特許第6595044号(P6595044)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6595044ラミネートフィルム、ラミネート構造及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595044
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】ラミネートフィルム、ラミネート構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20191010BHJP
   H01L 33/44 20100101ALI20191010BHJP
【FI】
   H01L33/50
   H01L33/44
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-102950(P2018-102950)
(22)【出願日】2018年5月30日
(62)【分割の表示】特願2013-535553(P2013-535553)の分割
【原出願日】2011年10月20日
(65)【公開番号】特開2018-160678(P2018-160678A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2018年5月30日
(31)【優先権主張番号】61/407,180
(32)【優先日】2010年10月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ベイスン,グリゴリー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ポール スコット
【審査官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−183777(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/027672(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/028807(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/105923(WO,A1)
【文献】 特開2009−229507(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/022316(WO,A1)
【文献】 特表2009−537996(JP,A)
【文献】 特開2007−150233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル支持フィルムを用意する工程と、
少なくとも複数の個別の光学素子を形成するよう、別個の基板上の複数の発光デバイスの位置に対応するパターンに従って前記フレキシブル支持フィルムの表面に1つ以上の層を付加する工程であり、前記個別の光学素子は、前記フレキシブル支持フィルムに対してよりも前記発光デバイスに対して実質的に高い粘着力を有する、工程と、
前記複数の個別の光学素子を備えた前記フレキシブル支持フィルムを、接着剤なしで、前記別個の基板上の前記発光デバイスの上に配置する工程と、
前記個別の光学素子間にある前記フレキシブル支持フィルムを前記別個の基板の方に引き寄せるように真空を適用し、それにより、前記個別の光学素子を前記発光デバイス上に推し進める力を印加する工程と、
この積層構造を加熱して前記個別の光学素子を前記複数の発光デバイスに貼り付ける工程と、
前記複数の発光デバイスに貼り付けられた前記複数の光学素子を残して前記フレキシブル支持フィルムを除去する工程と、
を有する発光デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記光学素子は波長変換素子を含む、請求項1に記載の発光デバイスの製造方法。
【請求項3】
前記1つ以上の層は導電性要素の層を含む、請求項1に記載の発光デバイスの製造方法。
【請求項4】
前記1つ以上の層は、熱伝導を高める材料を含む、請求項1に記載の発光デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記1つ以上の層は反射性材料の層を含む、請求項1に記載の発光デバイスの製造方法。
【請求項6】
各光学素子は複数の蛍光体素子を含む、請求項1に記載の発光デバイスの製造方法。
【請求項7】
フレキシブル支持フィルムと、
前記フレキシブル支持フィルム上の1つ以上のラミネート層であり、該ラミネート層のうちの少なくとも1つの層が、別個の基板上の複数の発光デバイスの位置に対応するパターンに従って前記フレキシブル支持フィルム上に配置された複数の個別の光学素子を含み、前記個別の光学素子は、前記フレキシブル支持フィルムに対してよりも前記発光デバイスに対して実質的に高い粘着力を有し、前記複数の個別の光学素子は、接着剤層の使用なしで前記複数の光学素子が前記複数の発光デバイスに真空ラミネートされた後に前記光学素子へのダメージなく前記フレキシブル支持フィルムが前記複数の光学素子から除去されることを可能にする低い粘着力で、前記フレキシブル支持フィルムの表面に接着されている、1つ以上のラミネート層と
を有する、
ラミネートフィルム。
【請求項8】
前記フレキシブル支持フィルムの反対側で前記複数の光学素子を覆うカバーフィルム層、を含む請求項7に記載のラミネートフィルム。
【請求項9】
前記光学素子は波長変換素子を含む、請求項7に記載のラミネートフィルム。
【請求項10】
前記光学素子は蛍光体−ガラス素子を含む、請求項7に記載のラミネートフィルム。
【請求項11】
前記光学素子の各々は複数の蛍光体素子を含む、請求項7に記載のラミネートフィルム。
【請求項12】
前記ラミネート層のうちの少なくとも1つは伝導要素の層を含み、該伝導要素は電気伝導要素又は熱伝導要素のうちの少なくとも一方を含む、請求項7に記載のラミネートフィルム。
【請求項13】
前記ラミネート層のうちの少なくとも1つは反射性材料の層を含む、請求項7に記載のラミネートフィルム。
【請求項14】
複数の発光デバイスを含むタイル;及び
ラミネートフィルムであり、
フレキシブル支持フィルムと、
前記タイル上の前記複数の発光デバイスの位置に対応する位置で前記フレキシブル支持フィルムの表面に配置された複数の個別の光学素子であり、当該個別の光学素子は、前記フレキシブル支持フィルムに対してよりも前記発光デバイスに対して実質的に高い粘着力を有し、当該複数の個別の光学素子は、接着剤層の使用なしで当該複数の光学素子が前記複数の発光デバイスに真空ラミネートされた後に当該光学素子へのダメージなく前記フレキシブル支持フィルムが当該複数の光学素子から除去されることを可能にする低い粘着力で、前記フレキシブル支持フィルムの前記表面に接着されている、複数の個別の光学素子と、
を含むラミネートフィルム;
を有するラミネート構造。
【請求項15】
前記光学素子は波長変換素子を含む、請求項14に記載のラミネート構造。
【請求項16】
前記光学素子の各々は複数の蛍光体素子を含む、請求項14に記載のラミネート構造。
【請求項17】
前記ラミネートフィルムは、電気伝導層、熱伝導層、反射層及びカバー層のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のラミネート構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光デバイスの分野に関し、特に、パターン形成されたラミネーションシート及び対応する構造、並びにそのようなシートによって形成されるデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ここに援用する2009年7月9日に発行された“事前に製造された波長変換素子を備えた半導体発光デバイス(SEMICONDUCTOR LIGHT EMITTING DEVICE WITH PRE-FABRICATED WAVELENGTH CONVERSION ELEMENT)”なるタイトルのMartin等の特許文献1は、別個に製造される波長変換素子を備えた半導体発光デバイスを開示している。例えば蛍光体及びガラスからなる波長変換素子が、発光デバイスに接合される個々の波長変換素子へと分離されるシートにて製造される。その波長変換素子は、それらの波長変換特性に従ってグループ分けされて保管され得る。その波長変換素子は、主の光と補助的な光との所望の混合物を生成するよう、半導体発光デバイスと選択的にマッチングされ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0173960号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
波長変換素子、又は下に位置する発光構造に付加されるその他の素子、を備えた発光デバイスを製造するために使用されるプロセスを単純化すること、又はそのようなプロセスに付随するコストを低減することが有利となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
別の基板上の発光素子の位置に対応する選択位置で支持フィルムに光学素子が貼り付けられる。該フィルムは、発光素子を含んだ基板上に、光学素子が対応する発光素子と接触するように配置される。光学素子が発光素子にラミネートされ、支持フィルムが除去され得る。光学素子は、波長変換素子、レンズ素子、複数素子の組合せなどを含み得る。例えば金属導体などのその他の素子もラミネートフィルム上に配置され得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の図を含む添付図面を参照して、例として、本発明を更に詳細に説明する。
図1A】光学素子と発光デバイスとのラミネート構成の一形成例を示す図である。
図1B】光学素子と発光デバイスとのラミネート構成の一形成例を示す図である。
図1C】光学素子と発光デバイスとのラミネート構成の一形成例を示す図である。
図1D】光学素子と発光デバイスとのラミネート構成の一形成例を示す図である。
図1E】光学素子と発光デバイスとのラミネート構成の一形成例を示す図である。
図2A】パターン形成された光学素子の例を示す図である。
図2B】パターン形成された光学素子の例を示す図である。
図2C】パターン形成された光学素子の例を示す図である。
図3A】多層光学素子の一例を示す図である。
図3B】多層光学素子の一例を示す図である。
図4】光学素子と発光デバイスとのラミネート構成を形成するためのフロー図の一例を示す図である。 図面全体を通して、同じ参照符号は同様あるいは対応する機構又は機能を指し示す。図面は例示目的で含められたものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の記載においては、本発明の概念の完全なる理解を提供するため、限定ではなく説明の目的で、例えば特定のアーキテクチャ、インタフェース、技術などの具体的詳細事項が説明される。しかしながら、当業者に明らかになるように、本発明は、これらの具体的詳細事項を逸脱した他の実施形態でも実施され得るものである。同様に、この記載のテキストは、図に例示される実施形態例に向けられたものであり、請求項中に明示的に含まれる限定以上に請求項に係る発明を限定することを意図したものではない。単純化及び明瞭化のため、不必要な詳細事項によって本発明の説明を不明瞭にしないよう、周知のデバイス、回路及び方法の詳細な説明は省略する。
【0008】
先述の特許文献1は、この場合には波長変換素子(例えば、蛍光体)である光学素子を発光素子に付加するための少なくとも2つの技術を開示している。第1の技術においては、蛍光体材料のシートが、複数の発光素子を含んだ基板上に配置された後、蛍光体材料を発光素子に貼り付けるよう処理される。この技術を用いると、基板全体が蛍光体材料によって覆われる。第2の技術においては、蛍光体材料のシートが個々の素子へと切断され、それら個々の素子が発光素子の発光部に貼り付けられ、それにより、使用される蛍光体の量が節減される。各蛍光体素子を各発光素子上に配置するために、ピックアンドプレースプロセスが使用され得る。
【0009】
図1A−1Eは、一例に係るラミネート構造190の形成を示している。図1Aはラミネートフィルム100の断面図を例示し、図1Bはラミネートフィルム100の平面図を例示し、図1Cは、発光デバイス群が個々の発光デバイス160へとスライス/ダイシングあるいはその他の方法で個片化される前の、発光デバイスを敷き詰めたもの(タイル)150の一例を示している。本出願での用語の用法として、‘タイル’は単に、基板上の複数のデバイスであり、タイルは、デバイスが上に形成された半導体ウェハ、デバイスが内部に配置される容器を備えたフレーム、又はデバイスが上に位置する何らかのその他の基板とし得る。
【0010】
この例のラミネートフィルム100は、支持フィルム110の選択された位置に配置された複数の光学素子130を含んでおり、支持フィルムの表面に垂直な高さすなわちプロファイルの変化を作り出している。上記位置は、ラミネートフィルム100が反転されて発光デバイス160のタイル150上に配置されるときに光学素子130が発光デバイス160の特定の機構140上に位置することになるように選択される。例えば、光学素子130が例えば蛍光体などの波長変換材料を含む場合、光学素子130は、タイル150上で発光デバイス160の発光素子に対応することになる位置で支持フィルム110上に置かれ得る。
【0011】
図1Dに示されるようにラミネートフィルム100が反転されてタイル150上に配置されるとき、熱・真空ラミネート(積層)プロセスを用いて光学素子130をそれらに対応する機構140に貼り付けることができ、それにより、図1Eに示されるようなラミネート構造が形成され得る。すなわち、ラミネートフィルム100は、真空を用いてタイル150上に引き下ろされ、そして、光学素子130が発光デバイス160の対応する機構140と接合するように加熱される。その後、支持フィルム110が除去され、光学素子130を備えた発光デバイス160の後続処理が実行され得る。
【0012】
一実施形態例において、支持フィルム110は、光学素子130に対して比較的低い粘着力を有するエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)フィルムとし得る。光学素子130は、より高い粘着力を発光デバイス160の機構140に対して有するガラス又はエポキシの素子とし得る。ここに援用する2010年8月20日に出願された同時係属中の米国特許出願第12/375296号(Grigoriy Basin,Kinya Kodama,Kazutoshi Iwata、“LED用ラミネーションプロセス(LAMINATION PROCESS FOR LEDS)”、整理番号PH015255US1)は、例えばシリコーンのバインダ内の蛍光体粉末の層を、サブマウントウェハ上のLEDダイのアレイ上にラミネートする方法を開示している。この層はLEDダイ上に取り付けられ、この構造が真空内で加熱される。この層がLEDダイの頂部に接着するよう、支持フィルムに下向きの圧力が加えられる。その後、この構造は大気に晒され、支持フィルムが除去される。第2のラミネート工程において、上記層とウェハとの間の残存空気を除去するため、この構造は真空内で更に高い温度まで加熱される。
【0013】
光学素子130は、多様な技術のうちの何れかを用いて、支持フィルム110上に形成あるいは配置され得る。支持フィルム上に光学素子130をスタンピングあるいは印刷するよう、型押しプロセス又はスクリーン印刷が用いられてもよいし、支持フィルム上に光学素子130を形成するために、フォトリソグラフィプロセスが用いられてもよいし、支持フィルム上に光学素子130を配置するためにピックアンドプレースプロセスが用いられてもよいし、あるいは、これらの技術と技術的に知られたその他の技術との組合せが用いられてもよい。型押し又はその他の‘鋳造(キャスティング)’技術を用いて、光学素子130内に所望のパターンが作り出されてもよい。使用されるプロセス及び材料に応じて、光学素子130上に直接的にパターンが形成されてもよいし、支持フィルム110が、その後に光学素子130が身に付けるパターンを含んでいてもよい。
【0014】
得られたラミネートフィルム100が、将来的なタイル150へのラミネーションに備えて保管される場合、光学素子130への汚染又はダメージを避けるために、光学素子130上に、支持フィルム110とは反対側で、取り外し可能なカバーフィルムが配置され得る。これに関連し、用語‘支持フィルム’及び‘カバーフィルム’は等価であるように解釈されてもよい。例えば、素子130が上に形成された元々のフィルムと素子130を覆う別のフィルムとの間に素子130が挟み込まれる場合、素子130を露出させるためのどちらのフィルムが除去されるかは重要でなく、残った方のフィルムがその後に支持フィルムとなる。
【0015】
ラミネートフィルム100は単一種類の光学素子130に限定されない。光学素子130は複数の素子及び構造を有していてもよい。例えば、レンズ素子がラミネートフィルム上に形成された後に、レンズ上の蛍光体素子、及び蛍光体素子の周りの反射体が形成されてもよい。同様に、ラミネートフィルム100には、1つ以上の導電性のラミネーション層として回路配線が形成されてもよい。同様に、デバイスや例えば蛍光体波長変換層などのその他の層の内部で生成される熱の伝達又は放散を促進するために、ラミネートフィルムに1つ以上の熱伝導性のラミネーション層が形成されてもよい。隣接する層と同様の光学特性を有するように熱伝導層を選定してもよいし、あるいは、‘既存’の層内に熱伝導材料を埋め込んで、その層がその主機能とともに伝熱機能を果たすようにしてもよい。例えば、シリコーン/蛍光体ポリマーが波長変換に使用される場合、より良好な熱伝導を実現するよう、該ポリマーにシリカが添加され得る。何故なら、シリカはシリコーンと同等の屈折率を有しており、シリカの添加はデバイスの光学的な品質を低下させにくいからである。
【0016】
図2A−2Cは、光学素子の例130A−130Cの平面図を示している。図2Aにおいて、一例に係る光学素子130Aは、多くの場合には例えばコリメーション、偏光、分散などの特定の光学パターン又は光学特性を形成するように、パターン形成210されている。このパターン形成210は、パターンを有するように光学素子130Aの表面を形成することによって生成され、例えば、パターン形成されたラミネートフィルム100を用いてラミネーションプロセス中に光学材料230にパターンを転写することによって生成される。他の例では、パターン210は、支持フィルムに例えば金属などの第2の材料を所望のパターンで設け、その後、この材料を光学材料230で覆うことによって形成され得る。パターン形成された表面を作り出すその他の技術も技術的によく知られている。
【0017】
図2B及び2Cにおいては、異なる陰影によって示されるように、異なる種類の材料が光学素子130B及び130Cを形成している。図2Bにおいて、例えば2つの異なる蛍光体などの2つの異なる材料250、255が交互パターンにて配列されている。このような組合せは、例えば、元々の放出光を2つの他の波長の光に変換することによって、より広いスペクトルの出力光が所望されるときに使用され得る。この概念は、任意の数の組合せを含むように拡張されることができ、4つの蛍光体260、262、264、266の組合せが図2Cに例示されている。
【0018】
図3A−3Bは、蛍光体330と反射体(リフレクタ)320とを含む光学素子350の平面図及び切断断面図を例示している。反射体320は、発光デバイス340内の発光素子からの光が蛍光体層330に入射することを可能にする開口325を含んでいる。蛍光体層330より小さいように図示されているが、反射体320は蛍光体層330の外側まで延在していてもよい。
【0019】
図4は、光学素子と発光デバイスとを有するラミネート構造の形成のためのフロー図の一例を示している。
【0020】
ステップ410にて、支持フィルムが用意される。上述のように、支持フィルムは、低い粘着力を有するエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)フィルムとし得る。このフィルム上に、ステップ420にて、選択位置にディスクリート光学素子が配置あるいは形成される。これらの位置は、例えば各発光デバイス内の発光素子の位置などの、別個の基板上の発光デバイスの機構の位置に対応するように選択される。やはり上述したように、これらの光学素子は、支持フィルム上に型押し、あるいは印刷されてもよいし、フォトリソグラフィ技術を用いて形成されてもよい。光学素子は、ラミネートフィルムを形成するように支持フィルム上で後に硬化される、あるいは部分的に硬化されるエポキシ又はガラススラリー内の蛍光体を含んでいてもよい。ステップ430にて、ディスクリート光学素子の更なるパーツとし得るその他の素子もラミネートフィルムに付加され得る。
【0021】
必要に応じて、ステップ440にて、保護カバーフィルムが、支持フィルムの反対側でラミネートフィルムに付加され得る。このカバーフィルムも、低い粘着力を有するETFEフィルムとし得る。
【0022】
ステップ450にて、発光デバイスのタイルが用意され、ステップ455にて、存在する場合に保護カバーが除去され得る。保護カバーフィルムが付加されている場合、光学素子の具体的な構造に応じて、元々のフィルム又はこのカバーフィルムの何れがその後に支持フィルムと見なされてもよく、他方のフィルムが除去された後に残存するフィルムが支持フィルムとなる。
【0023】
ステップ460にて、光学素子が発光デバイスの対応する機構と接触するように、ラミネートフィルムがタイル上に配置される。そして、ステップ470にて、ラミネートフィルムが発光デバイスにラミネートされる。ラミネーションは、上述のように真空加熱プロセスを用いて実行されてもよいし、あるいは、何らかの代替的なラミネーション技術が用いられてもよい。得られたラミネート構造はその後の処理に備えて保管されることができ、支持フィルムがこの構造体の保護カバーを形成する。
【0024】
ステップ480にて、支持フィルムが除去され、ステップ490にて、例えば試験、封止、個片化などの残りのプロセスが実行され得る。
【0025】
図面及び以上の説明にて本発明を詳細に図示して説明したが、これらの図示及び説明は、限定的なものではなく、例示的あるいは典型的なものと見なされるべきであり、本発明は開示の実施形態に限定されるものではない。例えば、パターン形成された層のうちの少なくとも1つが支持フィルムに対するその層の高さ変化をもたらしながら実質的に均一厚さのラミネートフィルムを実現するように、1つの層のプロファイルの変化がその他の層によって補償される一実施形態にて本発明を作用させることが可能である。
【0026】
図面、本明細書及び特許請求の範囲の検討から、請求項に係る発明を実施する当業者によって、開示の実施形態へのその他の変形が理解・実現され得る。請求項において、用語“有する”はその他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞“a”又は“an”は複数であることを排除するものではない。単一のプロセッサ又はその他のユニットが、請求項に記載された複数の品目の機能を果たしてもよい。特定の複数の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、それらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを指し示すものではない。請求項内の如何なる参照符号も、その範囲を限定するものとして解されるべきでない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4