特許第6595738号(P6595738)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6595738パッチパネル及びパッチパネル用のカセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6595738
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】パッチパネル及びパッチパネル用のカセット
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/629 20060101AFI20191010BHJP
   H01R 13/641 20060101ALI20191010BHJP
   H01R 13/518 20060101ALI20191010BHJP
   H01R 13/33 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
   H01R13/629
   H01R13/641
   H01R13/518
   H01R13/33
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-83131(P2019-83131)
(22)【出願日】2019年4月24日
【審査請求日】2019年5月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592145718
【氏名又は名称】日本製線株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596022363
【氏名又は名称】登騏科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】浅香 芳晴
(72)【発明者】
【氏名】松田 秀一
(72)【発明者】
【氏名】土谷 州且
(72)【発明者】
【氏名】小栗 あずさ
(72)【発明者】
【氏名】曽 偉嘉
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−311439(JP,A)
【文献】 特開2006−236719(JP,A)
【文献】 米国特許第07335056(US,B1)
【文献】 特開2005−209387(JP,A)
【文献】 特開2005−050786(JP,A)
【文献】 特表2013−508918(JP,A)
【文献】 特開2000−331739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/514−13/518
H01R 13/629−13/641
H01R 43/26
H01R 13/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長スロット状の複数の開口部(21)を有するフロントパネル(18)と、前記フロントパネルの上下端から後方に突出した突出部(23)とを有する、左右方向に細長く形成されたフレーム(12)と、
前記フレーム(12)の裏面で、前記フロントパネル(18)の左右方向の両端及び所定の間隔に配置される複数の仕切壁(13)と、
横並びに複数の収納部が形成された枠体(32)と、前記枠体の左右方向の両端部に位置し片持ち構造により内側に撓ませ得る一対の片持ちレバー(45)とを有し、前記フレームの後方から前記仕切壁の間に装着可能であり、前記一対の片持ちレバー(45)をユーザの指による荷重によって前記仕切壁の間から前記フレームの後方に取り外し可能なカセット(14)と、
前記カセットの後方から前記収納部に着脱可能なモジュラージャック(15)
備えるパッチパネル。
【請求項2】
前記仕切壁(13)の後端面に、前記フレーム(12)に対する前記カセット(14)の装着先を示す指標(39)を備える、請求項1に記載のパッチパネル。
【請求項3】
前記仕切壁の後端面には、一対の受け構造スロット(37)が形成され、
前記指標(39)は、
前記カセット(14)の装着先のアドレスを示すアドレス表示部(40)を有する平板状のトップ部(39A)と、
前記トップ部(39A)の裏面から突出し、前記一対の受け構造スロット(37)に固定される一対の脚部(39B)と
を有する、請求項2に記載のパッチパネル。
【請求項4】
前記フロントパネル(18)の左右方向の両端の前記仕切壁(13)に支持された一対の腕部(27)と、
前記一対の腕部の間にわたされたケーブル支持梁(28)と、
を有するケーブル担持部(16)を備える、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のパッチパネル。
【請求項5】
前記仕切壁(13)の後端面には、受け構造スロット(37)が形成され、
前記腕部(27)は、前記受け構造スロット(37)に受容されるフック(38)を有する、請求項4に記載のパッチパネル。
【請求項6】
前記仕切壁(13)は、前記カセット(14)の前記一対の片持ちレバー(45)を受ける受け部(41,42)を有し、
前記一対の片持ちレバーは、前記枠体(32)の側部の前方で左右方向に突出する基部(58)と、前記基部から後方に略「L」字形に形成された後端の指掛けタブ(59)と、前記基部と前記指掛けタブとの間に設けられ前記受け部に係合されるラッチ(46)とを有する、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のパッチパネル。
【請求項7】
前記カセット(14)は、前記枠体(32)の側部の前記一対の片持ちレバー(45)の下側にレール(54)を有し、
前記仕切壁(13)は前記受け部(41,42)の下側に、前記レールが差し込まれる溝部(43,44)を有する、請求項6に記載のパッチパネル。
【請求項8】
前記モジュラージャック(15)は、
方形ブロック状の本体と、
前記本体の下部にあり、前記モジュラージャックが前記カセット(14)に装着されるときに前記カセットの前記枠体(32)の下側端縁部に当接する当接部(33)と、
前記本体の上部にあり、左右方向に細長く延びた突起状をなす係合片(34)と
を有する、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のパッチパネル。
【請求項9】
前記カセット(14)は、
前記枠体(32)の上下面の間を連結し、前記収納部(51)を形成する複数の壁部(57)と、
前記枠体(32)から後方に突出する複数の支持部(53)と、
前記収納部毎にあり、前記モジュラージャック(15)の前記係合片(34)に係合する係合部(64)、および、前記係合部から後方に延びる指掛部(61)を有し、前記複数の支持部(53)により、前記係合部(64)を前記係合片(34)に対して係脱可能にシーソー状に支持されるレバー(52)と
を有する、請求項8に記載のパッチパネル。
【請求項10】
前記カセット(14)は、前記支持部(53)と前記枠体(32)の前記壁部(57)とに跨るように設けられたリブ(56)を有し、
前記リブは、前記複数の壁部(57)のうち、少なくとも1つを延長するように設けられる、請求項9に記載のパッチパネル。
【請求項11】
前記レバー(52)及び前記支持部(53)は、前記枠体(32)の上部の左右方向に所定間隔で連続的に並び、一体的に形成されている、請求項9又は請求項10に記載のパッチパネル。
【請求項12】
前記指掛部(61)は、前記モジュラージャック(15)の前記本体の後端(15A)よりも後方に突出する、請求項9ないし請求項11のいずれか1項に記載のパッチパネル。
【請求項13】
前記指掛部(61)は、文字、図形、記号のうち、少なくとも1つが表示される表示部(61AA)を有する、請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載のパッチパネル。
【請求項14】
横長スロット状の複数の開口部(21)を有するフロントパネル(18)と、前記フロントパネルの上下端から後方に突出した突出部(23)とを有する、左右方向に細長く形成されたフレーム(12)と、前記フロントパネル(18)の左右方向の両端及び所定の間隔に配置され、前記フレーム(12)の裏面に固定される複数の仕切壁(13)とを有するパッチパネルに取り付けられるパッチパネル用のカセット(14)であって、
横並びに設けられた複数の収納部を有し、前記カセットの後方から前記収納部にモジュラージャック(15)が着脱可能に装着される枠体(32)と、
前記枠体の左右方向の両端部に位置し片持ち構造により内側に撓ませ得る一対の片持ちレバー(45)と
を有し、
前記フレームの後方から前記仕切壁の間に装着可能であり、前記一対の片持ちレバー(45)をユーザの指による荷重によって前記仕切壁の間から前記フレームの後方に取り外し可能である、カセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュラージャックを着脱可能なパッチパネル及びパッチパネル用のカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
高密度でモジュラージャックを配置したパッチパネルがある。このパッチパネルは、19インチのネットワークラックに取り付けられ、ネットワークラック中の1つのラック空間を利用する
このパッチパネルは、サーバ等が多数設置されるデータセンターや、クラウドサービスを提供する事業者が利用する大規模なデータセンターで用いられ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−311439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パッチパネルからモジュラージャックを取り外すことは、メンテナンスの際やネットワーク構成を変更する際に頻繁に行われる。施工現場において、パッチパネルの組立作業を行う場合がある。
本発明の目的は、モジュラージャックを着脱可能なカセットをフレームに対して手指により容易に着脱可能なパッチパネルを提供することにある。
【0006】
高密度でモジュラージャックを配置したパッチパネルは、計48個のモジュラージャックを有し、1列24個のモジュラージャックを2列(2段)で高密度に収納している。このパッチパネルは、フレームと、フレームに対して取り付けられる枠状の面板と、を有する。面板は、各モジュラージャックの後部を保持可能な保持ラッチを有する。保持ラッチは、面板の下壁から斜め上方に向けて腕状に延びている。
上記のパッチパネルからモジュラージャックを取り外す際には、作業者は、腕状の保持ラッチを押し下げてモジュラージャックに対する保持ラッチの係合を解除して、モジュラージャックを後方に引き抜く必要がある。
上記のパッチパネルは、モジュラージャックを高密度で収納しているため、作業者は、当該保持ラッチのモジュラージャックに対する係合を解除する際に、指を保持ラッチの位置まで差し込むことができない。したがって、作業者は、フレーム(下側フランジ)とモジュラージャックとの間の隙間に、後方又は前方からマイナスドライバー等の工具を差し込むことで、保持ラッチを下方に押し下げて保持ラッチによる係合を解除し、その状態で指によってモジュラージャック後方に引き抜いてモジュラージャックを取り外す必要がある。このため、上記従来のパッチパネルでは、モジュラージャックを取り外す際に両手を使用することとなり、この取り外し作業の効率が著しく悪いという問題があった。
本発明の第2の目的は、簡単な構造を用いて手指によりワンタッチでモジュラージャックを着脱可能なパッチパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの形態に係るパッチパネルは、横長スロット状の複数の開口部を有するフロントパネルと、前記フロントパネルの上下端から後方に突出した突出部とを有する、左右方向に細長く形成されたフレームと、前記フレームの裏面で、前記フロントパネルの左右方向の両端及び所定の間隔に配置される複数の仕切壁と、横並びに複数の収納部が形成された枠体と、前記枠体の左右方向の両端部に位置し片持ち構造により内側に撓ませ得る一対の片持ちレバーとを有し、前記フレームの後方から前記仕切壁の間に装着可能であり、前記一対の片持ちレバーをユーザの指による荷重によって前記仕切壁の間から前記フレームの後方に取り外し可能なカセットと、前記カセットの後方から前記収納部に着脱可能なモジュラージャックとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ジュラージャックを着脱可能なカセットをフレームに対して手指により容易に着脱可能なパッチパネルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るパッチパネルを前方斜め上方から示した斜視図である。
図2図2は、図1に示すパッチパネルを後方斜め上方から示した分解斜視図である。
図3図3は、図1に示すパッチパネルの1個のカセットと、それに対して着脱される計6個のモジュラージャックと、を示す斜視図である。
図4図4は、図1に示すパッチパネルの1個の仕切壁の第1面を示す平面図である。
図5図5は、図1に示すパッチパネルの仕切壁と、指標と、を示す斜視図である。
図6図6は、図5に示す指標の裏面を示す斜視図である。
図7図7は、図1に示すパッチパネルの1個のカセットの上面図である。
図8図8は、図1に示すパッチパネルの1個のカセットの正面図である。
図9図9は、図8に示すF9−F9線の位置に沿った、カセットおよびモジュラージャックの断面図である。
図10図10は、図9に示すカセットおよびモジュラージャックにおいて、レバーの指掛部をモジュラージャックに近づく方向に回動させた状態を示した断面図である。
図11図11は、図10に示すカセットおよびモジュラージャックにおいて、モジュラージャックを後方に移動させた状態を示した断面図である。
図12図12は、図11に示すカセットおよびモジュラージャックにおいて、モジュラージャックをカセットから完全に引き抜いた状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図12を参照して、パッチパネル11の実施形態について説明する。このパッチパネル11は、左右方向に延びるフレーム12を含んでおり、19インチ幅の縦長のネットワークラックに対して着脱可能に取り付けられるとともに、ネットワークラック中の1つの階層(一区画)を占有するように使用される。図1に示すように、本実施形態のパッチパネル11は、1U(ユニット)、すなわち1.75インチの高さを有し、ネットワークラック中で1U分の区画を占有する。また、この1U当たりのモジュラージャック15(ポート31)の数は、例えば、48個である。したがって、実施形態のパッチパネル11は、1U48ポートの高密度パッチパネルを実現するものである。以下では、図1に示す矢印Fを前方向、矢印Bを後ろ方向、矢印Rを右方向、矢印Lを左方向、矢印Uを上方向、矢印Dを下方向として、説明を進める。
【0011】
図1図2に示すように、パッチパネル11は、左右方向に細長く形成されたフレーム12と、フレーム12の裏面に対して着脱可能に固定される複数の仕切壁13と、仕切壁13同士の間に着脱可能に装着される複数のカセット14と、各カセット14に装着された複数のモジュラージャック15(ポート31)と、仕切壁13を介してフレーム12に固定されたケーブル担持部16と、フレーム12の前面に固定されたネームプレート17と、仕切壁13の端面13Cに着脱可能に取り付けられる指標39と、を備える。
【0012】
フレーム12は、例えば、金属板を断面「C」字型に折り曲げて形成される。フレーム12は、フロントパネル18と、フロントパネル18から後方に突出した突出部23と、を有する。フロントパネル18は、横長のスロット状の複数(本実施形態では、例えば、8個)の開口部21を有する。本実施形態では、上下方向に2列(2段)で開口部21が設けられており、各列(各段)中に4個の開口部21が横並びで設けられる。
【0013】
フロントパネル18は、その四隅に、19インチ幅のネットワークラックにねじを介して固定するための固定部22を有する。突出部23は、フロントパネル18の上端から後方に突出した上側フランジ24と、フロントパネル18の下端から後方に突出した下側フランジ25と、を有する。上側フランジ24および下側フランジ25のそれぞれは、仕切壁13を固定するための係合穴26を有する。
【0014】
ケーブル担持部16は、仕切壁13を介してフレーム12に固定された一対の腕部27と、一対の腕部27間にわたされたケーブル支持梁28と、を有する。ケーブル支持梁28は、複数の貫通孔28Aを有している。後述するモジュラージャック15から延びるケーブル29(図9参照)は、この貫通孔28Aに通された可撓性の結束バンド等によってケーブル支持梁28に固定されてもよい。ケーブル支持梁28は、モジュラージャック15から延びるケーブルを支持して、ケーブル29の自重による負荷がモジュラージャック15とケーブル29との接続部にかかってしまうことを防止している。
【0015】
ネームプレート17は、透明な樹脂材料等によって平板状に形成され、内部に紙を差し込むことが可能な形状を有する。ネームプレート17は、上面から下方に延びる有底のスロットを有し、このスロット内にモジュラージャック15の名称等を記載した紙を差し込んだり、或いは別の名称を記載した紙に差し替えたりできる。
【0016】
図3に示すように、モジュラージャック15は、方形のブロック状の本体と、その本体の後端15A(図9参照)と、を有する。モジュラージャック15は、カセット14の収納部51(図8参照)に対して着脱可能である。モジュラージャック15は、前面に通信用モジュラープラグ(モジュラープラグ、プラグ)を受け入れ可能なポート31(差し込み口)を有する。モジュラージャック15は、図3図9図12に示すように、下部に設けられ枠体32の下側縁部(壁部57)に当接する当接部33と、上部(上面)に設けられ左右方向に細長く延びた突起状をなした係合片34と、を有する。
【0017】
図2に示すように、本実施形態では、仕切壁13は、5個で構成される。仕切壁13は、その長手方向が上下方向に延び、且つ、フレーム12の内側の空間を所定の間隔で仕切るように設置される。仕切壁13は、例えば樹脂材料等によって一体的に成形されている。図2図4図5に示すように、各仕切壁13は、表裏で対称な形状(左右対称な形状)を有するとともに、扁平な板状をなしている。仕切壁13は、第1面13Aと、第1面13Aに対向するとともに第1面13Aと対称な形状を有する第2面13Bと、上側フランジ24の係合穴26に係合可能な第1爪部35と、下側フランジ25の係合穴26に係合可能な第2爪部36と、を有する。図2図5に示すように、仕切壁13は、第1面13Aと第2面13Bとの間に位置する端面13Cに、受け構造スロット37を4個有する。4個の受け構造スロット37のうち、上下方向に並んだ一対の受け構造スロット37は、ケーブル担持部16の腕部27から突出する一対のフック38を受容してケーブル担持部16を支持することができる。ケーブル担持部16の一対のフック38が取り付けられる仕切壁13は、パッチパネル11の左右方向の両端部に位置している。
【0018】
図4に示すように、第1面13Aは、上方に位置する第1受け部41と、下方に位置する第2受け部42と、第1受け部41と第2受け部42との間に設けられた第1溝部43と、第2受け部42よりも下側に設けられた第2溝部44と、を有する。第1面13Aとは反対側に位置する第2面13Bも同様に、上方に位置する第1受け部41と、下方に位置する第2受け部42と、第1受け部41と第2受け部42との間に設けられた第1溝部43と、第2受け部42の下側に設けられた第2溝部44と、を有する。第1受け部41および第2受け部42は、第1面13A(第2面13B)の最外表面から段状に窪んでいる(図5参照)。カセット14をフレーム12に対して装着する際には、カセット14の後述する片持ちレバー45のラッチ46は、第1受け部41および第2受け部42のいずれかの内部に対して差し込まれて、第1受け部41および第2受け部42のいずれかと係合することができる。これによって、カセット14が仕切壁13(フレーム12)に対して固定される。
【0019】
指標39は、パッチパネル11の右端部から2番目にある仕切壁13と、パッチパネル11の左端部から2番目にある仕切壁13と、に装着されている。図5に示すように、指標39は、仕切壁13の端面13Cにある一対の受け構造スロット37に対して、着脱可能に構成される。このとき、指標39が装着される一対の受け構造スロット37は、ケーブル担持部16の一対のフック38が差し込まれる組み合わせとは異なり、左右方向に並んだ一対の受け構造スロット37である。図5図6に示すように、指標39は、平板状のトップ部39Aと、トップ部39Aの裏面から一対に突出した脚部39Bと、を有する。トップ部39Aの表面は、カセット14(枠体32)の装着先のアドレスを示すアドレス表示部40を有する。アドレス表示部40は、カセット14(枠体32)を識別するためのA〜Hまでの符号を表した識別符号40Aと、カセット14(枠体32)の装着先のアドレス或いは位置を示した矢印40Bと、を有する。アドレス表示部40は、印刷、刻印、或いは周囲から突出するように形成されている。したがって、ユーザは、カセット14の装着先の識別が容易になる。ユーザ(作業者)は、この指標39(アドレス表示部40)が示す識別符号40Aおよび矢印40Bが示すアドレスに従って、カセット14(枠体32)を装着するだけで、パッチパネル11を組み立てる作業(現場施工)を簡単に完了することができる。
【0020】
図2に示すように、本実施形態では、カセット14は、フレーム12に対して計8個装着される。各カセット14は、仕切壁13の受け部に対して着脱可能に装着される。各カセット14には、例えば、6個のモジュラージャック15が横並びに装着される。したがって、パッチパネル11全体としては、計48個のモジュラージャック15(ポート31)を有することとなる。
【0021】
本実施形態では、カセット14が上下方向に2列(2段)でフレーム12に固定されるようにしているが、カセット14が上下方向1列(1段)で構成されても当然によい。この場合には、フロントパネル18には、1列(1段)中に計4個の開口部21が横並びに設けられる。したがって、この場合には、フレーム12に対して計4個のカセット14が装着され、パッチパネル11全体として計24のモジュラージャック15(ポート31)を有するように構成される。
【0022】
或いは、各カセット14には、例えば、4個のモジュラージャック15が横並びに装着されてもよい。この場合、カセット14は、フレーム12に対して計12個(1列当たり横並びで6個)用意され、この場合も同様にパッチパネル11全体として計48のモジュラージャック15(ポート31)を有するように構成されてもよい。また、このような4個のモジュラージャック15が収納されるカセット14の場合に、カセット14が上下方向に1列(1段)で構成されても当然によい。この場合には、フレーム12に対して計6個のカセット14が横並びに装着され、パッチパネル11全体として計24のモジュラージャック15(ポート31)を有するように構成されてもよい。以上述べたように、カセット14の総数および1個のカセット14に収納されるモジュラージャック15の数は一例であり、実施形式に応じて適宜に変更して実施できる。
【0023】
カセット14は、樹脂材料等によって、その全体が一体的に成形されている。カセット14は、例えば、射出成形によって形成される。
【0024】
図3図7図8に示すように、カセット14は、枠が横方向に連続して連なった枠状(連続枠状)をなした枠体32と、枠体32の内部に横並びに設けられた複数の収納部51と、複数の収納部51に1対1で対応するように枠体32の上部に設けられた複数のレバー52と、レバー52と枠体32とを接続する支持部53と、枠体32の側部に設けられた一対の片持ちレバー45(第2レバー)と、枠体32の側部で片持ちレバー45の下側に設けられたレール54と、枠体32の側部で片持ちレバー45よりも上側に設けられた突き当り片55と、レバー52の支持部53と枠体32の1つの壁部57とに跨るように設けられた補強用のリブ56と、を有する。
【0025】
カセット14がフレーム12に装着された際に、レール54は、仕切壁13の第1溝部43又は第2溝部44のいずれかに差し込まれる。これによって、カセット14の装着時に、第1溝部43又は第2溝部44は、カセット14のスライド移動を案内できる。突き当り片55は、カセット14の装着時に、仕切壁13の最外表面に当接して、仕切壁13に対してカセット14が斜めに装着されることを防止する。
【0026】
図3図7に示すように、一対の片持ちレバー45は、カセット14(枠体32)の左右方向の両端部に位置するように設けられている。片持ちレバー45は、枠体32の側部の前方から左右方向に突出して、その後、後方に延びるように略「L」字形に形成される。片持ちレバー45の一方は、片持ちレバー45の他方と左右対称形に形成される。片持ちレバー45は、枠体32に接続された基部58と、先端部に設けられた指掛けタブ59と、基部58と指掛けタブ59との間に設けられたラッチ46と、を有する。片持ちレバー45は、その片持ち構造から、ユーザの指による荷重によって、左右方向に撓むことができる。
【0027】
枠体32は、フレーム12の後面に設けられている。図8に示すように、枠体32は、複数のボックス状の枠部を横並びに連続的に設けた枠状をなしている。図3に示すように、枠体32の上面には、上方向(例えば、UP)を示す文字が表示されてもよい。枠体32に表示される文字は、これに限られるものでなく、他のDOWN等の文字を枠体32の下面に表示してもよい。
【0028】
図8に示すように、枠体32は、収納部51(収納部51内のモジュラージャック15)の周囲を取り囲む複数の壁部57を有する。各収納部51を取り囲む壁部57は、例えば4面(4個)で構成される。図3図8に示すように、これら4面(4個)の壁部57のうち、上下方向に延びる壁部57の1面(1個)は、リブ56と一体的・連続的で、且つ上下方向に延びる壁部57とリブ56とが一直線上に並ぶように形成されている。そして、図8図9に示すように、この壁部57が延びる上下方向は、レバー52の後述する指掛部61が回動する方向(矢印方向)に沿っている。したがって、リブ56は、複数の壁部57のうち、指掛部61が回動する方向に沿って延びる壁部57の少なくとも1面(1個)を延長して設けられるといえる。
【0029】
図8に示すように、収納部51は、枠体32の内側に設けられた四角形の空間であり、この1個の収納部51に対して1個のモジュラージャック15が収納される。
【0030】
図3図7図9に示すように、支持部53は、枠体32よりも後方(フレーム12の突出部23の後端よりも後方)に突出して設けられている。支持部53は、枠体32と一体的に設けられている。支持部53は、レバー52を間に挟んだ両側に一対に設けられている。図8に示すように、支持部53は、左右方向に関して、上下方向に延びる壁部57と対応する位置に設けられる。図3図7図8に示すように、支持部53は、枠体32と一体的に形成された支持ブロック62と、支持ブロック62からレバー52に向けて突出した軸部63と、を有する。軸部63は、支持ブロック62とレバー52(連結部65)とを連結するとともに、支持ブロック62或いは枠体32に対してレバー52をシーソー状に回動可能に支持する。軸部63の厚さは、レバー52の連結部65の厚さと略同じ厚さである。
【0031】
図3図7図9に示すように、レバー52は、シーソー状をなしており、支持部53(軸部63)を中心にシーソー状に回動することができる。レバー52は、一方の端部に設けられた係合部64と、一方の端部とは反対側の他方の端部に設けられた指掛部61と、係合部64と指掛部61との間に設けられこれらを連結した連結部65と、を有する。レバー52は、支持部53を介して枠体32と一体になっている。
【0032】
係合部64は、モジュラージャック15、特に、その係合片34と係合することができる。係合部64と係合片34とが係合した状態において、モジュラージャック15は、後方に移動することができず、カセット14(枠体32)から脱落することが阻止される(図9参照)。
【0033】
指掛部61は、突出部23(上側フランジ24)の後端よりも後方に突出している。指掛部61は、モジュラージャック15のブロック状の本体の後端15Aよりも後方に突出している。図7に示すように、左右方向(幅方向)に関して、指掛部61の幅W2は、係合部64および連結部65の幅W1よりも幅狭である。したがって、指掛部61の幅が小さく構成されるために、カセット14に多数のモジュラージャック15が高密度に複数段で装着された場合でも、上方向からのモジュラージャック15の視認性が良好である。
【0034】
図12に示すように、指掛部61は、モジュラージャック15の抜き差し方向D1と平行な方向に面取りされた面取部61Aを有する。本実施形態では、面取部61Aは、左右方向とも平行な方向である。このため、指掛部61の厚さは、レバー52の他の部分の厚さよりも小さくなっている。この面取部61Aに、文字、図形、記号のうち、少なくとも1つが表示される表示部61AAが設けられる。本実施形態では、表示部61AAに、例えば、左端からのモジュラージャック15の位置を示す番号(数字、文字)が表示されているが、これに限られるものではなく、表示部61AAに表示される例として、星印のような図形でもよいし、アスタリスクのような記号であってもよいし、これら文字、図形、記号を組み合わせたものであってもよい。
【0035】
以上のように説明したレバー52は、無負荷状態で、図9に示すように指掛部61から係合部64に近づくにつれてモジュラージャック15に近づくように斜めに設置される。また、枠体32、レバー52、支持部53、およびカセット14中の他の構造は、樹脂材料によって一体に成形される。
【0036】
続いて、図2図9図12を参照して、本実施形態のパッチパネル11の作用について説明する。
【0037】
ユーザは、図2に示すように、カセット14単位でフレーム12からモジュラージャック15を着脱することができる。その際、ユーザは、矢印で示すように、親指と人差し指で一対の片持ちレバー45を内側に押し付けつつカセット14を保持することで、フレーム12に対して片手で容易にカセット14を着脱することができる。
【0038】
ユーザは、モジュラージャック15単位でもカセット14からモジュラージャック15を片手で着脱することができる。カセット14に対してモジュラージャック15を装着する際には、モジュラージャック15を前方に移動させて収納部51に対してモジュラージャック15を差し込む。このとき、モジュラージャック15の上部にある係合片34の上側に乗り上げたレバー52は、支持部53を中心にシーソー状に回動する。さらに係合片34が前進してレバー52の係合部64を通り過ぎ、且つ、モジュラージャック15の当接部33が枠体32の下側縁部(壁部57)に当接すると、モジュラージャック15が正しい位置に差し込まれた状態となる。このとき、「パチン」というクリック音とともにレバーが元の位置に戻って、係合部64が係合片34の後面に係合する。これによって、ユーザは正しくモジュラージャック15が枠体32に収納されたことを知ることができる。このとき、モジュラージャック15は、図9に示すように、枠体32に対して正しく収納された状態となる。このとき、図9に示すように、係合部64と係合片34との間に若干の隙間が設けられていてもよいし、或いは、係合部64と係合片34との間に隙間がなく、係合部64と係合片34とが当接していてもよい。このどちらの場合も、モジュラージャック15が枠体32に対して正しく収納された状態に相当する。
【0039】
一方、カセット14からモジュラージャック15を取り外す際には、図10に示すように、ユーザは、レバー52の指掛部61を一つの指、例えば親指で、指掛部61をモジュラージャック15に近づく方向に回動させるように押し下げる(上側の矢印)。これによって、係合部64がモジュラージャック15から遠ざかる方向に回動する。これと同時に、モジュラージャック15の下部を他の指、例えば人差し指で支えながら後方に引く(下側の矢印)。これによって、図11図12に示すように、係合片34に対する係合部64の係合が解除されるとともに、枠体32から引き抜かれたモジュラージャック15がユーザの一つの指(例えば人差し指)の上に載置される。このようにして、ユーザは工具を使用せずに片手によりワンタッチでモジュラージャック15をカセット14から取り外すことができる。
【0040】
上記のモジュラージャック15の取り外し作業は、カセット14がフレーム12に装着されている状態、および、カセット14がフレーム12から取り外された状態、のいずれの状態でも可能である。したがって、ユーザは、作業内容に応じて、例えば、フレーム12にカセット14が取り付いた状態でモジュラージャック15を着脱してもよいし、フレーム12から取り外されたカセット14に対してモジュラージャック15を着脱してもよい。従って、本実施形態のパッチパネル11は、どのような状況下でも作業性が良好で、ユーザフレンドリーであるといえる。
【0041】
また、本実施形態のパッチパネル11は、サーバ等が多数設置されるデータセンターや、或いはクラウドサービスを提供する事業者が利用する大規模なデータセンターにおいて、初期にネットワークラックを設置する際の作業(現場施工)においても極めて有用である。このような場合には、例えば、工場出荷時にカセット14に対して正しい順番で予めモジュラージャック15を装着しておき、現場施工においてはカセット14単位でのみ取り付け作業を行い、個別のモジュラージャック15単位での取り付け作業を省略することもできる。その際、ユーザ(作業者)は、指標39(アドレス表示部40)が示す識別符号40Aおよびアドレスに従って、カセット14(枠体32)を正しく差し込むだけでパッチパネル11の組み立てが完了する。このように、本実施形態のパッチパネル11を用いることで、設置現場での作業を著しく簡略化して工期短縮を図ることができる。また、予め工場出荷時にモジュラージャック15をカセット14に装着しておけば、モジュラージャック15の差し間違い等を生じる危険性を低減できる。
【0042】
或いは、施工現場において、モジュラージャック15の端子とケーブル29内の個別の配線とを電気的に接続する結線作業を行いつつ、パッチパネル11の組立作業を行う場合もある。このような場合には、施工現場において膨大な量の組立・結線作業を行うため、結線の不良やモジュラージャック15の差し間違い等の不具合が生じることがある。本実施形態のパッチパネル11によれば、施工完了前の検査においてこのような不具合が発見された場合でも、モジュラージャック15の交換作業を、工具を用いることなく簡単かつ迅速に行うことができ、ユーザ(作業者)の作業負担を著しく軽減し、工期短縮を図ることができる。
【0043】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。パッチパネル11は、フロントパネル18と、フロントパネル18から後方に突出した突出部23と、を有するフレーム12と、フレーム12の後面に装着され、内側に収納部51を有する枠状の枠体32と、枠体32と一体的に設けられるとともに、突出部23の後端よりも後方に突出した支持部53と、収納部51に着脱可能なモジュラージャック15と、支持部53に接続されるとともに支持部53を中心にシーソー状に回動可能なレバー52であって、一方の端部に設けられモジュラージャック15に係合する係合部64と、前記一方の端部とは反対側の他方の端部に設けられ突出部23の後端よりも後方に突出する指掛部61と、係合部64と指掛部61とを連結した連結部65と、を有し、指掛部61をモジュラージャック15に近づく方向に回動させることで、係合部64がモジュラージャック15から遠ざかる方向に回動して、係合部64のモジュラージャック15に対する係合が解除されるレバー52と、を備える。
【0044】
この構成によれば、シーソー状に回動するレバー52が設けられるため、モジュラージャック15を取り外す際に別途に工具等を必要とすることなく、片手のみによってワンタッチで簡単にモジュラージャック15を取り外すことができる。また、シーソーの原理を用いた簡単な構造によって、ワンタッチでモジュラージャック15を取り外すことができる構成を実現でき、パッチパネル11の製造に要するコストを低減できる。
【0045】
この場合、枠体32、レバー52、および支持部53は、一体に成形される。この構成によれば、射出成形等の一般的な成形技術によって、枠体32、レバー52、および支持部53を簡単に形成できる。これによって、部品点数を削減してパッチパネル11の製造に要するコストを著しく低減できる。
【0046】
この場合、フレーム12は、フロントパネルと、フロントパネル18から後方に突出した突出部23を有し、指掛部61は、突出部23の後端よりも後方に突出する。この構成によれば、指掛部61を操作する際にフレーム12の突出部23が邪魔になることがない。
【0047】
このとき、パッチパネル11は、支持部53と枠体32とに跨るように設けられたリブ56を備え、支持部53は、フレーム12の前記後端よりも後方に突出し、枠体32は、収納部51の周囲を取り囲む複数の壁部57を有し、リブ56は、複数の壁部57のうち、指掛部61が回動する方向に沿って延びる壁部57の少なくとも1個を延長するように設けられる。
【0048】
この構成によれば、ユーザがレバー52を操作する際に指掛部61を介して支持部53に加えられる荷重を、リブ56によって受けることができる。また、この荷重によってリブ56内に発生する応力は、当該リブ56が延長形成された壁部57にも逃がされることとなる。したがって、上記構成を取ることでリブ56の剛性が向上し、ユーザがレバー52を操作する際に支持部53およびリブ56が撓んでしまうことが極力防止され、レバー52の操作性を良好にできる。また、リブ56と当該壁部57とを別体に形成した場合に比して、構造を簡略化できるメリットもある。
【0049】
指掛部61は、係合部64よりも幅狭である。この構成によれば、レバー52の指掛部61によって、モジュラージャック15の視認性が悪化してしまうことを有効に防止できる。特に、高密度でモジュラージャック15を配置した場合に、視認性を維持することで作業効率の向上に寄与できる。
【0050】
指掛部61は、文字、図形、記号のうち、少なくとも1つが表示される表示部61AAを有する。この構成によれば、指掛部61に文字を表示することで、着脱すべきモジュラージャック15に対応するレバー52の位置をユーザに分かりやすくすることができる。
【0051】
レバー52は、指掛部61から係合部64に近づくにつれてモジュラージャック15に近づくように斜めになっており、指掛部61は、モジュラージャック15の抜き差し方向D1と平行な方向に面取りされた面取部61Aを有する。
【0052】
この構成によれば、指掛部61の延びる方向をモジュラージャック15の抜き差し方向D1と平行な方向にできるために、ユーザが指掛部61を操作する際(レバー52をシーソー状に回動させる際)に、力を加えやすくすることができる。また、指掛部61の厚さが低減されるために、モジュラージャック15を多段重ねで高密度に配置した場合でも、指掛部61がある位置に指を差し入れやすくできるとともにモジュラージャック15の視認性を向上できる。これによって、モジュラージャック15を取り外し時の作業性を向上したパッチパネル11を実現できる。
【0053】
パッチパネル11は、フレーム12の後面に設けられ、枠体32を支持可能な仕切壁13と、仕切壁13の端面13Cに着脱可能に取り付けられ、枠体32の装着先のアドレスを示す指標39と、を備える。この構成によれば、ユーザが枠体32の装着先を迷うことがなく、パッチパネル11の組立作業を迅速化して工期短縮を図ることができる。
【0054】
パッチパネル11は、1ユニット当たり48個のモジュラージャック15を有する。本実施形態のパッチパネル11は、個別のモジュラージャック15の交換作業を迅速に行うことができるため、特にこのように膨大な数のモジュラージャック15を高密度に配置した場合に、トータルでかかる作業時間を著しく短縮できる。このため、モジュラージャック15の数が多くなればなるほど、その有用性が増大することとなる。
【0055】
指掛部61は、モジュラージャック15の本体の後端15Aよりも後方に突出する(図9図2参照)。この構成によれば、本実施形態のように、モジュラージャック15を上下方向に多段に配置した高密度パッチパネル11においても、ユーザが指掛部61に対して指を掛けることができる。これによって、高密度化したパッチパネル11においてもモジュラージャック15の着脱を迅速に行うことができる。
【0056】
上記の実施形態で示した構成要素(カセット14、モジュラージャック15、収納部51等)の数はすべて例示であり、実施形式に応じて適宜に変更して実施することができる。レバー52の取り付け位置も例示であり、レバー52は枠体32に対して下方に配置されてもよい。その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0057】
11…パッチパネル、12…フレーム、13…仕切壁、15…モジュラージャック、18…フロントパネル、23…突出部、26…係合穴、32…枠体、33…当接部、34…係合片、39…指標、51…収納部、52…レバー、53…支持部、56…リブ、57…壁部、61…指掛部、61A…面取部、61AA…表示部、63…軸部、64…係合部、65…連結部。
【要約】
【課題】簡単な構造を用いて手指によりワンタッチでモジュラージャックを着脱可能なパッチパネルを提供する。
【解決手段】 パッチパネルは、フレームと、前記フレームの後面に設けられ、内側に収納部を有する枠状の枠体と、前記枠体と一体的に設けられる支持部と、前記収納部に着脱可能なモジュラージャックと、前記支持部に接続されるとともに前記支持部を中心にシーソー状に回動可能なレバーであって、一方の端部に設けられ前記モジュラージャックに係合する係合部と、前記一方の端部とは反対側の他方の端部に設けられ指掛部と、前記係合部と前記指掛部とを連結した連結部と、を有し、前記指掛部を前記モジュラージャックに近づく方向に回動させることで、前記係合部が前記モジュラージャックから遠ざかる方向に回動して、前記モジュラージャックに対する前記係合部の係合が解除されるレバーと、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12