特許第6595065号(P6595065)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6595065加工装置、加工装置の制御方法および加工装置の制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6595065
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】加工装置、加工装置の制御方法および加工装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B23Q 17/24 20060101AFI20191010BHJP
   B23Q 17/20 20060101ALI20191010BHJP
   G05B 19/401 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   B23Q17/24 C
   B23Q17/20 A
   G05B19/401
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-167081(P2018-167081)
(22)【出願日】2018年9月6日
【審査請求日】2018年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】山田 智明
(72)【発明者】
【氏名】西川 静雄
(72)【発明者】
【氏名】中尾 大樹
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2018/0150062(US,A1)
【文献】 特開2000−180106(JP,A)
【文献】 特開2000−131032(JP,A)
【文献】 特開2008−168372(JP,A)
【文献】 特開平09−061140(JP,A)
【文献】 特開2005−300512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 17/20 − 17/24
G05B 19/18 − 19/401
G01B 11/00 − 11/30
G06T 7/00 − 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工に用いられる工具を取り付けるための工具主軸と、
少なくとも1つの移動カメラを含む少なくとも2つのカメラと、
前記少なくとも2つのカメラで取得した画像を用いて、撮影対象物の立体形状を計測する計測手段と、
工具とともに前記移動カメラを収容する工具マガジンと、
前記工具マガジンに収容された前記移動カメラを前記工具主軸に取り付けるカメラ取付手段と、
を備えた加工装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つのカメラは、前記加工装置の内部に取り付けられた固定カメラを含み、
前記固定カメラを用いて前記移動カメラの位置を検出する検出手段をさらに備えた請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
前記計測手段は、前記立体形状として、前記撮影対象物に加工された穴の深さおよび前記撮影対象物に加工された段差の大きさのうち少なくとも1つを計測する請求項1または2に記載の加工装置。
【請求項4】
前記工具マガジンは、複数種類の前記移動カメラを収容する請求項1乃至のいずれか1項に記載の加工装置。
【請求項5】
加工に用いられる工具を取り付けるための工具主軸と、
少なくとも1つの移動カメラを含む少なくとも2つのカメラと、
前記少なくとも2つのカメラで取得した画像を用いて、撮影対象物の立体形状を計測する計測手段と、
工具とともに前記移動カメラを収容する工具マガジンと、
前記工具マガジンに収容された前記移動カメラを前記工具主軸に取り付けるカメラ取付手段と、
を備えた加工装置の制御方法であって、
前記工具マガジンに収容された前記移動カメラを前記工具主軸に取り付けるカメラ取付ステップと、
前記移動カメラで撮影した画像を取得する取得ステップと、
取得した前記画像を用いて、撮影対象物の立体形状を計測する計測ステップと、
を含む加工装置の制御方法。
【請求項6】
加工に用いられる工具を取り付けるための工具主軸と、
少なくとも1つの移動カメラを含む少なくとも2つのカメラと、
前記少なくとも2つのカメラで取得した画像を用いて、撮影対象物の立体形状を計測する計測手段と、
工具とともに前記移動カメラを収容する工具マガジンと、
前記工具マガジンに収容された前記移動カメラを前記工具主軸に取り付けるカメラ取付手段と、
を備えた加工装置の制御プログラムであって、
前記工具マガジンに収容された前記移動カメラを前記工具主軸に取り付けるカメラ取付ステップと、
前記移動カメラで撮影した画像を取得する取得ステップと、
取得した前記画像を用いて、撮影対象物の立体形状を計測する計測ステップと、
をコンピュータに実行させる加工装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置、加工装置の制御方法および加工装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、工作機械の機内にカメラを配置し、当該カメラを用いて機内を撮影して、表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−94689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、所望の映像を得ることができなかったため、映像に基づいた精度の高い計測をすることができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る加工装置は、
加工に用いられる工具を取り付けるための工具主軸と、
少なくとも1つの移動カメラを含む少なくとも2つのカメラと、
前記少なくとも2つのカメラで取得した画像を用いて、撮影対象物の立体形状を計測する計測手段と、
工具とともに前記移動カメラを収容する工具マガジンと、
前記工具マガジンに収容された前記移動カメラを前記工具主軸に取り付けるカメラ取付手段と、
を備えた。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る加工装置の制御方法は、
加工に用いられる工具を取り付けるための工具主軸と、
少なくとも1つの移動カメラを含む少なくとも2つのカメラと、
前記少なくとも2つのカメラで取得した画像を用いて、撮影対象物の立体形状を計測する計測手段と、
工具とともに前記移動カメラを収容する工具マガジンと、
前記工具マガジンに収容された前記移動カメラを前記工具主軸に取り付けるカメラ取付手段と、
を備えた加工装置の制御方法であって、
前記工具マガジンに収容された前記移動カメラを前記工具主軸に取り付けるカメラ取付ステップと、
前記移動カメラで撮影した画像を取得する取得ステップと、
取得した前記画像を用いて、撮影対象物の立体形状を計測する計測ステップと、
を含む。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る加工装置の制御プログラムは
加工に用いられる工具を取り付けるための工具主軸と、
少なくとも1つの移動カメラを含む少なくとも2つのカメラと、
前記少なくとも2つのカメラで取得した画像を用いて、撮影対象物の立体形状を計測する計測手段と、
工具とともに前記移動カメラを収容する工具マガジンと、
前記工具マガジンに収容された前記移動カメラを前記工具主軸に取り付けるカメラ取付手段と、
を備えた加工装置の制御プログラムであって、
前記工具マガジンに収容された前記移動カメラを前記工具主軸に取り付けるカメラ取付ステップと、
前記移動カメラで撮影した画像を取得する取得ステップと、
取得した前記画像を用いて、撮影対象物の立体形状を計測する計測ステップと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、映像に基づいた精度の高い計測をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る加工装置の構成を示す図である。
図2A】本発明の第2実施形態に係る加工装置の構成の一例の概要を示す図である。
図2B】本発明の第2実施形態に係る加工装置の構成の他の例の概要を示す図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る加工装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る加工装置の備えるカメラテーブルの一例を示す図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る加工装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る加工装置の処理手順を説明するフローチャートである。
図7】本発明の第3実施形態に係る加工装置の構成の一例の概要を示す図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る加工装置の備えるカメラテーブルの一例を示す図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る加工装置の処理手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての加工装置100について、図1を用いて説明する。加工装置100は、カメラ画像から立体形状を計測する装置である。
【0013】
図1に示すように、加工装置100は、移動カメラ101、カメラ102および計測部103を含む。さらに、加工装置100は、少なくとも1つの移動カメラ101を含む少なくとも2つのカメラ101,102を有する。計測部103は、少なくとも2つのカメラ101,102で取得した画像を用いて、撮影対象物110の立体形状を計測する。
【0014】
本実施形態によれば、映像に基づいた精度の高い計測をすることができる。
【0015】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る加工装置について、図2A乃至図6を用いて説明する。図2Aは、本実施形態に係る加工装置の構成の一例の概要を示す図である。加工装置200は、回転ステージ230(加工台)に載置された撮影対象物210の加工を行う。加工装置200は、装置内にカメラが少なくとも2台配置されている。
【0016】
加工装置200は、移動カメラ201と固定カメラ202とを有する。移動カメラ201は、工具主軸220に取り付けられている。工具主軸220には、スピンドルが取り付けられており、移動カメラ201は、例えば、スピンドルを介して工具主軸220に取り付けられる。そして、移動カメラ201は、工具主軸220またはスピンドルの移動に合わせて動く。つまり、移動カメラ201は、移動式のカメラとなっている。なお、スピンドルは、回転するが、移動カメラ201は、スピンドルの回転に合わせて回転しないように取り付けてもよい。
【0017】
固定カメラ202は、加工装置200の天井に取り付けられている。固定カメラ202は、加工装置200の天井に取り付けられ、移動できない(位置が変わらない)ので、固定式のカメラとなっている。
【0018】
加工装置200は、移動カメラ201および固定カメラ202で撮影し、取得した画像を重ね合わせることで、いわゆるステレオカメラと同じく、立体的な映像を得る。得られた立体的な映像を用いて、加工装置200は、撮影対象物210(ワーク、加工対象物など)の立体形状や、撮影対象物に加工された穴の深さ、段差の大きさなどを計測する。また、加工装置200は、立体形状を計測することにより、工具と撮影対象物210との衝突や、加工装置200の部品と撮影対象物210との衝突などを回避することが可能となる。
【0019】
また、2台のカメラのうち一方を工具主軸220に取り付けて移動カメラ201とし、もう一方を加工装置200の内部に固定して固定カメラ202とすることで、より広範囲の画像が得られる。
【0020】
このように、移動カメラ201および固定カメラ202を加工装置200に取り付ければ、装置内の立体映像が得られるので、加工装置200の内部を外部から確認するためのガラス製の窓を設ける必要がなくなる。そのため、仮に、加工装置200の内部で工具の破損や撮影対象物210の破壊などの事故が発生しても、破損した工具などの破片等により窓が壊れて、加工装置200の外部に被害が及ぶことがなくなる。
【0021】
次に、移動カメラ201および固定カメラ202の撮影姿勢および設置位置を決定する方法について説明する。移動カメラ201および固定カメラ202で取得した画像を用いて計測した撮影対象物210の立体形状の精度は、ベースアングルが大きくなるほど高くなる。ここで、ベースアングルは、移動カメラ201と固定カメラ202と撮影対象物210とが作る三角形の角度である。このように、立体形状の精度は、ベースアングルが大きいほど高くなるが、一方で、特徴点が2つのカメラ(移動カメラ201、固定カメラ202)で捉えられていないとならない。
【0022】
また、移動カメラ201のZ方向の位置は、カメラの視野(FOV;Field of View)を変えるため、撮影対象物210がカメラの視野に収まるか否かの判断で足りる(決定できる)。移動カメラ201のX方向の位置は、撮影対象物210が視野中央に来るような位置であればよい。移動カメラ201のY方向の位置は、ベースアングルが最大となり、撮影対象物210の面の観察が可能な位置となればよい。
【0023】
移動カメラ201および固定カメラ202の撮影姿勢および設置位置は、具体的には、例えば、次の手順に従って決定できる。(1)撮影対象物210(ワーク)のモデルから注目領域を設定する。(2)注目領域の中心と固定カメラ202のなす角をSP軸の角を合致させエピポーララインとカメラの画素方向とを合致させる。(3)注目領域の中心と視野中心とが合致するように移動カメラ201のX座標を決める。(4)注目領域の大きさと移動カメラ201の画角とからZ位置を決定する。(5)撮影対象物210の各ファセットの法線ベクトルのY成分の分布を求める。(6)移動カメラ201から撮影対象物210に向かうベクトルと(5)の法線ベクトルとのなす角があらかじめ定められた値(例えば、70°)以下となるように移動カメラ201の撮影方向を決める。(7)(6)で求めた角度と(4)で求めたZ座標とからY座標を求める。
【0024】
図2Bは、本実施形態に係る加工装置の構成の他の例の概要を示す図である。加工装置240は、加工装置200と同様に装置内にカメラが少なくとも2台配置されている。加工装置240では、回転ステージ230がスライドしてY軸方向(鉛直方向)に移動する。加工装置240では、2台の移動カメラ201)が、回転ステージ230に取り付けられている。円盤状のパレット250は、あらかじめ加工対象物(ワーク)などの撮影対象物210が設置されており、図示しない搬送用ロボットなどで回転ステージ230の上へと搬送される。
【0025】
2台の移動カメラ201)で取得した画像を用いて、加工装置240の内部の撮影対象物210などを立体形状として捉えることができるので、搬送用ロボットの制御を閉ループ制御とすることができる。また、加工装置240は、立体形状を計測するので、ワークや加工対象物などの撮影対象物210の搬送中に撮影対象物210に応答するNC(Numerical Control)プログラムの適不適の判断や応答するプログラムを選択できる。
【0026】
また、加工装置240は、工具主軸220に取り付けられたスピンドルの一部の立体形状を計測できるので、衝突後の自己チェック、切粉の巻きつきなどをチェックすることができる。加工装置240が、加速度センサ等を備えて衝突などの異常検知ができる装置であれば、異常検出後に立体形状としてスピンドル自体を保存することにより異常状態の検証が容易になる。
【0027】
なお、加工装置200,240の内部に配置される移動カメラ201の台数は、1台であっても、複数台であってもよく、加工装置内部における複数台のカメラが全て移動カメラ201であってもよい。移動カメラの台数が1台である時には、加工装置200,240の内部に配置される固定カメラ202は、少なくとも1台必要になるが、固定カメラ202は複数台であってもよい。
【0028】
図3は、本実施形態に係る加工装置の構成を示すブロック図である。加工装置200は、移動カメラ201と固定カメラ202と計測部301と検出部302とを有する。移動カメラ201は、加工装置200内を移動可能となっている。また、移動カメラ201は、加工装置200の内部を撮影して、画像を取得する。なお、移動カメラ201は、移動しながら撮影をして、画像を取得しても、撮影の際には、静止した状態で撮影して、画像を取得してもよい。
【0029】
固定カメラ202は、加工装置200の内部の所定の位置に取り付けられたカメラである。つまり、固定カメラ202は、動かないカメラである。固定カメラ202は、加工装置200の内部を撮影して、画像を取得する。
【0030】
移動カメラ201および固定カメラ202は、加工装置200の内部に存在するものを撮影対象とする。図3においては、移動カメラ201および固定カメラ202の撮影対象物210は、回転ステージ230(加工台)に載置された加工対象物としている。しかし、撮影対象物210は、例えば、加工装置200の加工対象となる加工対象物(ワーク)や、加工対象物を載せる加工台、工具主軸、工具ホルダ、チャック、刃具などであってもよく、加工装置200の内部に存在するものであれば、これらには限定されない。また、移動カメラ201で固定カメラ202を撮影しても、固定カメラ202で移動カメラ201を撮影してもよい。
【0031】
計測部301は、移動カメラ201および固定カメラ202で撮影し、取得した画像を用いて、撮影対象物210の立体形状を計測する。計測部301は、撮影対象物210を複数の異なる方向から同時に撮影された画像、すなわち、移動カメラ201および固定カメラ202で取得した画像を用いることにより、撮影対象物210の奥行き方向の情報を得られる。これにより、計測部301は、撮影対象物210の立体形状を測定できる。
【0032】
また、検出部302は、固定カメラ202を用いて移動カメラ201の位置を検出して、キャリブレーションを実行する。まず、計測部301は、固定カメラ202により撮影した移動カメラ201の映像を取得する。そして、検出部302は、移動カメラ201と固定カメラ202との内部パラメータ、外部パラメータ、歪係数などのパラメータを求めて、キャリブレーションを行う。キャリブレーションを実行して、上述のパラメータが求まれば、エピポーラ幾何学的な拘束条件により、対応点探索やレクティフィケーションなどを効率的に行うことができる。なお、検出部302は、加工装置200の起動時などのタイミングでキャリブレーションを行う。検出部302によりキャリブレーションを実行するタイミングは、これには限定されず、加工途中や加工完了後などのタイミングであってもよい。因みに、キャリブレーションを行うことなく8点アルゴリズムにより直接三次元座標を算出してもよい。
【0033】
さらに、計測部301は、撮影対象物210の立体形状として、撮影対象物210に加工された穴の深さおよび撮影対象物210に加工された段差の大きさのうち少なくとも1つを計測する。これにより、撮影対象物210の加工状態や加工の進捗状況などが分かるので、加工装置200は、加工条件などを変更したり、制御したりすることができる。なお、計測部301が計測する立体形状は、穴の深さや段差の大きさには限定されず、例えば、穴の直径や溝の深さおよび長さ、などであってもよい。
【0034】
図4は、本実施形態に係る加工装置の備えるカメラテーブルの一例を示す図である。カメラテーブル401は、カメラID(Identifier)411に関連付けて、移動/固定412、位置413、スペック414および撮影画像415を格納する。カメラID411は、カメラを識別するための識別子である。移動/固定412は、カメラが移動式のカメラか固定式のカメラかを示す。位置413は、カメラ(移動カメラ201,固定カメラ202)の位置を示す。スペック414は、カメラの性能を示し、画角やF値、焦点距離、画素数、倍率などが含まれるが、これらには限定されない。撮影画像415は、カメラ(移動カメラ201,固定カメラ202)で撮影した画像である。加工装置200は、例えば、カメラテーブル401を参照して、撮影対象物の立体形状を計測する。また、加工装置200は、カメラテーブル401を参照して、移動カメラ201の位置を検出する。
【0035】
図5は、本実施形態に係る加工装置のハードウェア構成を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)510は、演算制御用のプロセッサであり、プログラムを実行することで図3の加工装置200の機能構成部を実現する。CPU510は複数のプロセッサを有し、異なるプログラムやモジュール、タスク、スレッドなどを並行して実行してもよい。ROM(Read Only Memory)520は、初期データおよびプログラムなどの固定データおよびその他のプログラムを記憶する。また、ネットワークインタフェース530は、ネットワークを介して他の装置などと通信する。なお、CPU510は1つに限定されず、複数のCPUであっても、あるいは画像処理用のGPU(Graphics Processing Unit)を含んでもよい。また、ネットワークインタフェース530は、CPU510とは独立したCPUを有して、RAM(Random Access Memory)540の領域に送受信データを書き込みあるいは読み出しするのが望ましい。また、RAM540とストレージ550との間でデータを転送するDMAC(Direct Memory Access Controller)を設けるのが望ましい(図示なし)。さらに、CPU510は、RAM540にデータが受信あるいは転送されたことを認識してデータを処理する。また、CPU510は、処理結果をRAM540に準備し、後の送信あるいは転送はネットワークインタフェース530やDMACに任せる。
【0036】
RAM540は、CPU510が一時記憶のワークエリアとして使用するランダムアクセスメモリである。RAM540には、本実施形態の実現に必要なデータを記憶する領域が確保されている。位置541は、移動カメラ201および固定カメラ202の加工装置200の内部での位置のデータである。スペック542は、移動カメラ201および固定カメラ202の性能などに関するデータである。撮影画像543は、移動カメラ201および固定カメラ202で撮影した画像のデータである。パラメータ544は、キャリブレーションにより求められた、移動カメラ201と固定カメラ202との間の内部パラメータや外部パラメータ、歪係数などである。
【0037】
送受信データ545は、ネットワークインタフェース530を介して送受信されるデータである。また、RAM540は、各種アプリケーションモジュールを実行するためのアプリケーション実行領域546を有する。
【0038】
ストレージ550には、データベースや各種のパラメータ、あるいは本実施形態の実現に必要な以下のデータまたはプログラムが記憶されている。ストレージ550は、カメラテーブル401を格納する。カメラテーブル401は、図4に示した、カメラID411と撮影画像415などとの関係を管理するテーブルである。
【0039】
ストレージ550は、さらに、計測モジュール551および検出モジュール552を格納する。計測モジュール551は、移動カメラ201および固定カメラ202で撮影し、取得した画像を用いて、撮影対象物210の立体形状を計測するモジュールである。また、計測モジュール551は、立体形状として、撮影対象物210に加工された穴の深さおよび撮影対象物210に加工された段差の大きさのうち少なくとも1つを計測するモジュールである。検出モジュール552は、固定カメラ202を用いて移動カメラ201の位置を検出するモジュールである。これらのモジュール551〜552は、CPU510によりRAM540のアプリケーション実行領域546に読み出され、実行される。制御プログラム553は、加工装置200の全体を制御するためのプログラムである。
【0040】
入出力インタフェース560は、入出力機器との入出力データをインタフェースする。入出力インタフェース560には、表示部561、操作部562、が接続される。また、入出力インタフェース560には、さらに、記憶媒体564が接続されてもよい。さらに、音声出力部であるスピーカ563や、音声入力部であるマイク(図示せず)、あるいは、GPS位置判定部が接続されてもよい。なお、図5に示したRAM540やストレージ550には、加工装置200が有する汎用の機能や他の実現可能な機能に関するプログラムやデータは図示されていない。
【0041】
図6は、本実施形態に係る加工装置の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、図5のCPU510がRAM540を使用して実行し、図3の加工装置200の機能構成部を実現する。
【0042】
ステップS601において、加工装置200は、装置の起動作業を実行する。ステップS603において、加工装置200は、キャリブレーションが必要か否かを判断する。キャリブレーションが必要でない場合(ステップS603のNO)、加工装置200は、ステップS609へ進む。キャリブレーションが必要な場合(ステップS603のYES)、加工装置200は、ステップS605へ進む。
【0043】
ステップS605において、加工装置200は、固定カメラ202を用いて移動カメラ201の位置を検出する。ステップS607において、加工装置200は、キャリブレーションを実行して、移動カメラ201と固定カメラ202との内部パラメータ、外部パラメータ、歪係数などのパラメータを求める。
【0044】
ステップS609において、加工装置200は、移動カメラ201および固定カメラ202で撮影し、取得した画像を取得する。ステップS611において、加工装置200は、移動カメラ201および固定カメラ202で取得した画像を用いて、撮影対象物210の立体形状を計測する。加工装置200は、例えば、立体形状として撮影対象物210に加工された穴の深さおよび撮影対象物210に加工された段差の大きさのうち少なくとも1つを計測する。ステップS613において、加工装置200は、計測を終了するか否かを判断する。計測を終了しないと判断した場合(ステップS613のNO)、加工装置200は、ステップS609へと戻る。計測を終了すると判断した場合(ステップS613のYES)、加工装置200は、処理を終了する。
【0045】
本実施形態によれば、映像に基づいた精度の高い計測をすることができる。また、固定カメラを用いて移動カメラの位置を検出するので、カメラのキャリブレーションを行うことができる。さらに、立体形状として撮影対象物に加工された穴の深さや撮影対象物に加工された段差の大きさを計測できる。
【0046】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係る加工装置について、図7乃至図9を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る加工装置の構成の一例の概要を示す図である。本実施形態に係る加工装置は、上記第2実施形態と比べると、工具マガジンおよびカメラ交換部を有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0047】
加工装置700は、工具マガジン701とカメラ交換部702とを有する。工具マガジン701は、複数の工具(工具類)とともに複数種類のカメラを収容する。工具マガジン701は、例えば、ATC(Automatic Tool Changer)マガジンであり、工具格納、工具選択、工具交換などの役割を有する。なお、工具マガジン701は、タレット式、マガジン収納式のいずれであってもよい。
【0048】
カメラ交換部702は、選択されたカメラを工具マガジン701から取り出し、加工装置700の内部の所定の位置に取り付ける。カメラ交換部702は、例えば、ロボットアームであり、工具マガジン701からカメラを取り出し、加工装置700の内部の所定の位置に取り付けることができる。なお、カメラ交換部702は、カメラの交換ができる装置などであれば、いずれの装置でもよい。
【0049】
図8は、本実施形態に係る加工装置の備えるカメラテーブルの一例を示す図である。カメラテーブル801は、カメラID411に関連付けて収容位置811を格納する。収容位置811は、工具マガジン701において、カメラが収容されている位置を示す。加工装置700は、カメラテーブル801を参照して、目的に応じたカメラを選択し、交換する。
【0050】
図9は、本実施形態に係る加工装置の処理手順を説明するフローチャートである。このフローチャートは、図5のCPU510がRAM540を使用して実行し、図7の加工装置700の機能構成部を実現する。ステップS901において、加工装置700は、カメラの交換が必要か否かを判断する。カメラの交換が必要ないと判断した場合(ステップS901のNO)、加工装置700は、ステップS603へ進む。カメラの交換が必要と判断した場合(ステップS901のYES)、加工装置700は、ステップS903へ進む。ステップS903において、加工装置700は、複数種類のカメラの中から用途に応じたカメラを選択し、交換する。
【0051】
本実施形態によれば、カメラを選択的に交換できるので、様々な用途に合わせた計測を行える。
【0052】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【要約】      (修正有)
【課題】映像に基づいた精度の高い計測のできる計測手段を備えた加工装置と加工装置の制御方法を提供する。
【解決手段】加工装置は少なくとも1つの移動カメラ101と加工装置の内部に固定されたカメラ102を含む少なくとも2つのカメラと、少なくとも2つのカメラで取得した画像を用いて、撮影対象物の立体形状を計測する計測部とを備えた。移動カメラは工具主軸に取り付けられる。計測手段は立体形状として、撮影対象物に加工された穴の深さおよび前記撮影対象物に加工された段差の大きさのうち少なくとも1つを計測する。
【選択図】図1
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9