特許第6595107号(P6595107)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595107
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】車両用入力装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 25/00 20060101AFI20191010BHJP
   B60K 20/00 20060101ALI20191010BHJP
   G05G 9/047 20060101ALI20191010BHJP
   H01H 25/04 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   G05G25/00 C
   B60K20/00 A
   G05G9/047
   H01H25/04 F
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-523312(P2018-523312)
(86)(22)【出願日】2017年2月28日
(86)【国際出願番号】JP2017007904
(87)【国際公開番号】WO2017217027
(87)【国際公開日】20171221
【審査請求日】2018年10月30日
(31)【優先権主張番号】特願2016-120876(P2016-120876)
(32)【優先日】2016年6月17日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120204
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 巌
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】浦山 慎也
(72)【発明者】
【氏名】宮原 直紀
(72)【発明者】
【氏名】飯牟礼 聖
(72)【発明者】
【氏名】脇田 祥嗣
(72)【発明者】
【氏名】荒田 毅
(72)【発明者】
【氏名】ゾッテルマン エリック
(72)【発明者】
【氏名】アンデルソン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】フェルバー ビョエム
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−53100(JP,A)
【文献】 特開平8−111142(JP,A)
【文献】 特開平2−040820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 25/00
B60K 20/00
G05G 9/047
H01H 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期位置から目的位置まで回動可能とされた操作レバーと、
前記初期位置から前記目的位置まで前記操作レバーが回動する往動作時にオフからオンに切り替わり、前記目的位置から前記初期位置まで前記操作レバーが回動する復動作時にオンからオフに切り替わる機械式とされた第1スイッチと、
前記往動作時に前記第1スイッチの後にオフからオンに切り替わり、前記復動作時に前記第1スイッチよりも先にオンからオフに切り替わる機械式とされた第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの出力信号に基づいて前記操作レバーの回動状態を判断する制御部と、
前記操作レバーの回動動作時に節度感を発生させる節度機構と、
を備え
前記節度機構によって節度感を発生させる際の前記操作レバーの操作力が、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを押圧してオンにするときの操作力よりも大きい車両用入力装置。
【請求項2】
前記第1スイッチを押圧してオンとする前記操作レバーの操作力が、前記第2スイッチを押圧してオンとする操作力よりも小さく、
および/または、
前記第1スイッチを押圧してオンとするストローク量が、前記第2スイッチを押圧してオンとするストローク量よりも小さい請求項1に記載の車両用入力装置。
【請求項3】
前記操作レバーの前記往動作時の回動量を増幅して前記第1スイッチに伝達する増幅機構を備えている請求項1又は2に記載の車両用入力装置。
【請求項4】
前記第1スイッチは、略同時に押圧されて変位する複数の可動端子と、これら可動端子にそれぞれ対応した複数の固定端子とから構成される複数の第1接点を備え、
前記第2スイッチは、略同時に押圧されて変位する複数の可動端子と、これら可動端子にそれぞれ対応した複数の固定端子とから構成される複数の第2接点を備えている請求項1から3のいずれかに記載の車両用入力装置。
【請求項5】
前記第2接点の数は、前記第1接点の数よりも多い請求項4に記載の車両用入力装置。
【請求項6】
前記第1接点は、2つとされ、
前記第2接点は、3つとされている請求項5に記載の車両用入力装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1接点の動作状態と、前記第2接点の動作状態と、前記操作レバーの回動状態とを用いて、いずれかの前記接点の故障を判断する請求項4から6のいずれかに記載の車両用入力装置。
【請求項8】
前記制御部は、故障と判断した前記接点を除外し、残りの前記接点を用いて、前記操作レバーの回動状態を判断する請求項7に記載の車両用入力装置。
【請求項9】
初期位置から目的位置まで回動可能とされた操作レバーと、
前記初期位置から前記目的位置まで前記操作レバーが回動する往動作時にオフからオンに切り替わり、前記目的位置から前記初期位置まで前記操作レバーが回動する復動作時にオンからオフに切り替わる機械式とされた第1スイッチと、
前記往動作時に前記第1スイッチの後にオフからオンに切り替わり、前記復動作時に前記第1スイッチよりも先にオンからオフに切り替わる機械式とされた第2スイッチと、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの出力信号に基づいて前記操作レバーの回動状態を判断する制御部と、
を備える車両用入力装置であって、
前記第1スイッチは、略同時に押圧されて変位する複数の可動端子と、これら可動端子にそれぞれ対応した複数の固定端子とから構成される複数の第1接点を備え、
前記第2スイッチは、略同時に押圧されて変位する複数の可動端子と、これら可動端子にそれぞれ対応した複数の固定端子とから構成される複数の第2接点を備え、
前記制御部は、前記第1接点の動作状態と、前記第2接点の動作状態と、前記操作レバーの回動状態とを用いて、いずれかの前記接点の故障を判断する車両用入力装置。
【請求項10】
前記制御部は、故障と判断した前記接点を除外し、残りの前記接点を用いて、前記操作レバーの回動状態を判断する請求項9に記載の車両用入力装置。
【請求項11】
前記第1スイッチを押圧してオンとする前記操作レバーの操作力が、前記第2スイッチを押圧してオンとする操作力よりも小さく、
および/または、
前記第1スイッチを押圧してオンとするストローク量が、前記第2スイッチを押圧してオンとするストローク量よりも小さい請求項9又は10に記載の車両用入力装置。
【請求項12】
前記操作レバーの前記往動作時の回動量を増幅して前記第1スイッチに伝達する増幅機構を備えている請求項9から11のいずれかに記載の車両用入力装置。
【請求項13】
前記第2接点の数は、前記第1接点の数よりも多い請求項9から12に記載の車両用入力装置。
【請求項14】
前記第1接点は、2つとされ、
前記第2接点は、3つとされている請求項13に記載の車両用入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両の走行モードを切り替えるシフトセレクタとして用いて好適な車両用入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の走行モードの切り替えにシフトセレクタが用いられる。特許文献1に示されたシフトセレクタは、操作レバーを回動させることによってシフト変更が行われるようになっている。操作レバーの回動位置は、磁石と磁気センサによって非接触状態にて検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−7937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示したような非接触式のシフトセレクタは、操作レバーの目的位置への到達だけでなく回動中の動作位置を逐次把握できるという利点がある。しかし、磁石と磁気センサを用いるため、部品コストが高くなるという問題がある。また、専用のIC(Integrated Circuit:集積回路)及び周辺回路も必要となることから、さらに費用が増大する。
【0005】
一方、安価にシフトセレクタを構成するために、上述の非接触式に代えて機械式スイッチを用いることが考えられる。しかし、機械式スイッチを用いると、スイッチのオン及びオフによって操作レバーによるシフト変更を決定することになるため、非接触式のように操作レバーの回動中の状態を把握することができないという問題がある。
また、機械式スイッチを駆動するための荷重や接触時の感触が発生するため、操作レバーの操作感が悪くなるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、機械式スイッチによって安価に構成できるとともに、操作レバーの回動中の状態を検出することができる車両用入力装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、機械式スイッチを用いても操作レバーの操作感を非接触式と同様の操作感に近づけることができる車両用入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の車両用入力装置は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる車両用入力装置は、初期位置から目的位置まで回動可能とされた操作レバーと、前記初期位置から前記目的位置まで前記操作レバーが回動する往動作時にオフからオンに切り替わり、前記目的位置から前記初期位置まで前記操作レバーが回動する復動作時にオンからオフに切り替わる機械式とされた第1スイッチと、前記往動作時に前記第1スイッチの後にオフからオンに切り替わり、前記復動作時に前記第1スイッチよりも先にオンからオフに切り替わる機械式とされた第2スイッチと、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの出力信号に基づいて前記操作レバーの回動状態を判断する制御部と、前記操作レバーの回動動作時に節度感を発生させる節度機構と、を備え、前記節度機構によって節度感を発生させる際の前記操作レバーの操作力が、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを押圧してオンにするときの操作力よりも大きいものである
【0008】
操作レバーが回動して、第1スイッチ及び第2スイッチがオンになると、操作レバーが目的位置に到達したことが判断される。
操作レバーが初期位置から目的位置まで回動する往動作時には、第1スイッチのオンの後に第2スイッチがオンとされる。これにより、往動作時には、第1スイッチのオンによって操作レバーが回動中であることが検知される。
操作レバーが目的位置から初期位置まで回動する復動作時には、第1スイッチよりも先に第2スイッチがオフとされる。これにより、復動作時には、第1スイッチのオフによって操作レバーが回動中であることが検知される。
したがって、機械式スイッチを用いる場合であっても、第1スイッチと第2スイッチを順にオンやオフとすることで、操作レバーの回動中の状態を検出することができる。また、機械式スイッチを用いることによって構成できるので、磁石と磁気センサを用いて非接触式で操作レバーの回動状態を判断する場合に比べて安価に構成することができる。
車両用入力装置としては、例えば、車両の走行モードを切り替えるシフトセレクタが挙げられる。
なお、回動動作の方向としては、一方向の往復動に限られるものでなく、十字方向のような二方向の往復動、あるいは三方向以上の往復動としても良い。
【0010】
操作レバーの回動動作時に節度感(クリック感)を節度機構によって与えることで、操作者に入力操作を認識させる。この節度感を発生させる際の操作力は、第1スイッチ及び第2スイッチを押圧してオンにするときの操作力よりも大きくされている。これにより、第1スイッチ及び第2スイッチを押圧してオンにするときの操作力は、節度感を発生させる操作力の大きさに隠れてしまい、操作者が第1スイッチ及び第2スイッチを押圧してオンにしたことを可及的に意識させないようにすることができる。したがって、機械式スイッチを用いたとしても、非接触式と同様の操作感に近づけることができる。
節度感を発生させる際の操作力は、例えば、第1スイッチ又は第2スイッチを押圧してオンにするときの操作力の5倍以上、より好ましくは10倍以上とされる。
節度機構は、例えば、操作レバーの動作に追従して動作する摺動部と、摺動部が摺動しつつ走行する摺動面を有するカム部材と、摺動部を摺動面に押圧する弾性部材とを備えている。
【0011】
さらに、車両用入力装置は、前記第1スイッチを押圧してオンとする前記操作レバーの操作力が、前記第2スイッチを押圧してオンとする操作力よりも小さく、および/または、前記第1スイッチを押圧してオンとするストローク量が、第2スイッチを押圧してオンとするストローク量よりも小さい。
【0012】
第1スイッチを押圧してオンとする操作レバーの操作力を、第2スイッチを押圧してオンとする操作力よりも小さくすることにより、往動作を行う際に、確実に第1スイッチを先にオンとすることができる。
第1スイッチを押圧してオンとするストローク量を、第2スイッチを押圧してオンとするストローク量よりも小さくすることにより、往動作を行う際に、確実に第1スイッチを先にオンとすることができる。
【0013】
さらに、車両用入力装置は、前記操作レバーの前記往動作時の回動量を増幅して前記第1スイッチに伝達する増幅機構を備えている。
【0014】
操作レバーの往動作時の回動量を増幅して第1スイッチに伝達することとしたので、初期位置から回動し始めた際に、微少の回動量であっても可及的速やかに第1スイッチをオンとすることができる。これにより、操作レバーの回動中の状態を迅速に検出することができる。
【0015】
さらに、車両用入力装置は、前記第1スイッチは、略同時に押圧されて変位する複数の可動端子と、これら可動端子にそれぞれ対応した複数の固定端子とから構成される複数の第1接点を備え、前記第2スイッチは、略同時に押圧されて変位する複数の可動端子と、これら可動端子にそれぞれ対応した複数の固定端子とから構成される複数の第2接点を備えている。
【0016】
第1スイッチ及び第2スイッチを、それぞれ、略同時に押圧される複数の可動端子と複数の固定端子とで構成し、複数の接点を用いるようにした。これにより、複数の接点のオン及びオフの切換状態を判断することによって、接点の故障検出が可能となる。また、いずれかの接点が故障した場合であっても、他の接点の状態を制御部が総合的に評価することによって、操作レバーの回動状態を判断し、使用を継続することができる。
可動端子としては、例えば、安価なラバードーム(rubber dome)と組み合わせた構成を用いることができる。
【0017】
さらに、前記第2接点の数は、前記第1接点の数よりも多い。
【0018】
第2スイッチは、操作レバーの目的位置への到達を最終的に判断する際に用いられるので、回動中の状態を検出する第1スイッチに比べて重要度が高い。したがって、第2スイッチの接点の数を、第1スイッチの接点の数よりも多くした。これにより、第2スイッチのいずれかの接点が故障しても、操作レバーの目的位置への到達を制御部が判断することが可能となり、使用を継続することができる。
【0019】
さらに、前記第1接点は、2つとされ、前記第2接点は、3つとされている。
【0020】
第1接点を2つとすることにより、いずれかの端子が故障した場合であっても、回動中であるか否かの判断は可能である。
第2接点を3つとすることにより、仮に1つの接点が故障した場合であっても残りの2つの接点によって、操作レバーによる入力のオン及びオフを判断することができる。また、操作レバーの目的位置への到達を、3つの第2接点の多数決で決定することで、確実で迅速な判断を実現することができる。
以上により、用いる接点の数を必要最小限とすることができ、安価に構成することができる。
【0021】
さらに、前記制御部は、前記第1接点の動作状態と、前記第2接点の動作状態と、前記操作レバーの回動状態とを用いて、いずれかの前記接点の故障を判断する。
【0022】
複数の接点を用いているので、操作レバーの回動状態と比較することで接点の故障を判断することができる。
【0023】
さらに、前記制御部は、故障と判断した前記接点を除外し、残りの前記接点を用いて、前記操作レバーの回動状態を判断する。
【0024】
複数の接点を用いているので、いずれかの接点が故障しても、残りの接点を用いて操作レバーの回動状態を判断することができる。
あるいは本発明の車両用入力装置は、初期位置から目的位置まで回動可能とされた操作レバーと、前記初期位置から前記目的位置まで前記操作レバーが回動する往動作時にオフからオンに切り替わり、前記目的位置から前記初期位置まで前記操作レバーが回動する復動作時にオンからオフに切り替わる機械式とされた第1スイッチと、前記往動作時に前記第1スイッチの後にオフからオンに切り替わり、前記復動作時に前記第1スイッチよりも先にオンからオフに切り替わる機械式とされた第2スイッチと、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの出力信号に基づいて前記操作レバーの回動状態を判断する制御部と、を備える車両用入力装置であって、前記第1スイッチは、略同時に押圧されて変位する複数の可動端子と、これら可動端子にそれぞれ対応した複数の固定端子とから構成される複数の第1接点を備え、前記第2スイッチは、略同時に押圧されて変位する複数の可動端子と、これら可動端子にそれぞれ対応した複数の固定端子とから構成される複数の第2接点を備え、前記制御部は、前記第1接点の動作状態と、前記第2接点の動作状態と、前記操作レバーの回動状態とを用いて、いずれかの前記接点の故障を判断するものである。
【発明の効果】
【0025】
機械式スイッチを用いる場合であっても、第1スイッチと第2スイッチを順にオンやオフとすることで、操作レバーの回動中の状態を検出することができる。また、機械式スイッチを用いることによって構成できるので、磁石と磁気センサを用いて非接触式で操作レバーの回動状態を判断する場合に比べて安価に構成することができる。
節度感を発生させる際の操作力を、第1スイッチ及び第2スイッチを押圧してオンにするときの操作力よりも大きくすることとしたので、操作者が第1スイッチ及び第2スイッチを押圧してオンにしたことを可及的に意識させないようにすることができる。したがって、機械式スイッチを用いたとしても、非接触式と同様の操作感に近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係るシフトセレクタを示した斜視図である。
図2図1のシフトセレクタからケースを取り外した状態を示した斜視図である。
図3図1のシフトセレクタのスイッチ周りを示した斜視図である。
図4】操作レバーとスイッチとの位置関係を示した模式図である。
図5図4の状態から操作レバーを回動角度θ1だけ傾斜させた状態を示した模式図である。
図6図5の状態からさらに操作レバーを回動角度θ2まで傾斜させた状態を示した模式図である。
図7図6の状態から操作レバーを回動角度θ1まで戻した状態を示した側面図である。
図8図7の状態から操作レバーを初期位置まで復帰させた状態を示した模式図である。
図9】節度用カムを示した斜視図である。
図10】節度用カムと摺動軸とを示した斜視図である。
図11】操作レバーの回動角度と操作力との関係を示したグラフである。
図12】スイッチの配置を模式的に示した平面図である。
図13】スイッチの電気的接続を示した図である。
図14】操作レバーの往復動時の各スイッチの動作状態を示した模式図である。
図15】1つの接点がオン故障している場合の故障検出の一例を示した模式図である。
図16】1つの接点がオフ故障している場合の故障検出の一例を示した模式図である。
図17】接点が押される順番を利用した故障検出の一例を示した模式図である。
図18】接点の配置を利用した故障検出の一例を示した模式図である。
図19】接点の冗長性を利用した故障検出の一例を示した模式図である。
図20】接点履歴を利用した故障検出の一例を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の車両用入力装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、シフトセレクタ(車両用入力装置)1が示されている。シフトセレクタ1は、自動車(車両)の走行モードを切り替える際に使用する入力装置である。走行モードとしては、ドライブ(D)、バック(R)、シフトアップ(M+)、シフトダウン(M−)等がある。
【0028】
シフトセレクタ1は、運転者(操作者)が操作するシフトノブ3と、シフトノブ3の下方に固定された操作レバー5(図2参照)と、内部機器を収納するケース7とを備えている。シフトノブ3を平面視して縦方向及び横方向に回動させることで、シフト変更が行われる。
【0029】
図2には、図1のケース7とシフトノブ3を取り外した状態が示されている。操作レバー5は、同図において上下方向に軸線を有する軸部材とされている。操作レバー5は、ホルダー9によってy軸回りに回動可能に保持されている。ホルダー9は、操作レバー5を取り囲むように形成された枠状体とされており、ケース7(図1参照)側に対してx軸回りに回動可能となっている。したがって、操作レバー5は、ホルダー9と協働することによって、x軸回り及びy軸回りとされた十字方向に回動することができるようになっている。
【0030】
操作レバー5は、鉛直方向(z方向)に延在する状態がニュートラル(初期位置)とされ、この位置からx方向及びy方向の目的位置まで回動されるようになっている。
操作レバー5には、操作レバー5の側面から側方に突出するように、駆動用レバー11が固定されている。駆動用レバー11は、操作レバー5のx方向の両側およびy方向の両側のそれぞれに4つ設けられており、水平に延在する板状体とされている。
【0031】
駆動用レバー11は、図3に示されているように、下面側でアクチュエータ用カム13を押圧する。アクチュエータ用カム13は、駆動用レバー11の突出方向に対して直交する方向に回動軸を有し、回動軸を挟んだ一端で第1スイッチ用アクチュエータ15を上下動させ、他端で第2スイッチ用アクチュエータ17を上下動させる。
【0032】
後述する図4に示されているように、第1スイッチ用アクチュエータ15の下方には、第1スイッチ19が設けられている。第1スイッチ19は、第1ラバードーム20を2つ備えている。それぞれの第1ラバードーム20の内側には可動端子41aが設けられ、各可動端子41a下方には、対応する固定端子41bが設けられている。ラバードーム20を下方に押圧して変形することによって、可動端子41aと固定端子41bとが接触するようになっている。
【0033】
第2スイッチ用アクチュエータ17の下方には、第2スイッチ21が設けられている。第2スイッチ21は、第2ラバードーム22を3つ備えている。それぞれの第2ラバードーム22の内側には可動端子42aが設けられ、各可動端子42aの下方には、対応する固定端子42bが設けられている。第2ラバードーム22を下方に押圧して変形することによって、可動端子42aと固定端子42bとが接触するようになっている。
【0034】
第1スイッチ19及び第2スイッチ21は、後述する制御部50(図13参照)に電気的に接続されている。したがって、ラバードーム20,22と対応する固定端子とのオン及びオフの情報が制御部に送信されるようになっている。
制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。なお、図13に示す本実施形態では、上記CPUにメモリ等の機能を備えさせたMCU(Micro Controller Unit)を制御部50として用いている。
【0035】
図4には、操作レバー5と、第1ラバードーム20及び第2ラバードーム22との位置関係が模式的に示されている。なお、同図では、操作レバー5の一側の駆動用レバー11側(図において右側)のみにラバードーム20,22が設置されているが、他側の駆動用レバー11側(図において左側)は図示が省略しているだけであって、実際にはラバードーム20,22が存在する。同様に、同図の紙面手前側と奥側にもラバードーム20,22が存在する。
【0036】
図4に示されているように、操作レバー5は、回動中心5a回りに回動する。操作レバー5に固定された駆動用レバー11の下方には、アクチュエータ用カム13が設けられている。アクチュエータ用カム13の一端側(同図において右側)の下方に第1スイッチ用アクチュエータ15が配置され、アクチュエータ用カム13の他端側の下方に第2スイッチ用アクチュエータ17が配置されている。
【0037】
アクチュエータ用カム13の上面には、横断面が略半円形状とされたかまぼこ形の突起13aが設けられている。この突起13aと駆動用レバー11との第1接触点P1が、ラバードーム20,22を押圧する際の力点となる。
【0038】
ラバードーム20,22は、ラバーマット23上に設けられている。ラバーマット23の下方には基板25が設置されている。基板25上に、上述したラバードーム20,22に対応した固定端子41b,42bが設けられている。
【0039】
第1ラバードーム20は、変形前の状態において、第2ラバードーム22よりも高さが小さくされている。これにより、第1ラバードーム20のストローク量が、第2ラバードーム22のストローク量よりも小さくなっている。このため、第1ラバードーム20の方が変形して先にスイッチがオンとなりやすくなっている。あるいは、第1ラバードーム20の剛性を第2ラバードーム22よりも小さくして、より小さな押圧力で第1ラバードーム20を変形しやすいように構成しても良い。
【0040】
図4の状態は、操作レバー5の軸線が鉛直方向に延在した初期位置(ニュートラル)となっている。この状態では、ラバードーム20,22は下方へ押圧されておらず、第1スイッチ19及び第2スイッチ21はオフとなっている。
【0041】
図5には、図4の状態から操作レバー5を回動中心5a回りに先ず角度θ1だけ回動させた状態が示されている。この状態が、操作レバー5の回動中の状態となる。この状態では、力点となる第1接触点P1を介して駆動用レバー11からアクチュエータ用カム13に押圧力が伝達される。そして、アクチュエータ用カム13と第2スイッチ用アクチュエータ17との第2接触点P2が支点となり、アクチュエータ用カム13と第1スイッチ用アクチュエータ15との第3接触点P3が作用点となる。これにより、第1ラバードーム20が下方へと押し付けられて変形し潰れ、可動端子41aが下方の固定端子41bと接触することにより第1スイッチ19がオンとされる。このとき、第2ラバードーム22は、変形せずに初期状態の形状を保っており、第2スイッチ21はオフとされる。
このようにして、先に第1ラバードーム20の方を第2ラバードーム22よりも先に変形させてオンするようにしている。これは、上述のように第1ラバードーム20のストローク量と剛性とを第2ラバードーム22よりもそれぞれ小さくしたことに起因する。さらには、第1接触点P1を力点として、第2接触点P2を支点とした増幅機構を採用することで、てこの原理を用いて第3接触点P3における変位量を増幅したことも寄与している。
【0042】
図5の状態からさらに操作レバー5を回動中心5a回りにさらに回動させると、次は第3接触点P3が支点となる。なぜなら、第1ラバードーム20が押し込まれて変形した後の状態となり可動端子41aと固定端子41bとが接触しているので、剛性が大きくなるためである。そうすると、第1接触点P1が力点となり、第2接触点P2が作用点となる。これにより、第2接触点P2を介して伝達される押圧力により、第2ラバードーム22が下方へと押し付けられて変形して潰れ、可動端子42aが下方の固定端子42bと接触することにより第2スイッチ21がオンとされる。このとき、第1ラバードーム20は、変形後の形状を保っており、第1スイッチ19はオンとされたままである。
この状態が図6に示されている。同図において、操作レバー5の回動中心5a回りの回動角度はθ2(>θ1)となる。
図6の状態において、第1スイッチ19及び第2スイッチ21がオンとなり、シフト変更の判断が図示しない制御部50によって行われる。
【0043】
図7は、図6の状態から操作レバー5を初期位置の方向に回動(復動作)させて、回動角度θ1とした状態が示されている。同図に示されているように、第2ラバードーム22が形状復帰して第2スイッチ21がオフとされ、第1ラバードーム20は押し下げられて変形された状態のままで、第1スイッチ19はオンとされている。この状態は、図5に示した操作レバー5の回動中の状態と同じである。
【0044】
図7の状態からさらに操作レバー5を初期位置の方向に回動(復動作)させると、図8に示すような初期位置に復帰する。図8に示されているように、第1ラバードーム20も形状復帰して第1スイッチ19がオフとされる。この状態は図4の状態と同じである。
【0045】
[節度機構]
次に、操作レバー5を回動した際に節度感(クリック感)を与える節度機構60について説明する。
節度機構60は、図3に示すように、節度用カム(カム部材)30を備えている。節度用カム30は、操作レバー5の下方に設けられている。節度用カム30の内部における底面には、図9に示すように、平面視して十字形状のカム溝31が形成されている。この十字形状のカム溝31は、操作レバー5がx方向及びy方向に回動する際の回動方向をガイドする形状となっている。十字形状が交差するカム溝31の中央部分は、他の部分よりも深い深溝部31aをなっている。この深溝部31aを乗り越える際に、節度感が生じるようになっている。
【0046】
図10には、カム溝31に対して摺動する摺動軸33が設置された状態が示されている。摺動軸33は、操作レバー5の下端に同軸上に延長して軸方向に移動可能な状態で保持されており、下端がカム溝31に接するように配置されている。また、図示しないが、摺動軸33と同軸に設けられたコイルばね(弾性部材)が摺動軸33の外側を覆うように取り付けられており、このコイルばねによって摺動軸33がカム溝31に対して付勢されるようになっている。これにより、カム溝31の深溝部31aを乗り越える際に節度感が生じる。
【0047】
図11には、操作レバー5を回動した際の回動角度に応じた操作力(N)が示されている。この操作力(N)は節度機構60によって節度感を発生させる際の操作力と、第1ラバードーム20及び第2ラバードーム22を押圧してオンとする操作力との合力となっている。同図に示されているように、操作レバー5をz方向に一致した初期位置から傾けると、摺動軸33がカム溝31の深溝部31aを乗り越えて節度感を与える角度B(約1度)までは、操作力が約20Nまで上昇する。節度感を与える角度Bまでの間の角度A(回動角度θ1=約0.6度に相当)において、図5に示したように第1ラバードーム20が変形して潰れる。本実施形態では、この角度Aを通過する際における節度機構60によって節度感を発生させる際の操作力を、第1ラバードーム20を押圧してオンとする操作力の10倍以上に設定していることから、合力の操作力はラバードーム20が無い場合に比べて微増しているものの、操作者は第1ラバードーム20が変形して潰れたという感触を得ることがない。
【0048】
角度Bにて節度感を与えられた後にさらに回動角度を増大させると、摺動軸33が深溝部31aを乗り越えた後なので、操作力は回動角約4度の位置で約8Nまで減少し、角度Cに達する。角度Cは、図6に示したように第2ラバードーム22が変形して潰れる回動角度(回動角度θ2=約5.5度に相当)である。本実施形態では、この角度Cを通過する際における節度機構60によって節度感を発生させる際の操作力を、第2ラバードーム22を押圧してオンとする操作力の10倍以上に設定していることから、合力の操作力がラバードーム22が無い場合に比べて微増しているものの、操作者は第2ラバードーム22が変形して潰れたという感触を得ることがない。
そしてさらに操作レバー5の可動角度を増大させると、角度D(約7度)に到達し、操作力が急上昇して回動が停止する。
【0049】
このように、節度感を与える際の操作力を、第1ラバードーム20及び第2ラバードーム22が変形して潰れる際の操作力よりも相対的に大きく設定しておけば、操作レバー5の回動中に操作者がラバードーム20,22を変形して潰した際の感触を得ることがない。節度感を発生させる際の操作力は、例えば、ラバードーム20,22が変形して潰れる際の操作力の5倍以上、より好ましくは10倍以上とされる。この操作力は、節度用カム30の深溝部31aの深さやカム溝31のカム面の形状、摺動軸33をカム溝31に対して付勢するコイルばねのバネ定数や、ラバードーム20,22の剛性等によって調整することができる。なお、これらを組み合わせることで、本実施形態では、節度機構60によって節度感を発生させる際の操作力をラバードーム20,22が変形して潰れる際の操作力の10倍以上に設定したが、それ以下の倍率でも操作者の操作感を損なわないように設定することが可能である。
【0050】
[電気的接続]
次に、図12及び図13を用いて、第1スイッチ19及び第2スイッチ21の電気的接続について説明する。
図12に示されているように、操作レバー5は十字状とされた4方向に回動可能となっている。具体的には、同図において上方向がR(後進)、下方向がD(前進)、右方向がM+(シフトアップ)、左方向がM−(シフトダウン)となっている。
【0051】
操作レバー5からみた4方向のそれぞれに、第1スイッチ19を構成する第1接点41と、第2スイッチ21を構成する第2接点42とが配置されている。第1接点41は可動端子41aとこれに対応する固定端子41bとで構成され、第2接点42は可動端子42aとこれに対応する固定端子42bとで構成される(図4参照)。
操作レバー5からみた4方向のそれぞれにおいて、第1接点41は2つ、第2接点42は3つ設けられている。操作レバー5からみて遠い側に第1接点41が設けられ、操作レバー5からみて近い側に第2接点42が設けられている。
【0052】
操作レバー5からみた4方向のそれぞれにおいて、1つの第1接点41と1つの第2接点42(楕円の破線で囲った部分)がアナログポートに接続されており、残りの1つの第1接点41と残りの2つの第2接点42(三角の破線で囲った部分)がデジタルポートに接続されている。これにより、アナログポート及びデジタルポートのいずれか一方が仮に故障してもシフト検知が可能となり、また故障検知が可能となっている。
【0053】
図13には、制御部50としてのMCU(Micro Controller Unit)に対するスイッチ19,21の接続例が示されている。同図における上方から、第1ラダー44、第2ラダー45、第3ラダー46及び第4ラダー47が設けられている。第1ラダー44、第2ラダー45、第3ラダー46及び第4ラダー47は、すべてがアナログポートに接続されている。これにより、抵抗RやキャパシタCの定数を適宜設定することによって、R(後進)とD(前進)の区別や、M+(シフトアップ)とM−(シフトダウン)の区別ができるようになっている。このように、アナログポートに接続する回路をラダー回路とすることにより、MCUのポート使用量を低減することができる。
【0054】
第1ラダー44と第2ラダー45にはR(後進)とD(前進)とが組み合わされており、第3ラダー46と第4ラダー47にはM+(シフトアップ)とM−(シフトダウン)が組み合わされている。R(後進)とD(前進)とを組合せ、M+(シフトアップ)とM−(シフトダウン)とを組合せたのは、一方が他方に対して反対方向に操作レバー5を回動させる関係となっており、現実には同時にオンとなることはないからである。これにより、1つのラダーに異なるシフトチェンジを接続しても問題はなく、また現実に同時にオンとなることはないので仮に同時にオンとなれば故障であることを検出することができる。
【0055】
[シフト変更判定]
次に、操作レバー5を操作した際に制御部がどのようにシフト変更を判定するのかについて説明する。
図14には、操作レバー5の回動方向に対して、ニュートラル(Neutral:初期位置)、回動中(Move)及びシフト(Shift:目的位置)の判定の具体例が示されている。
第1スイッチ19及び第2スイッチ21の各接点41,42が丸印で示されており、数字の1及び2が第1スイッチ19の各接点41に対応し、数字の3,4及び5が第2スイッチ21の各接点42に対応する。このように第1スイッチ19が2つの接点41で構成され、第2スイッチが3つの接点42で構成される。そして、白丸がスイッチオフを示し、黒丸がスイッチオンを示す。
【0056】
同図に示されているように、操作レバー5がニュートラルからシフトへと往方向に回動されるときは、1〜5の接点が全てオフとなったときにニュートラルと判断する。
1又は2の接点がオン、そして1及び2の接点がオンとなったときは回動中と判断する。また、1及び2の接点がオンとなった上で3〜5の接点のいずれか1つがオンとなったときも回動中と判断する。
【0057】
1及び2の接点がオンとなった上で3〜5の接点のいずれか2つがオンとなったとき、及び、1〜5の全ての接点がオンとなったときにシフトと判断する。このように、1及び2の接点がオンとなった上で3〜5の接点の2つ以上がオンとなればシフトと判断する。すなわち、第2スイッチ21の3つの接点42の多数決でシフトを判断する。
【0058】
逆に、操作レバー5がシフトからニュートラルへと復方向に回動されるときは、シフトの判断は上述と同じであるが、1又は2の接点がオンとなったときに回動中ではなくニュートラルと判断する。これは、仮に第1スイッチ19のいずれかの接点41が故障してオフとならない場合であっても制御部50側でニュートラルと判断することで、運転操作に影響を及ぼさないためである。
【0059】
[接点の故障検出]
次に、図15図20を用いて制御部50による接点の故障検出について説明する。
図15は、第2スイッチ21の1つの接点がオン故障(例えばラバードームがオンの位置で固着してオンになったままオフにならない)した場合が示されている。同図における接点41,42の状態の表記は図14と同様となっており、さらに、丸印の外形が破線で示されている接点が故障を意味し、黒丸で外形が破線の場合はオン故障(オンになったままオフにならない)、白丸で外形が破線の場合はオフ故障(オフとなったままでオンにならない)を意味する。
【0060】
図15に示されているように、図中の上段左端のように1〜5の接点が全てオフとされたニュートラルから出発して、上段右端のように1〜5の接点が全てオンとされたシフトとされる往動作時は、図14を用いて説明したロジックに従って判断する。そして、復動作時に、下段左端のように5の接点がオン故障した場合、下段左端から下段左から2番目の状態に変化しても、5の接点がオンとなったままなのでシフトと判断する。そして、下段左から3番目の状態に変化すると5の接点が故障してオンとなったままでも第2スイッチ21の3つの接点のうち2つがオフとなったので回動中と判断する。このように、1つの接点が故障していても、3つの接点の多数決で判断するので、シフトから回動中への変化を判断することができる。したがって、第2スイッチ21の接点が3つあれば多数決による判断によって接点故障に対応することができる。
その後、下段左から4番目の状態に変化しても、第1スイッチ19の1の接点がオフとなったので、ニュートラルと判断する。このときに、制御部50は5の接点がオン故障していることを検出することができる。
【0061】
図16は、第1スイッチ19の1つの接点がオフ故障(例えばラバードーム内に異物が混入してオフになったままオンにならない)場合が示されている。同図における接点41,42の状態の表記は図15と同様となっている。
同図に示されているように、図中の上段左端のように1〜5の接点が全てオフとされたニュートラルから出発して操作レバー5をシフトへ向けて往方向に回動させていくと、上段左から2番目の状態になっても2の接点がオフ故障していると、未だニュートラルの状態と判断される。そして、上段左から3番目の状態に変化すると、1の接点がオンとなるので回動中と判断する。上段左から4番目の状態に変化すると、第2スイッチ21の4の接点がオンとなる一方で2の接点がオフとなったままなので、制御部50は2の接点がオフ故障であると判断する。その後の動作では、2の接点がオフ故障であると制御部50は判断しているので、2の接点を判断対象から除外して操作レバー5の状態を判断する。同図から分かるように、2の接点を判断対象から除外しても、1の接点がオンとなっていれば3〜5の接点との組合せでシフトなのか回動中なのかを判断することができる。このように、第1スイッチ19の接点は2つであっても接点故障に対応することができる。
【0062】
図17には、接点が押される順番を利用した故障検出が示されている。同図における接点41,42の状態の表記は図15と同様となっている。
同図に示すようないずれかの状態は、正常であれば第1スイッチ19の接点41が第2スイッチ21の接点42よりも先にオンとなるにも関わらず、第2スイッチ21の接点42が先にオンとなった場合に制御部50は第1接点41のオフ故障もしくは第2接点42のオン故障と判断する。
【0063】
図18には、接点の配置を利用した故障検出が示されている。同図における接点41,42の状態の表記は図15と同様となっている。
同図に示すように、操作レバー5がR(後進)とM−(シフトダウン)の両方向に同時に回動することはないので、制御部50は故障と判断する。同図の場合では、M−方向の1及び/又は2の接点のオン故障か、R方向の1の接点のオン故障かが発生していると判断できる。
【0064】
図19には、接点の冗長性を利用した故障検出が示されている。同図における接点41,42の状態の表記は図15と同様となっている。
同図に示されているようないずれかの状態が所定時間以上維持された場合には、故障と判断する。例えば、図19(a)、(b)及び(c)の状態は、第2スイッチ21の接点42の2つがオンとなっているので、シフトと判断されるが、所定時間以上経過しても3〜5のいずれかの接点がオフとなったままなので、制御部50はオフ故障と判断する。また、図19(d)の状態は、2の接点がオンとなったままで所定時間以上経過すると、現実には回動中の動作時間は短いのでニュートラルと判断でき、この場合には制御部50は2の接点がオン故障と判断する。上記の所定時間は適宜設定でき、制御部50が定数として備えている。
【0065】
図20には、接点履歴を利用した故障検出が示されている。同図における接点41,42の状態の表記は図15と同様となっている。
同図に示されているように、シフトからニュートラル(復動作)、ニュートラルからシフト(往動作)を繰り返しても2及び3の接点がオンにならない場合には、制御部50は2及び3の接点がオフ故障であると判断する。このように、第1スイッチ19及び第2スイッチ21の接点数を複数とすれば故障していない接点でシフト及びニュートラルを判断できるので、接点履歴による故障を判断することができる。
【0066】
上述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
機械式スイッチを用いる場合であっても、第1スイッチ19と第2スイッチ21を順にオンやオフとすることで、操作レバー5の回動中の状態を検出することができる。また、機械式スイッチを用いることによって構成できるので、磁石と磁気センサを用いて非接触式で操作レバーの回動状態を判断する場合に比べて安価に構成することができる。
【0067】
操作レバー5の回動動作時に節度感を節度機構によって与えることで、操作者に入力操作を認識させることとし、この節度感を発生させる際の操作力を、第1スイッチ19及び第2スイッチ21を押圧してオンにするときの操作力よりも大きくすることとした。これにより、第1スイッチ19及び第2スイッチ21を押圧してオンにするときの操作力は、節度感を発生させる操作力の大きさに隠れてしまい、操作者が第1スイッチ19及び第2スイッチ21を押圧してオンにしたことを可及的に意識させないようにすることができる(図11参照)。したがって、機械式スイッチを用いたとしても、非接触式と同様の操作感に近づけることができる。
【0068】
第1スイッチ19を押圧してオンとするストローク量を、第2スイッチ21を押圧してオンとするストローク量よりも小さくすることとしたので、ニュートラルからシフトへ向かう往動作を行う際に、確実に第1スイッチ19を先にオンとすることができる。
【0069】
操作レバー5の往動作時の回動量を、アクチュエータ用カム13(図4参照)を用いて増幅し、第1スイッチ19に伝達することとしたので、ニュートラルから回動し始めた際に、微少の回動量であっても可及的速やかに第1スイッチ19をオンとすることができる。これにより、操作レバー5の回動中の状態を迅速に検出することができる。
【0070】
第1スイッチ19及び第2スイッチ21を、それぞれ、略同時に押圧される複数の可動端子41a,42aと複数の固定端子41b,42bとで構成された複数の接点41,42を用いるようにした。これにより、複数の接点41,42のオン及びオフの切換状態を制御部50で判断することによって、接点41,42の故障検出が可能となる。また、いずれかの接点41,42が故障した場合であっても、他の接点41,42の状態を総合的に評価することによって、操作レバー5の回動状態を判断し、使用を継続することができる。
【0071】
第2スイッチ21は、操作レバー5の目的位置(シフト)への到達を最終的に判断する際に用いられるので、回動中の状態を検出する第1スイッチ19に比べて重要度が高い。したがって、第2スイッチ21の接点42の数を、第1スイッチ19の接点41よりも多くした。これにより、第2スイッチ21のいずれかの接点42が故障しても、操作レバー5の目的位置への到達を制御部50が判断することが可能となり、使用を継続することができる。
【0072】
第1スイッチ19の接点41をそれぞれ2つとすることにより、いずれかの接点41が故障した場合であっても、回動中であるか否かの判断が可能である。
第2スイッチ21の接点42をそれぞれ3つとすることにより、仮に1つの接点42が故障した場合であっても残りの2つの端子によって、操作レバー5によるシフトを判断することができる。また、操作レバー5の目的位置(シフト)への到達を、3つの接点42の多数決で決定することで、確実で迅速な判断を実現することができる。
以上により、用いる接点41,42の数を必要最小限とすることができ、安価に構成することができる。
【0073】
複数の接点41,42を用いることとしたので、制御部50は、操作レバー5の回動状態と比較することで接点41,42の故障を判断することができる。
【0074】
複数の接点41,42を用いているので、制御部50は、いずれかの接点41,42が故障しても、残りの接点41,42を用いて操作レバー5の回動状態を判断することができる。
【0075】
なお、上述した実施形態では、操作レバー5の回動動作の方向として十字状の二方向を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、I字状のような一方向の往復動、あるいは三方向以上の往復動としても良い。
また、初期位置をニュートラルとし、十字方向にドライブ(D)、バック(R)、シフトアップ(M+)、シフトダウン(M−)を割り当てた例を説明したが、例えばシフトアップ(M+)もしくはシフトダウン(M−)の代わりにパーキング(P)などの別の機能を割り当てるなど、シフトパターンは自由に設定しても良い。
また、操作レバー5からみて近い側に第2スイッチ21を配置し、遠い側に第1スイッチ19を配置した構成を例として説明した(図4参照)が、本発明はこれに限定されるものではなく、先に第1スイッチ19がオンとされる構成であればよく、したがって、操作レバー5からみて近い側に第1スイッチ19を配置し、遠い側に第2スイッチ21を配置した構成であっても良い。
さらに、装置の設置状態は、操作レバー5が初期状態で鉛直である例で説明したが、例えば斜めに傾いた状態で設置しても良い。
【符号の説明】
【0076】
1 シフトセレクタ(車両用入力装置)
3 シフトノブ
5 操作レバー
7 ケース
9 ホルダー
11 駆動用レバー
13 アクチュエータ用カム
13a 突起
15 第1スイッチ用アクチュエータ
17 第2スイッチ用アクチュエータ
19 第1スイッチ
20 第1ラバードーム(可動端子)
21 第2スイッチ
22 第2ラバードーム(可動端子)
23 ラバーマット
25 基板
30 節度用カム
31 カム溝
31a 深溝部
41 第1接点
41a 可動端子
41b 固定端子
42 第2接点
42a 可動端子
42b 固定端子
44 第1ラダー
45 第2ラダー
46 第3ラダー
47 第4ラダー
50 制御部
60 節度機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20