【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの問題のうちの1以上を解決するために、本発明の第1の態様において、パーソナルケアデバイスのためのアタッチメントが提示され、アタッチメントは、
− 処置動作(treatment action)を実行する少なくとも1つの処置部材と、
− アタッチメントをパーソナルケアデバイスの主ハウジングの連結構造に解放可能に連結する連結部材とを含み、
− 連結部材は、
− シャフト状要素を含み、
− 周面と、中心軸とを有し、
− 少なくとも1つの処置部材から離れる方向にアタッチメントから突出し、
− 少なくとも中心軸に対して垂直なシャフト状要素の断面において見られるときに凸状である周面の部分に配置される少なくとも1つの連結凹部を含み、
− 少なくとも1つの連結凹部は、中心軸に対して垂直なシャフト状要素の断面において見られるときに、中央部分と、第1の側方部分及び第2の側方部分とを有し、第1の側方部分及び第2の側方部分は、中央部分の両側に配置され、各々が中央部分から連結凹部の端点まで延び、
− 少なくとも1つの連結凹部は、少なくとも中央部分に配置される傾斜面を含み、傾斜面は、周面から中心軸に向かう方向において見られるときに、処置部材に向かって傾斜させられ、
− 連結凹部の第1及び第2の側方部分の少なくとも一方は、中心軸と平行な方向において見られるときに、傾斜面に対して凹まされている。
【0007】
「傾斜面(sloped surface)」は、好ましくは、シャフト状要素の中心軸に対して傾斜させられて或いはシャフト状要素の中心軸に対する湾曲を備えて配置される表面を意味する。以下で更に詳細に説明するように、傾斜面と連結構造の少なくとも1つのバネ要素との間の係合は、それがバネ要素のバネ力成分に連結部材を連結構造の保持凹部内で固定位置に保持させるような係合でなければならない。結果として、解放可能な連結が得られる。バネ要素と係合する表面が傾斜しているという事実は、アタッチメントを主ハウジングの連結構造から解放するために、好ましくはシャフト状要素の中心軸と平行な引張力がアタッチメントに対して加えられるときに、バネ要素が凹部から外れることを可能にする。そのような引張力は、バネ要素の変形の下でバネ要素を傾斜面から滑らせる(glide off)。この種類の締結機構は、典型的には、図からより明確に見られるように、スナップ接続(snap connection)と呼ばれる。
【0008】
望ましいならば、連結凹部は、互いに隣り合って配置される2つの傾斜面のような、1つよりも多くの傾斜面を含むことができる。
【0009】
連結凹部に関する「中央部分(central portion)」は、好ましくは、シャフト状要素の周面と、連結凹部の最も内側の縁、即ち、中心軸に最も近い縁との間の距離が、シャフト状要素の周面の凸状の形状、即ち、連結凹部がその最大の深さを有する連結凹部の中央付近の領域の結果として、最大であることを意味する。対称的な形状の凹部について、これは結合凹部の対称軸の周りの領域である。
【0010】
「連結凹部の第1及び第2の側方部分の少なくとも一方が、中心軸に平行な方向において見られるときに傾斜面に対して凹まされている」という構成は、傾斜面に対する第1及び/又は第2の側方部分の凹部が、中心軸と平行な方向において見られるときに、連結凹部がこれらの側方部分で並びに処置部材から見て外方を向く凹部の端付近の位置でシャフト状要素の表面によって制限されないよう、シャフト状要素の下端に延びる、実施形態も含む。そのような実施形態の例は、
図8d、
図8e、及び
図8fに示されている。
【0011】
傾斜面は、シャフト状要素の周面に対して凹まされている、即ち、シャフト状要素の中心軸から周面に向かう方向において見られるときに、傾斜面は、周面まで完全に延びなくてよい。そのような凹んだ傾斜面の可能な目的は、バネ要素との係合によって引き起こされる損傷を受けにくい傾斜面の最も外側の縁を得ることである。そのような凹んだ傾斜面の他の可能な目的は、使用者にデバイスの所望の使い易さをもたらすために、アタッチメントを取り付ける或いは取り外すために加えられる力に影響を与えることであり得る。以下に記載する特定のパラメータも考慮に入れて、少なくとも1つの連結凹部の正確な形状を設計プロセス中に決定することができる。
【0012】
中心軸と平行な方向に見られるときに、連結凹部の第1及び第2の側方凹部の少なくとも一方を傾斜面に対して凹んだ位置に配置することによって、アタッチメントの連結状態において、側方部分の少なくとも一方は、主ハウジングの連結構造のバネ要素と係合しない。結果として、斜面、及び特に連結凹部がその最大の深さを有する中央部分は、偏心引張力(中心から外れた引張力)の場合に、バネ要素との係合においてより支配的な役割を演じる。具体的には、連結凹部の第1及び第2の側方凹部の少なくとも一方の凹んだ位置によって、既知のデバイスの傾斜面の狭い側方部分を介したバネ要素の不利な滑りが、凹んだ側方部分の場所で防止される。
【0013】
連結凹部の中央部分は、シャフト状要素の中心軸に対する径方向における連結凹部の深さが最大である、即ち、アタッチメントを解放するためにバネ要素が前記径方向において変形しなければならない距離が最大である、連結凹部の部分である。連結凹部の中央部分の最大の深さに加えて、結果として得られる保持力は、本発明に従った連結凹部の幾何学的形状によってより明確な方法において制御され、それは既存の解決策に比べてより高い保持力ももたらす。連結凹部の中央部分の傾斜面は、主ハウジングの連結構造のバネ要素との係合において支配的な役割を演じるので、上述のように、意図されない解放に対する抵抗は最大である。
【0014】
本発明の好ましい実施形態において、傾斜面は、傾斜面が傾斜面に対して凹められた第1及び第2の側方部分のそれぞれ1つと接する各場所で、縁(エッジ)によって境界付けられ、縁は、周面から見られるときに内向きに向けられる。「内向きに(inwardly)」は、好ましくは、シャフト状要素の中央領域に向かう方向を意味し、中央領域は、中心軸を含む。この実施形態において、凹まされた側方部分は、傾斜面に対して段(ステップ)を設けることによって、即ち、側面を下げることによって、縁から開始する側面を除去することによって、或いは縁から開始する側面を回転させることによって、作られてよい。
【0015】
本発明のある実施形態において、少なくとも1つの連結凹部は、シャフト状要素の中心軸を含む仮想対称平面に対して対称的に形作られ、第1及び第2の側方部分は、中心軸と平行な方向において見られるときに、両方とも、傾斜面に対して凹まされている。この実施形態において、傾斜面は、対称軸に対して中心的に配置される。結果的に、引張力がどの位置で適用されても、アタッチメントの意図されない解放に対する最大の可能な抵抗が得られる。アタッチメント及びパーソナルケアデバイスの協働する主ハウジングの幾つかの設計について、意図されない偏心した引張力が、アタッチメントの他の側よりもアタッチメントの一方の側で加えられる可能性がより高い。そのような場合には、傾斜面が連結凹部の対称軸から偏心して(外されて)配置された設計を使用することがより有利なことがある。
【0016】
対称的な形状の連結凹部を有する実施形態において、傾斜面は、傾斜面が第1の凹まされた側方部分と接する場所で第1の縁によって境界付けられてよく、傾斜面が第2の凹まされた側方部分と接する場所で第2の縁によって境界付けられてよく、第1及び第2の縁は、前記周面から見られるときに内向きに方向付けられてよい。
【0017】
そのような内向きの第1及び第2の縁は、互いに平行に延びてよい。そのような実施形態において、傾斜面は、第1及び第2の縁によって境界付けられたリブ形状の中央支持部材の頂面を形成してよい。
【0018】
代替的に、第1及び第2の縁は、互いに非平行に延びてよく、シャフト状要素の周面でのような、シャフト状要素の周面の付近で、最小の相互距離を有してよい。代替的に、第1及び第2の縁は、互いに非平行に延びてよく、シャフト状要素の周面でのような、シャフト状要素の周面の付近で、最大の相互距離を有してよい。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態において、傾斜面は、平面的である。代替的に、傾斜面は、湾曲してよい。本発明は、傾斜面のある部分が平面的であり、傾斜面の他の部分が曲面である、実施形態もカバーする。
【0020】
上述のように、傾斜面が、傾斜面が傾斜面に対して凹まされた第1及び第2の側方部分のそれぞれ1つと接する各場所で、縁によって境界付けられる、実施形態では、縁の長手方向延伸に対して垂直な断面において見られるときに、縁は、長手方向延伸の少なくとも一部に沿って、0〜1mm又は1〜2mm、好ましくは0.1〜0.5mmのような、0〜5mmの曲率半径を有してよい。
【0021】
本発明の好ましい実施形態において、シャフト状要素は、2つの連結凹部を含み、各連結凹部は、中心軸に対して互いに反対のシャフト状要素の周面の領域に配置された、本発明に従った特徴的な構成を有する。これは、本発明に従ったアタッチメントを、国際公開第2008/062338号に開示されているシェービングデバイスのようなパーソナルケアデバイスにおいて使用することできることを意味する。互いに対向する位置に2つの連結凹部を有することによって、特に回転運動を伴う処置動作を実行するアタッチメントを備えるパーソナルケアデバイスについて、主ハウジング上へのアタッチメントのより安定的な取付けが保証される。更に、互いに対向する位置にある2つの連結凹部は、図に示すような単一のバネ要素2つの腕部若しくは脚部、又は2つの関連付けられたバネ要素の使用を意味する。これは、アタッチメントを解放する所要の引張力と保持力との間のより効率的な関係をもたらす。相互に対向する位置にある2つの連結凹部を有する実施形態において、2つの連結凹部は同一であっても異なってもよい。これはアタッチメントの設計プロセスの一部として決定されてよい。
【0022】
本発明の幾つかの実施形態において、アタッチメントは、パーソナルケアデバイスに連結されるときに、専ら連結部材によって支持される。結果的に、例えば、パーソナルケアデバイスが床に落ちることに起因して、大きな外的荷重がアタッチメントに加えられる場合には、連結部材が連結構造から解放されるので、アタッチメント又は処置部材に対する損傷は限定的であることが保証される。これは
図4に関連して更に詳細に説明される。
【0023】
上述のような、専ら連結部材によって支持されるアタッチメントでは、カラー(鍔)(collar)がシャフト状要素の周りに設けられてよい。そのようなカラーは、典型的には、連結部材のシャフト状部材を受け入れる連結構造の保持凹部の周の周りに設けられる縁に当接するために配置される。カラーを設けることによって、連結部材、よって、アタッチメント全体が、保持凹部内の所望の位置において保持されることが保証される。何故ならば、連結凹部の傾斜面にある連結構造のバネ要素によって提供されるバネ力は、連結部材をベース部に向かって引っ張るからである。これは
図4に関してより明確に見られる。
【0024】
第2の態様において、本発明は、
− 上述のような本発明の第1の態様の実施形態のうちの任意の1つに従ったアタッチメントと、
− アタッチメントの連結部材との解放可能な連結のための連結構造を含む主ハウジングと、
− アタッチメントの少なくとも1つの処置部材を駆動させる駆動シャフトと、
− 駆動シャフトを駆動させる駆動手段とを含み、
連結構造は、
− 連結部材のシャフト状要素を受け入れる保持凹部と、
− アタッチメントと主ハウジングとの間の解放可能な連結を達成するシャフト状要素の少なくとも1つの連結凹部の傾斜面との係合のための少なくとも1つのバネ要素とを含む。駆動シャフトは、シャフト状要素を通じてアタッチメントとパーソナルケアデバイスの駆動手段との間に延在してよい。そのような駆動手段は、典型的には、再充電可能なバッテリのようなバッテリによって駆動される或いは電気幹線(electrical mains)に接続される又は接続可能である、モータを含む。
【0025】
一般的に、本発明の様々な態様は、本発明の範囲内で如何様にも可能な方法で組み合わせられてよい。本発明のこれら及び他の態様、構成及び/又は利点は、以下に記載する実施形態から明らかであり、それらを参照して解明されるであろう。
【0026】
添付の図面を参照して、ほんの一例として、本発明の実施形態を記載する。