(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595861
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】情報処理装置、ログ取得方法およびログ取得プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/34 20060101AFI20191010BHJP
G06F 11/07 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
G06F11/34 176
G06F11/07 166
G06F11/07 140A
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-180804(P2015-180804)
(22)【出願日】2015年9月14日
(65)【公開番号】特開2017-58751(P2017-58751A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2018年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】有泉 宏幸
【審査官】
今城 朋彬
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/190663(WO,A1)
【文献】
特開2002−108640(JP,A)
【文献】
特開平05−189274(JP,A)
【文献】
特開平11−345141(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0240747(US,A1)
【文献】
特開2009−230262(JP,A)
【文献】
特開2015−118493(JP,A)
【文献】
特開昭59−087564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/34
G06F 11/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路群と、
前記電子回路群を構成するいずれかの電子回路に異常が発生した場合に、該電子回路から該異常に関するログ情報を取得する運用系管理モジュールと、
予め定めた所定の間隔で前記運用系管理モジュールから前記ログ情報を取得し、前記取得したログ情報をログファイルに変換する待機系管理モジュールと
を含み、
前記待機系管理モジュールに異常が発生した場合は、前記運用系管理モジュールが該異常の発生を検出し、
前記運用系管理モジュールが、該異常の内容を基に前記待機系管理モジュールへの前記ログ情報の送付が継続可能か否かを判断し、
前記判断の結果が継続可能である場合は、前記待機系管理モジュールが継続可能である旨を、ネットワークを介して接続された端末に通知し、
一方、前記判断の結果が継続不可の場合は、前記運用系管理モジュールが継続不可能である旨を前記端末に通知する
情報処理装置。
【請求項2】
前記待機系管理モジュールは、バイナリデータである前記ログ情報を、テキストデータである前記ログファイルに変換する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記運用系管理モジュールに異常が発生した場合は、前記待機系管理モジュールが該異常の発生を検出し、
前記待機系管理モジュールが、再起動時に運用系に切り替わり、前記電子回路群を構成するいずれかの電子回路に異常が発生した場合に、該電子回路から該異常に関するログ情報を取得し、該取得したログ情報をログファイルに変換する
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記待機系管理モジュールが、所定の時間を経過しても前記ログ情報を取得できなかった回数が、所定の期間中に2回になった場合は、以降、前記運用系管理モジュールからの前記ログ情報の取得を行わない
請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
予め定めた所定の間隔で、電子回路群を構成するいずれかの電子回路に発生した異常に関するログ情報を運用系管理モジュールから取得し、
待機系管理モジュールによって、前記取得したログ情報を、バイナリデータからテキストデータであるログファイルに変換する
ログ取得方法であって、
前記待機系管理モジュールに異常が発生した場合は、前記運用系管理モジュールが該異常の発生を検出し、
前記運用系管理モジュールが、該異常の内容を基に前記待機系管理モジュールへの前記ログ情報の送付が継続可能か否かを判断し、
前記判断の結果が継続可能である場合は、前記待機系管理モジュールが継続可能である旨を、ネットワークを介して接続された端末に通知し、
一方、前記判断の結果が継続不可の場合は、前記運用系管理モジュールが継続不可能である旨を前記端末に通知する
ログ取得方法。
【請求項6】
前記ログ情報を所定の時間を経過しても取得できなかった回数が、所定の期間中に2回になった場合は、以降、前記運用系管理モジュールからの前記ログ情報の取得を行わない
請求項5に記載のログ取得方法。
【請求項7】
予め定めた所定の間隔で、電子回路群を構成するいずれかの電子回路に発生した異常に関するログ情報を運用系管理モジュールから取得する定期取得処理と、
待機系管理モジュールによって、前記取得したログ情報を、バイナリデータからテキストデータであるログファイルに変換する変換処理と
をコンピュータに実行させるログ取得プログラムであって、
前記待機系管理モジュールに異常が発生した場合は、前記運用系管理モジュールが該異常の発生を検出し、
前記運用系管理モジュールが、該異常の内容を基に前記待機系管理モジュールへの前記ログ情報の送付が継続可能か否かを判断し、
前記判断の結果が継続可能である場合は、前記待機系管理モジュールが継続可能である旨を、ネットワークを介して接続された端末に通知し、
一方、前記判断の結果が継続不可の場合は、前記運用系管理モジュールが継続不可能である旨を前記端末に通知する
ログ取得プログラム。
【請求項8】
前記ログ情報を所定の時間を経過しても取得できなかった回数が、所定の期間中に2回になった場合は、以降、前記運用系管理モジュールからの前記ログ情報の取得を行わない無応答チェック処理
をコンピュータに実行させる、請求項7に記載のログ取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、ログ取得方法およびログ取得プログラムに関し、特に、各種の電子回路群の動作状況を監視してログ情報を取得する情報処理装置、ログ取得方法およびログ取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ等の情報処理装置は、一般的に、中央処理装置や入出力制御などの各種の電子回路群と、該情報処理装置の基本的動作を制御したり、上記各種の電子回路群の動作状況を監視したりする管理モジュールとを備えている。そして、該管理モジュールは、監視した動作状況を示す情報を記憶部に格納し、該動作状況情報を利用者の指示によりログとして出力する機能を備えている。
【0003】
上述の管理モジュールを、管理モジュール自身の障害に備えて冗長化(すなわち、運用系および待機系の2つの管理モジュールを備えている。)した情報処理装置では、一般的に、運用系の管理モジュールが該情報処理装置全体の動作状況の監視を行う。そして、該運用系の管理モジュールは、電子回路等から異常が発生した旨の通知を受け取ったときは、当該電子回路等から動作状況の情報を収集し、記憶部に格納する。
【0004】
しかし、収集された動作状況の情報は、一般的に、バイナリデータであり、利用者からの指示により、運用系の管理モジュールが、該動作状況の情報を基に、利用者が理解可能な出力用ログファイルへの変換処理を行う場合、該変換処理が終わるまで運用系の管理モジュールの処理負荷が高い状態が続く。このような状態の運用系の管理モジュールは、当該変換処理が完了して処理負荷が減少するまでの間、利用者からの新しい指示を受け付けることができないという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するために、特許文献1には、運用系の管理装置(上述の管理モジュールに相当)の動作レスポンスが悪化することを防ぐための技術が記載されている。すなわち、運用系の管理装置がログ採取およびログアーカイブの生成を待機系の管理装置に要求する。そして、該要求に応答して、待機系の管理装置が、外部記憶装置から運用系および待機系の両方のログを採取しログアーカイブを生成する。これにより、運用系の管理装置が、処理負荷の高いログアーカイブの生成処理を行わないため、運用系の動作レスポンスが悪化しない。
【0006】
なお、関連技術として、複数の情報処理装置に含まれる各管理モジュールが、相手側の情報処理装置の動作状況を監視する技術として、特許文献2には、正常なコンピュータシステムに接続されたサービスプロセッサ(上述の管理モジュールに相当)が、障害が発生した相手側コンピュータシステムの障害原因の切り分けを容易に行うための技術が記載されている。
【0007】
特許文献3には、デュープレックス構成のPC(「Personal Computer」の略。)サーバにおいて、稼働系のPCサーバに含まれるデータベースに障害が発生した場合に、待機系のPCサーバに含まれるコントロールモジュール(上述の管理モジュールに相当)が、待機系のデータベースを該障害が発生する直前の状態まで復旧するための技術が記載されている。
【0008】
また、関連して、複数の情報処理装置の動作状況を1台の管理装置で監視する技術として、特許文献4には、中央処理部を3重以上に多重化して多数決により適当な処理結果を採用するコンピュータシステムにおいて、診断プロセッサ(上述の管理モジュールに相当)が、故障が発生してシステムから切り離された中央処理部から速やかに障害ログ情報を取得するための技術が記載されている。
【0009】
特許文献5には、複数台のサーバ装置から構成されるサーバシステムの保守を、1台の保守用コンソール装置(上述の管理モジュールに相当)により容易に行うための技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2013/190663号
【特許文献2】特開昭61−120266号公報
【特許文献3】特開2002−108640号公報
【特許文献4】特開平08−263329号公報
【特許文献5】特開2007−079751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1では、運用系の管理装置の動作レスポンスに影響を与えないように待機系の管理装置がログアーカイブを生成するためには、待機系の管理装置は、運用系の管理装置が収集した現用系のログが格納された外部記憶装置にアクセスして当該ログを取得する必要がある。すなわち、各管理装置から共通でアクセス可能な外部記憶装置が必要となり、コストがかかるという問題点がある。
【0012】
なお、特許文献2乃至5には、管理モジュールがログ情報の加工、分析を行うときに、該管理モジュールの動作レスポンスに影響を与えないための技術については、何ら記載されていない。
【0013】
本発明の目的は、各管理モジュールから共通でアクセス可能な外部記憶装置等を必要とせずに、運用系の管理モジュールの動作レスポンスに影響を与えないでログ情報の加工、分析を行うことができる情報処理装置、ログ取得方法およびログ取得プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の情報処理装置は、
電子回路群と、
前記電子回路群を構成するいずれかの電子回路に異常が発生した場合に、該電子回路から該異常に関するログ情報を取得する運用系管理モジュールと、
予め定めた所定の間隔で前記運用系管理モジュールから前記ログ情報を取得し、前記取得したログ情報をログファイルに変換する待機系管理モジュールと
を含む。
【0015】
また、本発明のログ取得方法は、
予め定めた所定の間隔で、電子回路群を構成するいずれかの電子回路に発生した異常に関するログ情報を運用系管理モジュールから取得し、
前記取得したログ情報を、バイナリデータからテキストデータであるログファイルに変換する。
【0016】
また、本発明のログ取得プログラムは、
予め定めた所定の間隔で、電子回路群を構成するいずれかの電子回路に発生した異常に関するログ情報を運用系管理モジュールから取得する定期取得処理と、
前記取得したログ情報を、バイナリデータからテキストデータであるログファイルに変換する変換処理と
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明には、各種の電子回路群の動作状況を監視する運用系および待機系の管理モジュールを含む情報処理装置において、各管理モジュールから共通でアクセス可能な外部記憶装置等を必要とせずに、運用系の管理モジュールの動作レスポンスに影響を与えないでログ情報の加工、分析を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態での情報処理装置10の動作を示すシーケンスチャートである。
【
図3】第1の実施形態において、運用系の管理モジュール11で何らかの異常が発生した場合の、情報処理装置10の動作を示すフローチャートである。
【
図4】第1の実施形態において、待機系の管理モジュール15で何らかの異常が発生した場合の、情報処理装置10の動作を示すフローチャートである。
【
図5】第1の実施形態において、待機系の管理モジュール15が定期的なログ情報の取得に失敗した場合の、情報処理装置10の動作を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の第2の実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【0021】
図1を参照すると、情報処理装置10は、運用系の管理モジュール11と、待機系の管理モジュール15と、中央処理装置や入出力制御などの各種の電子回路群12と、無応答カウンタ部13とを含む。情報処理装置10は、ネットワーク40を介して少なくとも1つの端末20と接続される。
【0022】
運用系の管理モジュール11は、制御部110と、記憶部111とを備え、待機系の管理モジュール15は、制御部150と、記憶部151とを備える。制御部110と制御部150とは、直接接続されており、相互にデータの送受信が可能であるとともに、相互の死活監視であるハートビート監視を行っている。
【0023】
また、制御部110および制御部150は、プログラムを記憶する記憶デバイス(図示せず)と、そのプログラムをメモリに読み込んで命令を実行するプロセッサ(図示せず)とを含む。
【0024】
電子回路群12は、それぞれ制御部110および制御部150と接続されており、障害等の異常が発生したときには、その旨を示す異常発生通知を、その時点で運用系として動作している管理モジュールの制御部(ここでは、制御部110)に送付する。
【0025】
記憶部111および記憶部151には、電子回路群12のうちのいずれかの電子回路に障害等の異常が発生した場合に、該異常に関する情報や該電子回路に関する装置情報等を示すバイナリデータであるログ情報が保存される。
【0026】
無応答カウンタ部13は、運用系の管理モジュール11および待機系の管理モジュール15と接続されている。そして、無応答カウンタ部13は、待機系の管理モジュール15から運用系の管理モジュール11へのログ情報の送付依頼および該依頼に対応する運用系の管理モジュール11からのログ情報の送付を監視している。
【0027】
無応答カウンタ部13は、待機系の管理モジュール15からのログ情報の送付依頼に対応した運用系の管理モジュール11からの応答が、所定の時間を経過しても無い場合には、無応答回数を1回としてカウントする。そして、無応答カウンタ部13は、所定の期間(例えば、1時間等)が経過する間の無応答回数を含む無応答通知を、待機系の管理モジュール15の制御部150に通知する。なお、1度無応答の事象が発生しても、上記所定の期間が経過する間に、2回目の無応答状態が発生しない場合は、無応答回数はクリアされる。
【0028】
端末20は、利用者が情報を入力するためのキーボード等(図示せず)および利用者へ情報を表示するための表示画面等(図示せず)を備える。端末20は、利用者が入力した指示を制御部110または制御部150へ送付し、該指示に応答して制御部110または制御部150が処理を行った結果を受け取り、該処理結果を利用者へ提示する。ここで、端末20は、1台が制御部110と制御部150との両方に接続してもよいし、複数の端末20が制御部110と制御部150とにそれぞれ接続してもよい。
【0029】
次に、情報処理装置10の動作について説明する。
【0030】
図2は、情報処理装置10の動作を示すシーケンスチャートである。
【0031】
図2を参照すると、まず、電子回路群12のうちのいずれかの電子回路で障害等の異常が発生すると、当該電子回路は、その旨を示す異常発生通知を、運用系の管理モジュール11に含まれる制御部110に送付する(S101)。
【0032】
当該電子回路から異常発生通知を受け取った制御部110は、発生した異常に関する情報や当該電子回路に関する装置情報等を示すログ情報の採取指示を当該電子回路に送付する(S102)。
【0033】
該採取指示に応答して、当該電子回路は、ログ情報を採取し(S103)、該採取したログ情報を制御部110に送付する(S104)。
【0034】
電子回路からログ情報を受け取った制御部110は、該ログ情報を、記憶部111に追加保存する(S105)。
【0035】
待機系の管理モジュール15に含まれる制御部150は、制御部110に対しログ情報の送付を依頼する(S106)。
【0036】
制御部150からログ情報の送付依頼を受け取った制御部110は、記憶部111に保存されているログ情報をすべて制御部150に送付する(S107)。
【0037】
制御部110からログ情報を受け取った制御部150は、該ログ情報で、記憶部151を更新する(S108)。
【0038】
ここで、制御部150は、上述のS106の処理を予め定めた所定の間隔で実行し、定期的に、記憶部111に保存されているログ情報を取得し記憶部151に保存する。
【0039】
なお、S107で、制御部110は、記憶部111に保存されているログ情報をすべて制御部150に送付しているが、前回送付したログ情報の次のログ情報から最新のログ情報までの差分を送付することでもよい。この場合、S108で制御部110からログ情報を受け取った制御部150は、該ログ情報を、記憶部151に追加保存する。
【0040】
そして、制御部150は、端末20からログファイル出力指示を受け取ると(S109)、記憶部151に保存されているバイナリデータであるログ情報を、端末20で利用者に表示可能なテキストデータである出力用ログファイルへと変換する(S110)。制御部150は、変換したログファイルを端末20へと送付する(S111)。制御部150からログファイルを受け取った端末20は、該ログファイルを利用者に提示する。
【0041】
次に、運用系の管理モジュール11に何らかの異常が発生した場合の情報処理装置10の動作について説明する。
【0042】
図3は、運用系の管理モジュール11に何らかの異常が発生した場合の情報処理装置10の動作を示すフローチャートである。
【0043】
図3を参照すると、まず、運用系の管理モジュール11に何らかの異常が発生した場合には、運用系の管理モジュール11に含まれる制御部110と相互にハートビート監視を行っている待機系の管理モジュール15に含まれる制御部150が、当該事象を検出する(ステップS201)。
【0044】
そして、制御部150は、運用系の管理モジュール11に何らかの異常が発生していることを示す運用系異常発生通知を端末20に送付する(ステップS202)とともに、運用系の管理モジュール11からの定期的なログ情報取得処理(すなわち、
図2のシーケンスチャートのS106乃至S108に示すログ情報の送付依頼から記憶部150への保存までの一連の処理。)を中止する。端末20は、制御部150から受け取った運用系異常発生通知の内容を、表示画面等(図示せず)を介して利用者に提示する。
【0045】
次に、制御部150は、自身が含まれる管理モジュール(すなわち、管理モジュール15)が待機系から運用系へ切り替わることを示す情報を、情報処理装置10の内部に設けられた記憶場所(図示せず)に記録する。そして、情報処理装置10の再起動を契機に、制御部150が当該記憶場所を参照し、運用系として起動する(ステップS203)。
【0046】
これにより、制御部150が含まれる管理モジュール15が運用系として動作することが電子回路群12に通知され、以降、電子回路群12のいずれかの電子回路で障害等の異常が発生すると、当該電子回路は、その旨を示す異常発生通知を、管理モジュール15に含まれる制御部150に送付する。そして、制御部150は、該電子回路からログ情報を取得し、記憶部151に保存する(ステップS204)。
【0047】
次に、待機系の管理モジュール15に何らかの異常が発生した場合の情報処理装置10の動作について説明する。
【0048】
図4は、待機系の管理モジュール15に何らかの異常が発生した場合の情報処理装置10の動作を示すフローチャートである。
【0049】
図4を参照すると、まず、待機系の管理モジュール15に何らかの異常が発生した場合には、待機系の管理モジュール15に含まれる制御部150と相互にハートビート監視を行っている制御部110が、当該事象を検出する(ステップS301)。そして、制御部110は、検出した事象に基づいて、待機系の管理モジュール15へのログ情報の送付を続行することが可能か否かを判断する(ステップS302)。
【0050】
ログ情報の送付を続行することが不可能だと判断された場合(ステップS302で「NO」の場合)には、制御部110は、端末20に対してその旨を示す待機系ログ取得継続不可通知を送付する(ステップS303)。そして、端末20は、制御部150から受け取った待機系ログ取得継続不可通知の内容を、表示画面等(図示せず)を介して利用者に提示する。
【0051】
一方、ステップS302でログ情報の取得処理を続行することが可能だと判断された場合(ステップS302で「YES」の場合)には、制御部110は制御部150に対してその旨を通知し、制御部150が、端末20に対して、発生した異常の内容を示す待機系異常発生通知を送付する(ステップS304)。そして、端末20は、制御部150から受け取った待機系異常発生通知の内容を、表示画面等(図示せず)を介して利用者に提示する。
【0052】
次に、待機系の管理モジュール15が何らかの原因で定期的なログ情報の取得に失敗した場合の情報処理装置10の動作について説明する。
【0053】
図5は、待機系の管理モジュール15が何らかの原因で、運用系の管理モジュール11からの定期的なログ情報の取得に失敗した場合の情報処理装置10の動作を示すフローチャートである。
【0054】
図5を参照すると、まず、
図2のS106の説明で述べたように、制御部150は、制御部110に対しログ情報の送付を依頼する(ステップS401)。
【0055】
このとき、何らかの原因で、該送付依頼に対応する制御部110からの応答が無いまま所定の時間が経過した場合(ステップS402で「NO」の場合)には、無応答カウンタ部13から制御部150に、その旨の無応答通知が送付される。
【0056】
該無応答通知に含まれる無応答回数が「1」の場合(ステップS403で「NO」の場合)は、所定の期間中に無応答になった回数は今回が1回目だということを示しているので、制御部150は、端末20に対し、制御部110から応答が無い旨を示すログ情報取得失敗通知を送付する(ステップS404)。端末20は、制御部150から受け取ったログ情報取得失敗通知の内容を、表示画面等(図示せず)を介して利用者に提示する。
【0057】
一方、該無応答通知に含まれる無応答回数が「2」の場合(ステップS403で「YES」の場合)は、所定の期間中に無応答になった回数が2回目だということを示しているので、制御部150は、端末20に対し、その旨を示すログ情報取得失敗通知を送付し、以降、運用系の管理モジュール11からのログ情報取得処理を中止する(ステップS405)。端末20は、制御部150から受け取ったログ情報取得失敗通知の内容を、表示画面等(図示せず)を介して利用者に提示する。
【0058】
以上、本実施形態には、各管理モジュールから共通でアクセス可能な外部記憶装置等を必要とせずに、また、運用系の管理モジュール11の動作レスポンスに影響を与えないで、ログファイルを利用者に提示できるという効果がある。
【0059】
その理由は、制御部150が、ログ情報を、予め定めた所定の間隔で運用系の管理モジュール11に含まれる記憶部111から取得し、該取得したログ情報を記憶部151に保存しておく。そして、処理負荷の高い、ログ情報からログファイルへの変換処理を、制御部150が記憶部151に保存されたログ情報を基に行うことにより、運用系の管理モジュール11の動作レスポンスに影響を与えないからである。
【0060】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態の基本的な構成を含む、第2の実施形態について説明する。
【0061】
図6は本実施形態を示すブロック図である。
【0062】
図6を参照すると、情報処理装置50は、運用系の管理モジュール51と、待機系の管理モジュール55と、中央処理装置や入出力制御などの各種の電子回路群52とを含む。運用系の管理モジュール51と待機系の管理モジュール55とは、ネットワークで接続されており、相互にデータの送受信が可能である。
【0063】
運用系の管理モジュール51は、プログラムを記憶する記憶デバイス(図示せず)と、そのプログラムをメモリに読み込んで命令を実行するプロセッサ(図示せず)とを含む。
【0064】
電子回路群52は、それぞれ運用系の管理モジュール51と接続されている。
【0065】
運用系の管理モジュール51は、電子回路群52のいずれかの電子回路に障害等の異常が発生した場合に、該電子回路から該異常に関するログ情報を取得する。
【0066】
待機系の管理モジュール55は、予め定めた所定の間隔で運用系の管理モジュール51から上記ログ情報を取得し、該取得したバイナリデータであるログ情報を利用者に表示可能なテキストデータであるログファイルに変換する。
【0067】
以上、本実施形態には、第1の実施形態と同様に、各管理モジュールから共通でアクセス可能な外部記憶装置等を必要とせずに、また、運用系の管理モジュール51の動作レスポンスに影響を与えないで、ログ情報をログファイルに変換できるという効果がある。
【0068】
その理由は、待機系の管理モジュール55が、ログ情報を、予め定めた所定の間隔で運用系の管理モジュール51から取得する。そして、処理負荷の高い、ログ情報からログファイルへの変換処理を、運用系の管理モジュール51ではなく待機系の管理モジュール55が行うことにより、運用系の管理モジュール51の動作レスポンスに影響を与えないからである。
【符号の説明】
【0069】
10 情報処理装置
11 管理モジュール
12 電子回路群
13 無応答カウンタ部
15 管理モジュール
20 端末
40 ネットワーク
50 情報処理装置
51 管理モジュール
52 電子回路群
55 管理モジュール
110 制御部
111 記憶部
150 制御部
151 記憶部