特許第6595727号(P6595727)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6595727パーソナルケアデバイス用のアタッチメント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595727
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】パーソナルケアデバイス用のアタッチメント
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/38 20060101AFI20191010BHJP
【FI】
   B26B19/38 Z
   B26B19/38 A
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-562257(P2018-562257)
(86)(22)【出願日】2017年5月26日
(65)【公表番号】特表2019-517867(P2019-517867A)
(43)【公表日】2019年6月27日
(86)【国際出願番号】EP2017062768
(87)【国際公開番号】WO2017207437
(87)【国際公開日】20171207
【審査請求日】2018年11月27日
(31)【優先権主張番号】16172238.4
(32)【優先日】2016年5月31日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ストルール,ヤルノ
(72)【発明者】
【氏名】ファン トール,ヨハンネス ヘンドリキュス
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0089814(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0192436(US,A1)
【文献】 特表2016−518953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケアデバイスのためのアタッチメントであって、
当該パーソナルケアデバイスの処置動作を実行する少なくとも1つの処置部材と、
バネ要素を介して当該アタッチメントを前記パーソナルケアデバイスの主ハウジングの連結構造に解放可能に連結する連結部材とを含み、
− 該連結部材はシャフト状要素を含み、該シャフト状要素は、
− 周面と、中心軸とを有し、
− 前記少なくとも1つの処置部材から離れる方向に当該アタッチメントから突出し、且つ
− 少なくとも前記中心軸に対して垂直な前記シャフト状要素の断面において見られるとき前記周面の円弧の部分に配置される少なくとも1つの連結凹部を含み、
− 該少なくとも1つの連結凹部は、前記中心軸に対して垂直な前記シャフト状要素の断面において見られるときに、中央部分と、該中央部分の両側に配置され、各々が前記中央部分から前記連結凹部の端点まで延びる、第1の側方部分及び第2の側方部分とを有し、
− 前記少なくとも1つの連結凹部は、少なくとも前記中央部分に配置される傾斜面を含み、該傾斜面は、前記周面から前記中心軸に向かう方向において見られるときに、前記処置部材に向かって傾斜させられ、
− 前記連結凹部の前記第1及び第2の側方部分の少なくとも一方は、前記中心軸と平行な方向において見られるときに、前記傾斜面に対して凹まされ、前記第1の側方部分及び前記第2の側方部分の少なくとも一方は、前記連結構造と前記連結部材の連結状態において前記バネ要素と係合しない
アタッチメント。
【請求項2】
前記傾斜面は、前記傾斜面が、前記傾斜面に対して凹まされる前記第1及び第2の側方部分のそれぞれ1つと接するそれぞれの場所で、縁によって境界付けられ、該縁は、前記周面から見られるときに、内向きに方向付けられる、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記少なくとも1つの連結凹部は、前記シャフト状要素の前記中心軸を含む仮想対称平面に対して対称的に形作られ、前記第1及び第2の側方部分は、前記中心軸と平行な方向において見られるときに、両方とも、前記傾斜面に対して凹まされている、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記傾斜面は、前記傾斜面が前記凹まされた第1の側方部分と接する場所で第1の縁によって境界付けられ、前記傾斜面が前記凹まされた第2の側方部分と接する場所で第2の縁によって境界付けられ、前記第1及び第2の縁は、前記周面から見られるときに内向きに方向付けられる、請求項3に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記第1及び第2の縁は、互いに平行に延びる、請求項4に記載のアタッチメント。
【請求項6】
前記傾斜面は、前記第1及び第2の縁によって境界付けられるリブ形状の中央支持要素の頂面を形成する、請求項5に記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記第1及び第2の縁は、互いに非平行に延び、前記シャフト状要素の前記周面の近くで最小の相互距離を有する、請求項4に記載のアタッチメント。
【請求項8】
前記第1及び第2の縁は、互いに非平行に延び、前記シャフト状要素の前記周面の近くで最大の相互距離を有する、請求項4に記載のアタッチメント。
【請求項9】
前記傾斜面は、平面的である、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項10】
前記縁の長手方向延伸に対して垂直な断面において見られるときに、前記縁は、前記長手方向延伸の少なくとも一部に沿って、0〜1mm1〜2mm0.1〜0.5mm、又は0〜5mmの曲率半径を有する、請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項11】
前記シャフト状要素は、前記中心軸に対して相互に反対である前記シャフト状要素の前記周面の領域に配置される2つの連結凹部を含む、請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項12】
当該アタッチメントは、前記パーソナルケアデバイスに連結されるときに、専ら前記連結部材によって支持される、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項13】
カラーが前記シャフト状要素の周りに設けられる、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項14】
− 請求項1乃至13のうちのいずれか1項に記載のアタッチメントと、
− 前記アタッチメントの前記連結部材と解放可能に連結する連結構造を含む主ハウジングと、
− 前記アタッチメントの前記少なくとも1つの処置部材を駆動させる駆動シャフトと、
− 該駆動シャフトを駆動させる駆動手段とを含み、
前記連結構造は、
− 前記連結部材の前記シャフト状要素を受け入れる保持凹部と、
− 前記アタッチメントと前記主ハウジングとの間の解放可能な連結を構築する、前記シャフト状要素の前記少なくとも1つの連結凹部の前記傾斜面との係合のための、少なくとも1つのバネ要素とを含む、
パーソナルケアデバイス。
【請求項15】
前記駆動シャフトは、前記シャフト状要素を通じて、前記駆動手段と前記アタッチメントとの間に延びる、請求項14に記載のパーソナルケアデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケアデバイス(personal care device)用のアタッチメント(attachment)に関し、特にパーソナルケアデバイスの主ハウジングの連結構造に解放可能に連結することができるアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
解放可能に取り付けられるアタッチメントを含むパーソナルケアデバイスは、シェーバ、トリマ、及びマッサージャを含む。そのようなデバイスでは、パーソナルケアデバイスの機能性を変更するために、例えば、アタッチメントを外して、異なるアタッチメントと交換することができる。そのようなデバイスについては、使用者がアタッチメントをパーソナルケアデバイスの主ハウジング又はベース部に容易に取り付け得ること及びそこから容易に外し得ることを保証することが重要である。同時に、デバイスは、アタッチメントが緩く取り付けられることで、デバイスの使用中にアタッチメントが意図せずに外れ得ることがないように、或いは、アタッチメントが堅く取り付けられることで、過負荷力の場合に、例えば、デバイスの不注意の落下の場合に、アタッチメントが損傷し得ることがないように、設計されなければならない。
【0003】
国際公開第2008/062339号は、シェービングヘッドが、以前から知られているシェーバよりも、過負荷力の場合に損傷に対してより効果的に保護されるような方法において解放可能に取り付けられることを保証する、シェービングヘッドのための支持構造を備える回転シェーバを開示している。この特許出願に開示されているようなシェービングヘッドは、シェーバのベース部の保持凹部に保持されるべきシャフト状要素を含む。解放可能な連結は、保持凹部に配置されるバネ要素とシャフト状要素の周面に設けられる2つの連結凹部の傾斜面との間に確立される。この種のアタッチメントを用いるならば、シャフト状要素の中心軸から偏心したアタッチメント上での場所で引張力の適用は、場合によっては、特に使用中に、アタッチメントが保持凹部から意図せずに外れることを引き起こす。これは、そのような偏心した引張力が、シャフト状要素の中心軸を通じて延び且つバネ要素の2つの脚部と実質的に平行な仮想平面上の位置で適用されるならば、特に当て嵌まる。そのような引張力は、アタッチメント全体の傾きをもたらし、それは、バネ要素の脚部が、連結凹部の深さがシャフト状要素の周面の凸形状の結果として比較的小さい傾斜面の側方部分で、傾斜面を滑り始めるようにさせ、傾斜面と周面との間の縁を介して更に滑るようにさせる。意図された中央の引張力の場合、即ち、シャフト状要素の中心軸の場所で中心軸と平行に加えられる引張力の場合、バネ要素の脚部の滑りは、連結凹部の傾斜面全体に亘ってより均一であるので、連結凹部が最大の深さを有する傾斜面の中央部分は、バネ要素の脚部の滑りに対する抵抗に十分に寄与する。よって、偏心した引張力の場合には、アタッチメントをベース部から過度に容易に、即ち、過度に小さい力で外すことができる。これは図面に関して更に詳細に説明される。
【0004】
よって、本発明の発明者は、シェーバのようなパーソナルケアデバイスのための改良されたアタッチメントが有益であることを理解し、結果的に本発明を考案した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
デバイスの主ハウジング又はベース部からのアタッチメントの意図されない解放のリスクが既知のデバイスよりも低いパーソナルケアデバイスのためのアタッチメントを達成することが有利である。更に、意図される中央引張力(central pulling-off force)によるアタッチメントの取外しが有意に影響されないようなアタッチメントを達成することが有利である。特に、これらの利点の両方を組み合わせにおいて得ることができるアタッチメントを達成することが有利である。一般的に、本発明は、好ましくは、既知のデバイスの上述の不利点のうちの1以上(1つ又はそれよりも多く)を単独で又は任意の組み合わせにおいて緩和し、軽減し、或いは排除することを探究する。特に、先行技術デバイスの上述の問題又は他の問題を解決するパーソナルケアデバイスのためのアタッチメントを提供することが本発明の目的として見られてよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの問題のうちの1以上を解決するために、本発明の第1の態様において、パーソナルケアデバイスのためのアタッチメントが提示され、アタッチメントは、
− 処置動作(treatment action)を実行する少なくとも1つの処置部材と、
− アタッチメントをパーソナルケアデバイスの主ハウジングの連結構造に解放可能に連結する連結部材とを含み、
− 連結部材は、
− シャフト状要素を含み、
− 周面と、中心軸とを有し、
− 少なくとも1つの処置部材から離れる方向にアタッチメントから突出し、
− 少なくとも中心軸に対して垂直なシャフト状要素の断面において見られるときに凸状である周面の部分に配置される少なくとも1つの連結凹部を含み、
− 少なくとも1つの連結凹部は、中心軸に対して垂直なシャフト状要素の断面において見られるときに、中央部分と、第1の側方部分及び第2の側方部分とを有し、第1の側方部分及び第2の側方部分は、中央部分の両側に配置され、各々が中央部分から連結凹部の端点まで延び、
− 少なくとも1つの連結凹部は、少なくとも中央部分に配置される傾斜面を含み、傾斜面は、周面から中心軸に向かう方向において見られるときに、処置部材に向かって傾斜させられ、
− 連結凹部の第1及び第2の側方部分の少なくとも一方は、中心軸と平行な方向において見られるときに、傾斜面に対して凹まされている。
【0007】
「傾斜面(sloped surface)」は、好ましくは、シャフト状要素の中心軸に対して傾斜させられて或いはシャフト状要素の中心軸に対する湾曲を備えて配置される表面を意味する。以下で更に詳細に説明するように、傾斜面と連結構造の少なくとも1つのバネ要素との間の係合は、それがバネ要素のバネ力成分に連結部材を連結構造の保持凹部内で固定位置に保持させるような係合でなければならない。結果として、解放可能な連結が得られる。バネ要素と係合する表面が傾斜しているという事実は、アタッチメントを主ハウジングの連結構造から解放するために、好ましくはシャフト状要素の中心軸と平行な引張力がアタッチメントに対して加えられるときに、バネ要素が凹部から外れることを可能にする。そのような引張力は、バネ要素の変形の下でバネ要素を傾斜面から滑らせる(glide off)。この種類の締結機構は、典型的には、図からより明確に見られるように、スナップ接続(snap connection)と呼ばれる。
【0008】
望ましいならば、連結凹部は、互いに隣り合って配置される2つの傾斜面のような、1つよりも多くの傾斜面を含むことができる。
【0009】
連結凹部に関する「中央部分(central portion)」は、好ましくは、シャフト状要素の周面と、連結凹部の最も内側の縁、即ち、中心軸に最も近い縁との間の距離が、シャフト状要素の周面の凸状の形状、即ち、連結凹部がその最大の深さを有する連結凹部の中央付近の領域の結果として、最大であることを意味する。対称的な形状の凹部について、これは結合凹部の対称軸の周りの領域である。
【0010】
「連結凹部の第1及び第2の側方部分の少なくとも一方が、中心軸に平行な方向において見られるときに傾斜面に対して凹まされている」という構成は、傾斜面に対する第1及び/又は第2の側方部分の凹部が、中心軸と平行な方向において見られるときに、連結凹部がこれらの側方部分で並びに処置部材から見て外方を向く凹部の端付近の位置でシャフト状要素の表面によって制限されないよう、シャフト状要素の下端に延びる、実施形態も含む。そのような実施形態の例は、図8d、図8e、及び図8fに示されている。
【0011】
傾斜面は、シャフト状要素の周面に対して凹まされている、即ち、シャフト状要素の中心軸から周面に向かう方向において見られるときに、傾斜面は、周面まで完全に延びなくてよい。そのような凹んだ傾斜面の可能な目的は、バネ要素との係合によって引き起こされる損傷を受けにくい傾斜面の最も外側の縁を得ることである。そのような凹んだ傾斜面の他の可能な目的は、使用者にデバイスの所望の使い易さをもたらすために、アタッチメントを取り付ける或いは取り外すために加えられる力に影響を与えることであり得る。以下に記載する特定のパラメータも考慮に入れて、少なくとも1つの連結凹部の正確な形状を設計プロセス中に決定することができる。
【0012】
中心軸と平行な方向に見られるときに、連結凹部の第1及び第2の側方凹部の少なくとも一方を傾斜面に対して凹んだ位置に配置することによって、アタッチメントの連結状態において、側方部分の少なくとも一方は、主ハウジングの連結構造のバネ要素と係合しない。結果として、斜面、及び特に連結凹部がその最大の深さを有する中央部分は、偏心引張力(中心から外れた引張力)の場合に、バネ要素との係合においてより支配的な役割を演じる。具体的には、連結凹部の第1及び第2の側方凹部の少なくとも一方の凹んだ位置によって、既知のデバイスの傾斜面の狭い側方部分を介したバネ要素の不利な滑りが、凹んだ側方部分の場所で防止される。
【0013】
連結凹部の中央部分は、シャフト状要素の中心軸に対する径方向における連結凹部の深さが最大である、即ち、アタッチメントを解放するためにバネ要素が前記径方向において変形しなければならない距離が最大である、連結凹部の部分である。連結凹部の中央部分の最大の深さに加えて、結果として得られる保持力は、本発明に従った連結凹部の幾何学的形状によってより明確な方法において制御され、それは既存の解決策に比べてより高い保持力ももたらす。連結凹部の中央部分の傾斜面は、主ハウジングの連結構造のバネ要素との係合において支配的な役割を演じるので、上述のように、意図されない解放に対する抵抗は最大である。
【0014】
本発明の好ましい実施形態において、傾斜面は、傾斜面が傾斜面に対して凹められた第1及び第2の側方部分のそれぞれ1つと接する各場所で、縁(エッジ)によって境界付けられ、縁は、周面から見られるときに内向きに向けられる。「内向きに(inwardly)」は、好ましくは、シャフト状要素の中央領域に向かう方向を意味し、中央領域は、中心軸を含む。この実施形態において、凹まされた側方部分は、傾斜面に対して段(ステップ)を設けることによって、即ち、側面を下げることによって、縁から開始する側面を除去することによって、或いは縁から開始する側面を回転させることによって、作られてよい。
【0015】
本発明のある実施形態において、少なくとも1つの連結凹部は、シャフト状要素の中心軸を含む仮想対称平面に対して対称的に形作られ、第1及び第2の側方部分は、中心軸と平行な方向において見られるときに、両方とも、傾斜面に対して凹まされている。この実施形態において、傾斜面は、対称軸に対して中心的に配置される。結果的に、引張力がどの位置で適用されても、アタッチメントの意図されない解放に対する最大の可能な抵抗が得られる。アタッチメント及びパーソナルケアデバイスの協働する主ハウジングの幾つかの設計について、意図されない偏心した引張力が、アタッチメントの他の側よりもアタッチメントの一方の側で加えられる可能性がより高い。そのような場合には、傾斜面が連結凹部の対称軸から偏心して(外されて)配置された設計を使用することがより有利なことがある。
【0016】
対称的な形状の連結凹部を有する実施形態において、傾斜面は、傾斜面が第1の凹まされた側方部分と接する場所で第1の縁によって境界付けられてよく、傾斜面が第2の凹まされた側方部分と接する場所で第2の縁によって境界付けられてよく、第1及び第2の縁は、前記周面から見られるときに内向きに方向付けられてよい。
【0017】
そのような内向きの第1及び第2の縁は、互いに平行に延びてよい。そのような実施形態において、傾斜面は、第1及び第2の縁によって境界付けられたリブ形状の中央支持部材の頂面を形成してよい。
【0018】
代替的に、第1及び第2の縁は、互いに非平行に延びてよく、シャフト状要素の周面でのような、シャフト状要素の周面の付近で、最小の相互距離を有してよい。代替的に、第1及び第2の縁は、互いに非平行に延びてよく、シャフト状要素の周面でのような、シャフト状要素の周面の付近で、最大の相互距離を有してよい。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態において、傾斜面は、平面的である。代替的に、傾斜面は、湾曲してよい。本発明は、傾斜面のある部分が平面的であり、傾斜面の他の部分が曲面である、実施形態もカバーする。
【0020】
上述のように、傾斜面が、傾斜面が傾斜面に対して凹まされた第1及び第2の側方部分のそれぞれ1つと接する各場所で、縁によって境界付けられる、実施形態では、縁の長手方向延伸に対して垂直な断面において見られるときに、縁は、長手方向延伸の少なくとも一部に沿って、0〜1mm又は1〜2mm、好ましくは0.1〜0.5mmのような、0〜5mmの曲率半径を有してよい。
【0021】
本発明の好ましい実施形態において、シャフト状要素は、2つの連結凹部を含み、各連結凹部は、中心軸に対して互いに反対のシャフト状要素の周面の領域に配置された、本発明に従った特徴的な構成を有する。これは、本発明に従ったアタッチメントを、国際公開第2008/062338号に開示されているシェービングデバイスのようなパーソナルケアデバイスにおいて使用することできることを意味する。互いに対向する位置に2つの連結凹部を有することによって、特に回転運動を伴う処置動作を実行するアタッチメントを備えるパーソナルケアデバイスについて、主ハウジング上へのアタッチメントのより安定的な取付けが保証される。更に、互いに対向する位置にある2つの連結凹部は、図に示すような単一のバネ要素2つの腕部若しくは脚部、又は2つの関連付けられたバネ要素の使用を意味する。これは、アタッチメントを解放する所要の引張力と保持力との間のより効率的な関係をもたらす。相互に対向する位置にある2つの連結凹部を有する実施形態において、2つの連結凹部は同一であっても異なってもよい。これはアタッチメントの設計プロセスの一部として決定されてよい。
【0022】
本発明の幾つかの実施形態において、アタッチメントは、パーソナルケアデバイスに連結されるときに、専ら連結部材によって支持される。結果的に、例えば、パーソナルケアデバイスが床に落ちることに起因して、大きな外的荷重がアタッチメントに加えられる場合には、連結部材が連結構造から解放されるので、アタッチメント又は処置部材に対する損傷は限定的であることが保証される。これは図4に関連して更に詳細に説明される。
【0023】
上述のような、専ら連結部材によって支持されるアタッチメントでは、カラー(鍔)(collar)がシャフト状要素の周りに設けられてよい。そのようなカラーは、典型的には、連結部材のシャフト状部材を受け入れる連結構造の保持凹部の周の周りに設けられる縁に当接するために配置される。カラーを設けることによって、連結部材、よって、アタッチメント全体が、保持凹部内の所望の位置において保持されることが保証される。何故ならば、連結凹部の傾斜面にある連結構造のバネ要素によって提供されるバネ力は、連結部材をベース部に向かって引っ張るからである。これは図4に関してより明確に見られる。
【0024】
第2の態様において、本発明は、
− 上述のような本発明の第1の態様の実施形態のうちの任意の1つに従ったアタッチメントと、
− アタッチメントの連結部材との解放可能な連結のための連結構造を含む主ハウジングと、
− アタッチメントの少なくとも1つの処置部材を駆動させる駆動シャフトと、
− 駆動シャフトを駆動させる駆動手段とを含み、
連結構造は、
− 連結部材のシャフト状要素を受け入れる保持凹部と、
− アタッチメントと主ハウジングとの間の解放可能な連結を達成するシャフト状要素の少なくとも1つの連結凹部の傾斜面との係合のための少なくとも1つのバネ要素とを含む。駆動シャフトは、シャフト状要素を通じてアタッチメントとパーソナルケアデバイスの駆動手段との間に延在してよい。そのような駆動手段は、典型的には、再充電可能なバッテリのようなバッテリによって駆動される或いは電気幹線(electrical mains)に接続される又は接続可能である、モータを含む。
【0025】
一般的に、本発明の様々な態様は、本発明の範囲内で如何様にも可能な方法で組み合わせられてよい。本発明のこれら及び他の態様、構成及び/又は利点は、以下に記載する実施形態から明らかであり、それらを参照して解明されるであろう。
【0026】
添付の図面を参照して、ほんの一例として、本発明の実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】a)及びb)は、取り外し可能なアタッチメントを含む既知のパーソナルケアデバイスの三次元図を概略的に示している。
図2】a)及びb)は、図1のパーソナルケアデバイスのアタッチメント及びアタッチメントを解放可能に保持し得るパーソナルケアデバイスの主ハウジングの一部の三次元図を概略的に示している。
図3】a)及びb)は、図2のa)及びb)に示すアタッチメント及び主ハウジングの一部の断面図を概略的に示しており、a)は、アタッチメントの取り外された状態を示しており、b)は、アタッチメントの連結された状態を示している。
図4】a)は、他の既知の連結部材の側面図を示しており、b)は、連結された状態におけるa)に示す連結部材を含む既知のパーソナルケアデバイスの一部の断面図を概略的に示している。
図5】既知の連結部材に対して適用される偏心した引張力の効果のコンピュータシミュレーションを示している。
図6】本発明に従ったアタッチメントの実施形態の連結凹部を備える連結部材を概略的に示している。
図7図6に示す連結部材に対して適用される偏心した引張力の効果のコンピュータシミュレーションを示している。
図8a】本発明に従ったアタッチメントの様々な代替的な実施形態の連結凹部を備える連結部材を概略的に示している。
図8b】本発明に従ったアタッチメントの様々な代替的な実施形態の連結凹部を備える連結部材を概略的に示している。
図8c】本発明に従ったアタッチメントの様々な代替的な実施形態の連結凹部を備える連結部材を概略的に示している。
図8d】本発明に従ったアタッチメントの様々な代替的な実施形態の連結凹部を備える連結部材を概略的に示している。
図8e】本発明に従ったアタッチメントの様々な代替的な実施形態の連結凹部を備える連結部材を概略的に示している。
図8f】本発明に従ったアタッチメントの様々な代替的な実施形態の連結凹部を備える連結部材を概略的に示している。
図8g】本発明に従ったアタッチメントの様々な代替的な実施形態の連結凹部を備える連結部材を概略的に示している。
図9】湾曲した傾斜面を備える連結凹部の表面の可能な形状の例を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1a及びbは、取り外し可能なアタッチメント2(attachment)と、主ハウジング12(main housing)とを含む、既知のパーソナルケアデバイス1(personal care device)の三次元図を概略的に示している。これらの図及び後続の図に示すデバイスは電気トリマであるが、シェーバ及びマッサージデバイスのような他の種類のデバイスも本発明の対象である。
【0029】
図2a及びbは、図1a及びbのトリマで例示した主ハウジング12のベース部3とアタッチメント2との間の解放可能な連結の既知の設計の三次元図を概略的に示している。図2aは、アタッチメントを示しており、図2bは、アタッチメント2を保持する保持凹部4を含むベース部3の上部を示している。保持凹部4は、例示の実施形態では、バネ金属の曲げられた部品の形態にある、バネ要素5、即ち、2つの平行な脚部を有するU形状に曲げられたバネ要素を含む。代替的に、2つのバネ脚部を2つの個別のバネ要素として具現することができる。図2aに見ることができるように、アタッチメント2は、保持凹部4と係合して、保持凹部4によって受け入れられるように構成された、シャフト状要素6を含む。(図2aでは1つだけが見える)2つの連結凹部7が、シャフト状要素6の周面8に、即ち、シャフト状要素6の中心軸に対して互いに反対の位置に配置されている。
【0030】
図3a及びbは、シャフト状要素6の中心軸13を通じて延びる平面に沿う図a及び2bに示すような既知の解放可能な連結部(継手)(coupling)を断面図において概略的に示している。図3aは、解放状態におけるアタッチメント2を示しており、図3bは、パーソナルケアデバイス1の主ハウジング12のベース部3に連結された状態のアタッチメント2を示している。アタッチメント2は、処置動作を実行する少なくとも1つの処置部材9を含む。そのような処置動作は、例えば、シェービングヘッドであってよく、そのような場合、アタッチメントは、シェービングヘッドであり、例えば、1以上の回転式シェービングユニットを含む。アタッチメントの他の可能な実施形態は、線形に移動するシェービング部材を備えるシェービングユニット、幾つかの実行におけるトリミングユニット、例えば顔洗浄のための、回転ブラシを備えるユニット、又は眼処置ユニットであり得る。アタッチメント2は、パーソナルケアデバイス1のベース部3の連結構造11によって解放可能に保持可能な連結部材10を更に含む。連結部材10は、周面8と中心軸13とを有するシャフト状要素6を含む。少なくとも1つの処置部材9を含むアタッチメント2の部分は、実行される処置動作に少なくとも部分的に依存する任意の形状を有してよい。図1a乃至3bに示す形状は、概略図であるに過ぎない。シャフト状要素6は、アタッチメント2の連結状態において連結構造に面して、アタッチメント2の表面14から突出するので、シャフト状要素6は、連結構造11と係合させられることができる。換言すれば、シャフト状要素6は、少なくとも1つの処置部材9から離れる方向にアタッチメント2から突出するので、シャフト状要素6は、アタッチメント2上である向きを有し、それはシャフト状要素6が連結構造11の保持凹部4によって収容されるように構成されることを保証する。
【0031】
図3a及び3b並びに後続の図の実施形態において、シャフト状要素6は、シャフト状要素6の中心軸13に対して互いに反対側にあるシャフト状要素6の周面8の領域に配置された、2つの連結凹部7を含む。2つの連結凹部7のこの構成は、例えば、国際公開第2008/062339号に開示されるような、ベース部を備える主ハウジングを有するパーソナルケアデバイスにおけるアタッチメント2の使用を可能にする。代替的な設計は、シャフト状要素の周面の一方の側に1つの連結凹部だけを有する設計である。2つの連結凹部7は、それぞれ、傾斜面15を含み、傾斜面15は、周面8から中心軸13に向かう方向に見られるとき、処置部材9に向かって傾斜させられている。2つの連結凹部7の傾斜面15は、連結構造11のバネ要素5の2つの脚部のそれぞれ1つと係合するように構成されるので、アタッチメント2は、パーソナルケアデバイス1の主ハウジング12の連結構造11の保持凹部4に解放可能に保持される。
【0032】
図4aは、他の既知の連結部材10の側面図を概略的に示しており、図4bは、パーソナルケアデバイスに連結された図4aに示す連結部材10を備える既知のパーソナルケアデバイスの主ハウジングの一部の断面図を概略的に示している。図4aは、連結部材10の下部が主ハウジングのベース部3の連結構造11のバネ要素5と係合しかけている状態の連結部材10を示している。アタッチメント2を主ハウジングに連結するために、アタッチメント2は、図4aに示す向きから開始して下向きに押し下げられる。結果的に、バネ要素5の脚部は、脚部がシャフト状要素6の周面8の最も広い部分を通過するまで、シャフト状要素6の底部分に設けられた更なる傾斜面との相互作用によって、径方向外向きに弾性的に曲げられる。そのときまでに、脚部は、図4bに示すように、スナップ締め式に2つの対向する連結凹部7と係合する。連結凹部7の傾斜面15は、好ましくは、シャフト状要素6の中心軸と整列させられた、アタッチメント2に対する引張力を適用することによって、アタッチメント2をバネ要素5の脚部との係合から解放することを可能にする。
【0033】
図4bに示すように、既知のパーソナルケアデバイスの主ハウジングに連結されるとき、アタッチメント2は、専ら連結部材10によって支持される。結果として、外部荷重がパーソナルケアデバイスのアタッチメント2に加えられるとき、その荷重は連結部材10に伝達される。連結状態において、アタッチメント2は、その外周の領域において支持されていないので、アタッチメント2の外周の領域は、外部荷重を主ハウジングのベース部3に移動させることに寄与しない。結果として、連結部材10が、専ら外部荷重をベース部3に伝達しなければならない。連結部材10は、アタッチメント2の比較的狭い中央領域に配置されるので、アタッチメント2の外周に加えられる外部荷重と関連付けられる機械的トルクは、連結部材10に対する比較的大きな力をもたらす。外部荷重が十分に大きいならば、連結部材10は連結構造11から解放され、それにより、過荷重がアタッチメント2又は処置部材9への損傷をもたらすことが防止される。パーソナルケアデバイス1の通常の使用において、連結部材10及び連結構造11は、通常の使用の間にアタッチメント2に対して加えられる力が連結部材10の解放を引き起こさないよう、アタッチメント2とベース部3との間のしっかりした連結をもたらす。例えば、偶発的な誤使用又は落下の故に、アタッチメント2に対する荷重が臨界値を超える場合に限り、連結部材10、よって、アタッチメント2全体は、ベース部3から解放される。
【0034】
図4a及び4bにも見られるように、保持凹部4の周の周りで縁に当接するために、カラー16(鍔)(collar)がシャフト状要素6の周りに設けられる。カラー16は、アタッチメント2がベース部3に取り付けられるときにベース部3に当接する。バネ要素5が傾斜面15にバネ力を加える間、カラー16は連結部材10の更なる挿入を防止し、よって、連結部材10を保持凹部4内で固定位置に保持するための傾斜面15に対するバネ要素5の張力を生成する。更に、カラー16は、汚れ及び粉塵が保持凹部4に入るのを防止することがあり、且つ/或いはベース部3の水密閉塞をもたらすことがある。カラー16が対称的に設計されないならば、カラー16は、ベース部3に対する中心軸13についてのアタッチメント2の角向きを定めることがある。代替的に又はそれと組み合わせにおいて、周面上の突出リブを使用してアタッチメント2の所望の角向きを保証することができる。
【0035】
バネ要素5は、連結凹部7の傾斜面15の比較的大きな部分と係合し、それにより、ベース部3に連結されるアタッチメント2を保持する十分な保持力を保証する。中心軸13と整列させられる引張力(pulling force)を加えることによって、アタッチメント2が取り外されるとき、バネ要素5は、バネ要素5が円周面8に達するまで斜面15を滑り、それにより、アタッチメント2は解放される。しかしながら、コンピュータシミュレーションの使用を含む研究は、図5の第1の部分に示すように、偏心力F(off-center force)、即ち、中心軸13と平行であるが中心軸13と整列させられていない力Fが加えられるとき、バネ要素5は、意図された方法で傾斜面15を滑らない。これは、偏心力が連結部材10に対するトルクを生じさせ、その結果、連結部材が傾斜を引き起こすためである。この傾斜は、中心軸13に沿う以外の加えられる力Fの行使点(points of exertion)及び向きについても生じる。最も重大な状態は、力Fが、中心軸13を含み且つバネ要素5の2つの脚部の長手方向延伸と平行に延びる平面に加えられるときに生じる。図5は、第1の副図、即ち、「0度」で印された図に示すような力の適用による連結部材10の取外しプロセスを例示するコンピュータシミュレーションの結果を示している。図5は、連結部材10の傾斜、よって、アタッチメント2全体の傾斜が、連結凹部7の深さが比較的小さい傾斜面15の側部から開始して、バネ要素5の脚部を連結凹部7の傾斜面15の側部からどのように滑らせ、傾斜面15と周面8との間の縁を介して更にどのように滑らせるかを示している。この状況において、傾斜面15に対するバネ要素5の結果として得られる有効な保持力は比較的低い。引張力が中心軸13に沿って中心的に加えられる好ましい状況において、バネ要素5の脚部は、連結凹部7の傾斜面15に亘ってより均一に滑るので、連結凹部7が最大の深さを有する傾斜面15の中央部分は、バネ要素5の滑りに対する抵抗を提供することに十分に寄与する。偏心した引張力(中心から外れた引張力)は、一般的に、アタッチメントを取り外すことが使用者の意図であるときには如何なる問題も引き起こさない。しかしながら、パーソナルケアデバイス1の使用中の偏心した引張力の場合には、アタッチメント2をベース部3から過度に容易に、即ち、過度に僅かの力で解放することができる。
【0036】
上述の問題は、以下に記載するように、連結凹部7の幾何学的形状を再設計することによって本発明の発明者によって解決された。図6は、本発明のある実施形態に従った連結凹部7の幾何学的形状を示している。本発明に従ったパーソナルケアデバイス用のアタッチメントの他の構成は、図1乃至図5に関連して概略的に記載されるような構成である。図6中の連結凹部7は、周面8から見て内向きに向けられた縁17、即ち、シャフト状要素6の中央領域に向かう方向に向けられた縁17によって部分的に境界付けられる、傾斜面15を含む。縁17は、典型的には、その長手方向の延伸の少なくとも一部に沿って0〜1mm又は0.5〜2mmのような、好ましくは0.1〜0.5mmのような、0〜3mmの曲率半径を有する。
【0037】
図6の連結凹部7において、傾斜面15は、連結凹部7の中央部分に亘って並びに連結凹部7の中央部分から第1の端点19まで延びる連結凹部7の第1の側方部分18に亘って延びている。連結凹部7の第2の側方部分20は、連結凹部7の中央部分から連結凹部7の第2の端点19’に延びている。よって、中心軸13に対して垂直なシャフト状要素6の断面図において見られるとき、連結凹部7の第1及び第2の側方部分18,20は、中央部分の両側に配置され、それぞれ、連結凹部7の中央部分から端点19,19’まで延びている。第2の側方部分20は、それがアタッチメント2の連結状態においてバネ要素と係合しないことを保証する幾何学的形状を有する。具体的には、傾斜面15は、傾斜面15が第2の側方部分20と接する場所で、縁17によって境界付けられている。結果として、連結凹部7の第2の側方部分20は、中心軸13と平行な方向において見られるときに、傾斜面15に対して凹まされている。第2の側方部分20の前記凹みの結果として、アタッチメント2の連結状態において、バネ要素が第2の側方部分20の場所で連結凹部7と係合することが防止される。
【0038】
図7は、図6に示す連結凹部7を含む連結部材10に加えられる、図5中の引張力に類似する、偏心した引張力の影響のコンピュータシミュレーションを示している。シミュレーションは、本発明に従った連結凹部7の設計を用いて、バネ要素の脚部が縁17に沿ってどのように滑って、図5に示すシミュレーションに従った引張力と比べて実質的により高い引張力をもたらすかを示している。これは、本発明に従って構成される連結凹部7を用いるならば、バネ要素5は、偏心した引張力の状況において保持凹部4内にアタッチメント2を保持することに関して、より効果的であることを意味する。同時に、中心的に加えられる引張力は、保持凹部4からのアタッチメント2の意図された線形の除去をもたらし、それは実質的な抵抗力を伴う。
【0039】
図8a〜図8gは、本発明に従って構成された連結凹部7の様々な実施形態を概略的に示している。図8a〜図8gに示す実施形態を含む好ましい実施形態において、傾斜面15は、連結凹部7の中央部分に配置され、連結凹部7は、シャフト状要素6の中心軸13を含む仮想対称平面に対して対称的に形作られている。図8a〜図8g中の実施形態は、全て、線図、グレースケール図及び断面図として描写されている。何故ならば、異なる種類の例示は、異なる種類の情報を提供すると考えられるからである。断面図は、シャフト状要素6の周面8からある距離で中心軸13と平行に向けられた平面に沿って示されている。よって、例示の実施形態の各々について、断面図は、中心軸13に向かって見られた並びに周面8からある距離に位置付けられた平面内の結合凹部7のプロファイルを示している。参照番号は、後続の副図の他の詳細をより明確に示すために、各実施形態の第1の副図にのみ付されている。
【0040】
図8a〜図8gの実施形態において、連結凹部7の第1及び第2の側方部分18,20は、中心軸13と平行な方向に見られるときに、両方とも傾斜面15に対して凹まされており、傾斜面15は、傾斜面15が第1及び第2の側方部分18,20とそれぞれ接する場所で第1及び第2の縁17,21によって境界付けられている。第1及び第2の縁17,21は、周面8から見て内向きを方向付けられている。結果として、アタッチメント2の連結状態において、バネ要素が、第1及び第2の側方部分18,20の両方の場所で連結凹部7と係合することが防止される。図8a、図8c及び図8dの実施形態において、第1及び第2の縁17,21は、互いに対して非平行に延びているのに対し、図8b及び図8e〜図8gの実施形態において、第1及び第2の縁17,21は、互いに対して平行に延びている。第1及び第2の縁17,21が互いに対して非平行に延びる実施形態において、第1及び第2の縁17,21は、図8cの実施形態に示すように、シャフト状要素6の周面8の近くで、最小の相互距離を有してよい。代替的に、非平行な第1及び第2の縁17,21を含む実施形態において、第1及び第2の縁17,21は、図8a及び図8dに示すように、シャフト状要素6の周面8の近くで最大の相互距離を有してよい。
【0041】
図8e及び図8fは、結合凹部7の第1及び第2の側方部分18,20が、中心軸13と平行な方向に見みられるときに、第1及び第2の側方部分18,20の場所での連結凹部7が処置部材9から見て外方を向く連結凹部7の端位置において連結部材10の表面によって制約されないような程度まで、傾斜面15に対して凹まされている、実施形態を示している。よって、図8e及び図8fに示す実施形態において、傾斜面15は、凹んだ第1及び第2の側方部分18,20によって境界付けられたリブ形状の中央支持要素25の(これらの図に示す向きにおける)頂面を形成する。図8gの実施形態においても、傾斜面15は、リブ形状の中央支持要素25の頂面を形成する。しかしながら、この実施形態では、処置部材9から見て外方に面する連結凹部7の端位置において、連結凹部7は、連結部材10の表面27によって制約される。
【0042】
本発明に従った連結凹部7の設計は、バネ要素が変形することを可能にする十分な自由空間についての必要性に関する考慮事項を含む。設計は、シャフト状要素の中央領域内の可能な中空空間と連結凹部との間のシャフト状要素の材料厚さが、シャフト状要素の変形又は破損を防止するのに十分な程に大きくなければならないことも、考慮に入れなければならない。所与の製品のための設計は、典型的には、可能であれば例えば3D印刷によって作られたプロトタイプと組み合わせられた、コンピュータシミュレーションに基づく。
【0043】
本発明に従ったパーソナルケアデバイスが異なるアタッチメントと共に使用されるならば、異なるアタッチメントの連結部材の連結凹部を、所望の場合に又は必要な場合に、異なって設計することができる。そのような異なる設計によって、異なるアタッチメントのために、アタッチメントの意図される解放のための所要の引張力及びアタッチメントの意図されない解放に対する抵抗の組み合わせを最適化することができる。何故ならば、前記引張力及び抵抗は、異なるアタッチメントのために使用される連結凹部の幾何学的形状に直接的に依存するからである。
【0044】
図6図8に示す実施形態における傾斜面15は、平面的な表面である。しかしながら、傾斜面15は、湾曲した表面であってもよい。湾曲した傾斜面22を備える連結凹部7の可能な形状の一例が、図9に概略的に示されている。湾曲した傾斜面22は、第1及び第2の側方部分18,20との組み合わせにおいて示されており、第1及び第2の側方部分18,20は、アタッチメント2の連結状態において第1及び第2の側方部分18,20の場所でバネ要素との接触がないことを保証するために、傾斜面22に対してある角度で傾斜した面を含む。図9は、中心軸13に対して垂直な方向において見られた、傾斜面と、第1及び第2の側方部分18,20とを示している。図示の実施形態において、第1及び第2の側方部分18,20は、湾曲した傾斜面22が開始する場所で終了する平面的な頂面を有する。湾曲した平面と平面的な表面との間の交線は、図9に矢印で示されている。
【0045】
本発明を図面及び前述の記述中に詳細に例示し且つ記載したが、そのような例示及び記述は、例示的又は説明的であると考えられるべきであり、限定的であると考えられてならない。本発明は、開示の実施形態に限定されない。請求する発明を実施する当業者は、図面、本開示、及び添付の請求項の研究から、開示の実施形態に対する他の変更を理解し且つ達成することができる。請求項において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを排除せず、単数形の表現は、複数を排除しない。特定のユニットが、請求項に列挙される幾つかの項目の機能を充足することがある。特定の手段が相互に異なる従属項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用し得ないことを示さない。請求項中の如何なる参照符号も、その範囲を限定するものとして解釈されてならない。
図1a)】
図1b)】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】
図8-3】
図8-4】
図8-5】
図8-6】
図8-7】
図9