(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6595887
(24)【登録日】2019年10月4日
(45)【発行日】2019年10月23日
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E05B 1/06 20060101AFI20191010BHJP
E06B 3/62 20060101ALI20191010BHJP
E06B 3/58 20060101ALI20191010BHJP
E06B 3/46 20060101ALI20191010BHJP
【FI】
E05B1/06 105G
E06B3/62 Z
E06B3/58 B
E06B3/46
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-228235(P2015-228235)
(22)【出願日】2015年11月20日
(65)【公開番号】特開2017-95946(P2017-95946A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 典継
(72)【発明者】
【氏名】中▲崎▼ 恵未
【審査官】
藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−085787(JP,U)
【文献】
特開2003−293659(JP,A)
【文献】
特開平03−194086(JP,A)
【文献】
中国実用新案第201184099(CN,Y)
【文献】
国際公開第2005/028793(WO,A1)
【文献】
実開昭58−142246(JP,U)
【文献】
特開2005−240486(JP,A)
【文献】
特開2012−251424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−1/06
E06B 1/00−1/70
E06B 3/00−3/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部に設置される枠体と、框組みしてなり枠体に対して開閉自在に支持される障子と、障子に固定される取手とを備え、
障子を構成する框は、パネルが装着されるガラス間口の底部を有する框本体部と、框本体部に取り付けられる押縁とによって形成されており、
取手は、押縁の見付け面に固定されるとともに、押縁の取手が固定される部位の裏面におけるパネルと押縁と間及びパネルと框本体部の見付け面との間には、これらの間を埋める硬質のバックアップ材がそれぞれ設けられていることを特徴とする建具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開口部に設けられ、障子に固着された取手をつかんで開閉することができる建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、障子の框部分に開閉の際につかむことのできる取手を設けた建具が存在する。(特許文献1)
近年、建物開口部に設けられる建具として、その窓枠及び障子の框部分の見付け幅寸法を小さくした開口面積のより大きい建具が求められており、そのために、障子の框材から中空部等の構造部分を省いてガラス間口を主体とする構成とし、障子の框材の見付け幅を小さくして開口面積を大きくした建具が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−195634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、障子には開閉する際に握る取手が必要であり、障子の框材から中空部等の構造部分を省くとガラス間口の室内側は押縁により構成されているので、取手を取り付けるスペースがなくなってしまい、障子の框に強固な取手を付けることが難しかった。
【0005】
本発明は、上記の事情を鑑みたものであり、障子の框材の見付け幅を小さくしながら、障子に対して安定した状態で取手を付けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、開口部に設置される枠体と、框組みしてなり枠体に対して開閉自在に支持される障子と、障子に固定される取手とを備え、
障子を構成する框は、パネルが装着されるガラス間口の底部を有する框本体部と、框本体部に取り付けられる押縁とによって形成されており、取手は、押縁の見付け面に固定されるとともに、押縁の取手が固定される部位の裏面に
おけるパネルと押縁と間
及びパネルと框本体部の見付け面との間には、これらの間を埋める硬質のバックアップ材が
それぞれ設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、障子の框部分の見付け幅を小さくしながら、障子に対して安定した状態で取手を付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る建具の内観図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る建具の障子の右縦框の横断面図であり、(a)は取手を取り付ける部位以外の横断面図であり、(b)は取手を取り付ける部位の横断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る建具の障子の分解図であり、右縦框の取手を取り付ける部位の周辺を内周方向から見た斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る障子の取手を縦框の押縁に取り付ける方法を説明する図であり、取り付け前の押縁と取手の分解斜視図である。
【
図5】本発明の他の実施形態に係る建具の障子の右縦框の取手を取り付ける部位の横断面図であって、(a)はパネルを単パネルにより形成し、框の見込み寸法が16mmである右縦框の横断面図、(b)はパネルを複層パネルにより形成し、框の見込み寸法が29mmである右縦框の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(建具の全体構成)
本発明の建具を、建物開口部に取り付けられる枠体に対して障子が開閉する開き窓の実施形態を用いて説明する。
本発明の実施形態に係る開き窓は、
図1に示すように、上枠11,下枠12及び左、右縦枠13,14を四周に組んでなり、建物開口部に配置される枠体1に対して、上框21,下框22及び左、右縦框23,24を四周に組んで内周にガラス等パネルを装着してなる障子2を、左縦框23を吊元側框として右縦框24が外方に開放する開き窓として構成されている。
戸先側の框材である右縦框24には、その高さ方向略中間位置に取手5が取りつけられている。
【0010】
障子2を形成する框材は、枠体1の内周面に対向する外周壁と外周壁の室外側に設けられる室外側壁とからなる框本体部と、框本体部の室内側に取り付けられる押縁とから構成されており、取手5が取り付けられる右縦框24についてみると、
図2(a)に示すように、右縦枠14の内周部分に対向する外周壁241aと外周壁241aの室外側内周方向に延設される室外側壁241bとからなる右縦框本体部241と、右縦框本体部241の室内側内周面に取り付けられる押縁242とを備えており、右縦框本体部241と押縁242とにより、ガラス等パネル25を保持するガラス間口24aを構成している。
右縦框本体部241の外周壁241aはその一部が外周方向に隆起してガラス間口24aの底部には溝状部分が形成されており、ガラス間口24a底部の剛性を高めるとともに、後述するブロック材3がガラス間口の底部において大きく位置ずれすることを防止できる。
【0011】
ガラス間口24aの底部にはブロック材3が配置されており、ガラス等パネル25の端部が支持されているとともに、ガラス等パネル25と室外側壁241bとの間、及び、ガラス等パネル25と押縁242との間には、軟質材料からなるバックアップ材61が配置されている。軟質材料からなるバックアップ材61は、断面円形状をなし、
図1で示すように、障子2の右縦框24の取手5の取付部位を除いて四周に亘って配置されており、右縦框24とガラス等パネル25との間のシール剤等によるシール作業を可能にしている。
【0012】
(取手取り付け部分の構成)
右縦框24の高さ方向略中間位置には、取手5が取り付けられており、
図4に示すように、取手5は押縁242の間口側からビス等の固定手段bにより固定されている。
そして、右縦框24における取手5の取付部位については、
図2(b)、
図3に示すように、軟質材料からなるバックアップ材61に代わって硬質材料からなる硬質バックアップ材62が配置されている。
硬質バックアップ材62は、断面略正方形状に形成され、押縁242の取手5が取り付けられる長さ方向範囲よりも若干広い範囲、例えば取手5が取り付けられる部位の上下に若干幅t(=約5mm)ずつ広い範囲に亘って配置されており、その断面一辺の寸法は、ガラス等パネル25の表面と室外側壁241bもしくは押縁242の内面との間隔と略同一に形成されている。
【0013】
したがって、
図2(b)の状態において、使用者が取手5をつかんで障子2を開閉する際には、取手5にかかる力は直接押縁242に伝達されるが、押縁242の裏面には硬質バックアップ材62が配置されており、押縁242は右縦框本体部241と硬質バックアップ材62によってしっかりと取り付けられているので、取手5及び押縁242ががたつくことなく障子2の開閉操作を行うことができる。
特に、取手5をつかんで押して障子2を開放するときにも、取手5から押縁242を介して伝達される押圧力によって硬質バックアップ材62がつぶれることなく、安定確実な開閉操作を行うことができる。
【0014】
(他の実施形態)
以上の実施形態は、障子2に装着するガラス等パネル25として、見込み寸法が36mmの複層ガラスを想定して説明したが、本発明に採用されるガラス等パネル25の厚み寸法は、特に限定されるものではないし、右縦框24を構成する右縦框本体部241及び押縁242の形状も上記実施形態に何ら限定されるものではない。
例えば、
図5(a)には、ガラス等パネル25として、見込み寸法が18mmの単層ガラスを想定した右縦框24を示しており、押縁242の見付け面部242aの内周端から見込み面部242bを室外側に延設させることで、押縁242とガラス等パネル25との間隔を調整している。
同様に、
図5(b)には、ガラス等パネル25として、見込み寸法が29mmの複層ガラスを想定した右縦框24を示しており、押縁242の見付け面部242aの内周端から見込み面部242bを室外側に延設させることで、押縁242とガラス等パネル25との間隔を調整している。
【0015】
以上のように、本発明の実施形態の開き窓においては、障子を開閉する際につかむ取手を障子の框の押縁に対してしっかりと取り付けることができるので、框の見付け寸法を減少させて開口面積を大きくしながら、取手をつかんでの開閉操作の際に取手や框がぐらつくことがなく、安定した開閉操作を行うことを可能にした。
また、押縁を右縦框本体部にがたつくことなく取り付けることができるので、障子の開閉操作によってバックアップ材及び硬質バックアップ材の内周側に施工されたシール材に影響を与えることがなく、シール材が切れることがない。
【0016】
なお、本実施形態の建具においては、取手を戸先側の框材である右縦框の押縁に取り付けているが、取手を取り付ける框材は右縦框に限るものではなく、いずれの框材の押縁に取り付けてもよい。
また、本実施形態においては、ガラス等パネルの両面に配置されるバックアップ材について、硬質バックアップ材に変更した開き窓を示しており、目的を達成する上では好ましいが、ガラス等パネルの取手が取り付けている側とは反対側のバックアップ材については、必ずしも硬質バックアップ材を使用しなくても、本件発明の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0017】
1 :枠体
2 :障子
11 :上枠
12 :下枠
13 :左縦枠
14 :右縦枠
21 :上框
22 :下框
23 :左縦框
24 :右縦框
24a :ガラス間口
241 :右縦框本体部
241a :外周壁
241b :室外側壁
242 :押縁
242a :見付け面部
242b :見込み面部
25 :ガラス等パネル
3 :ブロック材
5 :取手
61 :バックアップ材
62 :硬質バックアップ材