(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595596
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】自律車両の交差点での優先度の検出及び応答
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20191010BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20191010BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20191010BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 H
B60W30/10
B60W40/04
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-527762(P2017-527762)
(86)(22)【出願日】2015年11月25日
(65)【公表番号】特表2018-500661(P2018-500661A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】US2015062673
(87)【国際公開番号】WO2016094088
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2018年3月22日
(31)【優先権主張番号】14/565,278
(32)【優先日】2014年12月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100167461
【弁理士】
【氏名又は名称】上木 亮平
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】奥村 文洋
【審査官】
武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−218678(JP,A)
【文献】
特開2010−287109(JP,A)
【文献】
特開2000−207691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
B60W 30/10
B60W 40/04
G08G 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律車両に設けられた知覚システムと、
前記知覚システムと通信するコンピュータデバイスと、
を備える自動運転システムであって、
前記コンピュータデバイスは、
前記コンピュータデバイスの動作を制御する1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサによって使用されるデータ及びプログラム命令を記憶するためのメモリと、
を備え、
前記1つ以上のプロセッサは、前記メモリ内に記憶された命令を実行して、
前記知覚システムを用いて交差点に近接する近傍車両を検出し、
前記近傍車両用の前記交差点を通る2本以上の候補経路を特定し、
前記近傍車両の位置及び方向の少なくとも一方に基づいて、前記2本以上の候補経路の各経路優先度を決定し、
前記自律車両用の前記交差点を通る予定経路の経路優先度を決定し、
前記候補経路は、前記予定経路と交差する交差候補経路と、前記予定経路と交差しない非交差候補経路と、を含み、前記候補経路のうちの少なくとも1つの経路優先度が前記予定経路の経路優先度よりも高いときは、前記自律車両よりも先に前記近傍車両が前記交差点を通り抜けることを許可するように構成された1つ以上の車両システムに対して命令を送信する、
ように構成される自動運転システム。
【請求項2】
前記交差点は、環状交差点、合流車線、及び少なくとも2本の道路の接合部のうちの1つである、
請求項1に記載の自動運転システム。
【請求項3】
前記2本以上の候補経路は、前記交差点の車線構造、及び前記交差点に対する1つ以上の交通規則の少なくとも一方に基づいて特定される、
請求項1に記載の自動運転システム。
【請求項4】
前記近傍車両の位置及び方向は、前記自律車両に対するものである、
請求項1に記載の自動運転システム。
【請求項5】
前記近傍車両の位置及び方向は、前記近傍車両の前記交差点を通る前記2本以上の候補経路に対するものである、
請求項1に記載の自動運転システム。
【請求項6】
前記2本以上の候補経路の経路優先度は更に、前記近傍車両の速度、加速度、及び減速度の少なくとも1つに基づいている、
請求項1に記載の自動運転システム。
【請求項7】
前記予定経路の経路優先度、及び前記2本以上の候補経路の経路優先度は更に、前記交差点に対する1つ以上の交通規則に基づいている、
請求項1に記載の自動運転システム。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサは更に、
前記2本以上の候補経路の各経路優先度が前記予定経路の経路優先度よりも低いときは、1つ以上の車両システムに対して命令を送信し、前記近傍車両よりも先に前記交差点を通して前記自律車両を走行させるように構成される、
請求項1に記載の自動運転システム。
【請求項9】
自律車両に設けられた知覚システムを用いて、交差点に近接する近傍車両を検出することと、
前記近傍車両の前記交差点を通る2本以上の候補経路を特定することと、
前記近傍車両の位置及び方向の少なくとも一方に基づいて、前記2本以上の候補経路の各経路優先度を決定することと、
前記自律車両の前記交差点を通る予定経路の経路優先度を決定することと、
前記候補経路は、前記予定経路と交差する交差候補経路と、前記予定経路と交差しない非交差候補経路と、を含み、前記候補経路のうちの少なくとも1つの経路優先度が、前記予定経路の前記経路優先度よりも高いときは、前記自律車両よりも先に前記近傍車両が前記交差点を通り抜けることを許可するように構成された1つ以上の車両システムに対して命令を送信することと、
を備える、コンピュータで実施される自動運転方法。
【請求項10】
前記近傍車両の位置及び方向は、前記自律車両に対するものである、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記近傍車両の位置及び方向は、前記近傍車両用の前記交差点を通る前記2本以上の候補経路に対するものである、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記2本以上の候補経路の各経路優先度は更に、前記近傍車両の速度、加速度、及び減速度の少なくとも1つに基づいている、
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記予定経路の経路優先度、及び前記2本以上の候補経路の各経路優先度は更に、前記交差点の1つ以上の交通規則に基づいている、
請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記2本以上の候補経路の各経路優先度が前記予定経路の経路優先度よりも低いときは、前記近傍車両よりも先に前記交差点を通して前記自律車両を走行させるように1つ以上の車両システムに対して命令を送信すること、
を更に備える請求項9に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータデバイスの動作を制御する1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサによって使用されるデータ及びプログラム命令を記憶するためのメモリと、
を備えるコンピュータデバイスであって、
前記1つ以上のプロセッサは、前記メモリ内に記憶された命令を実行して、
自律車両に設けられた知覚システムを用いて交差点に近接する近傍車両を検出し、
前記近傍車両用の前記交差点を通る2本以上の候補経路の経路優先度を決定し、
前記自律車両用の前記交差点を通る予定経路の経路優先度を決定し、
前記候補経路は、前記予定経路と交差する交差候補経路と、前記予定経路と交差しない非交差候補経路と、を含み、前記候補経路のうちの少なくとも1つの経路優先度が、前記予定経路の前記経路優先度よりも高いときは、前記自律車両よりも先に前記近傍車両が前記交差点を通り抜けることを許可するように構成された1つ以上の車両システムに対して命令を送信する、
ように構成されるコンピュータデバイス。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサは更に、
前記近傍車両が前記交差候補経路よりも前記非交差候補経路を辿る可能性が高いと判定したときは、前記交差候補経路及び前記非交差候補経路の双方の経路優先度を、前記予定経路の経路優先度よりも低くするように構成される、
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の自動運転システム。
【請求項17】
前記近傍車両が前記交差候補経路よりも前記非交差候補経路を辿る可能性が高いと判定したときは、前記交差候補経路及び前記非交差候補経路の双方の経路優先度を、前記予定経路の経路優先度よりも低くするように1つ以上の車両システムに対して命令を送信すること、
を更に備える請求項9から請求項14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上の車両は更に、
前記近傍車両が前記交差候補経路よりも前記非交差候補経路を辿る可能性が高いと判定したときは、前記交差候補経路及び前記非交差候補経路の双方の経路優先度を、前記予定経路の経路優先度よりも低くするように構成される、
ように構成される請求項15に記載のコンピュータデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
完全に、又は高度に自動化された運転システムは、例えば自動運転車両(self-driving vehicles)や自律車両(autonomous vehicles)のように、運転者の相互作用や他の外部制御なしに車両を道路上で運転するように設計される。したがって自律車両は、その現在位置と、目標とする将来の位置と、の間の予定経路を、運転者からの入力なしで踏破するように構成される。周辺の、又は近傍の車両は、自律車両の予定経路と交差することが可能な経路に沿って移動することができる。このことは特に、自律車両が交差点に接近するときに当てはまる。
【0002】
従来技術の運転システムは、交差点を通過するために動的に軌跡を生成する手段と、交差点を複数の格子状のセグメントに分割して車両が交差点の特定のセグメントを占有すべき時期を決定する手段と、を含んでいるが、交差点で安全、かつ効率的に運転するためには、自律車両は、1台以上の近傍車両用の交差点を通過する候補経路(potential path)を特定すると共に、交差点に進入する前にこれらの候補経路に対する自身の予定経路の優先度を比較するように、すなわち自身の優先通行権を決定するように構成されるべきである。
【発明の概要】
【0003】
以下、近傍車両の存在下における自動運転方法及びシステムについて説明する。自律車両は、知覚システムを用いて、交差点における近傍車両の距離や、位置、方向、速度、加速度又は減速度を検出することができる。これらのパラメータ、交差点の構造、及び/又は、交差点における交通規則の少なくともいくつかに基づいて、近傍車両の候補走行経路を特定することができる。近傍車両の候補経路、及び自律車両の予定経路に対しては、経路優先度も割り当てることができる。各候補経路のいずれかが、予定経路の経路優先度よりも高い経路優先度を有するときは、交差点において近傍車両に道を譲るように自律車両を構成することができる。あるいはまた、予定経路が全ての候補経路よりも高い優先度を有するときは、自律車両は、近傍車両よりも先に交差点を通り抜けることができる。
【0004】
或る実施形態においては、自動運転システムが開示される。自動運転システムは、自律車両に設けられた知覚システムと、知覚システムと通信するコンピュータデバイス(computing device)と、を含む。コンピュータデバイスは、コンピュータデバイスの動作を制御する1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって使用されるデータ及びプログラム命令を記憶するためのメモリと、を含む。1つ以上のプロセッサは、メモリ内に記憶された命令を実行して、知覚システムを用いて交差点に近接する近傍車両を検出し、近傍車両用の交差点を通る2本以上の候補経路を特定し、近傍車両の位置及び方向の少なくとも一方に基づいて2本以上の候補経路の各経路優先度を決定し、自律車両用の交差点を通る予定経路の経路優先度を決定し、候補経路のうちの少なくとも1つの経路優先度が予定経路の経路優先度よりも高いときは、自律車両よりも先に近傍車両が交差点を通り抜けることを許可するように構成された1つ以上の車両システムに対して命令を送信する、ように構成される。
【0005】
別の実施形態においては、コンピュータで実施される自動運転方法が開示される。この方法は、自律車両に設けられた知覚システムを用いて交差点に近接する近傍車両を検出することと、近傍車両用の交差点を通る2本以上の候補経路を特定することと、近傍車両の位置及び方向の少なくとも一方に基づいて2本以上の候補経路の各経路優先度を決定することと、自律車両用の交差点を通る予定経路の経路優先度を決定することと、候補経路のうちの少なくとも1つの経路優先度が、予定経路の経路優先度よりも高いときは、自律車両よりも先に近傍車両が交差点を通り抜けることを許可するように構成された1つ以上の車両システムに対して命令を送信することと、を含む。
【0006】
別の実施形態においては、コンピュータデバイスが開示される。コンピュータデバイスは、コンピュータデバイスの動作を制御する1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって使用されるデータ及びプログラム命令を記憶するためのメモリと、を含む。1つ以上のプロセッサは、メモリ内に記憶された命令を実行して、自律車両に設けられた知覚システムを用いて交差点に近接する近傍車両を検出し、近傍車両用の前記交差点を通る2本以上の候補経路の経路優先度を決定し、自律車両用の交差点を通る予定経路の経路優先度を決定し、候補経路のうちの少なくとも1つの経路優先度が、予定経路の経路優先度よりも高いときは、自律車両よりも先に近傍車両が交差点を通り抜けることを許可するように構成された1つ以上の車両システムに対して命令を送信する、ように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書における記述は、幾つかの図を通して同様の参照番号が同様の部材を示す添付図面を参照している。
【0008】
【
図1】
図1は、コンピュータデバイスのブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1のコンピュータデバイスを含む自律車両の概略図である。
【
図3A-C】
図3A−Cは、
図2の自律車両に近接する近傍車両用の複数の候補経路を含む環状交差点を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2の自律車両に近接する別の近傍車両用の複数の候補経路を含むT形交差点を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2の自律車両に近接する別の近傍車両用の複数の候補経路を含む十字形交差点を示す図である。
【
図6】
図6は、
図2の自律車両に近接する別の近傍車両用の複数の候補経路を含む合流交差点を示す図である。
【
図7】
図7は、自動運転システムにより実施される交差点での優先度を検出して応答するプロセスの論理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
自律車両のための自動運転システムが開示される。自動運転システムは、自律車両の周囲の環境の画像、又は他の視覚的表現物を捕捉するように構成された種々のセンサを備えた知覚システムを含む。自動運転システムは、交差点に接近している近傍車両を検出し、かつ近傍車両用の交差点を通る2本以上の候補経路を特定するように構成される。また自動運転システムは、近傍車両の2本以上の候補経路のそれぞれについての経路優先度と、交差点を通る自律車両用の予定経路の経路優先度と、を決定することもできる。
【0010】
経路優先度は、交差点に関する交通規則、自律車両及び/又は候補経路に関する近傍車両の位置や方向、及び/又は、近傍車両の速度や近傍車両が加速しているのか又は減速しているのかといった近傍車両の状況情報に基づいている。各候補経路の少なくともひとつの経路優先度が、予定経路の経路優先度よりも高い場合は、自動運転システムは、自律車両よりも先に近傍車両が交差点を通り抜けることを許可することができる。予定経路の経路優先度が、全ての候補経路の経路優先度よりも高い場合は、自動運転システムは、近傍車両に先駆けて自律車両を交差点内へと送り込むことができる。
【0011】
図1は、例えば自動運転システムと共に使用されるコンピュータデバイス100のブロック図である。コンピュータデバイス100は、任意の形式の車載型、携帯型、デスクトップ型、又は他の形態の単一のコンピュータデバイスであっても良く、複数台のコンピュータデバイスで構成されていても良い。コンピュータデバイス内の処理ユニットは、従来の中央処理ユニット(CPU)102や、情報の操作や処理が可能な他の任意の形式のデバイス、又は複数のデバイスとすることができる。コンピュータデバイス内のメモリ104は、ランダム・アクセス・メモリ・デバイス(RAM)や、他の任意の適切な形式の記憶デバイスとすることができる。メモリ104は、バス108を用いてCPU102によってアクセスされるデータ106を含むことができる。
【0012】
またメモリ104は、オペレーティングシステム110、及びインストール済みアプリケーション112を含むことができ、インストール済みアプリケーション112は、CPU102が後述する自動運転方法を実施することを可能にするプログラムを含む。またコンピュータデバイス100は、例えばメモリカードやフラッシュドライブ、又は他の任意の形態のコンピュータ可読媒体のような補助的、付加的、又は外部的な記憶装置114を含むことができる。インストール済みアプリケーション112は、外部記憶装置114の全体又は一部に記憶され、処理のために必要なときにメモリ104内にロードされる。
【0013】
またコンピュータデバイス100は、知覚システム116と通信することができる。知覚システム116は、慣性計測装置(IMU)、自律航法システム(dead-reckoning system)、全球測位衛星システム(GNSS)、光検出と測距(LIDAR)システム、レーダシステム(radar system)、ソナーシステム(sonar system)、画像系センサシステム(image-based sensor system)、又は車両の周囲の環境に特有の情報を取得することができる他の任意の形式のシステムによって、処理のためのデータ及び/又は信号を取得するように構成され得る。車両の周囲の環境に特有の情報としては、自律車両の予定車両経路に近接する近傍車両等の物体に特有の情報や、取得されてCPU102に送信され得る他の任意の局所的な位置データ及び/又は信号が挙げられる。
【0014】
以下で説明される実施例において、知覚システム116は、コンピュータデバイス100が画像内の近傍車両の存在、位置及び方向を検出することができるように、少なくとも画像系センサシステムの画像を取得するように構成される。またコンピュータデバイス100は、車両制動システムや車両推進システム、車両操舵システムなどの1つ以上の車両システム118と通信することができる。また車両システム118は、知覚システム116と通信することができ、知覚システム116は、種々の車両システム118の性能を表すデータを取得するように構成される。
【0015】
図2は、
図1のコンピュータデバイス100を含む自律車両200の概略図である。コンピュータデバイス100は、
図2に示すように、自律車両200内に配置することができ、又は、自律車両200から離れた別の場所(図示せず)に配置することができる。コンピュータデバイス100を自律車両200から離れた位置に配置する場合は、自律車両200は、コンピュータデバイス100と通信する機能を含むことができる。
【0016】
また自律車両200は、複数のセンサ202を含むことができ、センサ202は、
図1を参照して説明した知覚システム116の一部である。示されているセンサ202の1つ以上は、画像センサによる処理のための画像、複数の衛星からの信号に基づくグローバル座標(global coordinates)における車両位置、コンピュータデバイス100によって使用されて、自律車両200及び周囲環境内の近傍車両といった物体の位置及び方向を推定するための周囲環境内の物体との距離、又は自律車両200の現在状態を決定したり、若しくは交差点における近傍車両の存在、位置、方向を含む周囲環境の現在状態を決定したりするために使用可能な他の任意のデータ及び/又は信号を取得するように構成することができる。
【0017】
図3Aから
図3Cは、
図2の自律車両200に近接する近傍車両306の複数の候補経路302、304を含む環状交差点300を示している。自律車両200はまず、自律車両200の予定車両経路に沿って交差点の一種である環状交差点300が存在していることを認識することができる。出口及び入口の位置や、各車線の曲率等の環状交差点300に関する情報は、知覚システム116の一部としての画像系センサ202を用いて、又はコンピュータデバイスのメモリ104内に存在する地図情報若しくはコンピュータデバイス100に対して遠隔地でアクセス可能な地図情報を用いて、認識されることができる。自律車両200が環状交差点300に十分に近接すると、自律車両200に設けられた例えば画像系の、又はLIDAR式のセンサ202を用いて、近傍車両306を認識することができる。
【0018】
図3Aは、2本の候補経路302、304を許容する入口分岐部308に近接する位置で、近傍車両306が現在、環状交差点300内にいることを示している。
図3Aの場合のように、近傍車両306が最初に特定された時点では、いずれの候補経路302、304を辿るかの予測が常に可能とは限らないので、近傍車両306の全ての候補経路302、304が特定される。候補経路302は、近傍車両306が出口分岐部310において環状交差点300を離れることができることを表す。候補経路304は、近傍車両306が、環状交差点300内に留まると共に、自律車両200を通過して、例えば出口分岐部312及び314のいずれかにおいて退出するかもしれないことを表す。近傍車両306が候補経路302に沿って進行する場合は、自律車両200は、近傍車両306よりも先に自由に環状交差点300に進入することができる。しかしながら、近傍車両306が候補経路304に沿って進行する場合は、自律車両200は、環状交差点300に進入する前に近傍車両306が通過するのを待つ必要がある。
【0019】
自律車両200は、近傍車両306の候補経路302、304の各々に対して優先度のレベルを割り当てるのを支援するにあたって、画像内における(距離を決定するための)近傍車両306のサイズや、近傍車両306の位置、道路又は自律車両200に関する近傍車両306の方向、近傍車両306の速度、加速度、ヨーレート等といった近傍車両306に関する情報を収集するのに知覚システム116を用いることができる。優先度は、例えば近傍車両306が、その位置や交差点の構造を考慮して、物理的に候補経路302、304を辿ることができるか否かに基づくことができる。また優先度は、候補経路302、304が、自律車両200の予定経路と交差するか否かということと、近傍車両306と自律車両200との間の合計距離と、に基づくこともできる。また交差点に適用される既知の交通規則は、候補経路302、304、及び自律車両200の予定経路の両方に対する優先度を決定するために使用することができる。この実施例において、自律車両200は、環状交差点300を通り出口分岐部314まで移動する予定経路を辿ることができる。
【0020】
図3Aの実施例において、近傍車両306は現在、環状交差点300の車線構造に関して、候補経路302、304のいずれに対しても等しく進行可能な位置及び方向にある。また近傍車両306は、自律車両200に対して物理的に接近しており、近傍車両306が十分な速度で進行していて、近傍車両306が候補経路304に沿って進行した場合は、自律車両200が近傍車両306の前方に安全に入り込むことができないほど、十分に接近している。近傍車両306の位置及び方向を考慮すると、自律車両200は、(出口分岐部314に至る)環状交差点300を通る自身の予定経路の優先度に等しい優先度を候補経路304に対して割り当てると共に、候補経路302は自律車両200の予定経路と交差しないので、環状交差点300を通る自身の予定経路の優先度よりも低い優先度を候補経路302に対して割り当てることができる。自律車両200の予定経路は、候補経路302、304の全てよりも高い優先度を有するものではないので、自律車両200は停止するか、又は近傍車両306が環状交差点300に沿って更に進行するまで待機する。
【0021】
図3Bは、近傍車両306が、
図3Aに対して環状交差点300に沿って更に進行し、今や、出口分岐部310に対して近傍車両306が候補経路302を辿るのは困難な方向にあり、すなわち、近傍車両306をその現在位置から候補経路302に沿って出口分岐部310まで移動させるには鋭角的な進路変更が必要とされるであろうことを示している。しかしながら、環状交差点300の車線に対する近傍車両306の方向は、候補経路304を辿るのが容易であり、自律車両200が、候補経路304に対しては高い優先度を、候補経路302に対しては低い優先度を割り当てることを可能にする。自律車両200に近傍車両306が接近すると、環状交差点300に関する交通規則に基づいて、自律車両200の予定車両経路に対して更に低い優先度を割り当てることもできる。例えば、環状交差点300に関する1つの交通規則は、環状交差点300に進入してくる車両に対して環状交差点内の車両は優先通行権を有していることである。自律車両200の予定経路は、少なくとも近傍車両306の候補経路304よりも低い優先度を有することから、自律車両200は、近傍車両306が環状交差点300を通り抜けるまで待機する。
【0022】
図3Cは、近傍車両306に関し、
図3Bに示された位置に対する代替的な位置を示している。この実施例において、近傍車両306は環状交差点300に沿って更に進行しており、今や、候補経路304に対して近傍車両306が候補経路304を辿るのが困難な方向にあり、すなわち、近傍車両306をその現在位置から候補経路304に沿って環状交差点300内に留まらせるには鋭角的な進路変更が必要とされる。しかしながら、近傍車両306の方向は、候補経路302を辿るのが容易であり、自律車両200が候補経路302、304の両方に対して低い優先度を割り当てることを可能にする。候補経路302に対する低い優先度は、候補経路302が自律車両200の予定経路と交差しないということに基づいている。自律車両200の予定経路に対しては、環状交差点300に関連する交通規則に基づいて、中間レベルの優先度を割り当てることができる。自律車両200の予定経路は、近傍車両306の両方の候補経路302、304よりも高い優先度を有することから、自律車両200は、近傍車両306が環状交差点300から出るのを待たずに、環状交差点300に進入することができる。
【0023】
図4は、
図2の自律車両200に近接する別の近傍車両406に対する複数の候補経路402、404を含むT形交差点400を示している。交差点400に進入するために自身の優先度を決定する前に、自律車両200は、交差点400を特定し、近傍車両406を特定し、且つ、交差点400を通る近傍車両406の全ての候補経路402、404を特定するように構成することができる。次に、各候補経路402、404及び自律車両200の予定経路の優先度を決定することができる。この実施例において、自律車両200は一時停止標識408で交差点400に進入するのを待っており、近傍車両406は2本の候補経路402、404で交差点400に向かって移動している。
【0024】
候補経路404は、自律車両200の手前で近傍車両406を交差点400で右折させるものであり、自律車両200の全ての可能性のある予定経路と交差しない。したがって、近傍車両406に関連する距離や、速度、減速度、方向の決定を要さずに、候補経路404には、自律車両200の全ての可能性のある予定経路よりも低い優先度を割り当てることができる。しかしながら、候補経路402は、近傍車両406の現在の軌跡に沿って近傍車両406を交差点400を通過させて直進させると共に、自律車両200の全ての可能性のある予定経路と交差する。
【0025】
例えば、自律車両の予定経路が、一時停止標識408で車両を右折させるものであれば、予定経路と候補経路402とは交差する。道路に対する自身の現在の位置及び方向において、近傍車両406は、候補経路402を物理的に辿ることができる。また近傍車両406は、自律車両200との距離も近い。これらの要因の全ては、候補経路402に対し、自律車両200の全ての予定経路よりも高い優先度を割り当てるのに都合が良い。しかしながら、近傍車両406が、車速の減少に伴って減速していると認識される場合は、候補経路402の優先度を、全ての予定経路の優先度よりも低くすることができ、自律車両200は、近傍車両406が交差点400を横切るのを待たずに、交差点400に進入することができる。
【0026】
減速及び/又は低車速に起因して候補経路402の優先度を低くすることには二面性があり、第一面として、近傍車両406は、候補経路402を取る代わりに、候補経路404に沿って進路変更するために減速している可能性があり、第二面として、近傍車両は、近傍車両406が最終的に候補経路402、404のいずれを選択するかに関わらず、自律車両200が近傍車両406の前に交差点400に安全に進入することができるように、低速で移動している可能性がある。したがって、近傍車両406が低速走行中、又は減速中である場合は、自律車両200は、近傍車両406の候補経路402、404の両方の優先度よりも高い自身の予定経路の優先度に基づいて、(一時停止標識408において完全な停止を行った後で)交差点に進入することができる。
【0027】
図5は、
図2の自律車両200に近接する別の近傍車両506に対する複数の候補経路502、504を含む十字形交差点500を示している。先の実施例と同様に、交差点500に進入するために自身の優先度を決定する前に、自律車両200は、交差点500を特定し、近傍車両506を特定し、且つ、交差点500を通る近傍車両506の全ての候補経路502、504を特定するように構成することができる。次に、各候補経路502、504及び自律車両200の予定経路の優先度を決定することができる。この実施例において、自律車両200は交差点500を右折するために赤信号508で待機しており、近傍車両506は、それの車線位置と、交差点500に存在する青信号510、512とに基づき、2本の候補経路502、504を持って交差点500に向かって移動している。
【0028】
候補経路502は、近傍車両506を交差点を通って直進させると共に、自律車両200の赤信号時右折予定経路とは交差しない。したがって、近傍車両506に関連する距離や、速度、減速度、方向の決定を要さずに、自律車両200の予定経路よりも低い優先度を候補経路502に割り当てることができる。その代わり、候補経路504は、近傍車両506が交差点500で左折する場合の軌跡を含み、自律車両200の赤信号時右折予定経路と交差する。更に、近傍車両506が現在、青信号510、512に臨む交差点500に向けて移動している一方で、自律車両200は赤信号508に臨んでいる。これらの要因はいずれも、候補経路504により高い優先度を割り当てるのに有利になるであろう。
【0029】
しかしながら、近傍車両506が加速している、又は高車速であると認識される場合には、候補経路504の優先度は赤信号時右折予定経路の優先度よりも低くすることができ、自律車両200は、近傍車両506が交差点500に進入するのを待たずに、交差点500に進入することができる。近傍車両506の加速及び/又は高車速に基づいて候補経路504に対して低い優先度を割り当てるとのは、加速し、及び/又は、高速で移動しながら左折することになる近傍車両506が直面する困難性に基づいている。したがって、近傍車両506が、交差点500を通り抜けるために高速で移動していたり、加速している場合には、自律車両200は、近傍車両506の候補経路502、504の両方に対する優先度よりも高い自身の予定経路の優先度に基づいて、(赤信号508で完全な停止を行った後で)交差点に進入するように構成することができる。
【0030】
図6は、
図2の自律車両に近接する別の近傍車両606に対する複数の候補経路602、604を含む合流交差点600を示している。先の実施例と同様に、交差点600に進入するために自身の優先度を決定する前に、自律車両200は、交差点600を特定し、近傍車両606を特定し、且つ、交差点600を通る近傍車両606の全ての候補経路602、604を特定するように構成することができる。次に、各候補経路602、604及び自律車両200の予定経路の優先度を決定することができる。この実施例において、自律車両200は、二車線道路の左側車線を移動しており、近傍車両606は、二車線道路の2つの利用可能車線に基づいて、2本の候補経路602、604を伴って合流車線から二車線道路に進入している。
【0031】
候補経路602は、近傍車両606を二車線道路の右側車線に置くものであり、自律車両200が左側車線に留まると仮定すると、自律車両200の予定経路と交差しない。したがって、近傍車両506に関連する距離や、速度、減速度、方向を決定せずに、候補経路602に対して自律車両200の予定経路よりも低い優先度を割り当てることができる。
【0032】
候補経路604は、近傍車両606が、交差点600に合流する間に右側車線を横切って道路の左側車線に進入し、可能性としては自律車両200の正面に入り込むという軌跡を含んでいる。予定経路との交差の可能性は、候補経路604に対してより高い優先度を割り当てる要因となる。更に、候補経路602に対する方向であって、候補経路602を辿ることが困難な、すなわち候補経路602を辿るためには近傍車両606が鋭角的な進路変更を行うことが必要とされるような方向にあると近傍車両606が認識される場合は、候補経路604に対してより高い優先度を与えることができ、自律車両200は、自律車両200を減速させて、近傍車両606が交差点600に進入することを可能にするために、1つ以上の車両システム118に対して命令を送信することができる。
【0033】
図7は、自動運転システムによって実施される交差点での優先度を検出して応答するプロセス700の論理フローチャートである。プロセス700のステップ702において、自動運転システムは、知覚システム116を使用して、交差点300、400、500、又は600のような交差点に近接した近傍車両306、406、506、又は606のような近傍車両を検出することができる。交差点は、知覚システム116、又は自律車両200の自動運転システムが利用可能な地図のいずれかを使用して検出された、環状交差点、合流車線、又は少なくとも2本の道路間の接合部とすることができる。近傍車両は、例えば画像内で、又は自律車両200に設けられた種々のセンサ202によって捕捉されたLIDARやレーダの反射信号を使用して、検出される。
【0034】
プロセス700のステップ704において、自動運転システムは、候補経路302、304、402、404、502、504、602、604のような、近傍車両が交差点を通過するための2本以上の候補経路を特定することができる。2本以上の候補経路は、例えば、交差点の車線構造に基づいて特定することができる。また2本以上の候補経路は、交差点の交通規則に基づいて特定することもできる。例えば、
図5に示された近傍車両506は、左側車線に位置し、かつ交差点500に2本の車線を有する交差する道路が存在することを考慮すると、2本の候補経路502、504を有する。
【0035】
プロセス700のステップ706において、自動運転システムは、近傍車両の位置及び方向の少なくとも一方に基づいて、2本以上の候補経路の各々に対する経路優先度を決定することができる。近傍車両の位置及び方向は、自律車両200に関して測定することができる。例えば、近傍車両と自律車両200との間の距離は、位置に基づいた測定値である。また近傍車両の位置及び方向は、近傍車両の交差点を通る2本以上の候補経路に関して測定することもできる。例えば、近傍車両が候補経路の1つを辿ることが困難な方向に進行している場合には、その候補経路に関する近傍車両の方向に基づいて、その候補経路に低い優先度を与えることができる。
【0036】
また近傍車両の2本以上の候補経路の各々に対する経路優先度は、近傍車両の速度、加速度、及び/又は、減速度に基づくことができる。例えば、
図4の近傍車両406が減速している場合には、近傍車両406が右折する可能性がより高いため、候補経路404の経路優先度を高くすることができ、候補経路402の経路優先度を低くすることができる。また候補経路は、例えば、候補経路が自律車両200の予定経路と交差しない場合には、低い経路優先度を与えることもできる。最後に、候補経路の経路優先度は、交差点の1つ以上の交通規則に基づくことができる。例えば、
図6における近傍車両606の候補経路604の経路優先度は、既に道路上に存在する走行車に対して合流車は譲歩するはずなので、自律車両200の予定経路の優先度よりも一般的に低い。
【0037】
プロセス700のステップ708において、自動運転システムは、交差点を通過する自律車両200の予定経路の経路優先度を決定することができる。この場合、予定経路は自律車両200に対して既に知られていることから、予定経路の経路優先度を近傍車両の各候補経路の経路優先度と比較するときに、経路優先度は交差点の1つ以上の交通規則に基づくことができる。
【0038】
判断ブロック710において、自動運転システムは、近傍車両の少なくとも1つの候補経路の経路優先度が、自律車両200の予定経路の経路優先度よりも高いか否かを判断することができる。各候補経路に対応する各経路優先度のいずれかが、予定経路の経路優先度よりも高い場合には、プロセス700はステップ712に進み、自動運転システムは、自律車両200よりも前に近傍車両が交差点を通り抜けることができるように、自律車両200の1つ以上の車両システム118に対して命令を送信することができる。ステップ712の後、プロセス700はステップ702に戻ると共に、自動運転システムは再び交差点における1台以上の近傍車両を検出する。
【0039】
近傍車両の全候補経路の全経路優先度が、予定経路の経路優先度よりも低い場合には、プロセス700はステップ714に進み、自動運転システムは、近傍車両よりも前に交差点を通過して自律車両200を走行させるように、1つ以上の車両システム118に対して命令を送信することができる。ステップ714の後、プロセス700は終了する。
【0040】
上述の説明は、現在において最も実用的な実施例であると考えられるものに関している。但し、開示内容は、これらの実施例に限定されるのではなく、逆に、添付の各請求項の精神および有効範囲内に含まれる種々の改変および等価的配置構成を包含することが意図されることは理解されるべきである。各請求項の有効範囲は、法律に基づいて許容される斯かる改変および等価的構造の全てを包含すべく、最も広範囲な解釈に従うものとする。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[15]に記載する。
[1]
自律車両に設けられた知覚システムと、
前記知覚システムと通信するコンピュータデバイスと、
を備える自動運転システムであって、
前記コンピュータデバイスは、
前記コンピュータデバイスの動作を制御する1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサによって使用されるデータ及びプログラム命令を記憶するためのメモリと、
を備え、
前記1つ以上のプロセッサは、前記メモリ内に記憶された命令を実行して、
前記知覚システムを用いて交差点に近接する近傍車両を検出し、
前記近傍車両用の前記交差点を通る2本以上の候補経路を特定し、
前記近傍車両の位置及び方向の少なくとも一方に基づいて、前記2本以上の候補経路の各経路優先度を決定し、
前記自律車両用の前記交差点を通る予定経路の経路優先度を決定し、
前記候補経路のうちの少なくとも1つの経路優先度が前記予定経路の経路優先度よりも高いときは、前記自律車両よりも先に前記近傍車両が前記交差点を通り抜けることを許可するように構成された1つ以上の車両システムに対して命令を送信する、
ように構成される自動運転システム。
[2]
前記交差点は、環状交差点、合流車線、及び少なくとも2本の道路の接合部のうちの1つである、
項目1に記載の自動運転システム。
[3]
前記2本以上の候補経路は、前記交差点の車線構造、及び前記交差点に対する1つ以上の交通規則の少なくとも一方に基づいて特定される、
項目1に記載の自動運転システム。
[4]
前記近傍車両の位置及び方向は、前記自律車両に対するものである、
項目1に記載の自動運転システム。
[5]
前記近傍車両の位置及び方向は、前記近傍車両の前記交差点を通る前記2本以上の候補経路に対するものである、
項目1に記載の自動運転システム。
[6]
前記2本以上の候補経路の経路優先度は更に、前記近傍車両の速度、加速度、及び減速度の少なくとも1つに基づいている、
項目1に記載の自動運転システム。
[7]
前記予定経路の経路優先度、及び前記2本以上の候補経路の経路優先度は更に、前記交差点に対する1つ以上の交通規則に基づいている、
項目1に記載の自動運転システム。
[8]
前記1つ以上のプロセッサは更に、
前記2本以上の候補経路の各経路優先度が前記予定経路の経路優先度よりも低いときは、1つ以上の車両システムに対して命令を送信し、前記近傍車両よりも先に前記交差点を通して前記自律車両を走行させるように構成される、
項目1に記載の自動運転システム。
[9]
自律車両に設けられた知覚システムを用いて、交差点に近接する近傍車両を検出することと、
前記近傍車両の前記交差点を通る2本以上の候補経路を特定することと、
前記近傍車両の位置及び方向の少なくとも一方に基づいて、前記2本以上の候補経路の各経路優先度を決定することと、
前記自律車両の前記交差点を通る予定経路の経路優先度を決定することと、
前記候補経路のうちの少なくとも1つの経路優先度が、前記予定経路の前記経路優先度よりも高いときは、前記自律車両よりも先に前記近傍車両が前記交差点を通り抜けることを許可するように構成された1つ以上の車両システムに対して命令を送信することと、
を備える、コンピュータで実施される自動運転方法。
[10]
前記近傍車両の位置及び方向は、前記自律車両に対するものである、
項目9に記載の方法。
[11]
前記近傍車両の位置及び方向は、前記近傍車両用の前記交差点を通る前記2本以上の候補経路に対するものである、
項目9に記載の方法。
[12]
前記2本以上の候補経路の各経路優先度は更に、前記近傍車両の速度、加速度、及び減速度の少なくとも1つに基づいている、
項目9に記載の方法。
[13]
前記予定経路の経路優先度、及び前記2本以上の候補経路の各経路優先度は更に、前記交差点の1つ以上の交通規則に基づいている、
項目9に記載の方法。
[14]
前記2本以上の候補経路の各経路優先度が前記予定経路の経路優先度よりも低いときは、前記近傍車両よりも先に前記交差点を通して前記自律車両を走行させるように1つ以上の車両システムに対して命令を送信すること、
を更に備える請求項9に記載の方法。
[15]
コンピュータデバイスの動作を制御する1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサによって使用されるデータ及びプログラム命令を記憶するためのメモリと、
を備えるコンピュータデバイスであって、
前記1つ以上のプロセッサは、前記メモリ内に記憶された命令を実行して、
自律車両に設けられた知覚システムを用いて交差点に近接する近傍車両を検出し、
前記近傍車両用の前記交差点を通る2本以上の候補経路の経路優先度を決定し、
前記自律車両用の前記交差点を通る予定経路の経路優先度を決定し、
前記候補経路のうちの少なくとも1つの経路優先度が、前記予定経路の前記経路優先度よりも高いときは、前記自律車両よりも先に前記近傍車両が前記交差点を通り抜けることを許可するように構成された1つ以上の車両システムに対して命令を送信する、
ように構成されるコンピュータデバイス。