(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の細部が記載される。しかしながら、係る特定の細部がなくても、1つ以上の実施形態が実施されることは明らかである。また、図面を簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示される場合がある。
以下、本開示の第1実施形態に係る照明装置について説明する。なお、以下の実施形態において、照明装置が天井に取り付けられた場合に天井と対向する方向を照明装置の上方向とし、床方向を照明装置の下方向として説明する場合がある。
【0009】
1.第1実施形態
(1−1)照明装置の全体構成
本開示の第1実施形態に係る照明装置について、以下の
図1から
図11を参照して説明する。
図1A及び
図1Bは、本開示の第1実施形態に係る照明装置の外観を示す斜視図である。
図1Aは、照明装置1の上方向から見た斜視図である。
図1Bは、照明装置1の下方向から見た斜視図である。
図2A〜Eは、照明装置の外観を示す六面図である。
図2Aは照明装置1の正面図、
図2Bは照明装置1の左側面図、
図2Cは照明装置1の右側面図、
図2Dは照明装置1の平面図、
図2Eは照明装置1の底面図である。なお、背面図は省略する。
図3は、照明装置の構成を示す分解斜視図である。
図4は、照明装置に備えられる光源ユニットの外観を示す斜視図である。
【0010】
図1A及び
図1B、
図2Aから
図2E並びに
図3に示すように、本開示の第1実施形態に係る照明装置1は、発光素子(図示せず、詳細は後述する)を含む複数(本実施形態では2個)の光源ユニット30と、2個の光源ユニット30の間に設けられて、電力供給ケーブル168により発光素子に電力を供給する電源部16と、発光素子が露出するように2個の光源ユニット30を支持する光源ユニット支持部材17と、電源部16に沿って光源ユニット支持部材17に固定され、天井等の被取付面に取り付けられる取付部材19と、電源部16と接続され光源ユニット支持部材17の一部から外部に露出する端子台162(
図2B参照)を覆う端子台カバー18と、発光素子を覆うカバー20と、カバー20を開口211から露出するように光源ユニット30及び電源部16を下側から覆うカバーフレーム21と、を有している。光源ユニット30は、放熱体15を備えている。
【0011】
光源ユニット30は、光源ユニット支持部材17に対して、ネジS17により固定されている。光源ユニット30は、カバーフレーム21に対して、ネジS21により固定されている。取付部材19は、光源ユニット支持部材17に対して、ネジS19及びナットN19により固定されている。
図3及び
図4に示すように、光源ユニット30は、複数の発光素子11と、複数の発光素子11が実装された発光素子基板12と、発光素子11から照射された光を光照射方向に反射する反射部材14と、発光素子11の熱を放熱する放熱体15と、発光素子11を覆うカバー20と、を備えている。発光素子基板12、反射部材14及びカバー20は、ネジS12により、放熱体15に取り付けられる。
図4に示すように、反射部材14は、透光性材料からなるカバー20の内側に重ねられた状態で放熱体15に取り付けられている。カバー20は、反射部材14を覆った状態で放熱体15に取り付けられている。本実施形態において、発光素子基板12に実装された複数の発光素子11を総称して光源13と記載することがある。
【0012】
図3に示すように、本開示の第1実施形態に係る照明装置1では、2個の光源ユニット30の間に電源部16が配置されている。ここで、「光源ユニット30の間」とは、照明装置1を上又は下方向から平面視した場合に、2つの光源ユニット30間に電源部16が配置された状態をいう。電源部16は、発光素子基板12の基板面方向において光源ユニットに挟まれることになる。
2個の光源ユニット30の間に電源部16が配置されていることにより、発光素子11から伝えられた熱を放熱体15で放熱する際に、放熱体15の放熱が阻害されることがなくなる。また、放熱体15の上部に電源部16が配置されていないため、放熱体15から放熱された熱により電源部16が熱せられることがない。
【0013】
なお、
図3に示す電源部16の突出部161bについては後述する。
本開示の第1実施形態に係る照明装置1は、多目的ホール、体育館又は工場等の高天井に取り付けられて床面や壁面等を照射する照明装置として使用することができる。照明装置1は、取付部材19の孔部191a(
図1A参照)に挿入される図示しない取付治具により、天井に取り付けられる。また、
図3に示す、端子台カバー18で覆われた端子台162には、天井内から孔部等を通じて導出された電源ケーブル又は天井に沿って引き回された電源ケーブル(いずれも図示せず)が接続される。これにより、照明装置1に商用電源からの電力が供給される。
【0014】
図5は、
図2Dの照明装置1のA−A断面を示す断面図である。
図5に示すように、本開示の第1実施形態に係る照明装置1では、放熱体15が電源部16との間に空間を設けて配置されている。例えば、
図5において、放熱体15は、放熱体15の電源部16側の側面が電源部16の側面との間に空間を設けて配置されているこれにより、発光素子11で発生して放熱体15に伝導した熱が電源部16に伝わりにくくなる。また、放熱体15には電源部16で発生した熱が伝わりにくくなる。
このため、照明装置1は、高い熱が生じる発光素子11の熱のみを効率的に放熱させることができる。
【0015】
また、放熱体15は、放熱体15の光源ユニット支持部材17側の側面が光源ユニット支持部材17と接するように配置されている。
光源ユニット支持部材17は、表面積が広く照明装置1の外部に露出しているため高い放熱性を有する。このため、放熱体15と光源ユニット支持部材17とが接することにより、放熱体15の熱が光源ユニット支持部材17に拡散し、光源ユニット支持部材17全体で放熱を行うことができる。
このため、照明装置1は、高い熱が生じる発光素子11で発生した熱を放熱体15だけでなく光源ユニット支持部材17で放熱できるので、さらに効率的に放熱させることができる。
【0016】
(1−2)照明装置の各部の構成
以下、照明装置1の各部について詳細に説明する。
(発光素子基板)
図6は、発光素子基板12の構成を示す斜視図である。
図6では、説明を容易にするために、電源部16と発光素子基板12とを接続する電力供給ケーブル168のプラス側ケーブル168a及びマイナス側ケーブル168bが接続された状態の発光素子基板12を示している。
【0017】
図6に示すように、発光素子基板12は、矩形の薄板形状を有している。発光素子基板12は、例えばLED(light emitting diode:発光ダイオード)からなる複数の発光素子11(光源13)が実装された発光素子実装面12aを有している。
図6中、発光素子11として1か所の発光素子のみ指し示しているが、発光素子基板12には複数の発光素子11が実装されている。
【0018】
発光素子11は、発光素子実装面12aの中央部にマトリクス状に並んで実装されている。
図6では、発光素子11が5行、30列に並んで実装された例を示している。
発光素子基板12は、発光素子実装面12aの裏面に放熱体対向面12bを有している。
発光素子基板12は、発光素子実装面12aから放熱体対向面12bに貫通する孔(図示せず)を有している。この孔には、孔部121aが形成されたケーブル保護用ブッシュ121が嵌め込まれている。ケーブル保護用ブッシュ121の孔部121aには、電源部16と接続される電力供給ケーブル168が挿入されている。ケーブル保護用ブッシュ121は例えばゴム製である。ケーブル保護用ブッシュ121により、電力供給ケーブル168の被覆材の損傷を防止することができる。
【0019】
発光素子基板12は、発光素子実装面12aに、電源部16と接続される電力供給ケーブル168を接続するためのコネクタ122を有している。コネクタ122は、プラス側端子122aとマイナス側端子122bとを有している。コネクタ122のプラス側端子122aには、電力供給ケーブル168のプラス側ケーブル168aが接続される。コネクタ122のマイナス側端子122bには、電力供給ケーブル168のマイナス側ケーブル168bが接続される。
【0020】
発光素子基板12では、発光素子基板12上に設けられた複数の発光素子11の全てが、コネクタ122のプラス側端子122aとマイナス側端子122bとの間で接続されている。例えば、各行の発光素子11同士は直列に接続され、直列接続された各行の発光素子11は、プラス側端子122aとマイナス側端子122bとの間に並列に接続されている。このため、コネクタ122のプラス側端子122aとマイナス側端子122bに電力供給ケーブル168のプラス側ケーブル168a及びマイナス側ケーブル168bがそれぞれ接続されることにより、発光素子11の全てに対して電力を供給することができる。
【0021】
発光素子基板12は、ネジ穴123a、123b、123c、123d、123e及び123f(ネジ穴123a〜123fと記載する場合がある)を有している。
発光素子基板12は、発光素子実装面12a側からネジ穴123a〜123fのそれぞれに挿入された複数のネジS12(
図4参照、ネジS12のうちの1つは図示せず)によって、放熱体15に固定される。
本開示の第1実施形態に係る照明装置1では、発光素子基板12に複数の発光素子11を設けることにより、発光素子11の1個当たりの発光量を低減させつつ、全体として所望の発光量が得られる。これにより、1個の発光素子11に供給する電流量を小さくすることができるので、複数の発光素子11の長寿命化を図ることができる。
【0022】
発光素子基板12は積層構造を有している。発光素子基板12は、例えば、1層目がアルミニウムで形成されたアルミ基材、2層目が絶縁層、3層目が発光素子11や抵抗素子(図示せず)等の電子部品に供給する電流経路となる銅線がパターニングされた銅パターン層、4層目が発光素子実装面12aとなるレジスト層という積層構造を有している。アルミ基材は、例えば2mmの厚さに形成されている。絶縁層は、例えば95μm又は120μmの厚さに形成されている。レジスト層には、白色の油系のレジスト材料が用いられている。これにより、発光素子実装面12aでの反射率が向上し、複数の発光素子11が発光する光の利用効率が向上する。
照明装置1は、体育館や工場等の天井などに取り付けられ、照明装置1が照射する場所とは所定の距離だけ離れている。このため、光が照射される場所から照明装置1を見ると、照明装置1はあたかも光源13全体で発光しているかのように見える。
【0023】
図14は、発光素子11からの光の主出射方向から発光素子基板12を見た平面図である。発光素子11は、矩形状であり、発光素子11の長手方向は、矩形状をなす発光素子基板12の短手方向に沿っている。また、発光素子11の短手方向は、発光素子基板12の長手方向に沿っている。複数の発光素子11は、発光素子基板12上において、5行、30列にマトリクス状に実装されている。
【0024】
図14は、発光素子基板12において、複数の発光素子11が実装される発光素子実装領域Xと、発光素子実装領域X以外の領域Yと、を示す平面図である。領域Yには、反射部材14が設けられる。反射部材14は、発光素子11の主出射方向に対して、外側に広がっている。本実施形態では、発光素子基板12に実装される全ての発光素子11の形状は同一であるが、これに限定されない。複数の発光素子11のうち一部の発光素子11の形状が異なっていてもよい。
【0025】
反射部材14の上には、反射部材14と前記発光素子実装領域Xを覆うように透光性を有するカバー20が設けられている。カバーを透明に形成してもよいし、カバーを透明ではないものの光拡散性を有するようにしてもよい。光拡散性は、カバーを構成する樹脂に拡散剤を添加して例えば乳白色にして得られる。光拡散性は、カバーを構成する樹脂に表面処理を施すことによっても得られる。カバーが透明である場合は、光源ユニットの直下照度が上がる。カバーが透明ではなく光拡散性を有する場合は、カバーが透明である場に比して直下照度が若干低下するが、光源ユニットの直下から離れた領域まで光が十分に行き渡る。
【0026】
発光素子基板12の長手方向の長さL1は、240mmであり、発光素子基板12の短手方向の長さL3は、75mmである。また、発光素子実装領域Xの長手方向の長さL2は、192mmであり、発光素子実装領域Xの短手方向の長さL4は、38mmである。発光素子基板12における発光素子実装領域Xの長手方向の余白は両側で等しく、ともに、24mmである。発光素子基板12における発光素子実装領域Xの短手方向の余白は両側で等しく、ともに、18.5mmである。
【0027】
発光素子実装領域Xの長手方向の長さL2は、発光素子基板12の長手方向の長さL1の80%である(L2/L1×100=80.0%)。発光素子実装領域Xの短手方向の長さL4は、発光素子基板12の短手方向の長さL3の約50.7%である(L4/L3×100≒50.7%)。
【0028】
ここで、発光素子実装領域Xの長手方向の長さL2は、発光素子基板12の長手方向の長さL1の82%以下であることが好ましい。発光素子実装領域Xの短手方向の長さL4は、発光素子基板12の短手方向の長さL3の52%以下であることが好ましい。
【0029】
このような範囲内に発光素子11を敷き詰めることで、発光素子11から出射した光のうち、発光素子11から斜め方向に出射した光を効果的に反射部材14で反射することができ、発光素子11の主出射方向(
図14の紙面に垂直で手前に向く方向)側に効率的に光を導くことができる。つまり、光源ユニット30を有する照明装置が、高天井(例えば、床面から5m程度の天井)に設置されても、上記範囲外である場合に比べて、光の取り出し効率を高めることが可能となる。
【0030】
仮に、発光素子実装領域Xの長手方向の長さL2が、発光素子基板12の長手方向の長さL1の82%より大きいか、若しくは、発光素子実装領域Xの短手方向の長さL4が、発光素子基板12の短手方向の長さL3の52%より大きくなると、次のような弊害が生じる。すなわち、その弊害は、発光素子11から斜め方向に出射した光を効果的に反射部材で反射することができず、発光素子11の主出射方向(
図14の紙面に垂直で手前に向く方向)側に効率的に光を導くことができないことである。
【0031】
次に、発光素子実装領域X内に配列された発光素子11について説明する。発光素子11の1個当たりの消費電力は、0.1W以上、0.7W以下であることが好ましい。より好ましくは、0.15W以上、0.5W以下である。第1実施形態では、発光素子11の1個当たりの消費電力は、0.2Wとした。消費電力が0.1W以上、0.7W以下である発光素子は、所謂、ミドルチップ(またはミドルパワー)と呼ばれるLEDチップに相当する。第1実施形態の発光素子11の順電流は、VF(順電圧)が3Vのときに65mA程度である。消費電力が0.1W未満であると、流れる電流量が減少し、十分な明るさを得ることができない。逆に、消費電力が0.7Wより大きくなると、所謂、ハイパワーと呼ばれるLEDチップの範疇に入り、消費電力が増大してしまう。そして、発光素子実装領域X内に配置する発光素子の消費電力を0.1W以上、0.7W以下にすることで、発光素子11の1個当たりの消費電力が0.1Wより小さい、若しくは、0.7Wより大きい場合に比べて、光の取り出し効率の確保と、消費電力の抑制とを両立可能となる。
【0032】
図15Aは、発光素子11の1個のサイズを示している。発光素子11の長手方向の長さは、5.6mmであり、発光素子11の短手方向の長さは、3mmである。
【0033】
図15Bは、互いに隣接する4個の発光素子11の配列を示している。隣接する発光素子11同士の長手方向の間隔は、1.4mmであり、隣接する発光素子11同士の短手方向の間隔は、3.5mmである。これらの間隔は、発光素子実装領域X内ですべて同一である。よって、隣接する発光素子11同士の短手方向の間隔は、隣接する発光素子11同士の長手方向の間隔より長い。また、発光素子11の中心11a同士の長手方向のピッチは、7.0mmであり、発光素子11の中心11a同士の短手方向のピッチは、6.5mmである。よって、発光素子11の中心11a同士の長手方向のピッチは、発光素子11の中心11a同士の短手方向のピッチより長い。
【0034】
上記のように発光素子11を配列することで、ムラのない、より均一な面発光を得ることができる。
【0035】
(放熱体)
図7は、発光素子基板12と、反射部材14と、発光素子11を覆うカバー20(詳細は後述する)とを放熱体15に固定した光源ユニット30の構成を示す分解斜視図である。なお、
図7では、例えば、無色透明のカバー20を用いた光源ユニット30の例を示している。カバー20は、反射部材14と重なった状態で放熱体15に取り付けられている。
なお、以下の説明では、
図2Aで示す照明装置1の正面図に沿って、複数の放熱フィン152の端面が露出する面を放熱体15の正面とし、電源部16及び光源ユニット支持部材17と対向する面を放熱体15の側面とする。
【0036】
図7に示すように、放熱体15は、一方の面で光源13を支持する光源支持部151と、光源支持部151の他方の面に設けられた複数の放熱フィン152とを備えている。放熱フィン152は、放熱体15の側面と並行に形成され、放熱体15の両側面の間に複数並行に形成される。光源支持部151及び複数の放熱フィン152は、一体的に形成されている。光源支持部151は、例えば矩形状を有しており、光源13が実装された発光素子基板12と対向する一方の面(光源支持面151a)で、光源13が実装された発光素子基板12を支持する。また、放熱体15は、光源支持面151aの裏面(放熱フィン形成面151b)に複数の放熱フィン152が設けられている。複数の放熱フィン152は互いに等間隔に配置されている。発光素子11で発生した熱は、発光素子基板12及び放熱体15の光源支持部151を介して複数の放熱フィン152に伝わり、複数の放熱フィン152から放熱される。
【0037】
放熱体15は、光源ユニット支持部材17及びカバーフレーム21と対向する少なくとも一方の側面に、肉厚部153を有している。肉厚部153は、光源ユニット支持部材17がネジS17(
図1A、B参照)によって放熱体15に固定される際のネジ穴156a、156b、156c及び156d(156a〜156dと記載する場合がある、156c及び156dは図示せず)を有している。ネジ穴156a〜156dは、光源ユニット支持部材17の孔部176(詳細は
図8を用いて後述する)と重なる位置に形成される。
【0038】
肉厚部153は、カバーフレーム21がネジS21(
図1A、B参照)によって放熱体15に固定される際のネジ穴157a、157b、157c及び157d(157a〜157dと記載する場合がある、157c及び157dは図示せず)を有している。ネジ穴157a〜157dは、カバーフレーム21に設けられたネジS21が挿入される孔部(図示せず)と重なる位置に形成される。
【0039】
放熱体15は、光源ユニット支持部材17と対向する面及び電源部16と対向する面のそれぞれ(すなわち放熱体15の両側面)に案内溝154を備えている。
図7に示すように、案内溝154は、放熱体15側面の肉厚部153に設けられている。案内溝154は、光源ユニット支持部材17及び電源部16にそれぞれ設けられた突出部(詳細は後述する)と係合可能に形成されている。照明装置1を組み立てると、放熱体15の案内溝154は光源ユニット支持部材17及び電源部16にそれぞれ設けられた突出部と係合される。
【0040】
案内溝154は、少なくとも放熱体15の正面又は背面に達するように形成される。
図7に示す放熱体15では、案内溝154が放熱体15の正面及び背面の双方それぞれに達するように形成されている。すなわち、案内溝154は、正面から背面(又はその逆)に達するように形成されている。また、案内溝154は、一続きに形成される。すなわち、案内溝154は、放熱体15の一方の側面において連続的に形成される。
【0041】
図4及び
図7に示すように、放熱体15に設けられた複数の放熱フィン152のうち、発光素子基板12の発光素子11が実装された発光素子実装領域Xと光源支持部151を介して対向する放熱フィン152aは、残余の放熱フィン152bよりも長く形成されている。ここで、発光素子基板12の「発光素子実装領域」とは、複数の発光素子11が実装された発光素子基板12上の領域と、発光素子11同士で挟まれた発光素子基板12上の領域を合わせた発光素子実装面12a上の領域をいう。例えば、
図6及び
図7に示す発光素子基板12において、複数の発光素子11(光源13)が矩形状の領域内に実装されている。「発光素子実装領域X」は、この複数の発光素子11が実装された矩形状の領域となる。
図6及び
図7に示す発光素子基板12における「発光素子実装領域X」は、発光素子基板12の一方の短辺に最も近い位置に形成された1列目の発光素子11の短辺側の縁部と、発光素子基板12の他方の短辺に最も近い位置に形成された30列目の発光素子11の短辺側の縁部と、発光素子基板12の一方の長辺に最も近い位置に形成された1行目の発光素子11の長辺側の縁部と、発光素子基板12の他方の長辺に最も近い位置に形成された5行目の発光素子11の短辺側の縁部と、で囲まれた領域である。
【0042】
図6に示す放熱体15には、8個の放熱フィン152が設けられている。8個の放熱フィン152のうち、内側に設けられた4個の放熱フィン152aは、発光素子基板12及び光源支持部151を介して発光素子実装面12aの発光素子実装領域Xと対向している。内側に設けられた4個の放熱フィン152aは、放熱フィン152aの外側に設けられて発光素子実装領域と対向していない4個の放熱フィン152bよりも長く形成されている。発光素子11で発生した熱は、発光素子実装領域Xの周囲の放熱フィン152bよりも発光素子実装領域X上の放熱フィン152aに伝わりやすい。放熱フィン152aは、放熱フィン152bよりも長く表面積が大きいため、発光素子11の熱が効率的に放熱される。
【0043】
詳細は
図8を用いて後述するが、光源ユニット支持部材17は、放熱体15の形状に合わせて形成された斜面部171bと、通気口174とを有している。このため、放熱フィン152のうち内側に設けられた放熱フィン152aから放熱された熱が、外側に設けられた放熱フィン152bで阻害されることなく照明装置1外に排出されやすい。また、放熱フィン152aは、光源ユニット支持部材17の通気口174から入る空気と触れやすい。このため、放熱フィン152aの放熱性を向上させることができる。
【0044】
図7に示すように、放熱体15は、光源支持部151を貫通する孔部158を有している。孔部158は、発光素子基板12に設けられたケーブル保護用ブッシュ121の孔部121aと対向する位置に設けられる。孔部158には、電源部16と接続される電力供給ケーブル168が挿入される。これにより、電源部16から導出された電力供給ケーブル168が、放熱フィン形成面151b側から光源支持面151a側に引き回され、発光素子基板12のコネクタ122と接続される。
【0045】
放熱体15は、光源支持面151aに、発光素子基板12のネジ穴123a〜123fと重なる位置に形成されたネジ穴155a、155b、155c、155d、155e及び155f(155a〜155fと記載する場合がある)を有している。放熱体15には、複数のネジ124a〜124f(
図4参照、ネジ124fは図示せず)によって、発光素子基板12、反射部材14及びカバー20が固定される。
【0046】
放熱体15は、例えばアルミニウムを用いたダイキャストにより形成されている。これにより、放熱体15は、高剛性、軽量化及び高放熱性が図られている。放熱フィン152の形状や配置位置は、放熱体に発光素子基板12が取り付けられた際の発光素子11との位置関係のみでなく、ダイキャストで用いる金型の抜け性と、放熱時の通気性とを考慮して決定されている。
【0047】
(反射部材)
図7に示すように、反射部材14は、発光素子基板12に実装された光源13を取り囲み、発光素子基板12上の光源13が露出するように配置されている。反射部材14は、発光素子11から照射された光を光照射方向に反射することで照明装置1の照射効率を向上させる。
【0048】
図7に示すように、反射部材14は、複数の発光素子11(光源13)が実装された矩形状の領域(発光素子実装領域)の外周から発光素子11の光照射方向に向かって広がる斜面部141(141a、141b、141c及び141d)を有している。斜面部141aは、発光素子実装領域の一長辺に沿って設けられている。斜面部141bは、斜面部141aと隣接し、発光素子実装領域の一短辺に沿って設けられている。斜面部141cは、斜面部141aと対向するとともに斜面部141bと隣接し、発光素子実装領域の他の長辺に沿って設けられている。斜面部141dは、斜面部141bと対向するとともに斜面部141a及び141cと隣接し、発光素子実装領域の他の短辺に沿って設けられている。反射部材14は、発光素子基板12のネジ穴123a〜123fと重なる位置に切欠き部を有している。
【0049】
また、反射部材14は、発光素子基板12とともに放熱体15に取り付けられた際に、発光素子基板12に対して略垂直に接触する枠状の側壁部142(側壁部の一部は図示せず)を有している。また、反射部材14は、斜面部141及び側壁部142を接続する平面部143を有している。斜面部141、側壁部142及び平面部143は一体的に形成されている。
【0050】
反射部材14は、例えば高反射性樹脂材料を射出成型することにより形成される。高反射性樹脂材料は、例えば、樹脂材料に反射剤を混合して得ることができる。また、反射部材14は、発光素子11が照射した光を通さない非透光性の材料で形成される。反射部材14は、発光素子11が照射した光を通さないことにより、発光素子11が照射した光を無駄なく光照射方向(床方向)に反射し、照明装置1の照射効率を向上させることができる。
【0051】
(カバー)
カバー20は、発光素子11を覆い、発光素子11から照射された光を透過する透光性のカバーである。カバー20は、発光素子11を保護する機能を有している。
図4及び
図7に示すように、カバー20は、反射部材14を外側から覆うようにして反射部材14と重なる形状に形成されている。カバー20は、反射部材14の側壁部142の外形に沿う形状に形成された側壁部202を有している。さらに、カバー20は、反射部材14の平面部143の外形に沿い、発光素子基板12上に実装された光源13と、反射部材14の斜面部141との間に空間が形成される形状に形成された光透過部203とを有している。光透過部203は、反射部材14の平面部143と当接する領域以外の領域で発光素子11からの光を透過する。
【0052】
カバー20は、発光素子基板12に設けられたネジ穴123a〜123fと重なる位置に形成されたネジ穴201a、201b、201c、201d、201e及び201f(201a〜201fと記載する場合がある、ネジ穴201e及び201fは図示せず)を有している。カバー20は、反射部材14を外側から覆って光透過部203と反射部材14の平面部143とを接触させた状態で放熱体15に固定される。カバー20は、床方向側からネジ穴201a〜201fと発光素子基板12のネジ穴123a〜123fのそれぞれに挿入された複数のネジ124a〜124f(ネジ124fは図示せず)によって、放熱体15に固定される。ネジ124a〜124fは、放熱体15に設けられたネジ穴155a〜155fに固定される。放熱体15のネジ穴155a〜155fは、ネジ穴201a〜201fと重なる位置に設けられている。
【0053】
また、カバー20には、内圧調整部(図示せず)が設けられていてもよい。内圧調整部は、光透過部203に形成された開口を塞ぐように形成された膜状の部材である。内圧調整部は、高い通気性を有している。内圧調整部は例えば多孔質膜である。内圧調整部は、発光素子基板12と光透過部203と反射部材14とで囲まれた空間の圧力が照明装置1の使用環境によって変化するのを防止する。例えば、照明装置1の使用環境の温度が高くなって光透過部203発光素子基板12とで囲まれた空間の圧力が上昇すると、内圧調整部を介して当該空間の空気が外部に放出される。これにより、当該空間の圧力が定常状態に調整される。
【0054】
カバー20は、例えば樹脂材料を用いた射出成型により形成されている。樹脂材料としては、発光素子11の熱に対する耐性が高く、照明装置1外部からの衝撃に耐えうる強度を有し、発光素子11からの光の透過を妨げない材料を用いることができる。
また、樹脂材料には、拡散剤が混合されていてもよい。拡散剤が分散されたカバー20は、発光素子11の強い光がカバー20を透過する際に光を拡散して室内全体を明るく保つことができる。このため、光が照射される場所から照明装置1を見ると、光源13から照射された強い光と反射部材14で反射された光が均一になり、照明装置1はあたかも光源13と反射部材14の全体で発光しているかのように見える。
【0055】
(光源ユニット支持部材)
図8は、光源ユニット支持部材17、端子台カバー18及び取付部材19の外観を示す斜視図である。
図8に示すように、光源ユニット支持部材17は、光源ユニット30を支持する本体部171と、光源ユニット支持部材17と取付部材19(
図1A、B参照)を接続するための一対の取付部材固定部172とを有している。
【0056】
本体部171は、光源ユニット30及び電源部16の上面を覆う天板部171a(主面部)と、放熱体15の放熱フィン152の形状に沿って傾斜する斜面部171bと、光源ユニット30の側面と対向する側面部171cと、側面部171cの端部が照明装置1の内部方向に折り曲げられた突出部171dとを有している。光源ユニット支持部材17は、全体が金属板により形成されている。
【0057】
天板部171aは、矩形の薄板形状に形成されており、光源ユニット30及び電源部16の上面を覆い、照明装置1内部に埃が侵入することを防止する。また、天板部171aには、電源部16(
図1A、B参照)が取り付けられる。電源部16の取付については後述する。
図5に示すように、天板部171aの上面には、電源部16の一部である端子台162が配置される。端子台162は、電源部16から導出された電力供給ケーブル167(
図3、
図5参照)と接続されている。このため、天板部171aには、電力供給ケーブル167を天板部171aの一方の面から他方の面に通すための孔部173が形成されている。
【0058】
斜面部171bは、天板部171aの一辺が折り曲げられて形成されている。斜面部171bは、放熱体15の放熱フィン152に沿う形状に形成されている。斜面部171bは、複数の通気口174を有している。通気口174は、斜面部171bの一部が開口した開口部174aと、開口部174aの上側の一辺に沿って突出するひさし部174bとを有している。例えば、
図8に示す光源ユニット支持部材17では、開口部174aが横方向に延びるスリット形状に形成されている。ひさし部174bは、上面からみた場合に開口部174aが覆われるように形成される。ひさし部174bは、開口部174aから照明装置1内に埃が入ることを防止する。
【0059】
側面部171cは、斜面部171bの一辺が斜面部171bの折り曲げ方向と同じ方向に折り曲げられて形成されている。側面部171cは、複数の通気口175を有している。通気口175は、側面部171cの一部が開口した開口部からなる。例えば、
図8に示す光源ユニット支持部材17では、通気口175が横方向に延びるスリット形状に形成されている。
【0060】
側面部171cは、複数の通気口175挟んだ両端に孔部176を有している。孔部176には、光源ユニット支持部材17外側方向側からネジが挿入される。放熱体15の側面は、孔部176に挿入されたネジS17により、側面部171cの内側表面に固定される(
図5参照)。側面部171cは、放熱体15の側面と接するように配置される。これにより、放熱体15に拡散した熱を光源ユニット支持部材17に逃がすことができる。光源ユニット支持部材17は、表面積が広く照明装置1の外部に露出しているため高い放熱性を有する。このため、放熱体15と光源ユニット支持部材17とが接することにより、放熱体15の熱が光源ユニット支持部材17に拡散し、光源ユニット支持部材17で放熱される。このため、照明装置1は、発光素子11から発生する高温の熱を効率的に放熱させることができる。
【0061】
突出部171dは、側面部171cの下方向(床方向)の端部が照明装置1内側方向、すなわち光源ユニット30側方向に折り曲げられて形成されている。突出部171dは、放熱体15の案内溝154(
図7参照)と係合可能に形成されている。照明装置1を組み立てる際には、突出部171dは、放熱体15の案内溝154と係合される。突出部171dは、一様に突出する形状に形成されていてもよく、断続的に突出する形状に形成されていてもよい。突出部171dと係合する案内溝154は放熱体15の正面から背面に亘って一続きに形成されている。このため、突出部171dは、突出部171dが断続的に突出する形状であっても、突出部171dを案内溝154に沿ってスライドさせることができる。
【0062】
取付部材固定部172は、板状に形成され、本体部171から上方向(天井方向)に突出している。取付部材固定部172は、天板部171aの正面側側端部の中央及び背面側側端部の中央に設けられている。取付部材固定部172には、ネジ穴172aが形成されている。ネジ穴172aには、取付部材19と取付部材固定部172とを固定するためのネジS19(
図1A、B等参照)が挿入される。
図8には、一対の取付部材固定部172のそれぞれに、丸形状のネジ穴172aが2個ずつ形成された例を示している。
【0063】
(取付部材)
取付部材19は、電源部16の向きに沿って光源ユニット支持部材17に固定され、被取付面に取り付けられる。これにより、放熱体15の上部が覆われないため、放熱が阻害されない。また、照明装置1の重心が安定する。取付部材19は、光源ユニット支持部材17と同様に金属板で形成されている。
【0064】
図8示すように、取付部材19は、天井等の被取付面と対向する横板部191と、横板部191の長手方向の両端が折り曲げられて横板部191の両端から下方に延在する一対の縦板部192とを有する。
横板部191は、被取付面から突出する吊りボルト(図示せず)を挿入するための孔部191aを有している。
【0065】
縦板部192は、ネジ穴192a及び192bを有している。
図8には、一対の縦板部192のそれぞれに、丸形状のネジ穴192aと、アーチ形状のネジ穴192bが1個ずつ形成された例を示している。
縦板部192の先端部は、光源ユニット支持部材17の取付部材固定部172と重なって配置される。このとき、縦板部192及び取付部材固定部172は、ネジ穴192a及び192bと取付部材固定部172の2つのネジ穴172aのそれぞれが対向する位置に配置される。取付部材19は、ネジ穴192a及びネジ穴172a並びにネジ穴192b及びネジ穴172aのそれぞれに挿入されたネジS19及びネジS19に取り付けられるナットN19(
図1A、B参照)によって、光源ユニット支持部材17に固定される。取付部材19は、光源ユニット支持部材17に対して着脱自在となっている。
【0066】
図8に示す取付部材19では、縦板部192に設けられた2つのネジ穴192a及び192bのうち、上側のネジ穴192aが丸形状を有し、下側のネジ穴192bがアーチ形状を有している。すなわち、ネジ穴192aの部分はネジにより取付部材19及び光源ユニット支持部材17がほぼ完全に固定される。一方、アーチ形状のネジ穴192bの部分では、ネジがアーチ形状のネジ穴192b内で移動可能な状態で取付部材19及び光源ユニット支持部材17が固定される。
【0067】
これにより、取付部材19に対する光源ユニット支持部材17の角度を変化させることができる。光源ユニット支持部材17の角度を変化させることにより、例えば、照明装置1の取付時に、取付作業を容易にすることができる。また、取付部材19に対する光源ユニット支持部材17の角度を変化させることにより、照明装置1が照射する範囲を変化させることができる。
【0068】
(端子台カバー)
端子台カバー18は、光源ユニット支持部材17から露出する端子台162を覆うように光源ユニット支持部材17に取り付けられる。端子台カバー18は、端子台162に埃が付着することを防止する。
図8に示すように、端子台カバー18は、光源ユニット支持部材17に対して略垂直に配置される一対の側壁部181と、光源ユニット支持部材17との間に空間を保持した状態で一対の側壁部181の上端部同士をつなぐ上面部182と、開口183を有している。
端子台カバー18は、光源ユニット支持部材17と同様に金属板で形成されている。光源ユニット支持部材17並びに一対の側壁部181及び上面部182で形成された空間には、端子台162が配置される(
図3参照)。また、開口183を介して、電源ケーブルが端子台162に接続される(図示せず)。
【0069】
(電源部)
図9から
図11を参照して、電源部16について説明する。
図9は、照明装置1から光源ユニット支持部材17、端子台カバー18及び取付部材19を取り外した状態を示す斜視図である。
図10A、Bは、照明装置1から電源部16の外装体である電源ボックス161(
図9参照)の下面側の一部を取り外した状態を示す図である。
図10Aは、電源ボックスの下面側の一部を取り外した照明装置1の下面図であり、
図10Bは、電源ボックスの下面側の一部を取り外した照明装置1の下面からの斜視図である。
【0070】
図11は、照明装置1から光源ユニット30及びカバーフレーム21を取り外した状態を示す断面図である。
図9及び
図10A,Bに示すように、電源部16は、電源部16の外装体である電源ボックス161と、電源部16から外部に導出された電力供給ケーブル167と接続される端子台162と、電源ボックス161に収容された電源回路を備える回路基板163と、回路基板163に実装される電子部品の一つであるコンデンサ164と、コンデンサ164と接触した状態で配置される放熱シート165と、放熱シート165と接触した状態で配置される放熱板166と、端子台162と回路基板163とを電気的に接続する電力供給ケーブル167と、回路基板163と発光素子11とを電気的に接続する電力供給ケーブル168と、を有する。
図11に示すように、電源部16は光源ユニット支持部材17に予め固定されている。
【0071】
電源ボックス161は中空の直方体形状を有している。電源ボックス161は、金属板で形成される。
図11に示すように、電源ボックス161は、光源ユニット30と対向する面に、光源ユニット30側に突出し、放熱体15の案内溝154と係合する突出部161bを有している。
図11には、電源部16に先端が折れ曲がった鉤形状の突出部161bが設けられた例を示している。突出部161bは、所定の長さで形成される(
図3参照)。
【0072】
鉤形状の突出部161bが断面鉤形状に形成され放熱体15の案内溝154に係合している場合、突出部161bは、案内溝154から外れにくくなる。また、案内溝154の深さに対して突出部161bの突出長さ(電源ボックス161表面から鉤形状の折れ曲がり部分までの長さ)を長くすることにより、電源部16と放熱体15との間に一定の空間が形成される。このため、電源部16は放熱体15からの熱を受けにくくなる。また、電源部16の熱が放熱体15に拡散しにくくなる。したがって、放熱体15は、発光素子11から発生した熱を効率的に放熱することができる。
【0073】
端子台162は、天井内から孔部等を通じて導出された電源ケーブル又は天井に沿って引き回された電源ケーブル(いずれも図示せず)が接続される接続部を有している。また、
図9に示すように、端子台162は、回路基板163と接続された電力供給ケーブル167と接続されている。端子台162は、商用電源からの電力を回路基板163に供給するための接続部である。
図11に示すように、端子台162は、光源ユニット支持部材17の天板部171aの上面に配置される。端子台162は、端子台カバー18で覆われており、端子台カバー18の開口183に挿入された電源ケーブル(図示せず)と接続される。また、端子台162には、端子台162表面に接触した状態で端子台162を覆うシリコンカバー(図示せず)が嵌められていてもよい。
【0074】
回路基板163は、複数の電子部品が実装される実装面163aを有している。
図10A及び
図10Bには、回路基板163に実装される電子部品としてコンデンサ164が例示されている。
図10A及び
図10Bでは、一部の電子部品を省略して記載している。
回路基板163に備えられた電源回路は、例えば、電力供給ケーブル167から供給される交流電力を直流電力に変換し、その出力(即ち、直流電力)を電力供給ケーブル168を介して発光素子基板12の発光素子11に供給する(
図5参照)。
図10Bに示すように、回路基板163は、電源部16の内部空間において、光源ユニット支持部材17側に配置されている。
【0075】
回路基板163上の発光素子基板12側に実装されたコンデンサ164は、回路基板163の実装面163a上に実装された電子部品の中でも特に発熱量が大きい部品である。このためコンデンサ164には、放熱シート165が接触した状態で配置される。また、放熱シート165には、放熱板166が接触した状態で配置される。放熱シート165としては、例えばシリコーン系材料、アクリル系材料又はエポキシ系材料や、これら材料にセラミックス等の高熱伝導性を有する材料を混合した材料を用いることができる。また、放熱板166としては、アルミニウム板又は銅板等の高熱伝導性金属を用いることができる。
【0076】
図10A,Bに示すように、放熱板166は電源ボックス161の一部と接続している。このため、放熱板166は放熱シート165を介してコンデンサ164から受けた熱を電源ボックス161に拡散させることができる。
図9に示すように、電源ボックス161の一部は照明装置1の外部に露出している。このため、電源ボックス161が受けた熱は照明装置1の周りの空間に放熱される。また、
図11に示すように、電源ボックス161は照明装置1の外部に露出する光源ユニット支持部材17に固定されている。このため、電源ボックス161が受けた熱は光源ユニット支持部材17に拡散されて照明装置1の周りの空間に放熱される。すなわち、放熱シート165及び放熱板166は、いずれも放熱部材として機能する。
【0077】
回路基板163に実装された電子部品は、放熱性樹脂で覆われていてもよい。また、電子部品とともに、電子部品が実装されていない回路基板163の表面部分が放熱性樹脂で覆われていてもよい。放熱性樹脂としては、高熱伝導性及び絶縁性を有する樹脂材料や、これら材料にセラミックス等の高熱伝導性を有する材料を混合した材料を用いることができる。これにより、発熱量の大きい電子部品の放熱性を向上させるとともに、電子部品同士の絶縁性を確保することができる。
【0078】
(カバーフレーム)
カバーフレーム21は、光源ユニット30及び電源部16を下側から覆う外装フレームである。カバーフレーム21は、光源ユニット支持部材17と同様に金属板で形成されている。
図1A,Bから
図3に戻って、カバーフレーム21は、発光素子11からの光を透過するカバー20を露出する開口211が設けられた枠体である。
図3に示すように、カバーフレーム21は、側面にネジ穴212a、212b、212c及び212d(212a〜212dと記載する場合がある)を有している。カバーフレーム21は、ネジ穴212a〜212dのそれぞれに挿入された複数のネジS21(
図1A,B参照)によって、放熱体15の側面に取り付けられる。また、カバーフレーム21は、カバーフレーム21の下面を覆い、カバー20の表面よりも下面側に突出して設けられた柵状部又は網状部を有していてもよい(図示せず)。カバー20の表面よりも下面側に突出して設けられた柵状部又は網状部が設けられることにより、照明装置1が体育館で使用された場合に、ボール等がカバー20に直接ぶつかることを防止することができる。
【0079】
(1−3)光源ユニットの取付方法
光源ユニットの取付方法を、
図11、
図7を参照して説明する。
図11に示すように、光源ユニット30は、少なくとも電源部16が取り付けられた光源ユニット支持部材17に対してスライドさせて挿入される。なお、端子台カバー18及び取付部材19は、光源ユニット30挿入後に取り付けてもよい。
【0080】
上述のとおり、案内溝154は、放熱体15の正面から背面に亘って一続きに形成されている(
図7参照)。また、光源ユニット支持部材17の突出部171dは、光源ユニット支持部材17の正面から背面に亘って一続きに形成されている(
図3参照)。このため、例えば放熱体15の背面と光源ユニット支持部材17の正面とを対面させ、案内溝154に突出部171d及び突出部161bを係合させながら光源ユニット30を光源ユニット支持部材17の背面方向に押し込むことにより、光源ユニット30はスライドして光源ユニット支持部材17内に容易に配置される。光源ユニット30は、光源ユニット支持部材17内の所定の位置に配置されたのちにネジ止めされて光源ユニット支持部材17に固定される。
【0081】
(1−4)変形例
本開示の第1実施形態に係る照明装置1の光源ユニット支持部材17の代わりに、例えば
図12に示す、光源ユニット30がスライド方向に縦2列で挿入可能な光源ユニット支持部材67を用いることができる。
図12に示す光源ユニット支持部材67において、照明装置1の光源ユニット支持部材17と共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
光源ユニット支持部材67は、光源ユニット支持部材67の正面から背面方向に2個の光源ユニット30を支持する本体部671と、光源ユニット支持部材67と取付部材69を接続するための一対の取付部材固定部172とを有している。
【0082】
本体部671は、光源ユニット30及び電源部16の上面を覆う天板部671aと、放熱体15の放熱フィン152の形状に沿って傾斜する斜面部671bと、光源ユニット30の側面と対向する側面部671cと、側面部171cの端部が照明装置1の内部方向に折り曲げられた突出部671dとを有している。
天板部671a、斜面部671b、側面部671c及び突出部671dは、縦方向の長さが2倍になった以外は光源ユニット支持部材17の天板部171a、斜面部171b、側面部171c及び突出部171dと同様の構成を有し、同様の機能を発揮する。
【0083】
また、取付部材69は、光源ユニット支持部材67の形状に合わせて、横板部691の長さが変わった以外は取付部材19の横板部191と同様の構成を有し、同様の機能を発揮する。
光源ユニット支持部材67に取り付けられる光源ユニット30は、光源ユニット支持部材17に取り付けられる光源ユニット30と同一である。このため、光源ユニット30は、光源ユニット30の挿入方向に縦2列で並んだ状態で光源ユニット支持部材67に支持される。
【0084】
本開示の第1実施形態に係る照明装置は、光源ユニット支持部材及び取付部材の長さを変更し、挿入する光源ユニット30の個数を変更させることで、大型の照明装置とすることができる。
【0085】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本開示の第1実施形態に係る照明装置によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)電源部が光源の上部に設けられていないため、発光素子から発生する熱が伝導する放熱体における放熱が阻害されず、放熱性が向上する。
(2)放熱体の上部に電源部が配置されていないため、放熱体から放熱された熱により電源部が熱せられることがないため、安全性が高い。
【0086】
(3)複数の放熱フィンが形成された放熱体において、発光素子が実装される発光素子実装領域と対向する位置に設けられた発光素子で発生した熱が伝わりやすい放熱フィンは、残余の放熱フィン(発光素子実装領域の周囲の領域と対向する位置に設けられた放熱フィン)よりも長く形成されている。発光素子実装領域と対向する位置に設けられた放熱フィンは、残余の放熱フィンよりも長く表面積が大きいため、発光素子の熱が効率的に放熱される。
(4)放熱体が電源部の側面との間に空間を設けて配置されているため、電源部で発生した熱が放熱体に伝わりにくくなり、高い熱が生じる発光素子の熱のみを効率的に放熱させることができる。
【0087】
(5)放熱体が光源ユニット支持部材の内側表面と接触した状態で光源ユニット支持部材に固定されているため、表面積が広く照明装置の外部に露出している光源ユニット支持部材に放熱体に拡散した熱を逃がすことができ、放熱性がより向上する。
(6)光源ユニット支持部材及び電源部の突出部と光源ユニットの案内溝とを係合することにより、光源ユニットをスライドさせて光源ユニット支持部材内部に容易に配置することができる。このため、光源ユニットの取り付け作業が容易である。
【0088】
(7)照明装置を天井に取り付けるための取付部材が、電源部の向きに沿って光源ユニット支持部材に固定されるため、放熱体の上部が覆われず放熱が阻害されない。また、照明装置の重心が安定する。
(8)端子台を覆う端子台カバーが設けられることにより、端子台に埃が付着することが防止される。
【0089】
(9)電源部に含まれる回路基板に実装された電子部品が放熱性樹脂で覆われているため、発熱の多い電子部品の放熱性が向上するとともに、電子部品同士の絶縁性が確保される。
(10)回路基板に実装された電子部品のうち、特に発熱の大きいコンデンサには、放熱シート及び放熱板等の電源ボックス等と接続された放熱部材を接触させる。これにより、コンデンサの放熱性を向上させる。
【0090】
2.第2実施形態
本開示の第2実施形態に係る照明装置について、以下の
図13を参照して説明する。なお、
図13において、第1実施形態に係る照明装置1と共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図13は、第2実施形態に係る照明装置100の外観を示す斜視図である。本開示の第2実施形態に係る照明装置100は、第1実施形態に係る照明装置1の端子台162及び電力供給ケーブル167に代わって、外部に導出される電源ケーブル41が設けられる点に特徴を有している。
これ以外の構成については第1実施形態の照明装置1と同様であるため、電源ケーブル41及び電源ケーブル41に関連する構成を中心に説明する。
【0091】
電源ケーブル41は、電源ケーブル41に取り付けられたケーブルグランド40によって光源ユニット支持部材17に固定される。光源ユニット支持部材17の天板部171aは、孔部(図示せず)を有している。ケーブルグランド40は、天板部171aの孔部と対向する位置に固定される。
図13に示すように、電源ケーブル41は、2本の電線41a,41bと、電線41a,41bを被覆する被覆部41cとを有している。電線41a,41bは、天板部171aの孔部を介して回路基板163に接続される。また、電源ケーブル41は、取付部材19に設けられた孔部191bを通して引き回される。
【0092】
[第2実施形態の効果]
以上説明した第2実施形態に係る照明装置によれば、第1実施形態に係る照明装置の(1)〜(7)、(9)及び(10)に記載の効果に加えて、以下の効果を得ることがで
きる。
(11)電源ケーブルの接続部分が照明装置100の外部に露出しないため安全性が高くなる。
【0093】
以上のように、上記実施形態の光源ユニット30は、
矩形状をなす複数の発光素子11と、
複数の発光素子11がマトリクス状に実装された矩形状の発光素子基板12と、
発光素子基板12の発光素子11が実装される面と反対側の面に設けられた放熱体15と、
発光素子基板12の複数の発光素子11が実装される面において、複数の発光素子11が実装された矩形状の発光素子実装領域Xを囲むように設けられ、複数の発光素子11の主出射方向に対して広がる形状を有する反射部材14と、
反射部材14及び発光素子実装領域Xを覆うように設けられ透光性を有するカバー20と、を備え、
発光素子11の1個当たりの消費電力が0.1W以上、0.7W以下であり、
発光素子実装領域Xの長手方向の長さL2は、発光素子基板12の長手方向の長さL1の82%以下である。発光素子実装領域Xの短手方向の長さL4は、発光素子基板12の短手方向の長さL3の52%以下である。
【0094】
このような範囲内に発光素子11を敷き詰めることで、発光素子11から出射した光のうち、発光素子11から斜め方向に出射した光を効果的に反射部材14で反射することができ、発光素子11の主出射方向(
図14の紙面に垂直で手前に向く方向)側に効率的に光を導くことができる。つまり、光源ユニット30を有する照明装置が、高天井(例えば、床面から5m程度の天井)に設置されても、上記範囲外である場合に比べて、光の取り出し効率を高めることが可能となる。
【0095】
上記実施形態では、発光素子11の1個当たりの消費電力が0.15W以上、0.5W以下である。
【0096】
この構成によれば、光の取り出し効率の確保と、消費電力の抑制とを両立可能となる。
【0097】
好ましい一実施形態として、発光素子11の長手方向が発光素子基板12の短手方向に沿って設けられ、且つ、発光素子11の短手方向が発光素子基板12の長手方向に沿って設けられることが挙げられる。
【0098】
ムラのない均一な面発光を得るのに好ましい一実施形態として、複数の発光素子11同士の短手方向の間隔は、複数の発光素子11同士の長手方向の間隔より長いことが挙げられる。
【0099】
ムラのない均一な面発光を得るのに好ましい一実施形態として、複数の発光素子11の中心11a同士の長手方向のピッチは、複数の発光素子11の中心11a同士の短手方向のピッチより長いことが挙げられる。
【0100】
ムラのない均一な面発光を得るのに好ましい一実施形態として、複数の発光素子11の形状は同一であることが挙げられる。
【0101】
好ましい一実施形態として、カバー20は、透明であることが挙げられる。
【0102】
好ましい一実施形態として、カバー20は、光拡散性を有することが挙げられる。
【0103】
上記実施形態の照明装置1は、上記光源ユニット30を複数備え、複数の光源ユニット30の間に設けられ、複数の発光素子11に電力を供給する電源部16を有する。
【0104】
この構成によれば、光の取り出し効率を向上させた照明装置を提供可能となる。
【0105】
[その他]
本開示の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本開示の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。