側に押し込むと操作部40にスリット41が形成されていることによって各棒状枠部37の後部を車両前後方向に撓ませて取付け用突起36を係止凹部34に弾発係合させることができ、支持部材27のベース部材14に対する着脱作業が容易となる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0040】
11・・・アウターパネル
12・・・操作ハンドル
14・・・ベース部材
14a,14b・・・側板
15・・・支持腕部
17・・・軸部
26・・・軸受凹部
27・・・支持部材
28・・・挿入凹部
29・・・支持部材ガイド
30・・・取付け方向
34・・・係止凹部
35・・・仮組み用係合突起
36・・・取付け用係合突起
37・・・棒状枠部
38・・・上部連結板部
39・・・下部連結板部
40・・・操作部
41・・・スリット
43・・・規制面
D・・・車両用ドア
図1
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図8