特許第6594914号(P6594914)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6594914肺の内側のツールナビゲーションのための動的3D肺マップビュー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6594914
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】肺の内側のツールナビゲーションのための動的3D肺マップビュー
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20191010BHJP
   A61B 1/267 20060101ALI20191010BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20191010BHJP
   A61B 6/12 20060101ALI20191010BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20191010BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   A61B1/045 623
   A61B1/267
   A61B1/045 620
   A61B6/03 377
   A61B6/03 360G
   A61B6/12
   A61B6/03 360Q
   A61B1/00 552
   G06T1/00 290B
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-575425(P2016-575425)
(86)(22)【出願日】2015年6月29日
(65)【公表番号】特表2017-528174(P2017-528174A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】US2015038265
(87)【国際公開番号】WO2016003875
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2018年5月11日
(31)【優先権主張番号】62/020,262
(32)【優先日】2014年7月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/751,257
(32)【優先日】2015年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ウェインガルテン, オレン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】バラク, ロン
【審査官】 佐藤 高之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−018184(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/102012(WO,A1)
【文献】 特開2011−193885(JP,A)
【文献】 特開2002−306403(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0231556(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0287238(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0123921(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/192598(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0237897(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0312094(US,A1)
【文献】 国際公開第2009/138871(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の肺の内側でプローブをナビゲートするための動的3次元(3D)肺マップビューを実装するためのシステムであって、前記システムは、
ナビゲーション計画をナビゲーションシステムの中にロードするための手段であって、前記ナビゲーション計画は、複数のCT画像から生成された3Dモデルにおいて示される計画された経路を含む、手段と、
前記プローブを患者の気道の中に挿入するための手段であって、前記プローブは、前記ナビゲーションシステムと動作可能に通信する位置センサを含む、手段と、
前記プローブの感知された場所を前記計画された経路と位置合わせするための手段と、
前記ナビゲーション計画内の標的を選択するための手段と、
前記計画された経路を示し、前記プローブの前記感知された場所を示す前記3Dモデルのビューを提示するための手段と、
前記患者の肺の気道を通して前記標的に向かって前記プローブをナビゲートするための手段と、
前記プローブの前記感知された場所に基づいて、前記計画された経路を示す前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節するための手段と、
前記3Dモデルの一部を形成するオブジェクトの少なくとも一部を除去することによって、前記提示されるビューを更新するための手段と
を含む、システム。
【請求項2】
前記3Dモデルの前記提示されるビューは、前記プローブが前記標的に接近している場合にズームインすることによって反復的に調節されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記3Dモデルの前記提示されるビューは、中で前記プローブが感知され位置特定されるべき気道の直径が所定の閾値より小さい場合にズームインすることによって反復的に調節されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記3Dモデルの前記提示されるビューは、前記提示されるビューを気道樹分岐が最大限に広げられたビューに変更することによって反復的に調節されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記3Dモデルの前記提示されるビューは、前記プローブの場所および前記プローブの前方にあるものを示すように、前記ビューを前記プローブの感知された場所と整列させることによって反復的に調節されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記3Dモデルの前記提示されるビューは、前記提示されるビューを前記プローブから前記経路までのベクトルに直交するように変更することによって反復的に調節されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記3Dモデルの前記提示されるビューは、前記プローブの周囲のエリアを示すように、前記提示されるビューを前記3Dモデルに関連して前記プローブの感知された場所に垂直であるように変更することによって反復的に調節されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記3Dモデルの前記提示されるビューは、前記プローブの前方のエリアを示すように、前記提示されるビューを前記3Dモデルに関連して前記プローブの感知された場所の背後であるように変更することによって反復的に調節されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記3Dモデルの前記提示されるビューは、前記提示されるビューを、前記プローブの先端にあり、前記プローブが移動している方向に直交するように変更することによって反復的に調節されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記3Dモデルの前記提示されるビューは、前記標的に対する前記プローブの整列を示すように、前記提示されるビューを前記プローブから前記標的までのベクトルに垂直であるように変更することによって反復的に調節されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記3Dモデルの前記提示されるビューは、前記3Dモデルに関連して前記プローブの前記感知された場所の3D知覚を改善するように、前記提示されるビューを焦点の周囲で回転させることによって反復的に調節されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記提示されるビューは、着目領域の外側にあるオブジェクトの少なくとも一部を除去することによって更新されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記提示されるビューは、前記プローブを妨害しているオブジェクトの少なくとも一部を除去することによって更新されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記提示されるビューは、前記標的を妨害しているオブジェクトの少なくとも一部を除去することによって更新されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記提示されるビューは、前記プローブの前記感知された場所に関連しないオブジェクトの少なくとも一部を除去することによって更新されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記提示されるビューは、前記ナビゲーションシステムの現在の選択された状態に関連しないオブジェクトの少なくとも一部を除去することによって更新されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
アラートを提示するための手段をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記アラートは、前記プローブが胸膜に接近しているときに提示されるように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記アラートは、ツールが大血管に接近しているときに提示されるように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記アラートは、前記プローブの感知された場所が前記計画された経路から外れるときに提示されるように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、肺疾患を伴う患者の治療に関し、より具体的には、患者の肺の内側のツールナビゲーションのための動的3D肺マップビューを実装するためのデバイス、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
肺癌は、特に、その初期段階において診断されない場合、非常に高い死亡率を有する。全米肺検診試験は、コンピュータ断層撮影(CT)走査等の診断走査が疾患にかかるリスクにある者のための早期検出のために使用される場合、死亡率の低下が生じることを実証した。CT走査は、肺内の小病変および結節が検出され得る可能性を増加させるが、これらの病変および結節は、診断が宣告され、治療が行われることができる前に、生検および細胞学的検査をさらに要求する。
【0003】
生検ならびに多くの治療を行うために、生検または治療の点までの肺内におけるツールのナビゲーションが、必要である。故に、ナビゲートするシステムおよび方法の改良が、継続的に模索されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示に従って提供されるのは、患者の肺の内側でプローブをナビゲートするための動的3次元(3D)肺マップビューを実装する方法である。
【0005】
本開示のある側面では、方法は、ナビゲーション計画をナビゲーションシステムの中にロードすることであって、ナビゲーション計画は、複数のCT画像から生成された3Dモデルにおいて示される計画された経路を含む、ことと、プローブを患者の気道の中に挿入することであって、プローブは、ナビゲーションシステムと動作可能に通信する位置センサを含む、ことと、プローブの感知された場所を計画された経路と位置合わせすることと、ナビゲーション計画内の標的を選択することと、計画された経路を示し、プローブの感知された場所を示す3Dモデルのビューを提示することと、患者の肺の気道を通して標的に向かってプローブをナビゲートすることと、プローブの感知された場所に基づいて、計画された経路を示す3Dモデルの提示されるビューを反復的に調節することと、3Dモデルの一部を形成するオブジェクトの少なくとも一部を除去することによって、提示されるビューを更新することとを含む。
【0006】
本開示の別の側面では、3Dモデルの提示されるビューを反復的に調節することは、プローブが標的に接近している場合、ズームインすることを含む。
【0007】
本開示のさらに別の側面では、3Dモデルの提示されるビューを反復的に調節することは、その中でプローブが感知され、位置特定されるべき気道の直径が所定の閾値より小さい場合、ズームインすることを含む。
【0008】
本開示の別の側面では、3Dモデルの提示されるビューを反復的に調節することは、提示されるビューを気道樹分岐が最大限に広げられたビューに変更することを含む。
【0009】
本開示のさらに別の側面では、3Dモデルの提示されるビューを反復的に調節することは、ビューをプローブの感知された場所と整列させ、プローブの場所およびプローブの前方にあるものを示すことを含む。
【0010】
本開示の別の側面では、3Dモデルの提示されるビューを反復的に調節することは、提示されるビューをプローブから経路までのベクトルに直交するように変更することを含む。
【0011】
本開示のさらに別の側面では、3Dモデルの提示されるビューを反復的に調節することは、提示されるビューを3Dモデルに関連してプローブの感知された場所に垂直であるように変更し、プローブの周囲のエリアを示すことを含む。
【0012】
本開示の別の側面では、3Dモデルの提示されるビューを反復的に調節することは、提示されるビューを3Dモデルに関連してプローブの感知された場所の背後であるように変更し、プローブの周囲のエリアを示すことを含む。
【0013】
本開示のさらに別の側面では、3Dモデルの提示されるビューを反復的に調節することは、提示されるビューをプローブの先端にあり、プローブが移動している方向に直交するように変更することを含む。
【0014】
本開示の別の側面では、3Dモデルの提示されるビューを反復的に調節することは、提示されるビューをプローブから標的までのベクトルに垂直であるように変更し、標的に対するプローブの整列を示すことを含む。
【0015】
本開示のさらに別の側面では、3Dモデルの提示されるビューを反復的に調節することは、提示されるビューを焦点の周囲で回転させ、3Dモデルに関連してプローブの感知された場所の3D知覚を改善することを含む。
【0016】
本開示のさらなる側面では、オブジェクトの少なくとも一部を除去することによって提示されるビューを更新することは、着目領域の外側にあるオブジェクトの少なくとも一部を除去することを含む。
【0017】
本開示のなおもさらなる側面では、オブジェクトの少なくとも一部を除去することによって提示されるビューを更新することは、プローブを妨害しているオブジェクトの少なくとも一部を除去することを含む。
【0018】
本開示のさらなる側面では、オブジェクトの少なくとも一部を除去することによって提示されるビューを更新することは、標的を妨害しているオブジェクトの少なくとも一部を除去することを含む。
【0019】
本開示のなおもさらなる側面では、オブジェクトの少なくとも一部を除去することによって提示されるビューを更新することは、プローブの感知された場所に関連しないオブジェクトの少なくとも一部を除去することを含む。
【0020】
本開示のさらなる側面では、オブジェクトの少なくとも一部を除去することによって提示されるビューを更新することは、ナビゲーションシステムの現在の選択された状態に関連しないオブジェクトの少なくとも一部を除去することを含む。
【0021】
本開示の別の側面では、本方法はさらに、アラートを提示することを含む。
【0022】
本開示のさらなる側面では、アラートを提示することは、プローブが胸膜に接近しているとき、アラートを提示することを含む。
【0023】
本開示のなおもさらなる側面では、アラートを提示することは、プローブが大血管に接近しているとき、アラートを提示することを含む。
【0024】
本開示のさらなる側面では、アラートを提示することは、プローブの感知された場所が計画された経路から外れると、アラートを提示することを含む。
【0025】
本開示の上記の側面および実施形態のいずれかが、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせられ得る。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
患者の肺の内側でプローブをナビゲートするための動的3次元(3D)肺マップビューを実装する方法であって、前記方法は、
ナビゲーション計画をナビゲーションシステムの中にロードすることであって、前記ナビゲーション計画は、複数のCT画像から生成された3Dモデルにおいて示される計画された経路を含む、ことと、
前記プローブを患者の気道の中に挿入することであって、前記プローブは、前記ナビゲーションシステムと動作可能に通信する位置センサを含む、ことと、
前記プローブの感知された場所を前記計画された経路と位置合わせすることと、
前記ナビゲーション計画内の標的を選択することと、
前記計画された経路を示し、前記プローブの前記感知された場所を示す前記3Dモデルのビューを提示することと、
前記患者の肺の気道を通して前記標的に向かって前記プローブをナビゲートすることと、
前記プローブの前記感知された場所に基づいて、前記計画された経路を示す前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節することと、
前記3Dモデルの一部を形成するオブジェクトの少なくとも一部を除去することによって、前記提示されるビューを更新することと
を含む、方法。
(項目2)
前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節することは、前記プローブが前記標的に接近している場合、ズームインすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節することは、その中で前記プローブが感知され、位置特定されるべき気道の直径が所定の閾値より小さい場合、ズームインすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節することは、前記提示されるビューを気道樹分岐が最大限に広げられたビューに変更することを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節することは、前記ビューを前記プローブの感知された場所と整列させ、前記プローブの場所および前記プローブの前方にあるものを示すことを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節することは、前記提示されるビューを前記プローブから前記経路までのベクトルに直交するように変更することを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節することは、前記提示されるビューを前記3Dモデルに関連して前記プローブの感知された場所に垂直であるように変更し、前記プローブの周囲のエリアを示すことを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節することは、前記提示されるビューを前記3Dモデルに関連して前記プローブの感知された場所の背後であるように変更し、前記プローブの周囲のエリアを示すことを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節することは、前記提示されるビューを前記プローブの先端にあり、前記プローブが移動している方向に直交するように変更することを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節することは、前記提示されるビューを前記プローブから前記標的までのベクトルに垂直であるように変更し、前記標的に対する前記プローブの整列を示すことを含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記3Dモデルの前記提示されるビューを反復的に調節することは、前記提示されるビューを焦点の周囲で回転させ、前記3Dモデルに関連して前記プローブの前記感知された場所の3D知覚を改善することを含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
オブジェクトの少なくとも一部を除去することによって前記提示されるビューを更新することは、着目領域の外側にあるオブジェクトの少なくとも一部を除去することを含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
オブジェクトの少なくとも一部を除去することによって前記提示されるビューを更新することは、前記プローブを妨害しているオブジェクトの少なくとも一部を除去することを含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
オブジェクトの少なくとも一部を除去することによって前記提示されるビューを更新することは、前記標的を妨害しているオブジェクトの少なくとも一部を除去することを含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
オブジェクトの少なくとも一部を除去することによって前記提示されるビューを更新することは、前記プローブの前記感知された場所に関連しないオブジェクトの少なくとも一部を除去することを含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
オブジェクトの少なくとも一部を除去することによって前記提示されるビューを更新することは、前記ナビゲーションシステムの現在の選択された状態に関連しないオブジェクトの少なくとも一部を除去することを含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
アラートを提示することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目18)
アラートを提示することは、前記プローブが胸膜に接近しているとき、アラートを提示することを含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
アラートを提示することは、前記プローブが大血管に接近しているとき、アラートを提示することを含む、項目17に記載の方法。
(項目20)
アラートを提示することは、前記プローブの感知された場所が前記計画された経路から外れると、アラートを提示することを含む、項目1に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示の種々の側面および特徴は、図面を参照して本明細書に後述される。
図1図1は、本開示のある実施形態による、動的3D肺マップビューを作成および表示するためにー使用され得る、例示的電磁ナビゲーション(EMN)システムのシステム略図を描写する。
図2図2は、本開示のある実施形態による、動的3D肺マップビューを作成および表示するために使用され得る、図1のEMNシステムの一部を形成する、例示的ワークステーションの概略図を描写する。
図3図3は、本開示のある実施形態による、動的3D肺マップビューを作成するための例示的方法を図示する、フロー図である。
図4図4は、本開示のある実施形態による、動的3D肺マップビューの実施例を示す、図2のワークステーション上に提示され得る、ユーザインターフェースの例示的ビューを図示する。
図5図5は、本開示のある実施形態による、未調節3D肺マップビューの実施例を図示す。
図6図6は、本開示のある実施形態による、動的3D肺マップビューの実施例を図示する。
図7図7は、本開示のある実施形態による、動的3D肺マップビューの別の実施例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
患者の肺の内側のツールナビゲーションのための動的3D肺マップビューを実装するためのデバイス、システム、および方法が、本開示に従って提供される。位置センサが、異なるタイプのツールおよびカテーテルの中に組み込まれ、場所を追跡し、ツールのナビゲーションを補助し得る。位置センサの追跡された場所は、動的3D肺マップ上のツールの場所を視覚的に示すために使用され得る。3Dマップまたは2D画像ならびに計画された経路に関連する、患者の身体内の位置センサの場所は、患者の肺をナビゲートすることにおいて臨床医を補助する。しかしながら、提示されるデータの量および気道の詳細を示すための能力により、臨床医を補助し、不可欠ではないデータまたは特定のナビゲーションもしくは特定の手技に関連しない生体構造の部分に関するデータを排除するための要望がある。加えて、この詳述される解剖学的データを利用して、臨床医にある解剖学的特徴に近いことに関してアラートするための所望がある。これらのおよび他の本開示の側面は、本明細書に後述される。
【0028】
本明細書に開示される動的3D肺マップビューは、電磁ナビゲーション(EMN)システムによって提示され得る種々のビューのうちの1つであり、EMNシステムは、臨床医によってELECTROMAGNETIC NAVIGATION気管支鏡検査法(登録商標)(ENB)手技を行うために使用され得る。とりわけ、EMNシステムを使用して行われ得る、他のタスクは、標的組織への経路を計画すること、標的組織に位置付けアセンブリをナビゲートすること、ならびに標的組織に位置特定可能ガイド(LG)および/または生検ツール等の種々のツールをナビゲートすることである。
【0029】
ENB手技は、概して、少なくとも2つの段階を伴う:(1)患者の肺内またはそれに隣接して位置する標的までの経路を計画すること、(2)計画された経路に沿ってプローブを標的にナビゲートすること。これらの段階は、概して、(1)「計画」と、(2)「ナビゲーション」と称される。本明細書に説明される計画ソフトウェアの実施例は、全て、2013年3月15日にCovidien LPによって出願され、「Pathway Planning System and Method」と題され、参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/838,805号、第13/838,997号、および第13/839,224号に見出され得る。計画ソフトウェアの実施例は、「SYSTEM AND METHOD FOR NAVIGATING WITHIN THE LUNG」と題され、その全内容が参照することによって本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された米国仮特許出願第62/020,240号に見出され得る。
【0030】
計画段階に先立って、患者の肺は、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)走査によって撮像されるが、撮像の追加の適用可能な方法は、当業者に公知であろう。CT走査中に組み立てられる画像データは、次いで、例えば、医用におけるデジタル撮像および通信(DICOM)フォーマットで記憶され得るが、追加の適用可能フォーマットは、当業者に公知であろう。CT走査画像データは、次いで、ENB手技の計画段階中に使用されるべき計画ソフトウェアアプリケーション(「アプリケーション」)の中にロードされ得る。
【0031】
アプリケーションは、CT走査画像データを使用して、患者の肺の3次元(3D)モデルを生成し得る。3Dモデルは、とりわけ、モデル気道樹を含み得、モデル気道樹は、患者の肺の実際の気道に対応し、患者の実際の気道樹の種々の通路、枝、および分岐を示す。加えて、3Dモデルは、病変、マーカー、血管、および/または胸膜の3Dレンダリングを含み得る。CT走査画像データは、画像データ内に含まれるギャップ、脱落、および/または他の不完全性を有し得るが、3Dモデルは、患者の気道の平滑な表現であり、CT走査画像データ内の任意のそのようなギャップ、脱落、および/または不完全性は、充填または補正される。以下により詳細に説明されるように、3Dモデルは、種々の向きで視認され得る。例えば、臨床医が、患者の気道の特定の区分を視認することを所望する場合、臨床医は、3Dレンダリング内に表される3Dモデルを視認し、患者の気道の特定の区分を回転せることおよび/またはズームインすることを行い得る。加えて、ENB手技のナビゲーション段階中、ツールが患者の気道を通してナビゲートされている間、臨床医は、3Dモデルの提示されるビューをツールがナビゲートされるにつれて動的に更新されることを所望し得る。そのような動的3D肺マップビューは、以下に開示される。
【0032】
ENB手技のナビゲーション段階の開始に先立って、3Dモデルは、患者の実際の肺と位置合わせされる。位置合わせの潜在的方法の1つは、位置特定可能ガイドを少なくともその葉の気道の第2の分岐まで患者の肺の各葉の中にナビゲートすることを伴う。位置特定可能ガイドの位置は、この位置合わせ段階中、追跡され、3Dモデルは、患者の肺の実際の気道内の位置特定可能ガイドの追跡された位置に基づいて、反復的に更新される。この位置合わせプロセスは、Brown、他によって2014年7月2日に出願され、「Real−Time Automatic Registration Feedback」と題された共同所有の米国仮特許出願第62,020,220号に説明される。図1を参照すると、EMNシステム10が、本開示に従って提供される。そのようなEMNシステムのうちの1つは、Covidien LPによって現在販売のELECTROMAGNETIC NAVIGATION気管支鏡検査法(登録商標)システムである。図1に示されるように、EMNシステム10は、概して、患者を支持するように構成される手術台40と、患者の口および/または鼻を通して患者の気道の中に挿入するために構成される気管支鏡50と、気管支鏡50から受信されたビデオ画像を表示するために気管支鏡50に結合される監視機器60と、追跡モジュール72、複数の基準センサ74、電磁場発生器76を含む追跡システム70と、経路計画、標的組織の識別、標的組織へのナビゲーションを促進するために使用されるEMNアプリケーション81等のソフトウェアおよび/またはハードウェアを含むワークステーション80とを含む。
【0033】
図1は、2つのタイプのカテーテルガイドアセンブリ90、100も描写する。両カテーテルガイドアセンブリ90、100は、EMNシステム10とともに使用可能であり、いくつかの共通構成要素を共有する。各カテーテルガイドアセンブリ90、100は、延長された作業チャネル(EWC)96に接続されるハンドル91を含む。EWC96は、気管支鏡50の作業チャネルの中への設置のためにサイズを決定される。動作時、電磁(EM)センサ94を含む位置特定可能ガイド(LG)92が、センサ94がEWC96の遠位先端93を越えて所望の距離に延びるように、EWC96の中に挿入され、定位置に係止される。電磁場発生器76によって生成される電磁場内のEMセンサ94、したがって、EWC96の遠位端の場所は、追跡モジュール72およびワークステーション80によって導出されることができる。カテーテルガイドアセンブリ90、100は、異なる動作機構を有するが、各々は、LG92およびEWC96の遠位先端93を操縦するために回転および圧縮によって操作され得るハンドル91を含む。カテーテルガイドアセンブリ90は、SUPERDIMENSION(登録商標) Procedure Kitsの名称でCovidien LPによって現在市場化および販売されており、同様に、カテーテルガイドアセンブリ100は、EDGETM Procedure Kitsの名称でCovidien LPによって現在販売されており、両キットは、ハンドル91、EWC96、およびLG92を含む。カテーテルガイドアセンブリ90、100のより詳細な説明については、Ladtkow、他によって2013年3月15日に出願された「MICROWAVE ABLATION CATHETER AND METHOD OF UTILIZING THE SAME」と題された共同所有の米国特許出願第13/836,203号(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0034】
図1に図示されるように、患者は、気管支鏡50が患者の口を通して患者の気道の中に挿入された状態で手術台40上に横たえられて示される。気管支鏡50は、照明源と、ビデオ撮像システム(明示的に図示せず)とを含み、気管支鏡50のビデオ撮像システムから受信されたビデオ画像を表示するために、気管支鏡50は、監視機器60、例えば、ビデオディスプレイに結合される。
【0035】
LG92およびEWC96を含む、カテーテルガイドアセンブリ90、100は、気管支鏡50の作業チャネルを通して患者の気道の中に挿入するために構成される(但し、カテーテルガイドアセンブリ90、100は、代替として、気管支鏡50を伴わずに使用され得る)。LG92およびEWC96は、係止機構99を用いて互いに対して選択的に係止可能である。例えば、Gilboaによって1998年12月14日に出願され、「Wireless six−degree−of−freedom locator」と題された米国特許第6,188,355号ならびに公開PCT出願第WO00/10456号および第WO01/67035号に(それらの各々の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)開示されるものに類似する、6自由度電磁追跡システム70、または任意の他の好適な位置付け測定システムが、ナビゲーションを行うために利用されるが、他の構成も想定される。追跡システム70は、以下に詳述されるように、カテーテルガイドアセンブリ90、100とともに使用し、EMセンサ94が患者の気道を通してEWC96とともに移動するとき、EMセンサ94の位置を追跡するように構成される。
【0036】
図1にさらに示されるように、電磁場発生器76は、患者の真下に位置付けられる。電磁場発生器76および複数の基準センサ74は、6自由度において、各基準センサ74の場所を導出する追跡モジュール72と相互接続される。基準センサ74のうちの1つ以上のものは、患者の胸部に取り付けられる。基準センサ74の6自由度座標は、EMNアプリケーション81を含むワークステーション80に送信され、そこで、センサ74は、基準の患者座標フレームを計算するために使用される。
【0037】
LG92の標的へのナビゲーションおよび除去に続きカテーテルガイドアセンブリ90、100の中に挿入可能である生検ツール102も、図1に示される。生検ツール102は、1つ以上の組織サンプルを標的組織から収集するために使用される。以下に詳述されるように、生検ツール102は、追跡システム70との使用のためにさらに構成され、追跡システム70は、標的組織への生検ツール102のナビゲーションを促進し、生検ツール102が組織サンプルを得るために操作されるとき、生検ツール102の場所を追跡する。図1では生検ツールとして示されるが、当業者は、例えば、マイクロ波焼灼ツールおよびその他を含む他のツールも同様に、本開示の範囲から逸脱することなく、生検ツール102のように展開および追跡され得ることを認識するであろう。
【0038】
EMセンサ94は、LG92に含まれるように上で述べられているが、EMセンサ94はまた、生検ツール102内に埋め込まれるかまたは組み込まれ得、生検ツール102が、代替として、LG92またはLG192の使用が要求する必要ツール交換の必要なく、ナビゲーションのために利用され得ることも想定される。種々の使用可能生検ツールは、両方とも、DEVICES,SYSTEMS,AND METHODS FOR NAVIGATING A BIOPSY TOOL TO A TARGET LOCATION AND OBTAINING A TISSUE SAMPLE USING THE SAMEと題され、2013年11月20日に出願された米国仮特許出願第61/906,732号および61/906,762号、ならびに同一題名を有し、2014年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/955,407号に説明されており、それらの各々の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれ、本明細書に説明されるように、EMNシステム10とともに使用可能である。
【0039】
手技計画中、ワークステーション80は、患者の気道の3次元モデル(3D)モデルを生成および視認するためにコンピュータ断層撮影(CT)走査画像データを利用し、3Dモデル上の標的組織の識別を可能にし(自動的に、半自動的に、または手動で)、標的組織への患者の気道を通した経路の選択を可能にする。3Dモデルは、ワークステーション80に関連付けられたディスプレイモニタ上に、または任意の他の好適な方式で提示され得る。
【0040】
ワークステーション80を使用して、3Dモデルの種々のビューが、提示され得、3Dモデルの種々のビューは、臨床医によって操作され、標的の識別および標的にアクセスするための患者の気道を通る好適な経路の選択を促進し得る。例えば、EMNアプリケーション81は、種々の状態で構成され、種々のビューモードにおいて3Dモデルを表示し得る。これらのビューモードのうちのいくつかは、以下にさらに説明されるように、動的3D肺マップビューを含み得る。各3Dモデルのビューに対して、3Dモデルが表示される角度は、ある視点に対応し得る。視点は、所定の場所および/または向きに固定され得るか、またはワークステーション80を動作させる臨床医によって調節され得る。
【0041】
3Dモデルは、得られた組織サンプルに関する日付、時間、および他の識別情報を含む、以前の生検が行われた場所のマークも示し得る。これらのマークはまた、経路が計画されることができる標的として選択され得る。選択されると、経路は、ナビゲーション手技中の使用のめに保存される。
【0042】
手技計画に続いて、手技が、行われ得、EMセンサ94は、追跡システム70とともに、EMセンサ94が手技計画段階中に計画された経路に従って患者の気道を通して前進させられるとき、EMセンサ94(したがって、EWCまたはツール102の遠位端)の追跡を可能にする。
【0043】
ここで図2に目を向けると、ワークステーション80のシステム略図が、示される。ワークステーション80は、メモリ202、プロセッサ204、ディスプレイ206、ネットワークインターフェース208、入力デバイス210、および/または出力モジュール212を含み得る。メモリ202は、EMNアプリケーション81および/またはCTデータ214を記憶し得る。EMNアプリケーション81は、プロセッサ204によって実行されると、ディスプレイ206をユーザインターフェース216に提示させ得る。EMNアプリケーション81は、EMセンサ94の感知された位置と計画段階において展開された画像および計画データとの間のインターフェースを提供する。
【0044】
ここで図3を参照すると、EMNアプリケーション81の中に組み込まれ得る、側面が示される。具体的には、図3は、動的3D肺マップビューを作成する例示的方法のフロー図を描写する。ENB手技中、この例示的方法は、臨床医がEMNアプリケーション81ユーザインターフェース400内の動的3D肺マップビューボタン402を選択すると、開始され得る。代替として、ボタン402は、臨床医が複数の利用可能なビューの中から動的3D肺マップビューを選択し得るドロップダウンメニューであり得る。ステップS302から開始して、3Dモデルが表示される視点が、患者の肺の内側でツールの追跡された場所に関連して自動的に調節され得る(図4−7におけるプローブ406として描写される)。視点の調節は、3Dモデルに関連して視点を移動させること、および/または3Dモデルをズームし、3Dモデルのより拡大された画像を表示することを含み得る。以下の図6に示されるように、未調節3D肺マップビュー(図5)は、プローブ406の位置が標的510および周囲気道512の位置に関連してより鮮明に示されるように、調節される。視点は、プローブ406がナビゲートされている方向に従って、および/または、プローブ406の先端と標的510との間のベクトルに直交するように、もしくは経路408に関連してさらに調節され得る(デジタルプローブ406の先端から標的510まで延びるベクトル614に直交する視点から3Dモデルを描写する図6および7に示されるように)。視点は、プローブ406が所定の閾値未満の直径を有する標的510または気道に接近する場合、ズームインすることによってさらに調節され得る。ある実施形態では、好ましい視点は、3Dモデルの表示されるビューが最大限に広げられるように、デジタルプローブ406の周囲の気道樹の分岐を示すようなものであり、すなわち、重複する枝が可能な限り少ない、気道樹を示す方向からの視点であり得る。ある実施形態では、視点は、臨床医に、周囲オブジェクトに関連してプローブ406の位置のより鮮明な理解を提供するために、3Dモデルに関連しでプローブ406の上方に、または3Dモデルに関連してプローブ406の背後にあるように移動させられ得る。そのような実施形態では、動的3D肺マップビューは、図7に示されるように、ツールの正面およびその周囲の3Dモデルのエリアを示し得る。別の実施形態では、視点は、EMNアプリケーション81によって提示されるビューがデジタルプローブ406の先端から前方を見ているように、移動させられ得る。
【0045】
次に、ステップS304では、EMNアプリケーション81は、任意のオブジェクトが、現在の視点から見えているが、現在のナビゲーション手技のための着目領域の外側にあるかどうかを決定する。一例は、経路が位置する領域の外側(現在の手技のために使用されない、患者の肺の他の葉内または気道樹404の他の枝に沿う等)にある他の標的または患者の生理学の一部(血管および心臓等)であり得る。EMNアプリケーション81が、そのようなオブジェクトが見えていることを決定する場合、それらのオブジェクトは、図7によって以下に示されるように、ステップS306において、ビューから除去され得る。
【0046】
その後、またはEMNアプリケーション81がそのようなオブジェクトがビュー内に存在しないと決定する場合、処理は、ステップS308に進み、EMNアプリケーション81は、デジタルプローブ406および/または標的510のビューを妨害しているオブジェクトが存在するかどうかを決定する。例えば、視点の角度に応じて、計画された経路の一部を形成しない周囲気道が、視線内および視点とプローブ406または標的510との間にあり得る。EMNアプリケーション81が、そのようなオブジェクトがプローブ406または標的510のビューを妨害していると決定する場合、それらのオブジェクトは、図7によって以下に示されるように、ステップS310において、ビューから除去され得る。
【0047】
その後、またはEMNアプリケーション81が、そのようなオブジェクトがビュー内に存在しないと決定する場合、処理は、ステップS312に進み、EMNアプリケーション81は、プローブ406の位置、現在のナビゲーション手技において使用されているツールのタイプ、またはEMNアプリケーション81の選択された状態に関連しない、ビュー内で見えている任意のオブジェクトが存在するかどうかを決定する。例えば、異なる標的場所における以前の生検の場所を示すマーカーが、図7によって以下に示されるように、視点からの視認角度内にあり得るが、それらは、現在の手技に関連しない。別の例は、現在のナビゲーション計画の一部であるが、最初に訪問されなければならない少なくとも1つの他の標的510を有する標的722であり得る。そのような標的722は、標的510が訪問され、必要手技が行われると、見えるようにまたは「隠されていない状態」になり得る。EMNアプリケーション81が、そのようなオブジェクトがビュー内にあると決定する場合、それらのオブジェクトは、ステップS314において、ビューから除去され得る。
【0048】
その後、またはEMNアプリケーション81が、そのようなオブジェクトがビュー内に存在しないと決定する場合、処理は、ステップS316に進み、EMNアプリケーション81は、デジタルプローブ406、したがって、センサ94が、患者の肺の胸膜境界に接近しているかどうかを決定する。EMNアプリケーション81は、センサ94が、例えば、センサ94と胸膜との間の距離、センサ94と胸膜との間の角度、センサ94が移動している速度、および/または任意のそれらの組み合わせに基づいて、患者の肺の胸膜境界に接近していることを決定し得る。決定は、ナビゲーションエラーの既知または推定の率にさらに基づき得る。センサ94が胸膜に近い場合、患者への気胸等の傷害の増加したリスクがあり、臨床医は、さらに注意して進めるために、それを認識することを欲し得る。したがって、EMNアプリケーション81が、センサ94が胸膜に近いことを決定する場合、EMNアプリケーション81は、ステップS318において、アラートを臨床医に提示し得る。EMNアプリケーション81は、センサ94が胸膜に接近しているかどうかを決定するとき、既知または推定されたナビゲーションエラーも考慮し得る。
【0049】
その後、またはEMNアプリケーション81が、センサ94が胸膜に接近していないと決定する場合、処理は、ステップS320に進み、EMNアプリケーション81は、センサ94が1つ以上の大血管に接近しているかどうかを決定する。胸膜と同様に、センサ94が、特に、生検またはマイクロ波焼灼ツール等のツール102が展開されている、大血管に近い場合、患者への傷害の増加したリスクがあり、臨床医は、さらに注意して進めるために、センサ94が大血管に近接していることを認識することを欲し得る。したがって、EMNアプリケーション81が、センサ94が大血管に近いことを決定する場合、EMNアプリケーション81は、ステップS322において、アラートを臨床医に提示し得る。加えて、胸膜と同様に、EMNアプリケーション81は、センサ94が大血管に接近しているかどうかを決定する場合、既知または推定ナビゲーションエラーを考慮し得る。
【0050】
その後、またはEMNアプリケーション81が、センサ94が任意の大血管に接近していないと決定する場合、処理は、ステップS324に進み、EMNアプリケーション81は、プローブ406が標的に到着したかどうかを決定する。EMNアプリケーション81が、プローブ406が標的に到着していないと決定する場合、処理は、ステップS302に戻る。このように、動的3D肺マップビューは、ナビゲーション手技の間、継続的に更新および/または調節される。EMNアプリケーション81が、デジタルプローブ406が標的に到着したと決定する場合、処理は、ステップS326に進み、EMNアプリケーション81は、訪問されるべきさらなる標的が存在するかどうかを決定する。EMNアプリケーション81が、訪問されるべきさらなる標的が存在しないと決定する場合、処理は、終了する。そうでなければ、処理は、ステップS302に戻る。
【0051】
図4は、3Dモデルの例示的ビューを示すワークステーション80によって提示され得る例示的ユーザインターフェースを図示する。ユーザインターフェース(UI)400は、動的3D肺マップビューを選択および/または有効にするために使用され得るボタン402を含む。UI 400は、気道樹404、デジタルプローブ406、および経路408をさらに示す。
【0052】
図5は、UI 400を用いてEMNアプリケーション81によって提示され得る未調節3D肺マップビューの例を図示する。未調節3D肺マップビューは、患者の気道内のセンサ94の場所に対応する3Dモデル内のプローブ406を示す。肺の気道樹404、経路408、標的510、周囲気道512、および胸膜514も、未調節3D肺マップビューによって示される。未調節3D肺マップビューは、手動で調節され得る。
【0053】
図6は、EMNアプリケーション81によって提示され得る動的3D肺マップビューの例示的ビューを図示する。例示的動的3D肺マップビューは、図5の未調節3D肺マップビューと同一プローブ406および標的510を示す。しかしながら、動的3D肺マップビューは、3Dモデルをズームし、標的510に関連してプローブ406の位置を示すことによって、調節されている。動的3D肺マップビューはさらに、プローブ406の先端またはデジタルプローブ406から標的510までのベクトル614と整列させられ、経路408および周囲気道512が鮮明に見られ得るように位置付けられている。線614は、標的510と交差するデジタルプローブ406の先端からの視線を示す。
【0054】
図7は、本開示のある実施形態による、オブジェクトが、隠されたまたは「ゴースト化」され、現在の手技と関連する3Dモデルのオブジェクトおよび構成要素をより鮮明に示す、例示的動的3D肺マップビューを図示する。オブジェクトを隠すことまたは「ゴースト化」することは、そのようなオブジェクトを表示される3D肺マップから完全に除去することを伴うことも、そのようなオブジェクトが隠されず、例えば、より高いレベルの透明度を伴ってオブジェクトと異なる方法で示されることもある。例示的動的3D肺マップビューは、図4−6を参照して上で説明されたような気道樹404と、プローブ406と、経路408と、標的510と、周囲気道512と、ベクトル614とを含む。
【0055】
例示的動的3D肺マップビューは、図3のステップS304に関して上で説明したような、着目領域の外側に位置するので隠されていた追加の標的718をさらに示す。実施例動的3D肺マップビューは、図3のステップS308に関して上で説明したような、経路408および標的510と重複し、したがって、経路408および標的510のビューを妨害する気道樹404の枝720が隠されていたことを示す。加えて、例示的動的3D肺マップビューは、図3のステップS312に関して上で説明したような、着目領域内にあるが現在の手技に関連しない標的722が隠されていたことを示す。標的722は、例えば、ツールが現在の手技の間にナビゲートされるであろう現在の経路上の後続標的であり得、それは、少なくとも1つの他の標的510が最初に遭遇されなければならないので、手技にまだ関連しない。現在の経路は、2つ以上の部分、すなわち、現在の標的510にナビゲートされるべき経路の部分を表す第1の部分408と、訪問されるべき次の標的722につながる経路の部分を表す追加の部分708とに分割され得る。動的3D肺マップビューは、マーカー724等の他のオブジェクトが、現在の手技に関連しないので、隠されていることも示す。マーカー724は、例えば、以前の生検が行われた場所を示すマーカーであり得る。
【0056】
ENB手技中、前述の動的3D肺マップビューを使用することによって、臨床医は、ツール、したがって、センサ94が患者の気道を通して移動させられるとき、調節された3Dモデルの継続的に更新されるビューを提示され得る。動的3D肺マップビューは、臨床医に、デジタルプローブ406を鮮明に示す視点からの3Dモデルのビューを提示し、デジタルプローブ406、気道樹404、標的510、および/または行われているENB手技に関連する他のオブジェクトを妨害し得るオブジェクトを除去する。
【0057】
デバイス、そのようなデバイスを組み込むシステム、およびそれを使用する方法の詳細な実施形態が、本明細書に説明された。しかしながら、これらの詳細な実施形態は、単に、種々の形態で具現化され得る本開示の実施例である。したがって、本明細書に開示される特定の構造および機能詳細は、限定としてではなく、単に、請求項の基礎として、かつ当業者が本開示を適切に詳細な構造内で種々に採用することを可能にするための代表的基礎として解釈されるべきである。前述の実施形態は、患者の気道の気管支鏡検査法の観点から説明されるが、当業者は、同一または類似デバイス、システム、および方法が、例えば、血管、リンパ管、および/または胃腸ネットワーク等の他の管腔ネットワーク内でも同様に、使用され得ることを認識するであろう。
【0058】
図2に関連して上で説明されたメモリ202に関して、メモリ202は、プロセッサ204によって実行可能であり、ワークステーション80の動作を制御するデータおよび/またはソフトウェアを記憶するための任意の非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み得る。ある実施形態では、メモリ202は、フラッシュメモリチップ等の1つ以上の固体記憶デバイスを含み得る。代替として、または1つ以上の固体記憶デバイスに加え、メモリ202は、大容量記憶コントローラ(図示せず)および通信バス(図示せず)を通してプロセッサ204に接続される1つ以上の大容量記憶デバイスを含み得る。本明細書に含まれるコンピュータ読み取り可能な媒体の説明は、固体記憶を指すが、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プロセッサ204によってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であることができることが当業者によって理解されるはずである。すなわち、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータ等の情報の記憶のための任意の方法または技術に実装される、非一過性、揮発性および不揮発性、取り外し可能な媒体および非取り外し可能な媒体を含む。例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他の固体状態メモリ技術、CD−ROM、DVD、Blu−Rayまたは他の光学記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶デバイス、もしくは所望の情報を記憶するために使用され得、かつワークステーション80によってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含む。
【0059】
ネットワークインターフェース208は、有線ネットワークおよび/または無線ネットワークから成るローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、無線モバイルネットワーク、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、および/またはインターネット等のネットワークに接続するように構成され得る。入力デバイス210は、例えば、マウス、キーボード、フットペダル、タッチスクリーン、および/または音声インターフェース等、ユーザがワークステーション80と相互作用し得る、任意のデバイスであり得る。出力モジュール212は、例えば、パラレルポート、シリアルポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)、または当業者に公知の任意の他の類似接続ポート等の任意の接続ポートまたはバスを含み得る。
【0060】
ENB手技の計画またはナビゲーション段階のいずれかにおいて使用可能な画像およびデータ発生、管理、ならびに操作のさらなる側面は、Brownによって2014年7月2日に出願され、「Methods for Marking Biopsy Location」と題された共同所有の米国仮特許出願第62,020,177号、Kehatetal.によって2014年7月2日に出願され、「Intelligent Display」と題された米国仮特許出願第62,020,238号、Greenburgによって2014年7月2日に出願され、「Unified Coordinate System for Multiple CT Scans of Patient Lungs」と題された米国仮特許出願第62,020,242号、Klein、他によって2014年7月2日に出願され、「Alignment CT」と題された米国仮特許出願第62,020,245号、Merletによって2014年7月2日に出願され、「Algorithm for Fluoroscopic Pose Estimation」と題された米国仮特許出願第62,020,250号、Markov、他によって2014年7月2日に出願された「System and Method for Segmentation of Lung」と題された米国仮特許出願第62,020,261号、およびLachmanovich、他によって2014年7月2日に出願され、「Cone View−A Method of Providing Distance and Orientation Feedback While Navigating in 3D」と題された米国仮特許出願第62,020,258号により完全に説明され、これらの全内容は全て、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0061】
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されるが、本開示は、それに限定されることを意図するものではなく、本開示は、当該分野が許容するであろう広範な範囲であり、明細書も同様に読まれることが意図される。したがって、前述の説明は、限定としてではなく、単に、特定の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付の請求項の範囲および精神内において他の修正も想起するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7