(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記状態機械実行モジュールは前記クラウド制御プラットホーム中に設置され、かつ、前記インテリジェント制御システムは、ネットワークシステムを介して前記クラウド制御プラットホームの前記有限状態機械をリファレンスランする、請求項1に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
前記状態機械実行モジュールは前記インテリジェント制御システム中に設置され、かつ、前記インテリジェント制御システムは、ネットワークシステムを介して前記クラウド制御プラットホームから前記状態機械定義テキストファイルを取得する、請求項1に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
前記状態機械定義テキストファイルは、拡張可能マークアップ言語(Extensible Markup Language,XML)フォーマットである、請求項1に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
前記状態機械定義テキストファイルは、JavaScript(登録商標)オブジェクト表記法(JavaScript(登録商標) Object Notation,JSON)フォーマットである、請求項1に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
外部の参考データを受信するとともに、前記参考データに基づき前記状態機械定義テキストファイルを自動的に生成するかまたは更新する状態機械定義生成モジュールを更に含む、請求項1に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
前記クラウド制御プラットホームに接続され、前記参考データを記憶するとともに、前記クラウド制御プラットホームに提供するクラウドデータベースを更に含む、請求項9に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
前記クラウドデータベースは前記インテリジェント制御システムに接続され、前記空調設備が所在する環境のセンサがフィードバックした検知データを受信するとともに、前記検知データを前記参考データとする、請求項10に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
前記クラウドデータベースは気象データ収集プラットホームに接続され、気象データを受信するとともに、前記気象データを前記参考データとする、請求項10に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
前記クラウド制御プラットホームは、前記状態機械定義生成モジュールを訓練するための訓練アルゴリズムを更に含む、請求項9に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
前記訓練アルゴリズムは、機械学習アルゴリズム(Machine learning algorithm)またはルール学習アルゴリズム(Rule−based algorithm)である、請求項14に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
前記インテリジェント制御システム及び前記空調設備はローカルエンドに設置されるとともに、ネットワークシステムを介して前記クラウド制御プラットホームに接続される、請求項1に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
前記状態機械実行モジュールは、前記クラウド制御プラットホームに設置される第1状態機械実行モジュール及び前記インテリジェント制御システムに設置される第2状態機械実行モジュールを含み、前記クラウド制御プラットホームは、前記状態機械定義テキストファイルの前記記述内容に基づき、前記第1状態機械実行モジュールまたは前記第2状態機械実行モジュールにより前記状態機械定義テキストファイルを処理して、前記状態機械定義テキストファイルの前記記述内容に基づき前記有限状態機械を構築するのかを決定する、請求項16に記載の空調設備の有限状態機械制御システム。
【背景技術】
【0002】
1つの電子機器はおそらく複数種の運転状態を有し、かつ、各状態はそれぞれ特定の切り換え条件を有している。空調設備を例とすると、1つの空調設備は、おそらく空調オンモード、空調オフモード、送風オンモード、送風オフモード、ファンオン、ファンオフなどの状態を有している。1つの電子機器に対して上記状態の制御と切り換えとを実施しようとする場合は、一般に有限状態機械(Finite−State Machine)を構築する方式により設定することができる。
【0003】
図1を参照すると、それは関連技術における有限状態機械の概略図である。
図1の実施例において、1つの電子機器は計4つの状態(
図1は状態0、状態1、状態2及び状態3を例としている)を有し、かつ、各状態はそれぞれ異なる切り換え条件を有している。
【0004】
電子機器の有限状態機械を
図1に示されている態様であると定義した場合、電子機器は、条件1の達成時に状態0に進入し、条件2の達成時には状態0から状態1に切り換わり、条件3の達成時には状態1を維持し、条件4の達成時には状態1から状態0に切り換わり、条件5の達成時には状態2に進入し、条件6の達成時には状態2から状態3に切り換わり、条件7の達成時には状態3から状態2に切り換わり、条件8の達成時には状態3を維持し、条件9の達成時には状態0から状態2に進入し、条件10の達成時には状態1から状態3に進入する。
【0005】
一般的に述べると、有限状態機械を定義しようとする場合には、特定のプログラム言語(例えば、C/C++、Java(登録商標)、Pythonなど)を使用して、各種状態及び各切り換え条件を、電子機器を制御するための機器実行コード中(例えば、電子機器のファームウェア)に直接書き込まなければならない。電子機器の有限状態機械を変更しようとする場合には(例えば、状態の増加、減少または切り換え条件の変更)、プログラム言語を使用して機器実行コードを再度書き込むかまたは変更しなければならない。このようにすると、電子機器の更新及びメンテナンスコストは相当に高くなる。
【0006】
更に、一般のユーザはプログラム言語の書き込み、変更能力を有していないため、電子機器に予め設定された有限状態機械を受動的に受け入れる他なく、必要とする状態及び切り換え条件を自主的に定義することができない。この点に鑑み、現有の制御システムはユーザにとっては相当に柔軟性を有しておらず、おそらく電子機器の使用上における不便が生じている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここにおいては、本発明の好適な実施例について、図面に基づき、以下の通り詳細に説明する。
先ず、
図2を参照すると、それは本発明の第1の具体的な実施例における制御システムの構築図である。本発明では空調設備の有限状態機械制御システム(以下においては、制御システムと称する)が具体的に開示されており、制御システムは、ユーザが自ら書き込むかまたはあるコンピュータプログラム及びアルゴリズムを介して自動的に生成されたテキストファイルを受信するとともに、テキストファイルの内容を領域中の電子機器(例えば、空調設備)が
制御可能な機器実行コードに自動的に変換し、更に変換後の機器実行コードに基づき対応する有限状態機械を自ら構築することができる。
【0013】
それにより、本発明はユーザが簡単なテキストで直接設定することができる電子機器の有限状態機械を提供することができ、つまり、ユーザは電子機器の機器実行コードに対応したプログラム言語(例えば、C/C++、Java(登録商標)、Pythonなど)の書き込み能力を備える必要はない。
【0014】
図2に示されている通り、本発明の制御システムは、クラウド制御プラットホーム(Cloud Control Platform)1、インテリジェント制御システム(Intelligent Control System、ICS)2及び少なくとも1台の空調設備3を含み、インテリジェント制御システム2は、空調設備3をインテリジェント制御するために、空調設備3に電気的に接続される。
【0015】
1つの実施例において、クラウド制御プラットホーム1はクラウドサーバで運転され、インテリジェント制御システム2及び空調設備3は、ローカルエンド(local end)に設置され、かつ、ネットワークシステム(例えば、Internet、LAN、WLANなど)を介してクラウド制御プラットホーム1に接続される。別の実施例において、クラウド制御プラットホーム1、インテリジェント制御システム2及び空調設備3は、共通してローカルエンドに設置し、かつ、有線または無線方式で互いに接続することができる。
【0016】
図3を同時に参照すると、それは本発明の第2の具体的な実施例における制御システムの構築図である。
図3に示されている通り、本発明の制御システムは、状態機械定義生成モジュール(State−Machine Definition Generator)11及び状態機械実行モジュール(State−Machine Executor)12を更に含む。
【0017】
図3に示されている通り、クラウド制御プラットホーム1は、ネットワークシステムを介してユーザが操作制御するユーザ端末4に接続して、ユーザ端末4がアップロードした状態機械定義テキストファイルT1を受信することができる。本実施例において、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容には、少なくとも2つの状態及び2つの状態の切り換え条件が記録されている(例えば、「状態0」、「状態1」、「条件1の達成時には状態0から状態1に切り換える」及び「条件2の達成時には状態1から状態0に切り換える」を記録する)。別の実施例において、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容には、特定の時刻に空調設備3に対して特定の制御動作を実行するなどの内容を直接記録することができる(例えば、「時刻1に空調設備3をオンする」及び「時刻2に空調設備3をオフする」などの内容を記録する)。
【0018】
図3の実施例において、状態機械実行モジュール12はクラウド制御プラットホーム1中に設置される。本実施例において、状態機械実行モジュール12は、クラウド制御プラットホーム1が受信した状態機械定義テキストファイルT1を処理して、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容を、制御しようとする空調設備3が
制御可能な機器実行コードに変換することができる。
【0019】
状態機械実行モジュール12が状態機械定義テキストファイルT1の記述内容を機器実行コードに変換した後、更に機器実行コードを実行して、記述内容(つまり、上記状態及び切り換え条件)に対応した有限状態機械F1を構築することができる。有限状態機械F1が構築された後、インテリジェント制御システム2は、ネットワークシステム(例えば、Internet、LAN、WLANなど)を介してクラウド制御プラットホーム1に接続してクラウド制御プラットホーム1が運転している有限状態機械F1を参考とし、それにより有限状態機械F1に基づき接続している空調設備3をインテリジェント制御することができる。
【0020】
具体的には、機器実行コードは、状態機械実行モジュール12により状態機械定義テキストファイルT1の記述内容をコンパイル(Compile)して生成されたものであるため、構築される有限状態機械F1(例えば、
図6Bに示されている有限状態機械)は状態機械定義テキストファイルT1の記述内容に合致している。それにより、インテリジェント制御システム2は、空調設備3の運転方式がユーザの要求(つまり、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容)に合致していることを確保することができる。
【0021】
続けて同時に
図4を参照すると、それは本発明の第3の具体的な実施例における制御システムの構築図である。
図4では
図3に近似した制御システムが開示されており、違いは、
図4の実施例において、状態機械実行モジュールがインテリジェント制御システム2中(
図4に示されている状態機械実行モジュール21)に設置されている点にある。
【0022】
1つの実施例において、状態機械実行モジュールは、クラウド制御プラットホーム1中に設置される第1状態機械実行モジュール及びインテリジェント制御システム2中に設置される第2状態機械実行モジュールを含み、かつ、制御システムは、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容に基づき第1状態機械実行モジュールまたは第2状態機械実行モジュールにより状態機械定義テキストファイルT1を処理すべきであるのかを決定することができる。
【0023】
例を挙げて述べると、クラウド制御プラットホーム1がクラウドサーバに設置されるため、クラウド制御プラットホーム1の第1状態機械実行モジュールは、複数の状態機械定義テキストファイルT1を同時に処理して、複数の有限状態機械を同時に構築することができる。それにより、クラウド制御プラットホーム1は、複数の異なる電子機器の複数の有限状態機械を同時に運転することができる。
【0024】
他方、インテリジェント制御システム2がローカルエンドに設置され、かつ、制御しようとする空調設備3に直接接続されるため、インテリジェント制御システム2の第2状態機械実行モジュールにより状態機械定義テキストファイルT1を処理するとともに、対応する有限状態機械を構築する場合は、空調設備3の制御感度に有益である。
【0025】
図4に戻る。状態機械実行モジュール21がインテリジェント制御システム2に設置される場合は、ユーザ端末4が、ユーザが書き込みを完了した状態機械定義テキストファイルT1をクラウド制御プラットホーム1にアップロードした後、インテリジェント制御システム2は、クラウド制御プラットホーム1から状態機械定義テキストファイルT1を直接取得することができる。
【0026】
次いで、状態機械実行モジュール21は、インテリジェント制御システム2が取得した状態機械定義テキストファイルT1を処理して、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容を、インテリジェント制御システム2に接続している空調設備3が
制御可能な機器実行コードに変換する。かつ、状態機械実行モジュール21は更に、変換して得られた機器実行コードを実行して、対応する有限状態機械F1を構築する。
【0027】
それにより、インテリジェント制御システム2は、構築された有限状態機械F1に基づき接続している空調設備3をインテリジェント制御して、空調設備3の運転方式がユーザの要求に合致している(つまり、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容に合致している)ことを確保することができる。
【0028】
本発明の1つの実施例において、状態機械定義テキストファイルT1は、例えば、拡張可能マークアップ言語(Extensible Markup Language,XML)フォーマットとすることができる。本発明の別の実施例において、状態機械定義テキストファイルT1は、JavaScript(登録商標)オブジェクト表記法(JavaScript(登録商標) Object Notation,JSON)フォーマットとすることができる。しかし、上記は本発明の具体的な実施例に過ぎず、それらに限定されるものではない。
【0029】
1つの実施例において、ユーザ端末4は、例えば、パーソナルコンピュータまたはノート型コンピュータとすることができ、ユーザはユーザ端末4上のブラウザ(Browser)またはその他の編集インターフェイス(例えば、XMLファイルまたはJSONファイルの編集ソフトウェア)を介して状態機械定義テキストファイルT1を編集することができる。別の実施例において、ユーザ端末4は、例えばスマート型移動装置とすることができ、ユーザはユーザ端末4中にインストールされている特定のアプリケーションプログラム(APP)を介して状態機械定義テキストファイルT1を編集することができる。
【0030】
図3及び
図4に示されている通り、本発明の制御システムは、クラウド制御プラットホーム1中に設置される状態機械定義生成モジュール11を更に含む。本発明において、状態機械定義生成モジュール11は、ネットワークシステムを介して外部の参考データD1を受信し、参考データD1に基づき状態機械定義テキストファイルT1を自動的に生成または更新することができる。言い換えると、本発明において、状態機械定義テキストファイルは、機械学習アルゴリズムにより、コンピュータプログラムから系統的かつ自動的に生成されて、ユーザの制御方法に対する最適化要求を満足することができる。
【0031】
具体的には、本発明において、状態機械定義生成モジュール11には、オンラインまたはオフラインの訓練(例えば、機械学習)により、複数種のルールが予め定義されている。制御システムが受信した参考データD1を状態機械定義生成モジュール11に流し込んだ後、状態機械定義生成モジュール11は、ルールに基づき対応する複数種の状態及び各種状態の切り換え条件を自動的に生成または更新することができるため、状態機械定義テキストファイルT1を自動的に生成または更新することができる。このようにして、ユーザは状態機械定義テキストファイルT1を自ら書き込む必要がないため、本発明の利便性及び実用性が更に向上する。
【0032】
図3及び
図4に示されている通り、本発明の制御システムは、クラウドデータベース5を更に含み、クラウドデータベース5は、クラウド制御プラットホーム1と同一または異なるクラウドサーバに設置するとともに、有線または無線方式でクラウド制御プラットホーム1に接続することができる。本発明においては、クラウドデータベース5中に参考データD1が記録されるとともに、状態機械定義生成モジュール11が状態機械定義テキストファイルT1を自動的に生成または更新するように、参考データD1がクラウド制御プラットホーム1に提供される。
【0033】
1つの実施例において、参考データD1は、クラウドデータベース5中に恒久的に記憶することができる(例えば、対応する空調設備3が所在する地理的位置情報)。別の実施例において、参考データD1は、クラウドデータベース5中に一時的に記憶して(例えば、今日の温度、湿度、降雨量などの情報)、随時更新、削除することができる。
【0034】
1つの実施例において、制御システムは、空調設備3と同一領域中に設置されるセンサ6(例えば、温度センサ、湿度センサ、在室者探知器、赤外線センサなど)を更に含む。センサ6は、空調設備3の所在環境を検知するために用いられ、かつ、対応する検知データを生成する。本実施例において、センサ6は、検知データをインテリジェント制御システム2にフィードバックし、かつ、インテリジェント制御システム2は、検知データをクラウドデータベース5に伝送して記憶する。それにより、クラウドデータベース5は、検知データを参考データD1とし、かつ、状態機械定義生成モジュール11は検知データを状態機械定義テキストファイルT1の生成根拠とすることができる。
【0035】
別の実施例において、クラウドデータベース5は、気象データ収集プラットホーム7に更に接続され、気象データ収集プラットホーム7から気象データ(例えば、各地の温度、湿度、降雨量、気圧など)を受信するとともに、気象データを参考データD1とする。それにより、状態機械定義生成モジュール11は、気象データを状態機械定義テキストファイルT1の生成根拠とすることができる。
【0036】
本発明の1つの実施例において、気象データ収集プラットホーム7は、気象観測ステーションとすることができる。
更に別の実施例において、クラウドデータベース5は、更に、有線方式または無線方式で在室者需要応答(Occupant Demand Response)9を受信することができる。在室者需要応答9とは、空調設備3の運転環境中の在室者が所在環境に対してシステムに与える直接的な応答(例えば、寒すぎる、暑すぎるなどの環境感受)を指している。
【0037】
本実施例において、クラウドデータベース5は、在室者需要応答9(例えば、在室者はスマートフォンのアプリケーションプログラムを介して応答することができる)を直接収集するか、またはインテリジェント制御システム2、空調設備3などを介して在室者需要応答9(例えば、在室者は空調設備3のユーザインターフェイスを操作して応答することができる)を間接的に収集するとともに、在室者需要応答9を参考データD1とすることができる。それにより、状態機械定義生成モジュール11は、在室者需要応答9を状態機械定義テキストファイルT1の生成根拠とすることができる。
【0038】
続いて
図5を参照すると、それは本発明の第1の具体的な実施例における制御の流れ図である。
図5に示されている通り、本発明において、ユーザが自ら空調設備3の有限状態機械を定義しようとする場合は、プログラム言語により空調設備3の機器実行コード(例えば、空調設備3のファームウェア)を書き込むかまたは変更する必要はなく、ユーザ端末4を介して状態機械定義テキストファイルT1を簡単に書き込むとともに(ステップS10)、状態機械定義テキストファイルT1をクラウド制御プラットホーム1にアップロードするだけでよい(ステップS12)。
【0039】
具体的には、ユーザはユーザ端末4上の対応インターフェイスを介してXMLファイル、JSONファイルまたはその他の軽量クラスのテキストデータファイルを書き込んで、状態機械定義テキストファイルT1を構築することができる。
【0040】
他方、クラウド制御プラットホーム1は、クラウドデータベース5から参考データD1を受信し(ステップS14)、かつ、状態機械定義生成モジュール11により参考データD1に基づき状態機械定義テキストファイルT1を自ら生成または更新することもできる(ステップS16)。それにより、ユーザが状態機械定義テキストファイルT1を書き込むとともにアップロードする必要はないため、本発明の制御システムは更に便利となる。
【0041】
次いで、状態機械実行モジュール(クラウド制御プラットホーム1に設置される状態機械実行モジュール12またはインテリジェント制御システム2に設置される状態機械実行モジュール21)により状態機械定義テキストファイルT1を処理して、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容を、制御しようとする空調設備3が
制御可能な機器実行コードに変換する(ステップS18)。
【0042】
次いで、状態機械実行モジュール12/21が更に、変換により取得した機器実行コードを実行して、対応する有限状態機械F1を構築する(ステップS20)。ここで提起すべきは、クラウド制御プラットホーム1に設置される状態機械実行モジュール12により有限状態機械F1を構築する場合、有限状態機械F1はクラウド制御プラットホーム1上で運転される点である。同様に、インテリジェント制御システム2に設置される状態機械実行モジュール21により有限状態機械F1を構築する場合、有限状態機械F1はインテリジェント制御システム2上で運転される。
【0043】
最後に、インテリジェント制御システム2は、構築された有限状態機械F1に基づき接続されている空調設備3をインテリジェント制御することができる(ステップS22)。このようにして、本発明の制御システムは、空調設備3の運転方式が状態機械定義テキストファイルT1の記述内容により定義される有限状態機械に合致していることを確保することができる。
【0044】
以上の通り、本発明の主な技術的効果は、ユーザが簡単なテキストを書き込むだけで、空調設備3が特定条件の達成時に特定状態で運転される有限状態機械を構築することができる点にあり、相当便利である。
【0045】
図6A及び
図6Bを参照すると、それぞれ本発明における状態機械定義テキストファイルの生成及び実行の概略図、及び本発明における有限状態機械の概略図である。
図6Aに示されている通り、本発明の1つの実施例において、状態機械定義テキストファイルT1は、主に状態欄(States)及び遷移欄(Transitions)の二大部分を含むことができる。
【0046】
状態欄中に、ユーザは各状態の状態名称(例えば、
図6Aにおいては「状態0」、「状態1」及び「状態2」など3つの状態名称を例としている)を簡単に書く必要があるだけであり、各状態名称は、それぞれ空調設備3が達成可能な機能、モードまたは状態に対応している(例えば、状態0は空調設備3の送風モードに対応し、状態1は空調設備3の冷房モードに対応し、状態2は空調設備3の待機モード対応している)。
【0047】
遷移欄中に、ユーザは複数の遷移項目を書き込むことができ、各遷移項目には、それぞれ1つのソース状態(Source)、1つの目的状態(Destination)及び1つの励起条件(Trigger)が含まれる。1つの遷移項目中で定義されている励起条件が達成されると、空調設備3の運転は、遷移項目中で定義されているソース状態から同一遷移項目中で定義される目的状態に切り換わる。
【0048】
前文に記載されている通り、状態機械定義テキストファイルT1は、ユーザがユーザ端末4を介して自ら書き込むことができる以外に、状態機械定義生成モジュール11により自動的に生成することもできる。
図6Aに示されている通り、本実施例において、クラウド制御プラットホーム1は、状態機械定義生成モジュール11をオンラインで訓練またはオフラインで訓練するための訓練アルゴリズム8を更に含む。
【0049】
1つの実施例において、訓練アルゴリズム8は、機械学習アルゴリズム(Machine learning algorithm)とすることができる。別の実施例において、訓練アルゴリズム8は、ルール学習アルゴリズム(Rule−based algorithm)とすることができる。但し、機械学習及びルール学習は本技術分野において常用される技術的手段に属しているため、ここで改めては詳述しない。
【0050】
訓練アルゴリズム8の訓練により、状態機械定義生成モジュール11は状態名称及び遷移項目の複数の生成ルールを予め構築することができる。状態機械定義生成モジュール11がクラウドデータベース5から参考データD1を取得した後、直ちに参考データD1及び生成ルールに基づき対応する複数の状態名称及び複数の遷移項目を自動的に生成または更新し、更に生成された複数の状態名称及び複数の遷移項目により対応する状態機械定義テキストファイルT1を生成することができる。
【0051】
本実施例において、参考データD1は、例えば、センサ6によりフィードバックされたセンサデータD11、気象データ収集プラットホーム7により収集された気象データD12、または在室者が直接的または間接的にフィードバックした在室者需要応答9とすることができる。
【0052】
状態機械定義テキストファイルT1の書き込みまたは生成が完了した後、直ちにクラウド制御プラットホーム1の状態機械実行モジュール12またはインテリジェント制御システム2の状態機械実行モジュール21により処理して、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容を空調設備3が
制御可能な機器実行コードに変換し、かつ、更に、変換された機器実行コードを実行して対応する有限状態機械F1を構築する。
【0053】
それにより、インテリジェント制御システム2は、構築された有限状態機械F1に基づき空調設備3をインテリジェント制御して、空調設備3の運転方式を状態機械定義テキストファイルT1の記述内容が定義する有限状態機械に合致させることができる。
【0054】
本実施例において、状態機械実行モジュール12が、
図6Aに示されている状態機械定義テキストファイルT1を変換して得られた機器実行コードを実行した後、直ちに
図6Bに示されている有限状態機械を構築することができる。
【0055】
具体的には、状態機械実行モジュール12が構築した有限状態機械は、状態機械定義テキストファイルT1における各状態名称及び各遷移項目に対応している。
図6Bの実施例において、有限状態機械には、「状態0」、「状態1」及び「状態2」の3つの状態名称が含まれ、かつ、4つの遷移項目が含まれている。
【0056】
4つの遷移項目には、(1)条件1の達成時には空調設備3が状態0から状態1に切り換わるように制御すること、(2)条件2の達成時には空調設備3が状態1から状態2に切り換わるように制御すること、(3)条件3の達成時には空調設備3が状態2から状態1に切り換わるように制御すること、(4)条件4の達成時には空調設備3が状態2から状態0に切り換わるように制御すること、が含まれている。
【0057】
本発明の制御システムにより、ユーザはXMLフォーマット、JSONフォーマットまたはその他の軽量クラスのテキストデータフォーマットを使用して上記状態名称及び遷移項目を状態機械定義テキストファイルT1中に簡単に書き込むことができる。状態機械実行モジュール12/21は、状態機械定義テキストファイルT1を処理して、状態名称及び遷移項目に基づき空調設備3の機器実行コードに対応したプログラム言語(例えば、C/C++、Java(登録商標)、Pythonなど)を書き込んでなる有限状態機械を直接構築することができる。
【0058】
上記の通り、本発明の制御システムにより、ユーザがプログラム言語の書き込み能力を備えていなくても、空調設備3の有限状態機械を簡易に構築、変更することができ、相当便利である。
【0059】
続いて
図7を参照すると、それは本発明の第2の具体的な実施例における制御の流れ図である。本実施例において、クラウド制御プラットホーム1は、先ずユーザ端末4がアップロードしたかまたは状態機械定義生成モジュール11が生成した状態機械定義テキストファイルT1を取得し(ステップS30)、次いで、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容に基づき、クラウド制御プラットホーム1に設置されている第1状態機械実行モジュール(つまり、状態機械実行モジュール12)またはインテリジェント制御システム2に設置されている第2状態機械実行モジュール(つまり、状態機械実行モジュール21)により、取得した状態機械定義テキストファイルT1を処理するのかを決定する(ステップS32)。
【0060】
例を挙げて述べると、第1状態機械定義テキストファイル中で定義されている有限状態機械を異なる種類の空調設備3に同時に適用することができる場合、クラウド制御プラットホーム1は、第1状態機械実行モジュールにより第1状態機械定義テキストファイルを処理して、クラウド制御プラットホーム1により対応する有限状態機械を運転すると判断することができる。
【0061】
更に例えば、第2状態機械定義テキストファイル中で定義されている有限状態機械が特定型式番号の空調設備のみに適用される場合、クラウド制御プラットホーム1は、空調設備に接続しているインテリジェント制御システム2中の第2状態機械実行モジュールにより第2状態機械定義テキストファイルを処理し、インテリジェント制御システム2により対応する有限状態機械を運転すると判断することができる。
【0062】
ステップS32において、クラウド制御プラットホーム1中の第1状態機械実行モジュールにより状態機械定義テキストファイルT1を処理すると判断した場合は、クラウド制御プラットホーム1により状態機械定義テキストファイルT1を取得し(ステップS34)、次いで、第1状態機械実施校モジュールにより取得した状態機械定義テキストファイルT1を処理して(ステップS36)、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容を、制御しようとする空調設備3が
制御可能な機器実行コードに変換する(ステップS38)。かつ、更に、第1状態機械実行モジュールにより、変換して得られた機器実行コードを更に実行して、対応する有限状態機械F1を構築する(ステップS40)。
【0063】
ステップS32において、インテリジェント制御システム2中の第2状態機械実行モジュールにより状態機械定義テキストファイルT1を処理すると判断した場合、インテリジェント制御システム2は、クラウド制御プラットホーム1により状態機械定義テキストファイルT1を取得し(ステップS42)、かつ、第2状態機械実行モジュールにより、取得した状態機械定義テキストファイルT1を処理して(ステップS44)、状態機械定義テキストファイルT1の記述内容を、制御しようとする空調設備3が
制御可能な機器実行コードに変換する(ステップS46)。かつ、更に、第2状態機械実行モジュールにより、変換して得られた機器実行コードを更に実行して、対応する有限状態機械F1を構築する
【0064】
ステップS40またはステップS48の後、インテリジェント制御システム2はクラウド制御プラットホーム1またはインテリジェント制御システム2で運転されている有限状態機械F1に基づき空調設備3をインテリジェント制御することができる(ステップS50)。それにより、インテリジェント制御システム2は、空調設備3の運転方式がユーザの要求に合致している(つまり、状態機械定義テキストファイルT1中で定義されている有限状態機械に合致している)ことを確保することができる。
【0065】
上記の実施例により、本発明の制御システムは、クラウド制御プラットホーム1により空調設備3の有限状態機械を構築するとともに運転することにより、クラウドで異なる電子機器の複数の有限状態機械を同時に運転するとともにメンテナンスするとの目的を実現することができる。また、本発明の制御システムは、更に、インテリジェント制御システム2により空調設備3の有限状態機械を構築するとともに運転することにより、クラウド制御プラットホーム1の作業負荷量を低減することができる。
【0066】
以上の記載は本発明の好適かつ具体的な実施例に過ぎず、それにより本発明の特許請求の範囲が制限されず、本発明の内容を運用して行われた等価な変化は、いずれも同様に本発明の範囲内にすべて含まれることを、ここに合わせて明記しておく。