(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595786
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】グースネック型マイクロホン
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20191010BHJP
【FI】
H04R1/00 328C
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-76695(P2015-76695)
(22)【出願日】2015年4月3日
(65)【公開番号】特開2016-197803(P2016-197803A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2018年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】秋野 裕
【審査官】
柴垣 俊男
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−067123(JP,A)
【文献】
実開昭58−114683(JP,U)
【文献】
実開昭59−173210(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロホンユニットを支持する屈曲可能なフレキシブルパイプ、
を備えたグースネック型マイクロホンであって、
前記フレキシブルパイプの表面の一部は、弾力性を有する塗料で塗膜され、
前記マイクロホンユニットは、前記フレキシブルパイプに連結されるマイクロホンケースに収納され、
前記マイクロホンケースと前記フレキシブルパイプの連結部分は、前記塗料で塗膜される、
ことを特徴とするグースネック型マイクロホン。
【請求項2】
前記フレキシブルパイプは、コイルバネ状の丸線材を引張して生成される丸線材相互間の隙間に三角線材を挟み込んで形成され、
前記丸線材と前記三角線材との隙間は、前記塗膜により密閉される、
請求項1記載のグースネック型マイクロホン。
【請求項3】
前記塗膜は、前記フレキシブルパイプの可撓性を確保可能な厚さである、
請求項1または2記載のグースネック型マイクロホン。
【請求項4】
前記塗膜は、前記塗料が複数層に積層されて形成される、
請求項1乃至3のいずれかに記載のグースネック型マイクロホン。
【請求項5】
前記塗膜は、同じ種類の塗料が複数層に積層されて形成される、
請求項4記載のグースネック型マイクロホン。
【請求項6】
前記塗膜は、異なる種類の塗料が複数層に積層されて形成される、
請求項4記載のグースネック型マイクロホン。
【請求項7】
前記丸線材の素材と、前記三角線材の素材とは、異なる、
請求項2記載のグースネック型マイクロホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グースネック型マイクロホンに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロホンユニットを支える支柱としてフレキシブルパイプを用いるグースネック型マイクロホンは、フレキシブルパイプを所望の方向に屈曲させることでマイクロホンユニットを音源側に向けることができるため、会議用のマイクロホンとして使われている。
【0003】
図5は、従来のグースネック型マイクロホンの外観図である。
グースネック型マイクロホン10は、第1マイクロホンケース2Aと、第2マイクロホンケース2Bと、フレキシブルパイプ30Aと、パイプ4と、フレキシブルパイプ30Bと、ジョイント5と、コネクタ
ケース6とを有してなる。
【0004】
第1マイクロホンケース2Aの前方(集音時に音源側に向けられるグースネック型マイクロホン10の方向)側の内部には、マイクロホンユニット21が収納されている。マイクロホンユニット21は、音源から受けた音波に応じた音声信号を生成して出力する。
【0005】
第1マイクロホンケース2Aの後方側には、第2マイクロホンケース2Bを介して第1フレキシブルパイプ30Aが結合されている。第1フレキシブルパイプ30Aは、パイプ4の一端側に結合されている。パイプ4の他端側には、ジョイント5を介して第2フレキシブルパイプ30Bの一端側が結合されている。第2フレキシブルパイプ30Bの他端側には、コネクタ64を内蔵するコネクタケース6が結合されている。コネクタケース6は、第2フレキシブルパイプ3Bとの結合側から順に、小径部61と中径部62と大径部63とで構成されている。パイプ4とジョイント5とは、金属製で、直管状である。
【0006】
マイクロホンユニット21とコネクタ64とは、第1マイクロホンケース2Aと第2マイクロホンケース2Bとフレキシブルパイプ30Aとパイプ4とジョイント5と第2フレキシブルパイプ30Bの内部に挿通されたマイクロホンケーブルを介して電気的に接続している。マイクロホンユニット21が出力する音声信号は、このマイクロホンケーブルを介してコネクタ64に出力される。
【0007】
グースネック型マイクロホン10は、コネクタ64が不図示のマイクロホンスタンドのレセプタクルコネクタに差し込まれて、マイクロホンスタンドと機械的に結合されて使用される。このレセプタクルコネクタは、コネクタ64と電気的に結合し、マイクロホンユニット21が出力する音声信号を、マイクロホンスタンドに内蔵されるスピーカに伝達し、あるいは、マイクロホンスタンドに接続されるマイクロホンケーブルなどを介して外部装置に出力する。
【0008】
図6は、フレキシブルパイプ30(第1フレキシブルパイプ30Aと第2フレキシブルパイプ30Bとの総称)の断面図である。
フレキシブルパイプ30は、表面(外周面)が塗料70で塗膜されたフレキシブル素材を、所定の長さに切断して作製される。フレキシブル素材は、密に巻かれたコイルバネ状の丸線材31を引張して生じる丸線材31相互間の隙間に、三角線材32を挟み込んで丸線材31の長さ方向に巻き付けて作製される。
【0009】
丸線材31は、スチールやステンレスなどの硬質な金属材で、その断面形状は円形である。三角線材32は、銅合金など塑性変形が自在な金属材で、その断面形状は三角形である。硬質な金属材に塑性変形が自在な金属材が編み込まれて作製されたフレキシブルパイプ30は、可撓性を有する。
【0010】
丸線材31の素材と三角線材32の素材とは、それぞれ異なる。異種金属が接触している場合、この接触部分は空気中の湿度等により錆びてしまう。そこで、フレキシブルパイプ30の表面には、空気中の湿度等の影響を受けないようにするため、スプレー塗装等により塗料70が塗膜される。塗料70は、例えば、メラミン塗料である。
【0011】
図7は、フレキシブルパイプ30の拡大断面図である。
フレキシブルパイプ30の表面を構成する丸線材31と三角線材32との表面の一部には、塗料70の塗膜が形成されている。一方、図中Xで示される丸線材31と三角線材32との隙間には、塗料70の塗膜が形成されていない。この隙間の部分の空気が動きにくいため、この隙間には塗膜が形成されにくい。
【0012】
図8は、フレキシブルパイプ30の屈曲時の模式図である。
フレキシブルパイプ30の外周面のうち、図中Yで示される丸線材31と三角線材32とが隣接する部分は、屈曲時に距離が拡がる。そのため、塗料70の塗膜が形成されていない丸線材31と三角線材32との隙間の部分は外部に露出する。その結果、丸線材31や三角線材32の生地が露出して、フレキシブルパイプ30の外観が損なわれる。また、塗膜が形成されていない露出した部分は、錆びやすくなる。一方、屈曲したフレキシブルパイプ30の表面のうち、図中Zで示される隣接する丸線材31と三角線材32との距離が狭まる部分では、屈曲による応力で塗料70の塗膜が割れて剥がれる。その結果、丸線材31や三角線材32の生地が露出して、フレキシブルパイプ30の外観が損なわれる。また、塗膜が剥がれた部分は、錆びやすくなる。
【0013】
このように、フレキシブルパイプ30の塗料70による塗膜では、丸線材31と三角線材32との隙間の錆びの発生を十分に防止することができず、フレキシブルパイプ30の外観を損なう結果ともなる。
【0014】
一方、グースネック型マイクロホン10は、可撓性のあるフレキシブルパイプ30と、直管状のパイプ4やジョイント5と、が結合して構成されている。そのため、グースネック型マイクロホン10が屈曲したとき、フレキシブルパイプ30と、パイプ4やジョイント5と、の結合部付近に応力が集中してしまう。フレキシブルパイプ30の屈曲が繰り返されると、応力が集中する結合部付近において、フレキシブルパイプ30の可撓性等の機械的性質が劣化し、直管状のパイプ4やジョイント5が破損してしまう。
【0015】
これまでにも、フレキシブルパイプと直管状の部品との連結部分を、熱収縮チューブ等の支持フィルムで被覆することで、連結部分への応力の集中を防止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特許平9−229292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかし、フレキシブルパイプや直管状の部品の連結部分を熱収縮チューブ等で被覆した場合、外観が損なわれる。また、フレキシブルパイプや直管状の部品への熱収縮チューブ等の密着が完全でないため、熱収縮チューブ等がフレキシブルパイプ等の表面を滑るという不具合があった。この不具合は、湿気の混入につながり、錆びつきの原因となっていた。
【0018】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、フレキシブルパイプの良好な外観を保ちつつ、フレキシブルパイプを構成する丸線材と三角線材との隙間の錆びの発生を防止することができる、グースネック型マイクロホンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、マイクロホンユニットを支持する屈曲可能なフレキシブルパイプ、を備えたグースネック型マイクロホンであって、フレキシブルパイプの表面の一部は、弾力性を有する塗料で塗膜されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、フレキシブルパイプの良好な外観を保ちつつ、フレキシブルパイプを構成する丸線材と三角線材との隙間の錆びの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明にかかるグースネック型マイクロホンの実施の形態を示す外観図である。
【
図2】上記グースネック型マイクロホンの使用例を示す模式図である。
【
図3】上記グースネック型マイクロホンのフレキシブルパイプの部分拡大断面図である。
【
図4】上記フレキシブルパイプの屈曲時の模式図である。
【
図5】従来のグースネック型マイクロホンの外観図である。
【
図6】従来のグースネック型マイクロホンのフレキシブルパイプの断面図である。
【
図7】従来のグースネック型マイクロホンのフレキシブルパイプの部分拡大断面図である。
【
図8】従来のグースネック型マイクロホンの屈曲時の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明にかかるグースネック型マイクロホンの実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本発明にかかるグースネック型マイクロホンの実施の形態を示す外観図である。グースネック型マイクロホン1は、第1マイクロホンケース2Aと、第2マイクロホンケース2Bと、フレキシブルパイプ3Aと、パイプ4と、フレキシブルパイプ3Bと、ジョイント5と、コネクタ
ケース6とを有してなる。
【0024】
第1マイクロホンケース2Aの前方(集音時に音源側に向けられるグースネック型マイクロホン1の方向)側の内部には、マイクロホンユニット21が収納されている。マイクロホンユニット21は、例えば、コンデンサマイクロホンユニットである。マイクロホンユニット21は、音源から受けた音波に応じた音声信号を生成して出力する。
【0025】
第1マイクロホンケース2Aの後方側には、第2マイクロホンケース2Bを介して第1フレキシブルパイプ3Aが結合されている。第1フレキシブルパイプ3Aは、パイプ4の一端側に結合されている。パイプ4の他端側には、ジョイント5を介して第2フレキシブルパイプ3Bの一端側が結合されている。第2フレキシブルパイプ3Bの他端側には、コネクタ64を内蔵するコネクタケース6が結合されている。コネクタケース6は、第2フレキシブルパイプ3Bとの結合側から順に、小径部61と中径部62と大径部63とで構成されている。パイプ4とジョイント5とは、金属製で、直管状である。
【0026】
コネクタ64は、例えば、EIAJ RC−5236「音響機器用ラッチロック式丸型コネクタ」に規定される、接地用の1番ピンと、信号のホット側の2番ピンとコールド側の3番ピンとを有する出力コネクタである。マイクロホンユニット21とコネクタ64とは、第1マイクロホンケース2Aと第2マイクロホンケース2Bとフレキシブルパイプ3Aとパイプ4とジョイント5と第2フレキシブルパイプ3Bとを介して結合しており、これらの内部を挿通するマイクロホンケーブルを介して電気的に接続している。マイクロホンユニット21が出力する音声信号は、このマイクロホンケーブルを介してコネクタ64に出力される。
【0027】
図2は、グースネック型マイクロホン1の使用例を示す模式図である。
グースネック型マイクロホン1は、マイクロホンスタンド8に取り付けられて使用をされる。マイクロホンスタンド8は、例えば、ベース筐体81と、ベース筐体81の内部に収納されているスピーカ82と第1出力コネクタ83と第2出力コネクタ84と、ベース筐体81の上面に設けられている着脱ボタン85とを有してなる。
【0028】
グースネック型マイクロホン1は、コネクタケース6の後方端側がベース筐体81の上面に設けられた支持孔に挿入され、コネクタ64が第1出力コネクタ83に差し込まれることで、マイクロホンスタンド8に機械的に結合されて直立状に取り付けられる。図中、点線で示されるように、フレキシブルパイプ3が屈曲することで、第1マイクロホンケース2Aに内蔵されたマイクロホンユニット21は、所望の方向、例えば、話者の口元の方向を向く。ここで、フレキシブルパイプ3とは、第1フレキシブルパイプ3Aと第2フレキシブルパイプ3Bとの総称である。
【0029】
ベース筐体81は、金属製で、扁平形状である。ベース筐体81の背面側(紙面右側)の内部には、第1出力コネクタ83と同一の形状の第2出力コネクタ84が設けられている。
【0030】
グースネック型マイクロホン1が集音した音声は、スピーカ82から出力される。すなわち、マイクロホンユニット21が出力した音声信号は、コネクタ64と第1出力コネクタ83とを介してスピーカ82に伝達される。
【0031】
第1出力コネクタ83と第2出力コネクタ84との1番ピン同士、2番ピン同士、3番ピン同士は、ベース筐体81内で不図示のリード線で接続されている。
【0032】
第2出力コネクタ84には、プラグ92が差し込まれる。プラグ92は、マイクロホンコード91を介して不図示のミキサー等の外部装置に接続されている。
【0033】
コネクタ64が第1出力コネクタ83に差し込まれているとき、コネクタ64と第1出力コネクタ83とは、それぞれの1番ピン同士、2番ピン同士、3番ピン同士が電気的に接続する。その結果、マイクロホンユニット21が出力する音声信号は、コネクタ64と第1
出力コネクタ83と第2
出力コネクタ84とを介して、マイクロホンコード91に出力される。
【0034】
マイクロホンスタンド8に取り付けられたグースネック型マイクロホン1は、着脱ボタン85が操作者などの指により押下されたときに、マイクロホンスタンド8との機械的な結合が解除されて、マイクロホンスタンド8から取り外される。
【0035】
図3は、フレキシブルパイプ3の部分拡大断面図である。
フレキシブルパイプ3は、表面(外周面)の一部または全部に塗料7で塗膜が形成されたフレキシブル素材を、所定の長さに切断して生成される。すなわち、フレキシブルパイプ3の表面の一部または全部には、塗料7による塗膜が形成されている。フレキシブル素材は、密に巻かれたコイルバネ状の丸線材31を引張して生成された丸線材31相互間の隙間に、三角線材32を挟み込んで丸線材31の長さ方向に巻き付けて作製される。
【0036】
丸線材31は、スチールやステンレスなどの硬質な金属材で、その断面形状は円形である。三角線材32は、銅合金など塑性変形が自在な金属製で、その断面形状は三角形である。このように、丸線材31の素材と三角線材32の素材とは、異なる。硬質な金属材に塑性変形が自在な金属材が編み込まれて作製されたフレキシブルパイプ3は、可撓性を有する。
【0037】
塗料7は、弾力性を有するもので、例えば、ラビ(登録商標)等が用いられる。塗料7が弾力性を有するため、図中Aで示される隣接する丸線材31と三角線材32との隙間は、塗料7の塗膜で密閉される。
【0038】
図4は、フレキシブルパイプ3の屈曲時の模式図である。
フレキシブルパイプ3の表面のうち、図中Bで示される丸線材31と三角線材32とが隣接する部分は、屈曲時に距離が拡がる。しかし、塗料7の弾性により塗料7の塗膜が伸びることで、丸線材31と三角線材32との隙間の塗料7による密閉は維持される。一方、図中Cで示される丸線材31と三角線材32との距離が狭まる部分は、塗料7の弾性により塗料7の塗膜が縮み、丸線材31と三角線材32との隙間の塗膜による密閉は維持される。すなわち、塗料7が弾性を有することにより、フレキシブルパイプ3の屈曲部分において、塗料7の割れや剥がれが発生しない。
【0039】
また、フレキシブルパイプ3が屈曲したときに応力が集中する連結部分、つまり、
図1の網掛けで示された部分(第2マイクロホンケース2Bと第1フレキシブルパイプ3Aとの連結部分S1、第1フレキシブルパイプ3Aとパイプ4の連結部分S2、ジョイント5と第2フレキシブルパイプ3Bの連結部分S3、第2フレキシブルパイプ3Bとコネクタケース6の連結部分S4の各連結部分)付近のフレキシブルパイプ3の表面には、塗料7が重ね塗りされ、塗膜が複数層に積層される。塗膜が複数層に積層された連結部分S1,S2,S3,S4の付近において、塗膜の弾力が高まり、フレキシブルパイプ3が屈曲したときの応力は分散される。その結果、フレキシブルパイプ3の可撓性等の機械的性質の劣化が防止され、パイプ4やジョイント5の破損も防止される。
【0040】
ここで、マイクロホンスタンド8が振動すると、その振動がグースネック型マイクロホン1のポール部を介してマイクロホンユニット21に伝播する。ポール部とは、マイクロホンユニット21を支持する、連結された第1フレキシブルパイプ3Aとパイプ4とジョイント5と第2フレキシブルパイプ3Bとの総称である。グースネック型マイクロホン10では、前方側の第1マイクロホンケース2Aが話者に向けられることから、ポール部は第1マイクロホンケース2Aの軸方向と直交する方向に振動しやすい。また、スピーカ82が音波を放射する際の振動、特に低い周波数の振動がポール部を介してマイクロホンユニット21に伝播される。これらの振動を受けたマイクロホンユニット21は、振動に起因する音声信号を生成して出力する。その結果、グースネック型マイクロホン1は、振動に起因する雑音を出力してしまう。したがって、グースネック型マイクロホン1が振動に起因する雑音を出力しないようにするには、ポール部の振動を抑制する必要がある。
【0041】
弾性力を有する塗料7により形成された塗膜の弾性力と機械抵抗は、グースネック型マイクロホン1のポール部の振動を抑えるため、グースネック型マイクロホン1の振動に起因した雑音の出力を抑制する。
【0042】
なお、フレキシブルパイプ3の表面の塗膜は、同じ種類の塗料が重ね塗りされて複数層に積層されていてもよいし、異なる種類の塗料が重ね塗りされて複数層に積層されていてもよい。複数層に積層される塗膜は、フレキシブルパイプ3の場所に応じて積層される塗膜の厚さが調整されることで、フレキシブルパイプ3の場所ごとの可撓性を調整して、フレキシブルパイプ3全体の曲り具合を調整する。
【0043】
また、塗料7により形成される塗膜は、フレキシブルパイプ3の可撓性を確保可能な厚さであればよい。すなわち、弾力性を有する塗料7により形成される塗膜は、フレキシブルパイプ3の曲がり過ぎを抑制して、フレキシブルパイプ3の破損等を防止する。
【0044】
さらに、フレキシブルパイプ3の表面を塗膜する塗料7として、光沢の低い塗料を用いられることで、グースネック型マイクロホン1が光を反射することがなくなる。そのため、塗料7が重ね塗りされたとしても、フレキシブルパイプ3の外観は損なわれない。
【0045】
以上説明した実施の形態によれば、塗料7の弾力性により、フレキシブルパイプ3が屈曲したときも、塗料7により形成された塗膜は丸線材31と三角線材32の隙間の密閉を維持する。そのため、塗料7により形成された塗膜は、フレキシブルパイプ3の外観を損なわず、異種金属の接触を原因とする、丸線材31と三角線材32の隙間の錆びの発生も防止する。
【0046】
また、弾力性を有する塗料7により形成された塗膜の弾力性と機械抵抗は、グースネック型マイクロホン1のポール部の振動を抑え、振動に起因した雑音の発生を抑制する。
【0047】
なお、以上説明した実施の形態は、塗料7で塗膜されるのはフレキシブルパイプ3のみであった。これに代えて、グースネック型マイクロホンを構成する部品のうち、フレキシブルパイプ3以外の部品の表面にも塗料7による塗膜が形成されてもよい。すなわち、例えば、
図1に示した、フレキシブルパイプ3とパイプ4やジョイント5との連結部分S1,S2,S3,S4が塗料7で塗膜されてもよい。この場合、塗料で塗膜されたフレキシブルパイプとパイプやジョイントが結合してグースネック型マイクロホンが組み立てられた後に、各連結部分S1,S2,S3,S4に塗料が塗膜されてもよい。ここで、フレキシブルパイプに塗膜を形成する塗料の種類と、各連結部分に塗膜を形成する塗料の種類とは、同じであってもよいし、異なってもよい。あるいは、塗料で塗膜されていないフレキシブルパイプとパイプやジョイントが結合され、グースネック型マイクロホンが組み立てられた後に、フレキシブルパイプの表面に加えて、各連結部分S1,S2,S3,S4に塗料が塗膜されてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 グースネック型マイクロホン
2A 第1マイクロホンケース
2B 第2マイクロホンケース
21 マイクロホンユニット
31 丸線材
32 三角線材
3A 第1フレキシブルパイプ
3B 第2フレキシブルパイプ
4 パイプ
5 ジョイント
6 コネクタケース
61 小径部
62 中径部
63 大径部
64 コネクタ
7 塗膜
8 マイクロホンスタンド
81 ベース筐体
82 スピーカ
83 第1出力コネクタ
84 第2出力コネクタ
85 着脱ボタン
91 マイクロホンコード
92 プラグ